JP2770949B2 - 写真印画紙用支持体 - Google Patents

写真印画紙用支持体

Info

Publication number
JP2770949B2
JP2770949B2 JP63109882A JP10988288A JP2770949B2 JP 2770949 B2 JP2770949 B2 JP 2770949B2 JP 63109882 A JP63109882 A JP 63109882A JP 10988288 A JP10988288 A JP 10988288A JP 2770949 B2 JP2770949 B2 JP 2770949B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
density
resin
support
curl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63109882A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01280752A (ja
Inventor
昌博 神谷
正勝 長友
辰巳 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OJI SEISHI KK
Original Assignee
OJI SEISHI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OJI SEISHI KK filed Critical OJI SEISHI KK
Priority to JP63109882A priority Critical patent/JP2770949B2/ja
Publication of JPH01280752A publication Critical patent/JPH01280752A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2770949B2 publication Critical patent/JP2770949B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/76Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers
    • G03C1/775Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers the base being of paper
    • G03C1/79Macromolecular coatings or impregnations therefor, e.g. varnishes

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、写真印画紙用支持体に関するものである。
更に詳しく述べるならば、本発明は改善されたホールパ
ンチ性、および耐カール性を有する写真印画紙用支持体
に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、写真印画紙用支持体としてバライタ紙が使用さ
れていたが、近年、基体の両面にポリオレフィン樹脂組
成物からなる被覆層が設けられた耐水性支持体が用いら
れるようになってきた。このような耐水性支持体は、そ
れから製造される印画紙の現像時における水洗および乾
燥時間を短縮し、フェロタイプを不要とし、薬品消費量
を節減し、剛度および諸強度を高レベルに保持し、かつ
薬品浸透による汚れを少なくするなどの利点を有してい
る。
写真印画紙用支持体に要求される性質としては、寸法
安定性、耐湿性、支持体用シート状基体への接着性、耐
薬品浸透性、平滑性、隠蔽力および、乳剤接着性などが
優れていること、並びに、写真乳剤層に悪影響を与えな
いことなどがあるが、そのほかに、ホールパンチ性、お
よび耐カール特性が優れていることも必要である。
印画紙用支持体は、一般に、その一方の面に透明なポ
リオレフィン樹脂被膜層が設けられ、他の一方の面に、
二酸化チタンのような顔料を含む不透明なポリオレフィ
ン樹脂被覆層が設けられており、後者の不透明なポリオ
