JP2758239B2 - 酸モノマーの重合を禁止する方法 - Google Patents

酸モノマーの重合を禁止する方法

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JP2758239B2 JP1504811A JP50481189A JP2758239B2 JP 2758239 B2 JP2758239 B2 JP 2758239B2 JP 1504811 A JP1504811 A JP 1504811A JP 50481189 A JP50481189 A JP 50481189A JP 2758239 B2 JP2758239 B2 JP 2758239B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明はアクリル酸の重合を禁止する組成物及びこの
組成物の製造方法に関する。本発明はアクリル酸の蒸留
時の重合を防止するのに特に有用である。したがって、
本発明はアクリル酸の蒸留を安定化する方法にも関す
る。
アクリル酸は1847年に初めて製造されたのであるが、
そしてその重合は1世紀以上にわたって知られてきたの
であるが、アクリル酸の製造と重合に伴う技術的な困難
性に対応する手段は1930年以来表面化し始めたに過ぎな
い。アクリル酸を製造する方法、特にその濃縮及び精製
は通常種々の加熱蒸留技術を含む。これらの操作中にお
けるアクリル酸の損失の主要部分はアクリル酸の熱重合
によるものであることは広く知られている。しかし、こ
れらの蒸留操作において熱エネルギーは不可欠であるの
で、熱の存在にもかかわらず重合を禁止させる種々の装
置又は手段が多年にわたってさまざまに検討されてき
た。特に、温和な操作条件、アクリル酸の蒸留時間を回
避するための迅速な処理及び蒸留装置への重合禁止剤の
供給がこの目的で採用されてきた。
これまで、多数の重合禁止剤が単独で又は2種以上の
組合せで試みられ、また好気蒸留の過程において蒸留塔
に分子酸素を泡立てて相乗効果をしばしば出していた。
このような禁止剤としてパラメトキシフェノール(本明
細書においてヒドロキノンモノメチルエーテル〔MEHQ〕
と呼ぶ)、フェノチアジン(PTZ)、カテコール、メチ
レンブルー、ジフェニルアミン、各種の有機銅塩、特に
芳香族ニトロン化合物及びその他フェノール、アミン、
ニトロ及びキノンの各化合物及びこれらの無機塩が挙げ
られる。しかし、大抵の場合、これらの重合禁止剤は気
相重合禁止及び液相重合禁止のどちらか一方に特に有効
であった。
米国特許第3,674,651号には分子酸素、ジフェニルア
ミン又はその誘導体及びベンゾキノン又はMEHQを含む、
アクリル酸のための重合禁止剤組成物が開示されてい
る。しかし、この組成物と相乗効果を得るための方法
は、塔の頂部気相にこの禁止剤を導入し、一方、付加的
な一般の液相重合禁止剤を液相に加え、空気又は酸素を
カラムの底部から上方に供給して安定化を行うことが必
要である。
米国特許第4,021,310号には気相接触酸化におけるア
クリル酸の重合禁止方法が開示され、この方法は特定の
カルバミド酸の銅塩又はサリチル酸の銅塩と組合せたME
HQ及びPTZといった少なくとも1種の禁止剤及び蒸留塔
に泡立たせる空気又は分子酸素を必要とする。
1976年にJursichは米国特許第3,959,358号においてME
HQ(パラメトキシフェノール)といったアクリル酸エス
テル用のフェノール系重合禁止組成物はその過剰モル量
を各種のアミン系禁止剤例えばPTZと組合せると溶存酸
素の存在下で有効となると立論した。彼はフェノール系
禁止剤は酸素が殆んど又は全く存在しない場合に熱活性
化重合を申し分なく防ぐと立論した。しかし、Jursich
によれば、エステル溶液中に酸素が例えばペルオキシド
のような重合開始剤に由来して存在するとフェノール系
禁止剤単独では不適当である。したがって、塔に空気又
は酸素を泡立てないで溶存酸素を捕獲するために各種の
