JP2566070B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JP2566070B2 JP3121875A JP12187591A JP2566070B2 JP 2566070 B2 JP2566070 B2 JP 2566070B2 JP 3121875 A JP3121875 A JP 3121875A JP 12187591 A JP12187591 A JP 12187591A JP 2566070 B2 JP2566070 B2 JP 2566070B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体の製造方
法、特に磁性層が好ましくは1.0μ以下の非常に薄層
な磁気記録媒体に関し、更に、詳しくは非常に電磁変換
特性に優れ、かつ歩留りが良好な生産特性の優れた磁気
記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビデオテープ、オーディオテー
プ、磁気ディスク等の磁気記録媒体としては、強磁性酸
化鉄、Co変性酸化鉄、CrO2 、強磁性合金粉末等を
結合剤中に分散した磁性層を非磁性支持体に塗設したも
のが広く用いられている。近年、記録の高密度化と共に
記録波長が短くなる傾向があり、磁性層の厚さが厚いと
出力が低下する等の記録再生時の厚み損失の問題が大き
くなっている。このため磁性層を薄くすることが行われ
ているが、磁性層を約2μm以下に薄くすると磁性層表
面に支持体の表面性の影響が現れ易くなり、電磁変換特
性が悪化する傾向があった。そのため、非磁性支持体表
面に非磁性の厚い下層を設けてから磁性層を上層に設け
ることにより、前記した支持体の表面粗さによる問題を
解消すると共に磁性層を薄層とすることによって、厚み
減磁を減らし高出力を達成しようとする試みが提案され
た。例えば、特開昭62−154225号公報では磁性
層の厚さを0.5μm以下にするとともに磁性層の表面
電気抵抗が高くなるのを防止するため、磁性層と基体と
の間に導電性微粉末を含む厚さが磁性層の厚さ以上の下
塗り層を設けた磁気記録媒体が提案されている。又、特
開昭62−222427号公報には支持体と支持体上に
設けられ、平均粒径が0.5〜3μmの研磨剤を含有す
る下塗り層と、下塗り層の上に設けられた強磁性粉末を
含有した膜厚1μm以下の磁性層を具備した磁気記録媒
体が提案されているが、これは下塗り層中の研磨剤の一
部分が磁性層に突き出しているので、磁気記録媒体の磁
気ヘッドクリーニング作用を併せ持つようにしたもので
ある。このように磁性層を薄くして高密度記録を達成
し、同時に下層非磁性層に帯電防止を図るため、カーボ
ンブラックを含めたり、クリニーング特性や耐久性を向
上するために研磨材を添加したりしている。しかしなが
ら、従来の技術は、非磁性支持体に先ず下層非磁性層を
塗布し、乾燥してから場合によって、カレンダー処理を
してから上層磁性層を設けているため、製造工程が煩雑
であると共に以下のような問題があった。即ち、磁性層
を薄層化するためには、塗布量を減らすことかもしくは
磁性塗布液に溶剤を多量に加えて濃度を薄くすることが
考えられる。前者を取る場合、塗布量を減らすと塗布後
に十分なレベリングの時間がなく、乾燥が始まるため
に、塗布欠陥、例えばスジや刻印のパターンが残るとい
った問題が発生し、歩留まりが非常に悪くなる。後者の
方法を取った場合、磁性塗布液の濃度が希薄であると、
できあがった塗膜に空隙が多く、十分な強磁性粉末の充
填度が得られないこと、また、空隙が多いために塗膜の
強度が不十分であること等、種々の弊害をもたらす。こ
れらの問題を解決する一つの手段に、特開昭63−19
1315号公報に記載されているように、同時重層塗布
方式を用いて下層に非磁性の層を設け、濃度の高い磁性
塗布液を薄く塗布する方法が提案された。この同時重層
塗布方式又は逐次湿潤塗布方式による場合、即ち下層が
湿潤状態にある間に上層を同時又は逐次に塗布するいわ
ゆるWet on Wet塗布方式の場合は、すでに重
層の磁性層では様々な検討が為されている。しかしなが
ら下層非磁性層にこの技術を応用しても同じように良好
な結果が得られなかった。つまり、Wet on We
tにより下層非磁性層と上層磁性層を設けると、これら
両者の界面において乱れが生じ、ピンホールが生じた
り、磁性層のハジキを生じたりした。そこで、本発明者
らは、これら下層非磁性層の組成とWet on We
tの塗布方式との関係について鋭意検討した結果、レオ
ロジー特性にポイントがあることを見出し本発明に至っ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、歩留
り良くかつ生産効率を確保して出力、C/N比等の電磁
変換特性の優れた薄層磁気記録媒体を製造する方法を
供することであり、またヘッド当りが良好でかつ保存安
定性が良好な薄層磁気記録媒体を製造する方法を提供す
ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、
(a)粉末と結合剤を含む下層非記録層形成用塗布液
と、強磁性粉末と結合剤を含む上層記録層用磁性塗布液
をそれぞれ調製し、非磁性支持体上に前記下層非記録層
形成用塗布液と前記上層記録層用磁性塗布液を塗布する
ことによる磁気記録媒体の製造方法において、前記下層
非記録層形成用塗布液はチキソトロピー性を持ち、剪断
速度10 4 sec -1 での剪断応力A10 4 と剪断速度1
0sec -1 での剪断応力A10との比A10 4 /A10
が100≧A10 4 /A10≧3であり、かつ前記非磁
性支持体上に前記下層非記録層形成用塗布液を塗布し、
得られた下層非記録層が湿潤状態のうちに、前記下層非
記録層形成用塗布液の塗布と同時又は逐次に、前記上層
記録層の乾燥厚みが1.0μm以下に前記上層記録層用
磁性塗布液を塗布することを特徴とする磁気記録媒体の
製造方法、 好ましくは、(b)前記上層記録層用の磁性塗布液が剪
断速度10 4 sec -1 での剪断応力A10 4 と剪断速度
10sec -1 での剪断応力A10との比A10 4 /A1
0が100≧A10 4 /A10≧3に調整した塗布液で
あることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の
製造方法 によって達成できる。
【0005】すなわち本発明は前記下層非記録層に用い
た前記粉末を結合剤に含む分散液と前記上層記録層に用
いた前記強磁性粉末を結合剤に分散させた磁性塗料が互
にチキソトロピー性を有することにより、Wet o
n Wetで両塗料を塗布した際に界面が乱れず、ピン
ホールやハジキも発生せず、ヘッド当たりも共に改良で
きることを見出したものである。
【0006】チキソトロピー性とはシキソトロピーとも
いい、応力による物体の軟化現象のうち回復を伴うもの
