JP2735668B2 - フォトクロミック成形体 - Google Patents

フォトクロミック成形体

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JP2735668B2 JP4724090A JP4724090A JP2735668B2 JP 2735668 B2 JP2735668 B2 JP 2735668B2 JP 4724090 A JP4724090 A JP 4724090A JP 4724090 A JP4724090 A JP 4724090A JP 2735668 B2 JP2735668 B2 JP 2735668B2
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智史 伊村
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、フォトクロミック作用の耐久性の優れたフ
ォトクロミック成形体に関する。
(従来技術) フォトクロミズムとは、ここ数年来注目をあつめてき
た現象であって、ある化合物に太陽光または水銀灯の光
のような紫外線を含む光を照射すると速やかに色が変わ
り、光の照射をやめて暗所におくと元の色にもどる可逆
作用のことである。この性質を有する化合物は、フォト
クロミック化合物と呼ばれ、従来から様々な構造の化合
物が合成され、提案されてきたが、その構造には特別な
共通の骨格は認められない。
本発明者らは、一連のフォトクロミック化合物につい
て研究を続けてきた結果、クロメンの骨格を有する新規
なクロメン誘導体の合成に成功し、該クロメン誘導体が
優れたフォトクロミック作用を有することを見出し、既
に提案した(特願昭63−220387号,特願平1−141206号
及び特願平1−143011号)。
(発明が解決しようとする課題) さらに、本発明者らは、上記したクロメン誘導体を熱
硬化性樹脂中に分散させ、フォトクロミックレンズに代
表されるフォトクロミック成形体を製造することについ
て研究を続けた。その結果、上記したクロメン誘導体の
樹脂中への存在のさせ方によってはクロメン誘導体のフ
ォトクロミック作用の耐久性が向上することを見出し
た。
したがって、本発明の目的は、耐久性の優れたフォト
クロミック成形体を得ることである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、 下記式[A] 但し、R1及びR2は、夫々同種又は異種のアルキル基で
あり、これらが一緒になって置換されていてもよいノル
ボルニリデン基又は置換されていてもよいビシクロ[3.
3.1]9−ノニリデン基を構成していてもよく、R3及びR
4は夫々同種又は異種の水素原子、アルキル基、アリー
ル基、アラルキル基又は置換アミノ基であり、 は置換されていてもよい芳香族炭化水素基又は置換され
ていてもよい不飽和複素環基であり、R1及びR2がアルキ
ル基のときは、 は、炭素数6〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアルコ
キシ基、 (但し、R5はアルキレン基又はO−R8 (但し、R8
はアルキレン基であり、nは正の整数である。)であ
り、R6及びR7は、夫々同種又は異種のアルキル基であ
り、Xは である。)よりなる群から選ばれた少なくとも1種の置
換基を有する二環系芳香族炭化水素基又は二環系不飽和
複素環基である。
で示されるフォトクロミック化合物 を含む平均粒径が0.01〜100μmの樹脂粒子が熱硬化性
樹脂中に分散されてなるフォトクロミック成形体であ
る。
本発明におけるフォトクロミック化合物は、前記一般
式〔A〕で示されるクロメン誘導体である。
前記一般式〔A〕中、R1及びR2は、夫々同種又は異種
のアルキル基である。アルキル基の炭素数は特に制限さ
れるものではないが、前記一般式〔A〕で示される化合
物のフォトクロミック性の点から、炭素数は1〜3であ
ることが好ましく、特に1であることが好ましい。アル
キル基を具体的に示せば、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基等が挙げられる。
また、前記一般式〔A〕中のR1およびR2は、一緒にな
って環を形成し、置換されていてもよいノルボルニリデ
ン基または置換されていてもよいビシクロ〔3.3.1〕9
−ノニリデン基を構成していてもよい。
ノルボルニリデン基は、下記式 で表わされ、また、ビシクロ〔3.3.1〕9−ノニリデン
基は、下記式 で表わされる。これらノルボルニリデン基またはビシク
ロ〔3.3.1〕9−ノニリデン基は、上記式の水素原子が
置換基により置換されていてもよい。置換基の数は1個
またはそれ以上であってもよく、好ましくは1〜3個で
ある。置換基を有する場合、その種類、数および位置
は、目的および用途によって選択すれば良い。また、複
数の置換基を有する場合、同一の置換基であってもよ
く、また異種の置換基であってもよい。
上記のノルボルニリデン基またはビシクロ〔3.3.1〕
9−ノニリデン基の置換基としては、例えば、フッ素、
塩素、シュウ素等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;シ
アノ基;ニトロ基;カルボキシル基;メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル
基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基等の炭素数1〜4のアルコキシ基;トリフルオロメチ
ル基等の炭素数1〜4のハロゲノアルキル基;フェニル
基、トリル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール
基;フェニルオキシ基、トリルオキシ基、ナフチルオキ
シ基等の炭素数6〜10のアリールオキシ基;ベンジル
基、フェネチル基、フェニルプロピル基等の炭素数7〜
10のアラルキル基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキ
シ基、フェニルプロピルオキシ基等の炭素数7〜10のア
ラルコキシ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基等の炭
素数1〜4のアルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジ
エチルアミノ基等の炭素数2〜8のジアルキルアミノ
基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の
炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基等を挙げること
ができる。
これらの置換基の好ましい例は、ハロゲン原子、シア
ノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアル
コキシ基、炭素数1〜4のハロゲノアルキル基、炭素数
6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭
素数2〜8のジアルキルアミノ基である。
前記一般式〔A〕におけるR3およびR4は、それぞれ同
一または異なり、水素原子、アルキル基、アリール基、
アラルキル基または置換アミノ基である。
ここで、置換アミノ基は、アルキルアミノ基、ジアル
キルアミノ基、または、少なくとも1個の窒素原子を含
