JP2655379B2 - 磁気記録ディスク - Google Patents

磁気記録ディスク

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JP2655379B2
JP2655379B2 JP4108478A JP10847892A JP2655379B2 JP 2655379 B2 JP2655379 B2 JP 2655379B2 JP 4108478 A JP4108478 A JP 4108478A JP 10847892 A JP10847892 A JP 10847892A JP 2655379 B2 JP2655379 B2 JP 2655379B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度記録用磁気記録
ディスクに関し、特に、データ記録用の磁気ディスクに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録技術は、媒体の繰り返し使用が
可能であること、信号の電子化が容易であり周辺電子機
器との組み合わせによるシステムの構築が可能であるこ
と、信号の修正も簡単にできること等の他の記録方式に
はない優れた特長を有することから、ビデオ、オーディ
オ、コンピューター用途等を始めとして様々な分野で幅
広く利用されてきた。そして、機器の小型化、記録再生
信号の高品位化、記録の長時間化、記録容量の増大等の
要求に対応するために、記録媒体に対しては記録密度の
より一層の向上が常に望まれてきた。そして、塗布型の
磁気記録ディスクにおいては、強磁性粉末の粒子サイズ
を小さくしたり、その分散性を向上させたり、その磁性
層中での充填度を高めたりする方策が種々提案されてい
るさらに有効な手段として、磁気特性の優れた強磁性金
属粉末や六方晶フェライトなどを用いることも行われて
いる。
【0003】また、OA機器としてのミニコン、パソコ
ンの普及にともない外部記憶媒体としての磁気記録ディ
スクの普及が著しく、磁気記録ディスクの使用頻度が広
がって、温度湿度に関し、幅広い環境条件で使用・保存
され、また使用環境の塵埃も多い場所で使用されるよう
になってきた。特に、記録の大容量化、小型化を達成す
るために記録密度の向上が強く要望されているが、従来
のような針状強磁性粉末を用いて高密度記録に適する磁
気記録ディスクを得るには、針状強磁性粉末の最大寸法
を記録波長、あるいは記録ビット長よりも十分小さくす
る必要がある。現在、針状強磁性粉末として0.3μm
程度の寸法のものがすでに実用に供されており、最短記
録波長約1μm以下が可能になっている。
【0004】今後さらに高密度の記録が可能な媒体を得
るには、針状強磁性粉末の寸法をなお一層小さくする必
要がある。しかしそのような小さな針状強磁性粉末にお
いては、太さが100Å以下と極めて細くなり、粒子体
積としても10-17 cm3 以下と極めて小さくなるた
め、熱擾乱、表面の効果によって磁気特性が低下し、又
磁性塗膜に磁界を加えても十分な配向が得られない等の
問題がある。
【0005】高密度記録に対応する強磁性粉末として、
これまで強磁性金属粉末が検討されてきており、また近
年平板状で板面に垂直な方向に磁化容易軸を有する六方
晶系フェライト粒子を強磁性粉末として用いる磁気記録
媒体が開発された(例えば、特開昭58−6525号、
同58−6526号等)。これらによって、強磁性粉末
の平均粒径は0.05μm以下が可能となり、高密度記
録化が可能となった。
【0006】さらに高密度記録のため大幅な狭トラック
幅が要求されてきている。これらの要求を満たすため磁
気ディスクにおいても高出力や高記録密度が期待できる
強磁性金属粉末や強磁性六方晶系フェライト粉末の使用
が検討されており、サイズの小型化や媒体の記録密度の
向上の要求に応えるべく鋭意開発、実用化が検討されて
いる。特に高記録密度およびオーバーライト電磁変換特
性の向上として磁性層の薄層化、高出力が望まれ、薄層
化に伴い走行耐久性の大幅劣化が懸念されている。
【0007】即ち、通常、フロッピーディスク等のコン
ピューター用途の磁気記録ディスクにおいては、磁気波
長の異なる記録信号の重ね書き(オーバーライト)が必
要であるが、従来は、周波数で2倍の関係にある2種類
の信号、1f及び2f信号のオーバーライトができれば
良かったが、最近強く要望されている10Mバイト以上
の高容量の磁気記録ディスクに対しては、記録波長が短
くなっただけではなく、RLL信号などの周波数比3:
8のより広帯域にある複数の信号のオーバーライトが要
求されている。記録波長が短く、記録周波数の差が大き
い信号を使用した場合、記録波長の短い信号を記録波長
が長い信号の上に重ね書き(オーバーライト)をうまく
行うためには、特開昭58−122623号公報、特開
昭61−74137号公報等に開示されているように、
単に磁性層の磁気特性を向上させるだけでは限界があっ
た。
【0008】すなわち、今までの1.0μm以上の厚さ
の磁性層では、先に記録されているより長い波長の記録
信号の上により短い記録信号を重ね書きしても磁力線が
磁性層の深いところまで達しないために、先に記録され
たより長い波長の信号が消去できないのである。また、
記録密度の向上にともない記録ヘッドのギャップが狭く
なってきている。これにともない、媒体の厚味方向への
十分な記録が困難になってきている。
【0009】そこで、上記問題を解消するために磁性層
を1μm以下に薄くすると磁性層は剥離し易くなり、ド
ロップアウトの発生要因となる等走行耐久性が確保でき
ず、信頼性が低下するという問題が起こった。従って、
前記の高密度記録化に対応し得る磁気記録ディスクを提
供するためには、特に再生出力の向上およびオーバーラ
イト特性の確保および走行耐久性が大きな問題となって
きた。
【0010】また、磁気記録ディスクの走行時の帯電
は、塵埃の付着によるドロップアウト数の増大を招き、
それによるエラー・レートが致命的な欠陥となった。こ
の帯電の問題を改良するために、磁性層中に帯電を防止
するために添加物を加える方法が通常取られており、中
でもカーボンブラックを添加する方法が最も有効であ
り、広く採用されている。しかしながら、前記の高密度
記録用の磁気記録ディスクにあっては、カーボンブラッ
クの添加は、磁性体充填度を下げ出力の低下を招くの
で、その添加量に限界があり、帯電防止への充分な対処
ができなかった。
【0011】特に、前記の強磁性六方晶系フェライト粉
末は、Co−Fe2 3 強磁性粉末、強磁性金属粉末等
と比較し、飽和磁化量が低く、高い出力が得られ難いた
め高出力の磁気記録ディスクを提供するには充填密度を
上げなければならないが、微粒子でありかつ形状が六方
晶形であるがため、分散性が従来の強磁性粉末に比較し
て劣り、帯電防止性、高再生出力を確保することが基本
的に困難である。
【0012】前記の帯電の防止、高出力化と耐久性の向
上を満足させるための種々提案が開示されている。(特
開昭55−55431号、特開昭55−55432号、
特開昭55−55433号、特開昭55−55434
号、特開昭60−164926号、特開昭55−554
36号、特開昭62−38523号、特開昭62−15
9337号公報等) 即ち、磁性層と支持体の間に中間層を設けるものである
が、中間層にカーボンブラックと結合剤樹脂を塗布し、
その後その上に磁性層を形成しようとするものである。
【0013】しかしながら、この方法は、走行耐久性を
改善するめには有効であったが、高密度記録の磁気記録
ディスクであって、十分な走行耐久性を確保しつつ、し
かも、優れた電磁変換特性、すなわち高再生出力、オー
バーライト特性を満足することはできなかった。さらに
面倒な問題として、オーバーライト特性を改良するため
に、磁性層を極端に薄層化、例えば、0.5μm以下に
すると、現状の塗布技術では以下のような問題が生じ
た。 (1)非磁性支持体上に直接均一の厚さに塗布すること
が難しい。また、磁性層が剥離し易い。 (2)中間層(非磁性層)を下層にしてその上に塗布す
ることもできるが、逐次塗布であると、密着性が問題で
あり、磁性層が剥離してドロップアウトの原因になった
りする。
【0014】そこで、検討の結果、非磁性層と磁性層が
湿潤状態の内に重層塗布する、所謂、ウエット・オン・
ウエット塗布方式を採用することが、上記問題を解消す
るために有効であることが分かった。しかし、このウエ
ット・オン・ウエット塗布方式を単に適用するだけで
は、下記の問題を解決することはできなかった。
【0015】非磁性層を設ける場合、磁性層の分散溶剤
が重要であり、非磁性層に使用した溶剤と同種の溶剤で
あると、非磁性層上に磁性層を塗布した時、磁性層塗布
溶剤が非磁性層を溶解し、非磁性層と磁性層間の境界を
乱してしまい結局磁性層の厚味は大きな膜厚変動をして
しまうこととなる。また、磁性層溶剤を非磁性層を溶解
しない溶剤を使用する場合、磁性層に使用する結合剤樹
脂は非常に限定され、この様な溶剤で塗布した場合、前
述した非磁性層と磁性層間の密着力は大幅に低下してし
まい耐久性が極端に低下する。
【0016】即ち、非磁性層塗布液及び磁性層塗布液
は、互いに液状の状態で非磁性支持体上に塗布されるか
ら、非磁性層と磁性層の界面が入り乱れて、磁性層の厚
味変動が生じ易くなった。磁性層に厚く変動した部分が
あると、その部分でのオーバーライト特性が良好に行え
なくなって、先に書き込まれた信号を消去できなくな
り、再生不能となる恐れがあるという問題が生じた。ま
た、磁性層の厚味変動を抑制しようとすると耐久性が確
保でき難くなるという問題も生じた。
【0017】従って、オーバーライト特性を改良するた
めに磁性層を極力薄くしようとすると、現状の塗布技術
では磁気記録ディスクの平均厚味としては薄くできる
が、厚味変動が大きくなり、ディジタル記録に適した全
トラックに渡り、オーバーライト特性が良好でかつ高再
生出力な走行耐久性に優れた薄層磁性層を有する磁気記
録ディスクを得ることが困難であった。
【0018】そして、この問題に対処する有効な方法は
いまだに提案されていない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題点に鑑みなされたものであって、オーバーライ
ト特性が磁気記録ディスク全トラックに渡り良好で、し
かも出力を含めた電磁変換特性が良好でかつ走行耐久性
の優れた高密度磁気記録ディスクを提供することを目的
としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、非磁性支持体
上に非磁性粉末及び結合剤樹脂を主体とする非磁性層並
びに強磁性粉末及び結合剤樹脂を主体とする磁性層が、
この順で形成されてなる磁気記録ディスクにおいて、前
記磁性層は、非磁性層塗布液の塗布層が湿潤状態にある