をいうが、物体のヒズミを増加させることによって、軟
化を起こすものである。磁性塗料は典型的なチキソトロ
ピー性を示し、例えば攪拌を与えると次第に内部構造が
破壊して軟化し、流動性を増すものである。磁性塗料を
非磁性支持体上に塗布し、磁場配向をすると、強磁性粉
末が回転するが、その時には内部構造を破壊されてかな
り流動性を増した状態になる。従来の下層非記録層の分
散液はチキソトロピー性を示さないか、またはあっても
非常に小さいかあるいはカーボンブラックを含む液の
如く極めて強いチキソトロピー性を示すものが用いられ
ていた。本発明者はこの両液のチキソトロピー性に着目
し、これらを同一か又は近似した値にすると驚くべきこ
とに界面での乱れが生じなかった。即ち、従来下層非記
録層のチキソトロピー性つまり粘弾性については全く着
目されず、又特にコントロールされていなかったが、こ
れを一定範囲に管理することによって本発明の効果が極
めて有効に発揮される。ここで、同一又は近似したチキ
ソトロピー性とは、Wet on Wet方式により下
層非記録層の分散液と上層記録層の磁性塗料が塗布され
た際にその界面において混合を生じない程度に両液のチ
キソトロピー性が近似していることをいう。
【0007】本発明で、前記粉末を結合剤中に分散して
なる分散液が、チキソトロピー性を持ち、剪断速度10
4 sec- 1 での剪断応力A104 と剪断速度10se
-1 での剪断応力 A10との比A104 /A10が
100≧A104 /A10≧3であることは、同一又は
近似したチキソトロピー性を更に具体的に示したもの
で、前記分散液のA104 /A10の比を一定の範囲に
することにより上層磁性塗料に対し近似したチキソトロ
ピー性を有し、界面での乱れが生じず、その結果ピンホ
ール、ハジキ等の問題が生じなかった。
【0008】このように本発明の基本思想は、下層非記
録層と上層記録層を各々レオロジー特性が特定された各
塗布液、下層非記録層にあっては該分散液、上層記録層
にあっては該磁性塗料は、塗設時に互いに同一もしくは
近似したチキソトロピー性を有しているように調製され
たものが使用されることを最大の特徴とするものであ
り、これにより塗布欠陥をなくし、歩留りを向上させ、
耐久性、出力向上等の電磁変換特性を改善することがで
きるものである。
【0009】また、下層非記録層形成のための該分散液
は、レオロジー特性、即ち、剪断速度104 sec- 1
での剪断応力 A104 と剪断速度10sec- 1 での
剪断応力 A10との比A104 /A10が100≧A
104 /A10≧3に調整される。従って、上層記録層
の磁性塗料のレオロジー特性も上記範囲を基準として考
えることができる。
【0010】ここで、剪断速度に対する剪断応力は、粘
度計、例えば、HAAKE社製Rotovisco 粘度計RV-II
等の同軸円筒型粘度計において測定され、剪断速度は内
筒と外筒との直径、クリアランスと回転数で決まる。剪
断速度とみかけ粘度と剪断応力には以下の関係がある。
【0011】A=η・D(A:剪断応力、η:粘度、
D:剪断速度) D=dv/dr(v:周速、r:半径) 従って、A10、A104 は、各々A=10η、A=1
4 ηを指すが、A104 /A10の比はチキソトロピ
ーの程度を表し、大きい程チキソトロピー性が小さく、
その比が小さい程チキソトロピー性が大きいことを示
す。従来、非磁性分散液では弱いチキソトロピー性しか
なく、A104 /A10が200〜500程度であっ
た。A104 /A10が大きいと分散液がニュートン流
体に近づき、上層を磁性層とする時の同時重層塗布が困
難になる。低すぎると、チキソトロピー性が強すぎて同
時重層塗布が可能な粘度と送液が可能な粘度との両立が
出来なくなる。このようなチキソトロピー性を有するた
めの具体的な手段としては以下の3つの手段がある。本
発明の磁気記録媒体の製造方法ではこの3つの手段に限
定されるものではなく、あくまでもその本質とするとこ
ろは前記分散液のチキソトロピー性を前記磁性塗料のチ
キソトロピー性と同一又は近似した値にすることであ
り、更に具体的にはA104 /A10を前記した値の範
囲とすることにあり、これらは単なる例示の手段に過ぎ
ない。
【0012】 粉末と結合剤を含む下層非記録層形成
用塗布液と、強磁性粉末と結合剤を含む上層記録層用磁
性塗布液をそれぞれ調製し、非磁性支持体上に前記下層
非記録層形成用塗布液と前記上層記録層用磁性塗布液を
塗布することによる磁気記録媒体の製造方法において、
前記下層非記録層形成用の塗布液の粉末が少なくともカ
ーボンブラックと前記下層非記録層の乾燥厚みより小さ
い平均一次粒子径の無機粉末を含みかつ前記下層非記録
層形成用塗布液と前記上層記録層用磁性塗布液に熱硬化
系ポリイソシアネートを結合剤中に10〜70重量%含
ませる。
【0013】 粉末と結合剤を含む下層非記録層形成
用塗布液と、強磁性粉末と結合剤を含む上層記録層用磁
性塗布液をそれぞれ調製し、非磁性支持体上に前記下層
非記録層形成用塗布液と前記上層記録層用磁性塗布液を
塗布することによる磁気記録媒体の製造方法において、
前記下層非記録層形成用塗布液の粉末が平均一次粒子径
0.08μm以下である非磁性無機粉末を含ませる。
お、本発明で下層に分散させる非磁性無機粉末または粉
末にはカーボンブラックは含まれない。
【0014】 粉末と結合剤を含む下層非記録層形成
用塗布液と、強磁性粉末と結合剤を含む上層記録層用磁
性塗布液をそれぞれ調製し、非磁性支持体上に前記下層
非記録層形成用塗布液と前記上層記録層用磁性塗布液を
塗布することによる磁気記録媒体の製造方法において、
前記下層非記録層の飽和最大磁束密度Bmが500ガウ
ス以下であるようにする。
【0015】即ち、記載の手段は、分散される粉末と
して、チキソトロピー性を大きく付与するカーボンブラ
ックとチキソトロピー性の付与性の小さな無機粉末を使
用することおよびポリイソシアネートを使用することに
より調製した分散液を使用するものである。これによ
り、上層記録層を薄層化すると共に歩留りを改善するこ
とができ、ポリイソシアネートを上層記録層および下層
非記録層に使用することによりヘッド当たりを良好に維
持し、高温高湿の保存性を確保すると共に適度な剛性と
可撓性を有する磁気記録媒体が得られ耐久性が向上す
る。
【0016】記載の手段は、分散される非金属無機粉
末の粒径を小さくすることにより分散液を調製すると共
にそのチキソトロピー性を調整したものを使用するもの
である。即ち、湿潤状態で、同時または逐次に塗布を行
うためには、上層記録層のレオロジー特性と下層非記録
層のレオロジー特性の組合せが重要である。磁性塗料は
強磁性粉末どうしの磁気的吸引力が働くために、磁性塗
料中で構造粘性を持つために非常に強いチキソトロピー
性を有する。それに対して下層非記録層用分散液は磁気
的な吸引力がないため、従来、弱いチキソトロピー性し
か有しなかった。この状態で同時重層塗布を行うと上層
