JP2762859B2 - シクロデキストリン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

シクロデキストリン誘導体及びその製造方法

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JP2762859B2
JP2762859B2 JP21832692A JP21832692A JP2762859B2 JP 2762859 B2 JP2762859 B2 JP 2762859B2 JP 21832692 A JP21832692 A JP 21832692A JP 21832692 A JP21832692 A JP 21832692A JP 2762859 B2 JP2762859 B2 JP 2762859B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なシクロデキストリ
ン誘導体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シクロデキストリンは分子内に疎水性の
空洞を有し、外側は親水性で水中油型ミセルに似た機能
を示す化合物である。このようなシクロデキストリンは
その空洞径に応じて疎水性のゲスト分子を取り込み水溶
液中で複合体を形成し、調製法によっては固体の包接化
合物を単離することもできる。この立体選択的な相互作
用によりゲスト分子の物理化学的性質を微妙に変化させ
ることができるため、製剤への有効利用が期待でき、各
方面で種々に利用され、またその利用が図られている化
合物である。
【0003】特にシクロデキストリンの2,3又は6位
の水酸基を部分的に残してなるシクロデキストリン誘導
体の場合は、その水酸基との相互作用により包接能が大
幅に変化するため、ゲスト分子の種類、その物性等を大
きく変化させうることが期待できる。
【0004】例えば、特開平3-137103号公報に開示され
る3位および6位の水酸基をメチル化したジメチルシク
ロデキストリンは、油に溶け易くなり、界面活性を呈
し、吸湿性が低下するという特性を有するため製剤への
用途が著しく拡大するという利点を有する。
【0005】このようなシクロデキストリン誘導体に用
いられる中間物質の合成については、J. Carbohydr. Ch
em.,7 293-308 (1988) ; Carbohydr. Res., 187 203-22
1 (1989) ; Carbohydr. Res., 192 366-369 (1989)等の
論文に詳細に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな2,3又は6位の水酸基を部分的に残してなるシク
ロデキストリン誘導体の合成は、その過程において特定
の水酸基を選択的に反応させる必要があるため非常に困
難であり、かつ複雑であった。
【0007】すなわち、本発明の目的は、2,3あるい
は6位のいずれかに、又は2,6位あるいは3,6位に
アセチル基を導入した新規なシクロデキストリン誘導体
及びその製造方法を提供することにある。
【0008】また、本発明の目的は上記シクロデキスト
リン誘導体を簡便に製造することができる方法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
に鑑みて鋭意研究の結果、本発明の上記目的は、下記式
(1),(2)又は(3)で表わされるアセチルシクロ
デキストリン誘導体、又は下記式(4)又は(5)で表
わされるジアセチルシクロデキストリン誘導体、を提供
することにより達成されることを見出した。
【0010】
【化3】
【0011】また、本発明の目的は下記シクロデキスト
リン誘導体の製造方法により達成される。
【0012】(1)(6−O−tert−ブチルジメチルシ
リル)シクロデキストリンの2位及び3位の水酸基をベ
ンジル化、アリル化又はピラニル化した後、脱シリル化
して得られたシクロデキストリン誘導体の6位の水酸基
をアセチル化した後、保護基を除去する、6−アセチル
−シクロデキストリンの製造方法。
【0013】(2)2位の水酸基がベンジル化又はアリ
ル化された(6−O−tert−ブチルジメチルシリル)シ
クロデキストリンを脱シリル化した後ベンジル化、アリ
ル化又はピラニル化し、次いで2位のベンジル基又はア
リル基を脱離せしめた後アセチル化する、2−アセチル
−シクロデキストリンの製造方法。
【0014】(3)(2,6−ジ−O−tert−ブチルジ
メチルシリル)シクロデキストリンの3位の水酸基をア
