JP2724605B2 - 製紙用二重織物 - Google Patents

製紙用二重織物

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JP2724605B2 JP63296007A JP29600788A JP2724605B2 JP 2724605 B2 JP2724605 B2 JP 2724605B2 JP 63296007 A JP63296007 A JP 63296007A JP 29600788 A JP29600788 A JP 29600788A JP 2724605 B2 JP2724605 B2 JP 2724605B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、製紙用二重織物に関する。
[従来の技術] 製紙用織物に対しては従来より多くの要求がある。大
別すると、(イ)ワイヤーマークの発生防止、紙繊維の
十分な絡み合い等、紙の品質そのものに関する問題また
は製紙の歩留りの問題、(ロ)耐摩耗性の向上、織物の
使用寿命の延長、(ハ)良好な水性の問題、などがあ
る。それぞれの問題は互いに関連する点が多いが、大雑
把にいえば、(イ)の問題は主として織物の製紙面の構
造が大きく関係する問題であり、(ロ)は織物の走行側
表面の構造に関係が深く、(ハ)は織物全体に関する問
題である。
このような問題は多重織りの織物だけでなく、一重織
りの織物においても同様に解決しなければならない問題
である。
従来(イ)の解決には多くの提案がなされてきた。し
かしながら、(ロ)の問題すなわち製紙用織物の耐摩耗
性の向上については十分な工夫がなされておらず、製紙
用織物の走行側を緯糸摩耗型として、経糸の摩耗を防ぐ
程度に止まっている。
しかしながら、近年製紙スピードの高速化、填料の使
用量の増大、中性製紙の製造の必要性の増大などの諸条
件が要求され、製紙用織物の耐摩耗性が大きな問題とな
っている。
このような耐摩耗性を向上させるために、緯糸摩耗型
の製紙用織物に、耐摩耗性のあるポリアミドを用いるこ
とも試みられているが、ポリアミドを用いた製紙用織物
は伸びやすく、姿勢安定性が悪いという欠点があった。
そこで、経糸緯糸いずれにも剛性に優れたポリエステ
ルを用いて、伸びにくく姿勢安定性に優れた製紙用織物
を構成する試みが行われていた。
このような従来の製紙用織物では、上記のような諸要
求を満たすため、製紙用織物の走行側の緯糸に太い線径
の糸を使用することが試みられており、耐摩耗性の改善
はある程度図られるものの、緯糸が太いので緯糸と経糸
とのバランスが崩れ、クリンプ性が悪化しワイヤーマー
ク発生の原因となる等の欠陥が在り実用上問題が多い。
さらに、上記(ハ)の問題から理解されるように走行
面の構造が変化すれば水性も影響があり単に下層緯糸
を太くする程度の姑息な手段では問題は解決されない。
[発明が解決しようとする課題] 上記のような従来の技術の問題に鑑みて、本発明は製
紙用織物の水性やワイヤーマーク性などの紙を抄造す
る性能には悪影響を与えることなく、耐摩耗性を改善し
ようとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、 「1. n×2本(nは7以上の整数)の緯糸をそれぞれ
上下二層に配設し、下層の緯糸にはポリエステル糸とポ
リアミド糸を配置し、下層ポリアミド緯糸は上層の緯糸
の上を通って織り込む1本の経糸を挾んだ1対の経糸に
より1か所で織り込まれ、下層ポリエステル緯糸は経糸
により2か所で組織に織り込まれ、該下層ポリエステル
緯糸は少なくとも1箇所は下層ポリアミド緯糸を織り込
んだ経糸で織り込まれた緯糸と、2箇所とも下層ポリア
ミド緯糸を織り込まず、下層ポリエステル緯糸のみを織