記録層と下層非記録層とが界面付近で著しく混合した
り、また、塗布後配向する時に激しい凝集スジを発生
し、充分な表面性を得ることができなかった。しかし
て、この発明はこのような問題を解決するために平均
一次粒子径を0.08μm以下に特定した非金属無機粉
末を使用するものである。なお、本発明は、非金属無機
粉末を主体としてカーボンブラックを併用することもで
きる。
【0017】記載の手段は、下層非記録層の飽和最大
磁束密度Bmを30〜500ガウスにするものである
が、具体的にはA104 /A10を満足し、かつ磁気記
録が不可能で、かつ上層記録層に悪影響を与えないよう
な磁性粉末を用いてチキソトロピー性を調整した分散液
を使用するものである。即ち、下層非記録層を30〜5
00ガウスに設定するためには飽和磁化( σS ) が低い
磁性体を用いたり、下層非記録層における磁性体の充填
比率を減らした分散液を調製することにより達成され
る。
【0018】これら、〜の手段は、A104 /A1
0を前記範囲に調整するための好適な手段を示したもの
であるが、これらは、例えば、下記の因子とも互いに関
係(重複した記載も含む)があり、種々選定することに
より、所望のA104 /A10を有する分散液、磁性塗
料を得、ひいては所期の特性を有する磁気記録媒体を製
造することができる。
【0019】該因子としては、例えば、分散される無機
粉末あるいは磁性粉末に関しては、(1)粒子サイズ
(比表面積、平均一次粒子径等)、(2)構造(吸油
量、粒子形態等)、(3)粉体表面の性質(pH、加熱
減量等)、(4)粒子の吸引力(σS 等) 等、結合剤に
関しては、(1)分子量、(2)官能基の種類等、溶剤
に関しては(1)種類(極性等)、(2)結合剤溶解
性、(3)溶剤処方量等、含水率等が挙げられる。
【0020】即ち、A104 /A10の比は、例えば、
結合剤の分子量、構造、溶剤との親和性、含水率等種々
のパラメーターが関与するが、最も寄与が大きいのは充
填する粉体であり、分散粉体の表面性質、粒子サイズ、
吸油量、溶剤との親和性などが関係する。粒子サイズが
小さい程チキソトロピー性が強くなる。また、吸油量が
大きい、ストラクチャーに富むカーボンブラックは非常
にチキソトロピー性が強くなる。また、磁性粒子は粒子
自体に磁気吸引力があるために強い構造粘性を示し、通
常チキソトロピー性が強い。即ち、本発明はこのよう
な、性質を利用して各下層非記録層用塗布液、上層記録
層用磁性塗料のチキソトロピー性を所定範囲に調整する
ものである。
【0021】次に〜に記載の手段において好ましい
態様を以下説明する。まず、の手段に関して説明す
る。尚、平均一次粒子径とは、融着、会合などのない単
独の粒子の分布から求めた粒子径の平均を意味する。
【0022】分散液に使用されるカーボンブラックとし
ては、平均一次粒子径が30mμ以下、比表面積は15
0〜400m2 /g、好ましくは180〜350m2
g、DBP吸油量は40〜300ml/100g、好ま
しくは450〜200ml/100gである。粒子径は
30mμ以下、好ましくは5〜27mμ、さらに好まし
くは10〜22mμである。pHは2〜10、含水率は
0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/cc、が
好ましい。また、カーボンブラックと無機粉末との配合
割合は、重量比で10:90〜80:20、更に好まし
くは15:85〜60:40の範囲が好ましい。また、
該カーボンブラックは、予め分散が良好なる結合剤と分
散して後、無機粉末と混合して分散することが好まし
い。
【0023】該無機粉末の粒子径は0.01〜1μが好
ましい。特に好ましい範囲は0.02〜0.5μm、更
に好ましい範囲は0.02〜0.08μmである。ま
た、必要に応じて粒子径の異なるものを組み合わせた
り、単独のものでも粒径分布を広くして同様の効果をも
たせることもできる。タップ密度は0.05〜2g/c
c、好ましくは0.2〜1.5g/cc。含水率は0.
1〜5%、好ましくは0.2〜3%。pHは2〜11。
比表面積は1〜100m2 /g、好ましくは5〜50m
2 /g、更に好ましくは7〜40m2 /gである。結晶
子サイズは0.01μ〜2μが好ましい。DBPを用い
た吸油量は5〜100ml/100g、好ましくは10
〜80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml
/100gである。比重は1〜12、好ましくは2〜8
である。形状は針状、球状、サイコロ状、のいずれでも
良い。上記の無機粉末は必ずしも100%純粋である必
要はなく、目的に応じて表面を他の化合物で処理しても
よい。その際、純度は70%以上であれば効果を減ずる
ことにはならない。例えば、酸化チタンを用いる場合、
表面をアルミナで処理することが一般的に用いられてい
る。強熱減量は20%以下であることが好ましい。本発
明に用いられる上記無機粉体のモース硬度は4以上のも
のが好ましい。無機粉末としては、特に、酸化チタン、
酸化亜鉛、酸化錫、酸化アルミが良好な結果をもたらし
ている。上記 の手段において、カーボンブラック、無
機粉末からなる非磁性粉末に加え、所望により、他の任
意の非磁性粉末を使用できる。
【0024】上記非磁性粉末は結合剤に対して、重量比
率で20〜0.1、体積比率で10〜0.2の範囲で用
いられる。本発明の下層非磁性層に用いられる結合剤は
非磁性粉末に対し、好ましくは10〜100重量%の範
囲、更に好ましくは13〜50%の範囲で用いられる。
塩化ビニル系樹脂を用いる場合は5〜25%、ポリウレ
タン樹脂を用いる場合は1〜25%、ポリイソシアネー
トは1〜15%の範囲でこれらを組合せて用いるのが好
ましい。本発明の下層非磁性層に含まれるポリイソシア
ネートの量は結合剤重量の10〜70重量%の範囲であ
ることが好ましく、更に好ましくは20〜50重量%で
ある。
【0025】の手段に関しては、磁性塗料および分散
液にポリイソシアネートを含むことが好ましい。また、
平均一次粒子径が0.03μm以下、更に好ましくは
0.023μm以下のカーボンブラックを無機粉末に対
して重量比で無機粉末:カーボンブラック=99:1〜
70:30の範囲で使用することができる。特に好まし
くは、95:5〜80:20である。カーボンブラック
が1重量%以下であると実質的に含まないことと同じに
なり、所望するチキソトロピー性が得られない。また、
30重量%以上にすると得られた磁気記録媒体の表面性
が不十分になる。
【0026】該無機粉末としては、特にSi02 、Ti
2 、αアルミナ、α−Fe2 3、窒化硼素、酸化錫
が好ましい。該無機粉末の平均一次粒子径は0.08μ
m以下であるが、必要に応じてこのサイズ以外の無機粉
末を種々組合せたり、単独の無機粉末でも粒径分布を広
くして同様の効果をもたせることもできる。該無機粉末
のタップ密度は0.05〜2g/cc、好ましくは0.
