JP2795513B2 - 含クロム溶鋼の脱炭精錬法 - Google Patents

含クロム溶鋼の脱炭精錬法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、溶鋼中のクロムの酸化を抑え、スラグ中の
クロム酸化物の濃度の上昇を防止することにより、効率
よく脱炭を行う含クロム溶鋼の脱炭精錬法に関するもの
である。
[従来の技術] ステンレス鋼のごとき11%以上のクロムを含むような
含クロム溶鋼の脱炭法として、脱炭中期以降(例えば
[C];0.7%以下)を減圧下で行う真空脱炭法、および
稀釈ガスを吹込み、雰囲気中のCO分圧を下げて行う稀釈
脱炭法が広く用いられている。前者は一般にVOD、後者
はAOD、および上底吹き転炉を用いて脱炭が行われてい
る。これらの方法はいずれも脱炭中期以降において溶鋼
中[Cr]の酸化損失を抑えながら効果的に脱炭を進行さ
せようとするものである。従来これらの方法での脱炭を
効率よく進めるための手段として、真空脱炭法では酸素
供給量の調整或いは真空度の調整を行う方法、また、稀
釈脱炭法では稀釈ガスと酸素供給量の調整を行う方法が
主体であり、共存するスラグを調整する方法は殆んど取
り入られていない。
スラグを調整して脱炭を行う方法としては、例えば 特開昭53−45616号公報に記載されたように、脱炭
期にスラグ中MgO濃度を調整することにより、マグネシ
ア炉壁を有する転炉炉壁の保護方法 鉄と鋼、78(1986)S175に記載されたように、スラ
グ中MgO濃度を極力抑えることにより、脱炭期の溶鋼中
クロムの酸化を防止する方法 が知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、このような方法はスラグ中のMgOのみに着目
しているだけで、スラグ量およびスラグ中の他の成分の
脱炭精錬に及ぼす影響が明確にされていないために、効
率よく含クロム溶鋼を脱炭するまでに至っていない。
本発明は、含クロム溶鋼の脱炭精錬において、スラグ
量およびスラグ組成の調整を行って、溶鋼中のクロム酸
化を極力抑え、効率よく脱炭を行うことを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、溶解工程の後、脱炭炉に溶鋼を装入して脱
炭精錬を行う含クロム溶鋼の脱炭精錬において、脱炭開
始時のスラグ量を溶鋼トン当り10kg以下とし、かつ該ス
ラグ中のMgO濃度を10%以下、Al2O3濃度を10%以下、Ca
O/SiO2を1.5〜3.0に調整することを特徴とする含クロム
溶鋼の脱炭精錬法である。
一般に含クロム溶鋼の脱炭前のスラグ量は溶鋼トン当
り20〜50kg存在する。スラグ量を調整する方法として
は、脱炭炉に装入する前に除去する方法或いは脱炭炉に
装入後炉を倒して除去する方法によって可能である。
また、スラグ組成の調整は前工程でのスラグ組成変化
を見込んでCaOを添加する方法、或いは、採取したスラ
グの分析結果を基に、CaOを添加する方法によって行う
ことができる。また、前工程の炉壁耐火物を種々変える
ことにより、Al2O3およびMgO濃度を調整することが可能
である。
次にスラグ量、組成の限定理由について述べる。
第1図は脱炭開始前18%Crの含クロム溶鋼の2%Cか
ら0.05%CまでのAODでの脱炭工程において、脱炭終了
時の溶鋼中クロム濃度とスラグ量の関係を示す。図にお
いて、スラグ量を溶鋼トン当り10kg以下とすることによ
り、16.5%以上のCr濃度となりCrの酸化を1.5%以下に
抑えられる。
第2図および第3図は脱炭開始前18%Crの含クロム溶
鋼の2%Cから0.05%CまでのAODの脱炭工程において
スラグ量を溶鋼トン当り10kg以下とした場合の脱炭終了
時の溶鋼中Cr濃度とスラグ中MgOおよびAl2O3濃度の関係
を示す。なお、この場合CaO/SiO2=2である。第2図お
よび第3図において、スラグ中MgOおよびAl2O3濃度を10
%以下にすることにより、16.5%以上のCr濃度となり、
Crの酸化が抑えられる。
第4図は脱炭開始前18%Crの含クロム溶鋼の2%Cか
ら0.05%CまでのAODでの脱炭工程において、スラグ量
を溶鋼トン当り、10kg以下とし、かつ、スラグ中MgO濃
度10%以下、Al2O3濃度10%以下とした場合の脱炭終了
時の溶鋼中Cr濃度とスラグ中CaO/SiO2の関係を示す。図
において、スラグ中CaO/SiO2=1.5〜3.0の範囲で16.5%
以上のCr濃度となり、Crの酸化が抑えられる。
以上のように脱炭時の溶鋼中のCrの酸化を極力抑え、
効率よく脱炭を行うためには、スラグ量を溶鋼トン当り
10kg以下とし、かつ該スラグ中のMgO濃度を10%以下、A
l2O3濃度を10%以下、CaO/SiO2=1.5〜3に調整する必
要がある。
[作用] 含クロム溶鋼を脱炭する場合の脱炭反応は(1)式で
示され、反応平衡定数KCは(2)式で示される。
[C]+[O]→CO(g) …(1) KC=PCO/aC・aO …(2) ここで、PCOは雰囲気中のCO分圧、aCおよびaOは溶鋼
中の[C]および[O]の活量を示す。
低炭域まで脱炭が進行し、aCが低下するとPCOを低下
させないと脱炭が進行しにくくなる。含クロム溶鋼の脱