うちに磁性層用塗布液をその上に塗布するこにより形成
されたものであり、前記磁性層の厚さは、その平均厚味
が0.5μm以下であって、最大厚味と最小厚味は前記
平均厚味の±15%以内にあることを特徴とする磁気記
録ディスクであり、これにより上記課題を解決できる。
【0021】本発明は、非磁性支持体の上に非磁性層及
び磁性層をこの順に設けた磁気記録ディスクであって、
かつ磁性層の平均厚味を0.5μm以下かつ磁性層の最
大厚味(Tmax )と最小厚味(Tmin )を前記平均厚味
の±15%以内に制御したことを最大の特徴とする。即
ち、本発明は、少なくとも磁性層の厚味およびその変動
が上記範囲内にあれば、オーバーライト特性、再生出力
等の電磁変換特性が、磁気記録ディスクの全トラックに
おいて安定して良好に提供できることを見出したもので
ある。
【0022】 磁性層の平均厚味(T0 )とは、以下に
より算出される値である。磁気記録ディスクをウルトラ
ミクロトーム装置で、ダイアモンドカッターを使用し
て、幅約約0.1μmの厚さに切り出し、透過型電子顕
微鏡でその断面の切片を5000〜10000倍で写真
撮影を行い、8.7cm×10.7cmのプリントサイ
ズとし、その後非磁性層と磁性層の界面を強磁性粉末や
非磁性粉末の形状差などの注目して目視判断して黒くふ
ちどりし、かつ磁性層表面も同様にふちどりし、Zei
ss社製画像処理装置IBAS2にてふちどりした線の
間隔の長さ(距離)を測定した。測定部位は、長さ20
μm(実長)中の磁性層と非磁性層の前記ふちどりをし
た界面が形成する山の頂きと磁性層表面間の距離
(T1)と界面が形成する谷の底部と磁性層表面間の距
離(T2 )を各々5ヵ所求めその総和の平均値を平均厚
味とする。
【0023】また、本発明における最大厚味(Tmax
は、該T2 の内最大の測定値を意味し、同様に最小厚味
(T min)は、は、該T1 の内最小の測定値を意味す
る。即ち、本発明においては、下式が全て成立するよう
に磁性層厚味が制御される。 ΔTmax =100×(Tmax −T0 )/T0 ≦15 (%) (a) ΔTmin =100×(Tmin −T0 )/T0 ≧−15(%) (b) ΔTmax −ΔTmin =100×(Tmax −Tmin )/T0 ≦30(%)(c) 即ち、式(a)において、15%を超えるか、式(b)
において−15%より小さいと、あるいは更に(c)に
おいて30%を超えるとオーバーライト特性、再生出力
等の電磁変換特性を満足することができない。
【0024】本発明においては、該界面を形成するふち
どり曲線は理想的には磁性層厚味が一定な直線であるこ
とが最も好ましい態様(上記(a)、(b)及び(c)
において、左辺=0%)であるが、現実的には従来に比
べT0 を軸に振幅の小さな滑らかなサイン曲線に類似し
た曲線が形成されるから、上式(a)および(c)が成
立するのであり、厚味変動が極力抑制されるものであ
る。
【0025】(a)式において、ΔTmax は、好ましく
は、0≦ΔTmax ≦12、特に好ましくは、0≦ΔT
max ≦8の範囲に制御され、ΔTmin は、好ましくは、
−12≦ΔTmin ≦0、特に好ましくは、−8≦ΔT
min ≦0 の範囲に制御される。また、本発明において
は、該界面のふちどり線は山と谷の間隔が長ければ長い
程好ましい。山と山または谷と谷の距離はなるべく等し
いことが望ましい。
【0026】本発明は、上記範囲に設定したことによ
り、再生出力、オーバーライト特性等の電磁変換特性の
安定性を著しく向上できる。また、本発明は、磁性層及
び非磁性層を形成するための塗布方式としてウエット・
オン・ウエット塗布方式が磁性層の剥がれ等を防止し、
高耐久性磁気記録ディスクを得るために有効であること
を見出した。
【0027】従来のブレードコート法、グラビアコート
法等で非磁性層を支持体上に設け、乾燥後に更に磁性層
を設ける方法であると、非磁性層と磁性層間の密着力が
十分でなく本発明の様な超薄層磁性層では、耐久性が劣
り、実用に供するのは困難であった。本発明は、少なく
ともウエット・オン・ウエット塗布方式を採用すること
により、上記式を満足することができ、かつ非磁性層と
磁性層は一体の層の様な特性となり非磁性層と磁性層間
の密着力を高めることができる。
【0028】該ウエット・オン・ウエット塗布方式の具
体的な例としては、下記等が挙げられる。 1.磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗
布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗
布装置等により、まず非磁性層を塗布し、その層が湿潤
状態にあるうちに、例えば、特公平1−46186号や
特開昭60−238179号、特開平2−265672
号の各公報に開示されている非磁性支持体加圧型エクス
トルージョン塗布装置により磁性層を塗布する方法。 2.特開昭63−88080号、特開平2−17971
号、特開平2−265672号の各公報に開示されてい
るような塗布液通液スリットを二つ内蔵したヘッドによ
り非磁性層塗布液、磁性層塗布液をほぼ同時に塗布する
方法。 3.特開平2−174965号公報に開示されているバ
ックアップロール付きエキストルージョン塗布装置によ
り非磁性層塗布液、磁性層塗布液をほぼ同時に塗布する
方法。
【0029】本発明の製造方法は、ウエット・オン・ウ
エット塗布方式において磁性層の厚味変動を抑制し、厚
味精度を向上させる方法を提供するものであり、その具
体的な方法としては、以下、第1〜第5の方法が挙げら
れる。第1としては、非磁性層塗布液と磁性層塗布液に
使用する溶剤を選定することであり、その選定基準は、
非磁性層塗布液に使用する溶剤の沸点が磁性層塗布液に
使用する溶剤の沸点より高いことである。
【0030】その作用効果を簡単に述べると、先に塗布
された非磁性層からの溶剤の蒸発が抑制され、非磁性層
の表面の形状的な変化変形を抑え、また、塗布液の粘弾
性特性が相違する磁性層塗布液と湿潤状態で接触しても
界面での液の乱流を抑え、非磁性層の上に形成される磁
性層膜厚をより均一にすること、即ち厚味変動をより小
さく抑制することができるというものである。
【0031】 非磁性層に使用する溶剤の沸点は90℃
以上、望ましくは100℃以上であり、磁性層に使用す
る溶剤の沸点は100℃以下が望ましく、特に好ましく
は80℃以下である。また沸点の差は好ましくは40℃
以上、更に好ましくは50℃以上、沸点の差の上限は、
100℃にすることにより磁性層膜厚を本発明の範囲に
することができる。本発明で用いられる非磁性層塗布液
に使用する溶剤として沸点が90℃以上の溶剤として
は、シクロヘキサノン(沸点156℃)、メチルイソブ
チルケトン(沸点116℃)、ジイソブチルケトン(1
68℃)等のケトン類、イソホロン(沸点215℃)、
ブタノール(沸点118℃)、イソブチルアルコール
(沸点108℃)等のアルコール類、2−メチルシクロ
ヘキサノール(沸点173℃)等が挙げられ、単独また
は混合溶剤が使用できる。非磁性層塗布液の溶剤として
は、例えばシクロヘキサノンのような非磁性層の結合剤
樹脂や添加される潤滑剤との相溶性が優れているものが
望ましい。
【0032】また、非磁性層の上に塗布する磁性層塗布
液の溶剤の沸点は、非磁性層塗布液の溶剤の沸点より低
いことが望ましく、例えばメチルエチルケトン(沸点7
9℃)、THF(沸点66℃)、アセトン(沸点56
℃)、プロパノール(沸点97℃)、酢酸メチル(沸点
58℃)、ベンゼン(沸点80℃)、ヘキサン(沸点6
9℃)、四塩化炭素(沸点77℃)等、単独または混合
溶剤を使用することができる。混合溶剤として用いる場
合、その沸点は、各溶剤の重量使用比率から加成的に計
算される沸点を目安にできる。
【0033】第2に、ウエット・オン・ウエット塗布方
式で非磁性支持体に塗布した後の乾燥工程において乾燥
方法を規定することである。即ち、非磁性層と磁性層を
非磁性支持体上に設けた後、必要に応じ配向を実施後、
乾燥工程を行うが、この乾燥を室温から徐々に温度を上
げることにより、非磁性層と磁性層の乾燥工程における
磁性層の厚味変動を抑えることができる。
【0034】例えば、塗設された磁気記録ディスクを室
温から高温、好ましくは20〜150℃、特に好ましく
は、25〜120℃に至る変化した雰囲気温度に通すこ
とにより乾燥する方法が挙げられる。雰囲気温度の変化
方法は任意であり、連続的でも断続的でもよい。また、
温度上昇速度は、0.6〜4℃/秒に制御することが好
ましい。
【0035】具体的には、ウエット・オン・ウエット塗
布後のウエブを一定速度で搬送しながら、雰囲気温度が
進行方向に断続的に高く一定に設定した乾燥室を通すこ
とにより行うことが挙げられる。例えば、ウエブ搬送速
度を50〜300m/分として、25℃、40℃、60
℃、80℃、100℃に各4乃至24秒間、120℃に
1.5乃至9秒間乾燥することが挙げられる。
【0036】第3に、ウエット・オン・ウエット塗布方
式においては、非磁性層塗布液と磁性層塗布液の粘弾性
特性をできるだけ合わせることが好ましい。非磁性層が
湿潤状態にある時点で磁性層を設ける為、粘弾性特性が
大幅に異なると境界面において、お互いの液が乱れ、磁
性層厚味が大幅に変動してしまう。粘弾性特性を調節す
るたの手段としては、以下に挙げられる方法等を用いる
ことができる。
【0037】 各塗布液が、チキソトロピー性を持ち、
剪断速度104 sec-1 での剪断応力A104 と剪断
速度10sec- 1 での剪断応力 A10との比A10
4 /A10を100≧A104 /A10≧3、好ましく
は、90≧A10 4 /A10≧30に調整することが挙
げられる。このような粘弾性特性を調製するための具体
的な手段としては例えば以下の因子を選択することが挙
げられる。
【0038】 該因子としては、例えば、分散される非
磁性粉末あるいは強磁性粉末に関しては、(1)粒子サ
イズ(比表面積、平均一次粒子径等)、(2)構造(吸
油量、粒子形態等)、(3)粉体表面の性質(pH、加
熱減量等)、(4)粒子の凝集力(σS 等) 等、結合剤
に関しては、(1)分子量、(2)官能基の種類等、溶
剤に関しては(1)種類(極性等)、(2)結合剤溶解
性、(3)溶剤処方量等、含水率等が挙げられる。
【0039】液粘度として、非磁性層塗布液、磁性層塗
布液ともに、単一円筒型回転粘度計で0.5〜300セ
ンチポイズが適しており、好ましくは3〜200センチ
ポイズである。非磁性層塗布液と磁性層塗布液の粘度差
は、100センチポイズ以下が適しており、好ましく
は、50センチポイズ以下である。第4に非磁性層、磁
性層の各塗布液に使用する原材料粒子は、少なくとも乾
燥後の非磁性層、磁性層の厚味より小さいサイズが望ま
しい。即ち、使用する強磁性粉末、カーボンブラック粒
子、研磨剤粒子、非磁性粒子は磁性層に使用する場合、