レフィン樹脂被覆層の上に写真乳剤層を設けて印画紙が
形成される。
印画紙に対し、現像所でネガに基づく画像が焼きつけ
られ、次いで現像処理され、ポジ画像を持つプリントと
なる。
この焼付・現像工程に於て、支持体のホールパンチ
性、或は支持体のカッティング性が良好なことが必要と
なる。
即ち、乳剤が塗布されたロール状写真用支持体は、焼
付けられ、現像処理された後、所定の大きさのシートに
するため切断されるが、この切断工程において、写真用
支持体の切れ性(被切断性)が不良であると、切り口が
きたなくなり、紙粉の発生が多くなり、切りカスが当該
支持体のプリント面に付着する等の問題がしばしば発生
していた。
また、前記切断工程は自動化されているため、切断工
程の前に支持体にホールパンチすることにより、或いは
支持体の表面に印を付すことにより、カッティングマー
クをつけることが行なわれている。すなわち、印画紙に
形成されたホールパンチ穴を読みとり、それに基いて所
要の切断を行うに際し、支持体の切れ性が不良のとき
は、0.5〜1mm程度の直径を有する円形、又はそれと同程
度の大きさの四角形の穴を形成しても、それがパルプ繊
維やポリエチレン樹脂等のヒゲ状物により埋まってしま
い、光電管等によるパンチホールの検知が不可能とな
り、印画紙の切断に支障を生ずるというトラブルがしば
しば発生した。本明細書においては、これらのホールパ
ンチ性とカッティング性をまとめてホールパンチ性と記
すことにする。
これ等の低ホールパンチ性に起因するトラブルを解決
する方法としては、従来、パンチを付与する装置、或
いはカットする装置の改善、原紙に両面に被覆される
耐水性樹脂の改善、および原紙の改善、などが行なわ
れているが、何れも未だ満足なものが得られていない。
ポリオレフィン樹脂被覆層特に裏面側ポリエチレン樹
脂被覆層のホールパンチ性を向上させる方法として、例
えば、低分子量のポリエチレン樹脂を用いることが知ら
れている(特公昭58−41500号公報)。しかしながら、
低分子量のポリエチレン樹脂からなる樹脂被覆層は、そ
のホールパンチ性が改善できたとしても印画紙の耐カー
ル性を悪化させるという欠点を有している。
上記の欠点を改善する方法として、紙基体を被覆する
ポリエチレン樹脂として、特定の分子構造と物性を持つ
高密度ポリエチレンを用いる方法(特開昭58−95731号
公報)、あるいは特定の物性を有する高密度ポリエチレ
ンと特定の物性を有する低密度ポリエチレンとを特定の
割合で配合してなるポリエチレン樹脂配合物を用いる方
法(特開昭58−95732号公報、および、特開昭60−15004
9号公報)などが提案されている。これらの改善方法に
より得られる写真印画紙用支持体は良好なホールパンチ
性を有し、さらに耐傷性も優れているが、その耐カール
性においては、必ずしも十分満足できる結果が得られて
いない。
支持体用シート状基体の改善に関しては、ジエン−ビ
ニール−COOHの3成分系ポリマーをシート状基体の両面
にサイズプレスする方法(特公昭59−133421号公報)、
分子量3〜30万のカルボキシ変性PVAを0.5〜10g/m2の範
囲内の塗布量でサイズプレスする方法(特開昭60−2173
57号公報)、および紙力増強剤とサイズ剤の比率におい
て、紙力増強剤の添加比率を高くする方法(特公昭56−
54628号公報)などが知られている。
これらの方法は、原紙中の繊維間強度を強め、それに
よって繊維が引抜かれた毛羽立つことを防止しようとす
るものであるが、これら何らの方法も充分に満足すべき
ものとはいえない。
上記のような耐水性支持体を有する写真印画紙から作
成された写真プリントは、それを低湿度下で平面上に載
置すると、プリントの両端縁部が、プリント面を凹に湾
曲して持ちあがる現象、すなわちカールを発生すること
が知られている。このようなカールしたプリントにおい
て、一般に用いられている寸法、すなわち、82mm×114m
mのプリントについて、その四隅角部の載置平面からの
高さを、50%RHにおいて測定すると一般に1〜5mm程度
のカールを示す。このような印画紙を例えば、自動現像
機による現像および乾燥の直後のような低湿度環境条件
(例えば30℃、30%RH)におくと、5〜30mmのカールを
しばしば発生する。カールが大きい場合には、自動現像
操作に支障を生ずるばかりでなく、得られるプリントの