アミン系禁止剤、特にフェノチアジン(PTZ)が用いら
れた。しかし、アクリル酸エステルとは異なり、この理
論はアクリル酸の場合は有効でないことがわかった。
長年の間、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン
(NPH)がモノマーの重合を禁止する安定剤として知ら
れていた。例えば米国特許第2,758,131号とドイツ特許
第1,180,733号を参照されたい。また、米国特許第3,42
6,063号にはアクリル酸の重合ではない水溶性アクリル
酸エステルの重合の禁止にNPHを用いることが開示され
ている。従来、アクリル酸用の重合禁止剤としてNPHを
用いることには溶解残渣が蒸留操作に悪影響を与える程
高い濃度で用いる必要性があることを含めて多くの欠点
があった。
米国特許第4,210,493号におけるStewartの開示によれ
ば、アクリル酸の蒸留に共通したある種の嫌気条件、例
えば気相空間、塔頂、無ガス抜き還流において及び特に
減圧蒸留が関与する場合、アクリル酸の重合を禁止しよ
うとすると大部分の公知の禁止剤の禁止特性が装置内を
流れる酸素の欠乏により全く失われる。ある種の脂肪族
C−ニトロソ化合物が空気又は酸素が存在しない場合の
アクリル酸気相重合禁止の際のこの問題を克服すると言
われている。
米国特許第4,310,676号には密閉された嫌気条件下で
のアクリル酸のための、フェノチアジン(PTZ)とパラ
ニトロソフェノールとを含む別の重合禁止組成物が開示
されている。
従来技術の問題点のない、気相と液相の両方において
アクリル酸の重合を禁止する新規で改良された組成物は
当該技術における実質的な進歩となるであろう。
発明の要約 本発明の主目的はアクリル酸の重合を禁止する相乗組
成物を提供することである。
別の新規な目的は蒸溜の間に液相と気相の両方におい
て特別にすぐれた性能を有するアクリル酸の重合禁止組
成物を提供することである。
さらに別の目的はアクリル酸の相乗重合禁止組成物の
製造方法を提供することである。
本発明の別の目的はアクリル酸の重合禁止剤としての
NPHの性能を改善する方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的はアクリル酸の重合禁止剤と
してのMEHQの性能を改善する新規な方法を提供すること
である。
本発明のさらに別の主目的は蒸留装置内に空気又は分
子酸素を泡立てる必要がなくアクリル酸の蒸留を安定化
させる方法を提供することである。
本発明の付加的目的は蒸留又は精製の間に空気又は酸
素を泡立てる必要がなくアクリル酸の重合禁止組成物に
相乗効果を与える新規な方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的及び利益は好適態様に関する
以下の詳細な説明及び実施例を参照することにより当業
者には明らかであろう。
詳細な説明及び好適態様 本発明によれば、液相及び/又は気相におけるアクリ
ル酸の熱重合は予備酸素活性N−ニトロソフェニルヒド
ロキシルアミン(NPH)及びパラメトキシフェノール
(本明細書ではヒドロキノンモノメチルエーテル(MEH
Q)と呼ぶ)を含む組成物により非常に有効に禁止でき
ることが判明した。NPHとMEHQを本発明の組成が得られ
るように組合せることにより得られる有効な重合禁止は
いずれかの禁止剤を単独で又はフェノチアジンといった
その他の商業的に入手できる禁止剤と組合せて使用した
場合に得られる重合禁止に比べてはるかに大きい。
NPHと酸素の相互作用及びNPHとMEHQの相互作用につい
ては化学的には不明であるが、本発明の現象の説明は可
能である。NPHとMEHQは普通の組合せではあまり良好な
重合禁止作用を与えないことが判明した。NPHがMEHQと
極めて速やかに反応又は相互作用をして効果のないある
形即ち醋体又は反応生成物を形成するであろう。しか