少なくとも、最大0.5μm以下が望ましい。非磁性層
の場合は、厚味が規制されていないため、使用粒子サイ
ズにより、膜厚を厚くすることが可能である。
【0040】第5に磁性層塗布液および/または非磁性
層塗布液に含まれる各種粉体のサイズ、形状を規定して
力学的に磁性層および非磁性層との界面に混合領域が生
じないように制御することができる。例えば、針状の非
磁性粉末を使用した場合、これらが整列して存在すると
未乾燥状態でも強固な塗膜を形成し、磁性層の強磁性粉
末が回転しても、その界面で混合が生じ難くなる。又、
非磁性層に鱗片状の非磁性粉末を用いると、いわばタイ
ル状に敷きつめられ、磁性層の強磁性粉末が回転しても
その界面で混合が生じ難くなる。
【0041】本発明は、磁性層平均厚味が0.5μm以
下の薄層であるためディジタル記録特有のオーバーライ
ト特性が大幅に向上できることとなる。線記録密度が高
くなればなる程、即ち記録波長が短くなればなる程その
磁性層厚味の効果は発揮される。特に記録波長が1.4
μm以下の場合、磁性層厚味0.5μm以下が必要とさ
れることからも上記式(a)〜(c)の本発明の厚味変
動の規定はオーバーライト特性の安定性を確保する上で
重要であるばかりでなく、再生出力の最大値と最小値の
差異を小さくし、かつ再生出力平均値を高くする上で効
果がある。
【0042】本発明は、上記電磁変換特性を改善したば
かりでなく、ウエット・オン・ウエット塗布方式を用い
るために非磁性層と磁性層の密着性を確保し、走行耐久
性を確保することができるという効果も有する。本発明
の磁気記録ディスクの非磁性層は、非磁性粉末及び結合
剤樹脂を主体とするものである。非磁性粉末は、無機質
粉末及び有機質粉末を包含し、かつ少なくとも導電性粉
末を含むことが好ましい。導電性粉末は、塗布液の粘弾
性特性の調整、磁性層表面の表面電気抵抗の制御等に有
効であり、走行耐久性を確保するために使用される。導
電性粉末としては、特に好ましくは、カーボンブラック
が挙げられる。
【0043】 非磁性層におけるカーボンブラックの含
有量は、非磁性層に含まれる非磁性粉末全量の3〜20
重量%が好ましく、特に、5〜15重量%の範囲であ
る。3重量%以下では十分に表面固有抵抗値を低減でき
ず、また20重量%以上では十分な表面固有抵抗値の低
減はできるが、十分に平滑な磁性層の表面性を得ること
が出来ない。比表面積は、5〜1200m2 /gが好ま
しく、更に好ましくは、50〜1000m2 /gの範囲
であり、DBP吸油量は、10〜1500mL(ミリリ
ットル)/100g、好ましくは20〜600mL/1
00g、平均粒径は、5〜500mμ、好ましくは10
〜300mμ、pHは、2〜10、更に好ましくは2.
5〜9.5、含水量は0.1〜10重量%、更に好まし
くは0.3〜3.0重量%、タップ密度は0.1〜1g
/cc、更に好ましくは0.12〜0.80g/cc
好ましい。
【0044】これにより磁性層中のカーボンブラックの
添加量を低減することができ、強磁性粉末の充填密度を
確保できる。該カーボンブラックは、ストラクチャーを
形成するため低い表面電気抵抗を得る事ができる。この
ため磁性層の表面固有電気抵抗値も低く抑えることがで
き、走行耐久性におけるドロップアウトの発生を低減で
きる。
【0045】本発明においては、該磁性層の表面固有電
気抵抗値を5×109 Ω/sq以下、好ましくは5×1
8 Ω/sq以下に調節することが望ましい。また、非
磁性層/磁性層の平滑な表面性が得られ記録/再生ヘッ
ドとのスペーシングロスを少なくでき高い再生出力が得
られる。さらにDBP吸油量が200mL/100g以
上のカーボンブラックはストラクチャーを形成しやすく
結果として低い表面電気抵抗を得ることができ、走行耐
久性におけるドロップアウトの発生を特に低減でき好ま
しい。 カーボンブラックのDBP吸油量は、カーボン
ブラック粉末にジブチルフタレートを少しづつ加え、練
り合わせながらカーボンブラックの状態を観察し、ばら
ばらに分散した状態から一つの塊をなす点を見出し、そ
の時のジブチルフタレートの添加量(mL)をDBP吸
油量とした。
【0046】カーボンブラックは、磁気記録ディスクに
導電性を付与して磁気記録ディスクの帯電を防止するた
めに有効であると共に磁性層と非磁性層の物理的強度を
調整するための素材としても使用される。また、カーボ
ンブラックは、非磁性層塗布液の粘弾性特性を調整する
機能も有する。更に、カーボンブラックは、摩擦係数の
調整、遮光性付与等種々の機能を有する非常に有用な素
材である。従って、上記と同様の主旨でカーボンブラッ
クは磁性層にも含ませることができる。この場合は、強
磁性粉末に対し0.1〜30重量%で用いることが好ま
しい。
【0047】また、本発明は非磁性層あるいは磁性層に
使用することができるカーボンブラックとしては、あら
ゆる製法のものが使用できる。例えば、ファーネスブラ
ック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャン
ネルブラック、ランプブラック等を使用することができ
る。具体的な例として、キャボット社製;BLACKP
EARLS 2000、1300、1000、900、
800、700、VULCAN XC−72、旭カーボ
ン社製;#80、#60、#55、#50、#35、三
菱化成工業社製;#3950B、#2400、#230
0、#900、#1000、#30、#40、#10
B、コロンビアカーボン社製;CONDUCTEX S
C、RAVEN 150、50、40、15、ライオン
アクゾ社製;ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラ
ックECDJ−500、ケッチェンブラックECDJ−
600などが挙げられる。
【0048】カーボンブラックを分散剤などで表面処理
したり、樹脂でグラフト化して使用しても表面の一部を
グラファイト化したものを使用しても構わない。また、
カーボンブラックを非磁性層塗布液、あるいは磁性層塗
布液に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかま
わない。これらのカーボンブラックは単独、または組み
合わせて使用することができる。
【0049】カーボンブラックは前述の通り磁性層の帯
電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの
働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異
なる。従って本発明に使用されるこれらのカーボンブラ
ックは非磁性層、磁性層でその種類、量、組合せを変
え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示し
た諸特性をもとに目的に応じて使い分けることはもちろ
ん可能である。本発明で使用できるカーボンブラックは
例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協
会編)を参考にすることができる。
【0050】 本発明の磁気記録ディスクにおいて、磁
性層に含まれる強磁性粉末は、酸化鉄系強磁性粉末、強
磁性金属粉末もしくは強磁性六方晶系フェライト粉末等
が使用できるが、中でも強磁性金属粉末または強磁性六
方晶系フェライト粉末が好ましい。 強磁性粉末が強磁
性金属粉末の場合、その粒子サイズは、望ましくは比表
面積は30〜60m2 /g、更に好ましくは40〜60
2 /gであって、X線回折法から求められる結晶子サ
イズが100〜300Å、更に好ましくは100〜25
0Åであり、その軸比(長軸長/短軸長)は、5以上
更に好ましくは6以上である。
【0051】比表面積が余り小さいと高密度記録に充分
に対応できなくなり、又余り大きくても分散が充分に行
えずに平滑な面の磁性層が形成できずこれ又高密度記録
に対応できなくなるので、好ましくない。ここで、結晶
子サイズは、(1,1,0)面と(2,2,0)面の回
折線の半値巾の広がりから求められる。
【0052】 強磁性粉末が強磁性六方晶系フェライト
粉末の場合、比表面積は25〜50m2 /g、更に好ま
しくは40〜60m 2 /gであって、板状比(板径/板
厚)は、2〜6、更に好ましくは2.5〜5.5、板径
が0.02〜1.0μm、更に好ましくは0.03〜
0.08μmである。強磁性金属粉末と同じ理由からそ
の粒子サイズが大きすぎても小さすぎても高密度記録が
難しくなる。
【0053】前記強磁性金属粉末は、好ましくは少なく
ともFeを含む粉末が挙げられ、具体的には、Fe、F
e−Co、Fe−Ni又はFe−Ni−Coを主体とし
た金属単体あるいは合金がある。本発明の磁気記録ディ
スクを高記録密度化するために、前記のように粒子サイ
ズが小さいことが好ましいと同時に磁気特性としては、
飽和磁化( σS ) は少なくとも110emu/g以上、
望ましくは120emu/g以上である。又、抗磁力と
しては、800Oe(エルステッド)以上、望ましくは
900Oe以上である。
【0054】更に特性を改良するために、組成中にB、
C、Al、Si、P等の非金属が添加されることもあ
る。通常、前記金属粉末の粒子表面は、化学的に安定さ
せるために酸化物の層が形成されている。酸化物の形成
方法としては、公知の徐酸化処理、すなわち有機溶剤に
浸漬したのち乾燥させる方法、有機溶剤に浸漬したのち
酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜を形成したのち
乾燥させる方法、有機溶剤を用いず酸素ガスと不活性ガ
スの分圧を調整して表面に酸化皮膜を形成する方法等が
挙げられ、いずれを施したものでも用いることができ
る。
【0055】前記強磁性六方晶系フェライト粉末として
は、平板状でその平板面に垂直な方向に磁化容易軸があ
る強磁性粉末であって、バリウムフェライト、ストロン
チウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライ
トあるいはそれらのコバルト置換体等があり、中でも特
にバリウムフェライトのコバルト置換体、ストロンチウ
ムフェライトのコバルト置換体が好ましい。更に必要に
応じてその特性を改良するためにIn、Zn、Ge、N
b、V等の元素を添加してもよい。
【0056】本発明の磁気記録ディスクを高記録密度化
するために、前記六方晶系フェライト粉末の磁性層にお
ける粒子サイズを前記のように小さくすることが好まし
いが、同時に磁気特性としては、飽和磁化( σS ) は少
なくとも50emu/g以上、望ましくは53emu/
g以上である。又抗磁力としては、500Oe以上、特
に600Oe以上であることが望ましい。
【0057】本発明の磁気記録ディスクにおいては、円
周方向の出力が均一で変動がないことが望まれ、そのた