2〜1.5g/cc、含水率は0.1〜5%、好ましく
は0.2〜3%、pHは2〜11、比表面積は1〜10
0m2 /g、好ましくは5〜50m2 /g、更に好まし
くは7〜40m2 /gである。結晶子サイズは0.01
μ〜2μが好ましい。DBPを用いた吸油量は5〜10
0ml/100g、好ましくは10〜80ml/100
g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。
比重は2〜8である。形状は針状、球状、サイコロ状、
のいずれでも良い。上記の無機粉末は必ずしも100%
純粋である必要はなく、目的に応じて表面を他の化合物
で処理してもよい。その際、純度は70%以上であれば
効果を減ずることにはならない。例えば、酸化チタンを
用いる場合、表面をアルミナで処理することが一般的に
用いられている。強熱減量は20%以下であることが好
ましい。上記無機粉体のモース硬度は4以上のものが好
ましい。
【0027】併用出来るカーボンブラックの比表面積は
100〜500、好ましくは150〜400m2 /gD
BP吸油量は20〜400ml/100g、好ましくは
30〜200ml/100gである。粒子径は5mμ〜
30mμ、好ましくは10〜50mμ、さらに好ましく
は10〜40mμである。pHは2〜10、含水率は
0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/cc、が
好ましい。
【0028】これらの非磁性粉末は、結合剤に対して、
重量比率で20〜0.1、好ましくは10〜0.5、更
に好ましくは8〜1であり、体積比率で10〜0.2の
範囲で用いられる。
【0029】の手段に関しては、下層非記録層を30
〜500ガウスに設定するためには飽和磁化( σS ) が
低い磁性体を用いたり、下層非記録層における磁性体の
充填比率を減らすことにより達成される。この場合、該
磁性体100重量部に対して非磁性物は100重量部以
上が好ましく、100〜5000重量部であることがさ
らに好ましい。該非磁性物としては結合剤の他に非磁性
粉体を含むことが好ましく無機粉末、カーボンブラック
等が好ましい。該磁性体としては、例えば、Co−γ−
Fe2 3 磁性体が好ましく、その抗磁力に特に制限は
ないが、400Oe〜1500Oe程度が好ましい。また、
下層非記録層に六方晶バリウムフェライトを用いること
もできる。その際の有機質粉末Hcにも制限はないが、
BaFeを用いる場合は800Oe以上4500Oe以下が
好ましい。また、上層記録層のHcは1200Oe〜30
00Oe、Bmは200〜4500ガウスであることが好
ましい。
【0030】カーボンブラックを使用する場合は、磁性
体に対する量は、下層非記録層、上層記録層とも0.1
〜30%で用いることが好ましい。カーボンブラックは
チキソトロピー性付与の他、磁性層の帯電防止、摩擦係
数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、こ
れらは用いるカーボンブラックにより異なる。従っ
に使用されるこれらのカーボンブラックは、下層非記録
層、上層記録層での種類、量、組合せを変え、粒子サイ
ズ、吸油量、伝導度、pH等の先にしめした諸特性をも
とに目的に応じて使い分けることはもちろん可能であ
る。例えば、下層非記録層に導電性の高いカーボンブラ
ックを用いることにより帯電を防止し、上層記録層に粒
子径の大きいカーボンブラックを用い摩擦係数を下げる
等が挙げられる。
【0031】該無機粉末の物性は以下の通りである。粒
子径は0.01〜2μが好ましいが、必要に応じて粒子
径の異なるものを種々組み合わせたり、単独のものでも
粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもでき
る。タップ密度は0.05〜2g/cc、好ましくは
0.2〜1.5g/cc。含水率は0.1〜5%、好ま
しくは0.2〜3%。pHは2〜11。比表面積は1〜
100m2 /g、好ましくは5〜50m2 /g、更に好
ましくは7〜40m2 /gである。結晶子サイズは0.
01μ〜2μが好ましい。DBPを用いた吸油量は5〜
100ml/100g、好ましくは10〜80ml/1
00g、更に好ましくは20〜60ml/100gであ
る。比重は1〜12、好ましくは2〜8である。形状は
針状、球状、サイコロ状、のいずれでも良いが、針状が
磁気特性を向上させる上で好ましく、特に強磁性粉末の
形状に近い大きさ、形状が好ましいので、強磁性粉末の
長軸長に対する針状無機粉末の長軸長の比は0.5〜3
の範囲が特に好ましい。上記の無機粉末は必ずしも10
0%純粋である必要はなく、目的に応じて表面を他の化
合物で処理してもよい。その際、純度は70%以上であ
れば効果を減ずることにはならない。例えば、酸化チタ
ンを用いる場合、表面をアルミナで処理することが一般
的に用いられている。強熱減量は20%以下であること
が好ましい。本発明に用いられる上記無機粉体のモース
硬度は4以上のものが好ましい。
【0032】使用できる該カーボンブラックの物性は以
下の通りである。比表面積は100〜500、好ましく
は150〜400m2 /g、DBP吸油量は20〜40
0ml/100g、好ましくは30〜200ml/10
0gである。粒子径は5mμ〜80mμ、好ましくは1
0〜50mμ、さらに好ましくは10〜40mμであ
る。pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ
密度は0.1〜1g/cc、が好ましい。
【0033】おいて、他に使用できる非磁性粉末と
しては、有機質粉末、例えば、アクリルスチレン系樹脂
粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉
末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフ
ィン系樹脂、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹
脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹
脂が使用される。その製法は特開昭62−18564
号、特開昭60−255827号、特開昭60−255
827号に記載されているようなものが使用できる。
【0034】これらの非磁性粉末は、結合剤に対して、
重量比率で0.1〜10、体積比率で10〜0.2の範
囲で用いられる。
【0035】以下、本発明の一般的事項につき説明す
る。本発明に使用できる無機粉末としては、具体的には
金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金
属炭化物、金属硫化物、等の無機質化合物粉末である。
無機化合物としては例えばα化率90%以上のα−アル
ミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化
クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化
珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸
化スズ、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホ
ウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、2硫化モリブデンなどが単独または組合せ
で使用される。
【0036】本発明に用いられる無機粉末の具体的な例
としては、住友化学製:AKP−20、AKP−30、
AKP−50、HIT−50、HiT−100、日本化
学工業社製:G5、G7、S−1、戸田工業社製:DP
N−250BX、TF−100、TF−120、TF−
140、石原産業製:TTO−55、FT−1000、
FT−2000、FTL−100、FTL−200、M
−1、S−1、SN−100、E−303、E−30
4、チタン工業製:ECT−52、STT−4D、ST
T−30、STT−65C、Y−LOP、Y−LOPか
ら得られたα−ヘマタイト、三菱金属製:T−1、日本
触媒:NS−O、NS−3Y、NS−8Yなどがあげら
れる。
【0037】本発明に用いられるカーボンブラックとし
てはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラ
ック、アセチレンブラック、等を用いることができる。
本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例とし
てはキャボット社製:BLACKPEARLS 200
0、1300、1000、900、800、880、7
00、VULCAN XC−72、三菱化成工業社製:
♯3250B、♯950、♯650B、♯970B、♯
850B、コンロンビアカーボン社製:CONDUCT
EX SC、RAVEN 8800、8000、700
0、5750、5250、3500、2100、200
0、1800、1500、1255、1250、アクゾ
ー社製:ケッチェンブラックECなどがあげられる。カ
ーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂で
グラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト
化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブ
ラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分
散してもかまわない。これらのカーボンブラックは単
独、または組合せで使用することができる。本発明で使
用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック
便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることが
できる。
【0038】本発明の上層記録層に使用する強磁性粉末
