JP2785348B2 - ポリエステル系樹脂積層フィルム - Google Patents

ポリエステル系樹脂積層フィルム

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は熱接着性(ヒートシール性)に優れ,包装用
フィルムや各種工業用フィルムとして有用なポリエステ
ル系樹脂積層フィルムに関する。
(従来の技術) ポリエステル系樹脂フィルム(以下,フィルムはシー
トとも包含していう)は,機械的強度,耐熱性,耐寒
性,耐薬品性,絶縁性,寸法安定性などに優れ,包装用
フィルム,電気絶縁テープ,写真フィルム,トレーシン
グフィルムなど各種用途に利用されている。特に,食品
をはじめ各種製品を包装するために熱接着性を備えたポ
リエステル系樹脂フィルムが汎用されるようになった。
しかし,ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリ
エステル系樹脂は一般に融点が高く,そのままでは熱接
着させることが難しいため,ポリエステル系樹脂フィル
ム表面に融点のやや低い樹脂を用いた熱接着層(シーラ
ント層)をコーティング,共押出しなどにより形成する
ことが行われている。このような積層フィルムは機械的
強度にも優れる。熱接着層は基材には,基材(ベース)
フィルムであるポリエステルフィルムとの接着性が良好
であることが望ましいため,ポリエステルを用いること
が好ましい。しかし,熱接着層としてポリエステルを用
いると熱接着後のシール部分がタフな性質を持たない。
ここで「タフ(tough)である」とは,強度が充分であ
り,耐久性を有し,しかもしなやかでもろくない性質を
さしていう。シール部分がタフでないと,例えば,袋の
入口を熱接着して閉じた場合に,この袋の口を指でつま
んで引張って開けようとするとシール部分がきれいに剥
離せずに途中で切れたり,シール部分が充分に剥離しな
いまま袋の本体が好ましくない方向に裂けるという欠点
がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,上記従来の問題を解決するものであり,そ
の目的とするところは,熱接着性に優れ,接着後のシー
ル部分がタフな性質を有する(つまり高強度を有し,か
つシール部分を剥離するときに応力が特定部分に集中し
てシール部分が中途で切れたりせずに適度の力を加える
ことにより容易に剥離し得る)熱接着性ポリエステル系
樹脂積層フィルムを提供することにある。
(課題を解決するための手段および作用) 本発明のポリエステル系樹脂積層フィルムは,ポリエ
ステル系樹脂でなる基材フィルムの少なくとも片面に,
ポリエステルA,ポリエステルBおよびポリエステルCを
主成分とする組成物でなる熱接着層が積層されたポリエ
ステル系樹脂積層フィルムであって,該ポリエステルA
が,次式(I)で示されるカルボン酸成分を含み,該ポ
リエステルBが,次式(II)で示されるグリコール成分
を含み,そして該ポリエステルCが次式(I)で示され
るカルボン酸成分を該ポリエステルAよりも少ない割合
で含み,該ポリエステルAおよびポリエステルBが10:9
0〜90:10の重量比で組成物中に含有され,そして該ポリ
エステルAおよびBの合計量と該ポリエステルCとが,9
8:2〜60:40の重量比で該組成物中に含有される: HOOC−(CH2−COOH (I) ここでnは4〜20の整数であり, R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキ
ル基である。
本発明のポリエステル系樹脂積層フィルムの基材フィ
ルム(ベースフィルム)として用いられるポリエステル
系フィルムの基材は,特に限定されない。それには,例
えば,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレ
フタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリエチレン
1,2−ジフェノキシエタン−4,4′−ジカルボキシレー
ト,およびこれらの構成成分を主成分とする共重合体が
ある。基材フィルムにはこれらポリエステル系樹脂に加
えて,各種添加剤が含有されていてもよい。添加剤とし
ては,帯電防止剤,滑剤,曇り防止剤,可塑剤,安定
剤,耐ブロッキング剤,着色剤などがある。
本発明の積層フィルムの熱接着層に用いられる樹脂組
成物の主成分となる樹脂は次のような性質を有すること
が望まれる: (a)基材であるポリエステル系フィルムと親和性を有
すること; (b)得られた積層フィルムを熱接着したときに,該熱
