JP2669026C - - Google Patents

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JP2669026C
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polyester
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は熱接着性(ヒートシール性)に優れ,包装用フィルムや各種工業用フ
ィルムとして有用なポリエステル系樹脂積層フィルムに関する。 (従来の技術) ポリエステル系樹脂フィルム(以下,フィルムはシートをも包含していう)は
,機械的強度,耐熱性,耐寒性,耐薬品性,絶縁性,寸法安定性などに優れ,包
装用フィルム,電気絶縁テープ,写真フィルム,トレーシングフィルムなど各種
用途に利用されている。特に,食品をはじめ各種製品を包装するために熱接着性
を 備えたポリエステル系樹脂フィルムが汎用されるようになった。しかし,ポリエ
チレンテレフタレートに代表されるポリエステル系樹脂は一般に融点が高く,そ
のままでは熱接着させることが難しいため,ポリエステル系樹脂フィルム表面に
融点のやや低い樹脂を用いた熱接着層(シーラント層)をコーティング,共押出
しなどにより形成することが行われている。このような積層フィルムは機械的強
度にも優れる。熱接着の素材には,基材(ベース)フィルムであるポリエステ
ルフィルムとの接着性が良好であることが望ましいため,ポリエステルを用いる
ことが好ましい。しかし,熱接着層としてポリエステルを用いると熱接着後のシ
ール部分がタフな性質を持たない。ここで「タフ(tough)である」とは,強度
が充分であり,耐久性を有し,しかもしなやかでもろくない性質をさしていう。
シール部分がタフでないと,例えば,袋の入口を熱接着して閉じた場合に,この
袋の口を指でつまんで引張って開けようとするとシール部分がきれいに剥離せず
に途中で切れたり,シール部分が充分に剥離しないまま袋の本体が好ましくない
方向に裂けるという欠点がある。 (発明が解決しようとする課題) 本発明は,上記従来の問題を解決するものであり,その目的とするところは,
熱接着性に優れ,接着後のシール部分がタフな性質を有する(つまり高強度を有
し,かつシール部分を剥離するときに応力が特定部分に集中してシール部分が中
途で切れたりせずに適度の力を加えることにより容易に剥離し得る)熱接着性ポ
リエステル系樹脂積層フィルムを提供することにある。 (課題を解決するための手段および作用) ポリエステル系樹脂でなる基材フィルムの少なくとも片面に、ポリエステルを
主成分とする組成物でなる熱接着層が積層されたポリエステル系樹脂積層フィル
ムであって、該熱接着層を構成するポリエステルが、テレフタル酸を全ジカルボ
ン酸成分の80モル%以上の割合で含有するジカルボン酸成分と、ネオペンチルグ
リコールを除くグリコール成分とからなり、ただし、テレフタル酸80モル%、
イソフタル酸10モル%、アジピン酸10モル%とエチレングリコール100モ
ル%とを構成成分とするポリエステルを除く、該熱接着層が共押出し法を含む工
程によって基材フィルム上に1μm〜4μmの厚みに形成され、そして2枚の該ポ リエステル系樹脂積層フィルムの熱接着層同士を熱接着したときのシールエネル
ギーが600g・cm/15mm以上である。 本発明のポリエステル系樹脂積層フィルムの基材フィルム(ベースフィルム)
として用いられるポリエステル系フィルムの基材は,特に限定されない。それに
は,例えば,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリ
エチレンナフタレート,ポリエチレン1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−
ジカルボキシレート,およびこれらの構成成分を主成分とする共重合体がある。
基材フィルムにはこれらポリエステル系樹脂に加えて,各種添加剤が含有されて
いてもよい。添加剤としては,帯電防止剤,滑剤,曇り防止剤,可塑剤,安定剤
,耐ブロッキング剤,着色剤などがある。 本発明の積層フィルムの熱接着層に用いられる樹脂組成物の主成分となる樹脂
は次のような性質を有することが望まれる: (a)基材であるポリエステル系フィルムと親和性を有すること; (b)得られた積層フィルムを熱接着したときに,該熱接着部分がタフな性質を
保持し,熱接着部分の剥離を行う際に特定部分への応力の集中を回避し得るよう
