JP2796366B2 - 織機の緯入れ制御装置 - Google Patents

織機の緯入れ制御装置

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JP2796366B2 JP1221247A JP22124789A JP2796366B2 JP 2796366 B2 JP2796366 B2 JP 2796366B2 JP 1221247 A JP1221247 A JP 1221247A JP 22124789 A JP22124789 A JP 22124789A JP 2796366 B2 JP2796366 B2 JP 2796366B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、ジェットルームにおいて、緯糸の飛走特
性が変動しても、安定な緯入れ動作を継続することがで
きる織機の緯入れ制御装置に関する。
従来技術 ジェットルーム、殊にエアジェットルームにおいて、
製織に使用する緯糸の飛走特性が変化することにより緯
入れが不安定になることがある。これは、緯糸の長さ方
向に、糸の太さや羽毛の大小等の糸物性の変動があるた
めに、糸の空気抵抗が変化することに主な原因があると
考えられている。
殊に、緯糸の供給源となる給糸体の内部では、給糸体
を構成する緯糸の飛走特性が徐々に変化するため、給糸
体の1個が消費され、緯糸が新しい給糸体から引き出さ
れるようになる、いわゆる給糸替えの際には、緯糸の飛
走特性が段階的に不連続に変動することが認められ、こ
れに対応する技術も既に提案されている所である(たと
えば特開昭58−18446号公報、実公昭63−19341号公
報)。
これらの技術は、いずれも、給糸替えの際に飛走特性
が変動することを想定し、これを消去するように、緯入
れ用の主ノズル、サブノズルに対する噴射圧力を積極的
に変化させることにより、安定な緯入れ動作を継続しよ
うとするものである。
また、緯入れされた緯糸が織布の反緯入れ側に到達す
る織機機械角(以下、緯糸の到達角度という)を監視す
ることによって緯糸の飛走特性の変動を把握し、これを
一定に維持するように緯入れ動作を開始する織機機械角
(以下、開始角度という)を制御する一方、給糸替えの
際は、この開始角度制御系の動作を一時的にリセット
し、飛走特性の不連続な変動に対処する技術も知られて
いる(実開昭60−136379号公報)。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、かかる従来技術の前者によるときは、
飛走特性の変動に対処するために主ノズル等の噴射圧力
を変化させるから、その応答性が不十分であり、給糸替
えに伴う段階的な飛走特性の変動に全く対応できないと
いう問題が避けられなかった。また、後者によるとき
は、開始角度の変化は十分に速応性があり、応答性に関
する問題はないが、噴射圧力が一定に保たれたままであ
るので、何らかの原因で飛走特性がさらに変動すると、
開始角度が過大に偏移し、緯入れ動作と経糸開口動作と
の時期的平衡関係が崩れることになり、いわゆる経糸掛
かりや、緯糸の吹切れ等の緯入れ不良を引き起すおそれ
があった。
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に
鑑み、噴射圧力制御と開始角度制御とを併用し、給糸替
えに際し、後者に対してフィードフォワード制御を行な
うとともに、前者を後者に追随して動作させることによ
って、給糸替えに伴う段階的な変動を含むあらゆる飛走
特性の変動によく対応することができ、緯入れ不良の発
生のおそれがない織機の緯入れ制御装置を提供すること
にある。
課題を解決するための手段 かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、緯入
れノズルの噴射圧力制御用の圧力コントローラに付設す
る圧力補正部と、緯入れ動作の開始時期制御用のタイミ
ングコントローラに付設する角度修正部とを備え、圧力