商品価値を著るしく低減させることになる。
印画紙におけるカール(ねじれカールを含む)発生の
原因は、印画紙に形成されているゼラチン含有乳剤層
と、ポリオレフィン樹脂被覆されたシート状基体からな
る支持体との間の、乾燥により生ずる収縮差にあるもの
と考えられている。すなわち、現像後の乾燥、又は、低
湿度環境におかれたときに、印画紙表面のゼラチン含有
乳剤層が比較的急速に乾燥し、その体積を収縮する。し
かし、疎水性ポリオレフィン樹脂被覆層によりその両面
を被覆された支持体中のシート状基体の収縮およびその
体積減少は、極めて緩徐に進行する。このため、印画紙
中のゼラチン含有乳剤層と支持体層との間に収縮差を生
じ、このため、収縮力の大きなゼラチン含有乳剤層を内
側にしてカールが発生するものと考えられている。
上述のカール発生を防止するために、シート状基体の
表、裏両面上に形成される両ポリオレフィン樹脂被覆層
の単位面積当り重量、厚さ、又は、密度を互に異るもの
として、支持体に予め逆方向のカール発生特性を付与し
ておき、プリントに発生するカールを相殺する方法(英
国特許第1,269,802号、および特公昭48−9963号)など
が知られている。
しかしながら、これらカールコントロール方法は支持
体のホールパンチ性を低下させる傾向があり、カール性
も良くホールパンチ性も良い支持体は未だ得られていな
いのである。
また表面側被覆層と裏面側被覆層とを、それぞれ2層
構造とし、それぞれの外側半層を、0.5GPa以上の剛性を
有する樹脂により形成し、内側半層を50%以上の低密度
ポリオレフィンを含有する樹脂で形成し剛度を改善する
提案(特開昭61−132949)もあるが、これによると、た
しかに支持体用シート状基体でもって維持していた剛度
が高剛度樹脂による補強によりゼラチン層の強収縮力の
影響を少くすることは出来るがホールパンチ性が悪化
し、実用に供し得ないという問題を生じている。
〔発明が解決しようとする課題〕
写真印画紙用支持体又は印画紙のホールパンチ性およ
び耐カール性の改善は、写真現像処理の高速化、および
得られるプリントの高画質化等の要請を受けて益々重要
な課題となりつつある。写真現像処理の高速化に対して
は前述のように、ホールパンチ性と耐カール性の良否が
現像効率とプリントの品質に大きく影響を及ぼしている
が、更に得られるプリントの高画質化の要請により支持
体の表面側樹脂被覆層(写真乳剤塗布面)の二酸化チタ
ン含量の増加および被覆量の増加等が行われるようにな
ってきている。そこでこれに対する技術的対応として、
印画紙の積層体としての全体性を配慮した上で、印画紙
全体としてのホールパンチ性と耐カール性のバランスが
とれるように設計されねばならない。しかし、写真特性
面から考えると、印画紙乳剤層の物性と支持体表面のポ
リオレフィン樹脂層の特性を保持しつゝ裏面側ポリオレ
フィン樹脂被覆層および基体の物性をコントロールする
ことによって対処しなければならない。従来技術に於
て、基体と裏面ポリオレフィンの物性関連技術に発明が
集中しているのはこのためである。一般に写真印画紙支
持体の製造に於て、印画紙のカールを、乳剤層の収縮性
と支持体の耐カール性とをバランスする様に設計するた
め、支持体の表および裏面側の両ポリオレフィン樹脂被
覆層の被覆量と、樹脂密度に変化を与えている。その結
果として、表面側のポリオレフィン樹脂を相対的に低密
度品とし、裏面側ポリオレフィンを高密度品とし、更に
両面の被覆量をもカール特性のバランスをとるように設
計している。この従来方法で得られるプリントの高画質
化をはかると、裏面ポリオレフィンの塗布量と密度とを
ますます増加させる必要を生じてしまう。一方印画紙の
ホールパンチ性は塗布量と密度の増加に対応して低下す
る性質であるので、上記のようにするとますます悪化す
る。このため上記両特性を適度にバランスさせる事は益
々困難となる。
本発明の目的は、前述のような従来技術の問題点を解
消し、写真印画紙用支持体の耐カール特性を実用上満足
できる水準に維持しながら、そのホールパンチ性を改善
することにある。
〔課題を解決するための手段、および作用〕
本発明の写真印画紙用支持体は、 シート状基体と、シート状の表面側(写真乳剤塗布面
側)および裏面側に形成され、かつそれぞれポリオレフ
ィン樹脂を含む表面側および裏面側被覆層とを有し、前