な適度の強伸度,弾性率および可撓性を有すること;そして, (c)積層フィルムを調製することが容易であるように,工業的に汎用の溶剤に
可溶であること,または溶融押出が容易であること。 本発明に用いられる樹脂組成物は,このような条件を満足し得るポリエステル
系組成物である。このような組成物に含有されるポリエステルのうち少なくとも
1種は,脂肪族変性ポリエステルであることが望ましい。ここで「脂肪族変性ポ
リエステル」とは,ポリエステルを構成するジカルボン酸成分およびジオール成
分のうちの少なくとも1種が特定の脂肪族化合物であるポリエステルをさしてい
う。 このような脂肪族変性ポリエステルに含有され得る特定のジカルボン酸成分(
a)としては,アジピン酸,アゼライン酸,セバチン酸,ピメル酸,スベリン酸
,ウンデカン酸,ドデカンジカルボン酸,ブラシリン酸,テトラデカンジカルボ
ン酸,タプシン酸,ノナデカンジカルボン酸,ドコサンジカルボン酸などがあり
,特にアジピン酸,アゼライン酸およびセバチン酸が好適である。これらのカ ルボン酸成分は,熱接着層に含まれるポリエステルのジカルボン酸成分のなかに
通常5モル%以上の割合で,好ましくは10モル%以上の割合で含有される。 上記ジカルボン酸(a)以外に他のカルボン酸成分が含有されていてもよく,
それには例えば,テレフタル酸,イソフタル酸,オルトフタル酸,2,6−ナフ
タレンジカルボン酸,ジフェニルジカルボン酸,5−t−ブチルイソフタル酸,
2,2,6,8−テトラメチルビフェニル−4,4−ジカルボン酸,2,6−ナ
フタレンジカルボン酸,1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン−4,
5−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸がある。 脂肪族変性ポリエステルに含有される特定のグリコール成分(b)としては,
次の化合物が挙げられる:ジエチレングリコール,プロピレングリコール,ブタ
ンジオール,ヘキサンジオール,2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジ
オール,2−メチル−2−n−プロピル−1,3−プロパンジオール,2−メチ
ル−2−イソプロピル−1,3−プロパンジオール,2−メチル−2−n−ブチ
ル−1,3−プロパンジオール,2−メチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロ
パンジオール,2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール,2−エチル−2
−イソプロピル−1,3−プロパンジオール,2−エチル−2−ヘプチル−1,
3−プロパンジオール,2−エチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオ
ール,2,2−ジ−n−プロピル−1,3−プロパンジオール,2−n−プロピ
ル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール,2−n−プロピル−2−n−
ヘプチル−1,3−プロパンジオール,2−n−プロピル−2−n−ヘキシル−
1,3−プロパンジオール,2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオー
ル,2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール,2,2−ジ−n−ヘプチル−
1,3−プロパンジオール,2−n−ヘプチル−2−n−ヘキシル−1,3−プ
ロパンジオール,2,2−ジ−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール。これ
ら特定のグリコール成分(b)は,熱接着層に含まれるポリエステルのグリコー
ル成分のなかに,通常,5モル%以上の割合で,好ましくは10モル%以上の割合
で含有される。上記グリコール成分(b)以外に他のグリコール成分が含有され
ていてもよく,それには例えば,エチレングリコール;1,4−シクロヘキサン
ジメタノールなどの脂環族ジオール;およびキシリレングリコール,ビスフェノ
ール系化合物のエチレンオキサイド付加物などの芳 香族ジオールが挙げられる。 熱接着層に含まれる脂肪族変性ポリエステルは,上記特定のジカルボン酸成分
(a)および特定のグリコール成分(b)の少なくとも1種を用いて得られる。
