JP2673936B2 - 和紙の抄造装置 - Google Patents

和紙の抄造装置

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JP2673936B2 JP21079094A JP21079094A JP2673936B2 JP 2673936 B2 JP2673936 B2 JP 2673936B2 JP 21079094 A JP21079094 A JP 21079094A JP 21079094 A JP21079094 A JP 21079094A JP 2673936 B2 JP2673936 B2 JP 2673936B2
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栄和 望月
孝之 国分
康郎 浜谷
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は和紙の抄造装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】現在一般に用いられている和紙の抄造方
法としては手すきが主流である。これは、上面に竹簀を
セットしたすき簀を竹又はスプリング等で吊り、すき工
が上枠上部の握り棒を両手で握り、手前の縁を下げてす
き槽内の紙料を竹簀上に汲み上げ、これを前後に激しく
揺するようにして竹簀上に少し紙層を形成すると、残り
の紙料を先方の縁より流出させ、所要の紙厚を得るまで
これを繰り返し、紙層の構成が終ると、すき簀に傾斜を
与えて水を切り、しかる後、上枠を外して湿紙を竹簀と
共に取り出し、紙床板の上に湿紙を伏せて竹簀を剥が
し、竹簀を再びすき簀の上に載せて次の抄造に移るよう
にし、紙床が適当な厚さに達したときに、その上に板を
載せて圧搾し、圧搾した紙床を1枚宛剥ぎ取り刷子を用
いて板に張り、天日乾燥を行うようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記手すき
による和紙の抄造方法の場合、作業が長時間を要する重
労働であり、職人の高齢化、及び人手不足の実情から近
年では自動化、省人化が要求されている。
【0004】そのため、最近、人手によりすく作業を機
械に置き換えて行うようにしたものが出現しているが、
抄造工程をほぼ全般に亘って自動化できるものではな
く、たとえば、圧搾作業や乾燥作業は依然として従来通
り行われているのが実情であり、省人化はある程度図ら
れてはいるものの長時間を要することには変わりはな
く、むしろ、機械化のために高価となる問題がある。
【0005】そこで、本発明は、和紙の抄造工程をほぼ
全般に亘り自動化して能率よく作業を進めることができ
るような和紙の抄造装置を提供しようとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、上枠を装着したすき簀上に紙料を供給す
るヘッドボックスと、すき簀を揺動させるすき簀揺動装
置と、すき簀を傾動させて捨水する捨水装置と、上枠を
離脱させた後のすき簀を湿紙転写部位置まで移動させる
すき簀移動装置と、移動後のすき簀上の湿紙を順次ベル
トに転写し圧搾して剥離部まで搬送する湿紙搬送装置
と、該湿紙搬送装置の剥離部でベルトから剥離させた湿
紙を張り付けて乾燥させる乾燥装置とを備えた構成とす
る。
【0007】又、別のヘッドボックスと、すき簀揺動装
置と、捨水装置と、すき簀移動装置とを、湿紙搬送装置
を挟んで対称的に付設した構成としてもよい。
【0008】
【作用】ヘッドボックスからすき簀上に紙料が流し込ま
れると、揺動装置の作動ですき簀が揺動させられること
により繊維の方向性が分散され、次に、捨水装置の作動
によってすき簀が傾斜させられることにより余分な水が
捨てられて湿紙が形成される。次いで、すき簀移動装置
によりすき簀が湿紙搬送装置の転写部へ移動させられ
る。湿紙はここですき簀上からベルトに転写させられ、
圧搾されて脱水させられてから剥離部まで搬送される。
剥離部の湿紙は剥離させられた後、乾燥装置で乾燥させ
られる。
【0009】すき簀上に供給された紙料から湿紙を形成
してそれを転写部まで移動させるラインを、湿紙搬送装
置を挟んで2つ設けた場合、一方のすき簀上の湿紙を転
