JP2666430B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気テープ,磁気ディスク等の磁気記録媒体
に関し、特に磁性層にフッ化長鎖カルボン酸アンモニウ
ム塩もしくはフッ化長鎖カルボン酸アミン塩を潤滑剤と
して保持する磁気記録媒体に関する。
〔発明の概要〕
本発明は、非磁性支持体の一方の面に磁性層を有して
なる磁気記録媒体において、上記磁性層にフッ化長鎖カ
ルボン酸アンモニウム塩もしくはフッ化長鎖カルボン酸
アミン塩を潤滑剤として内添あるいはコーティングする
ことにより、磁気記録媒体の走行性や耐久性の改善を図
るものである。
〔従来の技術〕
従来より磁気記録の分野においては、ポリエステルフ
ィルムやポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
等の非磁性支持体の上にγ−Fe2O3,Coを含有するγ−Fe
2O3,Fe3O4,Coを含有するFe3O4,γ−Fe2O3とFe3O4とのベ
ルトライド化合物,CrO2等を酸化物磁性粉末あるいはFe,
Co,Ni等を主成分とする合金磁性粉末等の粉末磁性材料
を塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体,ポリエステル樹
脂,ポリウレタン樹脂等の有機バインダー中に分散せし
めた磁性塗料を塗布・乾燥することにより作成されるい
わゆる塗布型の磁気記録媒体が広く使用されている。
これに対して、高密度磁気記録への要求の高まりとと
もに、金属あるいはCo−Ni合金等の合金からなる磁性材
料を、メッキや真空薄膜形成技術(真空蒸着法,スパッ
タリング法,イオンプレーティング法等)によって非磁
性支持体上に直接被着して金属磁性薄膜を形成した、い
わゆる金属薄膜型の磁気記録媒体が提案され注目を集め
ている。この金属薄膜型の磁気記録媒体は、抗磁力,角
形比,短波長域における電磁変換特性等に優れること、
磁性層の厚みを極めて薄くすることが可能であるため記
録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さいこと、磁性層
中に樹脂結合剤等の非磁性材料を含有しないために磁性
材料の充填密度を高くできる等の数々の利点を有してい
る。
これらの磁気記録媒体は磁気ヘッドと摺接しながら使
用されるので、優れた電磁変換特性を維持しドロップア
ウト等の障害を防止する観点からは磁性層の表面が十分
に平滑に形成され、磁気ヘッドとの接触性が良好に保た
れていることが必要である。しかし、磁性層の表面の平
滑性が極めて高い場合には、磁気ヘッドやガイドローラ
ー等の摺動部材に対する実質的な接触面積が大きくなり
過ぎ、凝着現象(いわゆる貼付き)が起き易くなる。こ
のような貼付きが起こると、走行性や磁性層の耐久性が
かえって低下する。
そこで、この問題を解決するために各種の潤滑剤を使
用することが検討されており、従来より高級脂肪酸やそ
のエステル等を上記磁気記録媒体の磁性層に内添した
り、あるいは磁性層の表面にコーティングすることによ
り摩擦係数を低減させようとする試みがなされている。
〔発明が解決しようとうる課題〕
ところで、磁気記録媒体に使用される潤滑剤には、
特に寒冷地における使用に際しても所定の潤滑効果が確
保されるように低温特に優れること、磁気ヘッドと磁
性層との間のスペーシングを考慮して極めて薄く塗布で
き、しかも十分な潤滑効果が発揮されること、潤滑効
果が長時間持続すること等の特性が要求される。
しかしながら、従来使用されている各種の潤滑剤は低
温条件下で固化したり、また長期間の使用にともなって
次第に磁気ヘッド等により削り取られる等の理由により
潤滑効果が減じてしまうのが実情であった。
そこで本発明は、かかる実情に鑑みて提案されたもの