良好な性質(特に,ヒートシールされた袋などを途中で切れることなく良好に開
封させることの可能な性質)を有する熱接着性フィルムを得るためには,上記脂
肪族単量体(特定のジカルボン酸成分および/または特定のグリコール成分)を
5モル%,好ましくは10モル%以上の割合で含有する脂肪族変性ポリエステルが
,熱接着層を形成する組成物中に10重量%以上,好ましくは20重量%以上の割合
で含有されていることが望ましい。しかし脂肪族変性ポリエステル中の脂肪族単
量体の割合が5モル%を下まわる場合にも,該脂肪族変性ポリエステルが組成物
中に多量に含有されていれば,例えば,脂肪族単量体を2.5モル%の割合で含有
する脂肪族変性ポリエステルが20重量%以上の割合で組成物中に含有されていれ
ば,同等の効果が得られる。 熱接着層に含まれる上記脂肪族変性ポリエステルおよびその他のポリエステル
(必要に応じて含有される)は,それぞれポリエステルの製法として一般に採用
されている方法により調製され得る。例えば,ジカルボン酸成分とグリコール成
分とを直接反応させて重縮合を行なう直接エステル化法;あるいは,上記ジカル
ボン酸成分のジメチルエステルとグリコール成分とを反応させてエステル交換を
行なうエステル交換法などにより調製される。調製は,回分式および連続式のい
ずれの方法で行われてもよい。 このようにして調製された組成物中のポリエステルは,極限粘度〔25℃にてテ
トラクロロエタン−フェノール混合液(2:3v/v)中における極限粘度(I.V.)〕
がそれぞれ0.5以上であることが望ましい。極限粘度が0.5を下まわると,得られ
た積層フィルムを熱接着した場合にシール部分のタフな性質がやや劣る。その結
果,該組成物でなる熱接着層を有するフィルムで袋を調製し,開口部を熱接着さ
せると,シール部分の外観が悪かったり,あるいはこれを開封するときのシール
部分がきれいに剥離せずに途中で切れたり,シール部分が充分に剥離しないまま
袋の本体が好ましくない方向に裂けることがある。 組成物に2種以上のポリエステルが含有される場合には,これらの混合方法は 特に限定されないが,例えば次の方法が挙げられる:該2種以上のポリエステ
ルをそれぞれ適当な溶剤に溶解し,これらを混合する,もしくは該2種以上のポ
リエステルのチップ(ペレット)を混合し,これを適当な溶剤に溶解させる;
該2種以上のポリエステルを押出機で溶融・混合し,ストランド状またはシート
状に押出したものを切断してチップ状に成形する;組成物に含有されるポリエ
ステルの1種を合成したときにその溶融物を含む重合容器に,他方のポリエステ
ルを(例えばチップ状で)加えて混合し,ストランド状またはシート状に押出し
たものを切断してチップ状に成形する。このような1種もしくは2種以上のポリ
エステルに,さらに必要に応じて各種添加剤が添加される。添加剤としては,滑
剤,帯電防止剤,防曇剤,ガスバリアー剤,安定剤,着色剤,可塑剤,ブロッ
キング剤,導電性付与剤などがある。 本発明の積層フィルムは,上記基材フィルムの少なくとも片面に上記組成物で
なる熱接着層が積層されて形成される。例えば,(1)未延伸,一軸延伸もしく
は二軸延伸の上記基材フィルムを準備し,その表面に上記組成物を含む溶液もし
くは分散液を塗工・乾燥し,必要に応じて一軸もしくは二軸延伸することにより
積層フィルムが得られる。このときに使用する溶液もしくは分散液に含まれる固
形分は5〜20%が適当であり,使用される溶媒としては,例えば,クロロホルム
,二塩化エチレン,メチルエチルケトン,トルエン,酢酸エステル類,もしくは
これらの混合物が挙げられる。さらに,別法として,次の方法が挙げられる:(
2)ポリエチレンテレフタレート(PET)など,基材フィルムを構成すべき樹脂と
,上記樹脂組成物とを,それぞれ別の押出バレルに仕込み,ひとつの口金から共
押出しにより積層フィルムを調製する。これを必要に応じて一軸もしくは二軸延
伸する;(3)未延伸,一軸もしくは二軸延伸した基材フィルム上に上記樹脂組
成物を溶融押出しラミネートし,さらに必要に応じて一軸もしくは二軸延伸を行
なう。上記積層フィルムの調製において,使用される基材フィルム(未延伸,一
軸もしくは二軸延伸)の厚みは,通常10〜200μmであり,特に包装用のフィルム
として利用される場合には,5〜30μmが好適である。得られる積層フィルムの
樹脂組成物の厚みは,該フィルムの用途により異なるが,通常1〜50μm,好ま
しくは2〜15μmである。 このようにして得られる本発明のポリエステル系樹脂積層フィルムは,該2枚