し、NPHは十分に攪拌され、本明細書でしばしば滞留時
間と呼ばれる短い時間静置された酸溶液中の溶存酸素に
より活性化され又は溶存酸素と何らかの相互作用をして
又は溶存酸素により酸化されるであろう。NPHの酸素と
この反応又は相互作用は起こったとしてもNPHとMEHQと
の相互作用に比べて遅い。したがって、滞留時間内に存
在し得るMEHQの量よりNPHが実質的にモル過剰の量であ
る限り、次いでNPHのモル数より過剰モルとなるようにM
EHQを加えると極めて有効な重合禁止剤が得られる。し
たがって、MEHQと組合せるとアクリル酸の重合禁止剤と
して非常に有効となるNPHの正確な化学種はわからない
が、本発明の組成物中のこの成分を以後は予備酸素活性
NPHと記載する。
予備酸素活性NPHはNPH、好ましくはしばしばクペロン
と呼ばれるアンモニウム塩の水溶液から誘導される。こ
のような水溶液を調製するのに用いることができるNPH
のその他の水溶性塩としては例えばナトリウムといった
アルカリ金属の塩;エチルアミンといったアミンの塩;
エタノールアミンといったアルカノールアミンの塩;及
び水、アルコール、エステル、エーテル、その他、アク
リル酸と相溶性がありモノマーの性質に悪影響を与えな
い溶剤に少なくとも5%の溶解度を有するNPHの塩が挙
げられる。好都合な濃度の溶液を用いることができる。
NPH源としてクペロンを用いる場合、約10%NPHの水溶液
を用いるのが特に望ましくかつ好適であった。熱重合し
ないように安定化させる最終モノマー中に望ましいNPH
の必要量又は濃度を与えるのに十分なNPHのモル量が少
量の、アクリル酸及び酢酸といった弱酸に加えられ、攪
拌され、NPHの予備酸素活性化に必要な滞留時間を与え
られる。有効な重合禁止剤組成物に望ましいNPHの量は
酸モノマーの最終重量を基準にして50ppm乃至150ppmの
範囲が好ましい。したがって、アクリル酸1ml当り0.001
g(1g/l)乃至0.006g(6g/l)のNPHを用いるのが好まし
く、即ち、本明細書で予備酸素活性NPHと呼ばれるもの
を調製するこの方法で予備酸素段階の間NPHは好ましく
は2000ppmの量である。
アクリル酸は約100乃至200ppmのMEHQで予備安定化さ
れた後に商業的に入手できる場合が多い。しかし、前記
で指摘したように、この量のMEHQ単独で又はPTZといっ
た他の禁止剤との組合せで予備安定化されたアクリル酸
は本発明の組成物に比べて性能が劣る。また、この濃度
のMEHQで予備安定化されたアクリル酸はNPHの添加によ
り効果が通常低くなる。それにもかかわらず、この酸モ
ノマー中にNPHがMEHQより実質的に過剰に存在しかつNPH
を溶液中に混合した後に十分な滞留時間を与える限り、
本発明の予備酸素活性NPHを生成させ得ることがわかっ
た。本発明の一好適態様によれば0乃至200ppmのMEHQを
含有した少量のアクリル酸をMEHQ1モル当りNPH10乃至50
モルの範囲にある実質的にモル過剰のNPHと混合するこ
とが必要である。しかし、酸素活性化はMEHQが全く存在
しなくても起こり得ること及びアクリル酸以外の弱酸、
例えば酢酸にNPHを加えても起こり得ることは注目され
るべきである。
予備酸素活性NPHの調製に続いて、MEHQが加えられ
る。好ましくは、MEHQは安定化量でアクリル酸に溶解さ
れ、このMEHQ溶液はアクリル酸の重量を基準として50乃
至150ppmのNPHとアクリル酸の重量を基準として200乃至
400ppmのMEHQを含有した組成を与えるように予備酸素活
性NPHに加えられる。
本発明の禁止剤組成物はアクリル酸の製造の間及びこ
のモノマーの蒸留による精製の間の重合を禁止するのに
用いることができる。この禁止剤組成物は予め調製する
ことができ、あるいは不純な粗モノマーと接触させ、蒸
留前の蒸留系の釜内でその場で生成させることができ
る。モノマーと本発明の禁止剤組成物との混合物は実質
的に嫌気条件下で蒸留し、蒸留域の外部で凝縮させるこ
