JP2678918B2 - 製紙用二重織物 - Google Patents

製紙用二重織物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、製紙用織物に関する。
[従来の技術] 製紙用織物に対しては従来より多くの要求がある。大
別すると、(イ)ワイヤーマークの発生防止、紙繊維の
十分な絡み合い等、紙の品質そのものに関する問題また
は製紙の歩留りの問題、(ロ)耐摩耗性の向上、織物の
使用寿命の延長、(ハ)良好な水性の問題、などがあ
る。それぞれの問題は互いに関連する点が多いが、大雑
把にいえば、(イ)の問題は主として織物の製紙面の構
造が大きく関係する問題であり、(ロ)は織物の走行側
表面の構造に関係が深く、(ハ)は織物全体に関する問
題である。
このような問題は多重織りの織物だけでなく、一重織
りの織物においても同様に解決しなければならない問題
である。
従来(イ)の解決には多くの提案がなされてきた。し
かしながら、(ロ)の問題すなわち製紙用織物の耐摩耗
性の向上については十分な工夫がなされておらず、製紙
用織物の走行側を緯糸摩耗型として、経糸の摩耗を防ぐ
程度に止まっている。
しかしながら、近年製紙スピードの高速化、填料の使
用量の増大、中性製紙の製造の必要性の増大などの諸条
件が要求され、製紙用織物の耐摩耗性が大きな問題とな
っている。
このような耐摩耗性を向上させるために、従来緯糸摩
耗型の製紙用織物の走行面の緯糸として、耐摩耗性のあ
るポリアミドを用いることも試みられているが、ポリア
ミドを用いた製紙用織物は伸びやすく、姿勢安定性が悪
いという欠点があった。
そこで、従来、経糸緯糸いずれにも剛性に優れたポリ
エステルを用いて、伸びにくく姿勢性に優れた製紙用織
物を構成する試みが行われていた。
第16図はポリエステル製の経糸緯糸それぞれ16本の従
来使用されている二重織りの製紙用織物を示す完全意匠
図である。同図中、○印は経糸が下層緯糸の下側を通っ
て経糸が走行面の緯糸を織込んでいる位置を示し、×印
は経糸が上層緯糸の上側を通って経糸が製紙面の緯糸を
織込んでいる位置を示し、無印の部分は経糸が上層緯糸
と下層緯糸の間を通っている位置を示す。通常多重織の
製紙用織物ではこのようにして織物の構造を意匠図で表
現している。
また、経糸と緯糸が交差する部分、例えば○印の部分
をナックルといい、ナックルとナックルの間に走行面側
または製紙面側に突出して形成され糸る部分をクリンプ
という。
したがって緯糸の○印と○印との間の距離は走行面の
緯糸のクリンプの長さを示す。第16図の従来の製紙用織
物においては走行面の隣合う緯糸のクリンプの長さは同
じである。
しかし、このような従来の製紙織物では、上記のよう
な諸要求を満たすため、製紙用織物の走行側の緯糸に太
い線径の糸を使用することが試みられており、耐摩耗性
の改善はある程度図られるものの、緯糸が太いので緯糸
と経糸とのバランスが崩れ、クリンプ性が悪化しワイヤ
ーマーク発生の原因となる。
さらに、上記(ハ)の問題から理解されるように走行
面の構造が変化すれば水性も影響があり単に緯糸を太
くする程度の姑息な手段では問題は解決されない。
[発明が解決しようとする課題] 上記のような従来の技術の問題に鑑みて、本発明は製
紙用織物の水性やワイヤーマーク性などの紙を抄造す
る性能には悪影響を与えることなく、耐摩耗性を改善し
ようとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は「1.n×2本(nは7以上の整数)の緯糸を
それぞれ上下二層に配設し、下層の緯糸はポリエステル
糸とポリアミド糸を配置しこの下層緯糸がポリアミド緯
糸は1か所でポリエステル緯糸は2か所で隣合う2本の
経糸により織り込まれた完全組織を有する製紙用二重織
物。
2.ポリアミド緯糸はポリエステル緯糸より線径が大きい
糸である請求項1に記載された製紙用二重織物。
3.ポリアミド緯糸とポリエステル緯糸との比は1:3〜3:1
である、請求項1または2に記載された製紙用二重織
物。」に関する。
[作 用] 製紙用織物の走行面の耐摩耗性は、走行面を形成する
緯糸の摩耗体積を大きくすることにより増大する。使用
