JP2698085B2 - スチレン系重合体の製造方法とその触媒 - Google Patents

スチレン系重合体の製造方法とその触媒

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JP2698085B2 JP63007466A JP746688A JP2698085B2 JP 2698085 B2 JP2698085 B2 JP 2698085B2 JP 63007466 A JP63007466 A JP 63007466A JP 746688 A JP746688 A JP 746688A JP 2698085 B2 JP2698085 B2 JP 2698085B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スチレン系重合体の製造方法及び該方法に
用いる触媒に関し、さらに詳しくは重合体連鎖の立体化
学構造が主としてシンジオタクチック構造を有するスチ
レン系重合体を効率よく製造する方法及び該方法に用い
る触媒に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕 従来、スチレン系重合体としては、その立体化学構造
がアタクチック構造のもの及びアイソタクチック構造の
ものが知られているが、シンジオタクチック構造のも
の、特に高度なシンジオタクチック構造のスチレン系重
合体は知られていなかった。
最近、本発明者らのグループは、立体化学構造が主と
してシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体
の開発に成功し、その一つの製造方法を特開昭62−1877
08号公報に開示した。しかしながら、この方法に用いる
触媒は、コストが高いばかりでなく、活性が充分でな
く、また、分子量の調節が難しく所望する分子量のスチ
レン系重合体を製造する上で問題があった。さらに、高
価な有機アルミニウム化合物と縮合剤との接触生成物の
使用量が多くなって、生産コストが上昇し、実用上大き
な障害になっている。
そこで、本発明者らは主としてシンジオタクチック構
造を有するスチレン系重合体を製造するにあたり、分子
量の調節が容易でしかも効率のよい方法ならびにそれに
適した高活性の触媒を開発すべく、鋭意研究を重ねた。
〔課題を解決するための手段〕
その結果、特定のチタン化合物と特定の二種類のアル
ミニウム化合物とを組み合わせたものを触媒として使用
することによって、活性、特に高価なアルミノキサン当
りの活性が著しく向上し、目的とするシンジオタクチッ
ク構造を有するスチレン系重合体を効率よく製造でき、
しかも分子量を容易に調節しうることを見出した。本発
明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、(A)一般式 TiRXYZ 〔式中、Rはシクロペンタジエニル基,置換シクロペン
タジエニル基又はインデニル基を示し、X,Y及びZはそ
れぞれ独立に炭素数1〜12のアルキル基,炭素数1〜12
のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール基,炭素数6
〜20のアリールオキシ基,炭素数6〜20のアリールアル
キル基又はハロゲンを示す。〕 で表わされるチタン化合物, (B)プロトン核磁気共鳴吸収法で観測されるアルミニ
ウム−メチル基(Al−CH3)結合に基くメチルプロトン
シグナル領域における高磁場成分が50%以下の有機アル
ミノキサン及び (C)有機アルミニウム化合物 からなることを特徴とするスチレン系重合体の製造用触
媒を提供するものである。
本発明の触媒は、上記の(A),(B)及び(C)成
分を主成分とするものであるが、ここで(A)成分は、
上記のように一般式 TiRXYZ ・・・・(I) 〔式中、Rはシクロペンタジエニル基,置換シクロペン
タジエニル基又はインデニル基を示し、X,Y及びZはそ
れぞれ独立に炭素数1〜12のアルキル基,炭素数1〜12
のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール基,炭素数6
〜20のアリールオキシ基,炭素数6〜20のアリールアル
キル基又はハロゲンを示す。〕 で表わされるチタン化合物である。この式中のRで示さ
れる置換シクロペンタジエニル基は、例えば炭素数1〜
