JPH06239903A - シクロデキストリン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

シクロデキストリン誘導体及びその製造方法

Info

Publication number
JPH06239903A
JPH06239903A JP5477593A JP5477593A JPH06239903A JP H06239903 A JPH06239903 A JP H06239903A JP 5477593 A JP5477593 A JP 5477593A JP 5477593 A JP5477593 A JP 5477593A JP H06239903 A JPH06239903 A JP H06239903A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cyclodextrin
reaction
cyclodextrin derivative
added
butyldimethylsilyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5477593A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanobu Yoshinaga
雅信 吉永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP5477593A priority Critical patent/JPH06239903A/ja
Publication of JPH06239903A publication Critical patent/JPH06239903A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 2位又は3位の各々のすべての水酸基をカル
ボニル基に置換せしめたシクロデキストリン誘導体及び
これらの誘導体の製造方法を提供する。 【構成】 下記式[I]又は[II]で表わされるシクロ
デキストリン誘導体、 【化5】 及び、2位の水酸基を保護基にて保護した(6−O−te
rt−ブチルジメチルシリル)シクロデキストリン又は
(2,6−ジ−O−tert−ブチルジメチルシリル)シク
ロデキストリンの3位の水酸基を、カルボニル化した後
に脱シリル化すること、または、3位及び6位の水酸基
を保護基にて保護したシクロデキストリン、又は3位を
水酸基にて保護した(6−O−tert−ブチルジメチルシ
リル)シクロデキストリンの2位の水酸基をカルボニル
化した後保護基を除去すること、を特徴とするシクロデ
キストリン誘導体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なシクロデキストリ
ン誘導体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シクロデキストリンは分子内に疎水性の
空洞を有し、外側は親水性で水中油型ミセルに似た機能
を示す化合物である。このようなシクロデキストリンは
その空洞径に応じて疎水性のゲスト分子を取り込み水溶
液中で複合体を形成し、調製法によっては固体の包接化
合物を単離することもできる。この立体選択的な相互作
用によりゲスト分子の物理化学的性質を微妙に変化させ
ることができるため、製剤等への有効利用が期待でき、
各方面で種々に利用され、またその利用が図られている
化合物である。
【0003】特にシクロデキストリンの2,3又は6位
の水酸基を部分的に残してなるか又は他の置換基に置換
せしめたシクロデキストリン誘導体の場合は、その水酸
基又は他の置換基との相互作用により包接能が大幅に変
化するため、ゲスト分子の種類、その物性等を大きく変
化させうることが期待できる。
【0004】従ってこのような水酸基を他の置換基に置
換せしめたシクロデキストリン誘導体について種々の研
究がなされてきたが、水酸基のいずれかをカルボニル基
で置換したものは全く報告されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】また、実際シクロデキ
ストリンが種々の物質を包接すると考えられるのは6位
の水酸基の側よりも空洞径の広い2位又は3位の水酸基
の側であるが、これらをカルボニル基に置換した化合
物、特に、2位の水酸基のすべて、又は3位の水酸基の
すべてをカルボニル基に置換した化合物についても全く
報告はない。従って、このような化合物の場合更に水酸
基又はカルボニル基との相互作用が変化するため包接現
象の顕著な変化が予想される。
【0006】すなわち本発明の目的は、2位又は3位の
各々のすべての水酸基をカルボニル基に置換せしめたシ
クロデキストリン誘導体及びこれらの誘導体の製造方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記式[I]又は式[II]で表わされるシクロデキストリ
