JP2740854B2 - ジホモ―γ―リノレン酸の製造法および脂肪酸の△5位不飽和化反応抑制剤 - Google Patents
ジホモ―γ―リノレン酸の製造法および脂肪酸の△5位不飽和化反応抑制剤Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はジホモ−γ−リノレン酸(Δ8,11,14エイコ
サトリエン酸)を発酵法により安価に大量生産する方法
および微生物や動物細胞の脂肪酸に対するΔ5位不飽和
化反応抑制剤に関する。
サトリエン酸)を発酵法により安価に大量生産する方法
および微生物や動物細胞の脂肪酸に対するΔ5位不飽和
化反応抑制剤に関する。
ジホモ−γ−リノレン酸を生産する方法として、グル
コースを主原料とする培地にゴマ油を添加してモルティ
エレラ属微生物を培養することにより、ジホモ−γ−リ
ノレン酸を含む脂質を生産する方法が知られている(H.
Yamada.et al.,J.Am Oil Chem.Soc.,Vol 66,p237〜241
(1989))。
コースを主原料とする培地にゴマ油を添加してモルティ
エレラ属微生物を培養することにより、ジホモ−γ−リ
ノレン酸を含む脂質を生産する方法が知られている(H.
Yamada.et al.,J.Am Oil Chem.Soc.,Vol 66,p237〜241
(1989))。
また、脂肪酸のΔ5位不飽和化反応抑制剤としては、
ゴマ油中のセサミン,エピセサミンが知られている(H.
Yamada.ei al.,日本農芸化学会誌63巻,p676(198
9))。しかしながら、セサミンやエピセサミンの純品
を大量に採ることはコスト的に高く、実用性に劣るとい
う欠点があった。
ゴマ油中のセサミン,エピセサミンが知られている(H.
Yamada.ei al.,日本農芸化学会誌63巻,p676(198
9))。しかしながら、セサミンやエピセサミンの純品
を大量に採ることはコスト的に高く、実用性に劣るとい
う欠点があった。
そこで、本発明者らはジホモ−γ−リノレン酸の発酵
法による大量生産について鋭意研究した結果、特定の化
合物を培地に添加することにより目的を達成できるこ
と、並びに該化合物が脂肪酸のΔ5位不飽和化反応を抑
制する作用を有することを見出し、本発明を完成するに
至った。
法による大量生産について鋭意研究した結果、特定の化
合物を培地に添加することにより目的を達成できるこ
と、並びに該化合物が脂肪酸のΔ5位不飽和化反応を抑
制する作用を有することを見出し、本発明を完成するに
至った。
すなわち、本発明はジホモ−γ−リノレン酸生産能を
有する微生物を、クルクミンを添加した培地で培養し、
培養物からジホモ−γ−リノレン酸を採取することを特
徴とするジホモ−γ−リノレン酸の製造法、およびクル
クミンを主成分とする脂肪酸のΔ5位不飽和化反応抑制
剤を提供するものである。
有する微生物を、クルクミンを添加した培地で培養し、
培養物からジホモ−γ−リノレン酸を採取することを特
徴とするジホモ−γ−リノレン酸の製造法、およびクル
クミンを主成分とする脂肪酸のΔ5位不飽和化反応抑制
剤を提供するものである。
本発明で使用する微生物は、ジホモ−γ−リノレン酸
生産能を有するものであればよく、例えばコニディオボ
ラス族やモルティエレラ属に属するジホモ−γ−リノレ
ン酸生産能を有する微生物を挙げることができる。具体
的には、コニディオボラス・ナノデス(Conidiobolus
nanodes)CBS 183/62,コニディオボラス・ランプラウジ
ェス(Conidiobolus lamprauges)ATCC 12585,モルテ
ィエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)IFO8568等
が挙げられる。
生産能を有するものであればよく、例えばコニディオボ
ラス族やモルティエレラ属に属するジホモ−γ−リノレ
ン酸生産能を有する微生物を挙げることができる。具体
的には、コニディオボラス・ナノデス(Conidiobolus
nanodes)CBS 183/62,コニディオボラス・ランプラウジ
