JP2717509B2 - 苦味低減化剤及び苦味低減化法 - Google Patents

苦味低減化剤及び苦味低減化法

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JP2717509B2 JP6173315A JP17331594A JP2717509B2 JP 2717509 B2 JP2717509 B2 JP 2717509B2 JP 6173315 A JP6173315 A JP 6173315A JP 17331594 A JP17331594 A JP 17331594A JP 2717509 B2 JP2717509 B2 JP 2717509B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、苦味低減化剤及びこれ
を用いる苦味低減化法に関する。特に、本発明は、苦味
を有する食品、医薬品、あるいは化粧品に添加すること
により苦味を効果的に低減することができる苦味低減化
剤及びこれを用いる苦味低減化法に関する。
【0002】
【従来の技術】苦味物質を含有する食品、医薬品、ある
いは化粧品は数多くある。特に、医薬品においては、そ
の殆どが苦味物質を有しており、経口摂取に際して苦痛
を伴うものである。従って、苦味の低減は製剤上の大き
な課題となっている。現在行われている製剤における苦
味低減化法としては、例えば、甘味剤及び香料剤を添加
する方法(特開平2−56416号公報:アスパルテー
ムを用いる方法)、マイクロカプセル化、及び胃溶性コ
ーティング剤による粉末コーティング剤を用いる方法、
薬物を化学修飾する方法、包接化合物を添加する方法
(特開平3−236316号公報)など様々な方法が挙
げられる。しかし、いずれの方法でも、苦味を充分に抑
制することがむずかしく、また限られた薬物にしか用い
ることができないなどの欠点を有している。さらに、上
記の方法の他に、苦味を有する薬物に、油脂成分を添加
する方法、特にレシチン(ホスファチジルコリン)又は
ケファリンの単独又は混合物を添加する方法(特公昭5
5−8966号公報)やレシチン(ホスファチジルコリ
ン)を添加する方法(特開昭62−265234号公
報)も提案されている。しかしながら、本発明者の検討
によると、上記のような方法でも依然として充分な苦味
低減化には至っていない。特に、幼児及び高齢者におい
ては、薬剤の服用に際して固形製剤での服用が困難な場
合が多く、そのような場合には、シロップ剤等の液状形
態での服用が利用される。しかし、シロップ剤などの液
状にある薬物の苦味を除去する有効な方法がないのが現
状である。
【0003】食品においても、蛋白質分解物から得られ
るアミノ酸、ペプチドの有する苦味や、果汁中に存在す
る苦味、添加フレーバーに由来する苦味などの様々な苦
味物質が含まれる場合があり、これらの苦味物質の存在
は、食品の品質を低下させることが多い。食品中におけ
る苦味を除去する方法としては、例えば、吸着体を用い
る方法(特開昭55−108254号公報)、包接化合
物を用いる方法(特開昭61−40260号公報)、及
び甘味剤を添加する方法(特開昭60−9774号公
報)などが知られている。しかしながら、これらの方法
では苦味を充分に抑えられないことが多く、また食品の
味の質を変化させやすいなどの問題点は多い。
【0004】更に、顔面に用いられる化粧水、口腔内で
用いられるマウスウオッシュ、あるいは歯磨き等の化粧
品類は通常は苦味を呈さないことが好ましい。しかしな
がらその成分である界面活性剤や香料(フレーバー)に
は苦味を呈するものがあり、使用に際してその苦味のた
めにその種類や量が限定されることがある。従来、苦味
の除去には、甘味剤や特定の香料を添加して苦味の緩和
を行っているが、このような手段が不適当な場合も多
く、また強い苦味を呈する成分については充分な効果が
得られないことが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、苦味
物質を含有した医薬品、食品、あるいは化粧品の苦味の
低減に有効であって、安全に、また食品に対してはその
味を変えることなく使用できる苦味低減化剤及びこれを
用いる苦味低減化法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】一般に、苦味を有する物
質は疎水基を有し、該疎水基の作用によって、舌の味細
胞の味受容膜上に存在する脂質−脂質間及び脂質−蛋白
質間へ吸着する傾向があり、その物質を摂取した人は、
この吸着作用を介して苦味を感じる。そして、強い苦味
を呈する物質ほど脂質との親和性が強いことも、リン脂
質で構成されるリポソームを用いた研究において確かめ
られている。すなわち、蛍光色素を取り込ませたリポソ
ームへ、苦味を有する物質を添加すると、苦味を有する
物質がリポソーム膜に吸着し、これによって蛍光色素の
放出が起る。そして、蛍光色素の放出は、強い苦味を呈
する物質ほど大きいことが確認されている。すなわち、
苦味物質がリン脂質膜に吸着し易いという特性を有して
いる。
【0007】本発明者は、苦味を有する物質の味覚器官
にて行われる苦味受容機構並びに苦味物質と脂質との相
互作用に着目して鋭意研究を行った。そして、その結
果、酸性リン脂質及びリゾ酸性リン脂質が苦味低減に非
常に有効であることを見いだした。このような酸性リン
脂質あるいはそのリゾ体が独立して強い苦味低減化作用
を示すことは従来知られていない。
【0008】従って、本発明は、酸性リン脂質もしくは
そのリゾ体を有効成分とする苦味低減化剤にある。
【0009】また本発明は、苦味を有する食品に上記の
苦味低減化剤を、その有効成分として該食品の全量に対
して0.05〜30重量%添加することを特徴とする苦
味低減化法にもある。
【0010】更に本発明は、苦味を有する医薬品に上記
の苦味低減化剤を、その有効成分として該医薬品の全量
に対して0.01〜60重量%添加することを特徴とす
る苦味低減化法にもある。
【0011】更にまた本発明は、苦味を有する化粧品に
上記の苦味低減化剤を、その有効成分として該化粧品の
全量に対して0.05〜30重量%添加することを特徴
とする苦味低減化法にもある。
【0012】本発明は、以下の態様であることが好まし
い。 (1)酸性リン脂質及びそのリゾ体が、ホスファチジル
セリン、ホスファチジン酸、ホスファチジルイノシトー
ル、ホスファチジルグリセロール、カルジオリピン、及
びこれらのリゾ体からなる群より選ばれるものである。 (2)酸性リン脂質もしくはリゾ体が脂質混合物中に存
在し、その脂質混合物中の中性脂質の存在量が25重量
%以下(特に20重量%以下)である。
【0013】(3)酸性リン脂質もしくはそのリゾ体が
脂質混合物中に存在し、その脂質混合物中の酸性リン脂
質もしくはそのリゾ体が、その脂質混合物中に60重量
%以上(特に70重量%以上)含まれている。 (4)酸性リン脂質もしくはそのリゾ体が、ホスファチ
ジン酸もしくはリゾホスファチジン酸であり、ホスファ
チジン酸及び/又はリゾホスファチジン酸が脂質混合物
中に5重量%以上(更に好ましくは20重量%以上、特
に好ましくは50重量%以上)存在している。 (5)酸性リン脂質もしくはそのリゾ体が脂質混合物中
に存在し、かつ脂質混合物中の中性リン脂質の存在量が
該リン脂質の含有量の2倍以下(更に好ましくは1/2
以下、特に、1/5以下、最も好ましくは1/50以
下)である。
【0014】(6)苦味を有する食品に、上記苦味低減
化剤を、その有効成分として該食品の全量に対して0.
