JP2795672B2 - 人工肛門バッグ用組成物 - Google Patents

人工肛門バッグ用組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、極めて優れた臭気バリアー性を示す人工肛
門バッグ用組成物に関する。
B.従来の技術 従来、人工肛門バツク用フイルムは低密度ポリエチレ
ン、軟質ポリ塩化ビニル等の単層フイルムが用いられて
きた。しかし、ポリエチレン、軟質塩化ビニル等の単層
フイルムでは臭気バリアー性が十分ではなく、装着中に
内容物の臭気が外部に漏れ、本人に不快感を与える。こ
のため内容物の臭気を外部へ漏らさない臭気バリアー性
のあるフイルムが望まれている。そこで臭気バリアー性
のあるエチレン−ビニルアルコール共重合体(以下EVOH
と記す)あるいはポリ塩化ビニリデン系脂肪をバリアー
層とした多層フイルムを使用することが提案されてい
る。EVOHをバリアー層として人工肛門バツクに使用する
方法は実開昭60−175248に見られるがEVOHはアンモニア
など低分子アミン類に対するバリアー性がやや不十分で
あり、現在EVOHを臭気バリアー層とする人工肛門バツク
は実用化されていない。ポリ塩化ビニリデン系樹脂を用
いる方法は特表昭57−501631、特開昭60−137368に見ら
れるが、現在市販されているポリ塩化ビニリデン系の人
工肛門バツクでも臭気バリアー性が十分満足されておら
ず、臭気バリアー性の改善が求められている。
また、特開昭61−60732および特開昭61−148236には
鉄(II)化合物及び有機酸からなる組成物(脱臭剤)を
含有するプラスチツクフイルムについて、特開昭62−86
031には有機酸(脱臭剤)を含有する樹脂成形物につい
て、特開昭62−235363、特開昭62−235364、特開昭62−
235365には亜鉛化合物と有機酸からなる組成物(脱臭
剤)を含有する樹脂組成物について記載されている。し
かし脱臭剤が脱臭し得る臭気には限界があり、臭気物質
の臭気を完全に遮断することは困難である。また、これ
までもEVOHと脱臭剤の組み合わせについては全く知られ
ていない。
C.発明が解決しようとする課題 上述したように、臭気物質に含まれる多くの臭気成分
に極めて優れたバリアー性を示す材料、とりわけプラス
チツクフイルムが望まれていた。
D.課題を解決するための手段 臭気バリアー層がEVOHのみでは臭気バリアー性が不十
分でなく、人工肛門バツク用フイルムとしては十分な臭
気バリアー性が得られなかつた。しかし意外にもEVOHお
よび脱臭剤を含む組成物からなるフイルムは、ほとんど
の臭気成分に対して臭気バリアー性が完全となることを
見い出し、更にこの組成物の層を含むフイルムが、とく
に人工肛門バツク用フイルムとして有用なることを確認
して本発明を完成することに至つた。
本発明の組成物よりなるフイルムが、かくも優れた臭
気バリアー性を有する理由は充分明らかでないが、EVOH
と脱臭剤が各種の悪臭成分に対する遮断に相乗的な作用
酸関係を有するものと理解される。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明において使用されるEVOH(A)は、エチレンと
酢酸ビニルの共重合体中の酢酸ビニル単位を加水分解し
たものであるが、本発明の目的に適合するものとして、
特にエチレン単位と含有量が20〜50モル%、とりわけ27
〜40モル%、酢酸ビニル単位の鹸化度が96%以上、とり
わけ99%以上のものが挙げられ、メルトインデツクス
{190℃、2160gで測定した値;ただし、融点が190℃付
近あるいは190℃を超えるものは2160g荷重下、融点以上
で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、メル
トインデツクスを縦軸(対数)としてプロットし、190
℃に外挿した値}としては0.2〜60g/10分の範囲が例示
される。また、本発明にいうEVOHは5モル%以下の範囲
の共重合モノマーで変性されていてよく、かかる変性用
モノマーとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘン
セ、4−メチル−1−ペンテン、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、高級脂肪酸ビニルエステル、アルキルビニルエー
テル、N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルア
ミド類あるいはその4級化物、N−ビニルイミダゾー
ル、あるいはその4級化物、N−ビニルピロリドン、N,
N−ブトキシメチルアクリルアミド、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメ
チルメトキシシラン等を例示することができる。
本発明で用いられる脱臭剤(B)としては、各種悪臭
成分、とりわけアンモニア、トリメチルアミン、アセト
アルデヒド、硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチ
ル、二硫化メチル、スチレン、フエノール、n−吉草
酸、イソー吉草酸等に対し、脱臭効果のある物質であ
り、その種類に特に制限はないが、有機酸類、鉄(II)
化合物、亜鉛化合物、アルミニウム化合物、ケイ素化合
物、鉄(II)化合物−有機酸組成物があげられる。また
これらの脱臭は単独で用いることもできるし、また複数
種の成分として用いることもできる。
亜鉛化合物としては、ケイ酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜
鉛、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、硝酸亜鉛、炭酸亜鉛、酢酸
亜鉛、シユウ酸亜鉛、クエン酸亜鉛、フマル酸亜鉛、ギ
酸亜鉛等があげられる。
またアルミニウム化合物としては、硫酸アルミニウ
ム、リン酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、硫酸ア
ルミニウムカリウムなどがあげられる。
また、ケイ素化合物としては、二酸化ケイ素、オルソ
リン酸ケイ素、ピロリン酸ケイ素−I型、ピロリン酸ケ
イ素−II型などのリン酸ケイ素化合物活性シリカゲルな
どが挙げられる。
また鉄(II)化合物としては、2価の鉄イオンを形成
するものであれば任意のものが使用できる。例としては
硫酸第一鉄、塩化第一鉄、硝酸第一鉄、臭化第一鉄、ヨ
ウ化立第一鉄などの鉄(II)無機塩、没食子酸第一鉄、
リンゴ酸第一鉄、フマル酸第一鉄などの鉄(II)有機塩
が挙げられ、このうち硫酸第一鉄、塩化第一鉄が好まし
い。
また亜鉛化合物のケイ素化合物の組成物も好適に用い
られる。この組成物の具体的な例としては、酸化亜鉛と
二酸化ケイ素の比率が重量比で1:5〜5:1の範囲からな
る、大部分がアモルフアスな構造を有している、ケイ素
亜鉛の実質的に無定形微粒子が好ましい。酸化亜鉛と二
酸化ケイ素の比率は、好ましくは1:4〜4:1の範囲、更に
好ましくは1:3〜3:1の範囲である。
また亜鉛化合物とアルミニウム化合物の組成物も好適
に用いられる。この組成物の具体的な例としては、酸化
亜鉛および/または炭酸亜鉛と硫酸アルミニウムおよび
/または硫酸アルミニウムカリウムの混合物が好まし
く、亜鉛化合物100重量部に対してアルミニウム化合物
1〜1000重量部、好ましくは30〜300重量部の割合で使
用する。
また有機酸類としては、炭素数8以上の有機酸、例え
ば脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ポリカルボン酸、芳香
族モノカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸が好ましく、
特に芳香族カルボン酸が好ましい。芳香族ポリカルボン
酸の例としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、トリメリツト酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン
酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、ピロメリツト
酸、ベンゼンヘキサカルボン酸、ナフタレンジカルボン
酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカル
ボン酸、ジフエニルテトラカルボン酸、ジフエニルエー
テルテトラカルボン酸、アゾベンゼンテトラカルボン酸
あるいはこれらの無水物が挙げられ、これらの中でベン
ゼントリカルボン酸、とりわけトリメリツト酸が好まし
い。
鉄(II)化合物−有機酸組成物に用いられる鉄(II)
化合物としては、前記したとおりの水中に溶解して2価
の鉄イオンを形成するものであれば任意のものが使用で
きる。例として硫酸第一鉄、塩化第一鉄、硝酸第一鉄、
臭化第一鉄、ヨウ化第一鉄などの鉄(II)無機塩、没食
子酸第一鉄、リンゴ酸第一鉄、フマル酸第一などの鉄
(III)有機塩が挙げられ、このうち硫酸第一鉄、塩化
第一鉄が好ましい。
鉄(II)化合物−有機酸組成物に用いられる有機酸と
しては水に可溶なものであればよく、例としてはアスコ
ルビン酸、イソアスコルビン酸及びその金属塩などのア
スコルビン酸類、クエン酸、イソクエン酸、乳酸、酒石
酸、リンゴ酸などのカルボン酸類が挙げられ、このうち