6のアルキル基で1個以上置換されたシクロペンタジエ
ニル基、具体的にはメチルシクロペンタジエニル基,1,2
−ジメチルシクロペンタジエニル基,ペンタメチルシク
ロペンタジエニル基である。また、X,Y及びZはそれぞ
れ独立に炭素数1〜12のアルキル基(具体的にはメチル
基,エチル基,プロピル,n−ブチル基,イソブチル基,
アミル基,イソアミル基,オクチル基,2−エチルヘキシ
ル基等),炭素数1〜12のアルコキシ基(具体的にはメ
トキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基,ア
ミルオキシ基,ヘキシルオキシ基,オクチルオキシ基,2
−エチルヘキシルオキシ基等),炭素数6〜20のアリー
ル基(具体的にはフェニル基,ナフチル基等),炭素数
6〜20のアリールオキシ基(具体的にはフェノキシ基
等),炭素数6〜20のアリールアルキル基(具体的には
ベンジル基)又はハロゲン(具体的には塩素,臭素,沃
素あるいは弗素)を示す。
このような一般式(I)で表わされるチタン化合物の
具体例としては、シクロペンタジエニルトリメチルチタ
ン,シクロペンタジエニルトリエチルチタン,シクロペ
ンタジエニルトリプロピルチタン,シクロペンタジエニ
ルトリブチルチタン,ペンタメチルシクロペンタジエニ
ルトリメチルチタン,ペンタメチルシクロペンタジエニ
ルトリエチルチタン,ペンタメチルシクロペンタジエニ
ルトリプロピルチタン,ペンタメチルシクロペンタジエ
ニルトリブチルチタン,シクロペンタジエニルメチルチ
タンジクロリド,シクロペンタジエニルエチルチタンジ
クロリド,ペンタメチルシクロペンタジエニルメチルチ
タンジクロリド,ペンタメチルシクロペンタジエニルエ
チルチタンジクロリド,シクロペンタジエニルジメチル
チタンモノクロリド,シクロペンタジエニルジエチルチ
タンモノクロリド,シクロペンタジエニルチタントリメ
トキシド,シクロペンタジエニルチタントリエトキシ
ド,シクロペンタジエニルチタントリプロポキシド,ペ
ンタメチルシクロペンタジエニルチタントリメトキシ
ド,ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリエト
キシド,ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリ
プロポキシド,シクロペンタジエニルモノメトキシチタ
ンジクロリド,シクロペンタジエニルジメトキシチタン
モノクロリド,ペンタメチルシクロペンタジエニルモノ
メトキシチタンジクロリド,シクロペンタジエニルチタ
ントリフェノキシド,ペンタメチルシクロペンタジエニ
ルチタントリフェノキシド,シクロペンタジエニルジフ
ェノキシチタンモノクロリド,ペンタメチルシクロペン
タジエニルジフェノキシチタンモノクロリド,シクロペ
ンタジエニルモノフェノキシチタンジクロリド,ペンタ
メチルシクロペンタジエニルモノフェノキシチタンジク
ロリド,シクロペンタジエニルトリベンジルチタン,シ
クロペンタジエニルメチルジベンジルチタン,ペンタメ
チルシクロペンタジエニルトリベンジルチタン,ペンタ
メチルジエトキシメチルチタン,インデニルチタントリ
メトキシド,インデニルチタントリエトキシド,インデ
ニルトリメチルチタン,インデニルトリベンジルチタン
等があげられる。なかでも好適なものとして、一般式 TiRZ3 〔式中、Rはシクロペンタジエニル基,置換シクロペン
タジエニル基又はインデニル基を示し、Zは炭素数1〜
12のアルキル基,炭素数1〜12のアルコキシ基,炭素数
6〜20のアリール基,炭素数6〜20のアリールオキシ
基,炭素数6〜20のアリールアルキル基を示す。〕 で表わされるチタン化合物が挙げられる。
一方、上記の(A)成分とともに触媒の主成分を構成
する(B)成分は、各種の有機アルミニウム化合物と縮
合剤とを接触して得られるものである。反応原料とする
有機アルミニウム化合物としては、通常は一般式 AlR1 3 ・・・・(II) 〔式中、R1は炭素数1〜8のアルキル基を示す。〕 で表わされる有機アルミニウム化合物、具体的には、ト
リメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリ
イソブチルアルミニウム等があげられ、中でもトリメチ
ルアルミニウムが最も好ましい。
一方、有機アルミニウム化合物と縮合させる縮合剤と