であり、走行性や耐久性に優れる磁気記録媒体の提供を
目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上述の目的を達成するために検討を重ね
た結果、フッ化長鎖カルボン酸アンモニウム塩あるいは
フッ化長鎖カルボン酸アミン塩が広い温度範囲および長
期間にわたって良好な潤滑効果を発揮することを見出
し、本発明に至ったものである。
すなわち本発明にかかる磁気記録媒体は、非磁性支持
体の少なくとも一方の面に磁性層が形成されてなる磁気
記録媒体であって、上記磁性層が一般式 CnF2n+1(CH2mCOO H3R (ただし、式中nは自然数、mは2以上の整数、Rは水
素原子,無置換炭化水素基,置換基修飾炭化水素基のい
ずれかひとつを表す。)で表されるフッ化長鎖カルボン
酸アンモニウム塩もしくはフッ化長鎖カルボン酸アミン
塩を保持することを特徴とするものである。
本発明で使用されるフッ化長鎖カルボン酸アンモニウ
ム塩あるいはフッ化長鎖カルボン酸アミン塩は、その負
電荷部分がパーフルオロアルキル基,ポリメチレン基,
およびカルボキシル基とが直鎖状に結合した分子イオン
とされている。この分子イオンはフッ化長鎖カルボン酸
に由来するものであり、たとえば次のような経路にて合
成することができる。
このようにして合成されたフッ化長鎖カルボン酸をア
ンモニアまたは第1アミンと共に適当な有機溶媒中から
再結晶させることにより、フッ化長鎖カルボン酸アンモ
ニウム塩あるいはフッ化長鎖カルボン酸アミン塩を得る
ことができる。
ここで、上記パーフルオロアルキル基の炭素数nは自
然数とする。炭素数nの範囲は特に限定されるものでは
ないが、3〜10とすることが好ましい。3未満では十分
な潤滑効果が現れず、また10より大きいと固化が生じや
すい等の取扱い性上の問題が生じ、潤滑性が発揮されな
くなく虞れがある。したがって、実用性を損なわない範
囲で適宜設定すれば良い。
上記ポリメチレン基の炭素数mは2以上の整数とす
る。これは上述の反応経路からも明らかなように、フッ
化長鎖カルボン酸の合成が不飽和カルボン酸メチルエス
テル()の末端二重結合へのヨウ化パーフルオロアル
キル()の付加反応を基本としているためであり、こ
の種の不飽和カルボン酸メチルエステルとして最も低分
子のアクリル酸メチルを使用した場合でもm=2である
ことによる。このmの値は、ある程度大きい方が最終的
にフッ化長鎖カルボン酸アンモニウム塩もしくはフッ化
長鎖カルボン酸アミン塩とされた場合の融点が上昇す
る。特にハードディスクの製造工程においてアニール処
理を経る際に耐熱性の点で有利となることから、より好
ましくは5以上に選ばれる。また、炭素数mの上限は特
に限定されるものではないので、実用性を損なわない範
囲で適宜設定することができる。
一方、正電荷部分を構成する分子イオンが第1アミン
イオンである場合、Rは飽和炭化水素基であっても不飽
和炭化水素基であっても良く、さらにこれらはハロゲ
ン,水酸基,アミノ基,ニトロ基,シアノ基,芳香環,
複素環等の少なくともひとつにより置換されたものであ
っても良い。Rの炭素数は特に限定されるものではない
が、直鎖状の炭化水素基である場合には10以上とするこ
とが特に好ましい。
ここで、本発明が適用される磁気記録媒体としては、
まず磁性材料を分散剤その他の添加剤と共に分散混練し
てなる磁性塗料を非磁性支持体の表面に塗布することに
より磁性層を形成したいわゆる塗布型の磁気記録媒体、
および真空薄膜形成技術により非磁性支持体上に直接磁
性材料を被着して磁性層を形成したいわゆる金属薄膜型
の磁気記録媒体が挙げられる。
これらの磁気記録媒体において使用される磁性材料,
結合剤その他の添加物、非磁性支持体等としては、従来
公知の材料がいずれも使用可能であり、何ら限定される
