JP2781981B2 - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JP2781981B2
JP2781981B2 JP1094422A JP9442289A JP2781981B2 JP 2781981 B2 JP2781981 B2 JP 2781981B2 JP 1094422 A JP1094422 A JP 1094422A JP 9442289 A JP9442289 A JP 9442289A JP 2781981 B2 JP2781981 B2 JP 2781981B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、積層フィルム関し、詳しくは加熱して使用
するものの包装、特に一定加熱条件下で用いられる電子
レンジ加熱食品容器の包材等に適した積層フィルムに関
する。
〔従来の技術〕
合成樹脂フィルムで包装された食品を、電子レンジを
用いて加熱調理する際には、加熱調理時に発生する蒸気
による包装内の内圧上昇を防止するとともに、適度の蒸
らし効果を得るために各種の方法がとられている。例え
ば、調理前に袋の一部を切断したり、爪揚枝等で孔を開
ける方法、あるいは、あらかじめ包材の一部や緘合蓋等
に複数個の開口を形成しておくとともに、その上を粘着
ラベルやバリア性フィルムで密封しておき、調理前にこ
れらを剥離して開孔部を形成する方法等がとられてい
る。また、蒸気の吹き出しによって音を出す緘合蓋を用
いて調理のでき上がりを知らせるとともに、包装内の内
圧上昇を防止することも行われている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述のものでは、いずれも、調理前に
開孔部を設けるための操作が必要で、手間がかかるとと
もに、この操作を忘れて調理した場合、調理時の内圧の
上昇で包装袋等が破裂する危険がある。
また、前者の場合は、切断や孔開け時の位置や大きさ
等により、調理でき上りが大きく左右され、後者のもの
では、防湿性やガスバリア性を付与するために、開孔を
形成した包装物を、別のバリア性フィルムで外装包装を
しなければならず、手間がかかるとともに、包装コスト
のアップにつながっていた。さらに、調理のでき上がり
を音で知らせる蓋材は、食品中の水分が沸騰する温度に
達して初めて音がでるものであり、沸騰させてはならな
い食品には用いることができなかった。
そこで本発明は、この種の加熱調理食品の包材に適し
た積層フィルムを提供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記した目的を達成するために、本発明の積層フィル
ムは、熱収縮性の合成樹脂フィルムと、該合成樹脂フィ
ルムよりも熱収縮性の低い低熱収縮性または非熱収縮性
の合成樹脂フィルムとを積層した積層フィルムであっ
て、前記両フィルムの貼り合わせ面の少なくともいずれ
か一方をコロナ放電処理した後に両合成樹脂フィルムを
積層し、前記両合成樹脂フィルムの界面の接着強度を5
〜250g/20mm幅(20℃)としたことを特徴としている。
さらに、本発明は、前記低熱収縮性または非熱収縮性
の合成樹脂フィルムが、複数の通孔を有する有孔フィル
ムであること、前記熱収縮性の合成樹脂フィルムが、偏
熱収縮性の合成樹脂フィルムであること、前記熱収縮性
の合成樹脂フィルムの他面に、ポリ塩化ビニル,スチレ
ン−ブタジエン共重合体,ポリプロピレンの内のいずれ
か一種からなる熱収縮性の合成樹脂フィルムを積層した
ことを含むものである。
上記熱収縮性の合成樹脂フィルムとしては、90〜100
℃の熱水浸漬10秒間で、10%以上の収縮率を有する共押
出複合延伸フィルム等の、バリア性を有するものを用い
ることが好ましいが、積層フィルムの使用目的や使用時
の面積等により、適宜な収縮率のものを用いることがで
きる。その厚み範囲は特に限定されないが、5〜300μ
m、好ましくは20〜100μmの範囲がコストや強度の面
から適当である。
また低熱収縮性または非熱収縮性の合成樹脂フィルム