記裏面側被覆層が、互に組成の異なるポリエチレン樹脂
組成物からなる内側(基体側)半層とその外側に形成さ
れた外側半層とからなり、前記内側半層に含まれるポリ
エチレン樹脂の密度が、0.935〜0.970であり、前記外側
半層に含まれるポリエチレン樹脂の密度が、0.915〜0.9
45であって、かつ前記内側半層に含まれるポリエチレン
樹脂の密度より小さく、前記内側半層および外側半層に
含まれるポリエチレン樹脂の平均密度が0.950以下であ
る、ことを特徴とするものである。
本発明者等は支持体の耐カール性とホールパンチ性と
をバランスさせることの困難性は、裏面ポリオレフィン
樹脂層を単一層で構成する事に起因すると考え、これを
2層積層構造とすることにより解決したものである。
即ち耐カール性に着目して検討してみると、裏面側被
覆層を2層構造とし、内側半層(基体側)を低密度ポリ
オレフィンで構成し、外側半層を高密度ポリオレフィン
で構成した場合も、これと反対に内側半層を高密度ポリ
オレフィンで構成し、外側半層を低密度ポリオレフィン
で構成した場合も、高、低両密度ポリオレフィンの混合
樹脂により全裏面側被覆層を単一層として形成した場合
に比し殆んど差がないのである。ところがホールパンチ
性に着目して検討してみると、内側半層をより密度の低
いポリオレフィンで構成し、外側半層をより密度の高い
ポリオレフィンで構成すると、そのホールパンチ性は、
全裏面側被覆層を高、低両密度ポリオレフィンの混合物
樹脂で単一層として構成した場合に比し、明瞭に悪化
し、上記の反対の構成の2層構造すなわち、本発明の構
造にすると、そのホールパンチ性を著るしく向上するの
である。
すなわち本発明の支持体は、耐カール性を従来のもの
と殆んど同一水準に維持しながらホールパンチ性のみを
向上させることに成功したものである。すなわち本発明
により、混合ポリオレフィン樹脂単一層に於けるカール
性とホールパンチ性の背反性という制約に由来する裏面
側被覆層のポリオレフィン樹脂選定の困難さから開放さ
れ、巾広い各種ポリオレフィン樹脂の中から自由に樹脂
を選択して組合わせる事が出来るようになったのであ
る。
第1図は、本発明の支持体の積層構造を示すものであ
る。第1図において、シート上基体1の表面(上)側に
表面側被覆層2が形成され、その裏面(下)側には、裏
面側被覆層3が形成されている。この裏面側被覆層3
は、シート状基体に接して形成された内側半層3aと、そ
の外側に形成された外側半層3bとからなるものである。
内側半層3a中のポリオレフィン樹脂の密度daは、外側
半層3b中のポリオレフィン密度dbよりも大きく(da>
db)、両ポリオレフィン樹脂の平均密度は0.950以下で
ある。
上記の関係を第2図および第3図に模式的に図示す
る。第2図に於て、印画紙の乳剤層および表面樹脂層の
物性並びにシート状基体が選定されると、裏面側被覆層
の樹脂の必要密度は、計算混合密度として算出すること
ができる。C1はより密度の低い樹脂を内側半層に用い、
より密度の高い樹脂を外側半層に用いた2層構造で基体
裏面側を被覆した支持体のカール度を示す。C3は、その
逆でより密度の高い樹脂で裏面側内側半層を形成しより
密度の低い樹脂で外側半層を形成したとき得られる支持
体のカール度を示し、C2は両樹脂の混合物により裏面側
被覆層を単一層としたときの支持体のカール度を示すも
のである。すると、第2図に示すように、3者のカール
度C1,C2,C3と計算混合密度との関係直線には殆んど差が
なく実際上同一直線上にあると見ることが出来る。しか
し、高、低両密度の樹脂の構成比を変え、つまり計算混
合樹脂密度を変化させることにより得られる支持体のカ
ール度は線上を移動する。
今、上記カール度C1に対応する構成を有する支持体の
ホールパンチ性をH1で表わし、カール度C2に対応する構
成の支持体のホールパンチ性をH2で表わし、カール度C3
に対応する構成の支持体(本発明)のホールパンチ性を
H3で表わすと、各ホールパンチ性H1,H2,H3と、計算混合
樹脂密度との関係は、第3図に示されているようにな
る。
第3図は、各計算混合樹脂密度において本発明の支持
体のホールパンチ性H3が、他の比較支持体のホールパン
チ性H1およびH3より著るしくすぐれていることを示して
いる。
本発明の支持体に用いられるシート状基体としては、