り込む経糸で織り込まれた緯糸の2種類の緯糸からなっ
ている、完全組織を有する製紙用二重織物。
2. ポリアミド下層緯糸はポリエステル下層緯糸より線
径が大きい糸である、特許請求の範囲第1項に記載され
た製紙用二重織物。
3. ポリアミド下層緯糸とポリエステル下層緯糸との配
置数の比が1:3〜3:1である特許請求の範囲第1項ないし
第2項のいずれか1項に記載された製紙用二重織物。」 に関する。
本発明の特徴の1つは、上層の緯糸の上を通りこの緯
糸を組織に織り込む1本の経糸を挾んだ1対の経糸によ
り下層のポリアミド緯糸を強い力で曲げて1箇所で、組
織に織り込むことである。
即ち、1本より複数本の隣接した経糸により緯糸を1
箇所で曲げれば確かに1本の経糸より強い力で緯糸を曲
げることができるが、このように隣接した経糸で1箇所
の緯糸を押し曲げると緯糸の反発力により経糸が寄って
その間に平面水空間がなくなり、この部分の水性が
小さくなる為め水性の不均一が生じ、ワイヤマーク発
生の原因となる。しかし、本発明は間に1本の下層緯糸
を織り込まない経糸を挾んだ1対の経糸により下層緯糸
を織り込むという特殊な構造とすることにより、この問
題を解決した。即ちこの下層緯糸の織り込み位置では、
挾まれた経糸は、下層緯糸を織り込まず、この経糸を挾
んだ2本の経糸の間から抜け出して上層のつまり製紙面
の緯糸を織り込んでいるので前記の2本の経糸は接近し
て1対となって下層緯糸を強力に織り込むのでクリンプ
性は非常によくなる。また、下層緯糸の織り込み位置で
は1対となる2本の経糸は接近するので平面的には水
空間は減るが両者の間に挾まれた経糸の存在により、こ
こに立体水空間が形成されるので水空間の偏在が防
げるのである。
緯糸を強い力で曲げることができるので、太いポリア
ミド緯糸を使用することができ耐摩耗体積を一層増大さ
せることができる。この特殊な構成により、本発明は従
来の製紙用織物の表面性即ち、パルプ繊維のサポート
性、ワイヤマーク特性を変えることなく製紙用織物の耐
摩耗性を大きく改善するものである。
本発明の第2の特徴は、織物の走行面の短いクリンプ
を形成するポリエステル下層緯糸は、経糸により2か所
で組織に織り込まれ、少なくとも1か所が上記の下層ポ
リアミド下層緯糸を織り込んだ経糸織り込まれた緯糸
と、2か所とも下層ポリアミド緯糸を織り込まず、下層
ポリエステル緯糸のみを織り込む経糸で織り込まれた2
種類の緯糸とからなることである。このように剛性の優
れたポリエステル下層緯糸を織り込んだ経糸がポリアミ
ド下層緯糸を織り込む構造を有するためポリエステル下
層緯糸の剛性効果により経糸の姿勢が安定するので、姿
勢安定性にやや劣るポリアミド下層緯糸は組織に強固か
つ安定に保持され、製紙用織物の姿勢安定性は大きく改
善される、とともに、下層緯糸の織り込み位置の偏在が
防止され、水性の不均一が防げる効果が奏される。
[作 用] 製紙用織物の走行面の耐摩耗性は、走行面を形成する
耐摩耗糸の摩耗体積を大きくすることにより増大する。
使用中の織物の姿勢の安定性と、使用寿命の延長の点か
ら緯糸に耐摩耗作用を奏させることが望ましい。経糸が
摩耗すると織物の寸法の変化や切断が生ずるからであ
る。
前述のように、本発明の緯糸を上下二重に配置した製
紙用織物は、走行面において剛性に優れたポリエステル
製の下層緯糸と耐摩耗性に優れたポリアミド製の下層緯
糸とを配置することにより、耐摩耗性に優れたポリアミ
ド下層緯糸のクリンプを長くすることができる。これに
より走行面にさらに太い下層緯糸を使用することがで
き、従来の製紙用織物の表面性即ち、パルプ繊維のサポ
ート性、ワイヤーマーク特性を変えることなく走行面の
緯糸の耐摩耗体積を増大させ製紙用織物の耐摩耗性を大