接着部分がタフな性質を保持し,熱接着部分の剥離を行
う際に特定部分への応力の集中を回避し得るような適度
の強伸度,弾性率および可撓性を有すること;そして, (c)積層フィルムを調製することが容易であるよう
に,工業的に汎用の溶剤に可溶であること,または溶融
押出が容易であること。
本発明に用いられる樹脂組成物は,このような条件を
満足し,該組成物は,下記(I)式で示されるカルボン
酸成分を有するポリエステルA,下記(II)式で示される
グリコール成分を有するポリエステルB,および下記
(I)で示されるカルボン酸成分を該ポリエステルAよ
りも少ない割合で有するポリエステルCを主成分とす
る: HOOC−(CH2−COOH (I) ここでnは4〜20の整数であり, R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキ
ル基である。
ポリエステルAに含有される(I)式で示されるジカ
ルボン酸成分としては,アジピン酸,アゼライン酸,セ
バチン酸,ピメル酸,スベリン酸,ウンデカン酸,ドデ
カンジカルボン酸,ブラシリン酸,テトラデカンジカル
ボン酸,タプシン酸,ノナデカンジカルボン酸,ドコサ
ンジカルボン酸などがあり,特にアジピン酸,アゼライ
ン酸およびセバチン酸が好適である。これら(I)式で
示されるカルボン酸成分は,ジカルボン酸成分のなかに
通常5モル%以上の割合で,好ましくは10モル%以上,
より好ましくは30%以上の割合で含有される。
上記(I)式で示される化合物以外に他のカルボン酸
成分が含有されていてもよく,それには例えば,テレフ
タル酸,イソフタル酸,フタル酸,2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸などの芳香族ジカルボン酸があり,これら芳香
族ジカルボン酸のうちの少なくとも1種が含有されてい
ることが好ましい。特に好適なのはテレフタル酸であ
る。
ポリエステルAに含有されるグリコール成分は,特に
限定されないが,通常,エチレングリコールが用いられ
る。エチレングリコール以外のグリコール成分として
は,ジエチレングリコール,プロピレングリコール,ブ
タンジオール,ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオー
ル;1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオ
ール,およびキシリレングリコール,ビスフェノール系
化合物のエチレンオキサイド付加物などの芳香族ジオー
ルが挙げられ,これらが少量成分として含有されていて
もよい。
ポリエステルBに含有されるジカルボン酸成分は特に
限定されないが,通常,テレフタル酸が用いられる。テ
レフタル酸以外のジカルボン酸成分としては,例えばア
ジピン酸,セバチン酸,アゼライン酸などの脂肪族2塩
基酸;およびイソフタル酸,ジフェニルジカルボン酸,5
−第3級ブチルイソフタル酸,2,2,6,6−テトラメチルビ
フェニル−4,4−ジカルボン酸,2,6−ナフタレンジカル
ボン酸,1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン−4,
5−ジカルボン酸などの芳香族2塩基酸が挙げられ,こ
れらが少量成分として含有されていてもよい。
ポリエステルBに含有される(II)式で示されるグリ
コール成分としては,次の化合物が挙げられる:ネオペ
ンチルグリコール,2−メチル−2−エチル−1,3−プロ
パンジオール,2−メチル−2−n−プロピル−1,3−プ
ロパンジオール,2−メチル−2−イソプロピル−1,3−
プロパンジオール,2−メチル−2−n−ブチル−1,3−
プロパンジオール,2−メチル−2−n−ヘキシル−1,3
−プロパンジオール,2,2−ジエチル−1,3−プロパンジ
オール,2−エチル−2−イソプロピル−1,3−プロパン
ジオール,2−エチル−2−ヘプチル−1,3−プロパンジ
オール,2−エチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパン
ジオール,2,2−ジ−n−プロピル−1,3−プロパンジオ
ール,2−n−プロピル−2−n−ブチル−1,3−プロパ
ンジオール,2−n−プロピル−2−n−ヘプチル−1,3
−プロパンジオール,2−n−プロピル−2−n−ヘキシ
ル−1,3−プロパンジオール,2,2−ジ−n−ブチル−1,3
−プロパンジオール,2−n−ブチル−1,3−プロパンジ
オール,2,2−ジ−n−ヘプチル−1,3−プロパンジオー
ル,2−n−ヘプチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパ
ンジオール,2,2−ジ−n−ヘキシル−1,3−プロパンジ
オール。これら(II)式で示される。グリコール成分
は,ジカルボン酸成分のなかに,通常,5モル%以上の割
合で,好ましくは10モル%以上の割合で含有される。上
記(II)式で示される化合物以外に他のグリコール成分
としては,通常,エチレングリコールが含有される。少
量成分として他のグリコール成分が含有されていてもよ
く,それには例えば,ジエチレングリコール,プロピレ
ングリコール,ブタンジオール,ヘキサンジオールなど
の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノールな
どの脂環族ジオール;およびキシリレングリコール,ビ
スフェノール系化合物のエチレンオキサイド付加物など
の芳香族ジオールが挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂組成物を構成するポリエス
テルCに含まれる上記式(I)のジカルボン酸成分とし
ては,上記ポリエステルAで例示したものと同様のジカ
ルボン酸が用いられ得る。該カルボン酸成分の含有量
は,ポリエステルAにおける該カルボン酸含有量の10モ
ル%〜20モル%少ない量が好ましい。式(I)で示され
るジカルボン酸以外の他のジカルボン酸成分もまた,ポ
リエステルAで例示された化合物と同様である。グリコ
ール成分としては,エチレングリコールが好ましく,少
量であればジエチレングリコール,プロピレングリコー
ル,ブタンジオール,ヘキサンジオールなどの脂肪族系
ジオールなどが含有されていても良い。
ポリエステルA,BおよびCは,それぞれポリエステル
の製法として一般に採用されている方法により調製され
得る。例えば,ジカルボン酸成分とグリコール成分とを
直接反応させて重縮合を行なう直接エステル化法;ある
いは,上記ジカルボン酸成分のジメチルエステルとグリ
コール成分とを反応させてエステル交換を行なうエステ
ル交換法などにより調製される。調製は,回分式および
連続式のいずれの方法で行われてもよい。
このようにして調製されたポリエステルA,BおよびC
は,極限粘度〔25℃にてテトラクロロエタン−フェノー
ル混合液(2:3v/v)中における極限粘度(I.V.)〕がそ
れぞれ0.5以上であることが望ましい。極限粘度が0.5を
下まわると,得られた積層フィルムを熱接着した場合に
シール部分のタフな性質および耐久性がやや劣る。
上記ポリエステルAおよびポリエステルBは,本発明
の積層フィルムの熱接着層を形成する組成物中に10:90
〜90:10,好ましくは50:50〜90:10の重量比で含有され
る。さらに,上記ポリエステルAおよびポリエステルB
の総重量と該ポリエステルCとの重量比が98:2〜65:35,
好ましくは95:5〜80:20となるような割合で,ポリエス
テルCが組成物中に含有される。ポリエステルAが過少
であると,得られた積層フィルムを熱接着した場合にシ
ール部分にタフな性質が付与されない。ポリエステルB
が過少であると,粘着性が大きくなり,積層フィルムを
押出しなどの方法により調製するのが困難となり,得ら
れた積層フィルムを巻き取るとブロッキングが起こりや
すくなる。ポリエステルCは,シール部分のタフな性質
を向上させるとともに,成形時に樹脂の溶融粘度を上昇
させ,製膜を容易にする効果がある。ポリエステルCが
過少であると,シール部分のタフは性質を向上させる効
果がなく,過剰であると,逆にシール部分のタフな性質
を低下させる。このような組成物でなる熱接着層を基材
フィルム上に形成するために,ポリエステルA,B,Cおよ
び必要に応じて他のポリエステルが混合される。混合方
法は特に限定されないが,例えば次の方法が挙げられ
る:ポリエステルA,BおよびCをそれぞれ適当な溶剤
に溶解し,これらを混合する,もしくはポリエステルA,
BおよびCのチップ(ペレット)を混合し,これを適当
な溶剤に溶解させる;ポリエステルA,BおよびCを押
出機で溶融・混合し,ストランド状またはシート状に押
出したものを切断してチップ状に成形する;ポリエス
テルA,BもしくはCを合成したときにその溶融物を含む
重合容器に,他のポリエステルを(例えばチップ状で)
加えて混合し,ストランド状またはシート状に押出した
ものを切断してチップ状に成形する。このようなポリエ
ステルA,BおよびCを主成分とするポリエステルの混合
物には,さらに必要に応じて各種添加剤が添加される。
添加剤としては,滑剤,帯電防止剤,防曇剤,ガスバリ
アー剤,安定剤,着色剤,可塑剤,ブロッキング剤,導