写させる作業と他方のすき簀上の湿紙を転写させる作業
とを交互に行うことができるようになる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0011】図1乃至図7は本発明の一実施例を示すも
ので、基礎1上に前後方向(矢印X方向)へ延びるよう
にしたレール架台2を設置して、該レール架台2上に移
動台車6を載置し、該移動台車6上に、上面に竹簀3を
セットしたすき簀(下枠)4を、すき簀保持台車5を介
して載置させるようにし、又、上記レール架台2の前端
部にスプロケット7を取り付けると共に、レール架台2
の後端部に、モータ9の駆動で回転させられるようにし
たスプロケット8を取り付け、且つ上記移動台車6の前
端に一端を固定したチェーン10の他端を、上記前端部
のスプロケット7、適宜設けたガイドスプロケット1
1、後端部のスプロケット8を介して移動台車6の後端
に固定し、上記モータ9を可逆に駆動することによって
移動台車6がレール架台2上で前後方向へ移動させられ
るようにしたすき簀移動装置12を構成する。
【0012】上記レール架台2の後部位置を左右方向
(矢印Y方向)から挟む位置に、レール架台2と平行に
支持架台13を設置し、該左右(図面では一方のみを示
す)の支持架台13上に、すき簀4を跨ぐようにした揺
動フレーム14を配置し、又、上記レール架台2の後端
部と近接する位置に支持架構15を立設し、該支持架構
15の上下方向中間部に、モータ16の駆動で回転させ
られるようにしたディスク17を設け、該ディスク17
上に突設した偏心軸18と上記揺動フレーム14の後部
の車輪19の軸とを連接ロッド20で連結し、且つ上記
揺動フレーム14の後部の車輪19を、支持架台13上
に設けた前後方向のガイド21に係合させ、上記モータ
9の駆動でディスク17を回転させることにより、連接
ロッド20の変位を介して揺動フレーム14が支持架台
13上で前後方向へ揺動させられるようにしたすき簀揺
動装置22を構成する。
【0013】又、上記揺動フレーム14の上端部には、
すき簀4上に装着するための上枠23を吊るレバー機構
24と、該レバー機構24を操作する操作シリンダ25
とからなる上枠着脱装置26を具備し、上枠着脱装置2
6の作動で上枠23をすき簀4に対し着脱させられるよ
うにする。
【0014】更に、上記揺動フレーム14の揺動時に、
上枠23と一体のすき簀4がすき簀保持台車5を介して
移動台車6上で揺動できるように、すき簀保持台車5を
揺動フレーム14に対し着脱できるようにしたロック装
置27を設ける。該ロック装置27は、両端部にロック
ピン28と29を備えたリンクレバー31の中間部をす
き簀保持台車5の一側前部にピン88にて枢着し、且つ
前後方向に配したロックシリンダ30の基端部をすき簀
保持台車5の一側後部に連結すると共に、該ロックシリ
ンダ30の先端部を、上記リンクレバー31の中間部に
張り出させたアーム部32に連結し、ロックシリンダ3
0の伸縮作動でリンクレバー31をピン88を中心とし
て上下変位させることにより、揺動フレーム14側に設
けたピン受部33に対してロックピン28を、又、移動
台車6側に設けたピン受部34に対してロックピン29
をそれぞれ係合・離脱させられるようにしてある。
【0015】又、上記支持架構15の上端部に、上端を
開口35し且つ該開口35の前側半分程を上方へ延ばし
てノズル36としたヘッドボックス37を、回動装置8
6の操作により図2の実線の位置と二点鎖線の位置との
間で回動できるように設け、該ヘッドボックス37を二
点鎖線で示す如く前方へ回動変位させることによって、
塔38上のヘッドタンク39から供給された紙料をノズ
ル36を通してすき簀4の上枠23内へ供給できるよう
にする。上記ヘッドタンク39は、和紙原料である紙料
を安定した状態で上記ヘッドボックス37へ供給できる
ように、モータ40にて回転させられるようにしたアジ
テータを内部に有し、且つ底部に接続した払い出し管4
1の途中にピンチバルブ42を設けた構成としてある。
【0016】更に、上記揺動フレーム14には、すき簀
4の前側を上昇させて上枠23内の余剰な原料を流出さ
せるための捨水装置43を装備させる。該捨水装置43
は、揺動フレーム14の前部下方に、モータ44によっ
てチェーン48、チェーンギヤ46を介して回転駆動さ