セチル化した後、脱シリル化する、3−アセチル−シク
ロデキストリンの製造方法。
【0015】(4)2位の水酸基がベンジル化又はアリ
ル化された(6−O−tert−ブチルジメチルシリル)シ
クロデキストリンの3位の水酸基をアセチル化した後、
2位のベンジル基又はアリル基を脱離せしめ、次いで脱
シリル化する、3−アセチル−シクロデキストリンの製
造方法。
【0016】(5)シクロデキストリンにN−アセチル
イミダゾールを反応させる6−アセチル−シクロデキス
トリンの製造方法。
【0017】(6)シクロデキストリンに塩化アセチル
を反応させる6−アセチル−シクロデキストリンの製造
方法。
【0018】(7)2位の水酸基がベンジル化又はアリ
ル化された(6−O−t−ブチルジメチルシリル)シク
ロデキストリンを脱シリル化した後、アセチル化する、
3,6−ジアセチルシクロデキストリンの製造方法。
【0019】(8)2位の水酸基がベンジル化又はアリ
ル化された(6−O−t−ブチルジメチルシリル)シク
ロデキストリンの3位の水酸基をベンジル化、アリル化
又はピラニル化した後に脱シリル化を行ない、次いで2
位のベンジル基又はアリル基を脱離せしめた後アセチル
化する、2,6−ジアセチルシクロデキストリンの製造
方法。
【0020】(9)(2,6−ジ−O−tert−ブチルジ
メチルシリル)シクロデキストリンの3位の水酸基をベ
ンジル化、アリル化又はピラニル化した後に脱シリル化
を行ない、次いでアセチル化を行なう、2,6−ジアセ
チルシクロデキストリンの製造方法。
【0021】以下に本発明を更に具体的に説明する。
【0022】本発明において、シクロデキストリンはn
が6のものをα−シクロデキストリン、nが7のものを
β−シクロデキストリン、nが8のものをγ−シクロデ
キストリンという。
【0023】以下に、本発明のモノアセチルシクロデキ
ストリンの具体的反応例を示す。但し以下場合によりシ
クロデキストリンをCDと略記する。
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】
【0026】上記反応例(1)及び(2)は具体的には
以下のような反応により行なわれる。 反応[1] β−CD(n=7)を脱水ピリジン中に溶解し、窒素雰
囲気下0〜5℃に冷却する。次いで脱水ピリジンに溶解
した tBDMSi・Clを滴下し、滴下終了後0〜5℃
で1時間、室温で12時間攪拌する。反応終了後、大量の
水より再沈殿を行ない沈殿を濾別、よく水洗し乾燥させ
る。その後シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
精製し、得られた[A]はエタノールより3回再結晶を
行なった。(収率:約80%)
【0027】反応[2] [A]を脱水DMFに溶解後BaO,Ba(OH)2
8H2 Oを続いて添加する。その系に室温で臭化ベンジ
ルを滴下し、滴下終了後ヨウ化ナトリウムを加え24時間
攪拌する。反応終了後メタノールを加え攪拌、次いで不
溶物を濾別、濾液に塩化メチレンを加え1M−H2 SO
4 、水の順で洗浄し有機相を乾燥後、減圧下40℃以下で
濃縮する。残渣に少量のエタノールを加え、大量の水よ
り再沈殿する。沈殿物はよく乾燥後シリカゲルカラムク
ロマトグラフィーにより精製し、得られた[B]はエタ
ノールより再結晶を行なった。(収率:約70%)
【0028】反応[3] [B]を脱水塩化メチレンに溶解し、窒素雰囲気下0〜
5℃に冷却する。次いでその系に三フッ化ホウ素のジエ
チルエーテル錯体を滴下し、滴下終了後0〜5℃で2時
間、室温で12時間反応させる。反応終了後、有機相を氷
冷水で洗浄し有機相は乾燥後減圧下濃縮し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、得られ
た[C]はジエチルエーテル/メタノール系より再結晶
を行なった。(収率:約70%)
【0029】反応[4] [C]をTHFに溶解し、その系に3,4−ジヒドロ−
2Hピランを加え攪拌する。そして室温で塩酸1〜2滴
を加え12時間反応させる。反応終了後、その系にKOH
を添加し、室温で30分間攪拌する。KOHを濾別後、溶
液を減圧下濃縮する。残渣はアルミナカラムクロマトグ
ラフィーにより分離・精製し[D]を得た。(収率:約
65%)
【0030】反応[5] [D]をエタノール/酢酸=2/1溶液に溶解し、10%
Pd/Cを触媒として添加後、水素添加を行なう(40
℃,5kg/cm2 )。水素圧が減少しなくなった時点で反