めには面内配向度比ができるだけ高いことが必要とな
り、強磁性粉末の配向度比は好ましくは0.85以上で
ある。配向度比を0.85以上にするためには磁性層が
未乾燥の状態にあるところで特公平3−41895号公
報の如く永久磁石を使用したランダム配向法もしくは特
開昭63−148417号、特開平1−300427
号、特開平1−300428号等の各公報の如く交流磁
場を印加する方法が使用できる。
【0058】本発明においては、強磁性金属粉末、六方
晶系フェライト粉末を使用すると0.9以上もの高い配
向度比が実現できる。ここで、配向度比とは、円周方向
の最小角型比を最大角形比で除した値である。尚、飽和
磁化量及び抗磁力等の強磁性粉末の磁気特性、振動試料
型磁束計(東英工業社製)を用いて最大印加磁場5kO
eで測定した。また比表面積の測定はカンターソープ
(米国、カンタークロム社製)を用いたBET法による
ものである。250℃、30分間窒素雰囲気で脱水後B
ET一点法(分圧0.30)で測定した値である。
【0059】また、これら強磁性粉末の含水率は、0.
01〜2重量%とするのが好ましい。含水率は結合剤樹
脂の種類によって最適化するのが好ましい。強磁性粉末
のpHも用いる結合剤樹脂との組み合わせにより最適化
するのが好ましい。その範囲は4〜12であるが、好ま
しくは5〜10である。強磁性粉末は必要に応じ、A
l、Si、Pまたはこれらの酸化物などで表面処理を施
してもかまわない。その量は強磁性粉末に対し0.1〜
10%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸
着が100mg/m2 以下になり好ましい。強磁性粉末
には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機
イオンを含む場合があるが、500ppm以下であれば
特に特性に影響を与えない。
【0060】強磁性粉末としては、所望により酸化鉄強
磁性粉末を使用してもよく、BET法による比表面積で
表せば、25〜80m2 /gであり、好ましくは35〜
60m2 /gである。25m2 /g以下ではノイズが高
くなり、80m2 /g以上では表面性が得にくく好まし
くない。X線回折法により測定される結晶子サイズは4
50〜100オングストロームであり、好ましくは35
0〜100オングストロームである。σS は50emu
/g以上、好ましくは70emu/g以上である。
【0061】 これらの強磁性粉末にはあとで述べる分
散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前に
あらかじめ処理を行ってもかまわない。具体的には、特
公昭44−14090号等に記載されている。本発明の
非磁性層に使用できる非磁性粉末のうち非磁性無機質粉
末は、例えば、金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫
酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等が挙げら
れる。具体的にはTiO2 (ルチル、アナターゼ)、T
iOX (xは、2未満または3〜5)、酸化セリウム、
酸化スズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO2 、Si
2 、Cr2 3 、α化率90%以上のるαアルミナ、
βアルミナ、γアルミナ、α酸化鉄、ゲータイト、コラ
ンダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシウ
ム、窒化硼素、2硫化モリブデン、酸化銅、MgC
3 、CaCO3 、BaCO3 、SrCO3 、BaSO
4 、CaSO4 、炭化珪素などが単独または組み合わせ
て使用される。これら無機質粉末の形状、サイズは針
状、球状、サイコロ状等で任意であり、これらは必要に
応じて異なる無機質粉末を組み合わせたり、単独の非磁
性粉末でも粒径分布等を選択することもできる。粒子サ
イズとしては、0.01〜2μmが好ましい。非磁性粉
末としては、次のものが好ましい。
【0062】タップ密度は0.3〜2g/cc、含水率
は0.1〜5%、pHは2〜11、比表面積は1〜30
2 /gが好ましい。DBPを用いた吸油量は5〜10
0mL/100g、好ましくは10〜80mL/100
g、更に好ましくは20〜60mL/100gである。
上記の非磁性粉末は必ずしも100%純粋である必要は
なく、目的に応じて表面を他の化合物、例えば、Al、
Si、Ti、Zr、Sn、Sb、Zn等の各化合物で処
理し、それらの酸化物を表面に形成してもよい。その
際、純度は70%以上であれば効果を減ずることにはな
らない。強熱減量は20%以下であることが好ましい。
【0063】本発明に用いられる非磁性粉末の具体的な
例としては、住友化学社製AKP−20、AKP−3
0、AKP−50、日本化学工業社製G5、G7、S−
1、戸田工業社製TF−100、TF−120、TF−
140、石原産業社製TT055シリーズ、ET300
W、チタン工業社製STT30などが挙げられる。
【0064】本発明に使用される非磁性有機質粉末は、
アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉
末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げ
られるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系
樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉
末、ポリフッ化エチレン樹脂粉末が使用される。その製
法は、特開昭62−18564号、同60−25582
7号の各公報に記載されているようなものが使用でき
る。
【0065】本発明の磁性層、非磁性層に使用される結
合剤としては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、
反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。熱可塑性樹
脂としては、ガラス転移温度が−100〜150℃、数
平均分子量が1000〜200000、好ましくは10
000〜100000、重合度が約50〜1000程度
のものである。このような例としては、塩化ビニル、酢
酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル
酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニ
トリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレ
ン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニル
アセタール、ビニルエーテル、等を構成単位として含む
重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系
樹脂がある。
【0066】また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂とし
てはフエノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化
型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アク
リル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹
脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイ
ソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリ
オールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンと
ポリイソシアネートの混合物等があげられる。
【0067】これらの樹脂については朝倉書店発行の
「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されてい
る。また、公知の電子線硬化型樹脂を非磁性層、または
磁性層に使用することも可能である。これらの例とその
製造方法については特開昭62−256219号に詳細
に記載されている。以上の樹脂は単独または組合せて使
用できるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化
ビニル酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルビニルア
ルコール樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共
重合体、ニトロセルロースの群から選ばれる少なくとも
1種とポリウレタン樹脂の組合せ、またはこれらにポリ
イソシアネートを組合せたものがあげられる。
【0068】ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポ
リウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテル
ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレ
タン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポ
リカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用で
きる。ここに示したすべての結合剤について、より優れ
た分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、COO
M、SO3 M、OSO3 M、P=O(OM)2 、O−P
=O(OM)2 、(以上につきMは水素原子、またはア
ルカリ金属)、OH、NR2 、N+ 3 、(Rは炭化水
素基)、エポキシ基、SH、CN、などから選ばれる少
なくとも一つ以上の極性基を共重合または付加反応で導
入したものを用いることが好ましい。このような極性基
の量は10-1〜10-8モル/gであり、好ましくは10
-2〜10-6モル/gである。
【0069】本発明に用いられるこれらの結合剤の具体
的な例としてはユニオンカーバイト社製:VAGH、V
YHH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、V
YES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、P