れるようにした回転軸45を位置固定として配置し、且
つ回転軸45に、同軸配置としたカムジスク47を備え
てなるカム機構49を構成し、又、上記揺動フレーム1
4の側部に下方へ向けてアーム50を張り出させ、該ア
ーム50の下端に設けた受ローラ51を、上記カムジス
ク47の外周上に接触せしめ、カム機構49の作動でア
ーム50を押し上げることにより、揺動フレーム14の
後部の車輪19を始点として揺動フレーム14とすき簀
4とを一体に傾動させられるようにしてある。なお、上
記カム機構49及びアーム50の部分は揺動フレーム1
4の左右に対をなして設けてある。
【0017】又、上記レール架台2の前部位置に対応さ
せて湿紙搬送装置52を設ける。該湿紙搬送装置52
は、図5に示す如く、フェルト製のコンベヤベルト53
による搬送コンベヤ54を、レール架台2の前部位置の
上方から図1において右方に延びるように配置し、該搬
送コンベヤ54は、左端部を湿紙転写部55とし、中間
部を湿紙圧搾部56とし、右端部を湿紙剥離部57とし
てある。
【0018】上記湿紙転写部55は、レール架台2を左
右で挟む位置に立設した支柱58間に、左右方向に水平
に延びるガイドビーム59を前後で2個所取り付け、該
両ガイドビーム59に、ガイドビーム59に沿って左右
方向へ移動し得るように保持ブロック60を取り付け、
該保持ブロック60に、コンベヤベルト53の下搬送部
に裏側から接触させるように配置したスクイズロール6
1の軸端部を支持させ、又、上記ガイドビーム59の一
端部に、モータ62の駆動で回転させられるようにした
スプロケット63を取り付けると共に、ガイドビーム5
9の他端部に、上記スプロケット63と対応させてスプ
ロケット64を取り付けて、一端を保持ブロック60の
左端に接続したチェーン65の他端を、順次上記スプロ
ケット63,64を介して保持ブロック60の右端に接
続し、モータ62の駆動で保持ブロック60が左右方向
へ摺動させられるようにして、すき簀4の竹簀3上にあ
る湿紙Pに対しスクイズロール61によりコンベヤベル
ト53を押し付けてコンベヤベルト53に湿紙Pを転写
させられるようにしてある。
【0019】上記スクイズロール61は、図6の(イ)
に拡大して示す如く、竹簀3上の湿紙Pに対してフェル
ト製のコンベヤベルト53を介して微圧をかけられるよ
うに、軸端部を支承する軸箱66の左右面部の一方に突
設したブラケット67を保持ブロック60の下面部に突
設したブラケット68に水平ピン69にて上下方向へ回
動自在に枢着し、軸箱66の左右面部の他方に張り出さ
せたプレート70を、ゴムやスプリング等の微圧装置7
1により上下から挟むようにしてある。又、スクイズロ
ール61自体は、図6の(ロ)に拡大して示す如く、芯
金72の外周にフェルト又は硬度の低いゴム等による被
覆層73を設けた構成としてある。
【0020】上記湿紙圧搾部56は、上記搬送コンベヤ
54の上方に配したフェルト製コンベヤベルト76によ
る圧搾コンベヤ77の一部を、搬送コンベヤ54の中間
部に導いて接触させ、該接触部に配したコンベヤ54,
77のロールをそれぞれ圧搾ロール78,79とし、搬
送コンベヤ54に沿って搬送される湿紙Pを、圧搾ロー
ル78,79間でコンベヤベルト53,76を介して圧
搾させられるようにしてある。
【0021】上記湿紙剥離部57は、搬送コンベヤ54
の上搬送部分が、裏面側に配置されたテーブル80に沿
って平坦化されるようにしたもので、テーブル80の部
分まで搬送されて停止させられた湿紙Pがコンベヤベル
ト53の表面から作業員の手操作によって剥がされるよ
うにしてある。
【0022】更に、上記湿紙剥離部57の近傍に、剥離
させた湿紙Pを乾燥させるための乾燥装置81を設置す
る。該乾燥装置81は、図7に示す如く、三角柱状の如
き多面ドラム82を、支持フレーム83の上端に支持さ
せ、該多面ドラム82を、モータ84の駆動により所要
速度で回転させつつ内部の熱源(スチーム)にて与える
エネルギーによって湿紙Pを乾燥させられるようにして
ある。
【0023】上記すき簀移動装置12や湿紙搬送装置5
2等の運転・停止は湿紙剥離部57の近傍に設置した足
踏み操作可能な操作盤85にて行えるようにする。
【0024】和紙を抄造する場合には、先ず、図2に示
