JP2707248B2 - 現像装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は電子写真複写機又は静電記録装置などに好適
な小型軽量な現像装置に関する。 （従来の技術） 従来、かかる現像装置の一例として、底部に貯溜され
た二成分系現像剤を汲上げローラによって、上位に配置
された現像スリーブに供給し、現像後の余剰現像剤を補
給トナーと共にスクリュー又は偏流板などの作用により
長手方向に移動運搬させたあと前記汲上げローラ上へ落
下させ、再びこの汲上げローラによって撹拌されるとと
もに前記現像スリーブ上に着磁供給させる方式が知られ
ている。 （発明が解決しようとする課題） しかしながら、この方式では大型の汲上げローラが配
置されているため現像装置は、スペース、重量ともに大
きくなってしまうことが問題である。また、現像剤が片
寄ったままで、貯溜されたり、片寄り貯溜を防ぐために
複雑な調整を必要とするなどの構造上の問題もある。 そこで本発明は、小型軽量でしかも調整なしでも現像
剤を片寄り貯溜させることなく、現像スリーブ長手方向
に循環撹拌可能な現像装置を提供することを目的とする
ものである。 （課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本発明は、現像剤を付着
させながら回転する現像スリーブと、上記現像スリーブ
上の現像剤を受け入れる現像剤受入部を一端部に有する
とともに、この現像剤受入部から受け入れた現像剤を吐
き出す現像剤吐出部を他端部に有する搬送経路と、上記
搬送経路内に設けられた上記現像剤受入部から上記現像
剤吐出部へ現像剤を撹拌し移動させる第１の移動手段
と、上記現像スリーブと間隔をもって配置される現像ス
リーブ上の現像剤の移動を規制する規制部材と、該規制
部材により規制された現像剤を上記現像剤受入部へ移動
させる第２の移動手段とを備えた現像装置において、上
記第１の移動手段、上記第２の移動手段、上記規制部材
を、上記現像スリーブの回転中心より上方で、且つ上記
現像スリーブ外周の最も上方の部位から現像スリーブ回
転方向下流側に配置したことを特徴とする。 （実施例） 以下、図示の実施例につき詳細に説明する、第１図に
おいて、符号１は静電潜像担持体を示し、電子写真複写
機に組み込まれたものであれば感光体と称されるもので
ある。感光体１に近接して現像装置２が配置されてお
り、現像装置２はその内部にトナータンク３、補給ロー
ラ４、現像スリーブ５、搬送経路10、第１の移動手段６
および第２の移動手段７などからなっている。現像スリ
ーブ５および第１の移動手段６の後述するスクリュー62
はモータＭにより直接駆動されるが、補給ローラ４はク
ラッチＣを介して駆動される。符号Ｋは制御部を示し、
感光体１上の専用パターンの濃度をフォトセンサＰによ
り読み取り、そのトナー補給信号により制御部Ｋを介し
てクラッチＣをオンさせる。すなわち、トナータンク３
は現像装置２の上部に形成されていて補給用トナーを貯
溜し、トナー補給信号によって補給ローラ４が回転して
適宜量のトナーを下方へ落下させる。一方、現像スリー
ブ５上に形成された磁気ブラシは、現像スリーブ５の上
位に配置され、搬送経路10内に設けられた第１の移動手
段６により現像スリーブ軸方向の一方向例えば図中手前
側から奥側へ向かって現像剤の一部が移動撹拌される。
搬送経路10により補捉されなかった現像剤の残余は、第
１の移動手段６の下流側に配置された第２の移動手段７
により補捉され現像スリーブ軸方向の他方向例えば図中
奥側から手前側に向かって移動撹拌される。この際、第
１の移動手段６と第２の移動手段７との協動関係によっ
ていわゆる現像スリーブ長手方向の循環搬送が達成され
るのである。更に詳しくは、第２図において、搬送経路
10は、略上方開口のＵ字溝61に、現像剤受け入れ口とし
ての窓63と、現像剤を掻き取るエプロン64と、現像剤吐
出口である現像剤吐出部としての開口部65とが設けられ
て形成されている。窓63は、現像スリーブ５の回転方向
における上流側のＵ字溝61の図中左端部に穿設され、エ
プロン64は、この窓63の直下に垂設される。この場合、
窓63とエプロン64とは、Ｕ字溝61の側面に下向きのコ字
状スリットを穿設した後、切起こして形成される。開口
部65は、Ｕ字溝61の長手方向で窓63の反対側の底部に穿