きく改善することが出来るのである。
実際には、経糸緯糸が交差し、糸が急激に曲げられる
ナックル部においてはそのクリンプの形状のため耐摩耗
作用を営まない緯糸部分が存在する。つまり同じ面積内
ではナックルの数の少ない方が耐摩耗性の点からみて優
れており、水性も向上する。
また、クリンプ性、すなわち経糸が緯糸を曲げようと
するとき緯糸の反発力に打勝って緯糸を押し曲げること
ができる指標であるが、これはクリンプの長さつまり緯
糸を押し上げる経糸と経糸との距離が長くなると良好と
なる。そしてクリンプ性が向上すると太い緯糸の使用が
可能となる。
本発明においては、織物の走行面のポリアミド緯糸は
完全組織で1回織り込まれるのでの長いクリンプが形成
され、クリンプが長くなっているのでクリンプ性は良好
であり、従来使用できなかった太い緯糸が配置できるの
で耐摩耗体積をさらに大きくすることができる。
本発明は上記の構造を製紙用織物の走行面に形成する
ものであるから、製紙面への影響は極めて小さく、製紙
面の抄造性にはほとんど影響を与えず、水性、ワイヤ
ーマーク性に変化はみられない。
なお、摩耗体積の増大、耐摩耗性の増大については次
の実施例の項において従来例と比較しながら具体的に説
明する。
[実施例] 第1図と第2図はそれぞれ本発明の経糸緯糸とが各16
本(16シャフト)、20本(20シャフト)、である二重織
製紙用織物を示す完全意匠図であり、第3図は従来の16
シャフトの二重織製紙用織物を示す完全意匠図である。
図中の番号は、経糸緯糸それぞれの番号を示す。これら
の実施例において、ダッシュのない番号は経糸であり、
ダッシュのある番号は緯糸である。説明の都合上、上下
の緯糸は同じ番号で示されるが必要あるときはその都度
説明する。
図面において、○印は経糸が走行面の緯糸を織込んで
いる位置を示し、×印は経糸が製紙面の緯糸を織込んで
いる位置を示す。各図のポリアミド下層緯糸において○
印、×印、○印が連続しているところは、製紙面に突出
する1本の経糸を挾んで隣合う1対の経糸が走行面の1
本のポリアミド下層緯糸を織り込んでいることを示す。
ここで○印と左右に連続する○印との間の距離は、製
紙用織物の走行面を形成する緯糸のクリンプの長さを示
している。
第1図の実施例は長いクリンプのポリアミド緯糸を1
本配置した次に短いクリンプのポリエステル下層緯糸を
3本配置した16シャフトの3:1交織製紙用織物である。
この実施例では、長いクリンプの下層緯糸は経糸13本
分、短いクリンプの下層緯糸は経糸7本分の長さである
ことが理解される。
第1図においてポリアミド下層緯糸は、1′,5′,
9′,13′,に配置されている。
第1図のの実施例では、ポリエステル下層緯糸2′は
経糸8と経糸16とで組織に2回織り込まれその間、及び
この組織図の右又は左に繰り返される組織図に示される
織り込み部位との間にクリンプを形成しており、このク
リンプはその間に7本の経糸が存在する短いクリンプで
ある。一方ポリアミド下層緯糸1′は、経糸13,15とで
織り込まれてナックルを形成し、右または左隣りに繰り
返す完全意匠図(図示せず)の次のナックルとの間には
13本の経糸が存在するロングクリンプを形成している。
他の下層緯糸も同様にポリエステル下層緯糸は短いクリ
ンプをそして、ポリアミド下層緯糸は長いクリンプを形
成するのである。
そして、ポリアミド下層緯糸1′を織り込んだ経糸13
と15の間には上層の緯糸を織り込んだ経糸14が挾まれて
いるが、経糸13と15が下層緯糸1′を織り込んだ位置で
は経糸14は上層の緯糸を織り込んでおり、経糸13と15の
間から上方に抜け出して、経糸13と15の接近がか可能と
なり、経糸13と15は1対となって下層緯糸を強く曲げて
組織に織り込むのでクリンプ性が極めて良好になる効果