としてはγ−FeOx(x=1.33〜1.5)、Co
変性γ−FeOx(x=1.33〜1.5)、Feまた
はNiまたはCoを主成分(75%以上)とする強磁性
合金微粉末、バリウムフエライト、ストロンチウムフエ
ライトなど公知の強磁性粉末が使用できる。これらの強
磁性粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、
Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、
Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、H
g、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、
Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかま
わない。これらの強磁性微粉末にはあとで述べる分散
剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあ
らかじめ処理を行ってもかまわない。具体的には、特公
昭44−14090号、特公昭45−18372号、特
公昭47−22062号、特公昭47−22513号、
特公昭46−28466号、特公昭46−38755
号、特公昭47−4286号、特公昭47−12422
号、特公昭47−17284号、特公昭47−1850
9号、特公昭47−18573号、特公昭39−103
07号、特公昭48−39639号、米国特許第302
6215号、同3031341号、同3100194
号、同3242005号、同3389014号などに記
載されている。
【0039】上記強磁性粉末の中で強磁性合金微粉末に
ついては少量の水酸化物、または酸化物を含んでもよ
い。強磁性合金微粉末の公知の製造方法により得られた
ものを用いることができ、下記の方法をあげることがで
きる。複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素など
の還元性気体で還元する方法、酸化鉄を水素などの還元
性気体で還元してFeあるいはFe−Co粒子などを得
る方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、強磁
性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸
塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して還元する
方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を
得る方法などである。このようにして得られた強磁性合
金粉末は公知の徐酸化処理、すなわち有機溶剤に浸漬し
たのち乾燥させる方法、有機溶剤に浸漬したのち酸素含
有ガスを送り込んで表面に酸化膜を形成したのち乾燥さ
せる方法、有機溶剤を用いず酸素ガスと不活性ガスの分
圧を調整して表面に酸化皮膜を形成する方法のいずれを
施したものでも用いることができる。
【0040】本発明の上層記録層の強磁性粉末をBET
法による比表面積で表せば25〜80m2 /gであり、
好ましくは35〜60m2 /gである。25 2 /g
下ではノイズが高くなり、80以上では表面性が得にく
く好ましくない。本発明の上層記録層の強磁性粉末の結
晶子サイズは450〜100オングストロームが好まし
く、更に好ましくは350〜150オングストロームで
ある。酸化鉄磁性粉末のσS は50emu/g以上、好
ましくは70emu/g以上であり、強磁性金属微粉末
の場合は100emu/g以上が好ましい。
【0041】強磁性粉末のr1500は1.5以下であ
ることが好ましい。さらに好ましくはr1500は1.
0以下である。r1500とは磁気記録媒体を飽和磁化
したのち反対の向きに1500Oeの磁場をかけたとき反
転せずに残っている磁化量の%を示すものである。
【0042】強磁性粉末の含水率は0.01〜2%とす
るのが好ましい。結合剤の種類によって強磁性粉末の含
水率は最適化するのが好ましい。γ酸化鉄のタップ密度
は0.5g/cc以上が好ましく、0.8g/cc以上
がさらに好ましい。
【0043】γ酸化鉄を用いる場合、2価の鉄の3価の
鉄に対する比は好ましくは0〜20%であり、さらに好
ましくは5〜10%である。また鉄原子に対するコバル
ト原子の量は0〜15%、好ましくは2〜8%である。
【0044】強磁性粉末のpHは用いる結合剤との組合
せにより最適化することが好ましい。その範囲は4〜1
2であるが、好ましくは6〜10である。強磁性粉末は
必要に応じ、Al、Si、Pまたはこれらの酸化物など
で表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性粉末
に対し0.1〜10%であり表面処理を施すと脂肪酸な
どの潤滑剤の吸着が100mg/m2 以下になり好まし
い。強磁性粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、
Srなどの無機イオンを含む場合があるが、500pp
m以下であれば特に特性に影響を与えない。
【0045】また、本発明に用いられる強磁性粉末は空
孔が少ないほうが好ましくその値は20容量%以下、さ
らに好ましくは5容量%以下である。また形状について
は先に示した粒子サイズについての特性を満足すれば針
状、粒状、米粒状、板状いずれでもかまわない。強磁性
粉末のSFD0.6以下を達成するためには、強磁性粉
末のHcの分布を小さくする必要がある。そのために
は、ゲータイトの粒度分布をよくする、γ−ヘマタイト
の焼結を防止する、コバルト変性の酸化鉄についてはコ
バルトの被着速度を従来より遅くするなどの方法があ
る。
【0046】本発明にはまた、板状六方晶フエライトと
してバリウムフエライト、ストロンチウムフエライト、
六方晶Co粉末が使用できる。バリウムフエライトを用
いる場合、その粒子サイズは0.001〜1μの直径で
厚みが直径の1/2〜1/20である。比重は4〜6g
/ccで、比表面積は1〜60m2 /gである。
【0047】本発明に使用される結合剤としては従来公
知の熱可塑系樹脂、熱硬化系樹脂、反応型樹脂やこれら
の混合物が使用される。熱可塑系樹脂としては、ガラス
転移温度が−100〜150℃、数平均分子量が100
0〜200000、好ましくは10000〜10000
0、重合度が約50〜1000程度のものである。この
ような例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルア
ルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステ
ル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル
酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エ
チレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニル
エーテル、等を構成単位として含む重合体または共重合
体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。また、
熱硬化性樹脂または反応型樹脂としてはフエノール樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹
脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ
−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネート
プレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリ
イソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシア
ネートの混合物等があげられる。
【0048】これらの樹脂については朝倉書店発行の
「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されてい
る。また、公知の電子線硬化型樹脂を第一層、または第
二層に使用することも可能である。これらの例とその製
造方法については特開昭62−256219号に詳細に
記載されている。以上の樹脂は単独または組合せて使用
できるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビ
ニル酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアル
コール樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共重
合体の群から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹
脂の組合せ、またはこれらにポリイソシアネートを組合
せたものがあげられる。
【0049】ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポ
リウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテル
ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレ
タン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポ
リカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用で
きる。ここに示したすべての結合剤について、より優れ
た分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、COO
M、SO3 M、OSO3 M、P=O(OM)2 、O−P
=O(OM)2 、(以上につきMは水素原子、またはア