応を終了させ、Pd/Cを濾別、溶液を減圧下で濃縮
し、残渣をアルミナカラムクロマトグラフィーで分離・
精製し[E]を得た。(収率:約85%)
【0031】反応[6]−1 [E]を脱水ピリジンに溶解し、室温で無水酢酸を滴下
する。滴下終了後60℃で12時間反応させる。反応終了後
ピリジンを減圧下濃縮し、残渣に少量のエタノールを加
え、大量の氷冷水より再沈殿を行なう。沈殿物を濾別し
よく乾燥後、アルミナカラムクロマトグラフィーにより
分離・精製し[F]を得た。(収率:約80%)
【0032】反応[6]−2 [E]を脱水ピリジン(あるいはトリエチルアミン)に
溶解し、窒素雰囲気下塩化メチルに溶解した塩化アセチ
ル(又は臭化アセチル)を滴下する。滴下終了後0〜5
℃で2時間、室温で6時間反応させる。反応終了後ピリ
ジンを減圧下濃縮し、残渣に少量のエタノールを加え、
大量の氷冷水より再沈殿を行なう。沈殿物を濾別しよく
乾燥後、アルミナカラムクロマトグラフィーにより分離
・精製し[F]を得た。
【0033】反応[7] [F]をTHFに溶解し、そこに塩酸を加え、40℃で30
分間攪拌させる。反応終了後放冷し、室温でKOHを加
え30分間攪拌する。KOHを濾別後THFを減圧下濃縮
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
分離・精製し、2−アセチルβ−CD[G]を得た。
(収率:約55%)
【0034】反応[8] [A]を脱水DMFに溶解し、窒素雰囲気下10℃に冷却
する。その系にNaHを添加し、その温度で2時間攪
拌、次いで臭化ベンジルをゆっくり滴下し、さらにヨウ
化ナトリウムを加える。添加後10℃で1時間、室温で24
時間攪拌する。反応終了後メタノールを加え30分間攪拌
し、そして濾過する。濾液は減圧下40℃以下にて濃縮
し、残渣は少量のメタノールより再沈殿させ、濾過し、
濾物は乾燥後シリカゲルカラムクロマトグラフィーによ
り分離する。得られた[H]はエタノールより再結晶し
精製した。(収率:約60%)
【0035】反応[9] [B]にかえて[H]を用い、得られた化合物の再結晶
を行なわない以外は反応[3]と同様にして[I]を得
た。(収率:約70%)
【0036】反応[10]−1 [E]にかえて[I]を用い、アルミナカラムクロマト
グラフィーにかえてシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにて分離・精製した以外は反応[6]−1と同様にし
て[J]を得た。(収率:約70%)
【0037】反応[10]−2 [E]にかえて[I]を用い、アルミナカラムクロマト
グラフィーにかえてシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにて分離・精製した以外は反応[6]−2と同様にし
て[J]を得た。
【0038】反応[11] [D]にかえて[J]を用い、アルミナカラムクロマト
グラフィーにかえてシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにて分離・精製した以外は反応[5]と同様にして6
−アセチルβ−CD[K]を得た。(収率:約80%)
【0039】反応[12] β−CD(n=7)を脱水DMFに溶解し、室温でイミ
ダゾールを添加する。次いでアルゴン雰囲気下 tBDM
Si・Clを加え溶解させる。その系をゆっくりと加熱
し90〜 100℃で24時間反応させる。反応終了後放冷し、
減圧下DMFを留去し残渣を塩化メチレン/水系で抽出
し、有機相は1M−H2 SO4 、水、NaHCO3 水溶
液で洗浄後乾燥する。有機相は減圧下濃縮し、残渣は塩
化メチレン/メタノール系より再結晶し精製し[L]を
得た。(収率:約65%)
【0040】反応[13]−1 [E]にかえて[L]を用い、反応条件を 100℃,36時
間としアルミナカラムクロマトグラフィーにかえてシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて分離・精製した以
外は反応[6]−1と同様にして[M]を得た。(収
率:約90%)
【0041】反応[13]−2 [L]を脱水DMF(あるいTHF)、ピリジン混合溶
媒(あるいはトリエチルアミンのみ)に溶解し窒素雰囲
気下0〜5℃でDMF又はTHFに溶解した塩化アセチ
ル(又は臭化アセチル)を滴下する。滴下終了後0〜5
℃で2時間、室温で12時間反応させる。反応終了後溶媒
を減圧下濃縮し、残渣に少量のアセトンを加え、大量の
氷冷水により再沈殿を行なう。沈殿物を濾別、乾燥後シ
