JPH1028540A - 不快臭低減化剤および不快臭低減化法 - Google Patents

不快臭低減化剤および不快臭低減化法

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JPH1028540A
JPH1028540A JP8185910A JP18591096A JPH1028540A JP H1028540 A JPH1028540 A JP H1028540A JP 8185910 A JP8185910 A JP 8185910A JP 18591096 A JP18591096 A JP 18591096A JP H1028540 A JPH1028540 A JP H1028540A
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unpleasant odor
reducing agent
salt
odor
lipid
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JP8185910A
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Yoshihisa Katsuragi
能久 桂木
Tomotake Mitsui
友毅 三井
Tomoshige Umeda
智重 梅田
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 負電荷を有する脂質またはその塩を有効
成分とする不快臭低減化剤および不快臭を有する食品、
医薬品または化粧料に、負電荷を有する脂質またはその
塩を当該食品、医薬品または化粧料全量に対して0.0
01〜50重量%添加することにより不快臭を低減化す
る方法。 【効果】 優れた不快臭低減化作用を示し、生体に対し
て安全であり、また容易に不快臭を低減させることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不快臭低減化剤お
よびこれを用いる不快臭低減化法に関し、特に、不快臭
を有する食品、医薬品または化粧料に添加することによ
り、不快臭を低減させることができる不快臭低減化剤お
よびこれを用いる不快臭低減化法に関する。
【0002】
【従来の技術】不快臭を呈する食品、医薬品または化粧
料は数多くある。食品においては、不快臭の存在は、そ
の商品価値を失うほど大きな問題であり、不快臭のマス
キングは食品工業上、必要不可欠な課題となっている。
また、医薬品における不快臭のマスキングは、食品の場
合と同様に大きな課題であり、特に、小児用および高齢
者用の医薬品の場合は製剤上の大きな問題となってい
る。
【0003】食品または医薬品で、特に問題となる不快
臭としては、乳原料由来の乳臭、大豆原料由来の青臭さ
や豆臭、鶏卵原料由来の蛋白臭や卵黄臭、海産物原料由
来の魚臭や生臭さ、腐敗臭、油脂の劣化臭、変敗臭、戻
り臭、発酵食品由来の発酵臭、ねぎ科植物由来のニンニ
ク臭、ねぎ臭、たまねぎ臭、うり科植物由来の青臭さ、
畜肉由来の獣臭、腐敗臭、生臭さ、香味野菜のにおい、
果物原料由来の発酵臭、エーテル臭、ビタミン臭、燻製
品のにおいなどが挙げられる。
【0004】現在行われている不快臭の低減化法として
は、例えば、甘味剤や酸味剤を添加する方法(特開平6
−292548号公報:アロエ溶液、アロエ溶液の製造
方法およびアロエ食品、特開平2−56416号公報:
アスパルテームを用いる方法、等)、包接化合物を用い
る方法(特開平2−283246号公報:カゼイン加水
分解物の呈味改良法、等)吸着体を用いて不快臭成分を
除去する方法などがある。医薬品では不快臭成分を高分
子で包接することにより、不快臭を口中で感じなくさせ
る方法がよく用いられる。
【0005】しかし、いずれの方法でも、不快臭を充分
に低減することがむずかしく、また限られた不快臭成分
にしか適用することができないという問題点があり、さ
らに、汎用性に乏しいという問題点や工程が複雑になる
という問題点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、不快臭物質を含有した食品、医薬品または化粧料に