ェス(Conidiobolus lamprauges)ATCC 12585,モルテ
ィエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)IFO8568等
が挙げられる。
本発明では、上記微生物を培養してジホモ−γ−リノ
レン酸を製造するための培地に、クルクミンを含むこと
が必須である。クルクミンはウコンに含まれる黄色色素
の主成分であり、入手が容易である上に、純品も安価で
手に入る。ウコンはカレー粉,たくあん、漬物等の着色
料として用いられており、その安全性にも問題はない。
培地に添加するクルクミンは、ウコン粉末またはクルク
ミン純品のいずれであってもよいが、不純物等の影響を
考慮するとクルクミン純品の方が好ましい。クルクミン
の添加量は培地1あたり0.01〜10g、好ましくは0.05
〜2gである。クルクミンの添加方法は、エタノールやジ
クロロメタンなどの適当な溶媒に溶解して添加すること
もできるが、培地の炭素源として用いる油脂に均一に混
合して添加するのが好ましい。また、添加する時期は培
養を始める前が好ましいが、培養途中から加えてもよ
い。
レン酸を製造するための培地に、クルクミンを含むこと
が必須である。クルクミンはウコンに含まれる黄色色素
の主成分であり、入手が容易である上に、純品も安価で
手に入る。ウコンはカレー粉,たくあん、漬物等の着色
料として用いられており、その安全性にも問題はない。
培地に添加するクルクミンは、ウコン粉末またはクルク
ミン純品のいずれであってもよいが、不純物等の影響を
考慮するとクルクミン純品の方が好ましい。クルクミン
の添加量は培地1あたり0.01〜10g、好ましくは0.05
〜2gである。クルクミンの添加方法は、エタノールやジ
クロロメタンなどの適当な溶媒に溶解して添加すること
もできるが、培地の炭素源として用いる油脂に均一に混
合して添加するのが好ましい。また、添加する時期は培
養を始める前が好ましいが、培養途中から加えてもよ
い。
上記微生物を培養するための培地としては、炭素源,
窒素源,無機塩類などを含むものが用いられる。炭素源
としては、ブドウ糖,オリーブ油,サフラワー,γ−リ
ノレン酸含有油などの炭水化物や油脂等が用いられる。
ここでγ−リノレン酸含有油としては、月見草油,るり
じさ油等の植物油;モルティエレラ(Mortierella)
属,ムコール(Mucor)属,カニンガメラ(Cunninghame
lla)属等に属する糸状菌から抽出された微生物油があ
げられる。また、窒素源としては酵母エキス,ペプト
ン,大豆粕などの有機窒素源が好ましく、無機塩類とし
てはリン酸カリウム(KH2PO4),鉄塩(FeSO4・7H
2O),マグネシウム塩(MgSO4・7H2O),亜鉛塩(ZnS
O4)などが用いられる。その他、必要に応じて微量元素
や栄養源を添加することもできる。
窒素源,無機塩類などを含むものが用いられる。炭素源
としては、ブドウ糖,オリーブ油,サフラワー,γ−リ
ノレン酸含有油などの炭水化物や油脂等が用いられる。
ここでγ−リノレン酸含有油としては、月見草油,るり
じさ油等の植物油;モルティエレラ(Mortierella)
属,ムコール(Mucor)属,カニンガメラ(Cunninghame
lla)属等に属する糸状菌から抽出された微生物油があ
げられる。また、窒素源としては酵母エキス,ペプト
ン,大豆粕などの有機窒素源が好ましく、無機塩類とし
てはリン酸カリウム(KH2PO4),鉄塩(FeSO4・7H
2O),マグネシウム塩(MgSO4・7H2O),亜鉛塩(ZnS
O4)などが用いられる。その他、必要に応じて微量元素
や栄養源を添加することもできる。
上記微生物の培養は通常、液体培地にて振とう培養や
通気撹拌培養などにより行なわれる。培養条件は培養温
度10〜40℃、好ましくは20〜30℃、培養日数は1〜20日
であり、コニティオボラス続に属する微生物を用いる場
合は3〜10日が好ましいが、これらの条件は用いる微生
物の性質等を考慮してジホモ−γ−リノレン酸の生産量
が高くなるように設定すればよい。
通気撹拌培養などにより行なわれる。培養条件は培養温
度10〜40℃、好ましくは20〜30℃、培養日数は1〜20日
