JP2762978B2 - 移動体通信における位置登録方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は移動体通信における
位置登録方式に関し、特に、多数の移動体端末が一斉に
移動した場合に発生する位置登録要求を処理する際の位
置登録方式に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年の移動体通信においては、その普及
による加入者の増加に伴って有限な無線資源を有効活用
するためにセルは小型化されている。移動体への呼の発
着信を行うためには移動体がどのセルに有るかを示す位
置登録が必要となる。セルの小型化に伴って位置登録が
頻繁に発生するようになり、無線制御チャネルの使用率
が圧迫されることから、位置登録回数を減少させるため
に様々な提案がなされている。

【０００３】位置登録回数を減少するための従来技術と
して、特開平５−３５８１号公報には位置登録エリアを
自律分散的に設定することによって制御トラヒックを減
少させる方法が開示され、また、特開平５−１９１３４
４号公報には、移動体端末の使用者が端末を使用する使
用時間帯および使用するサービスエリア区分（セル）を
示すデータを無線基地局に登録し、移動端末への着信呼
が発生すると、登録された時間帯に該当するかを確認し
て登録されたセルに対して呼び出しを行うことにより位
置登録信号を用いずに制御チャネルを利用する方法が開
示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の移動体
の位置登録方式では、いずれにおいてもネットワークへ
の信号負荷を軽減したり、無線資源の効率化には有効で
あるが、制御チャネルに余裕がない場合には巧く機能せ
ず、位置登録を行うことができないことがある。しかし
単なる制御チャネルの拡大は、ロケーションレジスタ
（特開平５−３５８１号公報における位置登録エリア記
憶装置や特開平５−１９１３４４号公報におけるメモリ
装置）への送信が集中して輻輳状態を招き、逆に網性能
を低下させる。

【０００５】本発明は上述したような従来の技術が有す
る問題点に鑑みてなされたものであって、移動体の位置
登録を効率良く行うことにより登録の成功率を向上する
ことのできる移動体通信における位置登録方式を実現す
ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の移動体通信にお
ける位置登録方式は、複数の移動体端末をそれぞれ収容
し、ネットワークにて結ばれる複数の基地局と、前記移
動体端末の移動時にその位置が登録されるロケーション
レジスタとを備える移動体通信における位置登録方式に
おいて、前記移動体端末に設けられ、前記移動体端末が
移動した際に前記ロケーションレジスタへ位置登録を行
うためのチャネルに空きが無いことを確認すると、その
旨を前記基地局に通知するチャネル監視手段と、前記基
地局に設けられ、チャネルの状態を検出するチャネル状
態検出手段と、前記基地局に設けられ、前記チャネル監
視手段より位置登録チャネルの不足を知らされた場合
に、前記チャネル状態検出手段の検出結果に基づいて、
現在通信に使用されている論理的なチャネルを除いた全
ての空きチャネルを位置登録用に変更するチャネルアサ
イン変更手段と、前記移動体端末に設けられ、前記チャ
ネルアサイン変更手段にて位置登録用に変更されたチャ
ネルを用いて位置登録を行う位置登録実行手段と、を有
することを特徴とする。

【０００７】この場合、チャネルアサイン変更手段は、
位置登録を要求する移動体端末の数と位置が登録された
数とが一致するとチャネルアサインを元に戻すこととし
てもよい。

【０００８】また、チャネルアサイン変更手段は、ロケ
ーションレジスタが過負荷時には位置登録用へのチャネ
ルアサイン変更を行わないこととしてもよい。

【０００９】「作用」上記のように構成される本発明に
おいては、位置登録チャネルが不足している場合には現
在通信に使用されている論理的なチャネルを除いた全て
の空きチャネルが位置登録用に変更されるので、輻輳状
態となることを防止することができ、位置登録の成功率
が高いものとなる。

【００１０】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について図
面を参照して説明する。図１は本発明の一実施例の構成
を示す図である。

【００１１】図１において、ネットワーク１００にはネ
ットワーク状態を監視するネットワーク監視装置１１０
と基地局１２０、ロケーションレジスタ１４０が接続さ
れている。