補正部は、緯糸の飛走特性の変動に応じた圧力補正量を
圧力コントローラに出力する一方、角度修正部は、給糸
替え信号に対応して、所定の修正パターンに基づく角度
修正量をタイミングコントローラに出力することをその
要旨とする。
なお、角度修正部は、給糸替え信号発生後の経過時
間、ピック数、給糸体の巻径のいずれかに従って所定の
角度修正量を発生する関数発生器とすることができる。
また、タイミングコントローラの入力側にリミッタ要
素を介装してもよく、圧力コントローラの入力側にデッ
ドバンド要素を介装してもよい。
さらに、タイミングコントローラには、緯糸の飛走特
性の変動に応じた角度補正量を出力する角度補正部を付
設することができる。
作 用 かかる発明の構成によるときは、給糸替え以外の原因
により緯糸の飛走特性が変動すると、圧力補正部は、緯
糸の飛走特性の変動に応じた圧力補正量を圧力コントロ
ーラに送出し、主ノズル等の噴射圧力を修正する。
給糸替えの際には、給糸体が切り換わるために、飛走
特性が段階的に急変する。そこで、給糸替え信号によっ
て給糸替えを検知すると、角度修正部は、そのときの飛
走特性の変動幅に対応する角度修正量をタイミングコン
トローラに出力し、開始角度を修正する。このときの開
始角度の修正は、給糸替え信号によって行なわれるか
ら、給糸替え後の新しい給糸体からの緯糸が最初に緯入
れされる際にも確実に適用することができ、一種のフィ
ードフォワード制御を行なうことができる。なお、角度
修正量は、その後、所定の修正パターンに従ってゼロレ
ベルに復帰するから、圧力補正部、圧力コントローラ
は、角度修正量の変化に十分追随して噴射圧力を修正す
ることができ、したがって、全体として、給糸替えによ
る飛走特性の変動によく対処することができる。
角度修正部が発生する角度修正量の修正パターンは、
一般に、給糸替え信号の発生時において給糸替えに伴う
緯糸の飛走特性の変動幅に相当する一定の角度修正量を
発生させ、その後、圧力コントローラが追随し得るよう
に、角度修正量を緩やかにゼロレベルに復帰させればよ
い。なお、角度修正量の修正パターンは、給糸替え信号
発生後の経過時間に依存するべきものであるから、経過
時間そのものを使用する他、織機のピック数や給糸体の
巻径を使用することにより、一層適確な制御を実現する
ことが可能である。
タイミングコントローラの入力側にリミッタ要素を介
装すれば、リミッタ要素は、大きな角度補正量や角度修
正量が発生したときにも、指令開始角度が極端に偏移す
ることを阻止し、緯入れ動作と経糸開口動作との時期的
平衡が失われてしまうおそれがない。
また、圧力コントローラの入力側にデッドバンド要素
を介装すれば、デッドバンド要素は、微少な圧力補正量
に対する圧力コントローラの応答を排除し、圧力調整弁
等のメカニカル部品が不必要に損耗することがない。
タイミングコントローラに角度補正部を付設すれば、
角度補正部は、緯糸の飛走特性の変動に応じた角度補正
量をタイミングコントローラに送出し、まず、開始角度
を変更することによって速やかに緯糸の飛走状態を是正
することができる。同時に、圧力補正部は、圧力補正量
を圧力コントローラに送出し、噴射圧力を修正する。
このときの圧力コントローラは、その応答性が速くな
いが、緯糸の飛走特性に適合する噴射圧力を実現するよ
うに、タイミングコントローラとは独立に動作するか
ら、噴射圧力は、最終的に、飛走特性の変動分に対応し
て偏移するまで修正される。そこで、このようにして噴
射圧力が修正されるに従い、角度補正部は、開始角度を
正規の設定開始角度に引き戻す方向に働き、したがっ
て、最終的に、噴射圧力のみが緯糸の飛走特性の変動に
応じて修正され、正規の設定開始角度、設定到達角度に
よる安定な緯入れ動作を続行することができる。なお、
角度補正部は、現実に緯入れされた緯糸の飛走特性に基
づいて動作するから、給糸替え後の最初の緯入れに対応
することはできないが、角度修正部は、この最初の緯入
れに対しても、先行して対応することが可能である。
実施例 以下、図面を以って実施例を説明する。
織機の緯入れ制御装置は、圧力コントローラ10と、タ