であり、コニティオボラス続に属する微生物を用いる場
合は3〜10日が好ましいが、これらの条件は用いる微生
物の性質等を考慮してジホモ−γ−リノレン酸の生産量
が高くなるように設定すればよい。
このようにして培養地中にジホモ−γ−リノレン酸が
生産されるので、培養物からジホモ−γ−リノレン酸を
採取する。ジホモ−γ−リノレン酸は培養物よりそのま
ま採取してもよいが、培養物には炭素源として加えた油
脂等が含まれるため、培養物より菌体を分離し、この菌
体からジホモ−γ−リノレン酸を採取するのが好まし
い。ジホモ−γ−リノレン酸の採取は、溶媒抽出やクロ
マトグラフィーなどの常法により行なわれる。
生産されるので、培養物からジホモ−γ−リノレン酸を
採取する。ジホモ−γ−リノレン酸は培養物よりそのま
ま採取してもよいが、培養物には炭素源として加えた油
脂等が含まれるため、培養物より菌体を分離し、この菌
体からジホモ−γ−リノレン酸を採取するのが好まし
い。ジホモ−γ−リノレン酸の採取は、溶媒抽出やクロ
マトグラフィーなどの常法により行なわれる。
次に、本発明の脂肪酸のΔ5位不飽和化反応抑制剤に
ついて説明する。本発明でいうΔ5位不飽和化反応と
は、例えばジホモ−γ−リノレン酸からアラキドン酸へ
の変換反応を指す。
ついて説明する。本発明でいうΔ5位不飽和化反応と
は、例えばジホモ−γ−リノレン酸からアラキドン酸へ
の変換反応を指す。
本発明の脂肪酸のΔ5位不飽和化反応抑制剤は、クル
クミンを主成分とするものである。その使用にあたって
は、微生物や動物細胞に脂肪酸を加えたものにクルクミ
ンを0.01〜100mg/g乾燥菌体、好ましくは0.1〜20mg/g乾
燥菌体添加すればよく、これにより微生物や動物細胞の
脂肪酸に対するΔ5位不飽和化反応を抑制することがで
きる。
クミンを主成分とするものである。その使用にあたって
は、微生物や動物細胞に脂肪酸を加えたものにクルクミ
ンを0.01〜100mg/g乾燥菌体、好ましくは0.1〜20mg/g乾
燥菌体添加すればよく、これにより微生物や動物細胞の
脂肪酸に対するΔ5位不飽和化反応を抑制することがで
きる。
次に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこ
れらによって制限されるものではない。
れらによって制限されるものではない。
比較例1 第1表に示した組成の培地に炭素源として16%γ−リ
ノレン酸含有油(オレイン酸40%,リノール酸10%,γ
−リノレン酸16%)を30g/加えた培地を作製した。こ
の培地100mgを500mgの三角フラスコに入れ、121℃で15
分間滅菌処理した。このフラスコにコニディオボラス・
ナノデスCBS 183/62を接種し、30℃で4日間振とう培養
した。
ノレン酸含有油(オレイン酸40%,リノール酸10%,γ
−リノレン酸16%)を30g/加えた培地を作製した。こ
の培地100mgを500mgの三角フラスコに入れ、121℃で15
分間滅菌処理した。このフラスコにコニディオボラス・
ナノデスCBS 183/62を接種し、30℃で4日間振とう培養
した。
培養終了後、遠心分離により菌体を集菌し、リン酸緩
衝液(pH7.0)を用いて洗浄した後、吸引ろ過により菌
体を採取した。この菌体をアルミ製のカップに入れ、ガ
ラスビーズ,メタノール,クロロホルムを加えてホモジ
ナイザーで菌体を破砕し、菌体内の脂質を抽出した。抽
出した脂質をBF3−メタノール用いてメチルエステル化
して、ガスクロマトグラフィーにより脂肪酸組成を調べ
た結果を第2表に示す。
衝液(pH7.0)を用いて洗浄した後、吸引ろ過により菌
体を採取した。この菌体をアルミ製のカップに入れ、ガ
ラスビーズ,メタノール,クロロホルムを加えてホモジ
ナイザーで菌体を破砕し、菌体内の脂質を抽出した。抽
出した脂質をBF3−メタノール用いてメチルエステル化
して、ガスクロマトグラフィーにより脂肪酸組成を調べ
た結果を第2表に示す。
なお、ジホモ−γ−リノレン酸の同定は以下の方法に
より行なった。ジホモ−γ−リノレン酸の標品と本サン
プルを混合してキャピラリーガスクロマトグラフィー
(カラム:PEG20M)で分析したところ、ジホモ−γ−リ