【００１２】ネットワーク監視装置１１０は、ネットワ
ーク１００との間で信号の交換を行うネットワークイン
ターフェース１１１と、ネットワーク状態を監視するネ
ットワーク監視部１１２と、ネットワーク１００から受
信した信号に処理する必要のある情報が含まれているか
を判断する信号判断部１１３と、受信信号に含まれる情
報を処理する情報判断部１１５と、情報報判断部１１５
からの指令で情報蓄積を行う情報蓄積部１１７と、ネッ
トワーク状態の監視や蓄積情報の処理に用いるタイマー
１１６と、命令送出部１１４とを具備している。

【００１３】基地局１２０は、ネットワーク１００との
間で信号の交換を行うネットワークインターフェース１
２１と、ネットワーク監視装置１１０と移動体端未１３
０からの信号情報を処理する信号判断部１２３と、無線
チャネルの割り当てを変更するチャネルアサイン変更部
１２２と、無線チャネルの状態を検出するチャネル状態
検出部１２４と、移動体端末１３０との間で信号交換を
行う無線インターフェース１２５を具備している。

【００１４】移動体端末１３０は、基地局１２０との間
で信号交換を行う無線インターフェース１３１と、無線
チャネルの割り当てを行う位置登録実行部１３２と、無
線チャネルの状態を監視するチャネル監視部１３３と、
基地局１２０からの信号情報を処理する信号判断部１３
４と、信号判断部１３４からの命令に従ってユーザーに
情報を表示するユーザー表示部１３５とを具備する。

【００１５】次に、本実施例の具体的な動作について図
２および図３を参照して説明する。図２は本実施例にお
ける無線チャネルを変更する際の動作を示すフローチャ
ートであり、図３は位置登録を禁止し、または、解除す
る際の動作を示すフローチャートである。

【００１６】位置登録の必要な移動体端末１３０が基地
局１２０が管理する無線エリアに多数移動し、制御チャ
ネル不足による位置登録不能状態が発生した場合、移動
体端末１３０のチャネル監視部１３３が予め定められた
時間Ｔａ以上のチャネル不足を観測すると（ステップＳ
２０１）、基地局１２０および周辺の移動体端末に対し
て報知チャネルを使用して位置登録不能であることを知
らせる位置登録不能メッセージを送信する（ステップＳ
２０２）。

【００１７】移動体端末１３０から位置登録不能メッセ
ージを受信した基地局１２０は、位置登録不能メッセー
ジに自分の基地局番号を付与してネットワーク監視装置
１１０に送出する。ネットワーク監視装置１１０では信
号判断部１１３にて受信メッセージが位置登録不能メッ
セージである事を判別し、基地局番号を情報判断部１１
５に送出する。網が位置登録禁止状態でない時、情報判
断部１１５は、位置登録不能メッセージに付与された番
号により示される位置登録不能になった基地局１２０の
番号と、それまでの受信履歴から位置登録不能となった
端末数を情報蓄積部１１７に記憶するとともにタイマー
１１６を起動して位置登録不能時間の計測に入る（ステ
ップＳ２０３）。

【００１８】位置登録不能端末数が、予め定められた観
測期間Ｔｂ以内にしきい値Ｋａ以上となると、命令送出
部１１４から基地局１２０に対して無線チャネルアサイ
ンを変更する旨の無線チャネルアサイン変更メッセージ
と位置登録要求端末数を送出する。無線チャネルアサイ
ン変更メッセージを受信した基地局１２０の信号判断部
１２３はチャネル状態検出部１２４から現在使用してい
る通話チャネル、制御チャネル、データチャネルの情報
を取得し、チャネルアサイン変更部１２２にこれらの情
報を送出する。チャネル情報を取得したチャネルアサイ
ン変更部１２２は、現在通話に使用しているチャネル以
外のチャネルを強制的に位置登録チャネルとするととも
に（ステップＳ２０４）、その旨を示す通知、位置登録
は行えるが通信サービスは不能であること、および、サ
ービス中の端末数とサービスを受けられない端末数を示
すサービス情報を無線エリア内の全ての移動体端末１３
０に送出する。