L−アスコルビン酸が好ましい。
本発明で用いる鉄(II)化合物−有機酸組成物は、両
者が結合していることが好適であり、これは、例えば両
成分を一旦混合、溶解した水溶液を噴霧乾燥、凍結乾燥
等により乾燥、粉末化して調製できる。鉄(II)化合物
と有機酸の成分比率は重量比で1:0.01〜1.0の範囲が好
ましく、より好ましくは1:0.02〜0.80の範囲である。有
機酸成分がアスコルビン酸類の場合は鉄(II)化合物と
有機酸の成分比率は重量比で1:0.02〜0.30の範囲が好ま
しく、より好ましくは1:0.02〜0.13、特に好ましくは1:
0.05〜0.13の範囲である。本発明において2種以上の鉄
(II)化合物あるいは2種以上の有機酸を併用して用い
ても差し支えない。また鉄(II)化合物−有機酸組成物
には脱臭機能の安定化剤としてミヨウバンを鉄(II)化
合物と有機酸の合計量に2〜20重量%添加することが好
ましい。ミヨウバンとしては特に制限はないが、カリミ
ヨウバン、アンモニアミヨウバン、ナトリウムミヨウバ
ンが好適である。
さらにまた、他の脱臭剤として、亜鉛化合物とポリカ
ルボン酸からなる組成物などの金属化合物を安定化させ
た組成物、鉄(III)−フタロシアニン誘導体などの生
体酵素モデル化合物、キリ、ヒイラギ、モクセイ、ツワ
ブキ、フキ、ライラツク、シナレンギヨウ、クリ、ハン
ノキなどの植物の樹木液または抽出成分、ゼオライトな
どのアルミノ珪酸塩、セピオライト、シロタイル、バリ
ゴルスカイト、ラフリナイトなどの含水珪酸マグネシウ
ム質粘土鉱物、活性フミンサン、活性アルミナ、活性炭
なども使用できる。
前記した脱臭剤の中で酸化亜鉛、硫酸亜鉛などの亜鉛
化合物、二酸化ケイ素、オルソリン酸ケイ素などのケイ
素化合物、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウ
ムなどのアルミニウム化合物、亜鉛化合物とケイ素化合
物の組成物、亜鉛化合物とアルミニウム化合物の組成
物、さらには有機酸、鉄(II)化合物−有機酸組成物が
特に好ましい。
脱臭剤の含有量は、配合する樹脂(EVOH、またはEVOH
の他の樹脂とのブレンド)に対して0.1重量%以上、好
適には0.2〜50重量%、さらに好適には0.5〜10重量%で
ある。0.1重量%未満では、EVOHとの組合せによる臭気
バリアー性の相乗効果が不充分となる。
本発明においてEVOH脱臭剤の組成物を得る方法として
は、バンバリーミキサー、短軸あるいは二軸スクリユー
押出機、プラベンダープラストグラフ等を用いてあらか
じめEVOHにブレンドする方法、直接各種成形機に供給し
て成形機で混練しながら成形する方法、一旦押出機で高
濃度のマスターペレツトを作製し、1/10程度に希釈した
ものを溶融押出成形を行なう方法、さらにはEVOHの溶液
に脱臭剤(とくに脱臭剤の微粉末)を混合後、キヤスト
法によつて製膜する方法などがあげられる。
また本発明の組成物には、他の添加剤(各種樹脂、熱
安定化剤、酸化防止剤、可塑剤、着色剤等)を本発明の
作用効果が阻害されない範囲内で使用することは自由で
ある。熱安定化剤としては、ハイドロタルサイト系化合
物、金属石けん、鉛塩系化合物、有機錫系化合物、ヒン
ダードフエノール系化合物、ヒンダーボアミン系化合
物、スルフイド系化合物、ホスフアイト系化合物が用い
られるが、バイドロタルサイト系化合物が特に有効であ
る。このような添加剤はEVOHを単独で用いる場合にも配
合できるし、さらに他の層を構成する素材にも配合でき
る。
本発明の組成物は、該組成物を単層とするフイルムと
して使用されることもあるが、該組成物層の片面または
両面に保護層を設けまた多層構造体(例フイルム)とし
て使用されることが多いし、好ましい。ここで保護層と
は、EVOH層に高度な臭気バリアー性を付与し、さらによ
り優れた強度、柔軟性、さらにはより優れた耐湿性、ヒ
ートシール性を付与するものであり、その保護材として
は熱可塑性樹脂、とくに疎水性熱可塑性樹脂、紙、不織
布、布などがあげられる。
ところで熱可塑性樹脂としては、特に制限はないが、
低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン
共重合体、ポリブテンなどのポリオレフインや、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル
共重合体、アイオノマーなどのオレフインを主体とする
共重合体などのヒートシール性の良好な熱可塑性樹脂が
好ましく、他にポリエチレンテフタレート、ポリカーボ
ネート、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルな
ども例として挙げられる。なおガスバリアー性樹脂とし
てポリエチレンテフタレート、ポリアミドを使用する場
合は熱可塑性樹脂として、ポリエチレンテフタレートや
ポリアミドと特性の異なる、たとえばヒートシール性の
より優れた、または柔軟性のより優れた素材を選ぶこと
が好ましい。
柔軟性の要求される人工肛門バツクなどに使用する場
合は、先に述べたようにガスバリアー性樹脂にブレンド
樹脂を配合して柔軟性を付与するとともに、保護層とし
て、20℃でのヤング率が2.5kg/mm2以下、とりわけ0.1〜
2kg/mm2の範囲の熱可塑性樹脂層が好ましい。ここで保
護層のヤング率とは、保護層を形成する樹脂の単層フイ
ルムのヤング率をいう。上述した物性を与える樹脂とし
ては低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、またはエ
チレン−メタクリル酸エステル共重合体などが挙げら
れ、とりわけ酢酸ビニル含量5〜45重量%のエチレン−
酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エステル含量5〜45重
量%のエチレン−アクリル酸エステル共重合体、または
メタクリル酸エステル含量5〜45重量%のエチレン−メ
タクリル酸エステル共重合体が好ましく、より好ましく
は酢酸ビニル含量が10〜30重量%のエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、アクリル酸エステル含量が10〜30重量%の
エチレン−アクリル酸エステル共重合体、またはメタク
リル酸エステル含量が10〜30重量%のエチレン−メタク
リル酸エステル共重合体である。これらの樹脂にはポリ
オレフイン用のスリツプ剤、ブロツキング防止剤を必要
に応じて添加できる。エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリル酸エステル共重合体、またはエチレ
ン−メタクリル酸エステル共重合体の酢酸エステル成
分、アクリル酸エステル成分またはメタクリル酸エステ
ル成分が5重量%未満では多層フイルムの柔軟性がやや
劣り、45重量%を超えると表面のスリツプ性が不良にな
り、スリツプ剤、ブロツキング防止剤の添加によつても
満足なスリツプ性が得られない。
層構成としては、保護層をP、EVOH組成物層をG、脱
臭剤をDとするとき、P/G含有G、P/D含有G/P、D含有G
/D含有G、D含有P/D含有G/P、D含有P/D含有G/D含有P
などがあげられる。さらに各層間には後述する接着性樹
脂を適宜設けることもできる。
本発明の組成物からなるフイルム、さらには多層構造
体(フイルム)の厚さは特に制限はないが、通常EVOH組
成物層が3〜50μ、好ましくは5〜30μ、保護層、とく
に脱臭剤を含有する保護層が5〜300μ、好ましくは5
〜150μ、全体の厚さは20〜500μ、好ましくは60〜200
μである。
本発明の組成物を使用して多層構造体を得る方法とし
ては、共押出法、押出ラミネーシヨン法、ドライライネ
ーシヨン法、サンドラミネーシヨン法などが挙げられ
る。
多層構造体を得る際、EVOH組成物層と保護層の層間接
着力が十分でない場合には接着剤の使用あるいは接着性
樹脂層を設けることが好ましい。接着性樹脂としては実
用段階デラミネーシヨンを起こさないものであればよく
特に限定されないが、共押出法においてはポリオルフイ
ン系重合体、たとえばポリエチレン、エチレン−α−オ
レフイン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢
酸ビニル含量45重量%以下)、エチレン−アクリル酸エ
ステルまたはメタクリル酸エステル共重合体(アクリル
酸エステル、メタクリル酸エステル含量45重量%以下)
にエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物を化学
的に(たとえば付加反応、グラフト反応により)結合さ
せて得られる変性ポリオレフイン系共重合体が好ましく
用いられる。これらの接着性樹脂は層間に設けるのでは
なく、両層のいずれか、または両層に配合することも可
能である。
以下実施例により、本発明をさらに具体的に説明す
る。
E.実施例 実施例1 エチレン含量が32モル%、ケン化度が99%、190℃、2
160g荷重の条件下でASTM D 1238 65Tに準じて測定した
メルトインデツクス(以下MIと記す)が4.5g/10分のEVO
Hをn−プロパノール/水=65/35(重量比)の溶媒に20
℃で溶解した。
次にアモルフアス構造を有するケイ酸亜鉛(酸化亜鉛
と二酸化ケイ素の重量比が1:3で粒子径が平均5ミクロ
ン以下)の微粉末を、溶解樹脂(EVOH)に対して3重量