むかまたは窒素原子と酸素原子若しくはイオウ原子とを
含む4〜7員環の単環飽和複素環から導かれる1価の基
が挙げられる。上記の4〜7員環の単環飽和複素環は、
下記式で表わされる。
上記式において、R9はテトラメチレン基、ペンタメチ
レン基などの炭素数3〜6のアルキレン基; −CH2OCH2CH2−、−CH2CH2OCH2CH2− −CH2O(CH2
−、などの炭素数3〜6のオキシアルキレン基;−CH2S
CH2CH2−、−CH2S(CH2−、−CH2CH2SCH2CH2−など
の炭素数3〜6のチオアルキレン基; などの炭素数3〜6のアゾアルキレン基等が好適に採用
される。
R3およびR4で示される各基を具体的に例示すれば、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜20のアルキル
基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等の炭素数6〜
10のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、フェニル
プロピル基、フェニルブチル基等の炭素数7〜10のアラ
ルキル基が挙げられる。また、置換アミノ基としては、
メチルアミノ基、エチルアミノ基等の炭素数1〜4のア
ルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基
等の炭素数2〜8のジアルキルアミノ基;ピロリジン
環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チア
ゾリン環等の少くとも1個の窒素原子を含むかまたは窒
素原子と酸素原子若しくはイオウ原子とを含む4〜7員
環の単環飽和複素環から導かれる1価の基などが挙げら
れる。
これらの中でも、R3およびR4は、水素原子、炭素数1
〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数
7〜10のアラルキル基、炭素数2〜8のジアルキルアミ
ノ基、2個までの窒素原子を含むかまたは窒素原子1個
と酸素原子若しくはイオウ原子のいずれか1個とを含む
5員環または6員環の単環飽和複素環から導かれる1価
の基が好ましい。R3又はR4の各基を選択することによ
り、一般式〔A〕の化合物の退色速度を変えることがで
きる。例えば、R3及びR4がアルキル基の場合、恐らく、
その発色状態のトランス型をとりにくくなる為だと思わ
れるが、速い退色速度が得られる。又、R3が置換アミノ
基の場合は、発色状態のトランス型が共鳴によって安定
化され、濃い発色濃度が得られる反面、退色速度が少し
遅くなるという特徴がある。さらに、R3及びR4がともに
水素原子である化合物は特に濃く発色し、しかも退色速
度が速いという特長を有する。
次に、本発明における前記一般式〔A〕において、 は、それぞれ置換基を有していてもよい2価の芳香族炭
化水素基または2価の不飽和複素環基である。芳香族炭
化水素基としては、炭素数6〜18個好ましくは炭素数6
〜14個を有するものである。特に、ベンゼン環1個また
は、その2〜4個の縮合環から導かれる2価の基が好ま
しい。このような芳香族炭化水素基を形成する環の例と
しては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナン
トレン環等が挙げられる。
また、不飽和複素環基としては、窒素原子、酸素原
子、イオウ原子を1〜2個含む5員環または6員環の単
環複素環基、またはこれらにベンゼン環が縮合した縮合
複素環基が示される。このような不飽和複素環基を形成
する環としては、例えば、ピリジン環、キノリン環、ピ
ロール環などの含窒素複素環;フラン環、ベンゾフラン
環などの含酸素複素環;チオフェン環、ベンゾチオフェ
ン環などの含イオウ複素環が挙げられる。
上記した で示される芳香族炭化水素基または不飽和複素環基に
は、多くとも5個、好ましくは3個までの置換基が含有
されていてもよい。このような置換基の例としては、フ
ッ素、塩素、シュウ素等のハロゲン原子;ヒドロキシル
基;シアノ基;ニトロ基;メチル基;エチル基、プロピ
ル基、ブチル基等の炭素数1〜20のアルキル基;メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素
数1〜20のアルコキシ基;フェニル基、トリル基、ナフ
チル基等の炭素数6〜10のアリール基;メチルアミノ
基、エチルアミノ基等の炭素数1〜4のアルキルアミノ
基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の炭素数2
〜8のジアルキルアミノ基;トリフルオロメチル基等の
炭素数1〜4のハロゲノアルキル基;チエニル基、フリ
ル基、ピロリル基、ピリジル基等のイオウ原子、酸素原
子、窒素原子を1〜2個含む5員環または6員環の単環
複素環基、さらに、後述する−R5−S−R6または などを挙げることができる。
上記したR1およびR2が一緒になって環を形成し、置換
されていてもよいノルボルニリデン基または置換されて
いてもよいビシクロ〔3.3.1〕9−ノニリデン基を構成
している場合は、 は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ
基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコ
キシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜8のジ
アルキルアミノ基、炭素数1〜4のハロゲノアルキル基
及び単環複素環基よりなる群から選ばれた少くとも1個
によって、それぞれの場合に置換されていてもよい2価
の芳香族炭化水素基または2価の不飽和複素環基である
のが好ましい。
また、上記 は、上記した各置換基の1〜3個によってそれぞれの場
合に置換されていてもよいベンゼン環、若しくはベンゼ
ン環2〜4個の縮合環から導かれる2価の基、または、
酸素原子、イオウ原子、窒素原子を1〜2個含む5員環
若しくは6員環の単環複素環またはこれらにベンゼン環
が縮合した縮合複素環から導かれる2価の基であること
が好ましい。
さらにまた、 は、上記した各置換基の1〜3個によってそれぞれの場
合に置換されていてもよいベンゼン環、ナフタレン環、
フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ピロール
環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾ
チオフェン環であることが好ましい。
前記一般式〔A〕において、R1およびR2がアルキル基
のときは、 は、炭素数6〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアルコ
キシ基、−R5−S−R6および (但し、R5はアルキレン基またはO−R8 (但し、
R8はアルキレン基であり、nは正の整数である。)であ
り、R6およびR7は、夫々同種または異種のアルキル基で
あり、Xは、−N<,−P<, である。)よりなる群から選ばれた少くとも1種の置換
基を有する二環系芳香族炭化水素基または二環系不飽和
複素環基である。
二環系芳香族炭化水素基または二環系不飽和複素環基
の置換基である炭素数6〜20のアルキル基としては、ヘ
キシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,デシル
基、ウンデシル基,ドデシル基,トリデシル基,ペンタ