(以下、纏めて低熱収縮性の合成樹脂フィルムという)
としては、種々のものが使用できるが、特にポリエチレ
ン,ポリプロピレン,エチレン−酢酸ビニル共重合体,
アイオノマー樹脂等の熱融着性に優れたポリオレフィン
系樹脂フィルムが挙げられる。そして、前記熱水浸漬条
件で、数%乃至0%の収縮率であって、実質上非収縮性
のもの、あるいは熱収縮性であるが、前記熱収縮性の合
成樹脂フィルムよりも熱収縮性の低いものが用いられ
る。このフィルムの厚み範囲も特に限定されないが、上
記熱収縮性の合成樹脂フィルムと同様の理由から5〜20
0μm、好ましくは、15〜100μmの範囲が適当である。
そして、本発明の積層フィルムを、電子レンジ加熱食
品の包材として用いる場合には、上記低熱収縮性の合成
樹脂フィルムには、複数の通孔を有する有孔フィルムを
用いる。この場合には、熱収縮により上記通孔が塞がら
ないような収縮率を有する合成樹脂フィルム、特に非熱
収縮性の合成樹脂フィルムを用いるのが適当である。こ
の通孔は、直径0.1〜2mm,通孔間の間隔0.5〜10mm程度と
すれば良く、加熱針の突き刺し等により容易に設けるこ
とができる。
前述した熱収縮性の合成樹脂フィルムと上記低熱収縮
性の合成樹脂フィルムは、その積層前に両フィルムの向
い合ったフィルム表面、即ち貼り合わせ面の少なくとも
いずれか一方をコロナ放電処理する必要がある。これは
両フィルムの熱圧着の際の温度を通常のラミネート温度
よりも下げて熱収縮性の合成樹脂フィルムの収縮を防止
するとともに、両フィルムの接着強度を適度な値に調整
するためのものである。
コロナ放電処理の方法は、高周波発振器と電極とを備
え、連続した処理が可能な通常のコロナ放電処理装置を
使用すれば良く、特に限定されるものではない。このコ
ロナ放電処理は、圧着積層した熱収縮性の合成樹脂フィ
ルムと低熱収縮性の合成樹脂フィルムとの界面の接着強
度が5〜250g/20mm幅(20℃)となるように、コロナ放
電出力、処理速度等の処理条件を適宜調整する。
そして上記コロナ放電処理を行った後に両フィルムを
熱圧着する。この熱圧着の方法も特に限定されるもので
はなく、前記熱収縮性の合成樹脂フィルムに大きな熱収
縮を発生させずに、かつ両フィルムの界面の接触強度を
上述のように適度とできる温度及び圧力で行えば良い。
例えば、熱ロール温度としては、80〜120℃が用いられ
る。これらは両フィルムの種類や厚さ、及び積層フィル
ムの使用目的等により適宜最適な条件に設定される。ま
た、このように積層されたフィルムを、30〜50℃で長時
間、例えば10時間熱処理することにより、界面の接触強
度を5〜250g/20mmm幅(20℃)の範囲内で高めることが
できる。
このように熱圧着した後の両フィルムの界面の接着高
度が5g/20mm幅(20℃)以下だと、使用前に両フィルム
が剥離して積層フィルムとして適当でなく、また250g/2
0mm幅(20℃)以上だと加熱時に両フィルムが剥離しな
い虞がある。さらに、水分やアルコール分を含んだ食品
を包装するためには、この接着強度を100〜250g/20mm幅
(20℃)とすることが好ましい。
尚、上記接着強度の測定方法としては、20mm幅の短冊
形試料を、分速200mmで180度の方向に引張り、その剥離
時の最高強度をgで表したものである。
また、上記熱収縮性の合成樹脂フィルムとして、偏熱
収縮性の合成樹脂フィルムを使用することにより、熱収
縮性の合成樹脂フィルムの剥離方向を一定方向にするこ
とができる。
上記偏熱収縮性の合成樹脂フィルムとしては、加熱し
たときの一方向の熱収縮性が、それと直角な方向の熱収
縮性よりも大きければ各種のものを使用できる。例え
ば、熱収縮性の合成樹脂フィルムの他面に、この合成樹
脂フィルムと熱収縮性の異なる合成樹脂フィルムを貼着
したり、熱収縮性の合成樹脂フィルム自体の延伸方向を
調節することにより、偏熱収縮性を付与することができ
る。具体的には、二軸延伸した熱収縮性の合成樹脂フィ
ルムに、一軸延伸熱収縮性の合成樹脂フィルムを積層し
たもの、あるいは、無延伸の合成樹脂フィルムを一軸方
向に大きく延伸し、それと直角な方向には小さく延伸す
