JP2752706B2 - 薄型高温ヒータ - Google Patents

薄型高温ヒータ

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、たとえば高温加熱用小型ヒータまたは電子
銃用ヒータなどの使用温度が1000℃程度の高温用薄型ヒ
ータに関する。
[従来の技術] 従来、平板型ヒータは、たとえば、特開昭55−24646
号公報に記載されているように、スクリーン印刷などの
いわゆる厚膜回路形成技術を用いて製造されていた。
この従来の平板型ヒータを第2図に示す。第2図にお
いて、(10)はセラミックス基板、(11)は発熱体、
(12)は絶縁層、(13)はカソード材層、(14)はカソ
ードリード層、(15)はベースメタル層である。まず、
セラミックス基板(10)を構成する原材料を調製し、ロ
ール間を通す押し出し法、またはキャスティングなどの
印刷技術によってシート上に所望のパターン形状の発熱
体層(11)を形成する。この発熱体層(11)はヒータ材
に焼成助剤を添加したペーストを基板(10)上にスクリ
ーン印刷して形成される。スクリーン印刷後、高温(10
00〜2000℃)で焼成処理され、平板型ヒータが形成され
る。
この方法では製造時に高温処理過程が入るので、ヒー
タをこの処理温度以下で使用するばあい、抵抗の経時変
化が小さいなどのヒータとしての高温長期安定性が期待
されていた。しかし、スクリーン印刷によってえられる
パターン精度は低く、しかも発熱体の厚さ制御(薄型
化)が困難なため、消費電力が大きく、しかも複数のヒ
ータ間では抵抗のばらつきが大きいなど、いくつかの欠
点を有していた。そのため、精度よくパターンの形成が
できる手法としてPVDやCVDによる成膜法の開発が進めら
れていた。
第3a〜3c図にそのような精度よい形成を可能にする薄
膜形成法による平板薄型ヒータの製造方法を示す。かか
る製造方法においては、平滑なセラミックス基板(10)
(絶縁部材)を調製し(第3a図)、そのうえにヒータ用
の抵抗体膜(11)(通常はWなどの金属が用いられる)
を一様に形成し(第3b図)、つぎにエッチングなどによ
り所望のヒータパターンを形成し(第3c図)、これにリ
ード線を接合するという手法で平板薄型ヒータを実現し
ていた。
ところが、以上のような従来の成膜法を用いて平板薄
型ヒータを製造するばあい、ヒータ用の抵抗体膜と絶縁
部材との密着力が小さいことがきわめて重要な問題点と
なっており、そのため、ヒータ用の抵抗体膜(発熱体
層)と絶縁部材との密着力を高めるために密着層を挿入
する手法も取られていた。そのばあい、代表的には、密
着層として数10〜数100nmのTi膜が設けられ、そのうえ
に発熱体層を形成することにより薄型高温ヒータを実現
していた。
[発明が解決しようとする課題] しかし、前記従来の密着層を設けたヒータは、リード
線に電圧を印加しヒータとして使用しているあいだ、す
なわち1000℃という高温負荷のあいだに密着層たるTiの
高温劣化が生じ、そのうえに形成されたヒータ(発熱体
層)が断線してしまうなどの欠点を有していた。第4図
は断線状態の発熱体層の金属組織を示す走査電子顕微鏡
(SEM)写真である。この原因は、Tiには882℃にα→β
の変態点があり、使用することによりこの変態点を繰り
返し通過するためと考えられる。
また、Al2O3などの酸化物系の絶縁基板は、単結晶状
態で入手しやすくしかも表面を鏡面仕上げすることが可
能なため、薄膜形成においてSiC、AlNなどの焼結基板よ
りもパターン精度がよいという利点があり、従来より薄
膜法による薄膜高温ヒータの絶縁基板(絶縁部材)とし
て用いられているが、従来のAl2O3を用いたヒータは、
発熱体を絶縁部材のうえに直接形成したばあい、使用時
に酸素に起因した熱化学的または電気化学的な作用によ
