JP2730784B2 - 下部布送り装置を備えたミシン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は特許請求の範囲第１項の前提概念に記載の下
部布送り装置を備えたミシンに関する。

この種の構造のミシンは西ドイツ国特許第2108309号
明細書により公知である。そのミシンは下部布送り装置
と針送り装置とからなる組合せ送り装置を有し、前記針
送り装置では針運動調節装置が針棒揺動枠を制御する揺
動軸を布送り装置担持体を水平面内で往復運動させる揺
動軸と連結されており、該揺動軸の揺動運動は送り偏心
カムから導かれ、縫目長調節装置によってその大きさが
調節される。水平面上の往復運動の他に下部布送り装置
に駆動偏心カムから偏心ロッド及びクランク駆動部を介
して垂直昇降運動が伝達されるので、下部布送り装置が
矩形運動をする。この組合せ送り装置により複数の布層
のずれのない（verschiebungsfreie）縫合を保証する。

布送りの水平運動に関係する帯条縁取り装置（Bandst
refen−Einfaβapparat）により供給され、Ｕ字型に縫
製物縁部のまわりに折り畳まれ縫いつけられる帯条（Ba
ndstreifen）を有する縫製物縁部を縁取りする（Einfas
sen）場合、下部布送りが垂直方向の運動をする必要は
ない。ミシンが連行する（mitgehende）帯条縁取り装置
により縁取り作業の際に装着（eingesetzt werden）さ
れるべきときに、昇降駆動装置、駆動偏心カム、偏心棒
は、このミシンにおいて、非常に時間を浪費して取り外
されなければならない。

下部布送りに垂直方向の運動を伴わず水平方向の送り
運動だけが伝達される第２のミシンを配置するかどうか
の選択があらわれる。この種のミシンは西ドイツ国特許
公開第1809079号公報により公知である。しかしこのミ
シンは特定のミシン作業に対してのみ適している。

然も、布送りの垂直運動の連結解除のために、ミシン
の布送りの昇降駆動部にカップリングを接合すること
は、フランス特許第926213号公報から公知であるが、し
かし刊行物ではカップリングの目的も形状についても説
明はない。

本発明は、請求項１の前提概念に記載のミシンを、下
部布送りが四角形運動あるいは水平方向だけの布送り運
動を選択的に実施できるように形成することを課題とす
る。

この課題は請求項１の特徴部分に述べられている手
段、すなわち連行体が昇降クランクに旋回可能に支持さ
れており、該連行体の自由端が、縫うためにスキップ移
動体により定められる一つの位置で昇降クランクから側
方に間隔をおいて昇降軸に自由に旋回可能に配置された
揺動クランクのスリット内に突出し、縫製物縁を縁取り
するために下部布送りの水平送り運動に関与する帯状縁
取り装置によって布の縁の周りにＵ字形に畳まれて供給
される帯条により定められる他の位置で昇降クランクか
ら側方に間隔をおいて配置されてケースに固定されてい
る保持体のスリット内に突出していることにより解決さ
れる。

請求項１に記載の装置では、駆動偏心カムから生じる
揺動運動を更に伝動することを遮断することを許容し、
その時伝動は揺動可能な揺動クランクによって吸収され
る。また、一方では下部布送り昇降軸の確実な連行を保
証し、他方では下部布送りに昇降運動が伝達されるべき
でないときに連結解除位置に確実に固定するカップリン
グの有利な構成が示されている。

請求項２に述べられた手段により、一方で昇降運動が
除外された場合には下部布送りの高さが調節され、他方
で連行体を装着するため、保持体のスリットと昇降軸上
のクランクを相互に整向する可能性が与えられる。

請求項３に記載のその他の構成により、下部布送りの
昇降運動の大きさをかえることとそれを異なった材料に
適合することの可能性が創造される。薄い材質の場合例
えば下部布送りの小さな昇降運動がミシンの回転数を上
げることを可能にする。

ミシンの組合せ送り装置の添付されている図面に示さ
れた本発明の実施例を次に詳細に説明する。

ミシンの駆動軸（１）に送り偏心カム（２）が固定さ
れており、該送り偏心カムは偏心棒（３）によって囲ま
れており、該偏心棒の自由端は弓形スリット（４）を有
する揺動腕（５）に枢着され、該揺動腕はケースに固定
された支持ピン（６）のまわりに揺動可能である。連結
棒（８）の一方の端部に支持されているスライドブロッ
ク（７）が支持ピン（６）に対して位置調節可能に弓形
スリット（４）内をガイドされる。連結棒（８）の他方
の端部はクランク（９）と枢着され、該クランクは下部
布送り（11）用の送り軸（10）に固定されている。送り
軸（10）にはクランク（12）が固定されており、該クラ
ンクは布送り担持体（13）の一方の端部に枢着されてい
る。下部布送り（11）は布送り担持体（13）にネジ止め
されている。