しては、典型的には水があげられるが、この他にアルキ
ルアルミニウムが縮合反応するいかなるものを用いても
よい。
(B)成分の代表としてのアルキルアルミニウム等の
有機アルミニウム化合物と水との反応生成物の例は、具
体的には 一般式 (式中、nは2〜50の整数を示す。)で表わされる鎖状
アルキルアルミノキサンあるいは一般式 で表わされる繰り返し単位を有する環状アルキルアルミ
ノキサン(重合度2〜52)等がある。
一般に、トリアルキルアルミニウム等の有機アルミニ
ウム化合物と水との接触生成物は、上述の鎖状アルキル
アルミノキサンや環状アルキルアルミノキサンととも
に、未反応のトリアルキルアルミニウム、各種の縮合生
成物の混合物、さらにはこれらが複雑に会合した分子で
あり、これらはトリアルキルアルミニウムと水との接触
条件によって様々な生成物となる。このうち、本発明に
おいて、触媒の(B)成分は、プロトン核磁気共鳴吸収
法で観測されるアルミニウム−メチル基(Al−CH3)結
合に基くメチルプロトンシグナル領域における高磁場成
分が50%以下のものである。つまり、上記の接触生成物
を、室温下、トルエン溶媒中でそのプロトン核磁気共鳴
1H−NMR)スペクトルを観測すると、Al−CH3に基くメ
チルプロトンシグナルは、テトラメチルシラン(TMS)
基準において1.0〜−0.5ppmの範囲に見られる。TMSのプ
ロトンシグナル(0ppm)がAl−CH3に基くメチルプロト
ン観測領域にあるため、このAl−CH3に基くメチルプロ
トンシグナルを、TMS基準におけるトルエンのメチルプ
ロトンシグナル2.35ppmを基準にして測定し、高磁場成
分(即ち、−0.1〜−0.5ppm)と他の磁場成分(即ち、
1.0〜−0.1ppm)とに分けたときに、該高磁場成分が全
体の50%以下、好ましくは45〜5%のものが本発明の触
媒の(B)成分として使用される。
この際の有機アルミニウム化合物と水との反応は特に
限定はなく、公知の手法に準じて反応させればよい。例
えば、有機アルミニウム化合物を有機溶剤に溶解して
おき、これを水と接触させる方法、重合時に当初有機
アルミニウム化合物を加えておき、後に水を添加する方
法、さらには金属塩等に含有されている結晶水、無機
物や有機物への吸着水を有機アルミニウム化合物と反応
させる等の方法がある。
本発明の触媒を構成する(C)成分としては、各種の
有機アルミニウム化合物が充当できるが、具体的には一
般式 R4 kAl(OR5mHpX1 q ・・・(IV) 〔式中、R4及びR5はそれぞれ独立に炭素数1〜8、好ま
しくは炭素数1〜4のアルキル基を示し、X1はハロゲン
を示し、kは0<k≦3、mは0≦m<3、pは0≦p
<3、qは0≦q<3であって、しかもk+m+p+q
=3である〕で表わされる有機アルミニウム化合物であ
る。
前記の一般式(IV)で表わされる有機アルミニウム化
合物としては、次のものを例示することができる。p=
q=0の場合に相当するものは、一般式R4 kAl(OR5
3-k(式中、R4及びR5は前記と同じであり、kは好まし
くは1.5≦k≦3の数である)で表わされる。m=p=
0の場合に相当するものは、一般式R4 kAlX1 3-k(式中、
R4及びX1は前記と同じであり、kは好ましくは0<k<
3である)で表わされる。m=q=0の場合に相当する
ものは、一般式R4 kAlH3-k(式中、R4は前記と同じであ
り、kは好ましくは2≦k<3である)で表わされる。
p=0の場合に相当するものは、一般式R4 kAl(OR5mX
1 q(式中、R4,R5及びX1は前記と同じであり、0<k≦
3、0≦m<3、0≦q<3で、k+m+q=3であ
る)で表わされる。
前記の一般式(IV)で表わされる有機アルミニウム化
合物において、p=q=0で、k=3の化合物は、例え
ばトリエチルアルミニウム,トリブチルアルミニウム等
のトリアルキルアルミニウム又はこれらの組み合わせか
ら選ばれ、好ましいものはトリエチルアルミニウム,ト
リ−n−ブチルアルミニウム,トリイソブチルアルミニ
ウムである。p=q=0で、1.5≦k<3の場合は、ジ
エチルアルミニウムエトキシド,ジブチルアルミニウム
ブトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシド、
エチルアルミニウムセスキエトキシド,ブチルアルミニ
ウムセスキブトキシド等のアルキルアルミニウムセスキ
