JP2735184B2 - 液入り防振装置 - Google Patents
液入り防振装置Info
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- JP2735184B2 JP2735184B2 JP62023774A JP2377487A JP2735184B2 JP 2735184 B2 JP2735184 B2 JP 2735184B2 JP 62023774 A JP62023774 A JP 62023774A JP 2377487 A JP2377487 A JP 2377487A JP 2735184 B2 JP2735184 B2 JP 2735184B2
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- Japan
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- partition wall
- liquid
- inner cylinder
- vibration
- liquid chamber
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16F—SPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
- F16F13/00—Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs
- F16F13/04—Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper
- F16F13/06—Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper the damper being a fluid damper, e.g. the plastics spring not forming a part of the wall of the fluid chamber of the damper
- F16F13/08—Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper the damper being a fluid damper, e.g. the plastics spring not forming a part of the wall of the fluid chamber of the damper the plastics spring forming at least a part of the wall of the fluid chamber of the damper
- F16F13/14—Units of the bushing type, i.e. loaded predominantly radially
- F16F13/16—Units of the bushing type, i.e. loaded predominantly radially specially adapted for receiving axial loads
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Body Structure For Vehicles (AREA)
- Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
［産業上の利用分野］
本発明は液体が制限通路を通過する場合の抵抗により
振動を吸収する液入り防振装置に関する。 ［背景技術］ 自動車用のメンバーマウント、デフマウント、キヤブ
マウント等に使用できる液入り防振装置として、内外筒
が同軸的に配置され、これらの間に液体を封入した縦型
の防振装置が提案されている（特開昭60-139939号）。 この防振装置は、内外筒間の液室を小液室に区画する
とともに制限通路で連通した構成となっている。これに
よって大きな振動減衰力を有するようにしている。 ところがこの防振装置は、シリコンオイル等の高粘性
流体を適用して広範囲の周波数に対応させようとした場
合に振動周波数が著しく高くなると、制限通路が目づま
り状態となって動ばねが上昇する原因になる。またこの
防振装置は横方向の振動に対してはいずれの方向からの