って絶縁部材が発熱体と反応し、昇華性の高い物質を形
成するため、抵抗配線端部(発熱体端部)近傍において
Al2O3の基板とW(タングステン)などの発熱体との双
方が雰囲気と接触しているエッジ部において選択的に損
傷を受けるという問題があった。第5図および第6図は
そのような損傷を受けたヒータのそれぞれ一端および他
端の金属組織を示す走査電子顕微鏡写真である。
このように、従来の薄膜法による薄型高温ヒータは、
ヒータとして不安定で、しかも長期信頼性に欠けるもの
であった。
本発明は、前記従来の薄膜高温ヒータの問題点を解決
するためになされたもので、ヒータ用抵抗体膜(発熱
体)と絶縁部材との密着力が高く、使用時の抵抗変化が
少なく、信頼性の高い薄型高温ヒータを提供することを
目的としている。
[課題を解決するための手段] 本発明は高融点良電気伝導性材料よりなる発熱体と該
発熱体を製造するための構造体である良熱伝導性電気絶
縁材料よりなる絶縁部材とのあいだに、前記発熱体と絶
縁部材との密着力を高めるための密着層を設け、該密着
層と発熱体とのあいだに、発熱体と密着層の高温安定化
のために密着層よりも高温安定性にすぐれた材料からな
る密着材緩和層を設けたことを特徴とする薄型高温ヒー
タにより前記目的を達成しようとするものである。
さらに、本発明の薄型高温ヒータの好ましい実施態様
においては、平滑な絶縁部材の上に少なくとも10nm以下
の厚さのTi膜を密着層として形成し、そのうえに850℃
以下の温度でTiC、TiN、TiCNの単体もしくはその混合物
からなる密着材緩和層を形成したのち、発熱体膜を形成
している。
[作 用] 本発明の薄型高温ヒータは、発熱体と絶縁部材とのあ
いだに密着層が設けられ、該密着層の発熱体側に密着層
よりも高温安定性にすぐれた密着材緩和層が設けられて
いるので、発熱体と絶縁部材との密着力が高くなるのみ
ならず、発熱体と絶縁部材との相互作用による損傷も防
止される。さらに、密着材緩和層は密着材を安定化せし
めるはたらきを有するので、密着材の高温劣化による発
熱体の損傷などが防止される。
また、10nm以下の厚さのTi膜からなる密着層を採用し
たばあいには、絶縁部材とヒータ用抵抗体膜(発熱体)
との密着力が一層向上する。そのばあいにおいて、密着
材緩和層としてTiC、TiNもしくはTiCN単体またはその混
合物を用いたばあい、それらはセラミックスであるため
高温安定性にすぐれているので、密着層のTiが発熱材中
へ拡散するのを妨げる障壁の役目を果たす。またヒータ
の製造温度を密着層たるTiの変態点より低くすることに
より、ヒータを製造しているあいだに、Tiの高温劣化を
生ずることなく、密着層として余分なTi成分の密着材緩
和層への拡散を促し、密着材Tiの安定化に作用する。
[実施例] 以下に本発明の薄型高温ヒータの一実施例について図
面に基づいて説明する。第1図は本発明の一実施例によ
る薄型高温ヒータの断面図である。第1図において
(1)はAlN、Al2O3などの絶縁部材、(2)は絶縁部材
(1)との密着層であるTiなど、(3)は密着材緩和層
であるTiC、TiN、TiCNの単体もしくはその混合物など、
(4)は高融点良電気伝導性材料W、Mo、Pt、Taなどを
用いて密着層(2)、密着材緩和層(3)を介して絶縁
部材(1)の上に形成されたヒータ層(発熱体)であ
る。
前記絶縁部材(1)の材料としては、たとえば1000℃
程度の使用温度に耐えうる高軟化点を有する良熱伝導性
電気絶縁部材であればとくに限定はなく、具体例とし
て、AlN、Al2O3、SiC、Si3 N4、ZrO2、MgO、BeOなどが
あげられるが、そのような材料のうちでは、AlN、Al2O3
などが、熱伝導性がよく、熱膨張率が抵抗体膜のそれに
近いこと、良絶縁体であること、高温で絶縁破壊しない