設される。Ｕ字溝61の図中左端の現像剤受入部は、現像
スリーブ５の図中左端より若干内側へ寄せられている。
第１の移動手段６は、Ｕ字溝61内に回転自在に支持され
ているスクリュー62からなる。第２の移動手段７は、第
１の移動手段６の下流側に配設されていて、現像スリー
ブ５の軸方向全長にわたって垂設される垂直板71と、こ
の垂直板71の下縁から現像スリーブ５周面の上流側へ斜
め下へ伸びる斜め板である規制部材72と、この規制部材
72上に立設された多数の偏流板73とからなっている。偏
流板73は、現像スリーブ５上の現像剤移動方向に対して
斜めに配置され、第１の移動手段とは逆方向に現像剤を
移動させるようになっている。この場合は、偏流板73は
図に示すように、図中上方へ進むほど左方へ傾く左斜め
の位置になっていて、第３図で明らかなように、偏流板
73の図中下端73aに隣接する偏流板の図中上端73bに、図
中上下方向に対して符号ｅで示すように重なり合ってい
ることが肝要である。また、偏流板73の傾きθは、30゜
〜45゜が現像剤搬送性からみて適当である。第２の移動
手段７は、ドクターブレードに偏流板を取り付けた構成
にしても良い。図１、２に示されているように、第１の
移動手段６、第２の移動手段７、規制部材72は、現像ス
リーブ５の回転中心より上方で、かつ現像スリーブ５外
周の最も上方の部位から現像スリーブ５の回転方向下流
側に配置されている。搬送経路10の最下縁すなわちＵ字
溝61と現像スリーブ５との間の間隙G1（第１図参照）
は、第２の移動手段７の最下縁すなわち規制部材72と現
像スリーブ５との間の間隙G2より大きいことが肝要であ
る。また、偏流板73を立設した規制部材72と現像スリー
ブ５との相対位置は、第４図に示すように、現像スリー
ブ５表面の磁力分布線８の磁力ピーク8aが偏流板73の下
縁直下よりも多少上流側に位置し、磁力ピーク8aの更に
上流側に第２の磁力ピーク8bが位置するようになってい
るのが望ましい。すなわち、現像スリーブ５の内部に
は、上記磁力ピーク8a、8bを形成する磁石が配置される
ことが望ましい。 以上のような構成であるので、現像スリーブ５上の現
像剤は、エプロン64により掻き取られ窓63よりＵ字溝61
内に取り入れられる。Ｕ字溝61内に取り入れられた現像
剤は、回転するスクリュー62により、現像スリーブ５の
軸方向の図中右方へ押しやられ、開口部65から現像スリ
ーブ５上に落下する。一方、エプロン64によって掻き取
られた現像剤以外の現像剤のうち、間隙G2をくぐり抜け
なかった剤はすべて規制部材72により掬い取られる。開
口部65より落下した現像剤も規制部材72によって掬われ
る。そして、偏流板73の作用により現像剤は軸方向に沿
って図中左方へ移動する。そして、次々と掬い取られる
現像剤は、一かたまり（固化に非らず）となって垂直板
71に沿って図中左端へ寄せられる。ところが、Ｕ字溝61
の左端は垂直板71左端より内側に寄せられているので、
垂直板71左端に寄せられて大きくなったブロック状の現
像剤は、上流側のＵ字溝61に進入し、スクリュー62によ
って再び軸方向に沿い図中右方へ移動させられる。かく
して現像スリーブ長手方向循環撹拌作用が達成されるの
である。 第５図は、本発明の別の実施例を示している。 第５図に示す実施例は、第２図に示す実施例と似た構
成を有しており、第１の移動手段６、第２の移動手段
７、規制部材は、現像スリーブ５の回転中心より上方
で、かつ現像スリーブ５外周の最も上方の部位から現像
スリーブ５の回転方向下流側に配置されているが、異な
るところは、搬送経路40の一部を構成するＵ字溝41に窓
とエプロンが省かれ、Ｕ字溝41の図中左端部の構造が第
２の移動手段７によって図中左端に寄せられた現像剤ブ
ロックを積極的に受入れるように、第２の移動手段７側
のＵ字溝側板に現像剤受入部としての切欠き部41aを設
けてあることである。この場合、現像スリーブ５上の現
像剤は、感光体へ供給されるものを除いて、図中左方へ
移動し、左端に集まった現像剤は切欠き部41aから搬送
経路40に進入し、第１の移動手段６のスクリュー62を介
して、図中右方へ移動させられ、現像剤吐出部としての
開口部42から落下して再び第２の移動手段７の軸方向移
動作用に加わる。 第６図は本装置を組み込んだ複写機の一例を示し、第
７図は該複写機の各構成図のタイミングチャートを示し