ものではない。
本発明において磁性層にフッ化長鎖カルボン酸アンモ
ニウム塩あるいはフッ化長鎖カルボン酸アミン塩を保持
させる方法としては、磁性層に内添する方法と磁性層の
表面にコーティングする方法がある。前者は塗布型の磁
気記録媒体に適用可能であり、後者は塗布型,金属薄膜
型のいずれの磁気記録媒体にも適用可能である。
フッ化長鎖カルボン酸アンモニウム塩あるいはフッ化
長鎖カルボン酸アミン塩を磁性層に内添する場合には、
結合剤100重量部に対して0.2〜20重量部の範囲で添加す
る。
フッ化長鎖カルボン酸アンモニウム塩あるいはフッ化
長鎖カルボン酸アミン塩を磁性層の表面にコーティング
する場合には、その塗布量は0.5〜100mg/m2、より好ま
しくは1〜20mg/m2とする。コーティングに際しては、
これらを適当な有機溶媒に溶解して潤滑剤溶液とし、こ
れを塗布もしくは噴霧するか、あるいはこの潤滑剤溶液
中に磁気記録媒体を浸漬すれば良い。
上述のフッ化長鎖カルボン酸アンモニウム塩あるいは
フッ化長鎖カルボン酸アミン塩は、単独で磁気記録媒体
の潤滑剤として使用しても良いが、従来公知の潤滑剤と
組み合わせて用いても良い。あるいは、パーフルオロア
ルキルカルボン酸エステル,カルボン酸パーフルオロア
ルキルエステル,パーフルオロアルキルカルボン酸パー
フルオロアルキルエステル,あるいはこれらの誘導体と
組み合わせて使用することも可能である。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上の磁性層を
形成しなかった方の面にバックコート層が設けられてい
るものであっても良い。この場合、バックコート層にも
前述のフッ化長鎖カルボン酸アンモニウム塩あるいはフ
ッ化長鎖カルボン酸アミン塩を内添あるいはコーティン
グにより保持させることができる。
〔作用〕
一般にパーフルオロアルキル基は摩擦係数を低下させ
る作用を有することが知られているが、分子間相互作用
が概して小さく、特にコーティングされた場合の塗膜強
度が不十分であり、潤滑効果が持続しにくいという欠点
があった。
しかし、本発明で使用されるフッ化長鎖カルボン酸ア
ンモニウム塩あるいはフッ化長鎖カルボン酸アミン塩に
おいては、パーフルオロアルキル基にこれよりかさ高く
ないポリメチレン基が結合されて鎖長が長くされている
ので、分子間相互作用が増強される。したがって、磁性
層に内添あるいはコーティングによって保持せしめた場
合に十分な潤滑効果を発揮すると共に、特にコーティン
グされた場合の塗膜強度を増大させる。この結果、磁気
記録媒体の走行性および耐久性が改善される。
〔実施例〕
以下、本発明の好適な実施例を実験例にもとづいて説
明する。
まず、本発明を塗布型の磁気テープに適用した例につ
いて説明する。
実施例1 まず、以下の組成にしたがって磁性塗料組成物を調製
した。
Co被着γ−Fe2O3 100 重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体〔結合剤〕 (U.C.C.社製,商品名VAGH) 10.5重量部 ポリウレタン樹脂〔結合剤〕 (日本ポリウレタン社製,商品名 M−5033)10.5重量部 カーボンブラック〔帯電防止剤〕 5 重量部 レシチン〔分散剤〕 1 重量部 メチルエチルケトン〔溶剤〕 150 重量部 メチルイソブチルケトン〔溶剤〕 150 重量部 上記の磁性塗料組成物に後述の第1表に示すヘプタデ
カフルオロノナデカン酸ステアリルアミン塩(潤滑剤
1)を潤滑剤として1.5重量部添加し、ボールミルにて2
4時間混合してから3μmのフィルターで濾過し、さら
にイソシアネート系硬化剤を4重量部添加して30分間撹
拌した。この磁性塗料を14μm厚のPETフィルム上に乾
燥後の厚みが5μmとなるように塗布し、磁場配向処理