おける不快臭の低減に有効であって、かつ安全性の高い
不快臭低減化剤およびこれを用いる不快臭低減化法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】におい分子の特徴は、強
い疎水性を有することであり、不快臭成分もまた同様で
ある。本発明者は、このような不快臭成分の性質に着目
し、不快臭のマスキングに関する検討を行った結果、負
電荷を有する脂質またはその塩が不快臭を吸着し、マス
キングする効果を有することを見出し、本発明を完成し
た。
【0008】すなわち、本発明は、負電荷を有する脂質
またはその塩を有効成分とする不快臭低減化剤およびこ
れを用いる不快臭低減化法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いる負電荷を有する脂
質とは、pH7.0(生理的pH付近)の水または緩衝液に
分散または溶解させたとき、総電荷が負に帯電する脂質
をいう。負電荷を有する脂質としては、ホスファチジン
酸、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリ
ン、ホスファチジルグリセロール、カルジオリピン等の
酸性リン脂質;それらのリゾ体(すなわちリゾ酸性リン
脂質)であるリゾホスファチジルセリン、リゾホスファ
チジン酸、リゾホスファチジルイノシトール、リゾホス
ファチジルグリセロール;モノアルキルリン酸、ジアル
キルリン酸、モノまたはジグリセリドとポリカルボン酸
とのエステルまたはその塩(ナトリウム塩、カリウム塩
等)等が挙げられる。ここでモノアルキルリン酸、ジア
ルキルリン酸としては炭素数8〜22のアルキル基を有
するものが好ましい。また、モノ又はジグリセリドとポ
リカルボン酸とのエステルにおけるモノまたはジグリセ
リドを構成する脂肪酸残基としては、特に制限されない
が、好ましくは炭素数8〜22、特に好ましくは炭素数
12〜18の飽和または不飽和の脂肪酸残基である。特
に好ましいモノ又はジグリセリドの脂肪酸残基として
は、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール
酸、リノレン酸が挙げられる。なお、ジグリセリドの場
合は、上記脂肪酸残基の2種の組合わせでもよい。また
当該モノまたはジグリセリドとしては、モノグリセリ
ド、ジグリセリドおよびこれらの混合物でよいし、また
これにトリグリセリドが含まれていてもよい。また、ポ
リカルボン酸としては、クエン酸、ジアセチル酒石酸、
コハク酸、マレイン酸、フタル酸等が挙げられる。これ
らは1種を単独でまたは2種以上を組合わせて用いるこ
とができる。さらに、脂肪酸およびその金属塩を用いる
ことができる。その炭素数は8〜24、特に12〜18
のものが好ましい。
【0010】本発明の不快臭低減化剤で用いる酸性リン
脂質あるいはそのリゾ体は、大豆、卵黄、小麦胚芽を初
めとして、各種の動物臓器および各種植物組織から抽
出、分離することにより得ることができる。利用できる
抽出方法としては、極性の違いを利用した有機溶媒によ
る抽出を挙げることができる。また分離方法としては、
シリカゲルカラムへ吸着させ、次いで有機溶媒により溶
出させる方法を挙げることができる。酸性リン脂質また
はそのリゾ体を得るためには、抽出、分離、精製により
分離されたリン脂質類縁体を、化学修飾および/または
酵素処理により改質する方法を利用することもできる。
その具体的な方法としては、油糧種子(特開平2−31
2552号公報)、キャベツ、米ぬか等の植物由来のホ
スホリパーゼD、あるいは微生物(特開平2−3125
51号公報)が産出するホスホリパーゼDを用い、中性
リン脂質であるホスファチジルコリンを加水分解し、ホ
スファチジン酸を得る方法や、ホスホリパーゼDを用い
てリン酸基のエステル交換を行い、ホスファチジルコリ
ンをホスファチジルグリセロール(特開平3−2299
1号公報)あるいはホスファチジルセリン等へと交換す
る方法が挙げられる。
【0011】また本発明の不快臭低減化剤では、化学的
に合成した酸性リン脂質を用いることもできる。具体的
な合成法としては、ジグリセリドのリン酸エステル化、