ノレン酸画分のピークが大きくなった。また、本サンプ
ルを硝酸銀含浸薄層クロマトグラフィーによりトリエン
画分を分取した。この画分にはγ−リノレン酸とジホモ
−γ−リノレン酸が含まれていた。分取したトリエン画
分から液体クロマトグラフィー(カラム:ODS)によりジ
ホモ−γ−リノレン酸を分取した。このジホモ−γ−リ
ノレン酸をピコリニル誘導体化し、キャピラリーガスマ
ススペクトラムにより同定した。その結果、Δ8,11,14
エイコサトリエン酸、すなわちジホモ−γ−リノレン酸
であることが確認された。
より行なった。ジホモ−γ−リノレン酸の標品と本サン
プルを混合してキャピラリーガスクロマトグラフィー
(カラム:PEG20M)で分析したところ、ジホモ−γ−リ
ノレン酸画分のピークが大きくなった。また、本サンプ
ルを硝酸銀含浸薄層クロマトグラフィーによりトリエン
画分を分取した。この画分にはγ−リノレン酸とジホモ
−γ−リノレン酸が含まれていた。分取したトリエン画
分から液体クロマトグラフィー(カラム:ODS)によりジ
ホモ−γ−リノレン酸を分取した。このジホモ−γ−リ
ノレン酸をピコリニル誘導体化し、キャピラリーガスマ
ススペクトラムにより同定した。その結果、Δ8,11,14
エイコサトリエン酸、すなわちジホモ−γ−リノレン酸
であることが確認された。
実施例1 比較例1と同様の培地を作成し、これに第2表に示し
た所定量のクルクミンを添加した。添加方法は、所定量
のクルクミンをエタノールに溶解したものを500mlフラ
スコに入れ、さらに16%γ−リノレン酸含有油3gを加
え、窒素気流下でエタノールをとばしてクルクミンを油
に混合した後、ここに第1表に示した培地を100ml加え
て培地を作成した。この培地を滅菌後、コニディオボラ
ス・ナノデスCBS183/62を接種し、30℃で4日間振とう
培養した。培養終了後、比較例1と同様の方法で菌体内
脂質の脂肪酸組成を分析した。この結果を第2表に示
す。
た所定量のクルクミンを添加した。添加方法は、所定量
のクルクミンをエタノールに溶解したものを500mlフラ
スコに入れ、さらに16%γ−リノレン酸含有油3gを加
え、窒素気流下でエタノールをとばしてクルクミンを油
に混合した後、ここに第1表に示した培地を100ml加え
て培地を作成した。この培地を滅菌後、コニディオボラ
ス・ナノデスCBS183/62を接種し、30℃で4日間振とう
培養した。培養終了後、比較例1と同様の方法で菌体内
脂質の脂肪酸組成を分析した。この結果を第2表に示
す。
第2表より明らかなように、クルクミンの添加によっ
てジホモ−γ−リノレン酸の含有率が顕著に上昇し、ア
ラキドン酸の含有率が相対的に低下しており、Δ5位不
飽和化反応が特異的に阻害されていることがわかった。
てジホモ−γ−リノレン酸の含有率が顕著に上昇し、ア
ラキドン酸の含有率が相対的に低下しており、Δ5位不
飽和化反応が特異的に阻害されていることがわかった。
実施例2および比較例2 第1表に示した培地にグルコース10g/と16%γ−リ
ノレン酸油20g/を加えた培地(比較例2)および前記
比較例2の培地に実施例1と同様の方法によりクルクミ
ン0.3g/を加えた培地(実施例2)を作成し、121℃で
15分間滅菌した。この培地にコニディオボラス・ナノデ
スCBS 183/62を接種し、30℃で4日間振とう培養した。
培養終了後、比較例1と同様の方法で菌体内脂質の脂肪
酸組成を分析した。この結果を第3表に示す。
ノレン酸油20g/を加えた培地(比較例2)および前記
比較例2の培地に実施例1と同様の方法によりクルクミ
ン0.3g/を加えた培地(実施例2)を作成し、121℃で
15分間滅菌した。この培地にコニディオボラス・ナノデ
スCBS 183/62を接種し、30℃で4日間振とう培養した。
培養終了後、比較例1と同様の方法で菌体内脂質の脂肪
酸組成を分析した。この結果を第3表に示す。
実施例3 第1表に示した培地の3倍濃度の培地に16%γ−リノ
レン酸含有油を90g/加え、さらにクルクミンを実施例
1と同様の方法により0.5g/加えた培地を作成した。
この培地6を10ジャーファメンターに入れ、121℃