ン誘導体を提供することにより達成される。
【0008】
【化2】
【0009】また、本発明の上記目的は、(1) 2位
の水酸基を保護基にて保護した(6−O−tert−ブチル
ジメチルシリル)シクロデキストリン又は(2,6−ジ
−O−tert−ブチルジメチルシリル)シクロデキストリ
ンの3位の水酸基を、カルボニル化した後に脱シリル化
することを特徴とするシクロデキストリン誘導体の製造
方法、(2) 上記(1)記載のカルボニル化を極性非
プロトン性溶媒中で、非電子活性試薬を用い水酸基を酸
化することによって行なう上記(1)記載のシクロデキ
ストリン誘導体の製造方法、(3) 3位及び6位の水
酸基を保護基にて保護したシクロデキストリン、又は3
位を保護基にて保護した(6−O−tert−ブチルジメチ
ルシリル)シクロデキストリンの2位の水酸基をカルボ
ニル化した後保護基を除去することを特徴とするシクロ
デキストリン誘導体の製造方法、又は、(4) 上記
(3)記載のカルボニル化を極性非プロトン性溶媒中
で、非電子活性試薬を用い水酸基を酸化することによっ
て行なう上記(3)記載のシクロデキストリン誘導体の
製造方法、により達成される。
【0010】以下に本発明を更に具体的に説明する。
【0011】本発明において、シクロデキストリンはn
が6のものをα−シクロデキストリン、nが7のものを
β−シクロデキストリン、nが8のものをγ−シクロデ
キストリンという。
【0012】また、本発明において水酸基のカルボニル
化において用いられる極性非プロトン性溶媒としては好
ましくはジメチルスルホキシド(以下DMSOと略記す
る)が用いられ、親電子活性化試薬としては、好ましく
はジシクロヘキシルカルボジイミド(以下DCCと略記
する)、無水酢酸、五酸化リン、三酸化硫黄−ピリジン
錯体、無水トリフルオロ酢酸、塩化オキサリル等が用い
られる。
【0013】以下に、式[I]で表わされる本発明のシ
クロデキストリン誘導体の具体的反応例を示す。但し以
下場合によりシクロデキストリンをCDと略記する。
【0014】
【化3】
【0015】上記反応は具体的には以下のような方法に
より行なわれる。 反応[1] β−CD(n=7)を脱水ピリジン中に溶解し窒素雰囲
気下0〜5℃に冷却する。次いで脱水ピリジンに溶解し
tBDMSiClを滴下し、滴下終了後0〜5℃で1
時間、室温で12時間攪拌する。反応終了後、大量の水よ
り再沈殿を行ない、沈殿を濾別、よく水洗し乾燥する。
その後シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、得られた[A]はエタノールより3回再結晶を行な
う。(収率:約80%)
【0016】反応[2] [A]を脱水DMFに溶解し、窒素雰囲気下BaO、B
a(OH)2 ・8H2Oを加え、室温で1時間反応させ
る。その系に室温で臭化ベンジルを滴下し、滴下終了後
ヨウ化ナトリウムを加え24時間反応させる。反応終了後
メタノールを加え沈殿物は濾別し、濾液にCH2 Cl2
を加え、1M−H2 SO4 、水の順で洗浄、有機層は乾
燥後減圧下濃縮する。残渣に少量のエタノールを加え、
大量の水より再沈殿する。沈殿物は乾燥後シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにより精製し[B]を得る。
(収率:約70%)
【0017】反応[3]方法−I [B]をDMSOに溶解し、次いで室温でDCC(ジシ
クロヘキシルカルボジイミド)を加える。さらにその系
を20〜30℃に保ちながら無水リン酸を少量ずつ加えて行
く。全て添加後、その温度で24時間攪拌し、沈殿物は濾
過後CH2 Cl 2 を加えNa2 CO3 水溶液で中和す
る。CH2 Cl2 で抽出後、有機層は水でよく洗浄し、
乾燥後減圧下濃縮し残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーにより精製し[C]を得る。(収率:約60%)
【0018】方法−II [B]をDMSOに溶解し、次いで無水酢酸を加える。
その後系を40〜50℃に加熱し4時間攪拌する。反応終了
後CH2 Cl2 を加え、次いで大量の水を加える。有機
層は分液し、Na2 CO3 水溶液で中和、水洗し、乾燥
後減圧下濃縮する。残渣はシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーにより精製し[C]を得る。(収率:約65%)
【0019】方法−III [B]をDMF/DMSO混合溶媒に溶解、そして五酸
化リンを加え、ゆっくりと加熱し50〜60℃下で3時間攪
拌する。反応終了後沈殿物を濾別、濾液にCH 2 Cl2
を加え、次いで大量の水を加え、有機層は分液し、Na
2 CO3 水溶液で中和、水洗し、乾燥後減圧下濃縮す
る。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