KHH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工業
社製:MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TA
L、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、
MPR−TM、MPR−TAO、電気化学社製:100
0W、DX80、DX81、DX82、DX83、10
0FD、日本ゼオン社製:MR105、MR110、M
R100、400X110A、日本ポリウレタン社製:
ニッポランN2301、N2302、N2304、大日
本インキ社製:パンデックスT−5105、T−R30
80、T−5201、バーノックD−400、D−21
0−80、クリスボン6109、7209、東洋紡社
製:バイロンUR8200、UR8300、UR860
0、UR5500、UR4300、RV530、RV2
80、大日精化社製:ダイフエラミン4020、502
0、5100、5300、9020、9022、702
0、三菱化成社製:MX5004、三洋化成社製:サン
プレンSP−150、旭化成社製:サランF310、F
210などがあげられる。
【0070】本発明の磁性層に用いられる結合剤は強磁
性粉末に対し、また非磁性層に用いられる結合剤は非磁
性粉末に対し、5〜50重量%の範囲、好ましくは10
〜30重量%の範囲で用いられる。塩化ビニル系樹脂を
用いる場合は、5〜100重量%、ポリウレタン樹脂を
用いる場合は2〜50重量%、ポリイソシアネートは2
〜100重量%の範囲でこれらを組合せて用いるのが好
ましい。
【0071】本発明において、ポリウレタン樹脂を用い
る場合はガラス転移温度が−50〜100℃、破断伸び
が100〜2000%、破断応力は0.05〜10Kg
/cm2 、降伏点は0.05〜10Kg/cm2 が好ま
しい。本発明の磁気記録ディスクは基本的には非磁性層
と磁性層の二層からなるが、非磁性層、上層を各々複数
の層で形成してもかまわない。ここで、各層の塗布液組
成は、同一でも異なってもよく、粉体の種類、サイズ等
を種々選択できる。これら各層塗布液のウエット・オン
・ウエット塗布方式による塗布法は、基本的には前記し
た方法を準用すればよい。
【0072】従って、結合剤量、結合剤中に占める塩化
ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネー
ト、あるいはそれ以外の樹脂の量、磁性層を形成する各
樹脂の分子量、極性基量、あるいは先に述べた樹脂の物
理特性などを必要に応じ各層塗布液で変えることはもち
ろん可能である。本発明に用いるポリイソシアネートと
しては、トリレンジイソシアネート、4−4′−ジフエ
ニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−
1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、トリフエニルメタ
ントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、こ
れらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、
また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイ
ソシアネート等を使用することができる。これらのイソ
シアネート類の市販されている商品名としては、日本ポ
リウレタン社製:コロネートL、コロネートHL、コロ
ネート2030、コロネート2031、ミリオネートM
R、ミリオネートMTL、武田薬品社製:タケネートD
−102、タケネートD−110N、タケネートD−2
00、タケネートD−202、住友バイエル社製:デス
モジュールL、デスモジュールIL、デスモジュール
N、デスモジュールHL等があり、これらを単独または
硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合
せで各層に用いることができる。
【0073】本発明の磁性層あるいは非磁性層に用いら
れる研磨剤としては、α化率90%以上のα−アルミ
ナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリ
ウム、α−酸化鉄、コランダム、人造コランダム、エメ
リー(主成分:コランダムと磁鉄鉱)、人造ダイアモン
ド、窒化珪素、炭化珪素、チタンカーバイト、酸化チタ
ン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモース硬度
5以上の公知の材料が単独または組合せで使用される。
また、これらの研磨剤どうしの複合体(研磨剤を他の研
磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。これらの
研磨剤には主成分以外の化合物または元素が含まれる場
合もあるが主成分が90%以上であれば効果にかわりは
ない。
【0074】これら研磨剤の平均粒径は0.05〜2μ
mび大きさのものが効果があり、好ましくは0.2〜
1.0μmである。特に磁性層に使用する場合は少なく
とも0.5μmが好ましい。必要に応じて粒子サイズの
異なる研磨剤を組合せたり、単独の研磨剤でも粒径分布
を広くして同様の効果をもたせることもできる。タップ
密度は0.3〜2g/cc、含水率は0.1〜5%、p
Hは2〜11、比表面積は1〜30m2 /g、が好まし
い。本発明に用いられる研磨剤の形状は針状、球状、サ
イコロ状、のいずれでも良い。
【0075】これら研磨剤は非磁性層の非磁性粉末もし
くは磁性層の強磁性粉末の100重量部に対して3〜2
0重量部の範囲で添加される。3重量部より少ないと十
分な耐久性が得られず、又20重量部より多すぎると充
填度が減少し、十分な出力が得られない。これら研磨剤
は、非磁性層においては、含有する非磁性粉末の量、種
類、磁性層のおいては上層及び下層の強磁性粉末の量、
種類に応じてその組合せを変え、目的に応じて使い分け
ることはもちろん可能である。例えば、磁性層表面の耐
久性を向上させる場合は、非磁性層の研磨剤量を多くす
る、磁性層端面の耐久性を向上させる場合は磁性層の研
磨剤量を多くするなどの工夫を行うことができる。これ
らの研磨剤はあらかじめ結合剤で分散処理したのち磁性
塗料、非磁性塗料中に添加してもかまわない。本発明の
磁気記録ディスクの磁性層表面および磁性層端面に存在
する研磨剤は5個/100μm2 以上が好ましい。
【0076】本発明に用いられる研磨剤の具体的な例と
しては、住友化学社製:AKP−20,AKP−30,
AKP−50,HIT−50、日本化学工業社製:G
5,G7,S−1、戸田工業社製:TF−100、TF
−140、100ED、140EDなどがあげられる。
本発明に使用する分散剤(顔料湿潤剤)としては、カプ
リル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エラ
イジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸等
の炭素数12〜18個の脂肪酸(R1 COOH、R1
炭素数11〜17個のアルキルまたはアルケニル基);
前記の脂肪酸のアルカリ金属(Li、Na、K等)また
はアルカリ土類金属(Mg、Ca、Ba)からなる金属
石鹸;前記の脂肪酸エステルの弗素を含有した化合物;
前記脂肪酸のアミド;ポリアリキレンオキサイドアルキ
ルリン酸エステル;レシチン;トリアルキルポリオレフ
ィンオキシ第4級アンモニウム塩(アルキルは炭素数1
〜5個、オレフィンはエチレン、プロピレン等);等が
使用される。この他に炭素数12以上の高級アルコー
ル、及びこれらの他に硫酸エステル等も使用可能であ
る。これらの分散剤は縮合剤樹脂100重量部に対して
0.5〜20重量部の範囲で添加される。
【0077】潤滑剤としては、ジアルキルポリシロキサ
ン(アルキルは炭素数1〜5個)、ジアルコキシポリシ
ロキサン(アルコキシ基は炭素数1〜4個)、モノアル
キルモノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭素数
1〜5個、アルコキシ基は炭素数1〜4個)、フェニル
ポリシロキサン、フロロアルキルポリシロキサン(アル
キル基は炭素数1〜5個)などのシリコンオイル;グラ
ファイト等の導電性微粉末;二硫化モリブデン、二硫化
タングステン等の無機粉末;ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエチレン塩化ビニル共重合体、ポリテトラフ
ルオロエチレン等のプラスチック微粉末;α−オレフィ
ン重合物;常温で液状の不飽和脂肪族炭化水素(n−オ
レフィン二重結合が末端の炭素に結合した化合物、炭素
数約20);炭素数12〜20個の一塩基性脂肪酸と炭
素数3〜12個の一価のアルコールから成る脂肪酸エス
テル類、フルオロカーボン類等は使用できる。
【0078】中でも脂肪酸エステルが最も好ましい。脂
肪酸エステルの原料となるアルコールとしては、エタノ
ール、ブタノール、フェノール、ベンジルアルコール、
2−メチルブチルアルコール、2−ヘキシルデシルアル
コール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、s−ブチルアルコール等のモノアル
コール類、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ソルビタン
誘導体等の多価アルコールが挙げられる。
【0079】同じく脂肪酸としては、酢酸、プロピオン
酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン
酸、アラキン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン
酸、エライジン酸、パルミトレイン酸等の脂肪族カルボ
ン酸またはこれらの混合物が挙げられる。脂肪酸エステ
ルとしての具体例は、ブチルステアレート、s−ブチル
ステアレート、イソプロピルステアレート、ブチルオレ
エート、アミルステアレート、3−メチルブチルステア
レート、2−エチルヘキシルステアレート、2−ヘキシ
ルデシルステアレート、ブチルパルミテート、2−エチ
ルヘキシルミリステート、ブチルステアレートとブチル
パルミテートの混合物、ブトキシエチルステアレート、
2−ブトキシ−1−プロピルステアレート、ジプロピレ
ングリコールモノブチルエ−テルをステアリン酸でアシ
ル化したもの、ジエチレングリコールジパルミテート、
ヘキサメチレンジオールをミリスチン酸でアシル化して
ジエステルとしたもの、グリセリンのオレエート等の種
々のエステル化合物を挙げることができる。