で15分間滅菌した。次いで、コニディオボラス・ナノデ
スCBS 183/62を第1表に示した培地に16%γ−リノレン
酸含有油30g/を加えた培地600mlで前培養したもの
を、上記ジャーファメンターに全量接種し、30℃で4日
間通気撹拌培養した。培養終了後、比較例1と同様の方
法で菌体内脂質の脂肪酸組成を分析した。その結果、ア
ラキドン酸含有率は10%,ジホモ−γ−リノレン酸含有
率は15%,ジホモ−γ−リノレン酸収量は培地1あた
り3.3gであった。
レン酸含有油を90g/加え、さらにクルクミンを実施例
1と同様の方法により0.5g/加えた培地を作成した。
この培地6を10ジャーファメンターに入れ、121℃
で15分間滅菌した。次いで、コニディオボラス・ナノデ
スCBS 183/62を第1表に示した培地に16%γ−リノレン
酸含有油30g/を加えた培地600mlで前培養したもの
を、上記ジャーファメンターに全量接種し、30℃で4日
間通気撹拌培養した。培養終了後、比較例1と同様の方
法で菌体内脂質の脂肪酸組成を分析した。その結果、ア
ラキドン酸含有率は10%,ジホモ−γ−リノレン酸含有
率は15%,ジホモ−γ−リノレン酸収量は培地1あた
り3.3gであった。
実施例4 実施例1において、添加したクルクミン量を0.7g/
としたことおよび接種した微生物をコニディオボラス・
ランプラウジェスATCC 12585としたこと以外は実施例1
と同様の操作を行なった。その結果、菌体収量は20.3g/
,油脂収量は6.0g/,ジホモ−γ−リノレン酸含有
率は9.0%,ジホモ−γ−リノレン酸収量は0.54g/,
アラキドン酸含有率は8.8%であった。
としたことおよび接種した微生物をコニディオボラス・
ランプラウジェスATCC 12585としたこと以外は実施例1
と同様の操作を行なった。その結果、菌体収量は20.3g/
,油脂収量は6.0g/,ジホモ−γ−リノレン酸含有
率は9.0%,ジホモ−γ−リノレン酸収量は0.54g/,
アラキドン酸含有率は8.8%であった。
実施例5,6および比較例3,4 第1表に示した培地に16%γ−リノレン酸含有油30g/
添加した培地(比較例3,4),第1表に示した培地に1
6%γ−リノレン酸含有油30g/およびクルクミン0.5g/
添加した培地(実施例5,6)を作成し、これらの培地
にモルティエレラ・アルピナIFO 8568またはモルティエ
レラ・エロンガータIFO 8570を接種し、20℃で第4表に
示した所定日数振とう培養した。培養終了後、比較例1
と同様の方法で菌体内脂質の脂肪酸組成を分析した。こ
の結果を第4表に示す。
添加した培地(比較例3,4),第1表に示した培地に1
6%γ−リノレン酸含有油30g/およびクルクミン0.5g/
添加した培地(実施例5,6)を作成し、これらの培地
にモルティエレラ・アルピナIFO 8568またはモルティエ
レラ・エロンガータIFO 8570を接種し、20℃で第4表に
示した所定日数振とう培養した。培養終了後、比較例1
と同様の方法で菌体内脂質の脂肪酸組成を分析した。こ
の結果を第4表に示す。
表より明らかなように、モルティエレラ属微生物を用
いた場合においてもアラキドン酸よりもジホモ−γ−リ
ノレン酸含有率の高い油脂を得ることができた。
いた場合においてもアラキドン酸よりもジホモ−γ−リ
ノレン酸含有率の高い油脂を得ることができた。
本発明によれば、微生物菌体内のアラキドン酸含有率
を下げ、ジホモ−γ−リノレン酸含有率を上げることが
できるので、ジホモ−γ−リノレン酸を効率よく安価に
大量生産できる。また、本発明によれば脂肪酸のΔ5位
不飽和化反応を定コストに抑制することができる。得ら
れたジホモ−γ−リノレン酸は医薬,生化学用試薬とし
て有用である。
を下げ、ジホモ−γ−リノレン酸含有率を上げることが
できるので、ジホモ−γ−リノレン酸を効率よく安価に
大量生産できる。また、本発明によれば脂肪酸のΔ5位
不飽和化反応を定コストに抑制することができる。得ら
れたジホモ−γ−リノレン酸は医薬,生化学用試薬とし
て有用である。
Claims (2)
- 【請求項1】ジホモ−γ−リノレン酸生産能を有する微