リカゲルクロマトグラフィーにより分離・精製し[M]
を得た。(収率:約90%)
【0042】反応[14] [B]にかえて[M]を用い、得られた化合物の再結晶
を行なわない以外は反応[3]と同様にして3−アセチ
ルβ−CD[N]を得た。(収率:約50%)
【0043】反応[15]−1 [E]にかえて[B]を用い、アルミナカラムクロマト
グラフィーにかえてシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにて分離・精製した以外は反応[6]−1と同様にし
て[O]を得た。(収率:約80%)
【0044】反応[15]−2 [L]にかえて[B]を用いた以外は反応[13]−2と
同様にして[O]を得た。
【0045】反応[16] [D]にかえて[O]を用い、アルミナカラムクロマト
グラフィーにかえてシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにて分離し、更に、得られた[P]をメタノールによ
り再結晶し精製した以外は反応[5]と同様にして
[P]を得た。(収率:約65%)
【0046】反応[17] [B]にかえて[P]を用いた以外は反応[3]と同様
にして3−アセチルCD[N]を得た。(収率:約50
%)
【0047】上記反応[1]において、β−CDにかえ
てα−CDを用いる場合は、β−CDを脱水ピリジン中
に溶解するかわりにα−CDを脱水ピリジン/脱水DM
F=4/3溶液に溶解し、更に得られた[A]をエタノ
ールにより再結晶するかわりに塩化メチレン/エタノー
ル溶液より再結晶した以外は反応[1]と同様の操作で
行なうことができる。
【0048】また、β−CDにかえてγ−CDを用いる
場合は、[A]をエタノールにより再結晶するかわりに
塩化メチレン/メタノール溶液より再結晶した以外は反
応[1]と同様の操作で行なうことができる。
【0049】反応[18] β−CD(n=7)を脱水ピリジンに溶解し窒素雰囲気
下室温で攪拌する。その系に脱水ピリジンに溶解したN
−アセチルイミダゾールを滴下して行く。滴下終了後、
室温で1時間次いで40〜50℃で約30時間攪拌させる。反
応終了後減圧下ピリジンを留去し、残渣はシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにより分離・精製し目的物
[K]を得る。(収率:約80%)
【0050】反応[19] β−CD(n=7)を脱水ピリジンに溶解し、窒素雰囲
気下−5℃で攪拌する。その系に塩化メチレンに溶解し
た塩化アセチルをゆっくり滴下して行く。滴下終了後−
5℃で2時間、5℃で6時間反応させる。反応終了後ピ
リジン、塩化メチレンを室温、減圧下で留去し、残渣を
クロロホルム/水系で抽出する。クロロホルム層は1M
硫酸で洗浄、中和後乾燥し濃縮する。残渣はシリカゲル
カラムクロマトグラフィーにより分離・精製し目的物
[K]を得る。(収率:約65%)
【0051】上記反応[18]及び[19]において、β−
CDにかえてα−CDを用いる場合は、β−CDを脱水
ピリジン中に溶解するかわりにα−CDを脱水ピリジン
/脱水DMF=4/3溶液に溶解した以外は反応[18]
及び[19]と同様の操作で行なうことができる。
【0052】次にジアセチルシクロデキストリンの具体
的反応例を示す。
【0053】
【化6】
【0054】上記反応例(2)は具体的には以下のよう
な反応により行なわれる。 反応[1] β−CD(n=7)を脱水ピリジン中に溶解し、窒素雰
囲気下0〜5℃に冷却する。次いで脱水ピリジンに溶解
した tBDMSi・Clを滴下し、滴下終了後0〜5℃
で1時間、室温で12時間攪拌する。反応終了後、大量の
水より再沈殿を行ない沈殿を濾別、よく水洗し乾燥させ
る。その後シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
精製し、得られた[A]はエタノールより再結晶を行な
った。(収率:約80%)
【0055】反応[2] [A]を脱水DMFに溶解後、BaO,Ba(OH)2
・8H2 Oを続いて添加する。その系に室温で臭化ベン
ジルを滴下し、滴下終了後ヨウ化ナトリウムを加え24時
間攪拌する。反応終了後メタノールを加え、攪拌、次い
で不溶物を濾別する。濾液に塩化メチレンを加え、1M
−H2 SO4 、水の順で洗浄し、有機相を乾燥後、減圧
下40℃以下で濃縮する。残渣に少量のエタノールを加
え、大量の水より再沈殿する。沈殿物はよく乾燥後シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、得られ