イミングコントローラ20と、圧力補正部30と、角度補正
部40、角度修正部60とを主要部材としてなる(第1
図)。
織機はエアジェットルームであり(第2図)、給糸体
W1から解舒される緯糸Wは、ドラム式緯糸測長貯留装置
(以下、単に貯留装置という)Dと、主ノズルMNとを経
て経糸開口WPに緯入れされる。また、緯糸Wの走行経路
に沿って、サブノズルSNi、SNi…(i=a、b…n)が
複数群に分割されて配設されている。ただし、給糸体W1
の巻始めは、予備の給糸体W2の巻終りに連結されてお
り、前者の巻量のすべてが消費されると、緯糸Wの供給
源が自動的に後者に移行するものとする。また、このと
きの給糸替え発生を検知するために、給糸替えセンサTS
が設けられている。
貯留装置Dには、係止ピンD1、解舒センサD2が付属し
ている。ドラムD3に巻き付けられて貯留された緯糸W
は、タイミングコントローラ20からの緯入れ信号Sd、S
m、Ssi(i=a、b…n)により、係止ピンD1を解舒位
置に駆動するとともに、開閉弁Vm、Vsi(i=a、b…
n)を開いて主ノズルMN、サブノズルSNi、SNi…を作動
させることによって緯入れされ、その緯入れ長さWnは、
解舒センサD2によって計測される。
主ノズルMN、サブノズルSNi、SNi…は、それぞれ開閉
弁Vm、Vsi、圧力調整弁PVm、PVsを介して共通のエア源A
Cに接続され、それぞれの噴射圧力Pm、Psは、圧力コン
トローラ10からの制御信号Spm、Spsによって制御され
る。また、織布の反緯入れ側には、緯入れされた緯糸W
の到達角度θeを検出するために到達角度センサESが配
設されており、さらに、エンコーダENからの織機機械角
θがタイミングコントローラ20に入力されている。
圧力コントローラ10は、図示しない噴射圧力設定器か
らの設定噴射圧力Poと、圧力補正部30からの圧力補正量
Pcとを入力する加え合せ点11と、2台の制御増幅器12、
12とを継続して構成されている(第1図)。圧力コント
ローラ10の出力は、制御信号Spm、Spsとして圧力調整弁
PVm、PVsに入力されている。ただし、設定噴射圧力Po、
圧力補正量Pcは、それぞれ加え合せ点11の加算端子、減
算端子に入力されている。また、ここでは、サブノズル
SNi、SNi…に対する織機側の制御系は、図示が省略され
ている。
タイミングコントローラ20は、加え合せ点21とコント
ローラ本体22とを継続してなる。加え合せ点21の加算端
子、減算端子には、それぞれ図示しない開始角度設定器
からの設定開始角度θso、角度補正部40からの角度補正
量θcが入力されている。コントローラ本体22は、加え
合せ点21からの指令開始角度θs=θso−θcと、エン
コーダENからの織機機械角θとを比較して緯入れ信号S
d、Sm、Ssiを出力することにより、θ=θsにおいて緯
入れを開始させる。すなわち、タイミングコントローラ
20は、係止ピンD1、主ノズルMN、サブノズルSNi、SNi…
からなる緯入れ部材の作動時期を制御し、緯入れ動作の
開始時期を制御するとともに、解舒センサD2からの緯入
れ長さWnが所定値になると、緯入れを完了させる。
圧力補正部30、角度補正部40は、それぞれ圧力コント
ローラ10、タイミングコントローラ20の前段に付設され
ている(第1図、第2図)。
圧力補正部30は、加え合せ点31、圧力補正手段32から
なり、前者の加算端子には、図示しない飛走期間設定器
からの設定飛走期間τoが入力される一方、減算端子に
は、飛走期間算出手段51からの緯糸Wの飛走期間τが入
力されている。圧力補正手段32は、PID制御要素を含む
ものとし、加え合せ点31からの飛走期間偏差Δτ=τo
−τを入力し、圧力補正量Pcを算出して圧力コントロー
ラ10に出力する。また、飛走期間算出手段51は、タイミ
ングコントローラ20からの指令開始角度θs=θso−θ
cと、到達角度センサESからの到達角度θeとを入力
し、織機機械角θを単位とする緯糸Wの飛走期間τ=θ
e−θsを算出して出力する。
角度補正部40は、加え合せ点41、角度補正手段42から