こと、平滑なことなどの要求をみたし、入手しやすい点
で好ましい。
前記発熱体(4)の材料としては、たとえば1000℃程
度の使用温度に耐えうる高融点金属材料であればとくに
限定はなく、具体例として、W、Mo、Pt、Ta、Cu、Ag、
Be、Fe、Zrなどがあげられるが、そのような材料のうち
では、W、Mo、Pt、Taなどが高温域での蒸気圧が低く電
気特性が安定なことから好ましい。
本発明のヒータにおいては、前記発熱体(4)と前記
絶縁部材(1)とのあいだに密着層(2)が設けられ、
該密着層(2)と前記発熱体(4)とのあいだに密着材
緩和層(3)が形成されている。
前記密着層(2)の材料としては、金属発熱体(4)
と絶縁部材(1)との密着力を高めるものであればとく
に限定はなく、そのような具体例としては、10nm以下の
厚さを有するTi、V、Cr、Sc、Y、La、Zr、Nb、Hfなど
の金属があげられるが、これらのうちでは前記厚さのTi
が、発熱体(4)と絶縁部材(1)との高い密着力をも
たらすことなどから好ましい。なお前記Tiの厚さが10nm
をこえるばあいには、Tiの変態点をこえての繰返し使用
によって高温劣化が生じ、ヒータが断線してしまう傾向
がある。
前記密着材緩和層(3)の材料としては、密着層
(2)より高温安定性にすぐれた材料であればとくに限
定はなく、たとえば密着層(2)として用いた金属の炭
化物、チッ化物もしくはシアン化物またはそれらの混合
物、酸化物、ホウ化物などがあげられるが、これらのう
ちでは、前記のごとくTiを密着層(2)として用いたば
あい、Ti密着層(2)の安定化をもたらす点でTiC、Ti
N、TiCNなどが好ましい。
なお、とくに好ましい態様として、絶縁基板(絶縁部
材)(1)とヒータ材(発熱体)(4)とのあいだに、
密着層(2)として厚さ10nm以下のTi層を形成し、密着
材緩和層(3)としてTiC、TiNもしくはTiCNの単体また
はその混合物の層を形成する理由をまとめると、W、Mo
などの一般的な発熱体(4)が使用中に生じる熱歪によ
って剥離することに対するヒータ材(発熱体)(4)と
基板(1)とのあいだの付着力強化のためおよび酸化物
系絶縁基板(1)と抵抗体(発熱体)(4)とのあいだ
の化学反応によるヒータ構造の損傷防止のためというこ
とである。すなわち、密着層(2)のTiは、発熱体
(4)の金属と絶縁部材(1)のセラミックスとの界面
における結合を強化するためであり、密着材緩和層
(3)のTiC、TiNもしくはTiCNの単体またはその混合物
は、密着層(2)のTiが抵抗体(発熱体)(4)中へ拡
散するのを防ぎ、ヒータの高温における電気安定性をよ
くするためである。
さらに、こういった材料系はたとえば絶縁部材として
Al2O3基板を用いて形成し、1000℃程度の高温で使用し
ている際に発熱体(4)が基板中の酸素を奪って(還元
して)蒸気圧の高い酸化物を形成して飛散していく。す
なわち発熱体(4)と酸化物系絶縁基板(1)がともに
エッチングされ、形状が変化してしまう。したがって、
発熱体(4)・絶縁基板(1)間に密着層(2)・密着
材緩和層(3)を形成し発熱体(4)・酸化物系絶縁材
料(1)界面の存在をなくすことにより、発熱体(4)
と酸化物系絶縁基板(1)の損傷がなくなり高温におい
てもヒータとして安定に使用できる。
密着層、密着材緩和層および発熱体を絶縁部材上に形
成する方法にもとくに限定はないが、たとえば前述のご
とく密着層として厚さ10nm以下のTiを採用し、密着材緩
和層としてTiC、TiN、TiCNなどを形成するばあい、スパ
ッタ法、PVD法、CVD法などにより製膜した密着層たるTi
の発熱体側表面をイオン窒化などにより改質する方法
は、密着材緩和層中のN量、すなわち密着材緩和層TiN
の厚さを簡単にコントロールできるので好ましく、ま