ることにより、両方向の熱収縮性を偏らせたもの等を用
いることができる。
上述の二軸延伸した熱収縮性の合成樹脂フィルムとし
ては、前述の熱収縮性の合成樹脂フィルムをそのまま用
いることができ、一軸延伸熱収縮性の合成樹脂フィルム
としては、例えばポリン塩化ビニル,ポリプロピレン,
ポリエチレンテレフタレート,ポリスチレン,ナイロン
等を用いることができる。この一軸延伸熱収縮性の合成
樹脂フィルムの熱収縮率としては、90〜100℃の熱水浸
漬10秒間で10%以上を一方向のみに有するものが好まし
く、特に前記二軸延伸した熱収縮性の合成樹脂フィルム
よりも高い熱収縮率を有するものが好ましい。このフィ
ルムの厚み範囲も特に限定されないが、5〜200μm、
好ましくは、10〜100μmの範囲が適当である。
また偏熱収縮性の合成樹脂フィルムとして、二軸延伸
熱収縮性の合成樹脂フィルムと一軸延伸熱収縮性の合成
樹脂フィルムとを積層したものを用いる際の両者の積層
は、両者あるいはいずれか一方にコロナ放電処理を施し
て熱圧着するか、又は適当な接着剤にてドライラミネー
ションすることなどにより行うことができる。これによ
り、前記低熱収縮性の合成樹脂フィルムとの界面での使
用前の自然剥離を防止したり、また加熱時の偏熱収縮性
の合成樹脂フィルムの収縮・剥離の方向を制限すること
ができる。
さらに、熱収縮性の合成樹脂フィルムの他面に、この
合成樹脂フィルムと熱収縮の開始温度が異なる合成樹脂
フィルムを強く貼り合わせることにより、収縮開始温度
を調整することができる。
上記熱収縮の開始温度が異なる合成樹脂フィルムとし
ては、種々のものが利用できるが、特にポリ塩化ビニ
ル,ポリプロピレン系樹脂,スチレン−ブタジエン共重
合体等、それぞれの収縮開始温度が異なるフィルムを適
宜に用いることができる。このフィルムの熱収縮率も、
90〜100℃の熱水浸漬10秒間で10%以上のものが好まし
く、厚みも5〜200μm、好ましくは、10〜100μmの範
囲が適当である。特に、この熱収縮の開始温度が異なる
合成樹脂フィルムとして、加熱開始前の常温域で硬質の
ものを用いると、前述の熱収縮性の合成樹脂フィルムの
自然収縮などを防止することができる。
〔実施例〕
以下本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明す
る。
実施例1 第1図に示すように、熱収縮性の合成樹脂フィルム1
(以下、収縮フィルムという)と、通孔2aを有する低熱
収縮性の合成樹脂フィルム2(以下、有孔フィルムとい
う)とを積層して積層フィルム3を作成した。
上記収縮性フィルム1としては、エチレン酢酸ビニル
共重合体(圧着側)/エチレン酢酸ビニル共重合体ケン
化物/ナイロン樹脂/エチレン酢酸ビニル共重合体から
なる厚さ40μmの共押出延伸複合シートを用いた。この
収縮フィルム1の熱収縮特性を第2図に示す。
また有孔フィルム2としては、全面に孔径0.1mm,孔間
隔1.5mmの通孔2aを形成した厚さ30μmの延伸ポリプロ
ピレンフィルムを用いた。この有孔フィルム2は、100
℃,10秒の加熱では、ほとんど収縮しないものである。
そして、両フィルム1,2の貼り合わせ面を下記の条件
で連続的にコロナ放電処理した後に直ちに熱圧着を行っ
た。
コロナ放電処理 コロナ放電処理機;VETAPHONE社製 高周波発振部;ε−TREATER ET4−4KW 高周波出力;収縮フィルム…2.7Kw ;有孔フィルム…2.0Kw 熱圧着処理 ロールの表面温度…105℃ ロールの接圧 …10kg/cm 熱圧着速度 …15m/min このようにして得られた積層フィルム3の両フィルム
1,2間の界面3aの接着強度は、70g/20mm幅(20℃)であ
った。この積層フィルム3の有孔フィルム2側を、ポリ
プロピレン製の開口部85mm角×深さ70mm、鍔部5mm幅の
容器4の鍔部4aに、2mm幅のシール金型を用いて下記条
件にて密封シールした。この時、容器4内に50mlの水道
水を充填した。
シール条件 シール金型温度 …185℃ シール圧力 …2kg/cm2 シール時間 …2sec この容器4を電子レンジ(松下電器産業製NE−M330