振動であっても同じ吸振特性を備えるので、車両の前後
方向と左右方向で吸振特性を変えたい場合には対処でき
なかった。 本発明は上記事実を考慮し、広い周波数範囲に渡った
振動吸収が可能であり、横方向の吸振特性を振動方向に
よって変えることができる液入り防振装置を得ることが
目的である。 ［発明の概要及び作用］ 本発明に係わる液入り防振装置は、内筒と、 この内筒と同軸的に配置される外筒と、 これらの内外筒間を連結する弾性体と形成された下厚
膜と、 この下厚膜との間に液室を形成して内外筒間を連結す
る上薄膜と、 剛性材料で形成され且つ前記内外筒間へ掛け渡される
仕切壁と、 弾性体で形成され且つ仕切壁の一端部が当接して仕切
壁との間で液室を小液室に区画すると共に仕切壁との間
の一部に隙間が設けられている補助仕切壁と、 仕切壁と補助仕切壁との間に設けられる隙間により形
成され且つ内筒の軸回りの一部に配置されて小液室を互
に連通する制限通路と、 を有することを特徴としている。 このため本発明では、制限通路が所定周波数までの振
動を吸収し、高周波振動に対しては上薄膜が弾性変形す
ることにより液室内の液圧上昇を防ぎ動ばね定数の増大
を防止する。また、剛性材料で形成される仕切壁と弾性
体で形成される補助仕切壁の凹部との間の隙間により内
筒の軸回りの一部に形成される制限通路を利用して、横
方向の吸振特性をその角度によって変更することができ
る。 つまり、凹部が存在することにより制限通路の配置さ
れた位置では、仕切壁と補助仕切壁とが当接しないこと
になり、これらが当接している部分とでは剛性が大きく
異なる。この為、この制限通路と内筒とを結ぶ方向の横
方向振動に対しては比較的低い剛性比を有し、これと異
なる方向の横方向振動に対しては比較的高い剛性比を有
することになって横方向の吸振特性をその角度によって
変更することができる。 ［発明の実施例］ 第1,2図には本発明の第１実施例に係る液入り防振装
置10が示されている。この液入り防振装置10は内筒12と
外筒14とが同軸的に配置され、これらの軸心は縦方向に
配置されて用いられる。外筒14は一例として自動車のシ
ヤシへ取りつけられ、内筒12へは自動車のボデイ等が取
りつけられるようになっている。 内筒12と外筒14との間にはゴム等の弾性体で形成され
る下厚膜16が設けられる、それぞれ内筒12、外筒14へ加
硫接着されている。この下厚膜16は外筒14への取付部が
内筒12への取付部よりも下方に配置されて傾斜した緩や
かな斜面を有する円錐台形状となっている。従って内筒
12へ大荷重が繰返し作用しても耐久性に優れたものとな
っている。 また下厚膜16の一部は外筒14の下端部に形成される折
曲部14Aの底面へ回り込んだ薄肉部16Aとされている。ま
た下厚膜16は内筒12への取付部から筒状の補助仕切壁16
Bが一体的に延長されて内筒12の外周部を覆っている。 一方内筒12の上端部外周と外筒14の上端部内周との間
には上薄膜22が掛け渡されている。この上薄膜22は内筒
12の外周付近に締付リング24が、外筒14の内周付近に締
付リング26がそれぞれ封入され、上薄膜22の一部を内筒
12及び外筒14へそれぞれ押圧して内筒12、外筒14間を連
結している。内筒12の上端には圧入リング28が押し込ま
れて上薄膜22の抜け止めとなっている。この上薄膜22の
内周部付近は補助仕切壁16Bの上端部へ当接しているの
で内筒12の軸方向に移動することはない。また外筒14の
上端部は軸心方向に向けて折り曲げられた屈曲部14Bと
なって上薄膜22の外周部付近の抜けを防止している。 上薄膜22は下厚膜16と同様にゴム等の弾性体で形成さ
れるが、その肉厚は下厚膜16に比べて薄いので容易に弾
性変形できるようになっている。 この上薄膜22と下厚膜16との間は液室30とされ、高粘
性（1000〜100000cst）のシリコンオイル等の液体が封
入される。またこの液体はエチレングリコール（30cs
t）を用いることができる。 液室30は下厚膜16と上薄膜22との間に設けられる仕切
壁32及び補助仕切壁16Bによって上液室30Aと下液室30B
とに区画されている。この仕切壁32は樹脂又は金属等の
剛性材料で製作される中空円板状であり、外周部は外筒
14の内周へ密着し、内周部は補助仕切壁16Bの外周へと
密着している。 またこの仕切壁32は補助仕切壁16Bの一部に形成され
る凹部との間にオリフイスである制限通路34を形成して
おり、これによって上液室30Aと下液室30Bとが連通され