ルカリ金属塩基)、OH、NR 2 、N+ 3 、Rは炭化
水素基)、エポキシ基、SH、CN、などから選ばれる
少なくとも一つ以上の極性基を共重合または付加反応で
導入したものを用いることが好ましい。このような極性
基の量は10-1〜10-8モル/gであり、好ましくは1
-2〜10-6モル/gである。
【0050】本発明に用いられるこれらの結合剤の具体
的な例としてはユニオンカーバイト社製:VAGH、V
YHH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、V
YES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、P
KHH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工業
社製:MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TA
L、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、
MPR−TM、電気化学社製:1000W、DX80、
DX81、DX82、DX83、日本ゼオン社製:MR
110、MR100、400X110A、日本ポリウレ
タン社製:ニッポランN2301、N2302、N23
04、大日本インキ社製:パンデックスT−5105、
T−R3080、T−5201、バーノックD−40
0、D−210−80、クリスボン6109、720
9、東洋紡社製:バイロンUR8200、UR830
0、RV530、RV280、大日精化社製:ダイフエ
ラミン4020、5020、5100、5300、90
20、9022、7020、三菱化成社製:MX500
4、三洋化成社製:サンプレンSP−150、旭化成社
製:サランF310、F210などがあげられる。
【0051】本発明の上層磁性層に用いられる結合剤は
強磁性粉末に対し、5〜50重量%の範囲、好ましくは
10〜30重量%の範囲で用いられる。塩化ビニル系樹
脂を用いる場合は、5〜30重量%、ポリウレタン樹脂
合を用いる場合は2〜20重量%、ポリイソシアネート
は2〜20重量%の範囲でこれらを組合せて用いるのが
好ましい。
【0052】本発明において、ポリウレタン樹脂を用い
る場合はガラス転移温度が−50〜100℃、破断伸び
が100〜2000%、破断応力は0.05〜10Kg
/cm2 、降伏点は0.05〜10Kg/cm2 が好ま
しい。本発明の磁気記録媒体は二層からなる。従って、
結合剤量、結合剤中に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ポリイソシアネート、あるいはそれ以外の
樹脂の量、磁性層を形成する各樹脂の分子量、極性基
量、あるいは先に述べた樹脂の物理特性などを必要に応
じ中間層と上層磁性層とで変えることはもちろん可能で
ある。
【0053】本発明に用いるポリイソシアネートとして
は、トリレンジイソシアネート、4−4′−ジフエニル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,
5−ジイソシアネート、o−トルイジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、トリフエニルメタントリ
イソシアネート等のイソシアネート類、また、これらの
イソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、
イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシア
ネート等を使用することができる。これらのイソシアネ
ート類の市販されている商品名としては、日本ポリウレ
タン社製:コロネートL、コロネートHL、コロネート
2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミ
リオネートMTL、武田薬品社製:タケネートD−10
2、タケネートD−110N、タケネートD−200、
タケネートD−202、住友バイエル社製:デスモジュ
ールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デス
モジュールHL等があり、これらを単独または硬化反応
性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合せで下層
非記録層、上層記録層ともに用いることができる。
【0054】本発明の上層記録層、即ち磁性層に使用さ
れるカーボンブラックはゴム用フアーネス、ゴム用サー
マル、カラー用ブラック、アセチレンブラック、等を用
いることができる。比表面積は5〜500m2 /g、D
BP吸油量は10〜400ml/100g、粒子径は5
mμ〜300mμ、pHは2〜10、含水率は0.1〜
10%、タップ密度は0.1〜1g/ccが好ましい。
本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例とし
てはキャボット社製:BLACKPEARLS200
0、1300、1000、900、800、700、V
ULCAN XC−72、旭カーボン社製:♯80、♯
60、♯55、♯50、♯35、三菱化成工業社製:♯
2400B、♯2300、♯900、♯1000、♯3
0、♯40、♯10B、コンロンビアカーボン社製:C
ONDUCTEX SC、RAVEN 150、50,
40,15などがあげられる。カーボンブラックを分散
剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用し
ても、表面の一部をグラフアイト化したものを使用して
もかまわない。また、カーボンブラックを磁性塗料に添
加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。
これらのカーボンブラックは単独、または組合せで使用
することができる。カーボンブラックを使用する場合は
強磁性粉末に対する量の0.1〜30%で用いることが
好ましい。カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦
係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、
これらは用いるカーボンブラックにより異なる。従って
本発明に使用されるこれらのカーボンブラックは第一
層、即ち、下層非記録層、第二層、即ち上層記録層でそ
の種類、量、組合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電導
度、pHなどの先に示した諸特性をもとに目的に応じて
使い分けることはもちろん可能である。例えば、下層非
記録層に導電性の高いカーボンブラックを用いることに
より帯電を防止し、上層記録層に粒子径の大きいカーボ
ンブラックを用い摩擦係数を下げるなどがあげられる。
本発明の上層記録層で使用できるカーボンブラックは例
えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会
編)を参考にすることができる。
【0055】本発明の上層記録層に用いられる研磨剤と
してはα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミ
ナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化
鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪
チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化
ホウ素、など主としてモース硬度6以上の公知の材料が
単独または組合せで使用される。また、これらの研磨剤
どうしの複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したも
の)を使用してもよい。これらの研磨剤には主成分以外
の化合物または元素が含まれる場合もあるが主成分が9
0%以上であれば効果にかわりはない。これら研磨剤の
粒子サイズは0.01〜2μmが好ましいが、必要に応
じて粒子サイズの異なる研磨剤を組合せたり、単独の研
磨剤でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせること
もできる。タップ密度は0.3〜2g/cc、含水率は
0.1〜5%、pHは2〜11、比表面積は1〜30m
2 /g、が好ましい。本発明に用いられる研磨剤の形状
は針状、球状、サイコロ状、のいずれでも良いが、形状
の一部に角を有するものが研磨性が高く好ましい。
【0056】本発明に用いられる研磨剤の具体的な例と
しては、住友化学社製:AKP−20,AKP−30,
AKP−50,HIT−50、日本化学工業社製:G
5,G7,S−1、戸田工業社製:100ED,140
ED、などがあげられる。本発明に用いられる研磨剤は
第一層、第二層で種類、量および組合せを変え、目的に
応じて使い分けることはもちろん可能である。これらの
研磨剤はあらかじめ結合剤で分散処理したのち磁性塗料
中に添加してもかまわない。本発明の磁気記録媒体の上
層記録層表面および上層記録層端面に存在する研磨剤は
5個/100μm2 以上が好ましい。
【0057】本発明に使用される、添加剤としては潤滑
効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果、などをもつ
ものが使用される。二硫化モリブデン、二硫化タングス
テングラフアイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコー
ンオイル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコ
ーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、
フッ素含有エステル、ポリオレフイン、ポリグリコー