1〜20重量%(好ましくは0.5〜15重量%、さら
に好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは1〜5重
量%)添加する。
【0015】(7)苦味を有する医薬品に、上記苦味低
減化剤を、その有効成分として該医薬品の全量に対して
0.05〜50重量%(好ましくは0.1〜30重量
%、更に好ましくは0.5〜20重量%、特に好ましく
は1〜10重量%)添加する。
【0016】(8)苦味を有する化粧品に、上記苦味低
減化剤をその有効成分として該化粧品の全量に対して
0.1〜20重量%(好ましくは0.5〜15重量%、
更に好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは1〜5
重量%)添加する。
【0017】以下に、本発明の苦味低減化剤について説
明する。本発明の苦味低減化剤は、酸性リン脂質もしく
はそのリゾ体を有効成分とするものである。酸性リン脂
質とは、生理的食塩水(pH7.0)中で、総電荷が負
に帯電するものを言う。酸性リン脂質の例としては、ホ
スファチジルセリン、ホスファチジン酸、ホスファチジ
ルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、及びカ
ルジオリピンを挙げることができる。またそのリゾ体
(すなわちリゾ酸性リン脂質)の例としては、リゾホス
ファチジルセリン、リゾホスファチジン酸、リゾホスフ
ァチジルイノシトール、及びリゾホスファチジルグリセ
ロールを挙げることができる。
【0018】本発明の苦味低減化剤で用いる酸性リン脂
質あるいはそのリゾ体は、大豆、卵黄、小麦胚芽を初め
として、各種の動物臓器及び各種植物組織から抽出、分
離することにより得ることができる。利用できる抽出方
法としては、極性の違いを利用した有機溶媒による抽出
を挙げることができる。また分離方法としては、シリカ
ゲルカラムへ吸着させ、次いで有機溶媒により溶出させ
る方法を挙げることができる。酸性リン脂質またはその
リゾ体を得るためには、抽出、分離、精製により分離さ
れたリン脂質類縁体を、化学修飾及び/又は酵素処理に
より改質する方法を利用することもできる。その具体的
な方法としては、油糧種子(特開平2−312552号
公報)、キャベツ、米ぬか等の植物由来のホスホリパー
ゼD、あるいは微生物(特開平2−312551号公
報)が産出するホスホリパーゼDを用い、中性リン脂質
であるホスファチジルコリンを加水分解し、ホスファチ
ジン酸を得る方法や、ホスホリパーゼDを用いてリン酸
基のエステル交換を行い、ホスファチジルコリンをホス
ファチジルグリセロール(特開平3−22991号公
報)あるいははホスファチジルセリン等へと変換する方
法が挙げられる。
【0019】また本発明の苦味低減化剤では、化学的に
合成した酸性リン脂質またはそのリゾ体を用いることも
できる。具体的な合成法としては、ジグリセリドのリン
酸エステル化、モノグリセリドのリン酸エステル化、グ
リセロリン酸の脂肪酸エステル化、モノグリセリドのリ
ン酸エステル化、グリセロリン酸の脂肪酸エステル化を
挙げることができる。上記のような化学合成法により得
られる酸性リン脂質およびそのリゾ体の例としては、モ
ノアシルグリセロモノホスフェート、モノアシルグリセ
ロジホスフェート、ジアシルグリセロモノフォスフェー
ト、ビスホスファチジン酸、ビスホスファチジルモノホ
スファチジン酸、ビスホスファチジルリゾホスファチジ
ン酸等を挙げることができる。また、水素添加酸性リン
脂質、水素添加リゾ酸性リン脂質を用いることもでき
る。
【0020】本発明の苦味低減化剤の有効成分である酸
性リン脂質あるいはそのリゾ体は、上述のように天然物
から、あるいは化学合成によって得られる。従って、酸
性リン脂質あるいはそのリゾ体は脂質混合物として得ら
れ、脂質混合物として使用されることが多い。その場合
において、より高い苦味低減化効果を得るためには、酸
性リン脂質またはそのリゾ体の含有量が多いことが好ま
しく、具体的には、脂質混合物中に20重量%以上含ま
れていることが好ましく、40重量%以上含まれててい
ることが更に好ましい。特には60重量%以上、そして
70重量%以上含まれていることが好ましい。なお、酸
性リン脂質およびそのリゾ体の中でも、特にホスファチ
ジン酸及びリゾホスファチジン酸が強い苦味低減化作用
を有することが確認されており、従って本発明の苦味低
減化剤では、ホスファチジン酸またはリゾホスファチジ
ン酸を用いることが好ましく、特にホスファチジン酸を
用いることが好ましい。ホスファチジン酸またはリゾホ
スファチジン酸は、脂質混合物中に5重量%以上存在し
ていることが好ましく、更に好ましくは20重量%以
上、特に好ましくは50重量%以上である。
【0021】脂質混合物中には、通常は酸性リン脂質あ
るいはそのリゾ体の他に、他の脂質成分が含まれてく
る。酸性リン脂質およびそのリゾ体以外の脂質成分とし
ては、例えば、中性リン脂質(例、ホスファチジルコリ
ン、ホスファチジルエタノールアミン、およびこれらの
リゾ体)、中性脂質(例、トリグリセリド、ジグリセリ
ド、モノグリセリド)、脂肪酸、ステロール脂質、そし
て糖脂質等を挙げることができる。
【0022】本発明者の検討では、脂質混合物中の中性
脂質や中性リン脂質の存在量を低減させることによって
苦味低減化効果を更に高められることが判明した。従っ
て、本発明の苦味低減化剤として脂質混合物を用いる場
合には、その脂質混合物中の中性脂質の存在量は30重
量%以下であることが好ましく、更に好ましくは25重
量%以下、特に20重量%以下である。また、脂質混合
物中の中性リン脂質の存在量は、50重量%以下である
ことが好ましく、更に好ましくは30重量%以下、特に
10重量%以下である。また、脂質混合物中の中性リン
脂質と酸性リン脂質またはそのリゾ体との比率は、2倍
(中性リン脂質/酸性リン脂質及びそのリゾ体)以下で