なる。加え合せ点41は、図示しない到達角度設定器から
の設定到達角度θeo、緯糸Wの到達角度θeを入力して
到達角度偏差Δθe=θeo−θeを出力する一方、角度
補正手段42は、到達角度偏差Δθeを入力し、適当なPI
D演算を経て角度補正量θcをタイミングコントローラ2
0に出力する。
給糸替えセンサTSからの給糸替え信号Stは、角度修正
部60に入力されている。角度修正部60の出力は、角度修
正量θctとしてタイミングコントローラ20の加え合せ点
21の別の減算端子に入力されている。
いま、正常に緯入れ動作が実行されているとき、緯糸
Wは、タイミングコントローラ20により設定開始角度θ
soにおいて緯入れが開始され、設定到達角度θeoにおい
て反緯入れ側に到達する。すなわち、このとき、到達角
度θe=θeoであるから、到達角度偏差Δθe=θeo−
θe=0であり、したがって、角度補正部40からの角度
補正量θcは、θc=0である。
また、このとき、緯糸Wの飛走期間τは、τ=τoで
あり、したがって、圧力補正部30からの圧力補正量Pc
も、Pc=0である。そこで、圧力コントローラ10、圧力
調整弁PVm、PVsによって実現される主ノズルMN、サブノ
ズルSNi、SNi…からの噴射圧力Pm、Psも、設定噴射圧力
Poに一致している。
何らかの原因で緯糸Wの飛走特性が低下すると、緯糸
Wの飛走期間τは、τ>τoとなり(第3図)、到達角
度θeも設定到達角度θeoより遅れてθe>θeoとな
る。したがって、角度補正部40の加え合せ点41は、到達
角度偏差Δθe=θeo−θe<0を検出し、角度補正手
段42に出力する。角度補正手段42は、θ=f(Δθe)
>0(ただし、fは、PID要素の一部または全部を含む
制御関数)として角度補正量θcを算出し、タイミング
コントローラ20に出力するから、タイミングコントロー
ラ20は、このようにして与えられる角度補正量θcを使
用して、指令開始角度θs=θso−θc<θsoにおいて
緯入れを開始することにより、速やかに到達角度偏差Δ
θeを除去することができる。
一方、飛走期間算出手段51は、このときの飛走期間τ
>τoを検出して圧力補正部30に出力するので、圧力補
正部30の加え合せ点31は、飛走期間偏差Δτ=τo−τ
<0を圧力補正手段32に出力する。圧力補正手段32は、
Pc=g(Δτ)<0(ただし、gは、PID要素の一部ま
たは全部を含む制御関数)として圧力補正量Pcを算出
し、圧力コントローラ10に出力するから、圧力コントロ
ーラ10は、設定噴射圧力Poに対し、飛走期間偏差Δτが
消去される方向に補正を加え、指令噴射圧力P=Po−Pc
>Poとして、制御増幅器12、12を介して圧力調整弁PV
m、PVsに出力する。すなわち、飛走期間偏差Δτ<0の
とき、指令噴射圧力P>Poとなるように補正方向を選定
する。この結果、圧力調整弁PVm、PVsは、主ノズルMN、
サブノズルSNi、SNi…からの噴射圧力Pm、PsをPm=Ps=
P>Poとなるように修正する。
このようにして噴射圧力Pm、Psが修正されると、飛走
期間τは、設定飛走期間τoに修正することができる。
ここで、圧力調整弁PVm、PVsを含む圧力コントローラ10
の応答性は、タイミングコントローラ20のそれより格段
に遅いのが普通であるから、飛走期間τが修正されるに
従い、角度補正部40は、到達角度θeを設定到達角度θ
eoに維持することにより、指令開始角度θsを設定開始
角度θsoに引き戻すように働く。すなわち、指令開始角
度θsは、圧力コントローラ10による噴射圧力Pm、Psの
修正に追随するようにして設定開始角度θsoに復帰する
ことができ、最終的に、噴射圧力Pm、Psは確実にPm=Ps
=Pに修正され、それに対応して、指令開始角度θs
は、θs=θsoに復帰することができる。
緯糸Wの飛走特性が高くなり、到達角度θeがθe<
θeoの方向に偏移し、飛走期間τがτ<τoになったと
きは、以上の説明と逆になり、最終的に、噴射圧力Pm、
PsはPm=Ps=P<Poが達成され、指令開始角度θsはθ