型,定格高周波出力500W)に入れ、出力500Wにて3分間
の加熱を行なったところ、容器4内に蒸気が充満し、容
器4内の温度が約80℃以上(加熱時間2分以上)に達し
た時点で、第3図に示すように、収縮フィルム1が収縮
して有孔フィルム2から剥離した。一方、有孔フィルム
2は、容器4の鍔部4aにシールされたままであり、有効
フィルム2の通孔2aより蒸気が適度に噴出していた。
実施例2 実施例1と同様に積層フィルム3でシールして作成し
た容器4内に市販の電子レンジ用冷凍食品(エビピラ
フ)100gを密封し、実施例1と同じ条件で加熱調理した
ところ、同様に収縮フィルム1が収縮して有孔フィルム
2から剥離し、有孔フィルム2の通孔2aより蒸気が適度
に噴出して加熱ムラのない食感良好なエビピラフを作る
ことができた。
実施例3 収縮フィルム及び有孔フィルムとして前記実施例1と
同様のものを用い、さらに収縮性を調整するために、ス
チレン−ブタジエン共重合体フィルム(大倉工業製「セ
ロマーS」:厚さ30μm,100℃×10secでの収縮率が縦方
向2%,横方向1.7%のもの、以下共重合体フィルムと
いう)を用いて、上記各フィルムを実施例1と同じ条件
でコロナ放電処理を施し、有孔フィルム/収縮フィルム
/共重合体フィルムの構成となるように熱圧着した。
上記操作で得られた3層の積層フィルムにおける共重
合体フィルムと収縮フィルムとは、親和性が強いため
に、その間の界面接着強度は、300g/20mm幅(20℃)で
あり、収縮フィルムと有孔フィルムとの間の界面接着強
度は、75g/20mm幅(20℃)であった。
この積層フィルムを実施例1と同様に容器の開口に密
封シールし、同様に電子レンジによる加熱調理を行なっ
たところ、共重合体フィルムと収縮フィルムからなる積
層フィルムは、積層状態のまま収縮剥離し、整ったカー
ル状の外観を呈した。一方有孔フィルムは、容器側に密
閉シールされたまま残り、良好な調理を行なうことがで
きた。
実施例4 第4図に示すように、収縮フィルム1と熱収縮性の一
軸延伸合成樹脂フィルム5(以下一軸収縮フィルムとい
う)を接着剤にてドライラミネーションした偏熱収縮性
フィルム6に、有孔フィルム2を積層して積層フィルム
7を作成した。
上記収縮性フィルム1には、前記実施例1と同じ厚さ
40μmの共押出延伸複合シートを用い、一軸収縮フィル
ム5には、ポリ塩化ビニルからなる厚さ40μmの横一軸
延伸フィルムを用いた。
この偏熱収縮性フィルム6の加熱収縮性を第5図に示
す。
また有効フィルム2としては、全面に孔径0.6mm,孔間
隔7mmの通孔2aを形成した厚さ50μmのポリプロピレン
フィルムを用いた。この有孔フィルム2は、100℃,10秒
の加熱では、ほとんど収縮しないものである。
そして、前記偏熱収縮性フィルム6の収縮フィルム1
と有孔フィルム2の貼り合わせ面とを前記コロナ放電処
理機を用いて、 高周波出力;収縮フィルム…2.0Kw ;有孔フィルム…2.7Kw として処理した後に、実施例1と同条件にて熱圧着を行
った。
このようにして得られた積層フィルム7の偏熱収縮性
フィルム6の収縮フィルム1と有孔フィルム2との界面
7aの接着強度は、110g/20mm幅(20℃)であった。
この積層フィルム7の有孔フィルム2側を、ポリプロ
ピレン製の開口部直径88mm×深さ70mm、鍔部5mm幅の丸
形容器8(第6図参照)の鍔部8aに、3mm幅のシール金
型を用いて実施例1と同じ条件にて密封シールした。こ
の時、容器8内には50mlの水道水を充填した。
この容器8を実施例1と同様に、電子レンジに入れて
加熱を行なったところ、容器8内に蒸気が充満し、容器
8内の温度が約80℃以上(加熱時間1分30秒付近)に達
した時点で、第6図及び第7図(a),(b)に示すよ
うに、偏熱収縮性フィルム6が収縮して有孔フィルム2
から剥離した。その剥離した方向は、一軸収縮フィルム
5の延伸方向と一致した。
一方、有孔フィルム2は、容器8の鍔部8aにシールさ
れたままであり、有孔フィルム2の通孔2aより蒸気が適
度に噴出していた。