デシル基,オクタデシル基,エイコシル基等が挙げられ
る。
さらに、二環系芳香族炭化水素基または二環系不飽和
複素環基の置換基である炭素数6〜20のアルコキシ基と
しては、ヘキシルオキシ基,ヘプチルオキシ基,オクチ
ルオキシ基,ノニルオキシ基,デシルオキシ基,ウンデ
シルオキシ基,ドデシルオキシ基,ペンタデシルオキシ
基,オクタデシルオキシ基,エイコシルオキシ基等が挙
げられる。
さらにまた、二環系芳香族炭化水素基または二環系不
飽和複素環基の他の置換基は、−R5−S−R6及び (但し、R5はアルキレン基又はO−R8 (但し、R8
はアルキレン基であり、nは正の整数である。)であ
り、R6及びR7は、夫々同種又は異種のアルキル基であ
り、Xは である。)である。これら二つの置換基のR5及びR8で示
されるアルキレン基は、炭素数に特に制限されず、一般
には1〜20の範囲から選ばれるが、得られるクロメン誘
導体のフォトクロミック材としての耐久性を勘案する
と、その炭素数は6〜20の範囲であることが好ましい。
アルキレン基の具体例としては、メチレン基,エチレン
基,プロピレン基,トリメチレン基,テトラメチレン
基,ペンタメチレン基,ヘキサメチレン基,ヘプタメチ
レン基,オクタメチレン基,ノナメチレン基,デカメチ
レン基,ウンデカメチレン基,ドデカメチレン基,トリ
デカメチレン基,ペンタデカメチレン基,オクタデカメ
チレン基,エイコサメチレン基等が挙げられる。また、
R5で示されるO−R8 のnは正の整数であればよい
が、一般にはO−R8 で示される鎖の炭素数が1〜
20、好ましくは6〜20となるように選択することが好ま
しく、このためには、nは一般には1〜20の範囲から選
択される。
さらに、R6及びR7で示されるアルキル基の炭素数は特
に制限されないが、得られるクロメン誘導体のフォトク
ロミック材としての退色速度の点からは1〜4の範囲で
あることが好ましい。
上記した各種の置換基は、二環系芳香族炭化水素基ま
たは二環系不飽和複素環基に最大6個まで置換し得る
が、製造の容易さ等の理由により、通常は1〜3個の範
囲で置換していることが好ましい。
上記した各種の置換基で置換される二環系芳香族炭化
水素基又は二環系不飽和複素環基は、前記した芳香族炭
化水素基又は不飽和複素環基の中で、5員環または6員
環が2個縮合したものが採用される。就中、縮合の位置
として、クロメンの7,8位に芳香環が縮合したクロメン
誘導体は、特に発色濃度が濃いためにフォトクロミック
材として好適に用いられる。
二環系芳香族炭化水素基または二環系不飽和複素環基
の置換基が炭素数6〜20のアルキル基又は炭素数6〜20
のアルコキシ基を含む場合には、得られるクロメン誘導
体は耐久性に優れたフォトクロミック材となる。一方、
二環系芳香族炭化水素基または二環系不飽和複素環基の
置換基が を含む場合には、得られるクロメン誘導体は退色速度の
速いフォトクロミック材となる。
本発明における前記一般式〔A〕で示されるクロメン
誘導体は、一般に黄〜赤に発色する。従って、本発明の
フォトクロミック成形体を装飾品等の用途に用いる場合
には前記一般式〔A〕の化合物を単独で用いてもよい。
また、本発明のフォトクロミック成形体をサングラス等
の用途に用いる場合には、発色色調が一般にブラウンや
グレーが好まれているため、他のフォトクロミック化合
物と併用して色調を調整することが好ましい。他のフォ
トクロミック化合物としては、一般にフルギド化合物ま
たはフルギミド化合物と呼ばれているものが、前記一般
式〔A〕の化合物との併用によりブラウンやグレーの色
調に調整可能であるために本発明において好適に用いら
れる。上記フルギド化合物またはフルギミド化合物の使
用量は、必要とする色調に応じて適宜選べばよく、一般
にブラウンやグレーの色調とするためには、一般式
〔A〕の化合物100重量部に対して0.01〜10000重量部、
好ましくは0.05〜200重量部の範囲から選択するのがよ
い。
上記のフルギド化合物は、下記式 で示される構造を有し、フォトクロミック性を有する化
合物が何ら制限なく採用される。また、フルギミド化合
物は、下記式 で示される構造を有し、フォトクロミック性を有する化
合物が何ら制限なく採用される。
本発明においては、フルギド化合物又はフルギミド化
合物としては、下記式で示される化合物が一般に用いら
れる。
式中 は、それぞれ置換基を有していてもよい2価の芳香族炭
化水素基または2価の不飽和複素環基 R1は、それぞれ置換基を有していてもよい1価の炭化
水素基または1価の複素環基 は、それぞれ置換基を有していてもよいノルボルニリデ
ン基またはアダマンチリデン基 Xは、酸素原子、 基N−R2 基N−A1−B1−(A2 (B2 nR3 基N−A3−A4または 基N−A3−R4を示す。
前記一般式〔I〕において、 の基は、芳香族炭化水素基または不飽和複素環基であっ
て、これらの基は多くとも5個、好ましくは3個までの
置換基を有していてもよい。芳香族炭化水素基として
は、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜14個を有する
ものであり、かかる芳香族炭化水素環を形成する環の例
としては、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナンスレン
環が挙げられる。
また、不飽和複素環基としては、窒素原子、酸素原子
および硫黄原子の如きヘテロ原子の少なくとも1種を1
個含む5員環または6員環の単環複素環基或いはこれら
にベンゼン環またはシクロヘキセン環が縮合した形の縮
合複素環基が示される。かかる複素環基を形成している
環としては、例えばピロール環、ピリジン環、キノリン
環、イソキノリン環などの含窒素複素環;フラン環、ベ
ンゾフラン環、ピラン環などの含酸素複素環;チオフェ
ン環、ベンゾチオフェン環などの含硫黄複素環が挙げら
れる。
前述したように、 で示される芳香族炭化水素基または不飽和複素環基に
は、多くとも5個、好ましくは3個までの置換基が含有
されていてもよい。かかる置換基の例としては、フッ
素、塩素、臭素、沃素の如きハロゲン原子;ヒドロキシ
ル基,シアノ基;ニトロ基;アミノ基;カルボキシル
基;メチルアミノ基;ジエチルアミノ基の如き炭素数1
〜4のアルキルアミノ基;メチル基、エチル基、プロピ
ル基、t−ブチル基の如き炭素数1〜4の低級アルキル
基;トリフルオロメチル基、2−クロロエチル基などの
ハロゲン原子を1〜3個有するハロゲン化低級アルキル
基;メトキシ基、エトキシ基、t−ブトキシ基の如き炭
素数1〜4の低級アルコキシ基;フェニル基、ナフチル
基、トリル基の如き炭素数6〜10のアリール基;フェノ
キシ基、1−ナフトキシ基の如き炭素数6〜14のアリー
ルオキシ基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニル
プロピル基の如き炭素数7〜15のアラルキル基;ベンジ
ルオキシ基、フェニルプロポキシ基の如き炭素数7〜15
のアラルコキシ基および炭素数1〜4のアルキルチオ基
などが挙げられる。これらの置換基は、同種であっても
異種であってもよく、また位置は特に制限されない。
上記 は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭
素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のアルキル
基及び炭素数1〜4のアルコキシ基よりなる群から選ば
れた原子または基の少なくとも1個によって、それぞれ