ている。この制限通路34は第２図に詳細に示される如く
内筒12の軸心を挟んで反対側にそれぞれ内筒12の軸心回
りに約90°の範囲に亘って形成されている。このため外
筒14へこの制限通路34と内筒12の軸心を結ぶ方向の水平
振動（矢印Ａ方向）が作用した場合には仕切壁32が容易
に変形し、これと90°異なる制限通路34が設けられてい
ない仕切壁32と補助仕切壁16Bとが密着している方向か
らの水平振動（矢印Ｂ方向）が作用した場合には比較的
高い剛性比を有する。 液入り防振装置10の組付けに際しては、下厚膜16を内
筒12と外筒14とへ加硫接着する。ここでこれらを液中に
浸し、別個に製作した仕切壁32を補助仕切壁16Bの外側
へ挿入する。この仕切壁32の外周は外筒14の内周へと密
着する。さらに上薄膜22は内筒12の外周と外筒14の内周
との間に挿入した後に圧入リング28を内筒12の外周へ圧
入するとともに外筒14の上端部を屈曲して屈曲部14Bを
形成すれば組立てが完了する。 次に本実施例の作用を説明する。 外筒14は一例として自動車のシヤシへ、内筒12へ一例
として自動車のボデイを取りつける。このキヤブの荷重
は主として内筒12から下厚膜16を介して外筒14へ支持さ
れる。下厚膜16は内筒12への取付部が外筒14への取付部
よりも上方向にあるため、大きな荷重を確実に支持する
ことができる。 低周波の振動時には下厚膜16の内部摩擦によって振動
が吸収される他、上液室30Aと下液室30B内の液体が制限
通路34を通って通過する場合の抵抗によっても振動が吸
収される。 振動が高周波になると制限通路34は目づまり状態とな
るが、上薄膜22が容易に弾性変形可能であるため上液室
30A内の圧力上昇が抑制され、これによって全体として
ほぼ1/2の圧力上昇ですみ、高周波領域での遮音特性が
向上する。 また横方向の吸振特性は、制限通路34部分を通過する
振動方向（矢印Ａ方向）と制限通路34が設けられていな
い部分に作用する振動方向（矢印Ｂ方向）では剛性比が
異なるので、水平方向のばね比率を相違させて各種の要
求に対処することができる。一例として第１図上下方向
の剛性と、車体前後方向（矢印Ｂ方向）の剛性と、左右
方向（矢印Ａ方向）の剛性との比を1:4:2とすることが
できる。 第３図には本発明の第２実施例が示されている。この
実施例は液入り防振装置を液中で組立てる必要をなくし
たものであり、締付リング24を比較的大きな幅寸法と
し、この締付リング24の一部へ形成した貫通孔から液室
30内の空気を吸引して真空状態とした後にこの孔から液
体を流し込み、液体充填後はこの孔をリベツト38で閉止
するようになっている。 次に第4,5図には本発明の第３実施例が示されてい
る。 この実施例では第５図に示される如く仕切壁32には内
筒12の軸心を中心とした正方形の貫通孔42が形成されて
いる。この貫通孔42に対応して内筒12の外周には補助仕
切壁としての役目を有する弾性ブロツク44が取りつけら
れている。この弾性ブロツク44は軸心を挟んだ反対側の
平行面44Aが貫通孔42の対向する内側面と密着してお
り、反対側の平行面44Bは貫通孔42の他の対向面と隙間4
6を有して制限通路となっている。 従ってこの実施例においては矢印Ｂ方向の水平方向振
動に対して仕切壁32が弾性ブロツク44によってその移動
を全く制限されないので、前記実施例よりもさらに柔軟
なばね特性を生ずることができる。即ち前記第１実施例
においては矢印Ａ方向の振動作用時にその一部が補助仕
切壁16Bの外周一部を押圧するのでこれに応じた抵抗力
を受けて手車両横方向のばね特性を極端に小さくするこ
とはできないのに対処するものである。 ［発明の効果］ 以上説明した如く本発明は、内筒と、 この内筒と同軸的に配置される外筒と、 これらの内外筒間を連結する弾性体で形成された下厚
膜と、 この下厚膜との間に液室を形成して内外筒間を連結す
る上薄膜と、 剛性材料で形成され且つ前記内外筒間へ掛け渡される
仕切壁と、 弾性体で形成され且つ仕切壁の一端部が当接して仕切
壁との間で液室を小液室に区画すると共に仕切壁との間
の一部に隙間が設けられている補助仕切壁と、 仕切壁と補助仕切壁との間に設けられる隙間により形
成され且つ内筒の軸回りの一部に配置されて小液室を互
に連通する制限通路と、 を有するので、広い周波数に渡った振動が吸収でき、
かつ横方向の吸振特性を振動方向によって変化させるこ