送り軸（10）はクランク（14）を介して送り棒（15）
の一方の端部には枢着され、該送り棒（15）の他方の端
部はクランク（16）に枢着され、それでクランク（16）
に固定された針送り揺動軸（17）と連結される。針送り
揺動軸（17）には針棒揺動枠（18）が固定され、該針棒
揺動枠の内部に公知な方法で往復動可能な針棒（19）が
支持されており、該針棒は下端に針（20）を担持する。
針（20）とかま（21）が縫目形成のために協働する。

揺動腕（５）から導かれ揺動軸（10及び17）に伝えら
れる揺動運動の大きさを変えるために、ケースに固定さ
れた支持ピン（23）の周りに旋回可能で、連結棒（24）
によって連結棒（８）と連結されている縫目長調節アー
ム（22）が用いられる。

下部布送り（11）の垂直昇降運動は駆動軸（26）に固
定されている昇降偏心カム（25）から伝達される。昇降
偏心カム（25）は又駆動軸（１）に配置されることもで
きる。昇降偏心カム（25）は偏心棒（27）によって囲ま
れ、該偏心棒の自由端は昇降軸（29）に自由に旋回可能
に支持された振動腕（30）の弓形スリット（28）を貫通
案内される固定ねじ（31）とナット（32）を用いて揺動
腕（30）と昇降軸（29）に対して調節可能に連結され
る。

振動腕（30）の他に、昇降軸（29）にスリット（34）
を有する昇降クランク（33）が固定されている。昇降ク
ランク（33）に連行体（37）がボルト（38）によって旋
回可能に支持されており、該連行体の自由端が振動腕
（30）のクランクアーム（36）のスリット（35）内に突
出し、そこでねじ（39）によって取外し可能に固定され
る。この継手結合（Kupplungs verbindung）によって振
動腕（30）に昇降偏心カム（25）から偏心棒（27）を介
して伝達される揺動運動が昇降軸（29）に伝えられ、そ
こから昇降軸（29）に固定されたクランク（40）と結合
ロッド（41）を介して布送り担持体（13）に伝えられ
る。

昇降運動が布送り担持体（13）に伝わるのを防ぐため
に、ねじ（39）がクランクアーム（36）からねじ外さ
れ、連行体（37）がボルト（38）の周りに180゜回転さ
れ、その結果、連行体（37）は昇降クランク（33）の横
に間隔をおいて長スリット（43）を貫通案内されるねじ
（44、45）によって高さ調節可能にミシンケースに取り
つけられるサポート（46）のスリット（42）に係合し、
そこでボルト（47）によって取外し可能に固定される。
連行体（37）は昇降軸（29）を昇降クランク（33）を介
して係合解除位置に確実に固定保持する。ミシンの作動
時における突発的な移動はこれによって排除される。

昇降駆動部の際係合のために、連行体（37）を保持体
（46）から解放してスリット（42）からボルト（38）の
まわりをまわってスリット（35）内に戻しそこでねじ止
めすることだけが必要である。

下部布送り（11）の昇降運動の大きさはボルト（31）
とナット（32）をゆるめ振動腕（30）の弓形スリット
（28）内で偏心棒（27）の自由端を位置調節することに
よって変えられる。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】駆動偏心カムから縫目長調節装置を介して
   調節可能な水平送り運動を伝えられ、駆動偏心カムから
   昇降クランクを備えた旋回可能（ausschwingbare）な昇
   降軸を介して垂直方向の昇降運動を伝えられる下部布送
   りを有するミシンにおいて、連行体（37）が昇降クラン
   ク（33）に旋回可能に支持されており、該連行体の自由
   端が、縫うためにスキップ移動体（Ｈpfertranspor
   t）により定められる一つの位置で昇降クランク（33）
   から側方に間隔をおいて昇降軸（29）に自由に旋回可能
   に配置された揺動クランク（30）のスリット（35）内に
   突出し、縫製物縁を縁取りするために下部布送り（11）
   の水平送り運動に関与する帯状縁取り装置によって布の
   縁の周りにＵ字形に畳まれて供給される帯条により定め
   られる他の位置で昇降クランク（33）から側方に間隔を
   おいて配置されてケースに固定されている保持体（46）
   のスリット（42）内に突出していることを特徴とするミ
   シン。
2. 【請求項２】保持体（46）の高い調節が可能であること
   を特徴とする請求項１に記載のミシン。
3. 【請求項３】揺動クランク（30）が弓形スリット（28）
   を備え、駆動偏心カム（25）に支持された偏心棒（27）
   の駆動端部がそのスリット内で位置調節可能であること
   を特徴とする請求項１又は２に記載のミシン。