の場合に置換されていてもよい2価の芳香族炭化水素基
または2価の不飽和複素環基であるのが好ましい。
また、上記 が、上記した各置換基の1〜3個によってそれぞれの場
合に置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール基ま
たは窒素原子、酸素原子及び硫黄原子を1個含有する5
員環または6員環の単環複素環基或いは該複素環基にベ
ンゼン環またはシクロヘキセン環が縮合した縮合複素環
基であるのは一層好ましい。
さらに上記 が、2価のベンゼン環、複素原子を1個含有する5員環
または6員環の単環複素環またはこの複素環にベンゼン
環或いはシクロヘキセン環が縮合した形の縮合複素環で
あるものが好ましい。これらベンゼン環、単環複素環ま
たは縮合複素環には、前記した置換基が1〜2個含まれ
ているものも同様に好ましい態様である。
前記一般式〔I〕におけるR1は、それぞれ置換基を有
していてもよい1価の炭化水素基または1価の複素環基
である。
かかるR1の炭化水素基としては脂肪族、脂環族または
芳香族炭化水素のいずれであってもよいが、具体例とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の如
き炭素数1〜20、好ましくは1〜6のアルキル基;フェ
ニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基の如き炭素
数6〜14のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル
基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基の如き炭素
数1〜10、好ましくは1〜4のアルキレン基を有するア
ラルキル基が好適である。
またR1の複素環基としては、窒素原子、酸素原子およ
び硫黄原子の如きヘテロ原子の少なくとも1種を1〜3
個、好ましくは1または2個含む5員環または6員環の
単環複素環基或いはこれにベンゼンが縮合した縮合複素
環基が好ましい。かかる複素環基の具体例としては、前
の定義において説明した不飽和複素環基の例示の他にさ
らに飽和のピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン
環、ピロリジン環、インドリン環、クロマン環などの飽
和複素環基を挙げることができる。
前記したR1の炭化水素基または複素環基には置換基を
有していても特に差支えない。かかる置換基は、炭化水
素基または複素環基に対し、多くとも5個、好ましくは
3個まで含有することが好ましく、置換基の具体例とし
ては、前記 において説明したものと同じ置換基を例示することがで
きる。
上記R1として好ましいのは、ハロゲン原子、炭素数1
〜4のアルコキシ基またはフェニル基で置換されていて
もよい炭素数1〜20のアルキル基;ハロゲン原子または
炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよい炭
素数6〜10のアリール基;または窒素原子、炭素原子及
び硫黄原子を1〜3個、殊に1個含有する5員環または
6員環の単環複素環基或いは該複素環基にベンゼン環が
縮合した縮合複素環基、殊に単環複素環基である。
さらに上記R1として特に好ましいのは、炭素数1〜6
のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基または炭素
数6〜10のアリール基である。
本発明における前記一般式〔I〕において、 は、それぞれ置換基を有していてもよいノルボルニリデ
ン基またはアダマンチリデン基を意味する。ここでノル
ボルニリデン基は下記式 で表わされ、またアダマンチリデン基は下記式で表わさ
れる。
上記式は、いずれも置換基を有さないノルボルニリデ
ン基およびアダマンチリデン基の骨格構造を示したもの
である。これらノルボルニリデン基またはアダマンチリ
デン基は、上記式の水素原子が置換基により置換されて
いてもよく、その数は1個またはそれ以上であってもよ
い。置換基を有する場合、その種類、数及び位置は、目
的および用途によって任意に選択される。また複数の置
換基を有する場合、同一の置換基であってもよく、また
異種の置換基であってもよい。
上記ノルボルニリデン基またはアダマンチリデン基の
置換基としては、例えば、ヒドロキシ基;メチルアミノ
基、ジエチルアミノ基等の炭素数1〜4のアルキルアミ
ノ基;メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等の
炭素数1〜4のアルコキシ基;ベンジルオキシ基等の炭
素数7〜15のアラルコキシ基;フェノキシ基、1−ナフ
トキシ基等の炭素数6〜14のアリールオキシ基;メチル
基、エチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4の低級ア
ルキル基;フッ素、塩素、シュウ素等のハロゲン原子;
シアノ基;カルボキシル基;エトキシカルボニル等の炭
素数2〜10のアルコキシカルボニル基;トリフルオロメ
チル基等の炭素数1または2のハロゲン置換アルキル
基;ニトロ基;フェニル基、トリル基等の炭素数6〜10
のアリール基;フェニルエチル基、フェニルプロピル基
等の炭素数7〜9のアラルキル基等が挙げられる。
これら置換基の好ましい例としては、ハロゲン原子、
ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜
4のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニ
ル基、炭素数7〜9のアラルキル基または炭素数6〜10
のアリール基である。
本発明における前記一般式〔I〕においてXは、 酸素原子(−O−)、基N−R2、 基N−A1−B1−(A2 (B2 nR3、 基N−A3−A4または基N−A3−R4を示す。
また、一般式〔I〕において、Xが 基N−A1−B1−(A2 (B2 nR3、 基N−A3−A4または基N−A3−R4、特に 基N−A3−R4または 基N−A1−B1−(A2 (B2 nR3(但し、R3はハロ
ゲン原子、シアノ基およびニトロ基よりなる群から選ば
れた1〜3個の原子又は置換されていてもよい炭素数1
〜10のアルキル基である。)であるのが、得られる化合
物のフォトクロミック性の耐久性の点からより好まし
い。
一般式〔I〕中のXが、上記した 基N−A1−B1−(A2 (B2 nR3のうち、R3がナフ
チル基またはナフチルアルキル基である場合、および基
N−A3−A4である場合は、R3又はR4で示されるナフチ
ル基とイミド基(N−)との間にはさまれた主鎖の原
子数が3〜7個の範囲であることが、フォトクロミック
作用の耐久性に優れた化合物が得られるために好まし
い。
次に、上記XにおけるR2、R3、R4、A1、A2、A3、A4
B1、B2、mおよびnの定義について詳細に説明する。
R2は、水素原子、アルキル基またはアリール基を示
し、該アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、n−、iso−またはtert−ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが
挙げられるが、これらの中で炭素数1〜20のもの、さら
に炭素数が1〜10のものが好ましい。また該アリール基
としては、例えばフェニル基、トリル基またはナフチル
基等の炭素数6〜10のものが挙げられる。