アルコキシドの他に、R4 2.5Al(OR50.5等で表わされ
る平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキ
ルアルミニウムをあげることができる。m=p=0の場
合に相当する化合物の例は、ジエチルアルミニウムクロ
リド,ジブチルアルミニウムクロリド,ジエチルアルミ
ニウムブロミド等のようなジアルキルアルミニウムハロ
ゲニド(k=2),エチルアルミニウムセスキクロリ
ド,ブチルアルミニウムセスキクロリド,エチルアルミ
ニウムセスキブロミドのようなアルキルアルミニウムセ
スキハロゲニド(k=1.5),エチルアルミニウムジク
ロリド,プロピルアルミニウムジクロリド,ブチルアル
ミニウムジブロミド等のようなアルキルアルミニウムジ
ハロゲニド(k=1)等の部分的にハロゲン化されたア
ルキルアルミニウムである。m=q=0の場合に相当す
る化合物の例は、ジエチルアルミニウムヒドリド,ジブ
チルアルミニウムヒドリド等のジアルキルアルミニウム
ヒドリド(k=2),エチルアルミニウムジヒドリド,
プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキルアルミニ
ウムジヒドリド(k=1)等の部分的に水素化されたア
ルキルアルミニウムである。p=0の場合に相当する化
合物の例は、エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブ
チルアルミニウムブトキシクロリド,エチルアルミニウ
ムエトキシブロミド(k=m=q=1)等の部分的にア
ルコキシ化及びハロゲン化されたアルキルアルミニウム
である。
本発明の触媒は、前記(A),(B)及び(C)成分
を主成分とするものであり、前記の他さらに所望により
他の触媒成分を加えることもできる。この触媒中の
(A)成分,(B)成分及び(C)成分の配合割合は、
各種の条件により異なり、一義的には定められないが、
通常は(B)成分及び(C)成分中のアルミニウムと
(A)成分中のチタンとの比、即ちアルミニウム/チタ
ン(モル比)として1〜104、好ましくは10〜103であ
る。また、(B)成分と(C)成分のモル比について
は、(B):(C)が0.01:1〜1:0.01であり、好ましく
は0.1:1〜1:0.1であり、さらに好ましくは0.5:1〜1:0.5
である。
上記の如き本発明の触媒は、主としてシンジオタクチ
ック構造を有するスチレン系重合体の製造において高い
活性を示す。
したがって、本発明はさらに上記のような触媒を用い
てスチレン系重合体を製造する方法をも提供するもので
ある。
本発明の方法によりスチレン系重合体を製造するに
は、上記の(A),(B)及び(C)成分を主成分とす
る触媒の存在下でスチレン及び/又はスチレン誘導体
(アルキルスチレン,アルコキシスチレン,ハロゲン化
スチレン,ビニル安息香酸エステルなど)等のスチレン
系モノマーを重合(あるいは共重合)するが、この重合
は塊状でもよく、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン等の脂
肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素ある
いはベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素
溶媒中で行ってもよい。また、重合温度は特に制限はな
いが、一般には−30〜120℃、好ましくは−10〜100℃で
ある。
このようにして得られるスチレン系重合体は、主とし
てシンジオタクチック構造を有するものである。ここ
で、スチレン系重合体における主としてシンジオタクチ
ック構造とは、立体化学構造が主としてシンジオタクチ
ック構造、即ち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対
して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反
対方向に位置する立体構造を有することを意味し、その
タクティシティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(13
C−NMR法)により定量される。13C−NMR法により測定さ
れるタクティシティーは、連続する複数個の構成単位の