あることが好ましく、更に好ましくは1/2以下、特に
1/5以下、最も好ましくは1/50以下である。な
お、脂質混合物中の酸性リン脂質及びそのリゾ体の存在
量を高め、かつ中性脂質の存在量を低減させるために
は、これらの成分を含む脂質混合物を酵素分解したり、
溶剤分画する処理をした後、アセトン処理、膜分離など
の処理を行なう方法が利用できる。
【0023】本発明の苦味低減化剤は、その用いる条件
に応じて公知の調製法に従い、粉末状、粒状、トローチ
状等の固形状、あるいはペースト状や、シロップ状等の
液状とすることができる。なお、本発明の苦味低減化剤
には、酸化を防止し、安定化させるために抗酸化剤を添
加しておくことが好ましい。好ましい坑酸化剤として
は、例えば、トコフェロール、ポリフェノールを挙げる
ことができる。
【0024】本発明の苦味低減化法は、苦味を有する物
質に苦味低減化剤を添加することにより実施できる。苦
味を有する物質が、水溶液、懸濁物、乳化物等の液状物
である場合には、ホスファチジン酸、リゾホスファチジ
ン酸などの酸性リン脂質またはそのリゾ体を通常、その
液状物中の苦味を有する物質の全量、100重量部に対
して0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜20
重量部添加する。苦味を有する物質がペースト状又は固
形物である場合には通常、ホスファチジン酸、リゾホス
ファチジン酸などの酸性リン脂質またはそのリゾ体を、
そのペーストまたは固形物の全量100重量部に対して
0.01重量部以上(好ましくは0.1〜20重量部)
添加する。本発明の苦味低減化法により苦味低減化剤が
添加された食品、医薬品、化粧品などでは、他の呈味成
分の呈味が抑制されることなく、その苦味が特異的に抑
制される。
【0025】次に、本発明の苦味低減化剤の添加対象に
ついて詳しく説明する。本発明の苦味低減化法は、苦味
を有する食品(飲料も含む)、医薬品、あるいは化粧品
に好ましく適用することができる。適用する苦味を有す
る食品、医薬品、あるいは化粧品(以下、単に食品等と
称する場合がある)の形態は、水溶液、懸濁物、乳化物
等の液状又はペースト状、あるいは粉末等の固形物のい
ずれでも良い。適用に際しては、これらの形態が、水溶
液、懸濁物、乳化物等の液状又はペースト状の場合に
は、本発明の酸性リン脂質もしくはそのリゾ体(あるい
は、それらを含む脂質混合物)を添加し、充分に攪拌、
分散する方法を利用することができる。攪拌、分散に
は、均一化装置、乳化機、超音波処理装置等を用いるこ
とができる。得られた分散物は、噴霧乾燥あるいは凍結
乾燥等により乾燥後、粉末状、あるいは粒状等の固形物
としても良い。苦味を有する食品、医薬品、化粧品の形
態が、粉末等の固形物の場合には、本発明の酸性リン脂
質もしくはそのリゾ体(あるいは、それらを含む脂質混
合物)を単に添加、混合する方法を利用することができ
る。また酸性リン脂質もしくはそのリゾ体(あるいは、
それらを含む脂質混合物)を水等に分散させ、これと固
形物の形態にある苦味を有する食品等を混合し、均一化
した後、脱水する方法を利用しても良い。なお、上記苦
味を有する食品等が、水に難溶性の苦味成分を有する場
合には、ヘキサン等の有機溶剤やエタノール等のアルコ
ール類を用い、これらの成分を溶解させた後、本発明に
係るリン脂質を添加することもできる。
【0026】本発明の苦味低減化剤の使用に際しては、
たとえば水溶液として、予めこれを口腔に含み、その後
に苦味を有する食品、医薬品を経口摂取等する方法を利
用することもできる。
【0027】本発明の苦味低減化剤の適用対象とされる
苦味を有する食品(飲料を含む)の例としては、次のも
のを挙げることができる。グレープフルーツ、オレン
ジ、レモン等の柑橘類及びこれらを含む果汁;トマト、
ピーマン、セロリ、ウリ、ニンジン、ジャガイモ、アス
パラガス等の野菜及びこれらを含む野菜汁及び野菜ジュ
ース;ソース、醤油、味噌、うま味調味料及び唐辛子等
の調味料;豆乳、豆乳などの大豆食品;クリーム、ドレ
ッシング、マヨネーズ及びマーガリン等の乳化食品;魚
肉、すり身及び魚卵等の水産加工食品;ピーナツ等のナ
ッツ類;納豆等の発酵商品;肉類及び食肉加工品;ビー
ル、コーヒー、ココア、紅茶、緑茶、発酵茶、半発酵
茶、清涼飲料、及び機能性飲料等の飲料;漬物類;めん
類;粉末スープを含むスープ類;チーズ、牛乳等の乳製
品類;パン・ケーキ類;スナック菓子、チューインガ
ム、チョコレートなどの菓子類;キャンディー類;健康
食品等。また食品に用いられるフレーバーに予め本発明
の苦味低減化剤を添加した後、このフレーバーを食品に
添加することにより、その食品の苦味を低減することも
できる。更に、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラ
ニン等の苦味を有するアミノ酸、ペプチド、及びオリゴ
糖などの苦味の低減にも用いることができる。さらに、
たばこなどの苦味低減にも利用できる。
【0028】本発明の苦味低減化剤を食品に添加する場
合には、その有効成分(酸性リン脂質またはそのリゾ
体)として、該食品の全量に対して通常は0.05〜3
0重量%、好ましくは0.1〜20重量%、更に好まし
くは0.5〜15重量%、特に好ましくは1〜10重量
%、最も好ましくは1〜5重量%)添加する。
【0029】次に、苦味を有する医薬品としては、従来
から医薬品として用いられている各種の苦味を呈する薬
物を挙げることができる。特に、塩基性薬物(例えば、
ストリキネーネ、キニーネ、パパベリン、ベルベリン、
ブロメタジン、ブルシン、プロプラノロール、クロルプ
ロマジンなど)の酸付加塩の苦味低減に有効である。酸
付加塩の例としては、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸
塩、クエン酸塩、炭酸塩等の鉱酸塩及び有機酸塩を挙げ
ることができる。