s=θsoに復帰する。
給糸体W1が消費されて給糸替えが行なわれると、給糸
替えセンサTSから給糸替え信号Stが発生して角度修正部
60が作動する。いま、給糸体W1の内層部からの緯糸W
は、給糸体W2の外層部からのそれに比して飛走特性が良
好であるものとすれば、緯糸Wの飛走特性は、給糸替え
により、飛走期間τが延長される方向に段階的に急変す
る。そこで、このときの角度修正部60は、給糸替え信号
Stの発生後、微少な時間遅れtdの後に角度修正量θct=
Δθctを発生し、以後、角度修正量θctが時間tの経過
とともにゼロレベルに復帰するような修正パターンの関
数発生器を使用すればよい(第4図)。角度修正量θct
は、タイミングコントローラ20の加え合せ点21に入力さ
れるので、角度修正量θct=Δθctの値を緯糸Wの飛走
特性の変動幅に応じて設定することにより、指令開始角
度θs=θso−θc−θctは、緯糸Wの到達角度θeを
設定到達角度θeoに維持するように修正することができ
る。
また、このときの圧力補正部30、圧力コントローラ10
は、前述の説明と全く同様にして、緯糸Wの飛走期間τ
を設定飛走期間τoに維持する方向に噴射圧力Pm、Psを
修正するように動作する。
なお、第4図において、時間遅れtdは、給糸替えセン
サTSの動作時点から新しい給糸体W2からの緯糸Wが現実
に緯入れされるまでの時間差に相当するように設定す
る。また、角度修正量θctをゼロレベルに復帰させる時
間Δtは、圧力コントローラ10が追随し得るように十分
長く設定するものとする。
このようにして、給糸替え信号Stの発生後、噴射圧力
Pm、Psは、時間Δt(厳密には、時間(td+Δt))の
経過により、給糸替えによる飛走特性の変動幅に見合う
圧力差ΔPだけ設定噴射圧力Poより高くなり、しかも、
角度修正部60からの角度修正量θctは、ゼロレベルに復
帰している。したがって、その後の制御は、前述の定常
制御に移行し、新しい給糸体W2の消費に伴う飛走特性の
変動に対応しつつ、安定な緯入れを続行することができ
る。
なお、給糸替えに伴う緯糸Wの飛走特性の変動方向が
逆であるときは、角度修正量θct=Δθctの符号を逆に
すればよい。
以上の説明において、角度修正量θctの最大値Δθct
は、たとえば次のようにして決定することができる。ま
ず、給糸体W1が大径の状態で圧力補正部30を作動させる
ことなく試織を行ない、指令噴射圧力PをP=Pj(j=
1、2…)と変動させる。それぞれの指令噴射圧力Pjに
おいて、到達角度θeがθe=θeoとなるための指令開
始角度θsj(j=1、2…)を求めれば、噴射圧力Pjに
対する指令開始角度θsjの関係式を定めることができ
る。
そこで、本製織の際は、圧力補正部30を作動させ、給
糸替え直前においてθe=θeoとなる噴射圧力Paが得ら
れたら、前述の関係式を参照して、これに対応する指令
開始角度θsaを定め、Δθct=θsa−θsoとすればよ
い。ただし、試織の段階における噴射圧力Pjと指令開始
角度θsjとの関係式は、角度補正部40を利用して自動的
に求めてもよく、また、手動により試行しながら求めて
もよい。
なお、最大値Δθctは、給糸替え直前の噴射圧力Paが
一定であるときは定数でよいが、噴射圧力Paが変動する
可能性があるときは、噴射圧力Pjに対する指令開始角度
θsjの関係式を記憶する図示しない関数発生器を角度修
正部60内に設け、この関数発生器に給糸替え直前の指令
噴射圧力P=Paを入力することにより、最大値Δθctを
可変設定するのがよい。
他の実施例 角度修正部60は、関数発生器62によって形成すること
ができる(第5図)。関数発生器62は、給糸替え信号St
の発生によって作動し、その後の織機のピック数npに対
応して、所定の修正パターンに基づいて角度修正量θct
を出力する。ピック数npは、筬打ち運動を検知する図示
しないピックセンサからのピツク信号Spを使用して計測
することができる。なお、ピック信号Spは、織機の主軸
を含む任意の運動部材の運動量を検知するセンサから取
ってよい。