精製し[C]を得る。(収率:約65%)
【0020】方法−IV [B]を脱水DMSOに溶解し室温下少量のトリエチル
アミンを添加する。次いで三酸化硫黄−ピリジン錯体の
DMSO溶液をゆっくり滴下する。滴下終了後室温下で
6時間撹拌し、反応終了後、三酸化硫黄−ピリジン錯体
を塩とし沈殿物として生じたものを濾別する。濾液は減
圧下40℃以下で濃縮し残渣はシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにて精製、[C]を得る。(収率:約60%)
【0021】方法−V 脱水したDMSO/ジクロルメタン混合溶媒を窒素雰囲
気下約−60℃に冷却、その系に無水トリフルオロ酢酸の
ジクロルメタン溶液を添加する。約30分撹拌後[B]の
ジクロルメタン溶液を滴下し、−60℃で約3時間撹拌す
る。その後トリエチルアミンを加え、約30分撹拌後ゆっ
くり系内温度を室温までもどす。次いで系内に水を加え
有機層を分離、有機層は減圧下40℃以下で濃縮し残渣は
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製、[C]
を得る。(収率:約55%)
【0022】方法−VI 上記方法−Vにおいてトリエチルアミンにかえてメタノ
ールを用いた以外は方法−Vと同様にして[C]を得
る。(収率:約65%)
【0023】反応[4] [C]をTHFに溶解し、室温下で1M−(n−C4
94+- のTHF溶液を加え、滴下終了後ゆっく
りと加温し還流下24時間反応させる。反応終了後THF
を減圧下留去し、残渣をCH2 Cl2 /水系で抽出、有
機層は乾燥後減圧下で濃縮し、残渣はシリカゲルカラム
クロマトグラフィーにより精製し[D]を得る。(収
率:約85%)
【0024】反応[5] [D]を酢酸に溶解し、10%Pd/Cを触媒として添加
後水素添加を行なう(40℃,5kg/cm2)。水素圧が減少
しなくなった時点で反応を終了させPd/Cを濾別、濾
液を減圧下濃縮し、残渣を大量のアセトンより再沈殿す
る。沈殿物を集めよくアセトンで洗浄することにより
[E]を得る。(収率:約90%)
【0025】反応[6] β−CD(n=7)を脱水DMFに溶解し、室温でイミ
ダゾールを添加する。次いでアルゴン雰囲気下で tBD
MSiClを加え溶解させる。その系をゆっくり加熱
し、90〜 100℃で24時間反応させる。反応終了後放冷
し、減圧下DMFを留去、残渣をCH2 Cl2 /水系よ
り抽出し、CH2 Cl2 層は1M−H2 SO 4 、水、N
aHCO3 飽和水溶液で洗浄後乾燥する。CH2 Cl2
は減圧下濃縮し、残渣はCH2 Cl2 /メタノール系よ
り再結晶し精製することで[F]を得る。(収率:約65
%)
【0026】反応[7] [B]にかえて[F]を用いた以外は反応[3]の方法
[I]〜[VI]の各々と同様にして[G]を得る。(方
法[I]については 収率:約70%)
【0027】反応[8] [G]をTHFに溶解し、室温下で1M−(n−C4
94+- のTHF溶液を加え、滴下終了後ゆっく
りと加温し還流下24時間反応させる。反応終了後沈殿物
を濾別、沈殿物を水に溶解し大量のアセトンより再沈殿
する。沈殿物はよくアセトンで洗浄、乾燥することで
[E]を得る。(収率:約75%)
【0028】次に式[II]で表わされる本発明のシクロ
デキストリン誘導体の具体的反応例を示す。
【0029】
【化4】
【0030】上記反応は具体的には以下のような方法に
より行なわれる。 反応[1] β−CD(n=7)を脱水ピリジン中に溶解し窒素雰囲
気下0〜5℃に冷却する。次いで脱水ピリジンに溶解し
tBDMSiClを滴下し、滴下終了後0〜5℃で1
時間、室温で12時間攪拌する。反応終了後、大量の水よ
り再沈殿を行ない、沈殿を濾別、よく水洗し乾燥する。
その後シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、得られた[A]はエタノールより3回再結晶を行な
う。(収率:約80%)
【0031】反応[2] [A]を脱水DMFに溶解し、窒素雰囲気下BaO、B
a(OH)2 ・8H2Oを加え、室温で1時間反応させ
る。その系に室温で臭化ベンジルを滴下し、滴下終了後
ヨウ化ナトリウムを加え24時間反応させる。反応終了後
メタノールを加え、沈殿物は濾別し、濾液にCH2 Cl
2 を加え、1M−H2 SO4 、水の順で洗浄、有機層は
乾燥後減圧下濃縮する。残渣に少量のエタノールを加
え、大量の水より再沈殿する。沈殿物は乾燥後シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーにより精製し[B]を得
る。(収率:約70%)
【0032】反応[3] [B]をTHFに溶解し、室温下で1M−(n−C4
94+- のTHF溶液を加え、滴下終了後ゆっく
りと加温し還流下24時間反応させる。反応終了後THF
