JP2795652B2 - 多層構造加工糸 - Google Patents

多層構造加工糸

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    • D02GCRIMPING OR CURLING FIBRES, FILAMENTS, THREADS, OR YARNS; YARNS OR THREADS
    • D02G1/00Producing crimped or curled fibres, filaments, yarns, or threads, giving them latent characteristics
    • D02G1/20Combinations of two or more of the above-mentioned operations or devices; After-treatments for fixing crimp or curl
    • DTEXTILES; PAPER
    • D02YARNS; MECHANICAL FINISHING OF YARNS OR ROPES; WARPING OR BEAMING
    • D02GCRIMPING OR CURLING FIBRES, FILAMENTS, THREADS, OR YARNS; YARNS OR THREADS
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    • D02G3/22Yarns or threads characterised by constructional features, e.g. blending, filament/fibre
    • D02G3/34Yarns or threads having slubs, knops, spirals, loops, tufts, or other irregular or decorative effects, i.e. effect yarns

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポリエステル多層構造加工糸に関するもの
である。更に詳しくは、ループ状やカール状の屈曲形態
部を有する繊維が存在している糸条に関するものであ
る。
〔従来の技術とその問題点〕
従来より、合成繊維織物を天然繊維織物に近付けるた
めに風合、外観、タツチ等のそれぞれの領域で種々の工
夫と改良がなされてきた。ポリエステル仮撚加工糸にお
いても例外ではない。例えば単なる捲縮糸から出発し、
側糸と芯糸に糸長差(芯糸に比べ側糸が長い)を設け、
捲縮空間に糸長差空間を加えて変形空間の多様化を図つ
た2層構造加工糸がある。
しかし従来の2層構造加工糸は、実用上、2つの糸条
(側糸と芯糸)に糸長差を設けると、肌別れして取り扱
いできにくいことから、仮撚に先立つて流体加工を施し
て絡ませることがもつぱら行なわれている。
〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながらこの2層構造加工糸を織物上から見ると
必ずしも満足できるものではない。例えば糸の構造は一
般に複雑であればある程、繊維個々が保存する空間の形
式が多様化することとなり、また大きさがまちまちであ
ればある程、風合やタツチは向上し、自然さが生れる。
また、糸条設計や織物設計にあたつては、得られた空間
が織物組織内で有効に働けるものであるか否かを重要視
しなければならない。この点従来の2層構造加工糸は、
糸長差を設けたことで空間形式の多様化として1つの進
歩であるが、その有効性まで配慮されたものとは言いが
たい。即ち空間形式の不足を補ぎなつて糸長差を大きく
すればふくらみ風合というよりもむしろ“ふかつく”
し、撚糸物においては側糸が芯糸にきれいに巻きついて
一様性を帯びることとなる。撚数が高くなればなる程こ
の傾向は強くそして糸長差空間さえも失つて行く。この
ことは、変形空間の多様化と共に撚糸時あるいは実際の
織物組織まで拡げてそれら空間が有効であるか配慮の必
要性があることを示すものである。強いて上げれば、経
糸と緯糸の織りなす空間あるいは交叉する空間は、一般
に0.5m/mとか0.2m/mとかの大きさであり、この近傍の空
間を含むことが大切である。またそれらが織物に変化を
つけ自然さを与えるのである。単なる糸長差は、このオ
ーダーよりもはるかに長く一様性と認知されるのであ
る。
今一つの欠点は“ハシリ”と呼ばれる現象である。元
来2層構造加工糸は、分子配向の進んでいて染りにくい
芯糸と比較的進んでいない染まり易い側糸で構成されて
いるものであつて芯糸が側糸のすきまからこぼれ見える
ことから筋状の“ハシリ”となつて認知されることとな
る。本発明は、これらの構造糸の不足不備の追究はもと
より、実際の撚糸織物に拡げてその中で解決を図ろうと
するものである。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち本発明は、内層、中間層および外層の少なく
とも3層から構成され、内層から外層に行くに従つて糸
長を長くしており、かつ各層間に間けつ的もしくは連続
的な混繊絡みを有しており、糸条表面または糸条内には
ループあるいはカール状の屈曲形態部を有する繊維が存
在しており、そして該糸条に撚係数To=2000t/Mの実撚
を施した時に突出係数(突出部高さ/突出部幅)rが0.