実施例5 実施例4と同様に形成した積層フィルムでシールして
作成した容器内に市販の電子レンジ用冷凍食品(エビピ
ラフ)100gを密封し、実施例1と同じ条件で加熱調理し
たところ、同様に偏熱収縮性フィルムが収縮剥離した。
その方向は一軸収縮フィルムの延伸方向と一致した。ま
た有孔フィルムの通孔より蒸気が適度に噴出して加熱ム
ラのない食感良好なエビピラフを作ることができた。
実施例6 実施例4における一軸収縮フィルムに代えて、第8図
に示す熱収縮率を有するポリ塩化ビニルフィルム(熱収
縮性の硬質合成樹脂フィルム、以下、硬質フィルムとい
う)を使用し、有効フィルム/収縮フィルム/硬質フィ
ルムの構成となるように下記手順で積層フィルムを作成
した。
まず、収縮フィルム1と有孔フィルム2の貼り合わせ
面を実施例4と同じ条件で、コロナ放電処理、熱圧着を
行い、有孔フィルム/収縮フィルムの積層フィルムとし
た。
次いで、この積層フィルムの貼り合わせ面(収縮フィ
ルム)と上記硬質フィルムの貼り合わせ面の両方に下記
条件でコロナ放電処理を施した後に、硬質フィルム/収
縮フィルム/有孔フィルムの構成となるように実施例1
と同条件で熱圧着した。
この時の処理条件は、下記の通りである。
高周波出力;収縮フィルム…2.0Kw ;一軸収縮フィルム…2.0Kw このようにして得られた積層フィルムの収縮フィルム
と有孔フィルムとの界面の接着強度は、110g/20mm幅(2
0℃)であった。また、収縮フィルムと硬質フィルムと
の界面の接着強度は、220g/20mm幅(20℃)であった。
この積層フィルムを使用し、実施例4と同様にしてポ
リピロピレン製丸形容器にシールして実施例1と同様
に、電子レンジに入れて加熱を行なったところ、フィル
ム温度が62℃(加熱時間85秒)に達した時点で剥離が生
じた。
実施例7 実施例6において、硬質フィルムを第8図に示す熱収
縮率を有するポリプロピレン系フィルムとした以外は、
実施例6と同様に行ったところ、フィルム温度が83℃
(加熱時間98秒)に達した時点で剥離が生じた。
実施例8 実施例6において、硬質フィルムを第8図に示す熱収
縮率を有するスチレン−ブタジエン共重合体フィルムと
した以外は、実施例6と同様に行ったところ、フィルム
温度が80℃(加熱時間95秒)に達した時点で剥離が生じ
た。
比較例 上記各実施例に使用した有孔フィルムと収縮フィルム
または共重合体フィルムを使用してコロナ放電処理を施
さずに、同様の条件で熱圧着したところ、各フィルムの
界面の接着強度がいずれも5g/20mm幅(20℃)未満であ
り、各フィルムが使用前に剥離してしまい積層フィルム
として不都合であった。
尚、本発明の積層フィルムは、上記実施例に限らず、
袋状に形成することもでき、食品その他の熱水に溶解、
あるいは熱水で抽出するものの包装等各種の用途に用い
ることができる。
また低熱収縮性の合成樹脂フィルムに孔無しのフィル
ムを用いても同様に偏熱収縮性の合成樹脂フィルムのみ
を収縮剥離させることができるので、例えば熱収縮性の
合成樹脂フィルムとして不透明、あるいは適宜な印刷を
施したフィルムを用い、低熱収縮性の合成樹脂フィルム
に透明フィルムを用いれば、加熱前には内部に収納した
物品を光から保護したり、各種の表示を行うとともに、
加熱中に不透明な熱収縮性の合成樹脂フィルムが収縮剥
離することで透明な低熱収縮性の合成樹脂フィルム内の
物品の加熱状態を目視することができる。
さらに低熱収縮性の合成樹脂フィルムに適宜な印刷を
施しておき、加熱してその表面を覆う不透明な熱収縮性
の合成樹脂フィルムのみを収縮剥離させることで、加熱
済み等の表現や、あぶりだし的な玩具あるいは当たり籖
のようなものにも使用することができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の積層フィルムは、熱収
縮性の合成樹脂フィルムと低熱収縮性の合成樹脂フィル
ムの貼り合わせ面をコロナ放電処理した後に積層し、両
フィルムの接着強度を5〜250g/20mm幅(20℃)とした
から、通常の状態では剥離せずに積層状態を保ち、加熱