た、スパッタ法によるTi密着層形成と反応性スパッタ法
によるTiNなどの密着材緩和層形成とを一連の工程とし
て連続的に行なう方法は、密着層Tiの厚さを簡単にコン
トロールすることができるので好ましい。
さらに、密着層、密着材緩和層および発熱体の形成時
温度については、密着層の材料の変態点より低い温度、
たとえば密着層がTiのばあいには850℃以下とすること
が、製造工程において、密着層の高温劣化が防止され、
安定化が達成される点で好ましい。
つぎに絶縁部材として単結晶サファイヤ基板(Al
2O3)を選び、本発明の薄型高温ヒータを製造する実施
例について述べる。
実施例1 Al2O3基板上にスパッタ法により所望の厚さ(数10nm
〜数100nm)のTi膜を一様に形成する。つぎに、このサ
ンプルをイオン窒化用の真空炉内に設置し、850℃以下
(400〜500℃)の温度で短時間にイオン窒化を施し、Ti
表面からNを拡散させ、TiNとする。窒化の深さとして
は、基板との界面でのTiとAl2O3との密着に寄与する層
(10nm以下)に達する深さまたはこの層を含む深さまで
窒化される。そのため、Ti単体の密着層は10nm以下とな
る。イオン窒化を直流電源を用いて行なえば絶縁部材で
あるAl2O3には損傷を与えることなく、電気的に導通の
あるTiにのみ窒化を施すことができる。そののち、所望
の厚さ(数〜数100μm)のW抵抗体膜(発熱体)をス
パッタ法により形成し、所望のパターン形状に湿式また
は乾式法でエッチングする。たとえば湿式法のばあいに
は、つぎのごとき工程でエッチングを行なう。
なお、この実施例1ではTi膜をスパッタ法により形成
する方法が採用されているが、電子ビーム装着、レーザ
PVD法、イオンプレーティングなどのいわゆるPVD法やTi
Cl4ガスなどを用いたプラズマCVD法などの方法でも形成
することができることは言うまでもない。
また、密着層および密着材緩和層は、基板全面に形成
せずに抵抗体(発熱体)直下部のみでもよい。このばあ
い、Tiのパターンを形成したのちにイオン窒化を施して
もよく、Tiの成膜後イオン窒化を施し、そののち熱硝酸
などでパターンエッチングしてもよい。
さらに、前記実施例1はN2ガスを用いたイオン窒化の
例であるが、たとえば、CH4やN2ガスとの混合ガスを用
いた炭化などによりTiC、TiNもしくはTiCNの単体または
その混合物を形成してもよい。
このように実施例1にかかわる手法は、密着層・密着
材緩和層にパターンの有無やパターン形成と窒化などと
の順序の前後はあるが、いったんTi膜を形成したのち
に、表面からの窒化や炭化により改質し、そのうえにヒ
ータとなる抵抗体(発熱体)を形成する手法である。
実施例2 850℃以下の所望の温度に加熱されたAl2O3基板上にパ
ターンマスクを置き、最初は通常のArスパッタ法により
Ti膜を形成する。Ti膜の厚さが10nmに達するまえの極薄
膜が形成されたときに、スパッタ雰囲気中にN2ガスを導
入し、反応性スパッタ法によりTiN膜を所望の厚さ(数1
0nm〜数100nm)まで形成する。つぎに、ターゲットを交
換し所望の厚さまで(数〜数100μm)発熱体たるW膜
を形成する。
極薄膜形成後に導入するガスとして、炭素を含んだガ
ス、たとえばCH4単体やこれとN2との混合ガスなどを用
いることにより、TiC、TiNもしくはTiCNの単体またはそ
の混合物を形成することができることはいうまでもな
い。
このように実施例2にかかわる手法は膜を形成するイ
ンプロセス中で、TiからTiNのごとき順序で連続的に異
なる膜を形成し、そののちヒータ膜を形成する手法であ
る。
これらいずれの手法によっても、発熱体と絶縁部材と
の密着性がよく、使用時の抵抗変化の少ない本発明の薄
型高温ヒータがえられることが確認された。
本発明の薄型高温ヒータは、基板上に複数並べて形成