モノグリセリドのリン酸エステル化、グリセロリン酸の
脂肪酸エステル化、モノグリセリドのリン酸エステル
化、グリセロリン酸の脂肪酸エステル化を挙げることが
できる。上記のような化学合成法により得られる酸性リ
ン脂質およびそのリゾ体の例としては、モノアシルグリ
セロモノホスフェート、モノアシルグリセロジホスフェ
ート、ジアシルグリセロモノフォスフェート、ビスホス
ファチジン酸、ビスホスファチジルモノホスファチジン
酸、ビスホスファチジルリゾホスファチジン酸等を挙げ
ることができる。また、水素添加酸性リン脂質、水素添
加リゾ酸性リン脂質を用いることもできる。
【0012】これらのうち、本発明においては酸性リン
脂質、そのリゾ体またはその塩が好ましく、特にホスフ
ァチジン酸、ホスファチジルイノシトール、ホスファチ
ジルセリン、ホスファチジルグリセロールが好ましい。
この中でもホスファチジン酸および/またはホスファチ
ジルイノシトールが不快臭低減化効果の点から特に好ま
しく、ホスファチジン酸がさらに好ましい。
【0013】天然物から、あるいは化学合成によって得
られる酸性リン脂質またはその塩は脂質混合物であり、
この脂質混合物中には、通常は酸性リン脂質あるいはそ
のリゾ体の他に、他の脂質成分が含まれてくる。酸性リ
ン脂質およびそのリゾ体以外の脂質成分としては、例え
ば、中性リン脂質(例、ホスファチジルコリン、ホスフ
ァチジルエタノールアミン、およびこれらのリゾ体)、
中性脂質(例、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグ
リセリド)、脂肪酸、ステロール脂質、そして糖脂質等
を挙げることができる。
【0014】本発明者の検討では、脂質混合物中の中性
リン脂質の存在量を低減させることによって不快臭低減
化効果をさらに高められることが判明した。従って、本
発明の不快臭低減化剤として脂質混合物を用いる場合に
は、脂質混合物中の中性リン脂質と酸性リン脂質または
そのリゾ体との比率は、2倍(中性リン脂質/酸性リン
脂質およびそのリゾ体)以下であることが好ましく、さ
らに好ましくは1/2以下、特に1/5以下、最も好ま
しくは1/50以下である。なお、脂質混合物中の酸性
リン脂質およびそのリゾ体の存在量を高め、かつ中性リ
ン脂質の存在量を低減させるためには、これらの成分を
含む脂質混合物を酵素分解したり、溶剤分画する処理を
した後、アセトン処理、膜分離などの処理を行う方法が
利用できる。このような酸性リン脂質としては、ホスフ
ァチジン酸とホスファチジルイノシトールの合計含有量
が50重量%以上のものが好ましい。
【0015】なお、本発明の不快臭低減化剤には、酸化
を防止し、安定化させるために抗酸化剤を添加しておく
ことが好ましい。好ましい抗酸化剤としては、例えば、
トコフェロール、ポリフェノール、茶抽出物、ミックス
トコフェロールが挙げられる。
【0016】本発明の不快臭低減化剤の使用量は、不快
臭を有する食品、医薬品または化粧料全量に対して、
0.001〜50重量%、好ましくは0.005〜30
重量%である。食品においては0.005〜10重量
%、医薬品においては0.1〜10重量%、化粧料にお
いては0.1〜10重量%が特に好ましい。不快臭の要
因となる成分に対する使用量は、その成分の0.01〜
100重量倍、好ましくは0.05〜50重量倍、さら
に好ましくは0.1〜10重量倍である。
【0017】ここで、不快臭の要因となる成分として
は、ビタミン、蛋白質分解物、高度不飽和脂肪酸、ミネ
ラル、乳清ミネラル等が挙げられる。このうち、ミネラ
ルや乳清ミネラルは、減塩食品に含まれる場合に不快臭
が強く感じられるものであるが、本発明の不快臭低減化
剤により不快臭が低減される。
【0018】本発明の不快臭低減化法の具体的方法とし
ては、不快臭を呈する食品または医薬品が固形状または
ペースト状である場合は、これらの製造時に不快臭低減
化剤を食品または医薬品へ添加し混合する方法、不快臭
低減化剤と食品または医薬品に配合される成分のうちの
不快臭を呈する成分とをあらかじめ混合し、その後他の
成分を配合する方法、食品または医薬品と不快臭低減化
剤を、水および/または有機溶剤中で均一に溶解または
分散させた後、乾燥させる方法などを用いることができ
る。乾燥の方法としては、自然乾燥、風乾燥、凍結乾燥
およびスプレードライなどが挙げられる。不快臭を呈す
る食品または医薬品が液体状である場合は、不快臭低減
化剤を添加し、均一に溶解または分散し混合する方法、
混合したものを凍結乾燥やスプレードライなどの方法で
乾燥させた後、再度水に溶解させる方法などを用いるこ
とができる。
【0019】本発明の不快臭低減化剤の使用に際して
は、例えば水溶液として、予めこれを口腔に含み、その
後に不快臭を有する食品、医薬品を経口摂取等する方法
を利用することもできる。
【0020】本発明の不快臭低減化剤の適用対象とされ
る食品(飲料を含む)の例としては、グレープフルー
ツ、オレンジ、レモン等の柑橘類およびこれらを含む果
汁;トマト、ピーマン、セロリ、ウリ、ニンジン、ジャ
ガイモ、アスパラガス等の野菜およびこれらを含む野菜
汁および野菜ジュース;ソース、醤油、味噌、うま味調
味料および唐辛子等の調味料;豆乳、豆乳などの大豆食
品;クリーム、ドレッシング、マヨネーズおよびマーガ
リン等の乳化食品;魚肉、すり身および魚卵等の水産加
工食品;ピーナツ等のナッツ類;納豆等の発酵商品;肉
類および食肉加工品;ビール、コーヒー、ココア、紅
茶、緑茶、発酵茶、半発酵茶、清涼飲料および機能性飲
料等の飲料;漬物類;めん類;粉末スープを含むスープ
類;チーズ、牛乳等の乳製品類;パン・ケーキ類;スナ
ック菓子、チューインガム、チョコレートなどの菓子
類;キャンディー類等が挙げられる。さらに、イチョウ
葉エキス、ギムネマエキス、クロレラ、アロエエキス、
なつめ等を含む健康食品が挙げられる。また食品に用い
られるフレーバーに予め本発明の不快臭低減化剤を添加
した後、このフレーバーを食品に添加することにより、
その食品の不快臭を低減することもできる。このような
食品としては、代替塩ミネラル、ビタミン群を含む健康
食品、高度不飽和脂肪酸を含む健康食品、レトルト食品
および飲料などが挙げられる。さらに、本発明の不快臭
低減化剤は、脂質類、蛋白質類、糖類、有機酸、高分子
多糖類などと併用することができる。
【0021】不快臭を有する医薬品としては、従来から
医薬品として用いられている各種の不快臭を呈する薬物
を挙げることができる。特に、塩基性薬物の酸付加塩の
不快低減に有効である。酸付加塩の例としては、塩酸
塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、炭酸塩等の
鉱酸塩および有機酸塩を挙げることができる。さらに、
オウレン、センブリ、ケイヒ、クジン、キハダ、コウ
カ、ダイオウ、オオゴン、オオバク等の漢方製剤、生薬
製剤にも適用できる。
【0022】本発明の不快臭低減化剤の添加対象の医薬
品の剤型には特に制限はなく、種々の剤型を利用するこ
とができる。例えば、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、散
剤、錠剤、トローチ剤およびドライシロップ等の固形製
剤、液剤、エキス剤、エリキシル剤、酒精剤、シロップ
剤、芳香水剤、リモナーデ剤および流エキス剤等の液状
製剤を挙げることができる。
【0023】本発明の不快臭低減化剤を含む医薬品の製
剤化に際しては、公知の方法が利用できる。従って、製
剤化に際しては、従来から使用されている添加剤を一種
または二種以上組み合わせて使用できる。添加剤として
は、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化
剤、コーティング剤、矯味剤、マスク化剤、香料および
抗酸化剤を挙げることができる。また、製剤工程で用い
る造粒機の例としては、プラネタリーミキサー、攪拌造
粒機、高速混合造粒機、押し出し造粒機、流動層造粒
機、遠心転動流動造粒機、ローラーコンパクター等が挙
げられる。
【0024】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、以下において、「部」は「重量部」示し、
「%」は「重量%」を示す。
【0025】製造例1 (第1工程)大豆レシチン(SLP−ペースト:ツルー
レシチン工業社製;原料1)100gを45℃の温度
下、大豆レシチン中のリン脂質当り5重量倍量の95.
0%エタノール(水分含有量5.0%)でディスパーサ
ー(Janke & Kunkel社製)9500r.p.m.、10分間の
攪拌により抽出操作を行った。次にガラスフィルターで
濾過し、沈殿を減圧乾燥機で脱溶剤し、残渣物を得た。
この操作を都合5回繰り返し行った。 (第2工程)第1工程で得られた残渣物を当該残渣物1
重量部に対し5重量部のエタノール含有量50%水溶液
で洗浄し、遠心分離、濾別により酸性リン脂質濃縮物を
得た。
【0026】実施例で用いる成分Aは製造例1で得られ
た酸性リン脂質濃縮物、成分Bはホスファチジン酸(純
度75%)、成分Cはホスファチジン酸を30%含むコ
ーン油を示し、次表に示す組成を有するものである。
【0027】
【表1】
【0028】実施例1 乳原料由来の蛋白質加水分解物は、原料由来の乳臭が強
く、風味の改善が求められている。そこで、成分Aを蛋
白質加水分解物の全量に対して3〜10重量%添加し、
風味の改良を行った。乳原料由来のものとしてカゼイン
およびホエー由来の蛋白質加水分解物を用いた。比較例
として、レシチンおよびショ糖を用いた。風味評価は、
健常人男女5名で行った。
【0029】
【表2】
【0030】実施例2 実施例1の乳原料由来の蛋白質加水分解物に代えて、大
豆蛋白質加水分解物の風味改良を行った。その結果、大
豆特有の青臭さおよび大豆臭が低減した蛋白質加水分解
物が得られた。
【0031】実施例3 乳原料由来の蛋白質加水分解物を含む風味改良を行っ
た。成分Aを実施例1で用いたものと同様の蛋白質加水
分解物を含む溶液に添加し、風味改良を行った。比較例
としてショ糖を用いた。風味評価は、健常人男女5名で
行った。
【0032】
【表3】
【0033】実施例4 実施例3の乳原料由来の蛋白質加水分解物に代えて、大
豆蛋白質加水分解物の風味改良を行った。その結果、大
豆特有の青臭さおよび大豆臭が低減した蛋白質加水分解
物が得られた。
【0034】実施例5 実施例3で作製した成分Aを添加したカゼインおよびホ
エー由来の蛋白質加水分解物および大豆加水分解物の水
溶液を凍結乾燥し、成分Aを含む蛋白質加水分解物粉末
を得た。いずれの粉末も風味の良好な蛋白質加水分解物
粉末であった。
【0035】実施例6 実施例5の乾燥を凍結乾燥に代えて、噴霧乾燥を行った
ところ、風味の良好な蛋白質加水分解物が得られた。
【0036】実施例7 蛋白質加水分解物の臭いを低減するために、成分Aまた
はBを添加した顆粒剤を作製し、風味の改良された顆粒
剤を得た。顆粒剤の処方は、以下のとおりである。蛋白
質加水分解物は、カゼインおよび大豆由来のものを用い
た。
【0037】 蛋白質加水分解物 :30% HPC−L :5% 乳糖 :20% コーンスターチ :20〜25% 成分A、Bまたはレシチン:5% 水 :20%
【0038】湿式押し出し造粒法により造粒したのち、
乾燥し顆粒剤を得た。
【0039】
【表4】
【0040】実施例8 イチョウ葉エキスを含む水溶液に成分Aまたは成分Bを
添加することにより、特有の臭みが低減された飲みやす
い水溶液を得た。
【0041】
【表5】
【0042】実施例9 イチョウ葉エキスの臭いを低減するために、成分Aを添
加した顆粒剤を作製し、イチョウ特有の臭みが低減され
た顆粒剤を得た。顆粒剤の処方は、以下のとおりであ
る。
【0043】 イチョウ葉エキス :30% HPC−L :5% 乳糖 :20% コーンスターチ :20〜25% 成分Aまたはレシチン :5% 水 :20%
【0044】湿式押し出し造粒法により造粒したのち、
乾燥し顆粒剤を得た。風味評価の結果、成分Aを添加し
たものは臭みが低減した風味のよい顆粒であったのに対
し、レシチンを添加したものには風味の改善効果は得ら
れなかった。
【0045】実施例10 ホタテ末、カキ殻末および卵殻末などの天然カルシウム
を水に溶解および分散させ、これに成分Aを添加したと
ころ、原料に由来する生臭みや粉っぽさが低減した。
【0046】
【表6】
【0047】実施例11 ホタテ末、カキ殻末および卵殻末などの天然カルシウム
に成分Aを5または20%添加したところ、いずれの場
合も原料に由来する生臭みや粉っぽさが低減した。
【0048】実施例12 エイコサペンタエン酸(以下、EPAと略す)に成分C
を添加したところ、原料に由来する魚臭が低減した。処
方を以下に示す。
【0049】 EPA 1部 成分C 0、0.5、1、2部 ホエー蛋白質 1.5部
【0050】以上の処方に水を20部加え、乳化機で分
散させた後、凍結乾燥し粉末にした。
【0051】
【表7】
【0052】実施例13 ビタミンB1(塩酸チアミンおよび硝酸チアミン)の溶
液に成分Aを添加したところ、特有のビタミン臭が低減
した。
【0053】
【表8】
【0054】実施例14 各種のビタミン(B1、B6、ニコチン酸アミド)を含む
ビタミン群を含むビタミン製剤に成分Aを1%以上添加
したところ、不快臭の低減した風味のよいビタミン製剤
が得られた。
【0055】実施例15 ビタミンB1(硝酸チアミン)に成分Aまたは成分Bを
粉体混合し、ビタミン臭を低減したビタミンB1 製剤を
得た。さらに、これに乳蛋白質(ホエー蛋白質)を添加
すると、さらにビタミン臭の低減が認められ風味の良好
なビタミンB1製剤が得られた。比較例としてレシチン
を用いた。処方は以下のとおりである。
【0056】
【表9】
【0057】
【表10】
【0058】実施例16 実施例15の処方へ、それぞれ水を100部加え、乳化
機で均一に分散した後、凍結乾燥し粉末のビタミン製剤
を作製した。風味評価の結果、比較例に比べ、著しく風
味の良好なビタミン製剤が得られた。凍結乾燥に変わり
スプレードライにより粉末化した場合も、良好な風味の
ビタミン製剤が得られた。
【0059】実施例17 0.4重量%のメントールを含むキャンディーに成分B
を0.4%添加したところ、メントール特有の清涼感は
保持し、刺激臭の低減されたキャンディーが得られた。
【0060】実施例18 水溶性ルチン(ビタミンP)と成分Bを5%含む顆粒を
作製したところ、風味の良好な顆粒が得られた。
【0061】実施例19 成分A、BおよびCを0.1%含むパンを作製したとこ
ろ、発酵臭の低減したパンが得られた。
【0062】実施例20 成分A、BおよびCを0.1%含む豆腐を作製したとこ
ろ、大豆臭および青臭みの低減した豆腐が得られた。
【0063】実施例21 代替塩として使われる乳清ミネラルに成分Aを5%添加
したところ、風味の良好な乳清ミネラルが得られた。
【0064】実施例22 レトルトコーヒーを製造する際に成分BおよびCを0.
01%添加したところ、レトルト臭の軽減されたコーヒ
ー飲料が得られた。
【0065】実施例23 乳酸菌粉末を含む顆粒に成分Aを2%添加したところ、
不快臭の低減した粉末顆粒が得られた。
【0066】
【発明の効果】本発明の不快臭低減化剤は、優れた不快
臭低減化作用を示し、生体に対して安全であり、また本
発明の不快臭低減化剤を用いることによって容易に不快
臭を低減させることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負電荷を有する脂質またはその塩を有効
    成分とする不快臭低減化剤。
  2. 【請求項2】 負電荷を有する脂質またはその塩が酸性
    リン脂質である請求項1記載の不快臭低減化剤。
  3. 【請求項3】 酸性リン脂質がホスファチジン酸、ホス
    ファチジルイノシトール、ホスファチジルセリンおよび
    ホスファチジルグリセロールの1種または2種以上から
    選ばれるものである請求項2記載の不快臭低減化剤。
  4. 【請求項4】 酸性リン脂質またはその塩が脂質混合物
    中に存在し、かつ当該脂質混合物中の中性リン脂質の存
    在量が当該酸性リン脂質の含有量の2倍以下である請求
    項3記載の不快臭低減化剤。
  5. 【請求項5】 不快臭を有する食品、医薬品または化粧
    料に、負電荷を有する脂質またはその塩を当該食品、医
    薬品または化粧料全量に対して0.001〜50重量%
    添加することを特徴とする不快臭低減化法。
  6. 【請求項6】 食品、医薬品または化粧料が、蛋白質分
    解物、ビタミン群、高度不飽和脂肪酸、ミネラルおよび
    乳清ミネラルから選ばれる不快臭要因物質を含むもので
    ある請求項5記載の不快臭低減化法。
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