すると、熱収縮性の合成樹脂フィルムが収縮剥離して低
熱収縮性の合成樹脂フィルムが表面に出るという今まで
にない積層フィルムを得ることができる。また両フィル
ムの貼り合わせ時にコロナ放電処理を行うことにより、
両フィルムの接着強度を適当な強さとすることができ、
加熱時の収縮剥離を円滑に行わせることができる。
そして低熱収縮性の合成樹脂フィルムとして有孔フィ
ルムを用い、この有孔フィルムを内側にして電子レンジ
加熱食品の包材とすることにより、加熱調理時に外側の
熱収縮性の合成樹脂フィルムが収縮剥離して上記有孔フ
ィルムのみとなるので、破裂したり吹きこぼれたりする
ことなく、適度な加熱調理を行なうことができる。また
加熱前には、有孔フィルムの外側に熱収縮性の合成樹脂
フィルムが存在するので、この熱収縮性の合成樹脂フィ
ルムに十分なバリア性を有するフィルムを用いることで
内部に収納した食品等の鮮度を長期に亘って保持するこ
とができる。従って、別のバリア性フィルム等で包装す
る必要がなく、また調理時に孔明けや切断,包装体の剥
離等を行うことなく、簡単に加熱調理を行うことができ
る。
また、熱収縮性の合成樹脂フィルムとして、偏熱収縮
性の合成樹脂フィルムを用いることにより、加熱剥離時
の剥離方向を一定方向とできるため、容器をシールした
状態で加熱した場合、剥離方向が一定化して剥離時を外
観が良好になる。例えば容器に把手等があり、剥離の方
向性を一定化することが要求される容器のシール用フィ
ルムとして好適なものである。
さらに、熱収縮性の合成樹脂フィルムの他面に、ポリ
塩化ビニル,スチレン−ブタジエン共重合体,ポリプロ
ピレンの内のいずれか一種からなる熱収縮性の合成樹脂
フィルムを積層することにより、剥離温度を調節できる
ので、各種食品の調理条件に対応させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1で作成した積層フィルムの断
面図、第2図は実施例1で用いた熱収縮性の合成樹脂フ
ィルムの加熱収縮特性図、第3図は同じく実施例1で作
成した容器を示すもので、熱収縮性の合成樹脂フィルム
が収縮剥離した状態を示す断面図、第4図は実施例4で
作成した積層フィルムの断面図、第5図は実施例4で用
いた偏熱収縮性フィルムの加熱収縮特性図、第6図及び
第7図は実施例4で作成した容器を示すもので、第6図
は偏熱収縮性の合成樹脂フィルムが収縮剥離した状態を
示す断面図、第7図は同じく平面図、第8図は実施例6
乃至8で使用した硬質フィルムの加熱収縮特性図であ
る。 1……熱収縮性の合成樹脂フィルム、2……低熱収縮性
の合成樹脂フィルム、2a……通孔、3,7……積層フィル
ム、3a,7a……界面、6……偏熱収縮性フィルム

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱収縮性の合成樹脂フィルムと、該合成樹
    脂フィルムよりも熱収縮性の低い低熱収縮性または非熱
    収縮性の合成樹脂フィルムとを積層した積層フィルムで
    あって、前記両フィルムの貼り合わせ面の少なくともい
    ずれか一方をコロナ放電処理した後に両合成樹脂フィル
    ムを積層し、前記両合成樹脂フィルムの界面の接着強度
    を5〜250g/20mm幅(20℃)としたことを特徴とする積
    層フィルム。
  2. 【請求項2】前記低熱収縮性または非熱収縮性の合成樹
    脂フィルムは、複数の通孔を有する有孔フィルムである
    ことを特徴とする請求項1記載の積層フィルム。
  3. 【請求項3】前記熱収縮性の合成樹脂フィルムは、偏熱
    収縮性の合成樹脂フィルムであることを特徴とする請求
    項1記載の積層フィルム。
  4. 【請求項4】前記熱収縮性の合成樹脂フィルムの他面
    に、ポリ塩化ビニル,スチレン−ブタジエン共重合体,
    ポリプロピレンの内のいずれか一種からなる熱収縮性の
    合成樹脂フィルムを積層したことを特徴とする請求項1
    記載の積層フィルム。
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