【0080】さらに、磁気記録ディスクを高湿度下で使
用する時、しばしば生ずる脂肪酸エステルの加水分解を
軽減すために、原料の脂肪酸及びアルコールの分岐/直
鎖、シス/トランス等の異性構造、分岐位置を選択する
ことがなされる。潤滑剤としては、更に以下の化合物を
使用することもできる。即ち、シリコンオイル、グラフ
アイト、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、
フッ素アルコール、ポリオレフィン、ポリグリコール、
アルキル燐酸エステル、二硫化タングステン等である。
【0081】 これらの潤滑剤は、非磁性層の非磁性粉
末もしくは磁性層の強磁性粉末の100重量部に対して
0.2〜20重量部の範囲で添加される。 本発明で使
用されるこれらの潤滑剤等は磁性層、非磁性層でその種
類、量を必要に応じ使い分けることができる。例えば、
各層で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを
制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へ
のにじみ出しを制御する、潤滑剤の添加量を非磁性層で
多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられ、無論こ
こに示した例のみに限られるものではない。
【0082】また本発明で用いられる添加剤のすべてま
たはその一部は、磁性塗料製造のどの工程で添加しても
かまわない、例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合す
る場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添
加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加す
る場合、塗布直前に添加する場合などがある。本発明で
使用されるこれら潤滑剤の商品例としては、日本油脂社
製:NAA−102,NAA−415,NAA−31
2,NAA−160,NAA−180,NAA−17
4,NAA−175,NAA−222,NAA−34,
NAA−35,NAA−171,NAA−122,NA
A−142,NAA−160,NAA−173K,ヒマ
シ硬化脂肪酸,NAA−42,NAA−44,カチオン
SA,カチオンMA,カチオンAB,カチオンBB,ナ
イミーンL−201,ナイミーンL−202,ナイミー
ンS−202,ノニオンE−208,ノニオンP−20
8,ノニオンS−207,ノニオンK−204,ノニオ
ンNS−202,ノニオンNS−210,ノニオンHS
−206,ノニオンL−2,ノニオンS−2,ノニオン
S−4,ノニオンO−2,ノニオンLP−20R,ノニ
オンPP−40R,ノニオンSP−60R,ノニオンO
P−80R,ノニオンOP−85R,ノニオンLT−2
21,ノニオンST−221,ノニオンOT−221,
モノグリMB,ノニオンDS−60,アノンBF,アノ
ンLG,ブチルステアレート,ブチルラウレート,エル
カ酸、関東化学社製:オレイン酸、竹本油脂社製:FA
L−205,FAL−123、新日本理化社製:エヌジ
エルブLO,エヌジョルブIPM,サンソサイザーE4
030、信越化学社製:TA−3,KF−96,KF−
96L,KF−96H,KF410,KF420,KF
965,KF54,KF50,KF56,KF−90
7,KF−851,X−22−819,X−22−82
2,KF−905,KF−700,KF−393,KF
−857,KF−860,KF−865,X−22−9
80,KF−101,KF−102,KF−103,X
−22−3710,X−22−3715,KF−91
0,KF−3935、ライオンアーマー社製:アーマイ
ドP,アーマイドC,アーモスリップCP、ライオン油
脂社製:デュオミンTDO、日清製油社製:BA−41
G、三洋化成社製:プロフアン2012E,ニューポー
ルPE61,イオネットMS−400,イオネットMO
−200,イオネットDL−200,イオネットDS−
300,イオネットDS−1000,イオネットDO−
200などがあげられる。
【0083】本発明に用いられる非磁性支持体は、可撓
性でバランスタイプの支持体が好ましく、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート、等のポリ
エステル類、ポリオレフイン類、セルローストリアセテ
ート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポ
リアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、アラミド、芳香族ポリアミド、シンジオタクチック
ポリスチレンなどの公知のフイルムが使用できる。一般
的にはポリエチレンテレフタレートが好ましい。非磁性
支持体の厚味は、ヤング率により異なるが、一般には1
0〜100μmが適し、好ましくは30〜80μmであ
り、高記録密度として更に好ましくは50〜75μmで
ある。これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、
プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理、などを
おこなっても良い。 本発明の目的を達成するには、非
磁性支持体として中心線平均表面粗さ(Ra)(カット
オフ値 0.25mm)が0.03μm以下、好ましく
は0.02μm以下、さらに好ましくは0.01μm以
下のものを使用するのが望ましい。また、これらの非磁
性支持体は単に中心線平均表面粗さが小さいだけではな
く、1μm以上の粗大突起がないことが好ましい。ま
た、表面の粗さ形状は、必要に応じて支持体に添加され
るフィラーの大きさと量により自由にコントロールされ
るものである。これらのフィラーとしては一例としては
Ca、Si、Tiなどの酸化物や炭酸塩の他、アクリル
系などの有機微粉末が挙げられる。
【0084】本発明に用いられる非磁性支持体のウエブ
走行方向(長手方向)のF−5値は好ましくは5〜50
Kg/mm2 、ウエブ幅方向のF−5値は好ましくは3
〜30Kg/mm2 であり、ウエブ長手方向のF−5値
がウエブ幅方向のF−5値より高いのが、一般的である
が、特に幅方向の強度を高くする必要があるときはその
限りでない。
【0085】 また、本磁気記録ディスクの厚味構成
は、非磁性支持体が好ましくは30〜80μm、非磁性
層が0.5〜10μm、磁性層が0.01〜0.5μ
ある。また、非磁性支持体と非磁性層の間に密着性向
上のための下塗り層を設けてもかまわない。この厚味は
0.01〜2μm、好ましくは0.05〜0.5μmで
ある。また、非磁性支持体の磁性層側と反対側にバック
コート層を設けてもかまわない。この厚みは0.1〜2
μm、好ましくは0.3〜1.0μmである。これらの
下塗り層、バックコート層は公知のものが使用できる。
本発明磁気記録ディスクは、両面もしくは片面に磁性層
を設けることができる。また、磁性層表面に樹脂および
/または潤滑剤の層を保護層として設けてもよい。
【0086】また、非磁性支持体のウエブ走行方向およ
び幅方向の100℃30分での熱収縮率は好ましくは3
%以下、さらに好ましくは1.5%以下、80℃30分
での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましくは
0.5%以下である。破断強度は両方向とも5〜100
Kg/mm2 、弾性率は100〜2000Kg/mm2
が好ましい。
【0087】本発明の磁気記録ディスクの磁性層塗布
液、非磁性層塗布液を製造する工程は、少なくとも混練
工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応
じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2
段階以上にわかれていてもかまわない。本発明に使用す
る強磁性粉末、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラッ
ク、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原
料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわな
い。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加
してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、
分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割し
て投入してもよい。
【0088】各塗布液の混練分散に当たっては、各種の
混練機が使用される。例えば、二本ロールミル、三本ロ
ールミル、ボールミル、ペブルミル、トロンミル、サン
ドグラインダー、ゼグバリ(Szegvari)、アト
ライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、
高速衝撃ミル、ディスパー、ニーダー、高速ミキサー、
ホモジナイザー、超音波分散機などを用いることができ
る。
【0089】本発明の目的を達成するためには、従来の
公知の製造技術を一部の工程として用いることができる
ことはもちろんであるが、混練工程では連続ニーダや加
圧ニーダなど強い混練力をもつものを使用することによ
り本発明の磁気記録ディスクの高いBrを得ることがで
きる。連続ニーダまたは加圧ニーダを用いる場合は強磁
性粉末と結合剤のすべてまたはその一部(ただし全結合
剤の30重量%以上が好ましい)および強磁性粉末10
0部に対し15〜500部の範囲で混練処理される。こ
れらの混練処理の詳細については特開平1−10633
8号、特開昭64−79274号に記載されている。ま
た、非磁性層塗布液を調製する場合には高比重の分散メ
ディアを用いることが望ましく、ジルコニアビーズ、金
属ビーズが好適である。
【0090】本発明では、特開昭62−212933号
に示されるような同時重層塗布方式を用いることによ
り、より効率的に生産することができる。ウエット・オ
ン・ウエット塗布により非磁性支持体に塗設された非磁
性層及び磁性層は、配向処理、乾燥工程を経て、カレン
ダー処理されることが好ましい。カレンダ処理ロールと
してエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドア
ミド等の耐熱性のあるプラスチックロールを使用する。
また、金属ロール同志で処理することもできる。処理温
度は、好ましくは70℃以上、さらに好ましくは80℃