が奏される。そして、前述のとおり経糸13と15の間の経
糸14は、経糸13と15が下層緯糸1′を織り込んだ位置で
は経糸13と15の間から上方に抜け出して経糸13と15は接
近し平面水空間は減少するもののこの部位には、経糸
14の存在により立体水空間が形成され、水空間の偏
在が防止される。
第2図の実施例は、長いクリンプのポリアミド下層緯
糸と短いクリンプのポリエステル下層緯糸を3:2の割合
で配置した20シャフトの3:2交織製紙用織物であり、走
行面に置けるロングクリンプの配置を少し崩した実施例
である。この実施例では長いクリンプの緯糸は経糸17本
分、短いクリンプの緯糸は経糸9本分の長さであること
が理解される。
第2図のの実施例では、ポリエステル下層緯糸1′は
経糸3と経糸13とで組織に2回織り込まれその間、及び
この組織図の右又は左に繰り返される組織図に示される
織り込み部位との間に9本の経糸が存在する短いクリン
プクリンプを形成している。一方ポリアミド下層緯糸
2′は、経糸10,12とで織り込まれてナックルを形成
し、右または左隣りに繰り返す完全意匠図(図示せず)
の次のナックルとの間には17本の経糸が存在するロング
クリンプを形成している。他の下層緯糸も同様にポリエ
ステル緯糸は短いクリンプをそして、ポリアミド緯糸は
長いクリンプを形成するのである。
そして、ポリアミド下層緯糸2′を織り込んだ経糸10
と12の間には上層の緯糸を織り込んだ経糸11が挾まれて
いるが、経糸10と12が下層緯糸2′を織り込んだ位置で
は経糸11は上層の緯糸を織り込んでおり、経糸10と12の
間から上方に抜け出して、経糸10と12の接近が可能とな
り、経糸10と12は1対となって下層緯糸を強く曲げて組
織に織り込むのでクリンプ性が極めて良好になる効果が
奏される。そして、前述のとおり経糸10と12の間の経糸
11は、経糸10と12が下層緯糸2′を織り込んだ位置では
経糸10と12の間から上方に抜け出して経糸10と12は接近
し平面水空間は減少するもののこの部位には、経糸11
の存在により立体水空間が形成され、水空間の偏在
が防止される。
第3図は従来の16シャフトの二重織製紙用織物を示す
完全意匠図である。第3図の二重織製紙用織物におい
て、緯糸1′は経糸7と経糸15とでクリンプを形成して
おり、緯糸2′は経糸2と経糸10とでクリンプを形成し
ており、それぞれ両クリンプの間には7本の経糸が存在
する。このように従来使用されている二重織製紙用織物
のクリンプの長さは本発明とは異なり、全て同一であ
る。
第4図及び第5図は製紙用織物のナックル部を示すも
のである。21〜23は経糸であり24′は走行面に突出して
いる緯糸である。第4図は経糸21,22,23が緯糸24′の下
を通って経糸24′を織り込んでいるところを示す。第5
図では経糸21,23は緯糸24′の下を通って緯糸24′を織
り込んでいるが、経糸22は緯糸を織り込んでいない。第
4図と第5図の斜線部分が耐摩耗性を奏していないこと
は明らかである。即ち、ナックル数が多くなると耐摩耗
機能を持たない緯糸部分が増加して有効耐摩耗体積が減
少する。
第6図はクリンプの形状を示すものである。経糸26と
27が緯糸25′の下を通り緯糸25′を織り込んでいるが、
この図から明らかなように経糸26,27は緯糸25′を上方
に押し上げている。また、経糸29と30とは緯糸25′の反
発力を受けているが緯糸を押し下げている。また経糸28
は緯糸を下方に押しているがその作用は経糸29,30に比
べると小さい。この経糸が緯糸の反発力に勝って緯糸を
押し曲げる指標をクリンプ性というが、クリンプ性が良
ければ太い緯糸を使用することができるわけである。
経糸26と経糸27との距離が長いほど、また経糸28,29,