とができる優れた効果を有する。
振動を吸収する液入り防振装置に関する。 ［背景技術］ 自動車用のメンバーマウント、デフマウント、キヤブ
マウント等に使用できる液入り防振装置として、内外筒
が同軸的に配置され、これらの間に液体を封入した縦型
の防振装置が提案されている（特開昭60-139939号）。 この防振装置は、内外筒間の液室を小液室に区画する
とともに制限通路で連通した構成となっている。これに
よって大きな振動減衰力を有するようにしている。 ところがこの防振装置は、シリコンオイル等の高粘性
流体を適用して広範囲の周波数に対応させようとした場
合に振動周波数が著しく高くなると、制限通路が目づま
り状態となって動ばねが上昇する原因になる。またこの
防振装置は横方向の振動に対してはいずれの方向からの
振動であっても同じ吸振特性を備えるので、車両の前後
方向と左右方向で吸振特性を変えたい場合には対処でき
なかった。 本発明は上記事実を考慮し、広い周波数範囲に渡った
振動吸収が可能であり、横方向の吸振特性を振動方向に
よって変えることができる液入り防振装置を得ることが
目的である。 ［発明の概要及び作用］ 本発明に係わる液入り防振装置は、内筒と、 この内筒と同軸的に配置される外筒と、 これらの内外筒間を連結する弾性体と形成された下厚
膜と、 この下厚膜との間に液室を形成して内外筒間を連結す
る上薄膜と、 剛性材料で形成され且つ前記内外筒間へ掛け渡される
仕切壁と、 弾性体で形成され且つ仕切壁の一端部が当接して仕切
壁との間で液室を小液室に区画すると共に仕切壁との間
の一部に隙間が設けられている補助仕切壁と、 仕切壁と補助仕切壁との間に設けられる隙間により形
成され且つ内筒の軸回りの一部に配置されて小液室を互
に連通する制限通路と、 を有することを特徴としている。 このため本発明では、制限通路が所定周波数までの振
動を吸収し、高周波振動に対しては上薄膜が弾性変形す
ることにより液室内の液圧上昇を防ぎ動ばね定数の増大
を防止する。また、剛性材料で形成される仕切壁と弾性
体で形成される補助仕切壁の凹部との間の隙間により内
筒の軸回りの一部に形成される制限通路を利用して、横
方向の吸振特性をその角度によって変更することができ
る。 つまり、凹部が存在することにより制限通路の配置さ
れた位置では、仕切壁と補助仕切壁とが当接しないこと
になり、これらが当接している部分とでは剛性が大きく
異なる。この為、この制限通路と内筒とを結ぶ方向の横
方向振動に対しては比較的低い剛性比を有し、これと異
なる方向の横方向振動に対しては比較的高い剛性比を有
することになって横方向の吸振特性をその角度によって
変更することができる。 ［発明の実施例］ 第1,2図には本発明の第１実施例に係る液入り防振装
置10が示されている。この液入り防振装置10は内筒12と
外筒14とが同軸的に配置され、これらの軸心は縦方向に
配置されて用いられる。外筒14は一例として自動車のシ
ヤシへ取りつけられ、内筒12へは自動車のボデイ等が取
りつけられるようになっている。 内筒12と外筒14との間にはゴム等の弾性体で形成され
る下厚膜16が設けられる、それぞれ内筒12、外筒14へ加
硫接着されている。この下厚膜16は外筒14への取付部が
内筒12への取付部よりも下方に配置されて傾斜した緩や
かな斜面を有する円錐台形状となっている。従って内筒
12へ大荷重が繰返し作用しても耐久性に優れたものとな
っている。 また下厚膜16の一部は外筒14の下端部に形成される折
曲部14Aの底面へ回り込んだ薄肉部16Aとされている。ま
た下厚膜16は内筒12への取付部から筒状の補助仕切壁16
Bが一体的に延長されて内筒12の外周部を覆っている。 一方内筒12の上端部外周と外筒14の上端部内周との間
には上薄膜22が掛け渡されている。この上薄膜22は内筒
12の外周付近に締付リング24が、外筒14の内周付近に締
付リング26がそれぞれ封入され、上薄膜22の一部を内筒
12及び外筒14へそれぞれ押圧して内筒12、外筒14間を連
結している。内筒12の上端には圧入リング28が押し込ま
れて上薄膜22の抜け止めとなっている。この上薄膜22の
内周部付近は補助仕切壁16Bの上端部へ当接しているの
で内筒12の軸方向に移動することはない。また外筒14の
上端部は軸心方向に向けて折り曲げられた屈曲部14Bと
なって上薄膜22の外周部付近の抜けを防止している。 上薄膜22は下厚膜16と同様にゴム等の弾性体で形成さ