中の織物の姿勢の安定性と、使用寿命の延長の点から緯
糸に耐摩耗作用を奏させることが望ましい。経糸が摩耗
すると織物の寸法の変化や切断が生ずるからである。
本発明の緯糸を上下二重に配置した製紙用織物は、走
行面において剛性に優れたポリエステル製の緯糸と耐摩
耗性に優れたポリアミド製の緯糸とを配置することによ
り、剛性を維持しながら耐摩耗性に優れたポリアミド緯
糸のクリンプを長くすることができる。さらに隣合う経
糸2本が対になって走行面のポリエステル緯糸及びポリ
アミド緯糸を織り込むことにより、緯糸を強い力で曲げ
ることができるので太い緯糸を使用することが可能とな
る。これにより、従来の製紙用織物の表面性即ち、パル
プ繊維のサポート性、ワイヤーマーク特性を変えること
なく走行面の緯糸に長いクリンプを形成することによっ
て摩耗体積を増大させ製紙用織物の耐摩耗性を大きく改
善するものである。
実際には、経糸緯糸が交差し糸が急激に曲げられるナ
ックル部においてはそのクリンプの形状のため耐摩耗作
用を営まない緯糸部分が存在する。つまり同じ面積内で
はナックルの数の少ない方が耐摩耗性の点からみて好ま
しく水性も向上する。
また、クリンプ性、すなわち経糸が緯糸を曲げようと
するとき緯糸の反発力に打勝って緯糸を押し曲げること
ができる指標であるが、これはクリンプの長さつまり緯
糸を押し上げる経糸と経糸との距離が長くなると良好と
なる。そしてクリンプ性が向上すると太い緯糸の使用が
可能となる。
本発明においては、織物の走行面のポリアミド緯糸の
クリンプが長くなっているのでクリンプ性は良好であ
り、従来使用できなかった太い緯糸が配置できるので摩
耗体積をさらに大きくすることができる。
さらに本発明においては隣合う2本の経糸が対になっ
て走行面の緯糸を強い力で曲げるので、クリンプ性がさ
らに良好となり、さらに太い緯糸を使用することがで
き、耐摩耗性が飛躍的に向上する。
なお、摩耗体積の増大、耐摩耗性の増大については次
の実施例の項において従来例と比較しながら具体的に説
明する。
[実施例] 第1図から第6図までそれぞれ本発明の経糸緯糸とが
各16本(16シャフト)、14本(14シャフト)、18本(18
シャフト)、20本(20シャフト)、22本(22シャフ
ト)、24本(24シャフト)である二重織り製紙用織物を
示す完全意匠図であり、図中の番号は、経糸緯糸それぞ
れの番号を示す。実施例において、緯糸はダッシュのあ
る番号で示し、ポリエステル糸または、ポリアミド糸で
あり、ダッシュのない番号はポリエステル経糸である。
なお、緯糸は製紙面側の上層緯糸と走行面側の下層緯糸
が上下に重なって配置されており、同番号で示されてい
る。
第1図から第6図までにおいて、○印は経糸が走行面
の緯糸を織込んでいる位置を示し、×印は経糸が製紙面
の緯糸を織込んでいる位置を示す。無印の部分は経糸が
上層緯糸と下層緯糸の間を通っている位置を示す。
各図において、○印が2個ずつ連続しているが、これ
は隣合う2本の経糸が走行面の1本の緯糸を織り込んで
いることを示す。ここで、2個連続する○印と左右に隣
り合う2個連続する○印との間の距離は製紙用織物の走
行面を形成する緯糸のクリンプの長さを示している。
これらの図から明らかなように緯糸のクリンプが一本
おきに長く、しかもクリンプの長さが長いクリンプ同
士、それぞれ同じであることが明示されている。
第1図のものは第16図の従来のものと同様、経糸と緯
糸とがそれぞれ16本のものであり、第16図のものと比較
すると明らかに下層緯糸のクリンプの長さが長くなって
いる。すなわち、例えば、第16図の下層緯糸1′(ポリ
エステル糸)は経糸7と15とにより2個所で織り込ま
れ、下層緯糸2′(ポリアミド糸)は経糸2と経糸10と
により2個所で織り込まれ夫々の経糸が織り込み部にお
いてナックルを形成している。そしてそれぞれの経糸の
ナックルの間に緯糸のクリンプを形成しており、7本の
経糸が存在する長さのクリンプが形成されている。すな
わちクリンプの長さは全て経糸7本分で同一である。こ
のように第16図に示される従来の製紙用織物は下層緯糸
のクリンプの長さが全て同一である。