を減圧下留去し、残渣をCH2 Cl2 /水系で抽出、有
機層は乾燥後減圧下で濃縮し、残渣はシリカゲルカラム
クロマトグラフィーにより精製し[C]を得る。(収
率:約85%)
【0033】反応[4] [C]を脱水ピリジンに溶解し、室温で無水酢酸を加え
る。添加後90〜 100℃で6時間攪拌、反応終了後減圧下
ピリジンを留去し、残渣を大量の氷冷水に注ぐ。析出し
た沈殿物を集めシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
て精製することで[D]を得る。(R2 ;CH3 CO
−,収率:約90%)
【0034】反応[5] [D]をエタノール/酢酸=2/1に溶解し、10%Pd
/Cを触媒として添加後水素添加を行なう(40℃,5kg
/cm2)。水素圧が減少しなくなった時点で反応を終了さ
せ、Pd/Cを濾別、濾液を減圧下濃縮、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し[E]を得
る。(収率:約90%)
【0035】反応[6]方法−I [E]をDMSOに溶解し、次いで室温でDCC(ジシ
クロヘキシルカルボジイミド)を加える。さらにその系
を20〜30℃に保ちながら無水リン酸を少量ずつ加えて行
く。全て添加後、その温度で24時間攪拌し、沈殿物は濾
過後CH2 Cl 2 を加えNa2 CO3 水溶液で中和す
る。CH2 Cl2 で抽出後、有機層は水でよく洗浄し乾
燥後減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーにより精製し[F]を得る。(収率:約55%)
【0036】方法−II [E]をDMSOに溶解し、次いで無水酢酸を加える。
その後系を40〜50℃に加熱し4時間攪拌する。反応終了
後CH2 Cl2 を加え、次いで大量の水を加える。有機
層は分液しNa2 CO3 水溶液で中和、水洗し、乾燥後
減圧下濃縮する。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにより精製し[F]を得る。(収率:約60%)
【0037】方法−III [E]をDMF/DMSO混合溶媒に溶解、そして五酸
化リンを加えゆっくりと加熱し50〜60℃下で3時間攪拌
する。反応終了後沈殿物を濾別、濾液にCH2Cl2
加え、次いで大量の水を加え有機層は分液し、Na2
3 水溶液で中和、水洗し、乾燥後減圧下濃縮する。残
渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し
[F]を得る。(収率:約65%)
【0038】方法−IV [E]を脱水DMSOに溶解し室温下少量のトリエチル
アミンを添加する。次いで三酸化硫黄−ピリジン錯体の
DMSO溶液をゆっくり滴下する。滴下終了後室温下で
6時間撹拌し、反応終了後、三酸化硫黄−ピリジン錯体
を塩とし沈殿物として生じたものを濾別する。濾液は減
圧下40℃以下で濃縮し残渣はシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにて精製、[F]を得る。(収率:約60%)
【0039】方法−V 脱水したDMSO/ジクロルメタン混合溶媒を窒素雰囲
気下約−60℃に冷却、その系に無水トリフルオロ酢酸の
ジクロルメタン溶液を添加する。約30分撹拌後[E]の
ジクロルメタン溶液を滴下し、−60℃で約3時間撹拌す
る。その後トリエチルアミンを加え、約30分撹拌後ゆっ
くり系内温度を室温までもどす。次いで系内に水を加え
有機層を分離、有機層は減圧下40℃以下で濃縮し残渣は
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製、[F]
を得る。(収率:約55%)
【0040】方法−VI 上記方法−Vにおいてトリエチルアミンにかえてメタノ
ールを用いた以外は方法−Vと同様にして[F]を得
る。(収率:約65%)
【0041】反応[7] [F]をNaOHのメタノール溶液に溶解し室温で攪拌
する。3時間後反応を止め、得られた沈殿物を濾別、メ
タノールでよく洗浄後、少量のピリジンに溶解し大量の
アセトンから再沈殿を行なう。沈殿物を集め減圧乾燥を
することで[G]を得る。(収率:約80%)
【0042】反応[8] [B]を脱水CH2 Cl2 に溶解し、触媒としてピリジ
ンを加え窒素雰囲気下0〜5℃に冷却する。次いでその
系にCH2 Cl2 に溶解した塩化ベンゾイルをゆっくり
と滴下、滴下終了後室温で2時間攪拌する。反応終了後
氷冷水中に流し込み有機層を分液、減圧下留去する。残
渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製する
ことで[H]を得る。(収率:約60%)
【0043】反応[9] [D]にかえて[H]を用いた以外は反応[5]と同様
にして[I]を得る。(収率:約85%)
【0044】反応[10] [E]にかえて[I]を用いた以外は反応[6]の方法