生物を、クルクミンを添加した培地で培養し、培養物か
らジホモ−γ−リノレン酸を採取することを特徴とする
ジホモ−γ−リノレン酸の製造法。 - 【請求項2】クルクミンを主成分とする脂肪酸のΔ5位
不飽和化反応抑制剤。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18378989A JP2740854B2 (ja) | 1989-07-18 | 1989-07-18 | ジホモ―γ―リノレン酸の製造法および脂肪酸の△5位不飽和化反応抑制剤 |
US07/524,647 US5093249A (en) | 1989-05-24 | 1990-05-16 | Process for production of dihomo-γ-linolenic acid and inhibitor for unsaturation reaction at Δ5-position of fatty acid |
EP90109800A EP0399494A1 (en) | 1989-05-24 | 1990-05-23 | Process for production of dihomo-gamma-linolenic acid and inhibitor for unsaturation reaction at delta 5-position of fatty acid |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18378989A JP2740854B2 (ja) | 1989-07-18 | 1989-07-18 | ジホモ―γ―リノレン酸の製造法および脂肪酸の△5位不飽和化反応抑制剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0349688A JPH0349688A (ja) | 1991-03-04 |
JP2740854B2 true JP2740854B2 (ja) | 1998-04-15 |
Family
ID=16141959
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18378989A Expired - Fee Related JP2740854B2 (ja) | 1989-05-24 | 1989-07-18 | ジホモ―γ―リノレン酸の製造法および脂肪酸の△5位不飽和化反応抑制剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2740854B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3354581B2 (ja) | 1991-09-30 | 2002-12-09 | サントリー株式会社 | ジホモ−γ−リノレン酸及びこれを含有する脂質の製造方法 |
ES2446982T3 (es) * | 1996-12-27 | 2014-03-11 | Suntory Holdings Limited | Medios para cultivar microorganismos y método para producir ácidos grasos insaturados o lípidos que los contienen |
JP2000069987A (ja) | 1998-08-28 | 2000-03-07 | Suntory Ltd | アラキドン酸含有脂質並びにジホモ−γ−リノレン酸含有脂質の製造方法 |
JP4088097B2 (ja) | 2002-04-26 | 2008-05-21 | サントリー株式会社 | 高度不飽和脂肪酸含有脂質の製造方法 |
-
1989
- 1989-07-18 JP JP18378989A patent/JP2740854B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0349688A (ja) | 1991-03-04 |
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