以上である。線圧力は好ましくは200kg/cm、さ
らに好ましくは300kg/cm以上である。
【0091】磁性層の0.5%伸びでの弾性率は走行方
向、幅方向とも好ましくは100〜2000Kg/mm
2 、破断強度は好ましくは1〜30Kg/cm2 、磁気
記録ディスクの弾性率は走行方向、幅方向とも好ましく
は100〜1500Kg/mm2 、残留のびは好ましく
は0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収
縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%
以下、もっとも好ましくは0.1%以下である。
【0092】磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは
100mg/m2 以下、さらに好ましくは10mg/m
2 以下であり、磁性層に含まれる残留溶媒が非磁性層に
含まれる残留溶媒より少ないほうが好ましい。磁性層、
非磁性層が有する空隙率は、ともに好ましくは30容量
%以下、さらに好ましくは10容量%以下である。非磁
性層の空隙率が磁性層の空隙率より大きいほうが好まし
いが、非磁性層の空隙率が5%以上であれば小さくても
かまわない。
【0093】本発明の磁気記録ディスクは、複数層を有
するが、目的に応じ各層でこれらの物理特性を変えるこ
とができるのは容易に推定されることである。例えば、
非磁性層の弾性率を磁性層の弾性率よりも高くして、磁
気記録ディスクに対する磁気ヘッド当たりを改善するこ
と、非磁性層及び磁性層ともにその弾性率を高くして、
走行耐久性を向上させること等の効果が容易に予測でき
る。
【0094】ウエット・オン・ウエット塗布方式によ
り、支持体上に塗布された磁性層は、必要により層中の
強磁性粉末を配向させる処理を施したのち、形成した磁
性層を乾燥する。又、必要により表面平滑化加工を施し
たり、所望の形状に裁断したりして、本発明の磁気記録
媒体を製造する。本発明磁気記録ディスクは、高密度の
磁気記録が可能であり、特に、コンピューター情報を保
存・読み出しに使用されるディジタルデータ記録媒体に
必須の重ね書き特性、再生出力等の電磁変換特性が、例
えば、最短記録波長が1.5μm以下であるような高密
度記録になっても低下せず且つ安定して得られ、しかも
走行耐久性も低下しないという利点を有する。
【0095】また、記録波長が短波長化した場合だけで
なく、トラック密度が高くなった場合にも本発明の磁気
記録ディスクを使用することにより、信号のクロストー
クが少なく、ピークシフトの分離性に優れた記録ができ
る。そのため、記録トラック幅が50μm以下、トラッ
ク密度14トラック/mm以上の条件で、最短記録波長
が1.5μm以下の記録をしても重ね書き適性に優れ、
走行耐久性も良好な記録・再生が可能である。
【0096】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。ここに示す成分、割合、操作順序等は、本発明
の精神から逸脱しない範囲において変更しうるものであ
ることは本業界に携わるものにとっては容易に理解され
ることである。従って、本発明は下記の実施例に制限さ
れるべきではない。尚、「部」とあるのは全て「重量
部」のことである。
【0097】実施例1 以下の処方で非磁性層塗布液及び磁性層塗布液を調製し
た。 非磁性層塗料 非磁性無機質粉末 80部 粒状TiO2 (石原産業社製 TY50) 平均粒径 0.34μm BET法による比表面積 5.9 m2 /g pH 5.9 カーボンブラック 20部 平均粒径 16mμ DBP吸油量 80mL/100g pH 8.0 BET法による比表面積 250m2 /g 揮発分 1.5重量% 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール系共重合体 14部 −N(CH3 3 + Cl- 基 5×10-6eq/g含有 組成比 86:13:1 重合度400 ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 −SO3 Na基 1×10-4eq/g含有 sec−ブチルステアレート 4部 2−ブトキシ−1−エチルステアレート 3部 オレイン酸 1部 シクロヘキサノン 400部 磁性層塗料 強磁性金属微粉末 100部 組成 Fe/Ni=96/4 Hc 1600Oe、BET法による比表面積 58m2 /g 結晶子サイズ 195Å 平均粒径(長軸長) 0.20μm、針状比 10 飽和磁化( σS ) 130emu/g 塩化ビニル系共重合体 14部 −SO3 Na基 1×10-4eq/g含有 重合度:300 ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 −SO3 Na基 1×10-4eq/g含有 α−アルミナ(平均粒径 0.2μm、最大0.42μm) 2部 カーボンブラック 0.5部 (平均粒径 0.10μm、最大0.25μm) イソヘキサデシルステアレート 6部 オレイン酸 1部 メチルエチルケトン 300部 上記2つの塗料のそれぞれについて、各成分を連続ニー
ダーで混練したのち、サンドミルを用いて分散させた。
得られた分散液にポリイソシアネート(「コロネート
L」)を非磁性層塗料には10部、磁性層塗料には12
部を加え、さらにそれぞれに酢酸ブチル40部を加え、
1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、
非磁性層塗布液及び磁性層塗布液を夫々調製した。2液
の粘度は非磁性層塗布液が150センチポイズ、磁性層
塗布液が185センチポイズであった(回転粘度計で測
定)。
【0098】得られた非磁性層塗布液を乾燥後の厚さが
2μmになるように、その直後にその上に磁性層の厚さ
が0.45μmになるように、厚さ62μmで中心平均
表面粗さが0.01μmのポリエチレンテレフタレート
支持体上に150m/分の速度でウエット・オン・ウエ
ット塗布方式である湿式同時重層塗布をおこない、両層
がまだ湿潤状態にあるうちに周波数50Hz、磁場強度
200ガウスまた周波数50Hz、120ガウスの2つ
の磁場強度交流磁場発生装置の中を通過され、ランダム
配向処理を行い、25℃、40℃、60℃、80℃、1
00℃に8秒間、120℃に3秒間乾燥後、7段のカレ
ンダ装置で温度90℃、線圧 300Kg/cmにて処
理を行い、3.5インチサイズに打ち抜き表面研磨処理
を施した後、ライナーが内側に設置済みの3.5インチ
カートリッジに入れ、直径が29mm径のセンターコア
を使用し、そのほかは所定の機構部品を付加し、3.5
インチフロッピーディスクを得た。
【0099】実施例2 実施例1の磁性層塗料を下記組成に替え、以下に示す方
法で3.5インチフロッピーディスクを得た。 磁性層塗料 強磁性六方晶系フェライト粉末 100部 Hc 1400Oe、BET法による比表面積 45m2 /g 平均粒径(板径) 0.06μm、板状比 5.2 飽和磁化( σS ) 65emu/g 塩化ビニル系共重合体 12部 −SO3 Na基 1×10-4eq/g含有 ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 −SO3 Na基 1×10-4eq/g含有 カーボンブラック 0.5部 平均粒径 0.10μm、最大0.25μm α−アルミナ 10部 平均粒径 0.2μm、最大0.42μm、 比表面積 7.5m2 /g イソヘキサデシルステアレート 6部 オレイン酸 2部 メチルエチルケトン 400部 実施例1の非磁性層塗料と上記磁性層塗料の2つの塗料
のそれぞれについて、各成分を連続ニーダーで混練した
のち、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液
にポリイソシアネート(「コロネートL」)を非磁性層
塗料には10部、磁性層塗料には9部を加え、さらにそ
れぞれに酢酸ブチル40部を加え、1μmの平均孔径を
有するフィルターを用いて濾過し、非磁性層塗布液及び
磁性層塗布液を夫々調製した。この時の磁性層塗布液の
粘度は200センチポイズであった。
【0100】得られた非磁性層塗布液を乾燥後の厚さが
2μmになるように、その直後にその上に磁性層の厚さ
が0.45μmになるように、厚さ62μmで中心平均
表面粗さが0.01μmのポリエチレンテレフタレート
支持体上に150m/分の速度でウエット・オン・ウエ
ット塗布方式である湿式同時重層塗布をおこない、両層
がまだ湿潤状態にあるうちに塗布面に対し垂直方向に、
垂直面上で3000Gになるように永久磁石を上下に設
置し、その間を通過させ垂直配向を行い、25℃、40
℃、60℃、80℃、100℃に8秒間、120℃に3
秒間乾燥後、7段のカレンダ装置で温度90℃、線圧
300Kg/cmにて処理を行い、3.5インチサイズ
に打ち抜き表面研磨処理を施した後、ライナーが内側に
設置済みの3.5インチカートリッジに入れ、直径が2
9mm径のセンターコアを使用し、そのほかは所定の機
構部品を付加し、3.5インチフロッピーディスクを得
た。
【0101】 実施例3 実施例1の非磁性層塗布液のカーボンブラック0部を
5部、シクロヘキサノン400部を350部に替えた以
外は実施例1と同一条件で3.5インチフロッピーディ
スクを作成した。 実施例4 実施例1の非磁性層塗布液のカーボンブラック0部を
5部、シクロヘキサノン400部を350部に替えた以
外は実施例2と同一条件で3.5インチフロッピーディ
スクを作成した。
【0102】比較例1 実施例1の乾燥条件を100℃、40秒間、120℃、
3秒間に替えた以外は実施例1と同一条件で3.5イン
チフロッピーディスクを作成した。 比較例2 実施例2の乾燥条件を100℃、40秒間、120℃、
3秒間に替えた以外は実施例2と同一条件で3.5イン
チフロッピーディスクを作成した。
【0103】比較例3 実施例1の非磁性層塗布液のシクロヘキサノンをメチル
エチルケトンに替えた以外は、実施例1と同一条件で
3.5インチフロッピーディスクを作成した。 比較例4 実施例2の非磁性層塗布液のシクロヘキサノンをメチル
エチルケトンに替えた以外は、実施例2と同一条件で
3.5インチフロッピーディスクを作成した。
【0104】比較例5 実施例1の非磁性層塗布液のシクロヘキサノン400部
を750部に替えた。この時の粘度は10センチポイズ
であった。それ以外は、実施例1と同一条件で3.5イ
ンチフロッピーディスクを作成した。 比較例6 実施例2の磁性層塗布液のメチルエチルケトン400部
を750部に替えた。この時の粘度は25センチポイズ
であった。それ以外は、実施例2と同一条件で3.5イ
ンチフロッピーディスクを作成した。
【0105】比較例7 実施例1の磁性層塗布液のα−アルミナ(平均粒径0.
