JP2747553B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は１気筒に少なくとも３つの吸気弁を配設し
た燃焼室を有するエンジンの燃料噴射装置に関するもの
である。

（従来の技術） 従来の一般的なガソリンエンジンの燃料噴射装置とし
ては、実開昭61−149772号公報に記載の如く１気筒毎に
２つの吸気弁を配設したものにおいて、これら吸気弁に
対し燃料噴射弁より２方向に燃料を噴射するものが公知
である。

この従来装置を第５図、第６図において説明する。第
５図、第６図において、（１）は電磁式の燃料噴射弁、
（２）はボール（３）によって開閉が制御される燃料噴
孔、（４）はこの燃料噴孔に連なって形成された噴射燃
料通路（5a）（5b）を有するアダプタで、各噴射燃料通
路（5a）（5b）の開き角は（α）に設定されている。
（6a）（6b）は噴射燃料通路出口としての噴出口、
（７）は上記燃料噴射弁（１）が装着された吸気管、
（８）はこの吸気管内に形成された吸気通路、（９）は
エンジンのシリンダ、（10）は上記吸気通路（８）に連
なって形成されたシリンダの燃焼室、（11a）（11b）は
この燃焼室における吸気通路側に装着された吸気弁で、
各吸気ポートを開閉する。（12a）（12b）は上記燃焼室
における反吸気弁装着側に各々設けられた排気弁で、各
排気ポートを開閉する。（13）は上記各吸気通路（８）
を分岐する隔壁、（14）は上記燃焼室（10）の中心に設
置された点火プラグである。

このように構成されたものにあっては、燃料噴射弁
（１）の噴出口から角度αをもって２つの吸気弁（11
a）（11b）に対し２方向噴射するものである。

（発明が解決しようとする課題） 上述の従来のものでは、１気筒につき２つの吸気弁
（11a）（11b）を配設した燃焼室（10）を有するエンジ
ンの燃料噴射弁（１）において２つの吸気弁（11a）（1
1b）に燃料噴射弁（１）より２方向からの燃料を各々噴
射するものであり、従来では、３つの吸気弁に１個の燃
料噴射弁にて各々燃料噴射するものは一般的ではなかっ
た。

また、３つの吸気弁に１個の燃料噴射弁にて各々３方
向に噴射して各吸気弁に燃料を供給するものが、考えら
れるがこのものにあっては、燃料噴射弁の噴出口を３つ
形成し、これら各吸気弁に対して燃料を最適な角度にて
噴射する必要があり、加工が困難となりしかも、各吸気
弁に燃料を最適に噴射させる如く噴射角度を設定するこ
とが非常に困難であった。

この発明の目的は、加工コストが低減でき、かつ実用
上問題のない範囲での性能が得られる燃料噴射装置を提
供することにある。

（課題を解決するための手段） この発明は、１気筒に少なくとも３つの吸気弁を配設
した燃焼室を有するエンジンの燃料噴射装置において、
上記吸気弁数より少ない複数の噴射方向を有する燃料噴
射弁を、上記燃焼室の中心と上記少なくとも３つの吸気
弁の配設中心とを結ぶ線上に設けると共に上記複数の噴
射方向を、上記各吸気弁に噴射される燃料が各々等量と
なる如く設定したものである。

（作 用） この発明にあっては、吸気弁数より少ない複数方向の
燃料噴射により、各吸気弁に等量の燃料が噴射すること
ができる。

（実施例） 以下この発明の実施例を図について説明する。まず、
第１図、第２図において、（15）は吸気管（７）に装着
される燃料噴射弁で、所定の角度に傾斜して形成された
２つの噴出口（16a）（16b）を有する。（17a）（17b）
（17c）は上記燃焼室（10）における吸気通路（８）側
に各々均等間隔で配設された３つの吸気弁で、各々３つ
の吸気ポートを開閉する。（18a）（18b）は吸気弁（17
b）の両側に設けられた隔壁で、点火プラグ（14）は燃
焼室（10）の中心（Ｂ）に装着されている。また、３つ
の吸気弁（17a）（17b）（17c）は中央の吸気弁（17b）
を中心として、他の２つの吸気弁（17a）（17c）は対称
的に設けられている。

燃料噴射弁（15）は燃焼室（10）の中心（Ｂ）と、３
つの吸気弁（17a）（17b）（17c）の配設中心と結ぶ線
（Ａ）上に設けられている。

以上の様に構成された上記実施例のものにあっては、
燃料噴射弁（15）の噴出口（16a）（16b）より、２方向
噴射にて各吸気弁（17a）（17b）（17c）に燃料が噴射
される。この場合、各噴出口（16a）（16b）からの燃料
噴射角度は（β）となり、各吸気弁（17a）（17b）（17
c）には各隔壁（18a）（18b）によって、各々等量に分
岐されるようになる。