30,…の数の多いほどクリンプ性はよくなる。
本発明においては織物の走行面に突出する緯糸にクリ
ンプの長いポリアミド緯糸を配置しさらにこの糸を太い
糸とすることができるので耐摩耗体積を一層大きくする
ことができ、耐摩耗性を向上させることができるのであ
る。
また、本発明においては織物の走行側に突出するクリ
ンプの長さの異なる下層緯糸は互いに隣合って配置して
もよく、また隣合って配置しなてもよい。また、配置本
数も同本数でもよく、異なっても良い。
本発明においては、走行側に突出する長いクリンプの
ポリアミド下層緯糸と短いクリンプのポリエステル下層
緯糸との配置数の割合いを3:1〜1:3(2:1,3:2,1:1,2:3,
1:2を含む。)とするものである。
走行側に突出する緯糸を、長いクリンプの緯糸と短い
クリンプの緯糸との配置数の割合を3:1〜1:3とするの
は、耐摩耗性の向上と織物の姿勢維持のバランス上好ま
しいからである。即ち長いクリンプの緯糸は耐摩耗性の
効果は大きい。しかしながら経糸により織り込まれる回
数が少ないので織物の姿勢維持の効果は小さい。一方短
いクリンプの緯糸は織物の姿勢維持効果は大きいが耐摩
耗性は小さい。長いクリンプの緯糸と短いクリンプの緯
糸との比が長いクリンプのものからみて3:1以上になる
と織物の姿勢維持が悪くなり、好ましくない。又両者の
比が1:3以下になると耐摩耗性が悪くなり、やはり好ま
しくない。また長いクリンプと短いクリンプとの間には
段差が生じるが、このように3:1〜1:3にすると段差が減
り走行面が平滑になる効果がある。
耐摩耗面を形成する走行側に突出する緯糸のクリンプ
の長さを、長いクリンプ同士、短いクリンプ同士をそれ
ぞれ同じ長さにすると、製紙用織物の姿勢の維持が良好
となる効果があるが必ずしも同じ長さにしなければ耐摩
耗性が奏されないということはない。耐摩耗性を奏する
長いクリンプと、姿勢の維持を受け持つ短いクリンプが
配置されていることが重要なのである。
このように本発明においては製紙用織物の走行側の有
効耐摩耗体積を従来の織物に比較して著しく大きくする
ことができ、耐摩耗性を飛躍的に改善することができ
た。このことは次に比較試験で具体的に示す。
第1図に示す本発明の製紙用織物を代表例とし、第3
図の従来の製紙用織物の耐摩耗性の比較を示す。
まず摩耗体積を比較する緯糸のクリンプの体積の計算
上、クリンプは、経糸と経糸との間で円筒状とした。実
際には後で説明するように緯糸の屈曲部や経糸の上方に
存在する摩耗に無関係の部分があるので従来例では摩耗
体積はもっと小さくなる。第1図の実施例では長いクリ
ンプと短いクリンプのした層緯糸がが1本置きに配置さ
れているので、隣合う2本の緯糸についてクリンプの体
積を計算したが、比較例についても隣合う2本の緯糸に
ついて計算し両者を比較した。
第1図と第3図とに示す同じ16本の経糸と緯糸で形成
される製紙用織物について、隣合う2本の緯糸は第3図
の従来例ではクリンプを形成する経糸と経糸との間には
各7本の経糸が配置されているので、7×4=28本分の
長さのクリンプが形成されている。したがってその体積
は、経糸の線径が0.17mm、緯糸の線径が0.22mmであるか
ら、 28×0.17×(0.22/2)π=0.181mm3 である。
同様に第1図の本発明の実施例においては、隣合う2
本の緯糸のうち1本の緯糸に対して経糸7×2=14本分
の長さのクリンプが、他の1本の緯糸に対して経糸13本
分の長さのクリンプがそれぞれ形成されており、1本の
経糸を置いて隣合う経糸2本が対になって緯糸に絡んで
いるため太い緯糸が使用できるので、経糸の線径が0.17
mm、ポリエステル緯糸の線径が0.22mm、ポリアミド緯糸