2μm、最大0.42μm)2部をα−アルミナ(平均
粒径0.4μm、最大0.9μm)2部に替えた以外は
実施例1と同一条件で3.5インチフロッピーディスク
を作成した。 比較例8 実施例3の非磁性層組成を使用し、乾燥条件は比較例1
の条件とし、それ以外は実施例1と同一条件で3.5イ
ンチフロッピーディスクを作成した。
【0106】比較例9 実施例1の磁性層平均厚味を0.9μmとした以外は、
実施例1と同一条件で3.5インチフロッピーディスク
を作成した。 比較例10 実施例2の磁性層平均厚味を0.9μmとした以外は、
実施例2と同一条件で3.5インチフロッピーディスク
を作成した。
【0107】このようにして得られたフロッピーディス
クの各試料は、下記の評価方法で測定した。 1.配向度比:振動試料型磁束計(東英工業社製)を使
用し、Hm10KOeの磁場をかけ測定サンプルを10
度おきに0度〜360度まで磁場を回転させ角型比を求
め、その角型比の最小値を最大値で割った値を算出し配
向度とした。
【0108】2.再生出力の測定:再生出力の測定は、
東京エンジニアリング製ディスク試験装置SK606B
型を用いギャップ長0.45μmのメタルインギャップ
ヘッドを用い、それぞれ記録周波数を625kHzで半
径24.6mmの位置において、記録した後、ヘッド増
幅機の再生出力をテクトロニクス社製オシロスコープ7
633型で測定した。再生出力の平均値、最大値、及び
最小値はJIS−X6221の測定法で算出した。再生
出力は、実施例3、比較例1、比較例3、比較例5、比
較例7、比較例8、比較例9では、実施例1の再生出力
を100として相対値として記載した。また実施例4、
比較例2、比較例4、比較例6、比較例10は、実施例
2の再生出力を100として相対値として記載した。
【0109】3.オーバーライト(重ね書き):重ね書
き特性は上記の試験装置にアドバンテスト社製TR41
71型スペクトラムアナライザゲートオプション付きを
用いて、1周周期を72分割したそれぞれのウインドウ
を設け、このウインドウの位置に相当する媒体上の測定
トラックを72分割したそれぞれの場所の再生信号スペ
クトラムを測定できる様にした。この測定装置を用い3
9.5mmの位置で、交流消磁済みサンプルに312.
5kHz記録し、それぞれのウインドウにおける31
2.5kHz成分の出力01−1(dB)から01−7
2(dB)を測定した後、直ちに1MHzを重ね書き
し、その時のそれぞれのウインドウにおける312.5
kHz成分の出力02−1(dB)より01−72(d
B)を測定した後、それぞれの場所の重ね書き02−J
−01−J(dB)(Jは1〜72)を求めた。これら
72点の重ね書きの最大、最小、平均を求めた。この値
は、通常、−30dB以下が実用的範囲である。
【0110】4.磁性層表面電気抵抗(Ω/sq):タ
ケダ理研社製、TR−8611A(デジタル超絶縁抵抗
計)を使用し、JISX6101.9.4に記載されて
いる方法にて測定した。 5.走行耐久性:日本電気社製フロッピーディスクドラ
イブFD1331型を用い、記録周波数625kHzで
全240トラックに記録した後、半径が中心から37.
25mmの位置において表1に記載のサーモサイクルフ
ローを1サイクルとするサーモサイクル試験を実施し
た。このサーモ条件下において、パス回数で1200万
回まで走行させたときの走行状態をもって、走行耐久性
を評価した。
【0111】6.磁性層厚味:3.5インチフロッピー
ディスクサンプルの半径21mmから40mmの部分を
前記測定法に従って円周方向に10箇所測定し、平均厚
味T0 、最大厚味Tmax 及び最小厚味Tmin を求めた。
また。前記式(a)および(b)からT0 からの厚味変
動ΔTmax およびΔTmin を求めた。尚、非磁性層塗布
液および磁性層塗布液の粘度は、単一円筒型回転粘度計
(芝浦システム社製VH−H1)にて23℃、50%R
Hの条件で測定した。
【0112】
【表1】
【0113】以上の評価方法で得られた実施例、比較例
のそれぞれの特性値の評価結果を表2に示した。
【0114】
【表2】
【0115】本発明の実施例1〜4は、磁性層の平均厚
味が0.5μm以下でかつΔTmaxおよびΔTmin で表
される厚味変動が絶対値で15%以内であるために安定
した再生出力、オーバーライト特性、及び配向度比の電
磁変換特性を示し、しかも実施例1及び2は更に走行耐
久性も優れる。一方、比較例1〜8は何れも磁性層の平
均厚味は0.5μm以下であるが、ΔTmax およびΔT
min で表される厚味変動が絶対値で15%を上回るため
磁性層厚味の変動が大きいために再生出力、オーバーラ
イト特性の安定性が劣る。
【0116】比較例1、2及び8は、ウエット・オン・
ウエット塗布後の乾燥工程において、実施例と異なり室
温からの乾燥を行わず、はじめから高温で乾燥した例で
あり、磁性層の厚味変動が大きい。比較例3及び4は、
非磁性層塗布液の沸点の高い溶剤(シクロヘキサノン、
沸点156℃)を沸点の低い溶剤(メチルエチルケト
ン、沸点79℃)に変更した例であり、やはり磁性層の
厚味変動が大きい。
【0117】比較例5及び6は、非磁性層塗布液と磁性
層塗布液の粘度差が、−140ポイズ、−125ポイズ
と大きいために非磁性層と磁性層の界面変動が大きい。
比較例7は、磁性層組成のα−アルミナのサイズを大き
くした例である。比較例9および10は、磁性層の平均
厚味を0.91μm、0.89μmにした例であり、オ
ーバーライト特性が極めて劣る。
【0118】
【発明の効果】本発明は、好ましくは、非磁性支持体上
に非磁性粉末を結合剤中に分散させた非磁性層と該非磁
性層が湿潤状態にあるうちにその上に強磁性粉末を結合
剤中に分散した磁性層を設けてなる磁気記録ディスクで
あって、非磁性層は非磁性粉末として少なくとも導電性
粉末を含み、磁性層の平均厚味が0.5μm以下で、磁
性層最大最小厚味が平均厚味の±15%以内である磁気
記録媒体であり、これにより、オーバーライト特性の良
好な、しかも出力の安定した高耐久性媒体を得ることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−73883(JP,A) 特開 平5−143965(JP,A) 特開 平5−182173(JP,A) 特開 昭61−220125(JP,A) 特開 平3−292618(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に非磁性粉末及び結合剤
    樹脂を主体とする非磁性層並びに強磁性粉末及び結合剤
    樹脂を主体とする磁性層が、この順で形成されてなる磁
    気記録ディスクにおいて、前記磁性層は、非磁性層塗布
    液の塗布層が湿潤状態にあるうちに磁性層塗布液をその
    上に塗布することにより形成されたものであり、前記磁
    性層の厚さは、その平均厚味が0.5μm以下であっ
    て、最大厚味と最小厚味は前記平均厚味の±15%以内
    にあることを特徴とする磁気記録ディスク。
  2. 【請求項2】 前記非磁性粉末の少なくとも一部は導電
    性粉末である請求項1に記載の磁気記録ディスク。
  3. 【請求項3】 前記強磁性粉末は、強磁性金属粉末もし
    くは六方晶系フェライト粉末である請求項1または請求
    項2に記載の磁気記録ディスク。
  4. 【請求項4】 前記磁気記録ディスクの表面電気抵抗が
    5×109 Ω/sq以下であることを特徴とする請求項
    1〜請求項3のいずれか1項に記載の磁気記録ディス
    ク。
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