【0030】本発明の苦味低減化剤の添加対象の医薬品
の剤型には特に制限はなく、種々の剤型を利用すること
ができる。たとえば、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、散
剤、錠剤、トローチ剤及びドライシロップ等の固形製
剤、液剤、エキス剤、エリキシル剤、酒精剤、シロップ
剤、芳香水剤、リモナーデ剤、及び流エキス剤等の液状
製剤を挙げることができる。
【0031】本発明の苦味低減化剤を含む医薬品の製剤
化に際しては、公知の方法が利用できる。従って、製剤
化に際しては、従来から使用されている添加剤を一種ま
たは二種以上組み合わせて使用できる。添加剤として
は、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化
剤、コーティング剤、矯味剤、マスク化剤、香料、及び
抗酸化剤を挙げることができる。また、製剤工程で用い
る造粒機の例としては、プラネタリーミキサー、攪拌造
粒機、高速混合造粒機、押し出し造粒機、流動層造粒
機、遠心転動流動造粒機、ローラーコンパクター等が挙
げられる。
【0032】本発明において、医薬品に対しては苦味低
減化剤を、その有効成分(酸性リン脂質もしくはそのリ
ゾ体)として、医薬品の全量に対して通常0.01〜6
0重量%(好ましくは0.01〜50重量%、更に好ま
しくは0.1〜30重量%、特に好ましくは0.5〜2
0重量%、そして最も好ましくは1〜10重量%)添加
する。
【0033】また、医薬品の薬効成分である主剤が苦味
を有する場合には、その主剤1重量部に対して一般的に
は0.01〜1000重量部(好ましくは、0.1〜1
00重量部)の含有量となるように、本発明の苦味低減
化剤を添加することが好ましい。なお、苦味を有する薬
効成分が医薬品中に二種以上存在する場合には、総重量
を1重量部とする。
【0034】次に、苦味を有する化粧品の例としては、
顔面に用いる化粧品及び口腔に用いられる化粧品が挙げ
られる。顔面に用いられる化粧品の例としては、化粧
水、乳液、クリーム、パック、口紅、ファンデーショ
ン、ヒゲ剃り補助剤、アフターシェーブローション、ク
レンジングフォーム及びクレンジングジェルを挙げるこ
とができる。また、口腔に用いられる化粧品としては、
例えば、歯磨き、マウスウォッシュ、及びマウスリンス
を挙げることができる。このような苦味を有する化粧品
中の苦味を呈する成分としては、例えば、アルキル硫酸
ナトリウム、モノアルキルリン酸ナトリウム等の界面活
性剤、メントール、リナロール、フェニルエチルアルコ
ール、プロピオン酸エチル、ゲラニオール、リナリール
アセテート、ベンジルアセテート等の香料、メチルパラ
ベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等の殺菌剤、
乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿剤、8−アセチル化蔗
糖、ブルシン等のアルコール変性剤、乳酸アルミニウム
等の収れん剤等を挙げることができる。
【0035】苦味を有する化粧品に対しては、本発明の
苦味低減化剤を、その有効成分(酸性リン脂質またはそ
のリゾ体)として、化粧品の全量に対して、通常は0.
05〜30重量%(好ましくは0.1〜20重量%、更
に好ましくは0.5〜15重量%、特に好ましくは1〜
10重量%、そして最も好ましくは1〜5重量%)添加
する。なお、化粧品中の苦味を呈する成分の量に対して
は、酸性リン脂質またはそのリゾ体を、その成分1重量
部に対して0.1〜1000重量(特に1〜200重
量)用いることが好ましい。
【0036】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
を更に具体的に説明する。なお、以下において、「部」
は「重量部」を、「%」は「重量%」をそれぞれ示す。
【0037】[本発明の酸性リン脂質とそのリゾ体を含
む苦味低減化剤試料の調製] (試料1の調製)攪拌装置を備えた500mL容量の4
口フラスコに、市販脱脂レシチン(商品名:SLPW−
SP、ツルーレシチン工業(株)製)20gをとり、
0.1Mトリス・塩酸緩衝液(pH6〜8)125mL
を加え、更にヘキサン/酢酸エチル(2/1、V/V)
340mL加え攪拌した。これに更に塩化カルシウム水
溶液(1M濃度)150mLを加え、次いで微生物起源
のホスホリパーゼD(Streptomyces Chromofuscus 由
来、旭化成工業(株)製)を15ユニットの水溶液で1
50mLを加え、次いで混合物の温度を30℃に保ちな
がら14時間攪拌を続けて反応を実施した。反応後、反
応生成物を静置して溶剤層を分離した。溶剤層を取り出
し、減圧下にて溶剤を留去した。残渣中の脂質混合物成
分の分析は、薄層シリカゲルプレート(Kieselgel:メル
ク社製)を用いて行ない、検出は硫酸発色を利用した。
その結果を表1に示す。
【0038】(試料2の調製)攪拌装置を備えた500
0mL容量の4口フラスコに、市販ホスファチジルコリ
ン(商品名:エピクロルS200、ルーカスマイヤー社
製)150gをとり、ヘキサン/酢酸エチル(2/1、
V/V)1500mLを添加後、攪拌し、これに溶解さ
せた。これに微生物起源のホスホリパーゼD(Streptom
yces Chromofuscus 由来、旭化成工業(株)製)を10
0ユニット含む酢酸塩緩衝液(pH8)1500mLを
加えた後、100gの塩化カルシウムを添加し、温度を
37℃に保ちながら攪拌下、36時間反応を行った。反
応終了後、溶剤層を分離し、減圧下にて溶剤を除去し
て、残渣として脂質混合物約100gを得た。脂質混合
物成分の分析は、同様に薄層シリカゲルプレートを用い
て行ない、硫酸発色を利用して検出した。その結果を表
1に示す。
【0039】(試料3の調製)米国産大豆(シルキービ
ーン)25gを50mM塩化カルシウム入りの0.1M