%になるように上記溶液に加え、激しく撹拌混合した
後、キヤスト法により厚さ10μのEVOHの単層フイルムを
得た。
次に1軸押出機により得た厚さ30μの酢酸ビニル含量
28重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体フイルムを2
液硬化型ポリエステル系接着剤を用いてドライラミネー
シヨン法により上記EVOHのフイルムの両側に配すること
により多層フイルムを得た。
得られた多層フイルムについて膜面、酸素ガス透過量
(OTR)、臭気バリアー性柔軟性、装着感、ノイズ性の
評価を以下のように行なつた。酸素ガス透過量の測定は
Modern Gontrol社製のOX−TRAN 10−50Aを使用し、20
℃、相対湿度65%にて測定した。また臭気透過性、柔軟
性、装着感、ノイズ性の評価は、140mm×300mmの該積層
フイルムを2枚重ね、140mmの一辺と300mmの二辺を幅5m
mで熱シールした袋を用いた。臭気透過性の評価は20
℃、相対湿度65%にコントロールした部屋で袋の中に臭
気物質を入れ熱シールにより袋を密閉した後、内容量50
0mlの広口ビンに袋を入れ栓をし20℃、相対湿度65%の
状態で24時間放置した後の広口ビン内の臭気を官能検査
により5点法により評価した。臭気物質としては1gのス
カトール及び25%のアンモニア水溶液5ccを用いた。ま
た柔軟性、装着感、ノイズ性は実際に袋を腹部に装着
し、以下のように5点法で評価した。
表1に評価結果を示したようにこのフイルムは膜面、
臭気バリアー性とも非常に良好であつた。
実施例2 実施例1においてケイ酸亜鉛微粉末にかえて酸化亜鉛
とミヨウバン5:1(重量比)からなる微粉末(粒子径が
平均10ミクロン以下)を使用した以外は実施例1と同様
にしてキヤスト法により厚さ10μのEVOHの単層フイルム
を得、このEVOHフイルムの両側にエチレン−酢酸ビニル
共重合体フイルムを、2液硬化型ポリエステル系接着剤
を用いて積層し、多層フイルムを得た。得られた多層フ
イルムについて実施例1と同様の評価を行なつた。表1
に評価結果を示したように、このフイルムは膜面、臭気
バリアー性が非常に良好であり、さらに柔軟性、装着
感、ノイズ性も良好であつた。
比較例1 10μのポリ塩化ビニリデン系フイルムを1軸押出機に
より得た中間層としてこのフイルムを使用した以外は実
施例1と同様にしてドライラミネーシヨン法により3種
5層の多層フイルムを得た。得られたフイルムについて
実施例1と同様の評価を実施した。表1に評価結果を示
したようにこのフイルムは臭気バリアー性が不十分であ
った。
比較例2 実施例1で用いたEVOHの単層フイルム(脱臭剤含有せ
ず)を1軸押出機により得た。中間層としてこのフイル
ムを使用した以外は実施例1と同様にしてドライラミネ
ーシヨン法により3種5層の多層フイルムを得た。
得られたフイルムについて実施例1と同様の評価を実
施した。表1に評価結果を示したようにこのフイルムは
臭気バリアー性が不十分であった。
比較例3 酢酸ビニル含量が28重量%のエチレン−酢酸ビニル共
重合体を用いて厚さ70μの単層フイルムを1軸押出機に
より得た。得られたフイルムについて実施例1と同様の
評価を実施した。表1に評価結果を示したようにこのフ
イルムは臭気バリアー性が不良であつた。
比較例4 比較例3で使用したものと同じエチレン−酢酸ビニル
共重合体に、実施例1で使用したものと同じ脱臭剤を3
重量%配合してブレンドペレット化したものを用いた以
外は比較例3と同様にして単層フイルムを得て、実施例
1と同様の評価を実施した。表1に評価結果を示したよ
うにこのフイルムは臭気バリアー性が不良であった。
F.発明の効果 本発明の組成物から得られるフイルム、とりわけ多層
フイルムは、臭気物質に対して極めて優れたバリアー性
を示し、とりわけ人工肛門バツク用フイルムとして有用
である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61L 25/00 C08L 29/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン含有量20〜50モル%のエチレン−
    ビニルアルコール共重合体(A)および脱臭剤(B)を
    含み、脱臭剤(B)の含有量が0.2〜50重量%である人
    工肛門バッグ用組成物。
  2. 【請求項2】脱臭剤(B)が、亜鉛化合物、アルミニウ
    ム化合物、ケイ素化合物、鉄(II)化合物および有機酸
    から選ばれる化合物の一種または複数種の組成物である
    請求項1記載の人工肛門バッグ用組成物。
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