広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、広葉樹針葉樹混合パルプ
等の木材パルプ、また、クラフトパルプ、サルファイト
パルプ、ソーダパルプ等通常使用されているパルプから
成る原紙を使用することができる。また、必要によって
は合成パルプ、合成繊維および天然繊維も使用すること
ができる。
原紙の種類および厚さに関しては特に制限はないが、
原紙を抄造後、これにカレンダーにて圧力を印加して圧
縮するなどして表面平滑性を改善したものが好ましく、
その坪量は、50〜250g/m2であることが好ましい。
本発明の支持体の基体として用いられる原紙は、通常
の紙用各種添加剤、例えば乾燥紙力増強剤(カチオン化
澱粉、カチオン化ポリアクリルアミド等)、サイズ剤
(脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン、カチオン化サ
イズ剤、反応性サイズ剤等)、填料(クレー、カオリ
ン、および、チタン等)、湿潤紙力増強剤(メラミン樹
脂、エポキシ化ポリアミド樹脂など)、定着剤(硫酸ア
ルミニウム、カチオン化澱粉など)、pH調節剤(苛性ソ
ーダ、炭酸ソーダ等)などの1種以上を含んでいてもよ
い。また原紙は水溶性高分子添加剤、サイズ剤、無機電
解質、吸湿性物質、顔料、pH調節剤などの1種以上を含
む処理液でタブサイズ、又はサイズプレスされたもので
あってもよい。
シート状基体の裏面を被覆するため用いられるポリオ
レフィン樹脂は、ポリエチレン樹脂組成物から選ぶこと
ができる。このポリオレフィン樹脂の分子量には特に制
限はないが、通常は20,000〜200,000の範囲のものが用
いられる。本発明において、支持体の表面側被覆層に用
いられる樹脂の物性、基紙の物性、並びに乳剤ゼラチン
層の物性を考慮して裏面側被覆層を形成するための樹脂
の計算混合樹脂密度が設定される。しかし、裏面側被覆
層の構成内容は、相対的に内側半層樹脂の密度が外側半
層樹脂の密度より高いという条件を満足し、かつその平
均密度が0.950以下であるように選択される。
特に、構成樹脂の作業特性から考慮して内側半層用ポ
リオレフィン樹脂の密度は0.935〜0.970であり、そのメ
ルトインデックス(MI)は5〜25、スエリングレショー
(SR)は0.8〜2.0の範囲内にあることが好ましく、ま
た、外側半層用ポリエチレン樹脂の密度は、0.915〜0.9
45であり、かつ内側半層用ポリエチレン樹脂の密度より
小さいものであり、またそのMIが1〜25、SRが0.8〜2.0
の範囲内にあることが好ましい。一般に支持体のホール
パンチ性は使用される樹脂の密度が高くなる程悪くなる
ので、本発明の支持体において、両半層樹脂の平均密度
を0.950以下にコントロールすることが必要である。平
均密度が0.950より高くなると得られる支持体のホール
パンチ性が実用範囲より悪化する。尚両樹脂の混合物の
密度(ASTM D−1505)と計算密度はほゞ一致するので計
算密度で十分管理できる。
本発明の支持体において裏面側被覆層の合計厚さは5
〜50μの範囲内にあることが好ましく、その内側および
外側半層の各々の厚さは5〜30μであることが好まし
い。このように裏面側被覆層を2層構造にするには、両
半層を順次に被覆形成する2断被覆法を用いてもよく、
また、両半層同時被覆法を用いても良いが、一般には、
両半層同時押出被覆法が効率上好ましい。両半層同時押
出被覆(コエキストルージョン)の方法は、例えば「新
ラミネート加工便覧」(加工技術刊行会刊)P.84〜92に
記載されている様な方法のいづれであってもよい。樹脂
被覆に際しては、基本に予めコロナ放電処理を施して接
着性を向上させておくことが好ましく、また被覆後、ク
ーリングロールにより樹脂面を型付加工することも出来
る。また、裏面側被覆層上に印刷性、筆記性、帯電防止
性などを有するバックコートを施すことも出来る。
本発明の支持体の表面側のポリオレフィン樹脂被覆層
の組成および厚さ等については特に制限はなく、従来の
印画紙支持体用のポリオレフィン樹脂被覆層の組成およ
び厚さと同様のものであってよい。例えばその厚さは、
通常10〜100ミクロン、好ましくは、15〜50ミクロンの
範囲から選ばれる。ポリオレフィン樹脂は低密度、高密