電性付与剤などがある。
本発明の積層フィルムは,上記基材フィルムの少なく
とも片面に上記組成物でなる熱接着層が積層されて形成
される。例えば,(1)未延伸,一軸延伸もしくは二軸
延伸の上記基材フィルムを準備し,その表面に上記組成
物を含む溶液もしくは分散液を塗工・乾燥し,必要に応
じて一軸もしくは二軸延伸することにより積層フィルム
が得られる。このときに使用する溶液もしくは分散液に
含まれる固形分は5〜20%が適当であり,使用される溶
媒としては,例えば,クロロホルム,二塩化エチレン,
メチルエチルケトン,トルエン,酢酸エステル類,もし
くはこれらの混合物が挙げられる。さらに,別法とし
て,次の方法が挙げられる:(2)ポリエチレンテレフ
タレート(PET)など,基材フィルムを構成すべき樹脂
と,上記樹脂組成物とを,それぞれ別の押出バレルに仕
込み,ひとつの口金から共押出しにより積層フィルムを
調製する。これを必要に応じて一軸もしくは二軸延伸す
る;(3)未延伸,一軸もしくは二軸延伸した基材フィ
ルム上に上記樹脂組成物を溶融押出しラミネートし,さ
らに必要に応じて一軸もしくは二軸延伸を行なう。上記
積層フィルムの調製において,使用される基材フィルム
(未延伸,一軸もしくは二軸延伸)の厚みは,通常10〜
200μmであり,特に包装用のフィルムとして利用され
る場合には,5〜30μmが好適である。得られる積層フィ
ルムの樹脂組成物の厚みは,該フィルムの用途により異
なるが,通常1〜50μm,好ましくは2〜15μmである。
本発明の積層フィルムは,熱接着により包装などの用
途に使用される。例えば2枚の本発明フィルムの熱接着
層と基材フィルム層とが密着するように,あるいは熱接
着層同士が密着するように,積層し,上下から加熱ダイ
により圧縮することにより熱接着が行なわれる。フィル
ムの熱接着層は,上記のように特定の組成物で構成され
るため,比較的低融点であり,容易に熱接着が行なわれ
る。さらに,熱接着層と基材フィルムとの接着性も良好
であり,接着部分はタフな性質を有する。そのため,こ
の接着部分を再び剥離するときには,適度の力を加える
ことにより剥離が可能であり,応力が特定部分に集中し
てシール部分がきれいに剥離せずに途中で切れたり,シ
ール部分が充分に剥離しないままフィルムが望まない方
向に裂けて破損することがない。基材フィルムが一軸も
しくは二軸延伸されている積層フィルムは,特に,熱に
よる収縮を利用した収縮包装などの用途に好適に用いら
れる。本発明の積層フィルムは基材フィルムおよび積層
されるべき樹脂組成物層のいずれもが本質的にポリエス
テルでなるため,該積層フィルムの製造工程で発生する
屑,不良品もしくは使用済のフィルムを回収して,再び
原料(特に基材フィルムの)として利用することが可能
である。これに対して,ポリエステルベースフィルムに
ポリエチレンを積層したような積層フィルムでは,この
ような再生利用ができない。本発明の積層フィルムは,
熱接着性フィルムとしての用途以外に,例えば,金属な
どを蒸着させてガスバリヤーフィルムとして利用するこ
と;印刷,印字,染色用などのフィルムとして利用する
ことも可能であり,さらに他のフィルムとラミネートし
て利用することもできる。
(実施例) 以下に本発明を実施例について述べる。
実施例1 (A) 積層フィルムの調製:ポリエステルA,Bおよび
Cとしてそれぞれ下表に示す組成のポリエステルのチッ
プを準備した。(下表においてポリエステルの組成はモ
ル%を,そして,ポリエステルA,BおよびCのブレンド
率は重量比を示す。I.V.は極限粘度を示す。TPAはテレ
フタル酸,SAはセバチン酸,Azはアゼライン酸,AAはアジ
ピン酸,EGはエチレングリコール,NPGはネオペンチルグ
リコール,DEPは,2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオー
ル,そしてIPAはイソフタル酸を示す)。2機の押出し
バレルを1個のT型ダイに接続し,そのうちの1機には
上記ポリエステルA,BおよびCを下表に示す割合で仕込
み,他方のバレルにはポリエチレンテレフタレート(PE
T;I.V.=0.62)を仕込んだ。両バレルを280℃として樹
脂を溶融し,T型ダイから積層シートを押出した。この積
層シートを,回転する冷却ロール(20℃)に巻きつけて
冷却し固化させた。このシートの厚みは約200μmであ
り,PET層(基材シート層)の厚みは150μm,そして熱接
着層(ポリエステルA,BおよびCを含有する層)の厚み
は50μmであった。このシートを85℃に加熱して回転速
度の相異なる2組のニップロールの間でシート進行方向