とができる。この禁止剤はまた蒸留の間に蒸留塔の棚板
に加えてそこでのポリマーの生成を防ぐこともできる。
さらに、精製モノマーは本発明の禁止剤の添加により嫌
気条件下で15℃以上の温度で貯蔵する間、重合に対して
効果的に安定化される。
本発明の組成物は蒸留塔内に酸素を泡立てることを必
要としないで相乗的重合禁止作用を与えるが、そして予
備酸素活性NPHを生ずるのに必要な所要滞留時間は蒸留
の間には通常避けられるが、本発明の目的を達成するに
足る長さの蒸留塔を用いるなら、実質的にモル過剰のME
HQを加える前にNPHとアクリル酸とからなる溶液を予備
酸素活性化することが可能であろう。
前記の通り、NPHとMEHQの望ましい濃度は予備酸素活
性NPHに対するMEHQと好適重量比で0.02乃至約0.05の範
囲となる。好ましくは0.125乃至0.75の比、さらに好ま
しくは0.4乃至0.6の比が用いられる。
アクリル酸の通常の蒸留は約50mmHg乃至150mmHgの圧
力下、約90℃乃至120℃の範囲の温度で真空蒸留するも
のである。本発明の組成物はこのような蒸留を極めて効
果的に安定化させるのに役立つ。さらに、本発明は接触
酸化法によるアクリル酸の製造に役立てることができ
る。
本発明の重合禁止組成物はモノマー蒸留の液相と気相
の両方において非常に有利な効果を示す。液相における
重合の開始は重合禁止剤組成物の有効性を確かめる際に
測定される濁りの発生によって明示される。気相におけ
る禁止の有効性は蒸留塔の頂部に置いたポプコーンポリ
マービーズに関する正又は負の重量ゲインの伝統的な方
法で測定される。
以下の実施例により本発明を一層具体的に説明する。
実施例 各実施例において、Vigreux塔(長さ30cm)と真空源
を備えた丸底フラスコを用いて試験禁止剤の有効性を測
定した。フラスコは油浴で加熱し、攪拌は磁気攪拌装置
により行った。正確に秤量したスチレンブタジエンゴム
のポプコーン状粒子(0.01−0.02g)を収容した小さな
ステンレス鋼網バスケットを、フラスコの内容物を加熱
している間に液相の十分上方でフラスコ内の気相内に粒
子が懸垂されるように塔の頂部に固定した。
各試験において、被験禁止剤を含有した氷アクリル酸
100mlをフラスコに入れた。アクリル酸を攪拌し、Vigre
ux塔の十分上方で還流するように減圧下で加熱した。還
流は水銀柱50乃至60mmの圧力下で嫌気条件を行い、用い
た温度は95乃至105℃であった。還流の継続時間は6時
間又は重合が急速に起こることが観察された場合は6時
間未満とした。
気相重合禁止と液相重合禁止の両方を測定した。還流
時間の終点においてポプコーン状粒子を回収し、乾燥
し、秤量した。粒子の重量変化パーセントを計算した。
重量増加が無いか負の重量変化により気相重合が完全に
禁止されたことがわかる。重量増加により気相重合の相
対的程度がわかる。液相重合禁止は液相が濁るのに必要
な時間量により測定し、この濁りは液体中にポリマーが
存在することを示す。
実施例1 200ppmのMEHQで安定化されたアクリル酸6mlに0.013g
のNPHを10%水溶液として加え、NPHを実質的にモル過剰
にした。この溶液を攪拌し、3乃至4分間静置した。次
いで、200ppmのMEHQで安定化されたアクリル酸94mlを試
験装置のフラスコに入れ、前記のアリコート6mlと混合
して124ppmのNPHと200ppmのMEHQとを含有した溶液100ml
を得た。この溶液を6時間還流させ、表1に示すように
並はずれた重合禁止が得られた。実質的にモル過剰のNP
Hを含有したアクリル酸のアリコート6mlを周囲条件下で
攪拌することにより混合物は空気と釣合い、3乃至4分
間の滞留時間は溶存酸素によるの場でのNPHの酸素活性
化に十分であった。これによりMEHQをモル過剰加えたと
きに相乗的重合禁止が可能となった。
実施例2 0.0115gのNPHをアクリル酸のアリコート5mlに加え、
この溶液を4分間放置した後アクリル酸のアリコート95