これに対し、第1図の下層緯糸1′(ポリエステル
糸)は隣り合う経糸7、8と隣り合う経糸15、16とによ
り2個所で織り込まれ、下層緯糸2′(ポリアミド糸)
は隣り合う経糸10、11により1個所で織り込まれて夫々
の経糸が織り込み部においてナックルを形成している。
下層緯糸1′(ポリエステル糸)は隣り合う経糸7、
8と隣り合う経糸15、16のナックルの間にクリンプを形
成し、それぞれ両クリンプの間には6本の経糸が存在す
るので経糸6本分の長さのクリンプが形成されている。
下層緯糸2′(ポリアミド糸)は隣り合う経糸10、11
と右または左隣に繰り返す完全意匠図(図示せず)の隣
り合う経糸10、11のナックルとの間にクリンプを形成
し、クリンプの間には14本の経糸が存在する経糸14本分
の長さのクリンプが形成されている。第16図の従来例の
経糸7本分のクリンプと比較するとクリンプの長さが2
倍も長くなっていることがよく理解できる。
このように走行面のクリンプを長くすると下層緯糸の
耐摩耗体積を大きくすることができ、使用寿命を非常に
長くすることができるのである。
第2図〜第6図に示されるものにおいてもポリアミド
下層緯糸のクリンプの長さが長くなっている。
第7図及び第8図は製紙用織物のナックル部を示すもの
である。25〜27は経糸であり、第7図の経糸25、26、27
の部分にナックルが形成され、第8図の経糸25、26の部
分にナックルが形成されている。28′は走行面に突出し
ている緯糸である。第7図は経糸26が緯糸28′の下を通
って緯糸28′を織り込んでいるところを、第8図は経糸
26が緯糸28′の上を通って緯糸28′を織り込んでいない
ところを示す。第7図と第8図の傾斜部分が耐摩耗性を
奏していないことは明らかである。即ち、ナックル数が
多くなると耐摩耗機能を持たない緯糸部分が増加して有
効摩耗体積が減少する。
第9図はクリンプの形状を示すものである。経糸30と
31が緯糸29′の下を通り緯糸29′を織り込んでいるが、
この図から明らかなように経糸30、31は緯糸29′を上方
に押し上げている。また、経糸33と34とは緯糸29′の反
発力を受けているが緯糸29′を押し下げている。また経
糸32は緯糸29′を下方に押しているがその作用は経糸3
3,34に比べると小さい。この経糸が緯糸の反発力に勝っ
て緯糸を押し曲げる指標をクリンプ性というが、クリン
プ性が良ければ太い緯糸を使用することができるわけで
ある。
経糸30と経糸31との距離が長いほど、また経糸32,33,
34,…の数の多いほどクリンプ性はよくなる。
本発明においては織物の走行面に突出する緯糸のクリ
ンプの長さを互いに異ならせているからクリンプの長い
ポリアミド緯糸に太い糸を配置することができるので耐
摩耗体積を大きくすることができ、耐摩耗性を向上させ
ることができるのである。
第10図は本発明の製紙用織物のナックル部を示すもの
であり、緯糸35′を、経糸36と39との間で2本の隣合う
経糸37、38が強い力で押し上げており、緯糸のクリンプ
性が良好となり織物組織が安定化し、より太い緯糸が使
用できるようになるので、織物の合成が向上するととも
に耐摩耗性が飛躍的に向上する。
また、本発明においては次に第11図、第12図、第13
図、第14図、第15図の実施例で説明するように織物の走
行側に突出するクリンプの長さの異なる緯糸は互いに隣
合って配置しなくても、また同本数配置しなくても良
い。第11図の実施例は長いクリンプを形成するポリアミ
ド緯糸を2本配置した次に短いクリンプを形成するポリ
エステル緯糸を1本配置した18シャフトの1:2交織製紙
用織物である。
第11図の実施例では、長いクリンプを形成する緯糸は
経糸16本分、短いクリンプを形成する緯糸は経糸7本分
の長さであることが理解される。第11図においてポリア
ミド緯糸は1′,2′,4′,5′,7′,8′,10′,11′,13′,
14′,16′、17′に配置されている。なお図示はしない
が、長いクリンプを形成するポリアミド緯糸を1本配置
した次に短いクリンプを形成するポリエステル緯糸を2
本配置した18シャフトの2:1交織製紙用織物も所定の耐
摩耗性を得ることができる。
第12図の実施例は、長いクリンプを形成するポリアミ