ル、アルキル燐酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、
アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ポリ
フエニルエーテル、フッ素含有アルキル硫酸エステルお
よびそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24の一塩基性
脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもか
まわない)、および、これらの金属塩(Li,Na,
K,Cuなど)または、炭素数12〜22の一価、二
価、三価、四価、五価、六価アルコール(不飽和結合を
含んでも、また分岐していてもかまわない)、炭素数1
2〜22のアルコキシアルコール、炭素数10〜24の
一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐して
いてもかまわない)と炭素数2〜12の一価、二価、三
価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つ(不飽
和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)と
からなるモノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルま
たはトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物の
モノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜2
2の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、な
どが使用できる。これらの具体例としてはラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン
酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リ
ノレン酸、エライジン酸、ステアリン酸オクチル、ステ
アリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチ
ン酸オクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒド
ロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタン
ジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレー
ト、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、があげ
られる。
【0058】また、アルキレンオキサイド系、グリセリ
ン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオ
キサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミ
ン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダン
トイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニ
ウム類、等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スル
フォン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基、な
どの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、ア
ミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸
エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性剤
等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界
面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載
されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも
100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応
物、副反応物、分解物、酸化物、等の不純分が含まれて
もかまわない。これらの不純分は30%以下が好まし
く、さらに好ましくは10%以下である。
【0059】本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面
活性剤は下層非記録層、上層記録層でその種類、量を必
要に応じ使い分けることができる。例えば、下層非記録
層、上層記録層で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのに
じみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類を
用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調
節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加
量を下層非記録層で多くして潤滑効果を向上させるなど
が考えられ、無論ここに示した例のみに限られるもので
はない。
【0060】また本発明で用いられる添加剤のすべてま
たはその一部は、磁性塗料製造のどの工程で添加しても
かまわない、例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合す
る場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添
加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加す
る場合、塗布直前に添加する場合などがある。本発明で
使用されるこれら潤滑剤の商品例としては、日本油脂社
製:NAA−102,NAA−415,NAA−31
2,NAA−160,NAA−180,NAA−17
4,NAA−175,NAA−222,NAA−34,
NAA−35,NAA−171,NAA−122,NA
A−142,NAA−160,NAA−173K,ヒマ
シ硬化脂肪酸,NAA−42,NAA−44,カチオン
SA,カチオンMA,カチオンAB,カチオンBB,ナ
イミーンL−201,ナイミーンL−202,ナイミー
ンS−202,ノニオンE−208,ノニオンP−20
8,ノニオンS−207,ノニオンK−204,ノニオ
ンNS−202,ノニオンNS−210,ノニオンHS
−206,ノニオンL−2,ノニオンS−2,ノニオン
S−4,ノニオンO−2,ノニオンLP−20R,ノニ
オンPP−40R,ノニオンSP−60R,ノニオンO
P−80R,ノニオンOP−85R,ノニオンLT−2
21,ノニオンST−221,ノニオンOT−221,
モノグリMB,ノニオンDS−60,アノンBF,アノ
ンLG,ブチルステアレート,ブチルラウレート,エル
カ酸、関東化学社製:オレイン酸、竹本油脂社製:FA
L−205,FAL−123、新日本理化社製:エヌジ
エルブLO,エヌジョルブIPM,サンソサイザーE4
030、信越化学社製:TA−3,KF−96,KF−
96L,KF−96H,KF410,KF420,KF
965,KF54,KF50,KF56,KF−90
7,KF−851,X−22−819,X−22−82
2,KF−905,KF−700,KF−393,KF
−857,KF−860,KF−865,X−22−9
80,KF−101,KF−102,KF−103,X
−22−3710,X−22−3715,KF−91
0,KF−3935、ライオンアーマー社製:アーマイ
ドP,アーマイドC,アーモスリップCP、ライオン油
脂社製:デュオミンTDO、日清製油社製:BA−41
G、三洋化成社製:プロフアン2012E,ニューポー
ルPE61,イオネットMS−400,イオネットMO
−200,イオネットDL−200,イオネットDS−
300,イオネットDS−1000,イオネットDO−
200などがあげられる。
【0061】本発明で用いられる有機溶媒は任意の比率
でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホ
ロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロ
ヘキサノール、などのアルコール類、酢酸メチル、酢酸
ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチ
ル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチ
ルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサ
ン、などのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、などの芳
香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロラ
イド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒド
リン、ジクロルベンゼン、等の塩素化炭化水素類、N,
N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等のものが使用で
きる。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではな
く、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解