に3.4倍に延伸した。得られた一軸延伸フィルムをステ
ンター方式横延伸機へ送り込み,95℃に加熱しながら上
記と直交する方向に3.6倍延伸した。次いで,このフィ
ルムをやや弛緩させつつ220℃の熱風で処理し,巻きと
った。
(B) ヒートシール性評価 (1)ヒートシールエネルギーの測定:(A)項で得ら
れた積層フィルム2枚の熱接着層同士が接触するように
重ね,幅方向に20mm,そして長手方向に10mmの長さにわ
たり100℃の温度でヒートシールを行なった。このフィ
ルムを,幅方向が15mmの短冊状に切断して試験片を得,
これを20℃,65%RHの雰囲気下に24時間放置した。この
試験片の一方のフィルムの一端を固定し,他方のフィル
ムのそれに対向する端部を,テンシロン(東洋ボルドウ
ィン社製)を用いて200mm/分の速度でフィルムの長さ方
向に引張った。これにより,ヒートシール部分の一部が
剥離し,かつフィルムの破断が起こった。この時,フィ
ルムの剥離長に対してテンシロンにかかる力をグラフ化
し,その曲線下面積を求め,これをシールエネルギー
(g・cm/15mm)とした。
(2)ヒートシール強度:上記ヒートシールエネルギー
の測定において,フィルム破断までにテンシロンにかか
った力の平均値を算出し,これをヒートシール強度(g/
15mm)とした。
上記(1)および(2)の試験結果を下表に示す。実
施例2〜7,および比較例1〜7の結果もあわせて下表に
示す。
実施例2〜7 ポリエステルAの組成,ポリエステルBの組成,ポリ
エステルCの組成および/またはブレンド率を下表に示
すように変更したこと以外は実施例1と同様である。
比較例1〜6 ポリエステルA,BおよびCのうちのいずれか1種もし
くは2種のみからなる熱接着層とPET層とでなる積層フ
ィルムを実施例1に準じて調製し,その評価を行なっ
た。
比較例7 ポリエステルA,BおよびCのブレンド率を下表に示す
ように変更したこと以外は実施例1と同様である。
表から,本発明の積層フィルムはヒートシールを行な
った際に高シールエネルギーを保持し,シール強度が高
いことがわかる。これに対して,熱接着層がポリエステ
ルA,BおよびCのうちのいずれか1種もしくは2種のみ
で構成される比較例1から6の積層フィルムのシールエ
ネルギーおよびシール強度は低い。比較例7のように,
ポリエステルCのブレンド率が,特許請求の範囲から外
れる場合も,シールエネルギーおよびシール強度が低
い。
(発明の効果) 本発明によれば,このように,熱接着性に優れたポリ
エステル系樹脂積層フィルムが得られる。このフィルム
は特定の成分を含有するポリエステルA,BおよびCを主
成分とする熱接着層を有するため,熱接着が容易で,か
つ熱接着部分はタフな性質を有する。このような積層フ
ィルムは,包装用フィルム,ガスバリヤーフィルムなど
各種用途に好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−304940(JP,A) 特開 昭57−89955(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 27/36 B65D 65/00 - 65/46 C08L 67/00 - 69/00 C09J 167/00 - 169/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル系樹脂でなる基材フィルムの
    少なくとも片面に,ポリエステルA,ポリエステルBおよ
    びポリエステルCを主成分とする組成物でなる熱接着層
    が積層されたポリエステル系樹脂積層フィルムであっ
    て, 該ポリエステルAが,次式(I)で示されるカルボン酸
    成分を含み,該ポリエステルBが,次式(II)で示され
    るグリコール成分を含み,そして該ポリエステルCが次
    式(I)で示されるカルボン酸成分を該ポリエステルA
    よりも少ない割合で含み, 該ポリエステルAおよびポリエステルBが10:90〜90:10
    の重量比で組成物中に含有され,そして該ポリエステル
    AおよびBの合計量と該ポリエステルCとが,98:2〜60:
    40の重量比で該組成物中に含有される, ポリエステル系樹脂積層フィルム: HOOC−(CH2−COOH (I) ここでnは4〜20の整数であり, R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル
    基である。
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