5以上でかつ撚糸条直径の1/3以上の高さを有する繊維突
出部が5個/インチ以上生成することを特徴とするポリ
エステル多層構造加工糸である。
第1図は、本発明の一例である3層構造加工糸の側面
を示す模式図である。図中、1は内層(芯糸)、2は中
間層、3は外層(側糸)である。側糸は他に比べ最も長
く糸条の外層により多く位置している。芯糸は他に比べ
最も短かく、内層により多く位置している。中間層はこ
れらの中程の性質をもつている。これら3者は少なくと
も隣り合う層を構成する繊維と混繊絡まされて互に入り
混つた状態を長さ方向に間歇的あるいは連続的に保有し
ている。そして互に肌別れしない形態をなしている。も
ちろん3者の中で特定の2者がより多く混繊していても
よい。本発明において最も大切なことは、外層と中間層
で、また中間層と内層とでそれぞれに糸長差を有するこ
とはもちろんのこと糸条の表面や内部に第1図に示す如
くループやカール等の繊維屈曲が種々の大きさと形で存
在することである。換言すれば繊維個々で微少区間内に
種々の大きさと形の変形空間を数多くもつていることで
ある。この微少区間は、先に述べた如く織物組織にあつ
て非常に有効に働く大きさであると共に、また単なる糸
長差に比べはるかに大きな空間を有する。例えばループ
を例に取るとその糸長差はループ長をループ巾で除した
もの(ループ長/ループ幅)であり、100%をはるかに
超えて500%以上に達することはまれではない。
第2図は本発明の糸条に撚を施したときの側面を示す
模式図である。本発明の糸条は第2図に示す如く、糸条
長面に緩み繊維から始つて大小様々なループ、カール等
を数多く保有している。しかもその形がシヤープであつ
て高さの高いものをも数多く含んでいる。この形のシヤ
ープさあるいは幅の狭さが、それぞれの変形空間を織物
の風合、タツチの場に有効に登場させるのである。具体
的に示すと、第2図が示す如く本発明の糸条は、撚係数
2000T/Mの実撚を付与した場合に、突出係数r(突出部
高さ/突出部幅)≧0.5、撚糸条直径の1/3以上の高さの
繊維突出部を5個/インチ以上、好ましくは10個/イン
チ以上保存する能力をもつ。なお撚係数2000の撚を付与
するための具体的撚数と糸条繊度との関係を示せば次の
ようになる。
T=撚数(撚ターン/撚糸前の糸長) Dr=糸条繊度 なお本発明の糸条がこれら形態をなす原因を示すと次
の如くである。一般に撚を掛ければ掛る程、糸条はひき
しまつてワイヤロープ状となる。この傾向は従来の2層
構造加工糸においても同様で、初期には糸長差があつて
ソフトであるが、撚によりひきしまつてワイヤロープ状
となる。本発明糸条は、従来の糸条と違つてループやカ
ール等の繊維屈曲部を数多くもつている。これらは局部
的に非常に大きな糸長差を持つていて撚りにより糸条が
ひきしまつてもループやカールなどの高さをあまり失な
いにくい。むしろシヤープさを増したり高さを高くする
ものさえある。この傾向は局部的な糸長差の大きいもの
程強く、糸条内に存在するループやカールが糸条表面に
現われることもしばしばである。これらが本発明にルー
プを数多く与え、その形状をシヤープに高いものが得ら
れる要因をなしている。
第3図は、本発明の糸条側面を示す他の例で、太さ斑
を有する繊維が存在する場合である。この太い部分は未
延伸あるいは延伸不充分な部分で延伸同時仮撚を施すと
き得られ易い。本発明においては太い部分は長さ方向に
ランダムに存在している。また糸径方向には全ての繊維
に存在してもさしつかえないが、好ましくは外層表面あ
るいは外層近くにより多くある場合である。何故ならば
この太い部分はアルカリ分解を受け易く、開末端繊維を
形成し易いからであり、風合タツチ効果をもたらすため
にも表面や外層により多く存在するこが好ましい。また
太い部分は局部的な糸長差を有することが多く、撚糸時
糸条表面に浮きでてアルカリ分解を受け易いことも好都