度のポリエチレンまたはその混合物が一般に使用される
が、使用樹脂の密度は裏面樹脂面の平均密度より小さい
ものが好まれる。シート状基体の表面側に形成されるポ
リオレフィン樹脂被覆層は、一般に酸化チタンを5〜30
%含有するが、任意の所望組成を有するものでよい。ま
たこのポリオレフィン樹脂被覆層は、所望量の添加剤、
例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウ
ム、アルミナなどの白色顔料、ガラス繊維、アスベス
ト、ホイスカーなどの繊維状フイラー、カーボンブラッ
ク、フタロシアニン系顔料、黄鉛、チタンイエロー、ベ
ンガラ、群青などの着色顔料、通常の樹脂に混合される
安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、分散剤、滑
剤、螢光剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤の
種類、添加量、および添加方法などについては、例えば
米国特許第3,833,380号、第4,169,188号、第3,501,298
号、第3,449,257号、および第3,499,762号などに記載さ
れている。また、米国特許第3,884,692号に記載されて
いるように、それらの添加剤は、ポリオレフィン樹脂被
覆層の形成後に、その上に塗布することもできる。さら
に、米国特許第2,715,075号、第2,846,727号、第3,549,
406号、および第3,590,107号等に記載されているよう
に、ポリオレフィン樹脂被覆層の表面活性化処理を、必
要に応じて行なうこともできる。また写真乳剤との接着
剤を向上させるために表面側被覆層上にサブコートを施
すこともできるし表面に各種のエンボス加工を施すこと
もできる。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を詳細に説明する。なお、実
施例、比較例において調製された支持体のホールパンチ
性、並びに、カール性の評価は次のようにして行なっ
た。
1.ホールパンチ性 支持体を1孔パンチ(プラス社製)で切断したものの
切断面におけるポリエチレン樹脂被覆層の引き伸ばされ
変形した状態を観察し、その結果を切断面が極めて平滑
で毛羽立ちが全くなくポリエチレン被覆層に変形が認め
られないものを1級とし、切断面全体にわたりポリエチ
レン樹脂被覆層が大きく引き伸ばされ変形の大きなもの
を10級とする10段階に評価した。1級が最良で、10級が
最悪である。
2.カール度 支持体をその幅方向に切断して5mm幅×50mm長の短冊
形試験片を作成し、この試験片を25℃×80%RHの条件で
24時間時間調湿し、そのカール状態を別に作成した10段
階のカールグレード図と比較してその試料片のカール度
を評価した。支持体の表面側にカールしたものをプラス
(+)、裏面側にカールしたものをマイナス(−)と表
示した。数値の絶対値の小さい方がカールの程度が低い
事を示す。
実施例1〜5、比較例1〜13 カナディアンスタンダードフリーネス(JIS P−8121
−76)250mlまで叩解した針葉樹晒亜硫酸パルプ(NBS
P)20%と、フリーネス280mlまで叩解した広葉樹晒硫酸
塩パルプ(LBKP)80%とを混合し、この混合物のスラリ
ーから抄紙して、米坪量170g/m2、緊度1.0g/cm3、水分
8%の原紙を得た。このとき、製紙用添加剤を、スラリ
ー中に、パルス絶乾重量に対し下記の量で添加した。
カチオン化澱粉 2.0% アルキルケテンダイマー樹脂 0.4% アニオン性ポリアクリルアミド樹脂 0.1% ポリアミドポリアミンエピクロールヒドリン樹脂 0.7% 苛性ソーダ PH7.5に調節 得られた原紙の両面に、サイドプレス薬品として、カ
ルボキシ変性PVAと塩化ナトリウムとを2:1の重量比率で
混合し、これを水に溶解して調製した5%サイズ液を、
25g/m2の塗布量で塗布した。このようにして紙基体が得
られた。
先づ、紙基体の裏面にコロナ放電処理を施し、この面
に第1表に示されているような種類および構成のポリエ
チレン樹脂を樹脂温度330℃で溶解押出して紙基体裏面
に積層し、形成された被覆層にクーリングロールでマッ
ト型付を施しながらこれを冷却し、厚さ30μmの裏面側
被覆層を形成した。