A1、A2およびA3は、互いに同一であってもよく異なっ
ていてもよく、アルキレン基、アルキリデン基、シクロ
アルキレン基またはアルキルシクロアルカン−ジイル基
であることができる。これらの具体例としては、例え
ば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン
基、トリメチレン基、テトラメチレン基または2,2−ジ
メチルトリメチレン基などの炭素数1〜10のアルキレン
基;エチリデン基、プロピリデン基またはイソプロピリ
デン基などの炭素数2〜10のアルキリデン基;シクロヘ
キシレン基の如き炭素数3〜10のシクロアルキレン基;2
−メチルシクロヘキサン−α、1−ジイル基 4−メチルシクロヘキサン−α、1−ジイル基 の如き炭素数6〜10のアルキルシクロアルカン−ジイル
基が挙げられる。A1およびA2としては、特に炭素数1〜
6のアルキレン基、炭素数2〜6のアルキリデン基、炭
素数3〜6のシクロアルキレン基、炭素数6〜7のアル
キルシクロアルカン−ジイル基が好ましい。
B1およびB2は、互いに同一であってもよく、また異な
っていてもよく、下記群の7つの結合基から選ばれる。
mおよびnは、それぞれ独立して0または1を示す
が、0を示すときはA2 またはB2 は、結合手
を意味する。また、mが0の時はnも0を表わす。
R3は、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル
基、ナフチル基またはナフチルアルキル基を示す。上記
のアルキル基の炭素数は特に制限されないが、1〜10で
あることが好ましく、また、ナフチルアルキル基のアル
キル基の炭素数は1〜4が好ましい。
上記した各基の置換基は特に制限されないが、上記ア
ルキル基は、ハロゲン原子、シアノ基およびニトロ基よ
りなる群から選ばれた1〜3個の原子または基で置換さ
れていてもよく、また上記ナフチル基またはナフチルア
ルキル基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数
1〜3のアルキルアミノ基、炭素数1〜3のアルキル基
及び炭素数1〜3のアルコキシ基よりなる群から選ばれ
た1〜3個の原子または基で置換されていてもよい。上
記のR3で示されるアルキル基としては、前記R2において
例示したアルキル基と同様のものを使用することができ
る。またナフチルアルキル基としては、ナフチルメチル
基、ナフチルエチル基、ナフチルプロピル基またはナフ
チルブチル基等を挙げることができる。
A4は、置換基を有していてもよいナフチル基を示す。
置換基の種類は特に制限されないが、該ナフチル基はハ
ロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜3のアル
キルアミノ基、炭素数1〜3のアルキル基および炭素数
1〜3のアルコキシ基よりなる群から選ばれた1〜3個
の原子または基で置換されていてもよい。またR4はハロ
ゲン原子、シアノ基またはニトロ基を表わす。
前記したR3およびA4の定義において、ハロゲン原子と
してはフッ素、塩素または臭素を挙げることができる。
前記したフォトクロミック化合物は、平均粒径が0.01
〜100μm、好ましくは0.1〜20μmの樹脂粒子中に含ま
れる。樹脂粒子の平均粒径が0.01μmより小さいものは
製造が困難であり、また、100μmよりも大きいもの
は、後述する熱硬化性樹脂中に分散させたときに、色相
のむらが生じるために好ましくない。
樹脂粒子を構成する樹脂の種類は、熱可塑性樹脂およ
び熱硬化性樹脂のいずれでもよく、後述する熱硬化性樹
脂の原料モノマーに溶解しないものであれば公知の樹脂
が何ら制限なく採用される。
例えば、スチレン、クロルスチレン、メチルスチレ
ン、ビニルナフタレン等のラジカル重合性ビニル化合物
の重合体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等の
アクリル酸やメタクリル酸のエステル化合物の重合体;
ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィンの重
合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリウレタン;フェ
ノール−ホルムアルデヒド樹脂;メラミン樹脂等の任意
の樹脂が用いられる。
特に、樹脂粒子径が0.4〜100μmの範囲の場合には透
明性の良好な樹脂を用いることが好ましい。また、後述
する熱硬化性樹脂の屈折率との差が0.02以下である樹脂
を用いることが得られるフォトクロミック成形体の透明
性の点から好ましい。
フォトクロミック化合物を含む樹脂粒子の製造におい
て、フォトクロミック化合物と樹脂の割合は、目的とす
るフォトクロミック成形体の発色濃度に応じて決定すれ
ばよいが、一般には、樹脂100重量部に対してフォトク
ロミック化合物を0.001〜60重量部、特に0.1〜40重量部
の範囲とすることが好ましい。
フォトクロミック化合物を含む樹脂粒子の製造方法は
何ら制限されるものではないが、例えば、次のような方
法を挙げることができる。
熱可塑性樹脂とフォトクロミック化合物とを熱可塑
性樹脂の融点以上の温度で溶融混練し、その後粉砕する
方法。
熱可塑性樹脂を適当な溶媒に溶解してこれにフォト
クロミック化合物を混合した後、溶媒を蒸発等により除
去し、残った樹脂膜を粉砕する方法。
熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の原料モノマーと
フォトクロミック化合物とを混合し、その後に重合し、
必要により粉砕する方法。
乳化重合や懸濁重合によると平均粒径が0.01〜100μ
mの樹脂粒子を得ることができるために粉砕を行なう必
要がないこともある。
マイクロカプセル化による方法。
マイクロカプセル化としては、公知の手法が使用で
き、界面重縮合法(特開昭61−33230号公報)、in Situ
(イン−シチュ)法(特開昭51−44708号公報)、液中
硬化被覆法、有機溶液からの相分離法、融解分散冷却
法、気中懸濁被覆法、スプレードライ法などが好適に使
用できる。
こうして得られたフォトクロミック化合物を含む樹脂
粒子は、熱硬化性樹脂中に分散される。
熱硬化性樹脂としては、エチレングリコールジアクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチ
レングリコールビスグリシジルメタクリレート、ビスフ
ェノールAジメタクリレート、2,2−ビス(4−メタク
リロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,3−ビ
ス(3,5−ジブロモ−4−メタクリロイルオキシエトキ
シフェニル)プロパン等の多価アクリル酸及び多価メタ
クリル酸エステル化合物;ジアクリルフタレート、ジア
リルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、酒石酸
ジアリル、エポキシコハク酸ジアリル、ジアルリフマレ
ート、クロレンド酸ジアリル、ヘキサフタル酸ジアリ
ル、ジアリルカーボネート、アリルジグリコールカーボ
ネート、トリメチロールプロパントリアリルカーボネー
ト等の多価アリル化合物;1,2−ビス(メタクリロイルチ
オ)エタン、ビス(2−アクリロイルチオエチル)エー
テル、1,4−ビス(メタクリロイルチオメチル)ベンゼ
ン等の多価チオアクリル酸及び多価チオメタクリル酸エ
ステル化合物;ジビニルベンゼン等のラジカル重合性多