存在割合、例えば2個の場合はダイアッド,3個の場合は
トリアッド,5個の場合はペンタッドによって示すことが
できるが、本発明に言う「主としてシンジオタクチック
構造を有するスチレン系重合体」とは、通常はダイアッ
ドで75%以上、好ましくは85%以上、若しくはペンタッ
ド(ラセミペンタッド)で30%以上、好ましくは50%以
上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレン,
ポリ(アルキルスチレン),ポリ(ハロゲン化スチレ
ン),ポリ(アルコキシスチレン),ポリ(ビニル安息
香酸エステル及びこれらの混合物、あるいはこれらを主
成分とする共重合体を意味する。なお、ここでポリ(ア
ルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレン),
ポリ(エチルスチレン),ポリ(イソプロピルスチレ
ン),ポリ(ターシャリーブチルスチレン)等があり、
ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロス
チレン),ポリ(ブロモスチレン),ポリ(フルオロス
チレン)等がある。また、ポリ(アルコキシスチレン)
としては、ポリ(メトキシスチレン),ポリ(エトキシ
スチレン)等がある。これらのうち特に好ましいスチレ
ン系重合体としては、ポリスチレン,ポリ(p−メチル
スチレン),ポリ(m−メチルスチレン),ポリ(p−
ターシャリーブチルスチレン),ポリ(p−クロロスチ
レン),ポリ(m−クロロスチレン),ポリ(p−フル
オロスチレン)、さらにはスチレンとp−メチルスチレ
ンとの共重合体をあげることができる。
本発明の方法により製造されるスチレン系重合体は、
一般に重量平均分子量5,000以上、好ましくは10,000〜2
0,000,000、数平均分子量2,500以上、好ましくは5,000
〜10,000,000のものであり、上記のようにシンジオクタ
ティシティーの高いものであるが、重合後、必要に応じ
て塩酸等を含む洗浄液で脱灰処理し、さらに洗浄,減圧
乾燥を経てメチルエチルケトン等の溶媒で洗浄して可溶
分を除去し、得られる不溶分をさらにクロロホルム等を
用いて処理すれば、極めてシンジオタクティシティーの
大きい高純度のスチレン系重合体が入手できる。
なお、本発明の方法において、(C)成分の使用量
を調節する、重合温度を調節する。水素ガスの導入
量を調節する等の操作を行えば、得られるシンジオクタ
チック構造のスチレン系重合体の分子量を容易に調節す
ることができる。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例及び比較例により更に詳しく説
明する。
実施例1 (1)トリメチルアルミニウムと水との接触生成物の調
製 アルゴン置換した内容積500mlのガラス製容器に、硫
酸銅5水塩(CuSO4・5H2O)17.8g(71ミリモル),トル
エン200ml及びトリメチルアルミニウム24ml(250ミリモ
ル)を入れ、40℃で8時間反応させた。その後、固体部
分を除去して得られた溶液から、更に、トルエンを室温
下で減圧留去して接触生成物6.7gを得た。このものの凝
固点降下法によって測定した分子量は610であった。ま
た、1H−NMR測定による前述の高磁場成分(即ち、−0.1
〜−0.5ppm)は43%であった。
(2)スチレン系重合体の製造 内容積500mlの反応容器に、ヘプタン200ml,上記
(1)で得られた接触生成物をアルミニウム原子として
2ミリモル,トリイソブチルアルミニウムを2ミリモ
ル,ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリメト
キシド0.08ミリモル及びスチレン50mlを加え、50℃で2
時間重合反応を行った。反応終了後、生成物を塩酸−メ
タノール混合液で洗浄して、触媒成分を分解除去し、乾
燥して重合体33.1gを得た。次いで、この重合体をソッ
クスレー抽出器を用いてメチルエチルケトンで抽出した
ところ、抽出残(MIP)98.0%を得た。得られた重合体
の重量平均分子量は85万、数平均分子量は36.9万であっ
た。融点及び13C−NMR測定により得られた重合体はシン
ジオタクチック構造のポリスチレンであることを確認し
た。
参考例 実施例1(2)において、接触生成物をアルミニウム