ド緯糸を3本配置した次に短いクリンプを形成するポリ
エステル緯糸を1本配置した16シャフトの1:3交織製紙
用織物である。この実施例では長いクリンプを形成する
緯糸は経糸14本分、短いクリンプを形成する緯糸は経糸
6本分の長さであることが理解される。
第13図の実施例は、長いクリンプを形成するポリアミ
ド緯糸を1本配置した次に短いクリンプを形成するポリ
エステル緯糸を3本配置した16シャフトの3:1交織製紙
用織物である。この実施例も所定の耐摩耗性を得ること
ができる。
第14図の実施例は、長いクリンプを形成する緯糸と短
いクリンプを形成する緯糸との割合いを2:3とした20シ
ャフトの2:3交織製紙用織物である。第14図において、
1′,3′,5′,6′,8′,10′,11′,13′,15′,16′、1
8′,20′が長いクリンプを形成しているポリアミド緯糸
であり、他は短いクリンプを形成しているポリエステル
緯糸である。
第15図の実施例は、長いクリンプを形成する緯糸と短
いクリンプを形成する緯糸との割合いを2:3とした20シ
ャフトの3:2交織製紙用織物である。第15図において、
2′,4′,7′,9′,12′,14′,17′,19′が長いクリンプ
を形成しているポリアミド緯糸であり、他は短いクリン
プを形成しているポリエステル緯糸である。
このように本発明においては、走行側に突出する長い
クリンプを形成するポリアミド緯糸と短いクリンプを形
成するポリエステル緯糸との割合いが3:1〜1:3(2:1,3:
2,1:1,2:3,1:2を含む。)とするものである。
走行側に突出する緯糸を、長いクリンプを形成する緯
糸と短いクリンプを形成する緯糸との割合を3:1〜1:3と
するのは、耐摩耗性の向上と織物の姿勢維持のバランス
上好ましいからである。即ち長いクリンプを形成する緯
糸は耐摩耗性の効果は大きい。しかしながら経糸により
織り込まれる回数が少ないので織物の姿勢維持の効果は
小さい。一方短いクリンプを形成する緯糸は織物の姿勢
維持効果は大きいが耐摩耗性は小さい。長いクリンプを
形成する緯糸と短いクリンプを形成する緯糸との比が長
いクリンプを形成する緯糸からみて3:1以上になると織
物の姿勢維持が悪くなり、好ましくない。又両者の比が
1:3以下になると耐摩耗性が悪くなり、やはり好ましく
ない。また長いクリンプと短いクリンプとの間には段差
が生じるが、このように3:1〜1:3にすると段差が減り走
行面が平滑になる効果がある。
耐摩耗性を形成する走行側に突出する緯糸のクリンプ
の長さを、長いクリンプ同士、短いクリンプ同士をそれ
ぞれ同じ長さにすると、製紙用織物の姿勢の維持が良好
となる効果があるが必ずしも同じ長さにしなければ耐摩
耗性が奏されないということはない。耐摩耗性を奏する
長いクリンプと、姿勢の維持を受け持つ短いクリンプが
配置されていることが重要なのである。
このように本発明においては製紙用織物の走行側の有
効耐摩耗体積を従来の織物に比較して著しく大きくする
ことができ、耐摩耗性を飛躍的に改善することができ
た。このことは次に比較試験で具体的に示す。
第1図に示す本発明の製紙用織物を代表例とし、第16
図の従来の製紙用織物の耐摩耗性の比較を示す。
まず摩耗体積を比較する緯糸のクリンプの体積の計算
上、クリンプは、経糸と経糸との間で円筒状とした。実
際には後で説明するように緯糸の屈曲部や経糸の上方に
存在する摩耗に無関係の部分があるので従来例では摩耗
体積はもっと小さくなる。本発明では長いクリンプを形
成する緯糸と通常の長さのクリンプを形成する緯糸が1
本置きに形成されているので、隣合う2本の緯糸につい
てクリンプの体積を計算したが、比較例についても隣合
う2本の緯糸について計算し両者を比較した。
第1図と第16図とに示す同じ16本の経糸と緯糸で形成
される製紙用織物について、隣合う2本の緯糸は第16図
の従来例ではクリンプの間には各7本の経糸が配置され
ているので、7×4=28本分の長さのクリンプが形成さ
れている。したがってその体積は、経糸の線径が0.17m
m、緯糸の扇形が0.22mmであるとすると、 28×0.17×(0.22/2)2π=0.181mm3 である。