酢酸塩緩衝液(pH6)150gに加え、これを常温で
湿式粉砕し、遠心分離(3000rpm、10分間)に
より、上清(抽出液)120gを得た。得られた抽出液
を以下の脂質混合物の調製に使用した。
【0040】攪拌装置を備えた500mL容量の4口フ
ラスコに、市販脱脂レシチン(商品名:SLPW−S
P、ツルーレシチン工業(株)製)25gをとり、上記
で調製した大豆破砕物からの抽出液120gを加えた。
混合物を攪拌しながらこれに酢酸エチル(250mL)
を加え、更に水32.5gを加えた後、30℃にて20
時間攪拌して反応させた。反応生成物から酢酸エチル層
を分離し、残りの水層部分をクロロフォルム/メタノー
ル(2/1、V/V)で二回抽出し、その抽出液をフォ
ルチ分配に付した。別に、酢酸エチル層より酢酸エチル
を除去して残渣を得た。これらを併せたのち、クロロフ
ォルム/メタノールを除去して生成物である脂質混合物
を22g得た。得られた脂質混合物成分の分析は、同様
に薄層シリカゲルプレートを用いて行ない、硫酸発色で
検出した。その結果を表1に示す。
【0041】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 脂質混合物中の成分 試料1(%) 試料2(%) 試料3(%) ──────────────────────────────────── (中性リン脂質) PC 0 0 0 PE 0 0 0 ──────────────────────────────────── (酸性リン脂質) PI 7.8 0 0 PA 54.2 94.0 62.0 PS 0.1 0 0.1 L−PA 0.5 1.0 0.9 ──────────────────────────────────── 中性脂質 18.4 4.0 18.0 糖脂質 19.0 1.0 19.0 ──────────────────────────────────── PC:ホスファチジルコリン PE:ホスファチジル
エタノールアミン PI:ホスファチジルイノシトール PA:ホスファチ
ジン酸 PS:ホスファチジルセリン L−PA:リゾホスフ
ァチジン酸
【0042】[実施例1]添加対象食品として、グレー
プフルーツ果汁、オレンジ果汁、及び野菜ジュースを選
んだ。これらの食品に上記で得た苦味低減化剤試料2を
最終濃度が0.1%(重量比)または0.3%(重量
比)となるように各々添加し、攪拌後、それぞれについ
て試料2の添加効果を評価した。添加効果の評価は、2
0代から40才代の男女10名からなる被検者パネルに
よる官能評価で行ない、下記の5段階による基準で評価
した。表2に、その評価結果を平均値で示した。 苦味の強さ5:強い苦味を感じる。 苦味の強さ4:強くはないが、苦味を感じる。 苦味の強さ3:わずかに苦味を感じる。 苦味の強さ2:苦味を知覚できる程度感じる。 苦味の強さ1:苦味を全く感じない。 また、対照例として試料2を添加しないそれぞれの食品
を用意し、それらの苦味強度も同様な方法で評価した。
【0043】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── サンプル 苦味強度(平均値) ──────────────────────────────────── グレープフルーツ果汁 4.2 グレープフルーツ果汁に試料2を0.1%添加したもの 2.2 グレープフルーツ果汁に試料2を0.3%添加したもの 1.3 ──────────────────────────────────── オレンジ果汁 3.8 オレンジ果汁に試料2を0.1%添加したもの 1.8 オレンジ果汁に試料2を0.3%添加したもの 1.0 ──────────────────────────────────── 野菜ジュース 4.2 野菜ジュースに試料2を0.1%添加したもの 2.8 野菜ジュースに試料2を0.3%添加したもの 2.0 ────────────────────────────────────
【0044】表2の結果から、本発明に従う苦味低減化
剤試料2を添加することにより苦味を顕著に低減できる
ことがわかる。
【0045】[実施例2]添加対象食品として、コーヒ
ー(インスタントコーヒーおよびレギュラーコーヒー)
を用い、苦味低減化剤試料3を用いた以外は、上記実施
例1と同様な方法で苦味の強度を評価した。また、対照
例として試料3を添加しないコーヒーを用意し、それぞ
れについての苦味の強度も同様な方法で評価した。結果
を下記の表3に示す。
【0046】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── 評価対象物 苦味強度(平均値) ──────────────────────────────────── インスタントコーヒー 4.3 インスタントコーヒーに試料3を0.1%添加したもの 1.8 インスタントコーヒーに試料3を0.3%添加したもの 1.3 ──────────────────────────────────── レギュラーコーヒー 4.8 レギュラーコーヒーに試料3を0.1%添加したもの 2.2 レギュラーコーヒーに試料3を0.3%添加したもの 1.0 ──────────────────────────────────── 注:添加量は飲料基準
【0047】表3の結果から、本発明に従う試料3を添
加することによりコーヒーの苦味を顕著に低減できるこ
とが確認された。なお、味もマイルドとなり、飲みやす
いコーヒーが得られた。
【0048】[実施例3]添加対象食品として粉末スー
プを選び、この溶液に苦味低減化剤試料1を0.1重量
%または0.3重量%添加し飲食した。いずれのもの
も、苦味が低減し、さらにコク味も増し、風味の良好な
スープとなった。
【0049】[実施例4]添加対象医薬品として、強い
苦味を有するプロプラノロールを選び、その水溶液(1
0mM)に、苦味低減化剤試料2をその最終濃度が0.