す如く、予め、移動台車6上にすき簀保持台車5を介し
て載置されているすき簀4を、移動台車6の移動調整に
より揺動フレーム14内に位置させ、ロック装置27の
ロックシリンダ30の伸長作動でリンクレバー31を動
かして一方のロックピン28を揺動フレーム14側のピ
ン受部33に係合させることにより、揺動フレーム14
と上記すき簀保持台車5とをロック装置27を介して一
体化し、且つ上枠着脱装置26の操作シリンダ25を伸
長作動させることによりレバー機構24を介して上枠2
3をすき簀4上に装着し、更に、ヘッドボックス37
を、開口35及びノズル36が上向きとなるように位置
させておく。
【0025】かかる状態において、ヘッドタンク39内
にストックされている紙料を、ピンチバルブ42の操作
により払い出し管41を通してヘッドボックス37内に
1回分の量となる所要量払い出す。次に、ヘッドボック
ス37を、回動装置86の操作で回動させることによ
り、図2において二点鎖線で示す如く、ノズル36を上
枠23の端部上に傾倒位置させ、ヘッドボックス37内
の紙料を上枠23で囲まれたすき簀4上の竹簀3の上に
流し込むようにする。
【0026】続いて、竹簀3上に流し込まれた紙料にす
き簀揺動装置22により振動を与えて繊維の方向性をな
くして良好な地合を形成させるようにする。すなわち、
モータ16の駆動でディスク17を回転させると、該デ
ィスク17の偏心軸18に一端が連結され、他端が揺動
フレーム14の後部車輪19の軸に連結されている連接
ロッド20がクランク運動を行うため、上記後部車輪1
9がガイド21に沿わされることにより、揺動フレーム
14は支持架台13上を前後方向に揺動させられること
になる。この際、該揺動フレーム14と上記すき簀保持
台車5とはロック装置27により一体となっていること
から、すき簀保持台車5が移動台車6上を前後方向に揺
動することになり、この揺動運動がすき簀4に伝えられ
る。
【0027】上記の如くして、すき簀4の揺動を所要時
間行うと、次に、図3に示す如く、捨水装置43により
すき簀4上の余剰な原料を捨てるようにする。この場
合、モータ44の駆動でカム機構49を作動させると、
カムジスク47の変位に基づいて、該カムジスク47の
外周上に接触している受ローラ51を介して揺動フレー
ム14から下方に張り出させたアーム50が上昇変位さ
せられるため、揺動フレーム14は後部車輪19を支点
に上方へ傾動させられることになり、これによりすき簀
4上の原料が上枠23の縁から流出させられることにな
る。かかる捨水作業はカム機構49のカムジスク47が
回転軸45を中心に360°転動することにより終了
し、揺動フレーム14及びすき簀4は元の姿勢に戻され
る。
【0028】上記捨水作業によりすき簀4の竹簀3上に
湿紙が構成されると、ロック装置27のロックシリンダ
30を収縮作動させて、ロックピン28をピン受部33
から離させて、ロックピン29を移動台車6側のピン受
部34に係合させるようにし、更に、上枠着脱装置26
の操作シリンダ25を収縮作動させて上枠23をすき簀
4上から上方へ離脱させるようにし、しかる後、図4に
示す如く、移動台車6を前方へ移動させて、すき簀4を
湿紙搬送装置52の湿紙転写部55まで移動させるよう
にする。この際、上記移動台車6の移動は、すき簀移動
装置12によって行われる。すなわち、移動台車6の前
後端間には、レール架台2の前後部に取り付けたスプロ
ケット7,8を介してチェーン10が閉ループ状に掛け
回されて接続してあるため、モータ9の駆動でスプロケ
ット8を回転させると、その回転力がチェーン10に伝
えられて移動台車6は前後方向に押し引きされることに
なる。
【0029】すき簀4が湿紙搬送装置52の湿紙転写部
55に位置させられると、搬送コンベヤ54のコンベヤ
ベルト53の裏側にあるスクイズロール61を用いて湿
紙Pをコンベヤベルト53の表面に転写させるようにす
る。すなわち、上記スクイズロール61は保持ブロック
60を介して左右方向のガイドビーム59に沿って移動
できるようにしてあるため、予め、図5において二点鎖
線で示す左右いずれかを一端部に位置させておいて、す
き簀4が湿紙転写部55に搬入されると、モータ62の
駆動でスプロケット63を回転させることによりチェー
ン65を介して保持ブロック60を左右方向に移動させ