角度修正部60は、給糸体W1、W2に対峙して巻径センサ
RS1、RS2を設け、使用中の給糸体Wi(i=1、2)の巻
径Rwに対応して、所定の修正パターンの基づく角度修正
量θctを出力する関数発生器64であってもよい(第6
図)。ここでは、給糸替えセンサTSからの給糸替え信号
Stは、巻径センサRS1、RS2と関数発生器64との間に介装
する切替器63に入力され、切替器63は、現に使用してい
る側の給糸体Wiの巻径Rwを関数発生器64に選択供給する
ことができる。
以上の各実施例において、角度修正量θctは、給糸替
え信号Stの発生後、新しい給糸体Wiの全量が消費される
までにゆっくりゼロレベルに復帰させてもよい。また、
給糸体Wiの内部における飛走特性の変化が巻径Rwに対し
て一定の曲線を描くことがわかっているとき、角度修正
量θctは、この曲線に適合する任意の曲線に沿って変化
させてもよい。
角度補正部40からの角度補正量θc、角度修正部60か
らの角度修正量θctは、加え合せ点52、リミッタ要素53
を介してタイミングコントローラ20に供給してもよい
(第7図)。指令開始角度θsが極端に偏移し、緯入れ
動作と経糸開口動作との時期的平衡が失われてしまうお
それがない。
圧力補正部30と圧力コントローラ10との間にデッドバ
ンド要素を介装することもできる。デッドバンド要素
は、デッドバンド幅内における微少な圧力補正量Pcを圧
力コントローラ10に送出しないから、圧力コントローラ
10や、これに付属する圧力調整弁PVm、PVsは、不必要な
微少動作をする機会を最少にすることができる。
以上の説明において、主ノズルMN、サブノズルSNi、S
Ni…の噴射圧力Pm、Psは、常にPm=Ps=Pとするに代え
て、たとえば制御増幅器12、12の入力側に適当な比率設
定要素を介装することにより、Pm=aPs(aは1でない
定数)として、Pm≠Psとしてもよい。また、圧力調整弁
PVsは、サブノズルSNi、SNi…の各群ごとに配設し、そ
の各群ごとに異なる噴射圧力を実現してもよい。すなわ
ち、主ノズルMN、サブノズルSNi、SNi…からなる各緯入
れノズルの噴射圧力は、その全体を一括して、または、
主ノズルMNのみ、あるいは、サブノズルSNi、SNi…を任
意の群に分割して、圧力コントローラ10の制御対象とす
ることができる。
また、圧力補正部30、角度補正部40、角度修正部60を
含む第1図の全体制御系は、アナログ系、ディジタル系
のいずれによっても実現することができ、殊に後者によ
るときは、織機のピック動作に対応して作動させること
ができる。さらに、後者において、飛走期間偏差Δτ、
到達角度偏差Δθeは、複数回のピック動作における飛
走期間τ、τ…、到達角度θe、θe…の移動平均値に
基づいて毎ピックごとに算出してもよく、また、一定ピ
ック数の平均値に基づいて一定ピック数ごとに算出して
もよい。
第1図において、設定飛走期間τoは、図示しない飛
走期間設定器から得られるものとしたが、τo=θeo−
θsoとして算出してもよい。また、設定飛走期間τo、
飛走期間τは、角度のパラメータとするに代えて、時間
のパラメータとしてもよい。このとき、飛走期間算出手
段51は、指令開始角度θsから到達角度θeまでの時間
差を測定することになり、また、設定飛走期間τoは、
緯糸Wの正規の飛走に要する時間に対応した値が設定さ
れる。また、圧力補正部30は、飛走期間τに代えて、到
達角度θeをフィードバック信号として使用してもよ
い。同様に、角度補正部40は、到達角度θeに代えて、
飛走期間τを用いてもよい。
なお、この発明において、角度補正部40は、これを省
略してもよく、その場合のタイミングコントローラ20
は、設定開始角度θso、角度修正量θctのみによって指
令開始角度θsをコントロールすることになる。
さらに、タイミングコントローラ20は、織機機械角θ
=θsにおいて主ノズルMN、サブノズルSNi、SNi…、係
止ピンD1からなる緯入れ部材を一斉に作動させるに代え
て、これらの緯入れ部材の作動時期に適当な時間差を設