3%(W/V)又は1.0%(W/V)となるように添
加した液剤を調製した。また比較のために、上記のプロ
プラノロールの水溶液(10mM)にしょ糖またはソル
ビトールをその最終濃度が15%(W/V)となるよう
に添加した液剤を調製した。得られた各液剤の苦味の強
度を、正常な味覚を有する健常人男女10〜15名を選
んで被検者とし、そのパネルにより下記の等価濃度試験
法を利用して評価した。
【0050】(等価濃度試験法)等価濃度試験法とは、
予め苦味の強さが等間隔になるように基準液を作成して
おき、この基準液と上記で作成した液剤とを被検者の官
能評価により比較し、相当する苦味の強度をその平均値
で表す方法である。ここでは、基準液として、代表的な
苦味物質である硫酸キニーネにて苦味の強さを10段階
に調整したものを用いた。なお、味覚などの感覚強度
は、濃度の対数に比例するため、濃度間隔は一定ではな
いが、感じる苦味の強さは等間隔である。 ──────────────────────────────────── 硫酸キニーネ 硫酸キニーネ 苦味強度 濃度(g/100mL ) 苦味強度 濃度(g/100mL ) ──────────────────────────────────── 1 0.00022 6 0.0037 2 0.00048 7 0.0058 3 0.0009 8 0.0094 4 0.0015 9 0.015 5 0.0023 10 0.0245 ──────────────────────────────────── 評価結果を下記の表4に示す。
【0051】
【表4】 表4 ──────────────────────────────────── 評価対象物 苦味強度(平均値) ──────────────────────────────────── プロプラノロール水溶液 9.4 上記水溶液に苦味低減化剤試料2を0.3%添加したもの 5.6 上記水溶液に苦味低減化剤試料2を1.0%添加したもの 4.3 ──────────────────────────────────── 上記水溶液にしょ糖を15.0%添加したもの 6.9 上記水溶液にソルビトールを15.0%添加したもの 7.8 ────────────────────────────────────
【0052】表4の結果から、本発明に従う苦味低減化
試料2を添加することにより、医薬品の苦味を顕著に低
減できることがわかる。
【0053】[実施例5]また、プロプラノロールの代
わりに、下記の薬物に苦味低減化剤試料2を添加した液
剤を実施例4と同様にそれぞれ調製した。そして得られ
た各液剤の苦味強度を上記と同様な評価方法で評価した
結果、何れの液剤もその固有の不快な苦味が消失してお
り、内服し易い液剤となった。 使用した薬物:キニーネ、プロメタジン、パパベリン、
クロルプロマジン、ベルベリン、ブルシン、ストリキニ
ーネ
【0054】[実施例6]下記の組成の顆粒剤を押し出
し造粒法により製造した。 塩酸キニーネ(主薬成分) 1部 α化デンプン 7部 コーンスターチ 32部 乳糖 55部 苦味低減化剤試料3 5部 また、対照として、上記組成で苦味低減化剤試料3を加
えず乳糖含量を60部にした配合の顆粒剤、及び比較例
として、上記組成で苦味低減化剤試料3に代えてレシチ
ン(ホスファチジルコリン)を用いた組成の顆粒剤を同
様な方法でそれぞれ調製した。得られた各顆粒剤の苦味
の強度を、前記実施例4と同様な方法(等価濃度試験
法)を利用して評価した。結果を表5に示す。
【0055】
【表5】 表5 ──────────────────────────────────── 評価対象物 苦味強度(平均値) ──────────────────────────────────── 対照 8.4 苦味低減化剤試料3を含有した顆粒剤 4.5 レシチンを含有した顆粒剤 7.8 ────────────────────────────────────
【0056】表5の結果から、本発明に従う苦味低減化
剤試料3を添加することにより、苦味を顕著に低減でき
ることがわかる。
【0057】[実施例7]また、実施例6において主薬
である塩酸キニーネを下記の苦味を有する薬物に代えて
同様な方法で苦味の強度を評価した。その結果、すべて
の薬物に対して苦味が顕著に低減されることが判明し
た。 使用した薬物:プロメタジン、クロルプロマジン、パパ
ベリン、プロプラノロール、ベルベリン
【0058】[実施例8]下記の組成の顆粒剤を押し出
し造粒法によって製造した。 塩酸キニーネ(主薬成分) 10部 α化デンプン 10部 コーンスターチ 25部 乳糖 35部 苦味低減化剤試料2 20部 また、対照として上記組成中で苦味低減化剤試料2を加
えず乳糖含量を55部にした組成の顆粒剤、及び比較例
として、上記組成中で苦味低減化剤試料2に代えてレシ
チン(ホスファチジルコリン)を用いた組成の顆粒剤を
同様な方法でそれぞれ調製した。得られた各顆粒剤の苦
味の強度を前記実施例4と同様な方法を利用して評価し
た。その結果を表6に示す。
【0059】
【表6】 表6 ──────────────────────────────────── 評価対象物 苦味強度(平均値) ──────────────────────────────────── 対照 9.9 苦味低減化剤試料2を含有した顆粒剤 5.5 レシチンを含有した顆粒剤 9.7 ────────────────────────────────────
【0060】表6の結果から、本発明に従う苦味低減化
剤試料2を使用することにより苦味を顕著に低減できる
ことがわかる。
【0061】[実施例9]実施例8の主薬である塩酸キ
ニーネを下記の苦味を有する薬物に代えて実施例8と同
様な方法で苦味の強度を評価した。その結果、すべての
薬物に対して苦味が顕著に低減されることが確認でき
た。 使用した薬物:プロメタジン、クロルプロマジン、パパ
ベリン、プロプラノロール、ベルベリン
【0062】[実施例10]上記実施例8及び9で調製
した顆粒剤と同じ組成でそれぞれに対応する錠剤を調製
した。また薬物として塩酸キニーネ(主薬成分)の代わ
りにプロメタジン、クロルプロマジン、パパベリン、プ
ロプラノロール、及びベルベリンを使用した配合の錠剤
も同様な方法でそれぞれ調製した。それぞれの錠剤につ
いて実施例4と同様な方法で苦味の強度を評価した。そ
の結果、いずれの場合においても苦味が顕著に低減され
ることが確認された。
【0063】[実施例11]下記の組成の顆粒剤を転動