【００１９】チャネルアサイン変更メッセージを受信し
た各移動体端末１３０は、位置登録実行部１３２にて強
制的に割り当てられた位置登録チャネルを利用して位置
登録を実行するとともに、信号判断部１３４にて受信し
たサービス情報に基づいてユーザーに対してサービス不
能であることと、現在サービス中の端末数、サービス不
能端末数を知らせる。一方、位置登録メッセージを受信
した基地局１２０は、信号判断部１２３にて位置登録を
実行した端末数を計測し（ステップＳ２０５）、ネット
ワーク監視装置１１０から取得した位置登録要求端末数
と同数の位置登録が行われているかを判断し、位置登録
要求端末数と位置登録端末数とが同数となると（ステッ
プＳ２０６）、チャネルアサイン変更部１２２にてチャ
ネルアサインを変更して元に戻す（ステップＳ２０
７）。

【００２０】次に、本実施例における位置登録要求メッ
セージのロケーションレジスタへの集中により信号網に
輻輳が発生することを防止するための他の動作について
図３を参照して説明する。

【００２１】ネットワーク監視装置１１０は信号綱内に
流れる信号情報をネットワークインターフェース１１１
を介して取得し、信号判断部１１３にて取得した信号の
内容を判断する。信号判断部１１３は取得した信号がロ
ケーションレジスタ１４０への位置登録信号であると判
断すると、取得した信号の情報を情報判断部１１５にを
渡す。情報判断部１１５では、タイマー１１６から所定
の観測期間Ｔｃの情報を取得し、この観測期間Ｔｃ中に
ロケーションレジスタ１４０の処理能力以上の位置登録
メッセージが継続して所定の期間Ｔｄ以上流れた場合
（ステップＳ３０１）、命令送出部１１４より基地局１
２０のそれぞれに対してロケーションレジスタ１４０へ
の位置登録を禁止する旨の位置登録禁止メッセージを送
出する（ステップＳ３０２）。ロケーションレジスタ１
４０への位置登録禁止メッセージを受信した基地局１２
０は、信号判断部１２３にてロケーションレジスタ１４
０への位置登録禁止を決定する。この後、移動体端末１
３０から位置登録要求を受信した基地局１２０の情報判
断部１２３は、ロケーションレジスタ１４０への位置登
録か否かを判定し、ロケーションレジスタ１４０への位
置登録要求ならば、移動体端末１３０に対して輻輳状態
のためサービスができないことを通知する（ステップＳ
３０３）。これを受けて移動体端末１３０のユーザー表
示部１３５は現在サービスが停止状態にある旨の表示を
行うことで加入者に通知する（ステップＳ３０４）。

【００２２】この後、ロケーションレジスタ１４０への
位置登録信号数がロケーションレジスタ１４０の処理能
力以下に低減したことを情報判断部１１５が認知すると
（ステップＳ３０５）、命令送出部１１４より基地局１
２０のそれぞれに対して位置登録が再開した旨の位置登
録再開メッセージを送出する（ステップＳ３０６）。こ
れを受けて移動体端末１３０ではサービスが開始された
ことを通知する（ステップＳ３０７）。

【００２３】上記のように位置登録禁止／解除動作を加
入者に通知することにより、新たな位置登録要求の発生
を防ぐことができ、輻輳状態がより悪化することが防止
される。

【００２４】次に、本発明の第２の実施例について図４
を参照して説明する。

【００２５】本実施例は移動通信をインテリジェントネ
ットワーク（ＩＮ）にて実施する場合を示すもので、信
号網４０１、ロケーションレジスタ４０２、移動交換局
４０３〜４０５、ネットワーク監視制御装置４０６、基
地局４０７〜４０９および各基地局の無線エリアに存在
する移動体端末４１０〜４１２により構成されている。

【００２６】移動交換局４０３に対して設けられた基地
局４０７〜４０９は、それぞれ、無線エリア４１３〜４
１５を保有しており、移動交換局４０３は各無線エリア
４１３〜４１５から構成される位置登録エリア４１６を
管理する。移動交換局４０４および移動交換局４０５に
対しても複数の基地局が設けられ、各移動交換局４０４
は，４０５はそれぞれに対して設けられた基地局の無線
エリアから構成される位置登録エリアを管理している。