また、燃料噴射弁（15）からの噴射された燃料は、吸
気管（７）内壁には付着しないように上記燃料噴射角度
（β）並びに燃料噴射弁（15）の装着位置が設定されて
いるので、燃料噴射弁（15）からの噴射燃料は確実に吸
気弁（17a）（17b）（17c）に噴射されるので、エンジ
ンの最適なる燃焼を確保できるものである。

なお、上述では１気筒に３つの吸気弁（17a）（17b）
（17c）を配設した燃焼室（10）を有するエンジンの燃
料噴射弁（15）において、２方向噴射にて各々吸気弁
（17a）（17b）（17c）に各々等量となるように燃料噴
射するものを例示したが、１気筒に４つの吸気弁,3つの
排気弁を有するエンジンについても応用できる。即ち、
この他の実施例を第３図，第４図について説明する。第
３図，第４図において、（19）は吸気管（７）に装着さ
れる燃料噴射弁で、所定の角度に傾斜して形成された２
つの噴出口（20a）（20b）を有する。（21a）（21b）
（21c）（21d）は上記燃焼室（10）における吸気通路
（８）側に各々均等間隔で配設された４つの吸気弁で、
各々４つの吸気ポートを開閉する。（22a）（22b）（22
c）は上記燃焼室（10）における反吸気通路（８）側に
各々均等間隔で配設された３つの排気弁で、各々３つの
排気ポートを開閉する。（23a）（23b）（23c）は各吸
気弁を分岐する隔壁である。点火プラグ（14）は燃焼室
（10）の中心（Ｂ）に装着されている。また、燃料噴射
弁（19）は燃焼室（10）の中心（Ｂ）と、４つの吸気弁
（21a）（21b）（21c）（21d）の配設中心とを結ぶ線
（Ａ）上に設けられている。

このように構成された他の実施例にあっても、燃料噴
射弁（19）の噴出口（20a）（20b）より、２方向噴射に
て各吸気弁（21a）（21b）（21c）（21d）の噴射角度
（γ）で、隔壁（23a）（23b）（23c）を介して等量と
なるように噴射される。また、本実施例においても、燃
料噴射弁（19）から噴射された燃料が、吸気管（７）内
壁には付着しないように燃料噴射角度（γ）並びに燃料
噴射弁（19）の装着位置が設定されている。

（発明の効果） 以上のようにこの発明では、１気筒に少なくとも３つ
の吸気弁を配設した燃焼室を有するエンジンの燃料噴射
装置において、吸気弁数より少ない複数の噴射方向を有
する燃料噴射弁を、燃焼室の中心と少なくとも３つの吸
気弁の配設中心とを結ぶ線上に設けると共に燃料噴射弁
の複数の噴射方向を、各吸気弁に噴射される燃料が等量
となるように設定することにより、少なくとも３つの吸
気弁に対してその吸気弁数よりも少ない複数の噴射方向
にて確実に燃料噴射できるので、加工コストが低減で
き、かつ実用上問題のない範囲での性能が得られる効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す平面図、第２図は第
１図に示す実施例における燃料噴射弁先端部の正面図、
第３図はこの発明の他の実施例を示す平面図、第４図は
第３図に示す実施例における燃料噴射弁先端部の正面
図、第５図（イ）は従来装装置を一部断面にて示す側面
図、第５図（ロ）は従来装置における燃料噴射弁先端部
の正面図、第６図は従来装置をを示す平面図である。 図中、（１）（15）（19）は燃料噴射弁、（７）は吸気
管、（８）は吸気通路、（９）はシリンダ、（10）は燃
焼室、（12a）（12b）（22a）（22b）（22c）は排気
弁、（14）は点プラグ、（16a）（16b）（20a）（20b）
は噴出口、（17a）（17b）（17c）（21a）（21b）（21
c）（21d）は吸気弁、（18a）（18b）（23a）（23b）
（23c）は隔壁である。 なお、各図中同一符号は同一、又は相当部分を示す。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−154859（ＪＰ，Ａ) 実開 平１−139078（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−90937（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−186765（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−123660（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】１気筒に少なくとも３つの吸気弁を配設し
   た燃焼室を有するエンジンの燃料噴射装置において、上
   記吸気弁数より少ない複数の噴射方向を有する燃料噴射
   弁を、上記燃焼室の中心と上記少なくとも３つの吸気弁
   の配設中心とを結ぶ線上に設けると共に上記複数の噴射
   方向を、上記各吸気弁に噴射される燃料が各々等量とな
   る如く設定したことを特徴とする燃料噴射装置。