造粒法により製造した。 塩酸キニーネ(主薬成分) 1部 コーンスターチ 35部 マンニトール 58部 HPC 3.5部 (ヒドロキシプロピルセルロース) 苦味低減化剤試料2 1部 また、対照として上記組成中で苦味低減化剤試料2を加
えず、マンニトール含量を59部にした組成の顆粒剤、
及び比較例として上記組成中、苦味低減化剤試料2に代
えてレシチン(ホスファチジルコリン)を用いた組成の
顆粒剤を同様な方法でそれぞれ調製した。得られた各顆
粒剤の苦味の強度を実施例4と同様な方法で評価した。
その結果を表7に示す。
【0064】
【表7】 表7 ──────────────────────────────────── 評価対象物 苦味強度(平均値) ──────────────────────────────────── 対照 8.1 苦味低減化剤試料2を含有した顆粒剤 4.8 レシチンを含有した顆粒剤 7.5 ────────────────────────────────────
【0065】表7の結果から、本発明に従う苦味低減化
剤試料2を使用することにより、苦味を顕著に低減でき
ることがわかる。
【0066】[実施例12]上記実施例11において、
顆粒剤の組成を下記のように変えた以外は、実施例11
と同様にして転動造粒法を利用して顆粒剤を調製した。 塩酸キニーネ(主薬成分) 10部 コーンスターチ 25部 マンニトール 50部 HPC 5部 (ヒドロキシプロピルセルロース) 苦味低減化剤試料3 10部 また、対照として上記組成中で苦味低減化剤試料3を加
えずマンニトール含量を60部にした配合の顆粒剤、及
び比較例として、上記組成中で苦味低減化剤試料3に代
えてレシチン(ホスファチジルコリン)を用いた組成の
顆粒剤を同様な方法でそれぞれ調製した。得られた各顆
粒剤の苦味の強度を実施例4と同様な方法を利用して評
価した。結果を表8に示す。
【0067】
【表8】 表8 ──────────────────────────────────── 評価対象物 苦味強度(平均値) ──────────────────────────────────── 対照 9.5 苦味低減化剤試料3を含有した顆粒剤 5.6 レシチンを含有した顆粒剤 9.2 ────────────────────────────────────
【0068】表8の結果から、本発明に従う苦味低減化
剤試料3を使用することにより、苦味を顕著に低減でき
ることがわかる。
【0069】[実施例13]下記の方法でシロップ剤を
作成した。精製水100mLに、パラオキシ安息香酸ブ
チル40mgを加え、加熱し、溶解後、精製白糖150
gを加えて攪拌、均一化した。冷却後に、得られた水溶
液にプロメタジンを最終濃度が5mMになるように加
え、攪拌、均一化した。その後、更に本発明に従う苦味
低減化剤試料1を最終濃度が1.0%になるように加
え、攪拌、均一化した後、精製水を加えて全量を360
mLにした。また上記のシロップ剤の調製において、対
照として、苦味低減化剤試料1を添加しないもの、比較
例として苦味低減化剤試料1の代わりにレシチンを添加
したものをそれぞれ調製した。得られた各シロップ剤の
苦味の強度を実施例4と同様な方法を利用して評価し
た。その結果を表9に示す。
【0070】
【表9】 表9 ──────────────────────────────────── 評価対象物 苦味強度(平均値) ──────────────────────────────────── 対照 7.9 苦味低減化剤試料1を添加したシロップ剤 3.8 レシチンを添加したシロップ剤 6.9 ────────────────────────────────────
【0071】表9の結果から、本発明に従う苦味低減化
剤試料1をシロップ剤の形態の医薬品に添加することに
よっても苦味を顕著に低減できることが確認された。
【0072】[実施例14]苦味物質として1mMキニ
ーネ塩酸塩を用いて官能評価を行った。評価対象物とし
て、ホスファチジン酸を加えたもの、ホスファチジン酸
とオボアルブミンとを加えたもの、また、比較対照例と
して、大豆レシチンを加えたもの、菜種油とβ−ラクト
グロブリンとを加えたものを用いた。官能評価は、20
才代〜40才代の男女15名により行い、等価濃度試験
法にて定量化した。即ち、標準液(1mMキニーネ塩酸
塩水溶液)の強さを1.0に換算し、苦味抑制の度合い
を相対値の平均値により求めた。その結果を表10に示
す。
【0073】
【表10】 表10 ──────────────────────────────────── 評価対象物 苦味の官能評価値 ──────────────────────────────────── 1mMキニーネ塩酸塩水溶液(標準液) 1.00 ──────────────────────────────────── 上記標準液100部に0.3部のホスファ 0.113±0.022 チジン酸を添加し、分散したもの ──────────────────────────────────── 上記標準液100部に0.3部のホスファ 0.097±0.017 チジン酸を添加し、加えてオボアルブミン を0.7部添加し、分散したもの ──────────────────────────────────── 上記標準液100部に0.3部の大豆 0.994±0.028 レシチンを添加し、分散したもの ──────────────────────────────────── 上記標準液100部に0.3部のなたね油 0.992±0.085 を添加し、加えてβ−ラクトグロブリンを 0.7部添加し、分散したもの ────────────────────────────────────
【0074】[実施例15]キニーネ塩酸塩原末0.0
4gを100mLの脱イオン水に溶解し、これにホスフ
ァチジン酸3gを加え、更に乳糖3gを加えた後、攪拌
し、ホモジナイザにて均一化した。得られた乳化物を凍
結乾燥機にて脱水処理し、ホスファチン酸を含むキニー
ネ粉末を得た。得られたキニーネ粉末は、殆ど苦味がな
かった。
【0075】[実施例16]精製水に最終濃度が3.0
%になるように苦味低減化剤試料3を添加した後、攪
拌、分散させた。得られた苦味低減化剤試料3の分散液
を口腔内に約10秒間含み、その後、この分散液が口腔
内に充分いきわたるようにうがいをした。その後、その
分散液を吐き出し、引き続いて苦味を呈する薬物(0.
5mM塩酸キニーネ水溶液、及び50mMカフェイン水
溶液)を口中に含み、それぞれについて苦味強度を評価
した。また、比較のために、苦味低減化剤試料3を含む
分散液の代わりに水、10%ショ糖水溶液、そして3.