mlと混合した以外は実施例1と同じ手順に従った。最終
的に試験されたNPHの濃度は110ppmであった。実施例1
の場合と同様に並はずれた重合禁止が観察された。
実施例3 200ppmのMEHQで安定化されたアクリル酸をまず蒸留し
て本質的に禁止剤無しのアクリル酸を得た以外は実施例
1及び2と同様の手順に従った。禁止剤無しのアクリル
酸20mlに0.013gのNPHを10%水溶液として加え、混合し
た。この蒸留された禁止剤無しのアクリル酸80mlに0.02
27gのMEHQを加え、混合した。1分後、この2つの溶液
を試験フラスコ内で混合し、気相及び液相重合禁止につ
いて試験した。MEHQの濃度は216ppmであり、NPHの濃度
は124ppmであった。結果はやはり並はずれた重合禁止を
示し、NPHは空気と釣合う時間の間にMEHQを少しも必要
とせずに酸素活性化された。
実施例4 NPHを酢酸中で酸素活性化した以外は前記各実施例と
同様の手順に従った。小瓶中の酢酸4.5mlに0.003gのNPH
を3%水溶液(0.1ml)として加え、この溶液を混合
し、1分間静置した。次いでこの溶液を200ppmのMEHQを
含有したアクリル酸100mlに加え、この溶液を試験装置
のフラスコに加え、重合禁止について試験した。試験さ
れた溶液はアクリル酸の重量基準で29ppmのNPH及びアク
リル酸の重量基準で200ppmのMEHQを含有していた。この
場合も液相と気相の両方において重合禁止が達成され
た。
実施例5 酢酸4mlに0.0018gのNPHを1.8%水溶液として加えた以
外は実施例4と同じ手順に従った。約1分後、この溶液
を200ppmのMEHQを含有したアクリル酸100mlと混合し、
この混合物を試験した。この組成物はいずれもアクリル
酸の重量を基準にしてNPH17ppm及びMEHQ200ppmを含んで
いた。やはりすぐれた結果がNPHの酸素活性化を酢酸中
で行った場合に得られた。
実施例6 NPHの最初のアリコートを空気から保護し、活性化の
ための酸素と結合させないようにした以外は前記各実施
例と同様の手順に従った。MEHQ200ppmを含有したアクリ
ル酸6mlを数分間窒素でパージして溶存酸素を除去し
た。次いで溶液上に窒素のガスシールを維持し0.013gの
NPHを10%水溶液として加え、混合した。窒素のガスシ
ールを保ちながらアクリル酸に溶解したNPH溶液を4分
間静置した。次いでこの溶液をやはり窒素のガスシール
下でMEHQ200ppmを含有するアクリル酸と混合した。この
混合物を蒸留フラスコに入れ、重合禁止を試験した。NP
Hの量は124ppmであり、MEHQの量は200ppmであった。液
相と気相の両方において重合禁止の結果は極めて劣って
いた。この試験により、酸素活性化を行わないとMEHQと
組合せたNPHはアクリル酸に対して重合禁止作用が劣っ
ていることが実証された。
実施例7 この実施例は、NPHの酸素活性化をMEHQがモル過剰で
存在するときに行った点で前記各実施例とは異なる。ME
HQ200ppmを含有したアクリル酸5ml入りの容器にさらに
0.0253gのMEHQを加えた。この5mlの溶液に0.0123gのNPH
を10%水溶液として加えた。この5mlの溶液中でNPHに対
するMEHQのモル比は2.7であった。この溶液を6分間静
置した後、MEHQ200ppmを含有したアクリル酸95mlと混合
し、最終的に100mlの溶液はNPH117ppmとMEHQ440ppmを含
有していた。この溶液を重合禁止について試験した。得
られた結果は非常に悪く、このことは、MEHQが過剰に存
在するとNPHは溶存酸素にさらされても活性化されない
ことを示している。明らかに、アクリル酸中、又はさら
には酢酸といったその他の酸中でNPHはMEHQと極めて速
やかに反応又は相互作用して良好な重合禁止を与えない
形即ち錯体又は反応生成物を形成する。表1を参照。
実施例8 実施例7と同様にして過剰のMEHQをNPHと混合した。