の線径が0.30mmであると、クリンプの体積は、 14×0.17×(0.22/2)π +13×0.17×(0.30/2)π=0.247mm3 である。そこで摩耗体積の増加割合は、 [(0.247−0.181)/0.181]×100=36.5(%)即
ち、単純計算しただけでも本発明の実施例においては約
37%摩耗体積が大きい。
実際には、前記の通り、耐摩耗に関係しない緯糸部分
がナックルが多くなるほど増加するため、従来例よりナ
ックルの少ない本発明の耐摩耗体積はこの計算よりはる
かに大きくなる。それが次に示す比較試験の結果に表れ
ているのである。
比較試験の結果を次の第1表に示す。
試験方法:日本フイルコン製摩耗試験機(実用新案登
録第1350124号)を用いて、フィラーには重質炭酸カル
シウムを用いて行った。
試験結果:第1表に示すごとく、本発明品は従来品に
比べて、下緯糸が摩耗切断するまでの時間(ワイヤー寿
命)が約1.6倍であった。
[効 果] 以上説明したとおり、本発明の製紙用織物は、その走
行面において、下層緯糸のクリンプを長くしたので、ク
リンプ性が良好となり、従来使用できなかった太い下層
緯糸が使用できることとなり、さらに、製紙面の緯糸を
織り込む経糸1本を挾んで隣合う経糸2本が対になって
走行面の緯糸を強い力で曲げるため、一層太い緯糸を使
用することができることとなるので、耐摩耗性は飛躍的
に増大する。また、このようにして緯糸は強く織り込ま
れるので織物の剛性が大きくなり、姿勢の維持、が良好
になる効果も奏される。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は、本発明の実施例であって、それぞれ
経糸と緯糸とが各16本(16シャフト)、20本(20シャフ
ト)で構成される製紙用二重織物の完全組織をしめす完
全意匠図である。 第4図と第5図は製紙用織物のナックル部を示し、第6
図はクリンプの形状を示す。 第3図は従来例の経糸と緯糸とが各16本(16シャフト)
で構成される製紙用織物の完全組織をしめす完全意匠図
である。 1〜23、26〜30……経糸 1′〜20′,24′,25′……緯糸

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】n×2本(nは7以上の整数)の緯糸をそ
    れぞれ上下二層に配設し、下層の緯糸にはポリエステル
    糸とポリアミド糸を配置し、完全組織において下層ポリ
    アミド緯糸は上層の緯糸の上を通って織り込む1本の経
    糸を挾んだ1対の経糸により1か所で織り込まれ、下層
    ポリエステル緯糸は経糸により2か所で組織に織り込ま
    れ、該下層ポリエステル緯糸は少なくとも1箇所が下層
    ポリアミド緯糸を織り込んだ経糸で織り込まれた緯糸
    と、2箇所とも下層ポリアミド緯糸を織り込まず、下層
    ポリエステル緯糸のみを織り込む経糸で織り込まれた緯
    糸の2種類の緯糸からなっている、完全組織を有する製
    紙用二重織物。
  2. 【請求項2】ポリアミド下層緯糸はポリエステル下層緯
    糸より線径が大きい糸である、特許請求の範囲第1項に
    記載された製紙用二重織物。
  3. 【請求項3】ポリアミド下層緯糸とポリエステル下層緯
    糸との配置数の比が1:3〜3:1である特許請求の範囲第1
    項ないし第2項のいずれか1項に記載された製紙用二重
    織物。
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CN102367614A (zh) * 2011-06-09 2012-03-07 吴江市鑫凤织造有限公司 人造丝中空格纹面料

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