定してもよい。すなわち、係止ピンD1の作動よりも所定
の時間だけ先き立って主ノズルMNの作動を開始させても
よく、あるいは、この逆にしてもよい。
発明の効果 以上説明したように、この発明によれば、圧力コント
ローラ、タイミングコントローラにそれぞれ圧力補正
部、角度修正部を付設することによって、角度修正部
は、給糸替え信号に対応して、所定の修正パターンに基
づく角度修正量をタイミングコントローラに出力し、給
糸替えに伴う飛走特性の急変に対し、開始角度のフィー
ドフォワード制御と、圧力補正部、圧力コントローラに
よる噴射圧力の追随制御とを併用することができるの
で、給糸替え時を含むあらゆる飛走特性の変動に対し、
緯入れ不良の発生のおそれがない十分安定な緯入れ動作
を容易に継続することができるという優れた効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は実施例を示し、第1図は全体系統
図、第2図は全体構成概念図、第3図と第4図は動作説
明線図である。 第5図ないし第7図は、それぞれ別の実施例を示す要部
系統図である。 W……緯糸 Pm、Ps……噴射圧力 St……給糸替え信号 Pc……圧力補正量 θc……角度補正量 θct……角度修正量 10……圧力コントローラ 20……タイミングコントローラ 30……圧力補正部 40……角度補正部 53……リミッタ要素 60……角度修正部 62、64……関数発生器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D03D 47/28 - 47/38 D03D 51/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】緯入れノズルの噴射圧力制御用の圧力コン
    トローラに付設する圧力補正部と、緯入れ動作の開始時
    期制御用のタイミングコントローラに付設する角度修正
    部とを備え、前記圧力補正部は、緯糸の飛走特性の変動
    に応じた圧力補正量を前記圧力コントローラに出力する
    一方、前記角度修正部は、給糸替え信号に対応して、所
    定の修正パターンに基づく角度修正量を前記タイミング
    コントローラに出力することを特徴とする織機の緯入れ
    制御装置。
  2. 【請求項2】前記角度修正部は、給糸替え信号発生後の
    経過時間に従って所定の角度修正量を発生する関数発生
    器からなることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の織機の緯入れ制御装置。
  3. 【請求項3】前記角度修正部は、給糸替え信号発生後の
    ピック数に従って所定の角度修正量を発生する関数発生
    器からなることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の織機の緯入れ制御装置。
  4. 【請求項4】前記角度修正部は、給糸替え信号発生後の
    給糸体の巻径に従って所定の角度修正量を発生する関数
    発生器からなることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の織機の緯入れ制御装置。
  5. 【請求項5】前記タイミングコントローラの入力側にリ
    ミッタ要素を介装することを特徴とする特許請求の範囲
    第1項ないし第4項のいずれか記載の織機の緯入れ制御
    装置。
  6. 【請求項6】前記圧力コントローラの入力側にデッドバ
    ンド要素を介装することを特徴とする特許請求の範囲第
    1項ないし第5項のいずれか記載の織機の緯入れ制御装
    置。
  7. 【請求項7】前記タイミングコントローラには、緯糸の
    飛走特性の変動に応じた角度補正量を出力する角度補正
    部を付設することを特徴とする特許請求の範囲第1項な
    いし第6項のいずれか記載の織機の緯入れ制御装置。
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