原子として4ミリモル用いたこと、およびトリイソブチ
ルアルミニウムを使用しなかったこと以外は、実施例1
(2)と同様の操作を行い、シンジオタクチック構造の
ポリスチレンを製造した。
比較例1 実施例1(2)において、チタン化合物としてチタニ
ウムテトラエトキシドを用いたこと、接触生成物をアル
ミニウム原子として4ミリモル用いたこと、およびトリ
イソブチルアルミニウムを4ミリモル用いた以外は、実
施例1(2)と同様の操作を行い、シンジオタクチック
構造のポリスチレンを製造した。
比較例2 実施例1(2)において、チタン化合物としてチタニ
ウムテトラエトキシドを用いたこと、接触生成物をアル
ミニウム原子として8ミリモル用いたこと、およびトリ
イソブチルアルミニウムを使用しなかったこと以外は、
実施例1(2)と同様の操作を行い、シンジオタクチッ
ク構造のポリスチレンを製造した。
実施例2 実施例1(2)において、トリイソブチルアルミニウ
ムの代わりにトリエチルアルミニウムを2ミリモル用い
たこと以外は、実施例1(2)と同様の操作を行い、シ
ンジオタクチック構造のポリスチレンを製造した。
実施例3 実施例1(2)において、トリイソブチルアルミニウ
ムの代わりにモノエトキシジエチルアルミニウムを2ミ
リモル用いたこと以外は、実施例1(2)と同様の操作
を行い、シンジオタクチック構造のポリスチレンを製造
した。
上記の実施例1〜3、参考例及び比較例1〜2におい
て用いた触媒組成及び重合結果を第1表に示す。
実施例4〜7 第1表に示す条件としたこと以外は、実施例1(2)
と同様の操作を行い、シンジオタクチック構造のポリス
チレンを製造した。結果を第1表に示す。
実施例8 (1)トリメチルアルミニウムと水との接触生成物の調
製 トルエン溶媒200ml中において、トリメチルアルミニ
ウム24.0ml(0.250モル)と硫酸銅・5水和物23.7g(0.
095モル)を20℃で24時間反応させた後、固体部分を除
去して接触生成物であるメチルアルミノキサン8.1gを含
むトルエン溶液を得た。この接触生成物において、1H−
NMR測定による前述の高磁場成分(即ち、−0.1〜−0.5p
pm)は48%であった。
(2)スチレン系重合体の製造 上記(1)で得られた接触生成物を用いたこと以外
は、実施例1(2)と同様の操作を行い、シンジオタク
チック構造のポリスチレンを製造した。結果を第1表に
示す。
〔発明の効果〕 以上の如く、本発明の接触は、著しく高い活性を有す
るものである。したがって、この触媒を用いてスチレン
系モノマーを重合すれば、シンジオタクティシティーの
高いスチレン系重合体を効率よく製造することができ
る。しかも、この触媒を用いる本発明の方法によれば、
スチレン系重合体を製造するにあたって、分子量の調節
を容易に行うことができる。
このようにして得られるシンジオタクチック構造のス
チレン系重合体は、耐熱性,耐薬品性等の各種物性にす
ぐれたものであり、様々な用途に幅広くかつ有効に利用
される。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式 TiRXYZ 〔式中、Rはシクロペンタジエニル基,置換シクロペン
    タジエニル基又はインデニル基を示し、X,Y及びZはそ
    れぞれ独立に炭素数1〜12のアルキル基,炭素数1〜12
    のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール基,炭素数6
    〜20のアリールオキシ基,炭素数6〜20のアリールアル
    キル基又はハロゲンを示す。〕 で表わされるチタン化合物, (B)プロトン核磁気共鳴吸収法で観測されるアルミニ
    ウム−メチル基(Al−CH3)結合に基くメチルプロトン
    シグナル領域における高磁場成分が50%以下の有機アル
    ミノキサン及び (C)有機アルミニウム化合物 からなることを特徴とするスチレン系重合体の製造用触
    媒。
  2. 【請求項2】有機アルミノキサンがメチルアルミノキサ
    ンである請求項1記載の触媒。
  3. 【請求項3】スチレン及び/又はスチレン誘導体を重合
    するにあたり、請求項1記載の触媒を用いることを特徴
    とするスチレン系重合体の製造方法。
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