て、スクイズロール61を竹簀3に押し付けるように転
動させることにより湿紙Pをコンベヤベルト53に転写
させるようにする。この際、スクイズロール61は、図
6の(イ)に示す如く、微圧装置71により押付力が調
整されていてコンベヤベルト53を介して湿紙Pに平均
的押付力にてソフトタッチできるようにしてあるため、
湿紙P及び竹簀3を傷めてしまうような虞はない。
【0030】搬送コンベヤ54のコンベヤベルト53の
表面に転写された湿紙Pは、次に、搬送コンベヤ54の
駆動により下流側へ向けて搬送され、湿紙圧搾部56に
て圧搾される。この場合、搬送コンベヤ54の中間部の
ロールと搬送コンベヤ54の上方に配した圧搾コンベヤ
77のロールが対をなす圧搾ロール78,79としてあ
るため、コンベヤベルト53上の湿紙Pが圧搾ロール7
8,79間を通過するときに効率よく圧搾されて脱水さ
れることになる。
【0031】圧搾後の湿紙Pが更に下流へ搬送されて湿
紙剥離部57に到達すると、その時点で搬送コンベヤ5
4の駆動が停止されることになる。この際、湿紙剥離部
57では、コンベヤベルト53の裏側にテーブル80が
配置されているため、湿紙Pはコンベヤベルト53の上
に平らな状態で位置させられる。次に、作業員がこの湿
紙剥離部57のコンベヤベルト53上から湿紙Pを剥離
させ、近傍に設置されている乾燥装置81で湿紙Pを乾
燥させるようにする。この場合、乾燥装置81は、モー
タ84の駆動により多面ドラム82を所要速度で回転さ
せる方式としてあるため、作業員は湿紙Pを多面ドラム
82の空の面に順次張り付けて乾燥させて行くようにす
る。
【0032】以上のように、本発明においては、すき簀
4上への紙料の流し込みから湿紙の乾燥までのほとんど
の工程を、自動的に能率よく行うことができる。
【0033】次に、図8は本発明の他の実施例を示すも
ので、上記実施例と同様な構成において、別のヘッドタ
ンク39′、ヘッドボックス37′、すき簀揺動装置
(図示せず)、捨水装置(図示せず)、すき簀保持台車
5′上のすき簀4′、すき簀移動装置12′、等を、湿
紙搬送装置52を挟んで、前記ヘッドタンク39、ヘッ
ドボックス37、すき簀揺動装置22、捨水装置43、
すき簀保持台車5上のすき簀4、すき簀移動装置12等
からなるラインと前後方向に対称的に付設配置したもの
である。
【0034】図8の実施例の場合には、すき簀4と4′
を湿紙転写部55に交互に搬入させることができるた
め、更に作業の能率化を図ることができると共に、重ね
ずきを行うことができるようになる。すなわち、紙料供
給部から湿紙転写部55までの間に至る各構成部のライ
ンを、湿紙搬送装置52を挟んで対称に配置したことか
ら、一方のすき簀4又は4′を湿紙転写部55へ搬入し
て転写作業を行っている間に、他方のすき簀4′又は4
へ紙料を供給して湿紙の形成作業を行わせることができ
て、上記実施例に比して2倍の効率で和紙を抄造するこ
とができる。又、図9の(イ)に示す如く、湿紙転写部
55において、たとえば、一方のすき簀4上の湿紙Pを
コンベヤベルト53に転写させた後、該湿紙Pを圧搾部
へ搬送することなくその位置に保持させておいて、図9
の(ロ)に示す如く、他方のすき簀4′を搬入させて、
該すき簀4′上の異なる紙料からなる湿紙P′を上記湿
紙Pに重ねて転写させるようにすることができ、これに
より、リバーシブル紙等の二層紙として使用される和紙
の重ねずきを簡単に行うことができる。すなわち、従来
では、重ねずきを手すきで行う場合、床積みを行うとき
に、図10に示す如く、各湿紙P,P′層とP,P′層
との間に間紙87や布を介在させなければならないので
工程数が多かったが、図8の実施例を採用することによ
り、二層紙を少ない工程で連続的に生産することが可能
となる。
【0035】更に、図11は湿紙転写部55で用いるス
クイズロール61の別の例を示すもので、周壁部に多数
の小孔74を穿設した芯金72の外周に、フェルトによ
る被覆層73を設け、且つ上記芯金72内に、ロール表
面がコンベヤベルト53を介して湿紙Pと接する部分に
対応して吸引力が発揮されるようにした真空吸引管75
を挿入配置したものである。なお、上記被覆層73とし
て硬度の低いゴムを用いる場合には、ゴムにも多数の小
孔を穿設するようにする。