れるが、その肉厚は下厚膜16に比べて薄いので容易に弾
性変形できるようになっている。 この上薄膜22と下厚膜16との間は液室30とされ、高粘
性（1000〜100000cst）のシリコンオイル等の液体が封
入される。またこの液体はエチレングリコール（30cs
t）を用いることができる。 液室30は下厚膜16と上薄膜22との間に設けられる仕切
壁32及び補助仕切壁16Bによって上液室30Aと下液室30B
とに区画されている。この仕切壁32は樹脂又は金属等の
剛性材料で製作される中空円板状であり、外周部は外筒
14の内周へ密着し、内周部は補助仕切壁16Bの外周へと
密着している。 またこの仕切壁32は補助仕切壁16Bの一部に形成され
る凹部との間にオリフイスである制限通路34を形成して
おり、これによって上液室30Aと下液室30Bとが連通され
ている。この制限通路34は第２図に詳細に示される如く
内筒12の軸心を挟んで反対側にそれぞれ内筒12の軸心回
りに約90°の範囲に亘って形成されている。このため外
筒14へこの制限通路34と内筒12の軸心を結ぶ方向の水平
振動（矢印Ａ方向）が作用した場合には仕切壁32が容易
に変形し、これと90°異なる制限通路34が設けられてい
ない仕切壁32と補助仕切壁16Bとが密着している方向か
らの水平振動（矢印Ｂ方向）が作用した場合には比較的
高い剛性比を有する。 液入り防振装置10の組付けに際しては、下厚膜16を内
筒12と外筒14とへ加硫接着する。ここでこれらを液中に
浸し、別個に製作した仕切壁32を補助仕切壁16Bの外側
へ挿入する。この仕切壁32の外周は外筒14の内周へと密
着する。さらに上薄膜22は内筒12の外周と外筒14の内周
との間に挿入した後に圧入リング28を内筒12の外周へ圧
入するとともに外筒14の上端部を屈曲して屈曲部14Bを
形成すれば組立てが完了する。 次に本実施例の作用を説明する。 外筒14は一例として自動車のシヤシへ、内筒12へ一例
として自動車のボデイを取りつける。このキヤブの荷重
は主として内筒12から下厚膜16を介して外筒14へ支持さ
れる。下厚膜16は内筒12への取付部が外筒14への取付部
よりも上方向にあるため、大きな荷重を確実に支持する
ことができる。 低周波の振動時には下厚膜16の内部摩擦によって振動
が吸収される他、上液室30Aと下液室30B内の液体が制限
通路34を通って通過する場合の抵抗によっても振動が吸
収される。 振動が高周波になると制限通路34は目づまり状態とな
るが、上薄膜22が容易に弾性変形可能であるため上液室
30A内の圧力上昇が抑制され、これによって全体として
ほぼ1/2の圧力上昇ですみ、高周波領域での遮音特性が
向上する。 また横方向の吸振特性は、制限通路34部分を通過する
振動方向（矢印Ａ方向）と制限通路34が設けられていな
い部分に作用する振動方向（矢印Ｂ方向）では剛性比が
異なるので、水平方向のばね比率を相違させて各種の要
求に対処することができる。一例として第１図上下方向
の剛性と、車体前後方向（矢印Ｂ方向）の剛性と、左右
方向（矢印Ａ方向）の剛性との比を1:4:2とすることが
できる。 第３図には本発明の第２実施例が示されている。この
実施例は液入り防振装置を液中で組立てる必要をなくし
たものであり、締付リング24を比較的大きな幅寸法と
し、この締付リング24の一部へ形成した貫通孔から液室
30内の空気を吸引して真空状態とした後にこの孔から液
体を流し込み、液体充填後はこの孔をリベツト38で閉止
するようになっている。 次に第4,5図には本発明の第３実施例が示されてい
る。 この実施例では第５図に示される如く仕切壁32には内
筒12の軸心を中心とした正方形の貫通孔42が形成されて
いる。この貫通孔42に対応して内筒12の外周には補助仕
切壁としての役目を有する弾性ブロツク44が取りつけら
れている。この弾性ブロツク44は軸心を挟んだ反対側の
平行面44Aが貫通孔42の対向する内側面と密着してお
り、反対側の平行面44Bは貫通孔42の他の対向面と隙間4
6を有して制限通路となっている。 従ってこの実施例においては矢印Ｂ方向の水平方向振
動に対して仕切壁32が弾性ブロツク44によってその移動
を全く制限されないので、前記実施例よりもさらに柔軟
なばね特性を生ずることができる。即ち前記第１実施例
においては矢印Ａ方向の振動作用時にその一部が補助仕
切壁16Bの外周一部を押圧するのでこれに応じた抵抗力
を受けて手車両横方向のばね特性を極端に小さくするこ