を行った後乾燥して巻き取った。さらにカレンダー処理
を経て1/2インチ幅に裁断し、サンプルテープを作成し
た。
実施例2〜実施例6 潤滑剤として上述のヘプタデカフルオロノナデカン酸
ステアリルアミン塩(潤滑剤1)の代わりに、後述の第
1表に示す潤滑剤2ないし潤滑剤6をそれぞれ添加した
他は、実施例1と同様にサンプルテープを作成した。
比較例1 本比較例では、潤滑剤としてノナデカフルオロカルボ
ン酸アンモニウム塩(第1表中、潤滑剤7)を使用した
他は、実施例1と同様にサンプルテープを作成した。こ
の化合物は、その正電荷部分がパーフルオロアルキル基
とカルボキシル基との間にポリメチレン基を持たない点
で、本発明で使用される潤滑剤とは異なっている。
上述のようにして作成された各サンプルテープについ
て、エージング前後における摩擦係数およびスフィック
スリップ特性を温度25℃,相対湿度60%、あるいは温度
40℃,相対湿度80%の各条件下で測定した。この結果を
第2表に示す。なお、スティックスリップの評価は良好
な場合を○、不良である場合を×とした。
この表から明らかなように、潤滑剤としてフッ化長鎖
カルボン酸アミン塩を使用した各実施例では、比較例に
比べて摩擦係数が低減され、スティックスリップ特性も
向上している。
次に、本発明を金属薄膜型の磁気ディスクに適用した
例について説明する。
実施例7 まず非磁性金属下地層を形成するため、厚さ15μmの
nNi−Pメッキ層を形成したAl−Mg合金基板(厚さ1.5m
m,外径95mm,内径25mm)を用意し、このメッキ層の上に
ガス圧1×10-5Torr,基板温度150℃にて電子ビーム蒸着
によりBiを200Åの膜厚に被着した。
次いで、この非磁性金属下地層の上に同様にガス圧1
×10-5Torr,基板温度150℃にて電子ビーム蒸着によりCo
を1000Åの膜厚に被着し、金属磁性薄膜を形成し、さら
にこの金属磁性薄膜の上に真空蒸着法によりカーボン保
護膜を形成した。最後に上記カーボン保護膜の表面に、
潤滑剤として前述の第1表に示すヘプタデカフルオロノ
ナデカン酸ステアリルアミン塩(潤滑剤1)を塗布量が
5mg/m2となるように塗布し、サンプルディスクを作成し
た。
実施例8〜実施例12 潤滑剤として上述のヘプタデカフルオロノナデカン酸
ステアリルアミン塩(潤滑剤1)の代わりに、前述の第
1表に示す潤滑剤2ないし潤滑剤6をそれぞれ添加した
他は、実施例7と同様にサンプルディスクを作成した。
比較例2 本比較例では、潤滑剤としてノナデカフルオロカルボ
ン酸アンモニウム塩(第1表中、潤滑剤7)を使用した
他は、実施例7と同様にサンプルディスクを作成した。
上述のようにして作成された各サンプルディスクにつ
いて、コンタクト・スタート・ストップ(CSS)特性を
測定した。すなわち、フェライト磁気ヘッドのヘッド荷
重を9.5gとしてコンタクト・スタート・ストップを2000
0回繰り返した後、各サンプルディスクとフェライト磁
気ヘッドとの間の静止摩擦係数を測定した。この結果を
第3表に示す。
第3表より、実施例8〜実施例12ではいずれも比較例
2よりも優れたCSS特性が達成されている。各実施例間
で比較すると、実施例7,8,10,11では摩擦係数の値が第
2表に示した値と大幅には上昇していないのに対し、実
施例9および実施例12では上昇率がやや高い。この事実
から、第1アミンイオンのRの部分はフェニル基やシク
ロヘキシル基等の環状炭化水素基であるよりも長鎖状の
炭化水素旗である方が、より磁気記録媒体の走行性と耐
久性を向上させる観点から好ましいことがわかる。
さらに、本発明を金属薄膜型の磁気テープに適用した
例について説明する。
実施例13 まず、14μm厚のPETフイルムに斜め蒸着法によりCo
を被着させ、膜厚1000Åの強磁性金属薄膜を形成した。