することにより、大面積化や大量生産に適していること
は言うまでもない。
また、密着層としてTiを用いたばあい、Tiは変態点以
下の温度での製造段階において密着層としては余分な成
分を拡散させてしまうので、そののち変態点以上のたと
えば1000℃程度で使用してもTiの高温劣化を生じること
はない。さらに、基板中の酸素を奪ってもTiO2(チタニ
ア)という安定化合物を形成するのでヒータの劣化を生
じることはない。
[発明の効果] 以上に記載のごとく、本発明の薄型高温ヒータは、発
熱体と絶縁部材とのあいだに密着層が設けられ、該密着
層の発熱体側に密着層よりも高温安定性にすぐれた密着
材緩和層が設けられているので、発熱体と絶縁部材との
密着力が高くなるのみならず、発熱体と絶縁部材との相
互作用による損傷も防止される。さらに、密着材緩和層
は密着材を安定化せしめるはたらきを有するので、密着
材の高温劣化による発熱体の損傷などが防止され、抵抗
値の経時変化が少なくなる。
さらに、本発明の薄型高温ヒータにおいて、平滑な絶
縁部材上に10nm以下の厚さのTi膜を形成し、そのうえに
850℃以下の温度でTiC、TiNもしくはTiCNの単体または
その混合物からなる密着材緩和層を形成し、そのうえに
所望の厚さの発熱体Wを形成したばあいには、絶縁基板
と発熱体間の化学反応による損傷がなくなるため、抵抗
値の経時変化がさらに少なくなり、しかもヒータと絶縁
部材との付着力をより一層確保することができるので、
長期信頼性のきわめて高い薄型高温ヒータを提供できる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の薄型高温ヒータの一例を示す断面模式
図、第2図は従来の薄型高温ヒータを利用した電子管カ
ソード装置を示す断面模式図、第3a〜3c図はそれぞれ薄
膜形成法による従来の薄型高温ヒータの製造方法の工程
を示す断面模式図、第4図は従来のヒータにおいてTiに
より高温劣化した発熱体の金属組織を示す走査電子顕微
鏡写真、第5図および第6図は従来の酸化物絶縁基板を
用いた平板薄型ヒータにおいて損傷をうけたヒータのそ
れぞれ一端および他端の金属組織を示す走査電子顕微鏡
写真である。 (図面の主要符号) (1):絶縁部材 (2):密着層 (3):密着材緩和層 (4):発熱体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星之内 進 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社生産技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭55−68078(JP,A) 特開 昭58−175281(JP,A) 特開 昭58−14483(JP,A) 特開 平1−124990(JP,A) 特開 昭62−208588(JP,A) 特開 昭61−138487(JP,A) 特開 昭49−67227(JP,A) 特開 昭57−202082(JP,A) 特開 昭57−66601(JP,A) 実開 昭59−47993(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高融点良電気伝導性材料よりなる発熱体と
    該発熱体を製造するための構造体である良熱伝導性電気
    絶縁材料よりなる絶縁部材とのあいだに、前記発熱体と
    絶縁部材との密着力を高めるための密着層を設け、該密
    着層と発熱体とのあいだに、発熱体と密着層の高温安定
    化のために密着層よりも高温安定性にすぐれた材料から
    なる密着材緩和層を設けたことを特徴とする薄型高温ヒ
    ータ。
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