とはできないのに対処するものである。 ［発明の効果］ 以上説明した如く本発明は、内筒と、 この内筒と同軸的に配置される外筒と、 これらの内外筒間を連結する弾性体で形成された下厚
膜と、 この下厚膜との間に液室を形成して内外筒間を連結す
る上薄膜と、 剛性材料で形成され且つ前記内外筒間へ掛け渡される
仕切壁と、 弾性体で形成され且つ仕切壁の一端部が当接して仕切
壁との間で液室を小液室に区画すると共に仕切壁との間
の一部に隙間が設けられている補助仕切壁と、 仕切壁と補助仕切壁との間に設けられる隙間により形
成され且つ内筒の軸回りの一部に配置されて小液室を互
に連通する制限通路と、 を有するので、広い周波数に渡った振動が吸収でき、
かつ横方向の吸振特性を振動方向によって変化させるこ
とができる優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第１図は本発明の第１実施例に係る防振装置を示す縦断
面図であり第２図Ｉ−Ｉ線断面図に相当する断面図、第
２図は第１図II-II線断面に相当する水平断面図、第３
図は本発明の第２実施例の一部を示す縦断面図、第４図
は本発明の第３の実施例を示す第５図IV-IV線断面に相
当する断面図、第５図は第４図Ｖ−Ｖ線断面に相当する
水平断面図である。 10……液入り防振装置、12……内筒、14……外筒、16…
…下厚膜、16B……補助仕切壁、22……上薄膜、30……
液室、32……仕切壁、34……制限通路、44……弾性ブロ
ック。
面図であり第２図Ｉ−Ｉ線断面図に相当する断面図、第
２図は第１図II-II線断面に相当する水平断面図、第３
図は本発明の第２実施例の一部を示す縦断面図、第４図
は本発明の第３の実施例を示す第５図IV-IV線断面に相
当する断面図、第５図は第４図Ｖ−Ｖ線断面に相当する
水平断面図である。 10……液入り防振装置、12……内筒、14……外筒、16…
…下厚膜、16B……補助仕切壁、22……上薄膜、30……
液室、32……仕切壁、34……制限通路、44……弾性ブロ
ック。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 １．内筒と、 この内筒と同軸的に配置される外筒と、 これらの内外筒間を連結する弾性体で形成された下厚膜
と、 この下厚膜との間に液室を形成して内外筒間を連結する
上薄膜と、 剛性材料で形成され且つ前記内外筒間へ掛け渡される仕
切壁と、 弾性体で形成され且つ仕切壁の一端部が当接して仕切壁
との間で液室を小液室に区画すると共に仕切壁との間の
一部に隙間が設けられている補助仕切壁と、 仕切壁と補助仕切壁との間に設けられる隙間により形成
され且つ内筒の軸回りの一部に配置されて小液室を互に
連通する制限通路と、 を有する液入り防振装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62023774A JP2735184B2 (ja) | 1987-02-04 | 1987-02-04 | 液入り防振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62023774A JP2735184B2 (ja) | 1987-02-04 | 1987-02-04 | 液入り防振装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63190949A JPS63190949A (ja) | 1988-08-08 |
| JP2735184B2 true JP2735184B2 (ja) | 1998-04-02 |
Family
ID=12119688
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62023774A Expired - Fee Related JP2735184B2 (ja) | 1987-02-04 | 1987-02-04 | 液入り防振装置 |
Country Status (1)
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1987
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|---|---|
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