た[B]はエタノールより再結晶を行なった。(収率:
約70%)
【0056】反応[3] [B]を脱水塩化メチレンに溶解し、窒素雰囲気下0〜
5℃に冷却する。次いでその系に三フッ化ホウ素のジエ
チルエーテル錯体を滴下し、滴下終了後0〜5℃で2時
間、室温で12時間反応させる。反応終了後、有機相を氷
冷水で洗浄し、有機相は乾燥後減圧下濃縮し、残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、得ら
れた[C]はジエチルエーテル/メタノール系より再結
晶を行なった。(収率:約70%)
【0057】反応[4]−1 [C]を脱水ピリジンに溶解し、室温で無水酢酸を滴下
する。滴下終了後60℃で12時間反応させる。反応終了後
ピリジンを減圧下濃縮し、残渣に少量のエタノールを加
え、大量の氷冷水より再沈殿を行なう。沈殿物を濾別
し、よく乾燥後シリカゲルカラムクロマトグラフィーに
より分離・精製し[D]を得た。(収率:約85%)
【0058】反応[4]−2 [C]を脱水ピリジンに溶解し、窒素雰囲気下0〜5℃
で塩化メチルに溶解した塩化アセチル(又は臭化アセチ
ル)を滴下する。滴下終了後0〜5℃で2時間、室温で
6時間反応させる。反応終了後ピリジンを減圧下濃縮
し、残渣に少量のエタノールを加え、大量の氷冷水より
再沈殿を行なう。沈殿物を濾別し、よく乾燥後シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーにより分離・精製し[D]
を得た。
【0059】反応[5] [D]をエタノール/酢酸=2/1溶液に溶解し、10%
Pd/Cを触媒として添加後、水素添加を行なう(40
℃,5kg/cm2 )。水素圧が減少しなくなった時点で反
応を終了させ、Pd/Cを濾別、溶液を減圧下で濃縮し
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離・精
製し3,6−ジアセチルCD[E]を得た。(収率:約
80%)
【0060】反応[6] [B]をTHFに溶解し、3,4−ジヒドロ−2Hピラ
ンを滴下する。その系に塩酸を1〜2滴添加し、室温で
12時間攪拌する。反応終了後、その系にKOHを加え、
室温で30分攪拌する。KOHを濾別後、溶液を減圧下濃
縮する。残渣はアルミナカラムクロマトグラフィーによ
り分離・精製し[F]を得た。(収率:約70%)
【0061】反応[7] [B]にかえて[F]を用い、得られた化合物について
再結晶を行なわない以外は反応[3]と同様にして
[G]を得た。(収率:約70%)
【0062】反応[8] [D]にかえて[G]を用いた以外は反応[5]と同様
にして[H]を得た。(収率:約85%)
【0063】反応[9]−1 [C]にかえて[H]を用いた以外は反応[4]−1と
同様にして[I]を得た。(収率:約80%)
【0064】反応[9]−2 [C]にかえて[H]にした以外は反応[4]−2と同
様にして[I]を得た。
【0065】反応[10] [I]をTHFに溶解し、そこに塩酸を加え40℃で30分
間攪拌させる。反応終了後放冷し、室温でKOHを加え
30分間攪拌する。KOHを濾別後THFを減圧下濃縮
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
分離・精製して[J]を得た。(収率:約55%)
【0066】反応[11] β−CD(n=7)を脱水DMFに溶解し、室温でイミ
ダゾールを添加する。次いでアルゴン雰囲気下 tBDM
Si・Clを加え溶解させる。その系をゆっくりと加熱
し90〜 100℃で24時間反応させる。反応終了後放冷し、
減圧下DMFを留去し残渣を塩化メチレン/水系で抽出
し、有機相は1M−H2 SO4 、水、NaHCO3 水溶
液で洗浄後乾燥する。有機相は減圧下濃縮し、残渣を塩
化メチレン/メタノール系より再結晶し精製し[K]を
得た。(収率:約65%)
【0067】反応[12] [B]にかえて[K]を用いた以外は反応[6]と同様
にして[L]を得た。(収率:約70%)
【0068】反応[13] [B]にかえて[L]を用い、反応を室温で12時間行な
うかわりに室温で24時間行ない、更にジエチルエーテル
/メタノール系による再結晶を行なわない以外は反応
[3]と同様にして[M]を得た。(収率:約60%)
【0069】反応[14]−1 [C]にかえて[M]を用いた以外は反応[4]−1と
同様にして[N]を得た。(収率:約80%)
【0070】反応[14]−2 [C]にかえて[M]にした以外は反応[4]−2と同