ている。これらの図において、複写機100の上部に配設
されたコンタクトガラス101上に原稿102が載置され、図
示しない複写ボタンが押下されると、現像モータＭ（第
１図参照）、感光体モータおよび定着ユニットモータが
同時に駆動される。次に、給紙ローラ103が回転して転
写シート104を所定位置まで給送する。更に、露光ラン
プ105が点灯し、インチャージャー106および転写チャー
ジャー107が付勢される。露光ランプ105により照明され
た原稿光像が光学系108を介して感光体１へ投与される
と、メインチャージャー106により均一に帯電された感
光体１表面に静電潜像が形成され、本発明の現像装置２
の作用により可視像化される。この可視像は、送り出さ
れた転写シート104に転写チャージャー107の作用により
転写され、定着ユニット108を介してコピーとして機外
に排出される。 （発明の効果） 本発明は、以上の説明で明らかなように、汲み上げロ
ーラを省いても、現像スリーブ長手方向において一方の
移動手段から他方の移動手段へ、さらに元の移動手段へ
と現像剤が循環撹拌されるので、各移動手段の移動量の
調整をする必要がなく、現像剤が片寄って貯蔵されるよ
うなこともないという結果、各移動手段を現像スリーブ
の軸方向に沿って現像スリーブの外周にそれぞれ配置す
ることにより、現像スリーブの横方向に配置されていた
汲み上げローラ等の部材が不要となり、また部材を上方
に配置することで重力の作用により現像スリーブ上での
現像剤の担持が確実かつ容易となって現像スリーブ中に
小型で磁力の弱い磁石を利用可能となるので装置の小型
軽量化が達成できるとともに、各移動手段のレイアウト
の自由度を向上することができるという効果、現像開始
前に規制部材や第２の移動手段付近の現像スリーブ上に
残っている摩擦帯電不足の現像剤が、現像開始と同時に
第２の移動手段により移動し、第１の移動手段によりす
ばやく撹拌されるので、現像に必要な現像剤の摩擦帯電
を十分に得ることができ、摩擦帯電不足のトナーによる
地汚れやトナー飛散を防止できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】 第１図乃至第３図は本発明の実施例を示し、第１図は構
成図、第２図は要部斜視図、第３図は偏流板の傾きを説
明するための図、第４図は偏流板と磁力ピークとの相対
的位置を説明するための図、第５図は本発明の別の実施
例を示す要部斜視図、第６図は本発明による現像装置を
組み込んだ複写機を示す構成図、第７図は同複写機を構
成する部品の作動タイミングチャートである。 ５……現像スリーブ、６……第１の移動手段、７……第
２の移動手段、10……搬送経路、73……偏流板。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−75852（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−97166（ＪＰ，Ａ) 実開 昭55−108445（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−104155（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−22787（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．現像剤を付着させながら回転する現像スリーブと、 上記現像スリーブ上の現像剤を受け入れる現像剤受入部
   を一端部に有するとともに、この現像剤受入部から受け
   入れた現像剤を吐き出す現像剤吐出部を他端部に有する
   搬出経路と、上記搬出経路内に設けられた上記現像剤受
   入部から上記現像剤吐出部へ現像剤を撹拌し移動させる
   第１の移動手段と、上記現像スリーブと間隔をもって配
   置される現像スリーブ上の現像剤の移動を規制する規制
   部材と、該規制部材により規制された現像剤を上記現像
   剤受入部へ移動させる第２の移動手段とを備えた現像装
   置において、 上記第１の移動手段、上記第２の移動手段、上記規制部
   材を、上記現像スリーブの回転中心より上方で、且つ上
   記現像スリーブ外周の最も上方の部位から現像スリーブ
   回転方向下流側に配置したことを特徴とする現像装置。