[I]〜[VI]の各々と同様にして[J]を得る。(方
法[I]については 収率:約60%)
【0045】反応[11] [B]にかえて[J]を用いた以外は反応[3]と同様
にして[K]を得る。(収率:約90%)
【0046】反応[12] [F]にかえて[K]を用いた以外は反応[7]と同様
にして[G]を得る。(収率:約70%)
【0047】本発明のシクロデキストリン誘導体の製造
に用いられる中間物質の合成については、J. Carbohyd
r. Chem.,7 293-308 (1988) ; Carbohydr. Res., 187 2
03-221 (1989) ; Carbohydr. Res., 192 366-369 (198
9)等の論文に詳細に記載されている。
【0048】
【発明の効果】本発明の製造方法により2位又は3位の
各々のすべての水酸基をカルボニル基に置換せしめたシ
クロデキストリン誘導体を提供することができる。
【0049】本発明によれば段階ごとにCDの持つ水酸
基を狙って化学修飾するために確実に目的物が得られ
る。また高価な試薬を用いず、しかも個々の反応におい
て副反応が生じにくいため収率が高い。さらに水酸基が
カルボニル基になることで水溶性も大きく変化し、CD
の包接能も大きく変化すると期待される。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式[I]又は式[II]で表わされる
    シクロデキストリン誘導体。 【化1】
  2. 【請求項2】 2位の水酸基を保護基にて保護した(6
    −O−tert−ブチルジメチルシリル)シクロデキストリ
    ン又は(2,6−ジ−O−tert−ブチルジメチルシリ
    ル)シクロデキストリンの3位の水酸基を、カルボニル
    化した後に脱シリル化することを特徴とするシクロデキ
    ストリン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のカルボニル化を極性非プ
    ロトン性溶媒中で、親電子活性化試薬を用い水酸基を酸
    化することによって行う請求項2記載のシクロデキスト
    リン誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 極性非プロトン性溶媒としてジメチルス
    ルホキシドを用いる請求項3記載のシクロデキストリン
    誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 親電子活性化試薬としてジシクロヘキシ
    ルカルボジイミド、無水酢酸、五酸化リン、三酸化硫黄
    −ピリジン錯体、無水トリフルオロ酢酸及び塩化オキサ
    リルから選択される物質を用いる請求項3記載のシクロ
    デキストリン誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 3位及び6位の水酸基を保護基にて保護
    したシクロデキストリン、又は3位を保護基にて保護し
    た(6−O−tert−ブチルジメチルシリル)シクロデキ
    ストリンの2位の水酸基をカルボニル化した後保護基を
    除去することを特徴とするシクロデキストリン誘導体の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のカルボニル化を極性非プ
    ロトン性溶媒中で、親電子活性化試薬を用い水酸基を酸
    化することによって行う請求項6記載のシクロデキスト
    リン誘導体の製造方法。
  8. 【請求項8】 極性非プロトン性溶媒としてジメチルス
    ルホキシドを用いる請求項7記載のシクロデキストリン
    誘導体の製造方法。
  9. 【請求項9】 親電子活性化試薬としてジシクロヘキシ
    ルカルボジイミド、無水酢酸、五酸化リン、三酸化硫黄
    −ピリジン錯体、無水トリフルオロ酢酸及び塩化オキサ
    リルから選択される物質を用いる請求項7記載のシクロ
    デキストリン誘導体の製造方法。
JP5477593A 1993-02-19 1993-02-19 シクロデキストリン誘導体及びその製造方法 Pending JPH06239903A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5477593A JPH06239903A (ja) 1993-02-19 1993-02-19 シクロデキストリン誘導体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5477593A JPH06239903A (ja) 1993-02-19 1993-02-19 シクロデキストリン誘導体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06239903A true JPH06239903A (ja) 1994-08-30