【0036】図11に示すスクイズロール61を用いる
と、真空吸引管75による吸引力によって、湿紙Pをコ
ンベヤベルト53の表面にキスタッチで転写させること
ができ、転写性をより確実なものとすることができると
共に、湿紙転写部55にても湿紙P中の余分な水を吸引
することができて予脱水を行うことができる。
【0037】なお、本発明は上記実施例にのみ限定され
るものではなく、捨水装置43としては、油圧シリンダ
等によってすき簀保持台車5を直接押し上げたりする方
式を採用してもよいこと、又、乾燥装置81の設置台数
は任意に選定し得ること、その他本発明の要旨を逸脱し
ない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であ
る。
【0038】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の和紙の抄造装
置によれば、すき簀上への紙料の供給からすき簀の揺
動、捨水、移動、湿紙の転写、圧搾、乾燥等の工程のほ
とんどを自動的に行わせることができるので、1人の作
業員にて和紙を能率よく抄造することができ、又、紙料
の供給から湿紙の転写部への移動までの作業を対向する
ラインに協働して交互に行わせるようにすることによ
り、作業の高能率化を図ることができると共に、二層紙
の製造をも簡単に行うことができる、等の優れた効果を
発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の和紙の抄造装置の一実施例を示すもの
で、(イ)は全体の概略平面図、(ロ)は(イ)のA−
A矢視図である。
【図2】図1のB−B拡大側面図である。
【図3】図2ですき簀を揺動させた後、捨水時の状態を
示す作動説明図である。
【図4】図3で捨水した後にすき簀を湿紙転写部へ移動
させた状態を示す作動説明図である。
【図5】図4のC−C矢視図である。
【図6】スクイズロールを拡大して示すもので、(イ)
は側面図、(ロ)は断面図である。
【図7】乾燥装置の概要図である。
【図8】本発明の他の実施例を示す概略平面図である。
【図9】図8に示す装置により二層紙を製造する際の工
程を示すもので、(イ)は一層目の湿紙を転写している
状態を、又、(ロ)は二層目の湿紙を重ねて転写してい
る状態をそれぞれ示す概略図である。
【図10】従来における重ねずき作業の床積み状態を示
す概略図である。
【図11】スクイズロールの他の例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
4,4′ すき簀 12,12′ すき簀移動装置 22 すき簀揺動装置 23 上枠 37,37′ ヘッドボックス 43 捨水装置 52 湿紙搬送装置 53 ベルト 55 湿紙転写部 56 湿紙圧搾部 57 湿紙剥離部 81 乾燥装置 P 湿紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 伸一 鳥取県鳥取市秋里390番地 鳥取県工業 試験場内 (56)参考文献 特開 平3−174087(JP,A) 実開 昭49−57602(JP,U) 特公 平1−41759(JP,B2) 実公 昭50−9361(JP,Y1) 実公 昭47−37523(JP,Y1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上枠を装着したすき簀上に紙料を供給す
    るヘッドボックスと、すき簀を揺動させるすき簀揺動装
    置と、すき簀を傾動させて捨水する捨水装置と、上枠を
    離脱させた後のすき簀を湿紙転写部位置まで移動させる
    すき簀移動装置と、移動後のすき簀上の湿紙を順次ベル
    トに転写し圧搾して剥離部まで搬送する湿紙搬送装置
    と、該湿紙搬送装置の剥離部でベルトから剥離させた湿
    紙を張り付けて乾燥させる乾燥装置とを備えた構成を有
    することを特徴とする和紙の抄造装置。
  2. 【請求項2】 別のヘッドボックスと、すき簀揺動装置
    と、捨水装置と、すき簀移動装置とを、湿紙搬送装置を
    挟んで対称的に付設した請求項1記載の和紙の抄造装
    置。
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