同様に第1図の本発明の実施例においては、隣合う2
本の緯糸のうち1本の緯糸に対して経糸6×2=12本分
の長さのクリンプが、他の1本の緯糸に対して経糸14本
分の長さのクリンプがそれぞれ形成されており、隣合う
経糸2本が対になって緯糸に絡んでいるため太い緯糸が
使用できるので、経糸の線径が0.17mm、ポリエステル緯
糸の線径が0.25mm、ポリアミド緯糸の線径が0.30mmであ
ると、クリンプの体積は、 12×0.17×(0.25/2)π +14×0.17×(0.30/2)π= 0.268mm3 である。そこで摩耗体積の増加割合は、 (0.268÷0.181−1)×100=48.1(%) 即ち、単純計算しただけでも本発明の実施例において
は約50%摩耗体積が大きい。
第15図の従来例の走行面のクリンプの長さは実測によ
れば1.105mmであり、第1図の本発明の実施例では2.28m
mであった。
比較試験の結果を次の第1表に示す。
試験方法:日本フイルコン製摩耗試験機(実用新案登録
第1350124号)を用いて、フィラーには重質炭酸カルシ
ウムを用いて行った。
試験結果:第1表に示すごとく、本発明品は従来品に比
べて、下緯糸が摩耗切断するまでの時間(ワイヤー寿
命)が約1.6倍であった。
[効 果] 以上説明したとおり、本発明の製紙用織物は、その走
行面において、耐摩耗性に優れたポリアミド緯糸のクリ
ンプはポリエステル緯糸のクリンプの2倍となって長い
クリンプを形成し、クリンプ性が良好となるので、従来
使用できなかった太いポリアミド緯糸が使用できること
となり、剛性に優れたポルエステル緯糸は短いクリンプ
を形成して織込まれているので織物の剛性は良好であ
り、隣り合う経糸2本が対になって当該走行面の緯糸を
強い力で曲げるのでさらに太い緯糸を使用することがで
きることとなり、織物の姿勢の維持、即ち使用中の伸び
を防止し、当該織物の水性やワイヤーマーク性などの
紙を抄造する性能には悪影響を与えることなく、さらに
織物の剛性を損なうことなく、耐摩耗性を飛躍的に改善
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図、第4図、第5図及び第6図
は、本発明の実施例であって、それぞれ経糸と緯糸とが
各16本(16シャフト)、14本(14シャフト)、18本(18
シャフト)、20本(20シャフト)、22本(22シャフト)
及び24本(24シャフト)で構成される完全組織の製紙用
二重織物の完全意匠図である。第7図と第8図は製紙用
織物のナックル部を示し、第9図はクリンプの形状を示
す。第10図は本発明の製紙用織物のナックル部を示す。
第11図、第12図、第13図、第14図及び第15図は、本発明
の実施例であって、それぞれ第11図は18シャフトの1:2
交織製紙用織物、第12図は16シャフトの1:3交織製紙用
織物、第13図は16シャフトの3:1交織製紙用織物、第14
図は20シャフトの2:3交織製紙用織物、及び第15図は20
シャフトの3:2交織製紙用織物の完全意匠図であり、第1
6図は従来例の経糸と緯糸とが各16本(16シャフト)で
構成される完全組織の製紙用二重織物の完全意匠図であ
る。 1〜27,30〜34,36〜39……経糸 1′〜24′,28′,29′,35′……緯糸

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】n×2本(nは7以上の整数)の緯糸をそ
    れぞれ上下二層に配設し、下層の緯糸はポリエステル糸
    とポリアミド糸を配置しこの下層緯糸がポリアミド緯糸
    は1か所でポリエステル緯糸は2か所で隣合う2本の経
    糸により織り込まれた完全組織を有する製紙用二重織
    物。
  2. 【請求項2】ポリアミド緯糸はポリエステル緯糸より線
    径が大きい糸である請求項1に記載された製紙用二重織
    物。
  3. 【請求項3】ポリアミド緯糸とポリエステル緯糸との比
    は1:3〜3:1である、請求項1または2に記載された製紙
    用二重織物。
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