【００２７】各移動交換局４０３〜４０５はインテリジ
ェントネットワークにおけるサービス交換ポイント（Ｓ
ＳＰ）の機能を有しており、信号網４０１を介してサー
ビスデータポイント（ＳＤＰ）としてのロケーションレ
ジスタ４０２にアクセスする。各移動交換局４０３〜４
０５は信号網４０１を介して、もしくは直接にネットワ
ーク監視制御装置４０６に接続されている。ネットワー
ク監視制御装置４０６はネットワーク監視制御機能を担
当し、ネットワークの規模によって複数存在している。
各基地局４０７〜４０９および移動体端末４１０〜４１
１の機能は図１に示した実施例１における基地局１２０
および移動体端末１３０と同じである。各移動交換局４
０３〜４０５は、ロケーションレジスタ４０２とネット
ワーク監視制御装置４０６に対して位置登録信号の送受
を行う機能を有しており、ネットワーク監視制御装置４
０６は、図１に示したネットワーク監視装置１１０と同
じ機能を有している。ロケーションレジスタ４０２およ
び信号網４０１の機能もは図１に示した音とワーク１０
０およびロケーションレジスタ１４０と同一である。

【００２８】

【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載するような効果を奏する。

【００２９】位置登録要求の成功率が向上し、位置不明
局が減少する。このため、各種サービスを行いやすくな
り、サービス品質が向上する。また、一斉呼び出しが減
ることからネットワークの負荷を減少することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のシステム構成を示す図であ
る。

【図２】図１に示した実施例における無線チャネル変更
動作を示すフローチャートである。

【図３】図１に示した実施例における位置登録禁止／解
除動作を示すフローチャートである。

【図４】本発明の第２の実施例のシステム構成を示す図
である。

【符号の説明】

１００ ネットワーク １２０ 基地局 １２１ ネットワークインターフェース １２２ チャネルアサイン変更部 １２３ 信号判断部 １２４ チャネル状態検出部 １２５ 無線インターフェース １３０ 移動体端末 １３１ 無線インターフェース １３２ 位置登録実行部 １３３ チャネル監視部 １３４ 信号判断部 １３５ ユーザー表示部 １４０ ロケーションレジスタ Ｓ２０１〜Ｓ２０７，Ｓ３０１〜Ｓ３０７ ステップ ４０１ 信号網 ４０２ ロケーションレジスタ ４０３〜４０５ 移動交換局 ４０６ ネットワーク監視制御部 ４０７〜４０９ 基地局 ４１０〜４１２ 移動体端末 ４１３〜４１５ 無線エリア ４１６ 位置登録エリア

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の移動体端末をそれぞれ収容し、ネ
   ットワークにて結ばれる複数の基地局と、前記移動体端
   末の移動時にその位置が登録されるロケーションレジス
   タとを備える移動体通信における位置登録方式におい
   て、 前記移動体端末に設けられ、前記移動体端末が移動した
   際に前記ロケーションレジスタへ位置登録を行うための
   チャネルに空きが無いことを確認すると、その旨を前記
   基地局に通知するチャネル監視手段と、 前記基地局に設けられ、チャネルの状態を検出するチャ
   ネル状態検出手段と、 前記基地局に設けられ、前記チャネル監視手段より位置
   登録チャネルの不足を知らされた場合に、前記チャネル
   状態検出手段の検出結果に基づいて、現在通信に使用さ
   れている論理的なチャネルを除いた全ての空きチャネル
   を位置登録用に変更するチャネルアサイン変更手段と、 前記移動体端末に設けられ、前記チャネルアサイン変更
   手段にて位置登録用に変更されたチャネルを用いて位置
   登録を行う位置登録実行手段と、を有することを特徴と
   する移動体通信における位置登録方式。
2. 【請求項２】 請求項１記載の移動体通信における位置
   登録方式において、 チャネルアサイン変更手段は、位置登録を要求する移動
   体端末の数と位置が登録された数とが一致するとチャネ
   ルアサインを元に戻すことを特徴とする移動体通信にお
   ける位置登録方式。
3. 【請求項３】 請求項１記載の移動体通信における位置
   登録方式において、 チャネルアサイン変更手段は、ロケーションレジスタが
   過負荷時には位置登録用へのチャネルアサイン変更を行
   わないことを特徴とする移動体通信における位置登録方
   式。