炭では(1)の脱炭反応とともに(3)式に示す溶鋼中
Crの酸化反応が進行する。(3)式の反応平衡定数KCr
は(4)式で示される。
ここで、 はスラグ中の(Cr2O3)の活量、aCrは溶鋼中[Cr]の活
量を示す。
(3)式の反応が進行すると吹込む酸素が脱炭に有効
に作用しなくなるとともに脱炭後スラグ中Cr2O3を還元
し、有価金属を回収するための還元剤の投入量も増大
し、精錬費用が増大する。
(3)式のCrの酸化反応を抑えるには、 を大きくする必要がある。
はスラグ中の(Cr2O3)の活量係数と濃度の関係で表わ
され、(5)式で示される。
ここで、 はスラグ中の(Cr2O3)の活量係数、 はスラグ中の(Cr2O3)の濃度を示す。
(5)式より、 が大きくなり、Crの酸化は抑えられる。スラグ量が少な
くなれば、溶鋼中Crの酸化に対して、スラグ中Cr2O3
度の増大の割合が大きくなるために、第1図に示すよう
にスラグ量を溶鋼トン当り10kg以下とする。
はスラグ組成に影響される。スラグ中にMgO或いはAl2O3
が高濃度に存在した場合、MgO・Cr2O3或いはMgO・Cr2O3
・Al2O3といった安定で、しかも難還元性のスピネルを
生成するために が小さくなり、[Cr]の酸化が起り易くなる。[Cr]の
酸化を抑えるために、第2図に示すようにスラグ中MgO
濃度10%以下、Al2O3濃度10%以下が必要である。
はスラグ中CaO/SiO2にも依存する。CaO/SiO2=1.5〜3
では、 が大きくなり、[Cr]の酸化が抑えられるために、第4
図の関係が示される。
[実 施 例] 本発明をステンレス鋼の脱炭精錬に適用した場合の実
施例について説明する。第1表にAODでのステンレス鋼
の脱炭開始前の溶鋼組成およびスラグ量、スラグ組成を
示す。なお、溶鋼組成、スラグ組成は脱炭に影響を与え
る成分についてのみ挙げている。本発明例では、前工程
の溶解完了後のスラグ組成よりCaOの添加によりスラグ
組成を調整した。また、スラグ量はAODに装入する前に
排滓して調整した。
第1表の状態の溶鋼をAODにおいて同一の条件にて脱
炭精錬を行った結果を第2表に示す。なお、本例では脱
炭精錬中フラックスの添加は行なわず、Arおよび酸素ガ
ス比のみコントロールして脱炭を行った。
比較例では溶鋼中[Cr]が酸化され易いために、[C
r]は低濃度まで低下している。このため、脱炭後のス
ラグ中(Cr2O3)の還元剤が多量に必要となる。なお、
還元剤の必要量は比較例Aを100とした場合の指数で示
している。また、脱炭酸素効率が低くなっている。これ
に対し、本発明例では溶鋼中[Cr]の酸化が抑えられる
ために、還元剤の量が低下し、脱炭酸素効率も安定して
高くなっている。
なお、脱炭酸素効率は脱炭時に吹込まれた酸素の中
で、溶鋼中の[Si]の酸化に使用された量を除いて、溶
鋼中の[C]の酸化に使用された割合を示す量である。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によって、含クロム溶鋼の脱
炭精錬において、脱炭開始時のスラグ量の調整およびス
ラグ組成の調整、つまりスラグ中の(MgO)濃度、(Al2
O3)濃度およびCaO/SiO2を調整することによって、溶鋼
中クロムの酸化を抑え、脱炭反応を効率よく進行させる
ことができる。この効率的な脱炭精錬法により、スラグ
中(Cr2O3)を還元するための還元剤の量を抑えること
ができ、安価に精錬を行うことが可能となる。さらに、
少量のスラグを有効に活用することが出来るために、フ
ラックスの添加量の低減および精錬後スラグ量の低減も
はかられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は脱炭開始時のスラグ量と脱炭終了後の溶鋼中
[Cr]濃度の関係を示す図、第2図は脱炭開始時のスラ
グ中(MgO)濃度と脱炭終了後の溶鋼中[Cr]濃度の関
係を示す図、第3図は脱炭開始時のスラグ中(Al2O3
濃度と脱炭終了後の溶鋼中[Cr]濃度の関係を示す図、
第4図は脱炭開始時のスラグ中(CaO)/(SiO2)と脱
炭終了後の溶鋼中[Cr]濃度の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−172505(JP,A) 特開 昭59−50113(JP,A) 特公 昭62−1444(JP,B2) 鉄と鋼、74〔4〕 (1988) PP. 632−639 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21C 7/068 C21C 7/10 C21C 5/36

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶解工程の後、脱炭炉に溶鋼を装入して脱
    炭精錬を行う含クロム溶鋼の脱炭精錬において、脱炭開
    始時のスラグ量を溶鋼トン当り10kg以下とし、かつ、該
    スラグ中のMgO濃度を10%以下、Al2O3濃度を10%以下、
    CaO/SiO2を1.5〜3.0に調整することを特徴とする含クロ
    ム溶鋼の脱炭精錬法。
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