合である。なお太い部分は全て開末端となる必要はなく
一部であつてもよい。
次に本発明の視覚的特徴を述べる。本発明の糸条も従
来の2層構造加工糸と同様に一般に外層から内層に向つ
て分子配向が大きくなる繊維により構成されている。染
料の吸着性は分子配向が進むにつれて劣る傾向があり、
したがつて本発明の糸条も元来先に述べた如く“ハシ
リ”が見える性質をもつている。しかし実際にはほとん
ど認知しがたい。その理由は多層で芯糸が見えにくいこ
と、および混繊絡みで混ざつていることである。特に2
種以上のポリマーを同一口金に存在するそれぞれのノズ
ルより紡糸し得られる繊維を一本の糸条した、いわゆる
同一口金紡糸糸条の一部から芯糸が形成される場合に非
常に優れている。これは、後に述べる流体撹乱処理によ
つて入り混じると共に紡糸段階ですでに混じつているこ
とが大きく起因しているものと思われる。さらに芯糸に
先着性の高いポリマーを用いると好都合である。例えば
共重合物や低結晶性ポリマー等である。
また風合効果として、外層を細くかつ内層を太い繊維
で構成すると、ソフトで腰のある織物が得られる。本発
明の糸条は、多層構造を有しており、芯糸の太デニール
繊維が表面に現われにくく、したがつて表面に出て風合
やタツチを粗害しない構造を有している。また非常に実
施し易い糸条、特に芯糸が太い、例えば6デニールを超
える場合に非常に有効である。なぜならば芯糸の単繊維
繊度が大きくなると従来の2層構造糸は側糸と芯糸が混
繊されにくく、肌別れあるいは移動し易くなる。これに
本発明の如く中間層を設けるとこれを防ぐことができ
る。特に太繊度のフイラメント数が少ないとき、たとえ
ば12本以下のとき有効である。さらにこれら繊維の全部
あるいは一部に異形断面繊維を用いると極めて大きな効
果をもたらす。異形断面繊維は太繊度のときのみに有効
ではなく、それ以外の場合も混繊効果が高い。また側糸
に用いると先に述べたループやカール等の生成が非常に
容易である。具体的な異形断面としては、三葉以上の多
葉、突起が三つ以上の形状さらにはU字型やV字型など
が挙げられる。
なお第1図や3図では本発明の糸条を模式的に3層と
して示したが、本発明では、4層や5層等でもさしつか
えない。
次に本発明の糸条の製造方法を示す。第4図は本発明
の糸条の製造装置を示す模式図である。F0は側糸(外
層)供給原糸、F1は中間層供給原糸、F2は芯糸(内層)
供給原糸、R0は過剰供給ローラ、R1は芯糸供給ローラ、
Nは流体撹乱ノズル(いわゆるタスランノズル、たとえ
ばヘバライン社製へマジエツト#310)R2は中間ロー
ラ、Hは仮撚ヒータ、Sは仮撚ユニツト、R3はデリベリ
ローラ、Tuは捲取機、Gはガイドである。側糸用糸はガ
イド、過剰供給ローラを経て、一方中間層用糸および芯
糸用糸は、それぞれガイド、芯糸係給ローラを経て、共
に流体撹乱ノズルに導かれ撹乱流体処理を受ける。これ
により3者の糸条には混繊が付与されて1本の糸条にな
ると共に糸条表面にループやカール等が数多く付与され
る。つづいてガイド、中間ローラ、仮撚ヒータ、仮撚ユ
ニツト、デリベリローラに導かれ、仮撚もしくは延伸同
時仮撚加工が施され捲取機に巻き取られる。この場合中
間層糸と芯糸用糸には物性差を設けておくことが大切
で、例えば伸び易い糸条、自然延伸倍率の大きい糸条
が、仮撚(延伸同時仮撚含む)中芯糸との間に糸長差を
発生し、中間層となる。
さらに詳細に説明すると次の如くである。混繊絡み
は、他の要因にも関係しているが、第1は各成分糸が肌
別れしないことである。形態としては、それらが長さ方
向に間歇的または連続的に存在している。連続的なもの
となるか間けつ的なものとなるかは、流体撹乱処理条件
により決定されるが、本発明ではいずれであつてもよ
い。本発明にあつて最も特徴的なことは、仮撚(延伸同
時仮撚含む)前に糸条表面に多数のループやカール等の