様にして[N]を得た。
【0071】反応[15] [I]にかえて[N]を用いた以外は反応[10]と同様
にして2,6−ジアセチルCD[J]を得た。(収率:
約60%)
【0072】上記反応[1]において、β−CDにかえ
てα−CDを用いる場合は、β−CDを脱水ピリジン中
に溶解するかわりにα−CDを脱水ピリジン/脱水DM
F=4/3溶液に溶解した以外は反応[1]と同様の操
作で行なうことができる。
【0073】また、β−CDにかえてγ−CDを用いる
場合は、反応[1]と同様の操作で行なうことができ
る。
【0074】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
り、2,3あるいは6位のいずれかに、又は2,6位あ
るいは3,6位にアセチル基を導入した新規なシクロデ
キストリン誘導体が得られる。また油に溶けやすく、界
面活性を呈し吸湿性の低下した、シクロデキストリン誘
導体が得られる。
【0075】更に、本発明によれば、反応段階ごとにシ
クロデキストリンの持つ水酸基の特定の位置を狙って化
学修飾するため確実に目的物が得られる。

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1),(2)又は(3)で表わ
    されるアセチルシクロデキストリン誘導体。 【化1】
  2. 【請求項2】 (6−O−tert−ブチルジメチルシリ
    ル)シクロデキストリンの2位及び3位の水酸基をベン
    ジル化、アリル化又はピラニル化した後、脱シリル化し
    て得られたシクロデキストリン誘導体の6位の水酸基を
    アセチル化した後保護基を除去する、6−アセチル−シ
    クロデキストリンの製造方法。
  3. 【請求項3】 2位の水酸基がベンジル化又はアリル化
    された(6−O−tert−ブチルジメチルシリル)シクロ
    デキストリンを脱シリル化した後ベンジル化、アリル化
    又はピラニル化し、次いで2位のベンジル基又はアリル
    基を脱離せしめた後アセチル化する、2−アセチル−シ
    クロデキストリンの製造方法。
  4. 【請求項4】 (2,6−ジ−O−tert−ブチルジメチ
    ルシリル)シクロデキストリンの3位の水酸基をアセチ
    ル化した後、脱シリル化する、3−アセチル−シクロデ
    キストリンの製造方法。
  5. 【請求項5】 2位の水酸基がベンジル化又はアリル化
    された(6−O−tert−ブチルジメチルシリル)シクロ
    デキストリンの3位の水酸基をアセチル化した後、2位
    のベンジル基又はアリル基を脱離せしめ、次いで脱シリ
    ル化する、3−アセチル−シクロデキストリンの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 シクロデキストリンにN−アセチルイミ
    ダゾールを反応させる6−アセチル−シクロデキストリ
    ンの製造方法。
  7. 【請求項7】 シクロデキストリンに塩化アセチルを反
    応させる6−アセチル−シクロデキストリンの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 下記式(4)又は(5)で表わされるジ
    アセチルシクロデキストリン誘導体。 【化2】
  9. 【請求項9】 2位の水酸基がベンジル化又はアリル化
    された(6−O−t−ブチルジメチルシリル)シクロデ
    キストリンを脱シリル化した後アセチル化する、3,6
    −ジアセチルシクロデキストリンの製造方法。
  10. 【請求項10】 2位の水酸基がベンジル化又はアリル
    化された(6−O−t−ブチルジメチルシリル)シクロ
    デキストリンの3位の水酸基をベンジル化、アリル化又
    はピラニル化した後に脱シリル化を行ない、次いで2位
    のベンジル基又はアリル基を脱離せしめた後アセチル化
    する、2,6−ジアセチルシクロデキストリンの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 (2,6−ジ−O−tert−ブチルジメ
    チルシリル)シクロデキストリンの3位の水酸基をベン
    ジル化、アリル化又はピラニル化した後に脱シリル化を
    行ない、次いでアセチル化を行なう、2,6−ジアセチ
    ルシクロデキストリンの製造方法。
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