官能単量体の重合体:又はこれらの各単量体とアクリル
酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン
酸;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート等のアクリル酸及びメタクリル酸
エステル化合物;フマル酸ジエチル、フマル酸ジフェニ
ル等のフマル酸エステル化合物;メチルチオアクリレー
ト、ベンジルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリ
レート等のチオアクリル酸及びチオメタクリル酸エステ
ル化合物;スチレン、クロルスチレン、メチルスチレ
ン、ビニルナフタレン、ブロモスチレン等のビニル化合
物等のラジカル重合性単官能単量体との共重合体:さら
にはエタンジチオール、プロパントリオール、ヘキサン
ジチオール、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリ
コレート、ジ(2−メルカプトエチル)エーテル等の多
価チオール化合物と前記のラジカル重合性多官能単量体
との付加共重合体:ジフェニルエタンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイ
ソシアネート等の多価イソシアネート化合物とエチレン
グリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、ビスフェノールA等の多価アルコール化合物又
は前記した多価チオール化合物との付加重合体等があげ
られる。これらの単量体は1種又は2種以上を混合して
使用できる。
上記した熱硬化性樹脂中へのフォトクロミック化合物
を含む樹脂粒子の分散は、熱硬化性樹脂の原料モノマー
とフォトクロミック化合物を含む樹脂粒子とを混合した
のちに重合する方法が一般に採用される。
熱硬化性樹脂中に分散させるフォトクロミック化合物
を含む樹脂粒子の添加量は、該熱硬化性樹脂100重量部
に対して0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部であ
る。
本発明のフォトクロミック成形体中のフォトクロミッ
ク化合物を分散して含む樹脂層の紫外線安定剤を配合す
ることにより更にフォトクロミック性の耐久性を向上さ
せることができる。紫外線安定剤としては、各種のプラ
スチックに添加されている公知の紫外線安定剤が何ら制
限なく使用し得る。
本発明において、フォトクロミック化合物の耐久性の
向上を勘案すると、各種の紫外線安定剤の中でも、一重
項酸素消光剤、ヒンダードアミン光安定剤、ヒンダード
フェノール酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好適に使
用される。これらの紫外線安定剤をより具体的に例示す
るとシアソーブUV1084、シアソーブ3346(以上アメリカ
ンサイアナミド社製)、UV−チェクAM101、UV−チェクA
M105(以上フェロコーポレーション社製)、イルガスタ
ブ2002、チヌビン765、チヌビン144、キマリーブ944、
チヌビン622、イルガノックス1010、イルガノックス245
(以上チバガイギー社製)、ライレックスNBC(デュポ
ン社製)、シアソーブ3346(アメリカンサイアナミド社
製)、サノールLS−1114、サノールLS−744、サノールL
S−2626(以上三共(株)社製)、スミライザーGA−8
0、スミライザーGM、スミライザーBBM−S、スミライザ
ーWX−R、スミライザーS、スミライザーBHT、スミラ
イザーTP−D、スミライザーTPL−R、スミライザーTP
S、スミライザーMB(以上住友化学社製)、マークAO−5
0、マークAO−20、マークAO−30、マークAO−330、マー
クAO−23(以上アデカ・アーガス社製)、アンチオキシ
ダントHPM−12(S.F.O.S社製)等があげられる。尚、上
記の名称はいずれも商品名である。
(効果) 本発明のフォトクロミック成形体は、フォトクロミッ
ク化合物の樹脂中への存在のさせ方によってフォトクロ
ミック化合物の耐久性が向上するものである。
従って、本発明のフォトクロミック成形体は、広範囲
の分野に利用でき、例えば、銀塩感光材料に代る各種の
記録記憶材、複写材料、印刷用感光体、陰極線管用記録
材料、レーザー用感光材料などの種々の記録材料として
利用できる。その他、本発明のフォトクロミック成形体
はフォトクロミックレンズ材料、光学ファルター材料、
ディスプレイ材料光量計、装飾などの材料としても利用
できる。
(実施例) 以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。実施例中の「部」は「重量部」である。
なお、以下の実施例における記号は次の化合物を示
す。
・BMDBP :2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエト
キシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン ・Cl−St :クロルスチレン ・TMP−TAC:トリメチロールプロパントリアリルカーボ
ネート ・BADBP :2,2−ビス(4−アリルカーボネートエトキ
シ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン ・ADC :アリルジグリコールカーボネート ・DAP :ジアリルフタレート ・St :スチレン ・DCIPF :ジ(2−クロルイソプロピル)フマレート ・EGDMA :エチレングリコールジメタクリレート ・PETTP :ペンタエリスリトールテトラキス(β−チ
オプロピオネート) ・DME :ジ(2−メルカプトエチル)エーテル ・DVB :ジビニルベンゼン ・XIC :キシリレンジイソシアネート ・HPA :3−(2,4−ジブロモフェノキシ)−2ヒド
ロキシプロピルアクリレート ・MMA :メチルメタクリレート ・DEGDMA :ジエチレングリコールジメタクリレート ・TBBM :3,4,5−トリブロモベンジルメタクリレート ・HEME :2−ヒドロキシエチルメタクリレート ・BMA :ベンジルメタクリレート ・IPP :ジイソプロピルパーオキシカーボネート ・パーブチルND:(日本油脂(株)製)t−ブチルパー
オキシ−2−ヘキサネート ・SBC :セバシン酸ジクロライド ・TMC :トリメシン酸トリクロライド ・TPC :テレフタル酸ジクロライド ・TMDI :トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト ・HMDI :ヘキサメチレンジイソシアネート ・IPDI :イソホロンジイソシアネート ・EDA :エチレンジアミン ・HMDA :ヘキサメチレンジアミン ・DETA :ジエチレントリアミン ・TETA :テトラエチレンテトラミン ・コロネート3053(日本ポリウレタン工業製) :多価イソシアネート ・ミリオネートMR−104(日本ポリウレタン工業製) :多価イソシアネート ・TDI :トルエンジイソシアネート ・エピコート834(シェル石油社製) :エポキシ樹脂 ・硬化剤U(シェル石油社製) :エポキシ樹脂のアミン付加物 ・ミルペレジンSM800(昭和高分子製) :メラミン樹脂 ・サーモタイト8HSP(昭和高分子製):尿素樹脂 製造例1 1−ヒドロキシ−2−アセトナフトン10g(0.054mo
l)ノルカンファー6.6g(0.06mol)とピロリジン8g(0.