突起繊維を有することである。この突起は、後の、即ち
仮撚加工後のループ状やカール状の屈曲形態部に関係し
ているからである。即ち、仮撚前のループやカール等の
形がシヤープであればある程、即ち局部的糸長差が大で
あればある程、そしてその数が多ければ多い程、シヤー
プで糸長差の大なるループやカール状の屈曲形態部が数
多く得られる。反対に“ドローン”としたもの、例えば
幅の広いループやカール等からは得られにくい。これは
仮撚前の突起繊維を数多く得るには、一般に芯糸に比べ
て側糸の供給速度が高い程多く、またシヤープで高さの
高いものが得られ易い。本発明では一般に10%以上、好
ましくは15%以上の供給速度差が適切で、さらに混繊絡
みも向上する。
一方撹乱流体処理と繊維形状に関して異形断面糸は非
常に優れている。その原因の一つは混繊絡みに優れてい
ることである。先に述べた視覚的要因の“ハシリ”の防
止と共に特に絡みにくい糸条に効果がある。例えば芯糸
に太繊度を用いると一般に絡みにくく、肌別れしたりネ
ツプになつたりする。これを防ぐには異形断面糸が効果
的で特に側糸〜芯糸に至る全ての繊維に異形断面糸を用
いると最も効果的であるが、一部たとえば中間層に用い
ても効果的である。今一つの効果は撹乱流体処理が容易
である。生成する突起繊維の数は多くしかもシヤープな
形状、つまり幅の狭い高さのあるループやカール等が得
られ、本発明においては好都合である。突起繊維の生成
は異形断面糸を側糸に用いることが最も効果的である
が、中間層や内層繊維に用いても効果的でループやカー
ル等の生成を助ける作用がある。もちろん全部の糸条に
用いることが最も生成が容易である点で好ましい。
次に視覚的要件について述べる。本発明の糸条は、多
層構造糸で混繊絡みを有していて“ハシリ”の原因とな
る芯糸の見えにくい、あるいは識別しにくい糸条であ
る。その中にあつて最も効果的なものは、芯糸成分を含
む2種以上の成分糸が同一口金紡糸してなる糸条を用い
る場合である。例えば第4図で示すとF1とF2が同一口金
紡糸された1本の糸条である場合である。もちろんF1
は別にF2を同一口金紡糸した糸条にすることにより、よ
り多層の構造加工糸とすることもできる。同一口金紡糸
された糸条は、原糸でも少くなくともある程度以上は混
つていること、さらに独立した成分糸と違つて流体撹乱
しノズル内に入つてくる状態、ノズル内で同一処理を受
け易いこと等のため“ハシリ”を防ぐことができるもの
と思われる。さらに加えて芯糸となる糸条に染色性の優
れた糸条を用いることは好都合である。もちろんそれら
は同一口金紡糸条件のみならず単独糸においても非常に
効果的である。具体例を示すと、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸やビスフエノールAのエチレンオキサイド
付加物を共重合したポリエチレンテレフタレートを用い
ることにより染色性が改善される。
次に糸長差について述べる。本発明において糸長差を
なす要因は大きく2つある。一つは先に述べた如く供給
速度差、いわゆる過剰供給によつてもたらされるもの、
今一つは糸条の物性差が仮撚歪を受けて発生するもので
ある。もちろん本発明において両者を並用することは好
ましく、過剰供給糸としてより伸び易い糸条を用い、芯
糸として伸びにくい糸条を用いるのが好ましい。
次に仮撚加工について示す。本発明において、仮撚加
工は単に仮撚加工のみ施される場合と延伸同時仮撚加工
が施される場合がある。前者は芯糸に延伸糸条が用いら
れる場合で、後者は未延伸糸条が用いられる場合であ
る。前者からは一般に第1図の如き糸条が得られ、後者
からは第3図の如き糸条が得られる。即ち本発明におい
ては中間層および外層には未延伸糸条が用いられること
が多く、仮撚加工以前に施されたループやカール等の突
起繊維が延伸によつて伸ばされ切れずに未延伸部が存在