のポリエステル系樹脂積層フィルムの熱接着層同士を熱接着したときのシールエ
ネルギーが600g・cm/15mm以上である。ここでいうシールエネルギーは次のよ
うにして測定した値である。 シールエネルギーの測定:本積層フィルム2枚の熱接着層同士が接触するよう
に重ね,幅方向に20mm,そして長手方向に10mmの長さにわたりヒートシールを行
なう。ヒートシールの温度は,該熱接着層をヒートシール可能な最低温度(軟化
点)よりも20℃高い温度である。このフィルムを,幅方向が15mmの短冊状に切断
して試験片を得,これを20℃,65%RHの雰囲気下に24時間放置する。この試験片
の一方のフィルムの一端を固定し,他方のフィルムのそれに対向する端部を,テ
ンシロンを用いて200mm/分の速度でフィルムの長さ方向に引張る。これにより
,ヒートシール部分の全体が剥離するか,あるいはヒートシール部分の一部が剥
離し,かつフィルムの破断が起こる。シール部分の全体が剥離するか,あるいは
フィルム破断までに剥離した面積をシールエネルギー(g・cm/15mm)とする。 シールエネルギーが600g・cm/15mm以上である本発明のフィルムは,熱接着
層を剥離する場合の剥離伸び(剥離時に伸びた長さ)と剥離力との関係が第1図
に示すような台形に近い曲線となる。そして,最大剥離力(第1図の曲線のaで
示される点の剥離力)および最小剥離力(第1図の曲線のbで示される点の剥離
力)との差が小さく,かつ平均剥離力と最大剥離力との差,および平均剥離力と
の差も小さい。このようなフィルムの熱接着後の該接着層を剥離する場合には,
もとのシール部分の長さと剥離伸びとを比較すると剥離伸びがもとのシール部分
の長さと同等であるかそれ以上となる。 本発明の積層フィルムは,熱接着による包装などの用途に使用される。例えば
2枚の本発明フィルムの熱接着層と基材フィルム層とが密着するように,あるい
は熱接着層同士が密着するように,積層し,上下から加熱ダイにより圧縮するこ
とにより熱接着が行なわれる。フィルムの熱接着層は,比較的低融点であり,容
易に熱接着が行なわれる。本発明のフィルムは,シールエネルギーが600g・cm/
15mm以上であるという性質を有するため熱接着部分はタフな性質を有する。その
ため,この接着部分を再び剥離するときには,適度の力を加えることにより剥離 が可能であり,応力が特定部分に集中してシール部分がきれいに剥離せずに途中
で切れたり,シール部分が充分に剥離しないままフィルムが望まない方向に裂け
て破損することがない。基材フィルムが一軸もしくは二軸延伸されている積層フ
ィルムは,特に,熱による収縮を利用した収縮包装などの用途に好適に用いられ
る。本発明の積層フィルムは,熱接着性フィルムとしての用途以外に,例えば,
金属などを蒸着させてガスバリヤーフィルムとして利用すること;印刷,印字,
染色用などのフィルムとして利用することも可能である。 (実施例) 以下に本発明を実施例について述べる。 実施例1 (A) 積層フィルムの調製: 熱接着層を形成する組成物として,下表に示すポリエステルA,またはポリエ
ステルAおよびポリエステルBの組みあわせを用いた。(下表においてポリエス
テルの組成はモル%を,そして,ポリエステルAとポリエステルBとのブレンド
率は重量比を示す。)2機の押出しバレルを1個のT型ダイに接続し,そのうち
の1機には上記ポリエステルA,またはポリエステルAおよびポリエステルBを
仕込み,他方のバレルにはポリエチレンテレフタレート(PET;I.V.=0.62)を仕
込んだ。それぞれのバレルを280℃として樹脂を溶融し,T型ダイから積層シー
トを押出した。この積層シートを,回転する冷却ロール(20℃)に巻きつけて冷
却し固化させた。このシートの厚みは約160μmであり,PET層(基材シート層)
の厚みは110μm,そして熱接着層(ポリエステルAおよびポリエステルBを含有
する層)の厚みは50μmであった。このシートを85℃に加熱して回転速度の相異
なる2組のニップロールの間でシート進行方向に3.4倍に延伸した。得られた一
軸延伸フィルムをテンター方式横延伸機へ送り込み,95℃に加熱しながら上記と
直交する方向に3.6倍延伸した。次いで,このフィルムをやや弛緩させつつ210℃
の熱風で処理し,巻きとった。その結果、最終的に得られた積層フィルムの厚み
は約13μmであり、そのうちPET層の厚みは約9μmであり、そして熱接着層
の厚みは、約4μmであった。 (B) ヒートシール性評価 (1)ヒートシールエネルギーの測定:(A)項で得られた積層フィルム2枚の