113mol)とをトルエン300ccに溶解した溶液を調製し
た。この混合物を10時間沸騰させ、水を分離した。反応
終了後、トルエンを減圧下で除去し、残ったクロマノン
化合物をアセトンで結晶化させた。次いで、このクロマ
ノン化合物をメタノール200ccに溶解させ、水素化ホウ
素ナトリウムを徐々に添加して、クロマノール化合物に
した。このクロマノール化合物7.47gを二酸化炭素気流
中で無水硫酸銅4.5gと共に150〜160℃で10分間加熱し、
茶色の粘稠な液体をシリカゲル上でのクロマトグラフィ
ーにより精製することにより、下記式のクロメン誘導体
6.3gを得た。
この化合物の元素分析価は、C 86.93%、H 6.89%、O
6.18%であって、C19H18Oに対する計算値であるC 87.0
2%、H 6.87%、O 6.12%に極めてよく一致した。ま
た、プロトン核磁気共鳴スペクトルを測定したところ、
δ7.2〜8.3ppm付近にナフタレン環のプロトンに基づく6
Hのピーク、δ5.6〜6.7ppm付近にアルケンのプロトンに
基づく2Hのピーク、δ1.2〜2.5ppm付近にノルボルニリ
デン基のプロトンに基づく10Hの幅広いピークを示し
た。さらに13C−核磁気共鳴スペクトルを測定したとこ
ろ、δ27〜52ppm付近にノルボルニリデン基の炭素に基
づくピーク、δ110〜160ppm付近にナフタレン環の炭素
に基づくピーク、δ80〜110ppm付近にアルケンの炭素に
基づくピークが現われる。上記の結果から、単離生成物
は、上記の構造式(1)で示される化合物であることを
確認した。
製造例2 1−アセチル−2−ナフトール10g(0.054mol)とビ
シクロ〔3.3.1〕ノナン−9−オン8.29g(0.06mol)と
モルホリン8.7g(0.10mol)とをトルエン300ccに溶解し
た溶液を調製した。この混合物を5時間沸騰させ、水を
分離した。反応終了後、トルエンを減圧下で除去し、残
ったクロマノン化合物をアセトンで再結晶させた。次い
で、このクロマノン化合物をメタノール200ccに溶解さ
せ、水素化リチウムアルミニウムを添加して、クロマノ
ール化合物にした。このクロマノール化合物6.49gを二
酸化炭素気流中で無水硫酸銅と共に170〜180℃で10分間
加熱し、茶色の粘稠な液体をシリカゲル上でクロマトグ
ラフィーにより精製し、下記式のクロメン誘導体5.8gを
得た。
この化合物の元素分析値は、C 86.81%、H 7.62%、O
5.57%であって、C21H22Oに対する計算値であるC 86.9
0%、H 7.59%、O 5.52%に極めてよく一致した。ま
た、プロトン核磁気共鳴スペクトルを測定したところ、
δ7.2〜8.3ppm付近にナフタレン環のプロトンに基づく6
Hのピーク、δ6.0〜7.0ppm付近にアルケンのプロトンに
基づく2Hのピーク、δ1.2〜2.5ppm付近にビシクロ〔3.
3.1〕9−ノニリデン基のプロトンに基づく14Hの幅広い
ピークを示した。さらに、13C−核磁気共鳴スペクトル
を測定したところ、δ27〜55ppm付近にビシクロ〔3.3.
1〕9−ノニリデン基の炭素に基づくピーク、δ110〜16
0ppm付近にナフタレン環の炭素に基づくピーク、δ80〜
110ppm付近にアルケン炭素に基づくピークが現われる。
上記の結果から、単離生成物は、上記の構造式(2)で
示される化合物であることを確認した。
製造例3 下記式で示されるクロマノン化合物3.06g(0.01mol) を無水エーテル50ccに溶解し、0℃までその溶液を冷
し、無水エーテル50cc中で新たに調製したグリニャール
試薬CH3Mgl(0.012mol)をその溶液中に約1時間を要し
て滴下した。滴下終了後、室温でさらに2時間撹拌した
後、冷水中にそのエーテル溶液を静かに注ぎ、エーテル
で生成物を抽出し、硫酸マグネシウムでその溶液を乾燥
後、減圧下でエーテルを除去し、クロマノン化合物をク
ロマノール化合物に変えた。次いでこのクロマノール化
合物を二酸化炭素気流中で無水硫酸銅と共に200℃で約1
0分間加熱し、茶色な粘稠な液体をシリカゲル上でクロ
マトグラフィーにより生成し、下記式のクロメン誘導体
2.47gを得た。
製造例1と同様に元素分析、プロトン核磁気共鳴スペ
クトル、13C−核磁気共鳴スペクトルの測定によって、
この化合物が、上記の構造式(3)で示される化合物で
あることを確認した。
製造例4 1−アセチル−2−ナフトール10g(0.054mol)とノ
ルカンファー6.6g(0.06mol)とモルホリン8.7g(0.10m
ol)とをトルエン300ccに溶解し、15時間沸騰させ、水
を分離した。反応終了後、トルエンを減圧下で除去し、
残った生成物をアセトンで再結晶させ、下記式で示され
る化合物7.53gを得た。
次いで、この化合物7.53gをメタノール100ccに溶解さ
せ、ヨウ化メチルと反応させることにより、下記式で示
されるクロマノン化合物6.95gを得た。
次いで、この生成したクロマノン化合物を製造例3と
同様にして、クロマノール化合物に変え、脱水反応を行
ない、分離、精製後、下記式のクロメン誘導体5.84gを
得た。
製造例1と同様に、元素分析、プロトン核磁気共鳴ス
ペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトルの測定によっ
て、この化合物が、上記の構造式(4)で示される化合
物であることを確認した。
製造例5 5−n−オクチルオキシ−1−2−ヒドロキシ−アセ
トナフトン10g(0.0318mol)とアセトン2.77g(0.0477m
ol)とピロリジン1.13g(0.0159mol)をトルエン100ml
に溶解した溶液を調製した。この混合物を10時間沸騰さ
せ、水を分離した。反応終了後、トルエンを減圧下で除
去し、残ったクロマノン化合物をメタノール100mlに溶
解させ、水素化ホウ素ナトリウムを徐々に添加してクロ
マノール化合物にした。このクロマノール化合物6.0gを
二酸化炭素気流中で無水硫酸銅4.0gと共に150〜160℃で
10分間加熱し、茶色の粘稠な液体をシリカゲル上でのク
ロマトグラフィーにより精製することにより、下記式の
クロメン誘導体3.8gを得た。
製造例1と同様に、元素分析、プロトン核磁気共鳴ス
ペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトルの測定によっ
て、この化合物が上記の構造式(5)で示される化合物
であることを確認した。
製造例6〜14 製造例1〜5と同様にして第1表に示したクロメン誘
導体を合成した。
得られた生成物について、製造例1と同様な構造確認
の手段を用いて構造解析した結果、第1表に示す構造式
で示される化合物であることを確認した。
製造例15 下記式の3−チエニルエチリデン−2−アダマンチリ
デンこはく酸無水物3.4g(0.01mol) と下記式のグリシン−メチルエステル17.8g(0.02mol) をトルエンに溶解し、窒素雰囲気下で50℃で2時間加熱