Family

ID=12980152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5477593A Pending JPH06239903A (ja) 1993-02-19 1993-02-19 シクロデキストリン誘導体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06239903A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100411289B1 (ko) * 1996-11-29 2004-02-14 주식회사 포스코 회전장애 이성질체의 분리에 유용한 6-알릴디메틸실릴-2,3-디에 틸-베타-시클로덱스트린 및 그 제조방법
KR100435426B1 (ko) * 1996-11-29 2004-08-16 주식회사 포스코 구조 이성질체의 분리에 유용한 6-디메틸옥틸실릴-2,3-디에틸-베타-시클로덱스트린 및 그 제조방법
JP2005272664A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Hitachi Ltd 可溶性シクロデキストリンポリマー及びその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100411289B1 (ko) * 1996-11-29 2004-02-14 주식회사 포스코 회전장애 이성질체의 분리에 유용한 6-알릴디메틸실릴-2,3-디에 틸-베타-시클로덱스트린 및 그 제조방법
KR100435426B1 (ko) * 1996-11-29 2004-08-16 주식회사 포스코 구조 이성질체의 분리에 유용한 6-디메틸옥틸실릴-2,3-디에틸-베타-시클로덱스트린 및 그 제조방법
JP2005272664A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Hitachi Ltd 可溶性シクロデキストリンポリマー及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2017236669B2 (en) An improved process for the preparation of sugammadex
JPH0651725B2 (ja) 部分メチル化シクロデキストリン及びその製造方法
EP0531016B1 (en) Polysulfate of beta-cyclodextrin derivative and process for preparing the same
US5008386A (en) Methylated cyclodextrin type compounds and process for preparing same
JPS59170101A (ja) ヘプタキス−〔2,6−ジ−o−メチル〕−β−シクロデキストリンの製法
EP0672687B1 (de) Verfahren zur Herstellung von aminofunktionellen Cyclodextrin-Derivaten
JPH06239903A (ja) シクロデキストリン誘導体及びその製造方法
JP2762859B2 (ja) シクロデキストリン誘導体及びその製造方法
JPH06206905A (ja) シクロデキストリン誘導体及びその製造方法
KR20120138240A (ko) 치환된 시클로덱스트린 유도체 및 이의 제조방법
JP2734295B2 (ja) シクロデキストリン誘導体およびその製造方法
JPH06220105A (ja) シクロデキストリン誘導体及びその製造方法
JPH06136004A (ja) シクロデキストリン誘導体及びその製造方法
JPH0753604A (ja) シクロデキストリン誘導体の製造方法
JPH06271602A (ja) シクロデキストリン誘導体及びその製造方法
JPH06313002A (ja) シクロデキストリン誘導体およびその製造方法
JP2643107B2 (ja) 部分メチル化シクロデキストリン
JP2643106B2 (ja) 部分メチル化シクロデキストリン
JP2643105B2 (ja) 部分メチル化シクロデキストリン
JPH0790006A (ja) シクロデキストリン誘導体の製造方法
JPH07252303A (ja) シクロデキストリン誘導体およびその製造方法
JPH10265506A (ja) アセチル化シクロデキストリンの製造方法
JPH0753605A (ja) シクロデキストリン誘導体の製造方法
JPS61266401A (ja) トリチル化β−シクロデキストリン及びその製造方法
JPH07102003A (ja) シクロデキストリン誘導体の製造方法