次いで、その紙基体の表面側に、コロナ放電処理を施
し、この面上に、比重0.942,MI8,SR1.7のポリエチレン
に、アナターゼ型二酸化チタンを10%混合した組成物
を、樹脂温度320℃で溶解押出して積層し、厚さ30μm
の光沢のある表面側被覆層を形成した。
得られた支持体のカール度およびホールパンチ性を第
1表に示す。
第1表の実施例1に於て、裏面側被覆層を2種のポリ
エチレン層からなる2層構造とし、紙基体に接している
内側半層をより密度の高い樹脂Aで7μmの厚さに被覆
し、更にその上に前記樹脂Aより低密度の樹脂Cを厚さ
23μmに被覆した。比較のために、計算混合樹脂密度が
等しくなる様に内側半層と外側半層の樹脂を入れ替えて
2層被覆したものと、両樹脂を混合して単一層被覆した
ものを比較例1,2として示した。実施例2では同様に第
1表に示される樹脂と被覆厚を共押出し被覆(コエキス
トルージョン)した。以下同様にして実施例3〜5、比
較例5〜13を実施した。
第1表から明らかに示しているように、カール度は計
算混合樹脂密度にほゞ比例して変化し、内側半層と外側
半層における樹脂密度を変化させても、それにより殆ん
ど影響を受けない。カール度は乳剤層被覆後のカールを
想定して支持体ではマイナス(−)カールが望ましい。
第1表ではカール値がプラス(+)側にかたよっている
が、これは表面側被覆層の樹脂の密度が高い(0.942)
からであり、これを低くすることにより充分実用範囲の
カール値とすることができる。
第1表に示された各支持体のホールパンチ性を考察す
る。各ブロック毎に実施例と比較例を比較してみると、
常に外側半層により密度の低いポリエチレンを配した方
が外側半層により密度の高いポリエチレンを配した場合
及び高、低密度の混合樹脂を配した場合よりも優れたホ
ールパンチ性を示していた。また比較例5〜7に於ては
計算密度が0.950以上ありホールパンチ性が異常に悪か
った。
カール性のコントロールは樹脂密度の他に被覆厚を若
干変化させることによって修正出来るが、支持体のホー
ルパンチ性を1〜2級向上させることは、裏面側被覆層
を単一樹脂単一層を用いる限り非常に困難である。第1
表は本発明支持体のホールパンチ性が格段にすぐれてい
ることを明瞭に示している。
〔発明の効果〕
本発明の支持体において、裏面被覆層を、より密度の
高いポリエチレン樹脂を用いて形成した内側半層と、よ
り密度の低いポリエチレン樹脂を用いて形成した外側半
層とからなる2層構造とし、これらポリエチレン樹脂の
平均密度を0.950以下に制御することにより、実用上満
足すべき耐カール性を保持しながら、ホールパンチ性を
著るしく向上させることができ、これによって、すぐれ
た耐カール性とホールパンチ性との両実用特性を具備し
た写真印画紙の提供が可能になった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の支持体の積層構造を示す断面説明図
であり、 第2図は、本発明の支持体(C3)および比較支持体
(C1,C2)のカール度と、計算混合樹脂密度との関係の
一例を示すグラフであり、そして 第3図は、本発明の支持体(H3)と、比較支持体(H1,H
2)のホールパンチ性と計算混合樹脂密度との関係の一
例を示すグラフである。 1……基体、2……表面側被覆層、 3……裏面側被覆層、3a……内側半層、 3b……外側半層、 C1,C2,H1,H2……比較例、 C3,H3……本発明例。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−132949(JP,A) 特開 昭58−93049(JP,A) 特公 昭48−9963(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/79

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート状基体と、 シート状の表面側(写真乳剤塗布面側)および裏面側に
    形成され、かつそれぞれポリオレフィン樹脂を含む表面
    側および裏面側被覆層と を有し、 前記裏面側被覆層が、互に組成の異なるポリエチレン樹
    脂組成物からなる内側(基体側)半層とその外側に形成
    された外側半層とからなり、 前記内側半層に含まれるポリエチレン樹脂の密度が、0.