することから起こるものである。この未延伸部は、後の
織物仕上工程でアルカリ減量加工が施されると、先に述
べた如く、開末端繊維となつて風合効果をもたらすので
ある。さらに仮撚加工時の特性を述べると、本発明の糸
条は仮撚温度すなわち仮撚ヒータ温度によつて大きく変
化する。先に述べた如く、仮撚加工(延伸同時仮撚含
む)に際し、糸条表面にループセカール等の突起繊維を
有する糸条を加工する。そして結晶化温度をはさんで毛
羽を著しく発生したり、そうでなかつたりする。これは
繊維が結晶化に伴つてもろくなるためで、特に分子配向
の進んでいない糸条が結晶化するとき著しい。本発明で
示すと延伸同時仮撚が施される場合で、外層や中間層に
未延伸糸条が用いられているためである。この場合でも
結晶化温度以下になると著しく毛羽が減少する。その温
度は通常170℃以下であり、比重で示すと1.379以下であ
る。極端に低い、例えば80℃以下では捲縮性に乏しく熱
収縮も大きい加工糸とならざるを得ない。一般に比重1.
360〜1.379が適切である。なお本発明においては、毛羽
を目的とするもの、そうでないものいずれにおいてもさ
しつかえない。しかしながら本発明で最も好ましいの
は、結晶化温度以下の温度を用い、単繊維切れのない状
態で仮撚する場合である。
なお、第4図は本発明の糸条の製造方法を模式的に示
したもので、過剰供給ローラあるいは非過剰供給ローラ
により多くの糸条を用いて多層化を図つてもよく、また
3本以上の供給ローラを設け、供給量を違えて行なつて
もよい。さらに第1図及び第3図は本発明の糸条を模式
的に3層で示したが、本発明は3層に限定されるもので
はなく、それよりも多層であつてもさしつかえない。ま
た、これらを構成する成分糸あるいは供給原糸は同一繊
度あるいは同一形状である必要はなく、各々違えること
が風合およびタツチに趣きを与えて好ましい。但し極端
に太いものを外層にすることはタツチをそこねることと
なり好しくない。
なお本発明は、ポリエステル繊維、すなわちエチレン
テレフタレート単位を主体とする単位より構成されたポ
リエステルに関するものであるが、一部ポリブチレンテ
レフタレート等のポリエステル繊維が用いられていても
よい。また本発明において、実撚後突出係数が0.5以上
で高さが糸条直径の1/3以上の高さを有する繊維突出部
が5個/インチ以上、好ましくは10個/インチ以上存在
していることが前述したように好ましいのであるが、繊
維突出部の観測は、観測する糸条部分が物に触れない状
態で拡大投影機で糸条を回転させながら観ることにより
容易に行なうことができる。
さらに本発明の詳細を実施例及び比較例をもつて具体
的に説明する。第1表はこれらの結果をまとめたもので
実施にあたつては第4図に示す製造装置を用いた。なお
実施例3の芯糸を除き他は全べてポリエチレンテレフタ
レートを用いた。
比較例1 従来の2層構造加工糸で、自然延伸倍率(ND)の異な
る2つの未延伸糸条をR1ローラに引揃え給糸し、インタ
レースノズルで糸条に交絡を付与した後に、延伸同時仮
撚加工を施したものである。撚を施したとき生成した繊
維突出部数は2ケ/inと非常に少くなく糸条はひきしま
つていた。これは本発明と違つて仮撚前にループやカー
ル等を殆んど有していないためである。さらに平織物に
して通常の仕上工程を通して風合およびハシリ等を調べ
た。織物にふくらみはなく、撚で糸が締まつて“ジヤ
リ”ついていた。また筋状に“ハシリ”が見え、アルカ
リ減量による開末端も発生していなかつた。
比較例2 3層構造加工糸で仮撚前にループ生成(タスラン)ノ
ズルを用いて撹乱流体処理を施した。しかし側糸のオー
バーフイード量 が2.4%と少なく、充分なループ数は得られなかった。
“ハシリ”は3層構造によつて大巾に向上していた。風
合およびタツチは若干改善されていたが開末端はほとん
どなかつた(1ケ/in以下)。
実施例1 本発明になる3層構造加工糸で、仮撚に先達つて側糸
を充分に過剰供給(30.6%)し、ループ、カール等の突
起繊維を付与したものである。生成するループは多く、
開末端も発生して、風合およびタツチはまろやかで自然
さがあつた。ハシリも比較例2よりもよく向上してい
た。
実施例2 極限粘度の異なる2つのポリマーを同一口金紡糸した
糸条を用いて芯糸および中間層を構成した3層構造加工
糸で、実施例1と同様に側糸を過剰供給し突起繊維を生
成せしめ延伸同時仮撚を施したものである。生成ループ
も多く、開末端も生成し、風合およびタツチともに良好
であつた。また“ハシリ”もほとんど認められなかつ
た。
実施例3 前記実施例2において、第1表に示すように同一口金
紡糸の一成分として、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸を0.5モル共重合したポリエチレンテレフタレート系
ポリマーを用いる以外は、実施例2と同様にして三層構
造加工糸を得た。その結果を第1表に示す。
実施例4 実施例2と同様に、極限粘度の異なるポリマーを同一
口金紡糸した糸条を芯糸および中間層に用いたものであ
る。側糸に、より伸び易い糸条を用い、仮撚温度を190
℃にて延伸同時仮撚中毛羽を発生させたものである。ア
ルカリ減量においても多数開末端を生成し、風合および
タツチともに良好であつた。
実施例5 同様に同一口金紡糸糸条を用いた例で、芯糸を太繊度
で構成した。2成分の自然延伸倍率の差を極限粘度と共
に三葉と丸断面を用い確保した(一般に太繊度になると
自然延伸倍率が大きくなる)。風合およびタツチならび
にハシリは良好で、反発性のある織物を得た。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第3図は、本発明の糸条の側面を示す模式図
で、図中1は芯糸、2は中間層、3は側糸である。第2
図は、本発明の糸条に撚を施した状態の側面を示す模式
図である。図中1は突出部幅、hは突出部高さである。
第4図は、本発明の糸条の製造装置を示す模式図であ
る。図中、F0〜F2はそれぞれ側糸・中間層・芯糸供給原
糸である。R0は過剰供給ローラ、R1は芯糸供給ローラ、
Nは撹乱流体ノズル、R2は中間ローラ、Hは仮撚ヒー
タ、Sは仮撚ユニツト、R3はデリベリローラ、Tuは捲取
機、Gはガイドである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−6926(JP,A) 特開 昭52−155245(JP,A) 特開 昭54−101955(JP,A) 特開 昭57−82535(JP,A) 特公 昭59−40932(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D02G 1/00 - 3/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内層、中間層および外層の少なくとも3層
    から構成され、内層から外層に行くに従って糸長を長く
    しており、かつ各層間に間けつ的もしくは連続的な混繊
    絡みを有しており、糸条表面または糸条内にはループあ
    るいはカール状の屈曲形態部を有する繊維が存在してお
    り、そして該糸条に撚係数T0=2000t/Mの実撚を施した
    時に突出係数(突出部高さ/突出部幅)rが0.5以上で
    かつ撚糸条直径の1/3以上の高さを有する繊維突出部が
    5個/インチ以上生成することを特徴とするポリエステ
    ル多層構造加工糸。
JP63253335A 1988-10-06 1988-10-06 多層構造加工糸 Expired - Fee Related JP2795652B2 (ja)

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