続いて、この強磁性金属薄膜上に潤滑剤として前述の第
1表に示すヘプタデカフルオロノナデカン酸ステアリル
アミン塩(潤滑剤1)を塗布量が5mg/m2となるように塗
布し、磁場配向処理、カレンダー処理を経て1/2インチ
に裁断し、サンプルテープを作成した。
実施例14〜実施例18 潤滑剤として上述のヘプタデカフルオロノナデカン酸
ステアリルアミン塩(潤滑剤1)の代わりに、前述の第
1表に示す潤滑剤2ないし潤滑剤6をそれぞれ添加した
他は、実施例13と同様にサンプルテープを作成した。
比較例3 本比較例では、潤滑剤としてノナデカフルオロカルボ
ン酸アンモニウム塩(第1表中、潤滑剤7)を使用した
他は、実施例13と同様にサンプルテープを作成した。
比較例4 実施例13と同様に強磁性金属薄膜を形成した後、潤滑
剤を塗布せずにサンプルテープを作成した。
上述のようにして作成された各サンプルテープについ
て、温度25℃,相対湿度50%、および−5℃の各条件下
で動摩擦係数、スチル耐久性およびシャトル耐久性を測
定した。上記動摩擦係数は、ステンレス(SUS304)製の
ガイドピンを使用し、サンプルテープに一定の張力を与
えて5mm/秒のテープ速度で該ガイドピンと摺接させなが
ら走行させて測定したものである。スチル耐久性は、ポ
ーズ状態に保持した場合に再生出力が3dB低下するまで
の時間(分)で表した。またシャトル耐久性は、1回に
つき2分間のシャトル走行を行い、再生出力が3dB低下
するまでのシャトル回数で評価した。これらの結果を第
4表に示す。
なおこの表中、摩擦係数,スチル耐久性,シャトル耐
久性の各欄に棒線を付した部分は摩擦係数が高すぎたた
めに測定が不可能であったことを表す。
潤滑剤を使用しなかった比較例4では、温度25℃,相
対湿度60%において既に摩擦係数が大きくかつ耐久性が
著しく劣っているために、他の条件における試験は行わ
なかった。このときのサンプルテープの走行は不安定で
あり、磁性層の摩耗も観察された。潤滑剤としてノナデ
カフルオロカルボン酸アンモニウム塩(潤滑剤7)を使
用した比較例3ではこれら諸特性がかなり改善されてい
る。しかし、本発明を適用した実施例13ないし実施例18
の結果はこの比較例3よりもさらに著しく改善されたも
のであり、シャトル走行を150回繰り返した後でも再生
出力の3dB低下はみられず、サンプルテープの走行も極
めて安定しておき、摩耗も認められなかった。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明の磁気記録
媒体は磁性層に潤滑効果を長期間にわたって安定に維持
することのできるフッ化長鎖カルボン酸アンモニウム塩
あるいはフッ化長鎖カルボン酸アミン塩を潤滑剤として
保持している。したがって、走行安定性や耐摩耗性に優
れた磁気記録媒体を提供することが可能となる。特に、
従来走行安定性や耐摩耗性に改善すべき点の多かった金
属薄膜型の磁気記録媒体においてこれらの問題点が解決
されることにより、高密度で高品質の磁気記録再生が高
い信頼性をもって行えるようになる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体の少なくとも一方の面に磁性
    層を有してなる磁気記録媒体において、 上記磁性層が一般式 CnF2n+1(CH2mCOO H3R (ただし、式中nは自然数、mは2以上の整数、Rは水
    素原子,無置換炭化水素基,置換基修飾炭化水素基のい
    ずれかひとつを表す。)で表されるフッ化長鎖カルボン
    酸アンモニウム塩もしくはフッ化長鎖カルボン酸アミン
    塩を保持することを特徴とする磁気記録媒体。
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