    935〜0.970であり、前記外側半層に含まれるポリエチレ
    ン樹脂の密度が、0.915〜0.945であって、かつ前記内側
    半層に含まれるポリエチレン樹脂の密度より小さく、 前記内側半層および外側半層に含まれるポリエチレン樹
    脂の平均密度が0.950以下である、 ことを特徴とする写真印画紙用支持体。
JP63109882A 1988-05-07 1988-05-07 写真印画紙用支持体 Expired - Fee Related JP2770949B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63109882A JP2770949B2 (ja) 1988-05-07 1988-05-07 写真印画紙用支持体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63109882A JP2770949B2 (ja) 1988-05-07 1988-05-07 写真印画紙用支持体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01280752A JPH01280752A (ja) 1989-11-10
JP2770949B2 true JP2770949B2 (ja) 1998-07-02

Family

ID=14521555

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63109882A Expired - Fee Related JP2770949B2 (ja) 1988-05-07 1988-05-07 写真印画紙用支持体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2770949B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2846395B2 (ja) * 1990-02-28 1999-01-13 三菱製紙株式会社 写真用支持体およびその製造法
JPH04293043A (ja) * 1991-03-20 1992-10-16 Fuji Photo Film Co Ltd 写真印画紙用支持体
JPH04293042A (ja) * 1991-03-20 1992-10-16 Fuji Photo Film Co Ltd 写真印画紙用支持体
JP3493237B2 (ja) * 1994-12-28 2004-02-03 富士写真フイルム株式会社 写真印画紙用支持体

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5893049A (ja) * 1981-11-30 1983-06-02 Fuji Photo Film Co Ltd 写真印画紙用支持体
GB8429729D0 (en) * 1984-11-24 1985-01-03 Wiggins Teape Group Ltd Base paper

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01280752A (ja) 1989-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5853965A (en) Photographic element with bonding layer on oriented sheet
US6004732A (en) Controlling bending stiffness in photographic paper
US5866282A (en) Composite photographic material with laminated biaxially oriented polyolefin sheets
US5968695A (en) Roughness elimination by control of strength of polymer sheet in relation to base paper
US6007665A (en) Photographic element with indicia on oriented polymer back sheet
US6841109B2 (en) Support for imaging material
US5902720A (en) Photographic element that resists curl using oriented sheets
US6040036A (en) Sheets having a microvoided layer of strength sufficient to prevent bend cracking in an imaging member
KR101196069B1 (ko) 이미지 지원 매체
US6190781B1 (en) Support for imaging material
JP2690119B2 (ja) 写真印画紙用支持体
JP2770949B2 (ja) 写真印画紙用支持体
US5994045A (en) Composite photographic material with laminated biaxially oriented polyolefin sheets with controlled water vapor transmission rate
US20070009685A1 (en) Support for image recording material
US6114078A (en) Imaging element with biaxially oriented face side with non glossy surface
JPH0527364A (ja) 紙粉などの発生のない写真印画紙用支持体
JP2000019684A (ja) 画像材料用支持体
JP3343834B2 (ja) 画像材料用支持体
JPH01280751A (ja) 写真印画紙用支持体
JP2871356B2 (ja) 写真印画紙用支持体
JPH01542A (ja) 写真印画紙用支持体
JPS63173045A (ja) 写真印画紙用支持体
JPH05241274A (ja) 写真印画紙用支持体の製造方法
JPH04172340A (ja) 被切断性のすぐれた写真印画紙用支持体の製造方法
JPH03293349A (ja) 写真印画紙用支持体

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees