JP2713646B2 - 自動巻取紙仕立て装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、自動巻取紙仕立て装置に関するものであ
る。

（従来の技術） 従来、巻取紙を輪転印刷機の巻取紙紙継装置に装着す
る前に、巻取紙で行われている紙継用仕立作業の概要を
第４図（II）により説明すると、巻取紙の表皮層に存在
する不良紙の数枚分を切断除去した後、巻取紙の巻出し
先端を山形にカットし、カットした山形の斜辺部に両面
接着テープを貼り付け、山形の先端部に先端テープとタ
ブとを貼り、巻取紙の両側部に巻取紙の紙継目マークを
表示するための赤紙を貼り付ける等の作業を行う。

これらの作業を行う巻取紙仕立て装置の従来例を第４
図（Ｉ）により説明すると、フレーム（１）に回転自在
に支持した支持腕（２）に巻取紙が装着される。この巻
取紙は、その表皮層に存在する不良紙部分が表皮切断装
置（３）により切断除去された後、排紙巻取装置（４）
により巻取られ、不良紙部分に続く表皮がコンベアベル
ト（５）により繰出され、傷探知センサにより傷の有無
がチェックされ、良質の紙であることが確認されたら、
表皮がテーブル（７）上に負圧により吸引、固定され、
巻取紙の長手方向左右部に対応して設けられた先端三角
切装置（８）によりＶ字形に切断され、両面接着テープ
がテープ貼り装置（９）によりＶ字形の斜辺縁に沿うよ
うに貼付けられ、先端テープがＶ字形先端部分の表面に
貼付けられ、さらにＴタブが裏面に貼付けられる。

これらの作業は、テーブル（７）上で行われ、作業中
の巻取紙の繰出し及び巻戻しの調整が、巻取紙の支持軸
の回転駆動装置（図示しない）とフィードローラ（12）
及びコンベアベルト（５）とにより行われる。

（発明が解決しようとする課題） 前記第４図（Ｉ）に示す従来の巻取紙自動仕立て装置
では、巻取紙の表紙がテーブル（７）の上に引出され、
テーブル上に負圧により吸引、固定されて、Ｖ字形に切
断されるので、装置全体が横長になって、広いスペース
が必要になるという問題があり、テーブルを使用しない
巻取紙自動仕立て装置が要請されていた。

本発明は前記の問題点に鑑み提案するものであり、そ
の目的とする処は、テーブルを必要とせず、装置全体
の機長を横方向に短くできて、狭いスペースにも設置で
き、巻取紙と仕立て装置との間の空間部で紙継仕立て
作業を円滑に行うことができ、紙継用仕立て作業時に
必要としている紙の繰出し量を充分に確保できる自動巻
取紙仕立て装置を提供しようとする点にある。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、本発明は、巻取紙の表
皮層に存在する不良紙の数枚分を排紙として切断除去し
た後、巻取紙から残りの排紙に続いて繰出される良質紙
の先端部分に紙継用仕立て作業を行う自動巻取紙仕立て
装置において、巻取紙支持装置により回転可能に支持さ
れた巻取紙の側方位置に設置した仕立て装置と、同仕立
て装置の下方に設置した巻取紙繰出し装置とを有し、同
巻取紙繰出し装置を、巻取紙から繰出して仕立て装置の
前面側へ垂下した排紙の端部を掴んで巻取る排紙巻取装
置と、巻取紙と排紙巻取装置との間の排紙を繰出しロー
ラにより張力を制御しながら繰出して排紙に続く良質紙
部分を仕立て装置の前面側に所定の張力を加えた状態で
張り渡す繰出しローラ装置とにより構成している。

（作用） 巻取紙の表皮層に存在する不良紙の数枚分を排紙とし
て切断除去した後、巻取紙から残りの排紙に続いて繰出
される良質紙の先端部分に紙継用仕立て作業を行うとき
に、巻取紙から繰出して仕立て装置の前面側へ垂下した
排紙の端部を排紙巻取装置により掴んで巻取り、次いで
巻取紙と排紙巻取装置との間の排紙を繰出しローラ装置
の繰出しローラにより排紙の張力を制御したがら繰出し
て排紙に続く良質紙部分を仕立て装置の前面側に所定の
張力を加えた状態で張り渡して、紙継用仕立て作業に備
える。

（実施例） 次に本発明の自動巻取紙仕立て装置を第１図乃至第３
図に示す一実施例により説明する。

第１図（Ｉ）は本発明に係る自動巻取紙仕立て装置の
巻取紙繰出し装置の一実施例を示す正面図、第１図（I
I）は第１図（Ｉ）の矢視Ｘ−Ｘに沿う平面図、第２図
（Ｉ）は同巻取紙繰出し装置の側面図、第２図（II）は
巻取紙端部の仕立て時に必要となる紙の繰出量を示す説
明図、第３図は自動巻取紙仕立て装置の全体を示す側面
図である。

第３図に示すように、巻取紙支持装置の門型フレーム
（31）には、台車（33）（34）と、巻取紙の支持軸（3
2）を駆動する駆動装置とが設けられている。台車（3
3）（34）は、トロッコ上の巻取紙を仕立て装置の支持
軸（32）に装着するために、上下方向と左右方向と前後
方向とに移動できるようになっている。

巻取紙支持装置により支持された巻取紙の右側には、
仕立て装置が設けられ、右側下方には、巻取紙繰出し装
置（40）が設けられている。

前記仕立て装置には、先端テープ貼付装置（図示せ
ず）、Ｔタブ貼付装置（図示せず）、赤紙テープ貼付装
置（図示せず）、サイドテープ貼付装置（130）、カッ
タ装置（図示せず）、Ｔタブセパレータ剥し装置（12
0）、表皮切断装置（150）などが設置されている。

前記巻取紙繰出し装置（40）は、第１図及び第２図に
示すように、排紙巻取装置（50）と繰出しローラ装置
（60）とにより構成されている。

次に繰出しローラ装置（60）を具体的に説明すると、
床面に複数の軸受（73）が固定され、同各軸受（73）に
より案内シャフト（72）が回転可能に支持され、同案内
シャフト（72）の両端部に一対の軸受ブラケット（74）
の下端部が揺動可能に取付けられ、同案内シャフト（7
2）の両端部に一対のアーム（61）が固定されている。

また軸継手（75）により親ねじ（71）の軸方向中央部
分が連結され、軸方向中央部分より左側及び右側の親ね
じ（71）部分にそれぞれ逆リードのねじが切られ、親ね
じ（71）にタイミングプーリ（76）（駆動装置（80）の
タイミングプーリ（83）により駆動されるタイミングプ
ーリ（76））が設けられ、親ねじ（71）にナット（78）
が固定され、移動ブラケット（77）が同ナット（78）に
螺合するとともに前記案内シャフト（72）に遊嵌されて
おり、親ねじ（71）を正逆方向に回転させて、左側及び
右側の移動ブラケット（77）（後述の排紙の左右両側部
を掴む左側及び右側のハンド（51））を巻取紙の幅に応
じて軸方向に移動させるようにしている。

また（90）が前記各軸受ブラケット（74）の上端部に
回転可能に取付けたスプライン軸で、同スプライン軸
（90）には、駆動装置（80）のモータ（82）のタイミン
グプーリ（84）により駆動されるタイミングプーリ（9
1）が設けられ、同スプライン軸（90）の両端部には、
タイミングプーリ（92）（ハンド回転のための軸受（5
2）に取付けられているタイミングプーリ（59）を駆動
するタイミングプーリ（92））が設けられている。

前記駆動装置（80）には、前記モータ（81）（82）及
びタイミングプーリ（83）（84）の他に、排紙巻取装置
（50）のハンド（51）の爪の開閉方向を水平にするため
の割出板（85）、位置決めシリンダ（86）、この位置決
めシリンダ（86）で作動し、割出し位置を決めるノック
（87）がある。なおハンド（51）の爪の開閉方向を水平
にするのは、上方から繰出される紙の端部を掴むであ
る。

また前記繰出しローラ装置（60）には、第２図に示す
ように、案内シャフト（72）と共に揺動する一対のアー
ム（61）の他に、同各アーム（61）の上端部により回転
可能に支持された繰出しローラ（62）と、同各アーム
（61）のそれぞれに取付けられた繰出しシリンダ（63）
と、ニップローラ（64）（65）と、同ニップローラ（6
4）を移動させるニッピングローラシリンダ（66）とが
ある。繰出しローラ（62）は、アーム（61）の自重と繰
出しシリンダ（63）のピストンに作用する空気圧力との
差により、巻取紙より繰出された紙の張力を制御するよ
うにしている。

次に排紙巻取装置（50）を具体的に説明すると、同排
紙巻取装置（50）は、第２図に示すように、移動ブラケ
ット（77）に軸受（52）が取付けられ、同軸受（52）に
より排紙を掴むハンド（51）が支持され、軸受ブラケッ
ト（74）及び移動ブラケット（77）を案内シャフト（7
2）を中心に第２図の実線位置と一点破線位置との間に
揺動させる排紙用揺動シリンダ（53）が床面に設置され
ている。

また排紙巻取装置（50）の排紙搬出側には、昇降可能
な排紙押えシリンダ（56）と排紙シュート（54）と排紙
コンベア（55）とが設けられている。

次に巻取紙繰出し装置（40）の作用を説明する。

巻取紙の表皮層に存在する不良紙の数枚分を排紙とし
て切断除去した後、ニッピングローラシリンダ（66）に
よりニップローラ（64）を開き（第２図参照）、次いで
巻取紙を時計方向に回転して、残りの排紙の端部を仕立
て装置の前面側を経て排紙巻取装置（50）の方向へ繰出
す一方、排紙巻取装置（50）のハンド（51）及び軸受
（52）を巻取位置へ揺動する。

このとき、ハンド（51）は開いた状態にあり、ハンド
（51）を開位置から掴み位置へ移動して、巻取紙から繰
出して垂下した排紙の端部を掴み、次いで繰出しローラ
（62）を下方へ移動して、巻取紙から排紙を繰出すとと
もに排紙に所定の張力を加える。

この状態で、ハンド（51）を回転して、巻取紙から垂
下した排紙を巻き取る。この場合、ハンド（51）で巻取
る量よりも巻取紙から繰出す排紙の量を幾分多くしてい
る。

巻取紙が２回転程度回転して、排紙の繰出しが完了し
てもハンド（51）の回転を続行するので、繰出しローラ
（62）が上昇に転じる。そして繰出しローラ（62）が予
め設定した角度位置まで上昇したら、位置決めシリンダ
（86）によりハンド位置決めノック（87）を割り出し板
（85）の溝に嵌合させ（第１図参照）。これにより、ハ
ンド（51）の回転を止めて、排紙の巻取り作業を終り、
排紙に続いて繰出された良質紙（紙継用仕立部）を巻取
紙とハンド（51）との間の仕立て装置の前面側に所定の
張力を加えた状態で張り渡す。

この状態になったら、仕立て装置を作動して、仕立て
装置と巻取紙との間の空間部で仕立て作業を行う。

前記の排紙巻取工程時及び仕立て作業工程時、排紙及
びこれに続いて繰出された良質紙（紙継用仕立部）に
は、繰出しローラ（62）のアーム（61）の自重と繰出し
シリンダ（63）のピストンに作用する空気圧力との差に
より、張力が加えられる。

紙継用仕立て作業を終了したら、排紙巻取装置（50）
を再度作動して、仕立て作業時に切り取った残余の排紙
を巻取り、次いで排紙巻取装置（50）を排紙搬出側へ揺
動し、巻取った排紙をシュート（54）の上方へ移動し
て、排紙押えシリンダ（56）により挟み、次いで軸受
（52）のハンド（51）を開いて、軸受（52）を排紙の両
側部外方へ移動させ、次いで排紙押えシリンダ（56）を
上昇させて、排紙をシュート（54）上へ落下させる。こ
の排紙は、シュート（54）上を転落しながらコンベア
（55）へ落下して、コンベア（55）により外部へ搬出さ
れる。

紙継用仕立て作業時に必要な紙の繰出量は、繰出しロ
ーラ（62）と軸受（52）との相対関係により定まる。こ
の関係を第２図（II）に示した。軸受（52）及びハンド
（51）が排紙搬出側へ移動し、繰出しローラ（62）が最
下端位置へ移動したときに、紙の繰出量は最大になるこ
とが判る。本実施例では、紙継用仕立て作業時に必要な
紙の繰出しを、繰出しローラ（62）の下方への移動だけ
でなく、ハンド（51）の回転でも行うようにして、紙継
用仕立て作業時に必要な紙の繰出量を充分に確保するよ
うにしている。

（発明の効果） 本発明の自動巻取紙仕立て装置は前記のように巻取紙
の表皮層に存在する不良紙の数枚分を排紙として切断除
去した後、巻取紙から残りの排紙に続いて繰出される良
質紙の先端部分に紙継用仕立て作業を行うときに、巻取
紙から繰出して仕立て装置の前面側へ垂下した排紙の端
部を排紙巻取装置により掴んで巻取り、次いで巻取紙と
排紙巻取装置との間の排紙を繰出しローラ装置の繰出し
ローラにより排紙の張力を制御しながら繰出して排紙に
続く良質紙部分を仕立て装置の前面側に所定の張力を加
えた状態で張り渡して、紙継用仕立て作業に備えるの
で、前記従来の巻取紙仕立て装置のようにテーブルを必
要とせず、装置全体の機長を横方向に短くできて、狭い
スペースにも設置できる。

また前記のように巻取紙と排紙巻取装置との間の排紙
を繰出しローラ装置の繰出しローラにより排紙の張力を
制御しながら繰出して排紙に続く良質紙部分を仕立て装
置の前面側に所定の張力を加えた状態で張り渡すので、
巻取紙と仕立て装置との間の空間部で紙継仕立て作業を
円滑に行うことができる。

また前記のように巻取紙からの紙の繰出しを排紙巻取
装置と繰出しローラ装置とで行うので、紙継用仕立て作
業時に必要としている紙の繰出し量を充分に確保でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ｉ）は本発明に係る自動巻取紙仕立て装置の巻
取紙繰出し装置の一実施例を示す正面図、第１図（II）
は第１図（Ｉ）の矢視Ｘ−Ｘに沿う平面図、第２図
（Ｉ）は同巻取紙繰出し装置の側面図、第２図（II）は
仕立て作業に必要な紙の繰出量を示す説明図、第３図は
自動巻取紙仕立て装置の全体を示す側面図、第４図
（Ｉ）は従来の自動巻取紙仕立て装置を示す斜視図、第
４図（II）は糊仕立作業の概要を示す説明図である。 （40）……巻取紙繰出し装置、（50）……排紙巻取装
置、（60）……巻取紙繰出し装置、（62）……繰出しロ
ーラ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】巻取紙の表皮層に存在する不良紙の数枚分
   を排紙として切断除去した後、巻取紙から残りの排紙に
   続いて繰出される良質紙の先端部分に紙継用仕立て作業
   を行う自動巻取紙仕立て装置において、巻取紙支持装置
   により回転可能に支持された巻取紙の側方位置に設置し
   た仕立て装置と、同仕立て装置の下方に設置した巻取紙
   繰出し装置とを有し、同巻取紙繰出し装置を、巻取紙か
   ら繰出して仕立て装置の前面側へ垂下した排紙の端部を
   掴んで巻取る排紙巻取装置と、巻取紙と排紙巻取装置と
   の間の排紙を繰出しローラにより張力を制御しながら繰
   出して排紙に続く良質紙部分を仕立て装置の前面側に所
   定の張力を加えた状態で張り渡す繰出しローラ装置とに
   より構成したことを特徴とする自動巻取紙仕立て装置。