した。反応後、溶媒を除去して塩化アセチルに溶解し、
1時間還流し環化した。得られた化合物をO−ジクロル
ベンゼン中で6時間還流することにより、下記のフルギ
ミド化合物(1)に転位した。この化合物は、溶離液と
してベンゼンとエーテルを用いてシリカゲル上でのクロ
マトグラフィーにより精製され、クロロホルム及びヘキ
サンからの淡黄色針状結晶として27%の収率で得られ
た。この化合物の元素分析値はC 66.78%,H 6.09%,N
3.36%,O 15.8%,S 7.96%であって、C23H25O4NSに対す
る計算値であるC 67.15%,H 6.08%,N 3.41%,O 15.6
%,S 7.79%に極めてよく一致した。また、プロトン核
磁気共鳴スペクトルを測定したところ、δ7.0〜8.0ppm
付近にアロマティックなプロトンに基づく2Hのピーク、
δ2.7ppmにC−CH3結合のプロトンに基づく3Hのピー
ク,δ3.7ppm付近に 結合のメチル基のプロトンに基づく3Hのピーク,δ1.2
〜2.5ppmにアダマンチリデン基のプロトンに基づく14H
のピーク,δ3〜5ppmに1〜5転位したプロトンとN
−CH2−結合に基づく3Hのピークを示した。
さらに13C−核磁気共鳴スペクトル(13C−NMRを測定
したところ、δ27〜70ppm付近にアダマンチリデン基の
炭素とメチレン鎖の炭素に基づくピーク、δ15.6ppm付
近にメチル基の炭素に基づくピーク、δ110〜160ppm付
近にチオフェン環の炭素に基づくピーク,δ160〜170pp
m付近にC=0結合の炭素に基づくピークが現われ
る。
上記の結果から、単離生成物は、下記の構造式で示さ
れるフルギミド化合物(15)であることを確認した。
製造例16 下記式のフルギミド化合物3.4g(0.01mol) をテトラヒドロフランに溶解し、これに金属カリウム1g
を室温で反応させ、下記式のイミドカリ3gを得た。
これと下記式のブロモアセトニトリル1.2g(0.01mo
l) BrCH2CN をジメチルホルムアミド中で反応させることにより、下
記のフルギミド化合物(16)を得た。この化合物は、溶
離液としてクロロホルムとヘキサンを用いてシリカゲル
上でのクロマトグラフィーにより精製され、ヘキサンか
らの淡黄色結晶として57%の収率で得られた。この化合
物の元素分析値はC 69.81%,H 5.80%,N 7.44%,O 8.50
%,S 8.46%であって、C22H22N2O2Sに対する計算値であ
るC 69.84%,H 5.82%,N 7.41%,O 8.47%,S 8.47%に
極めてよく一致した。また、プロトン核磁気共鳴スペク
トルを測定したところ、δ7.0〜7.5ppm付近にチオフエ
ン環のプロトンに基づく2Hのピーク、δ4.5ppm付近に
N−CH2CN結合のプロトンに基づく2Hのピーク,δ3.7pp
m付近に1.5転位したプロトンに基づく1Hのピーク,δ2.
7ppm付近に−CH3結合のプロトンに基づく3Hのピーク、
δ1.3〜2.5ppm付近に−CH2−結合のプロトンとアダマン
チリデン基に基づくプロトンの14Hのピークを示した。
さらに13C−核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)を測
定したところ、δ27〜70ppm付近にアダマンチリデン基
の炭素に基づくピーク、δ15.6ppm付近にメチル基の炭
素に基づくピーク,δ110〜160ppm付近にチオフエン環
の炭素に基づくピーク、δ160〜170ppm付近にC=0
結合の炭素に基づくピークが現われる。
上記の結果から、単離生成物は下記の構造式で示され
るフルギミド化合物(16)であることを確認した。
実施例1 製造例1のクロメン化合物4重量%、製造例15のフル
ギミド化合物を2重量%含む樹脂粒子(平均粒径0.1μ
m)を界面重縮合法にて作製した。この樹脂粒子15部を
クロルスチレン70部、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−
メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン30部
からなる組成物に添加し、更にラジカル重合開始剤とし
てパーブチルND1部を添加し、十分に混合した。この混
合液をガラス板とエチレン−酢酸ビニル共重合体とから
成るガスケットで構成された鋳型の中は注入し、注型重
合を行なった。重合は、空気炉を用い、30℃から90℃で
18時間かけ、徐々に温度を上げて行き、90℃に2時間保
持した。重合終了後、鋳型を空気炉から取出し、放冷
後、重合体を鋳型のガラスからとりはずした。得られた
成形品をスガ試験機株式会社製のキセノンロングライフ
フェードメーターFAL−25AX−HCにより疲労寿命を測定
した。
また、目視により色調の変化を観察した。疲労寿命
(T1/2)は、クロメン誘導体に基づく最大吸収波長に
おける吸光度が初期(T0)の吸光度の1/2に低下するの
に要する時間で表わした。但し、T0及びT1/2の吸光度
は、クロメン誘導体に基づく最大吸収波長における未照
射の成形品の吸光度を引いた値であり、また、T0の吸光
度は光照射後60秒経過後に測定した。
結果を第3表に示した。
実施例2〜30 実施例1において、用いた樹脂粒子の作製法、粒径、
種類、量さらにクロメン誘導体、フルギミド化合物、熱
硬化性樹脂の原料モノマーの種類と量を変え、原料モノ
マーに合わせて公知の手段で重合を行った以外は実施例
1と同様にした。結果を第3表に示した。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[A] 但し、R1及びR2は、夫々同種又は異種のアルキル基であ
    り、これらが一緒になって置換されていてもよいノルボ
    ルニリデン基又は置換されていてもよいビシクロ[3.3.
    1]9−ノニリデン基を構成していてもよく、R3及びR4
    は夫々同種又は異種の水素原子、アルキル基、アリール
    基、アラルキル基又は置換アミノ基であり、 は置換されていてもよい芳香族炭化水素基又は置換され
    ていてもよい不飽和複素環基であり、R1及びR2がアルキ
    ル基のときは、 は、炭素数6〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアルコ
    キシ基、 (但し、R5はアルキレン基又はO−R8 (但し、R8
    はアルキレン基であり、nは正の整数である。)であ
    り、R6及びR7は、夫々同種又は異種のアルキル基であ
    り、Xは である。)よりなる群から選ばれた少なくとも1種の置
    換基を有する二環系芳香族炭化水素基又は二環系不飽和
    複素環基である。 で示されるフォトクロミック化合物 を含む平均粒径が0.01〜100μmの樹脂粒子が熱硬化性
    樹脂中に分散されてなるフォトクロミック成形体。
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