熱接着層同士が接触するように重ね,幅方向に20mm,そして長手方向に10mmの長
さにわたりヒートシールを行なった。ヒートシールの温度は,該熱接着層をヒー
トシール可能な最低温度(軟化点)よりも20℃高い温度(該温度を下表に示す)
である。このフィルムを,幅方向が15mmの短冊状に切断して試験片を得,これを
20℃,65%RHの雰囲気下に24時間放置した。この試験片の一方のフィルムの一端
を固定し,他方のフィルムのそれに対向する端部を,テンシロンを用いて200mm
/分の速度でフィルムの長さ方向に引張った。これにより,ヒートシール部分の
一部が剥離し,かつフィルムの破断が起こった。フィルム破断までに剥離した面
積をシールエネルギー(g・cm/15mm)とした。 (2)ヒートシール強度:上記ヒートシールエネルギーの測定において,テン
シロンにかかった力の平均値を平均ヒートシール強度(g/15mm)とした。さら
に,テンシロンにかかった力の最高値を最高ヒートシール強度とした。 (3)開封性:1)項で得られた試験片の2枚のフィルムの各遊端部を指先でつ
まんで引張り,ヒートシールを引きはがした。このときにフィルムが裂ける程度
を観察した。フィルムの裂ける程度が10%以下の場合を◎で,10〜20%の場合を
○で,20〜40%の場合を△で,そして40%以上の場合を×で下表に示す。 上記(1)、(2)および(3)項の試験結果を下表に示す。実施例2及び3
,および比較例1〜5の結果もあわせて下表に示す。実施例2及び3 熱接着層を形成する組成物のポリエステルの成分を下表に示すように変更した
こと以外は実施例1と同様である。 比較例1〜2 特定の脂肪族単量体(EGは特定の脂肪族単量体には包含されない)を5モル%
未満の割合で含有する下表に示すポリエステルを熱接着層に用いたこと以外は,
実施例1と同様である。 比較例3〜4 下表に示すように,ジカルボン酸成分がすべて芳香族化合物であるポリエステ
ルを熱接着層に用いたこと以外は実施例1と同様である。 比較例5 下表に示すように,脂肪族変性ポリエステルが10重量%未満の組成物を熱接着
層に用いたこと以外は実施例1と同様である。 表から,本発明の積層フィルムはヒートシールを行なった際のシールエネルギ
ーが600g・cm/15mmと高く,シール部分を所定の力できれいに剥離させること
ができる(開封性が良好である)。これに対して,比較例1〜5に示されるシー
ルエネルギーが上記の値を下まわるフィルムは,いずれも開封性が悪い。 (発明の効果) 本発明によれば,このように,優れた熱接着性を有するポリエステル系樹脂積
層フィルムが得られる。本発明のフィルムの熱接着層同士を熱接着させたときの
シールエネルギーは600g・cm/15mm以上である。このような熱接着後のフィル
ムは,シール部の外観が良好であり,かつシール部を剥がす場合に所定の力で,
シール部以外を破損することなくきれいに剥離させることが可能である。このよ
うなフィルムは包装用フィルム,あるいは各種工業用フィルムとして,好適に使
用され得る。
【図面の簡単な説明】 第1図は,本発明のフィルムの熱接着層同士をヒートシールした場合に,この
シール部分を剥がす際にかかる剥離力とフィルムの剥離長との関係を示すグラフ
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ポリエステル系樹脂でなる基材フィルムの少なくとも片面に、ポリエステル
    を主成分とする組成物でなる熱接着層が積層されたポリエステル系樹脂積層フィ
    ルムであって、 該熱接着層を構成するポリエステルが、テレフタル酸を全ジカルボン酸成分の
    80モル%以上の割合で含有するジカルボン酸成分と、ネオペンチルグリコール
    を除くグリコール成分とからなり、ただし、テレフタル酸80モル%、イソフタ
    ル酸10モル%、アジピン酸10モル%とエチレングリコール100モル%とを
    構成成分とするポリエステルを除く、 該熱接着層が共押出し法を含む工程によって基材フィルム上に1μm〜4μmの
    厚みに形成され、そして 2枚の該ポリエステル系樹脂積層フィルムの熱接着層同士を熱接着したときの
    シールエネルギーが600g・cm/15mm以上である、 ポリエステル系樹脂積層フィルム。 2.前記熱接着層が脂肪族変性ポリエステルを含有する特許請求の範囲第1項に
    記載のポリエステル系樹脂積層フィルム。

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