0%レシチン分散液を使用した場合についてもそれぞれ
独立に評価した。評価は、前記と同様に等価濃度試験法
を利用して行った。その、結果を表11に示す。
【0076】
【表11】 表11 ──────────────────────────────────── 10秒間口に含んだ 苦味強度(平均値) 苦味を有する物質 分散液(又は水) ──────────────────────────────────── 0.5mM塩酸 苦味低減化剤試料3の分散液 5.9 キニーネ水溶液 水 9.2 10%ショ糖水溶液 9.1 3.0%レシチン分散液 8.8 ──────────────────────────────────── 50mMカフェイン 苦味低減化剤試料3の分散液 5.5 水溶液 水 9.0 10%ショ糖水溶液 8.6 3.0%レシチン分散液 8.1 ────────────────────────────────────
【0077】表11の結果から、本発明に従う苦味低減
化剤試料1を含む分散液を予め口に含んだ後、苦味を有
する物質を口に含んだ場合には、苦味が顕著に低減でき
ることがわかる。
【0078】[実施例17]カエル舌上へ刺激して発生
する舌咽神経応答を測定することにより、ホスファチジ
ン酸とリゾホスファチジン酸による苦味低減効果を、定
量的に評価した。カエル味覚器の苦味応答は、苦味閾値
に関して、人の官能検査の結果と類似性が高いことが特
徴である。このため、苦味低減化効果の定量的な評価系
となる。
【0079】カエルをウレタン麻酔下、下顎外側を切開
し下咽神経を露出させ、中枢側を切断後、銀電極に接触
させた。苦味刺激の際に発生した電気信号(神経インパ
ルス)を増幅後、積分し、ペンレコーダーに記録した。
苦味の強度は、刺激直後の応答の高さと規定した。舌表
面への刺激は、流速1.5mL/秒で行い、液量は、1
0mLとした。苦味を有する物質としてはストリキニー
ネ硝酸塩を用い、下記の(1)〜(6)に示す如く、種
々の添加剤を添加した系について、それぞれ評価した。
その結果を図1に示す。
【0080】(1)1mMストリキニーネ硝酸塩水溶液 (2)1mMストリキニーネ硝酸塩水溶液100部にホ
スファチジン酸を0.85部添加後、攪拌し分散したも
の。 (3)1mMストリキニーネ硝酸塩水溶液100部にホ
スファチジン酸を0.85部添加し、更に、分散性を上
げるためβ−ラクトグロブリンを2.15部添加後、攪
拌し分散したもの。 (4)1mMストリキニーネ硝酸塩水溶液100部にリ
ゾホスファチジン酸0.85部添加後、攪拌し分散した
もの。 (5)1mMストリキニーネ硝酸塩水溶液100部にな
たね油を0.85部添加し、更に分散性を上げるためβ
−ラクトグロブリンを2.15部添加後、攪拌し分散し
たもの。 (6)1mMストリキニーネ硝酸塩水溶液100部に、
大豆レシチンを3.0部添加後、攪拌し分散したもの。
【0081】図1から明らかなように、本発明の苦味低
減化剤を添加した(2)、(3)及び(4)において
は、苦味の低減化が認められたが、比較対照例である
(1)、(5)及び(6)においては、苦味の低減化が
認められなかった。
【0082】
【発明の効果】本発明に従う苦味低減化剤は、優れた苦
味低減化作用を示し、生体に対して安全であり、また本
発明の苦味低減化剤を用いることによって容易に苦味を
低減することができる。本発明の苦味低減化剤の添加対
象の苦味を有する物質としては、各種食品、医薬品、あ
るいは化粧品を挙げることができ、なかでも食品に対し
ては、その味を変えることなく苦味の低減が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】かえるを用いたストリキニーネの苦味に対する
評価結果を示すグラフである。(1)は標準値(対照)
を示し、グラフ中で、(2)〜(4)は本発明に従うホ
スファチジン酸及びリゾホスファチジン酸の効果を示
し、(5)と(6)とは比較例を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/24 A61K 47/24 L (72)発明者 三井 友毅 茨城県鹿島郡神栖町大野原1−8

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性リン脂質もしくはそのリゾ体を有効
    成分とする苦味低減化剤。
  2. 【請求項2】 酸性リン脂質もしくはそのリゾ体が脂質
    混合物中に存在し、かつ該脂質混合物中の中性脂質が3
    0重量%以下である請求項1に記載の苦味低減化剤。
  3. 【請求項3】 酸性リン脂質もしくはそのリゾ体が脂質
    混合物中に存在し、かつ該脂質混合物中の該酸性リン脂
    質もしくはそのリゾ体の存在量が20重量%以上である
    請求項1に記載の苦味低減化剤。
  4. 【請求項4】 酸性リン脂質とそのリゾ体とを共に含有
    する請求項1に記載の苦味低減化剤。
  5. 【請求項5】 酸性リン脂質もしくはそのリゾ体が脂質
    混合物中に存在し、かつ該脂質混合物中の中性リン脂質
    の存在量が該酸性リン脂質もしくはそのリゾ体の含有量
    の2倍以下である請求項1に記載の苦味低減化剤。
  6. 【請求項6】 酸性リン脂質とそのリゾ体が、それぞれ
    ホスファチジン酸とリゾホスファチジン酸である請求項
    1乃至5のいずれかの項に記載の苦味低減化剤。
  7. 【請求項7】 苦味を有する食品に、請求項1乃至6の
    いずれかの項に記載の苦味低減化剤を、その有効成分と
    して該食品の全量に対して0.05〜30重量%添加す
    ることを特徴とする苦味低減化法。
  8. 【請求項8】 苦味を有する医薬品に、請求項1乃至6
    のいずれかの項に記載の苦味低減化剤を、その有効成分
    として該医薬品の全量に対して0.01〜60重量%添
    加することを特徴とする苦味低減化法。
  9. 【請求項9】 苦味を有する化粧品に、請求項1乃至6
    のいずれかの項に記載の苦味低減化剤を、その有効成分
    として該化粧品の全量に対して0.05〜30重量%添
    加することを特徴とする苦味低減化法。
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