但しNPH混合物を静置する時間を設けなかった。即ち、
フラスコ内のNPH0.013gにMEHQ220ppmを含有したアクリ
ル酸100mlを加えた。したがって、NPHの濃度は124ppmで
あり、MEHQの濃度は200ppmであった。この溶液を混合
し、直ちに試験装置に移して重合禁止について試験を行
った。やはり悪い結果が得られ、MEHQとNPHとの間の相
互作用又は反応が非常に速く起って、混合物を無効力に
しそして/又はNPHの酸素活性化を不可能にすることが
立証された。MEHQのこの特定の過剰は実施例7の場合ほ
ど大きくはなかった。
実施例9 NPHのモル数をMEHQのモル数より実質的に多くした以
外は実施例8と同様の手順を行った。即ち、MEHQ200ppm
を含有したアクリル酸100mlに0.065gのNPHを10%水溶液
として攪拌下に加え、NPHは619ppmの量となった。結果
はあまり良好ではなく、滞留時間がNPHの活性化に不可
欠であること及びNPHはこの酸素活性化を行わないとア
クリル酸に対してあまりよい重合禁止剤にならないこと
が明示された。
実施例10 この実施例は嫌気条件下でアクリル酸の重合禁止剤と
してのMEHQ単独の有効性を測定するため行った。即ち、
MEHQ200ppmを既に含有しているアクリル酸100mlにMHEQ
0.012gを加えた。従ってこの溶液はMEHQが400ppmの濃度
になり、この溶液を重合禁止について試験した。結果は
MEHQが本発明の組成物よりかなり劣った禁止剤であるこ
とを示している。
実施例11 この実施例は酸素活性NPHが単独でアクリル酸の重合
を禁止するのに有効であるかどうかを知るために行っ
た。他の禁止剤を含まない蒸留アクリル酸20mlに0.013g
のNPHを10%水溶液として加えた。この溶液を好気条件
下で混合し約1分間静置した。次いでさらに80mlの蒸留
アクリル酸を加え、NPHの濃度を124ppmとした。この100
mlの溶液を試験装置に加え、重合禁止について試験し
た。しかしアクリル酸が非常に速く重合したのでポプコ
ーン状粒子を収容したバスケットはその支持体から吹き
飛び、重合アクリル酸から回収できなかった。このこと
は、酸素活性化されていてもNPHは単独では有効な重合
禁止剤ではなく、還流50分後にはげしい重合を促進さえ
し得ることを示している。
実施例12 この実施例を行う目的は、酸素が存在するとアクリル
酸エステルの禁止剤として効果のないある種のフェノー
ル系禁止剤、例えばMEHQはフェノチアジンといった酸素
の保護剤であるある種のアミン系禁止剤を加えることに
より効果を発揮させ得ると立論した米国特許第3,959,35
8号の前提を試験することである。MEHQがフェノチアジ
ン(PTZ)より過剰に存在する限り、効果的な重合禁止
が期待される。しかしこの実施例において、MEHQ200ppm
を含有したアクリル酸をNPHに対して有効であった同じ
方法で調製されたPTZを用いて処理した。即ち、アクリ
ル酸6mlにPTZ0.0132gを加え、混合し、PTZは実質的にモ
ル過剰で存在していた。この6mlの溶液を数分間静置後
にアクリル酸94mlと混合した。PTZの濃度は126ppmとな
り、MEHQは200ppmであった。表1からわかるように重合
禁止は非常に悪く、本発明の組成物より全く劣ってい
た。

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)酸と混合した後静置することにより
    予備酸素活性化した予備酸素活性N−ニトロソフェニル
    ヒドロキシルアミンと、 (b)モル過剰のヒドロキノンモノメチルエーテルと
    を、含む重合性化合物の重合抑制性組成物。
  2. 【請求項2】ヒドロキノンモノメチルエーテルに対する
    N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンの相対的重量
    比が0.02〜0.95である請求の範囲第1項記載の組成物。
  3. 【請求項3】アクリル酸をさらに含む請求の範囲第2項
    記載の組成物。
  4. 【請求項4】(a)酸と混合しその後静置することによ
    り、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンを予備酸
    素活性化し、ここで前記N−ニトロソフェニルヒドロキ
    シルアミンは存在し得るヒドロキノンモノメチルエーテ
    ルより実質的にモル過剰の量の存在する工程及び、 (b)前記予備酸素活性N−ニトロソフェニルヒドロキ
    シルアミンよりモル過剰となるに足る量のヒドロキノン
    モノメチルエーテルを加える工程とを、含む重合性化合
    物の重合抑制性組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】前記予備酸素活性化が、空気と釣合ったア
    クリル酸中に約2000ppmの量でN−ニトロソフェニルヒ
    ドロキシルアミンを約1〜4分間導入することによって
    その場で行われる請求の範囲第4項記載の製造方法。
  6. 【請求項6】工程(b)で加えられるヒドロキノンモノ
    メチルエーテルがアクリル酸溶液として加えられる請求
    の範囲第4項記載の製造方法。
  7. 【請求項7】アクリル酸の重合を禁止する方法であっ
    て、前記酸を、 (a)酸と混合した後静置することにより予備酸素活性
    化した予備酸素活性N−ニトロソフェニルヒドロキシル
    アミン及び、 (b)ヒドロキノンモノメチルエーテルで処理すること
    を含む方法。
  8. 【請求項8】ヒドロキノンモノメチルエーテルが予備酸
    素活性N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンに対し
    てモル過剰の量である請求の範囲第7項記載の方法。
  9. 【請求項9】(a)の濃度がアクリル酸の重量基準で10
    〜400ppmであり、()の濃度がアクリル酸の重量基準で
    100〜500ppmである請求の範囲第7項記載の方法。
  10. 【請求項10】(b)に対する(a)の重量比が約0.02
    乃至0.95である請求の範囲第7項記載の方法。
  11. 【請求項11】空気と釣合ったアクリル酸を、存在し得
    るヒドロキノンモノメチルエーテルより実質的にモル過
    剰の量のN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンと混
    合し、ヒドロキノンモノメチルエーテルと加える前に、
    有効な滞留時間静置することによって(a)が調整され
    る請求の範囲第7項記載の方法。
  12. 【請求項12】前記アクリル酸を蒸留することをさらに
    含む請求の範囲第7項記載の方法。
  13. 【請求項13】アクリル酸、酸と混合した後静置するこ
    とにより予備酸素活性化した予備酸素活性N−ニトロソ
    フェニルヒドロキシルアミン及びヒドロキノンモノメチ
    ルエーテルを含む安定化アクリル酸組成物。
  14. 【請求項14】ヒドロキノンモノメチルエーテルが予備
    酸素活性N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンに対
    してモル過剰の量である請求の範囲第13項記載の組成
    物。
  15. 【請求項15】予備酸素活性N−ニトロソフェニルヒド
    ロキシルアミンがアクリル酸の重量基準で10〜400ppm存
    在し、ヒドロキノンモノメチルエーテルがアクリル酸の
    重量基準で100〜500ppm存在する請求の範囲第13項記載
    の組成物。
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