物、酸化物、水分等の不純分がふくまれてもかまわな
い。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好
ましくは10%以下である。本発明で用いる有機溶媒は
必要ならば上層記録層と下層非記録層でその種類、量を
変えてもかまわない。下層非記録層に揮発性の高い溶媒
を用い表面性を向上させる、上層記録層に表面張力の高
い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗
布の安定性をあげる、上層記録層の溶解性パラメータの
高い溶媒を用い充填度を上げるなどがその例としてあげ
られるがこれらの例に限られたものではないことは無論
である。
【0062】本発明の磁気記録媒体の厚み構成は非磁性
支持体が1〜100μm、好ましくは4〜80μm、下
層非記録層が0.5μm〜10μm、好ましくは1〜5
μm、上層記録層は0.05μm以上1.0μm以下、
好ましくは0.05μm以上0.6μm以下、さらに好
ましくは0.05μm以上、0.3μm以下である。上
層記録層と下層非記録層を合わせた厚みは非磁性支持体
の厚みの1/100〜2倍の範囲で用いられる。また、
非磁性支持体と下層非記録層の間に密着性向上のための
下塗り層を設けてもかまわない。これらの厚みは0.0
1〜2μm、好ましくは0.05〜0.5μmである。
また、非磁性支持体の磁性層側と反対側にバックコート
層を設けてもかまわない。この厚みは0.1〜2μm、
好ましくは0.3〜1.0μmである。これらの下塗り
層、バックコート層は公知のものが使用できる。
【0063】本発明に用いられる非磁性支持体はポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、等
のポリエステル類、ポリオレフイン類、セルローストリ
アセテート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド、ポリスルフオン、アラミド、芳
香族ポリアミドなどの公知のフイルムが使用できる。こ
れらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ
処理、易接着処理、熱処理、除塵処理、などをおこなっ
ても良い。本発明の目的を達成するには、非磁性支持体
として中心線平均表面粗さが0.03μm以下、好まし
くは0.02μm以下、さらに好ましくは0.01μm
以下のものを使用する必要がある。また、これらの非磁
性支持体は単に中心線平均表面粗さが小さいだけではな
く、1μm以上の粗大突起がないことが好ましい。また
表面の粗さ形状は必要に応じて支持体に添加されるフイ
ラーの大きさと量により自由にコントロールされるもの
である。これらのフイラーとしては一例としてはCa,
Si,Tiなどの酸化物や炭酸塩の他、アクリル系など
の有機微粉末があげられる。本発明に用いられる非磁性
支持体のテープ走行方向のF−5値は好ましくは5〜5
0Kg/mm2 、テープ幅方向のF−5値は好ましくは
3〜30Kg/mm2 であり、テープ長手方向のF−5
値がテープ幅方向のF−5値より高いのが一般的である
が、特に幅方向の強度を高くする必要があるときはその
限りでない。
【0064】また、非磁性支持体のテープ走行方向およ
び幅方向の100℃30分での熱収縮率は好ましくは3
%以下、さらに好ましくは1.5%以下、80℃30分
での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましくは
0.5%以下である。破断強度は両方向とも5〜100
Kg/mm2 、弾性率は100〜2000Kg/mm2
が好ましい。
【0065】本発明の磁気記録媒体の磁性塗料を製造す
る工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれ
らの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からな
る。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれていても
かまわない。本発明に使用する強磁性粉末、結合剤、カ
ーボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤な
どすべての原料はどの工程の最初または途中で添加して
もかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分
割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを
混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工
程で分割して投入してもよい。
【0066】本発明の目的を達成するためには、従来の
公知の製造技術を一部の工程として用いることができる
ことはもちろんであるが、混練工程では連続ニーダや加
圧ニーダなど強い混練力をもつものを使用することによ
り本発明の磁気記録媒体の高いBrを得ることができ
る。連続ニーダまたは加圧ニーダを用いる場合は強磁性
粉末と結合剤のすべてまたはその一部(ただし全結合剤
の30%以上が好ましい)および強磁性粉末100部に
対し15〜500部の範囲で混練処理される。これらの
混練処理の詳細については特開平1−106338号、
特開昭64−79274号に記載されている。
【0067】本発明では、特開昭62−212933号
に示されるような同時重層塗布方式を用いることによ
り、より効率的に生産することができる。本発明のよう
な重層構成の磁気記録媒体を塗布する装置、方法の例と
して以下のような構成を提案できる。 1.磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗
布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗
布装置等により、まず下層非記録層を塗布し、下層非記
録層がウエット状態のうちに特公平1−46186号や
特開昭60−238179号、特開平2−265672
号に開示されている支持体加圧型エクストルージョン塗
布装置により上層記録層を塗布する。 2.特開昭63−88080号、特開平2−17921
号、特開平2−265672号に開示されているような
塗布液通液スリットを二つ内蔵する一つの塗布ヘッドに
より上層記録層をほぼ同時に塗布する。 3.特開平2−174965号に開示されているバック
アップロール付きエキストルージョン塗布装置により上
層記録層をほぼ同時に塗布する。なお、強磁性粉末の凝
集による磁気記録媒体の電磁変換特性等の低下を防止す
るため、特開昭62−95174号や特開平1−236
968号に開示されているような方法により塗布ヘッド
内部の塗布液に剪断を付与することが望ましい。
【0068】本発明の媒体を得るためには強力な配向を
行う必要がある。1000G以上のソレノイドと200
0G以上のコバルト磁石を併用することが好ましく、さ
らには乾燥後の配向性が最も高くなるように配向前に予
め適度の乾燥工程を設けることが好ましい。
【0069】さらに、カレンダ処理ロールとしてエポキ
シ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐
熱性のあるプラスチックロールを使用する。また、金属
ロール同志で処理することもできる。処理温度は、好ま
しくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上であ
る。線圧力は好ましくは200kg/cm、さらに好ま
しくは300kg/cm以上であり、その速度は20m
/分以上700m/分以下の範囲である。
【0070】本発明の磁気記録媒体の上層記録層面およ
びその反対面のSUS420Jに対する摩擦係数は好ま
しくは0.5以下、さらに0.3以下、表面固有抵抗は
好ましくは10-5〜10-12 オーム/sq、上層記録層
の0.5%伸びでの弾性率は走行方向、幅方向とも好ま
しくは100〜2000Kg/mm2 、破断強度は好ま
しくは1〜30Kg/cm2 、磁気記録媒体の弾性率は
走行方向、長手方向とも好ましくは100〜1500K
g/mm2 、残留のびは好ましくは0.5%以下、10
0℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は好ましくは1%
以下、さらに好ましくは0.5%以下、もっとも好まし
くは0.1%以下である。
【0071】上層記録層中に含まれる残留溶媒は好まし
くは100mg/m2 以下、さらに好ましくは10mg
/m2 以下であり、上層記録層に含まれる残留溶媒が下
層非記録層に含まれる残留溶媒より少ないほうが好まし
い。
【0072】本発明の磁気記録媒体の磁気特性は磁場5
KOeで測定した場合、テープ走行方向の角形比は0.
70以上であり、好ましくは0.80以上さらに好まし
くは0.90以上である。テープ走行方向に直角な二つ
の方向の角型比は走行方向の角型比の80%以下となる
ことが好ましい。磁性層のSFDは0.6以下であるこ
とが好ましい。
【0073】本発明の磁気記録媒体は上層記録層と下層
非記録層を有するが、目的に応じ下層非記録層と上層記
録層でこれらの物理特性を変えることができるのは容易
に推定されることである。例えば、上層記録層の弾性率
を高くし、走行耐久性を向上させると同時に下層非記録
層の弾性率を上層記録層より低くして磁気記録媒体のヘ
ッドへの当たりを良くするなどである。
【0074】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を説明するが、
本発明はこれにより限定されるものではない。尚、
「部」は重量部を示す。
【0075】 実施例1 下層非記録層A 無機粉末 α−Fe2 3 80部 平均粒子径0.27μ BETによる比表面積 18m2 /g pH5.5 カーボンブラック 20部 平均一次粒子径 16mμ DBP吸油量 80ml/100g pH 8.0 BET法による比表面積 250m2 /g 揮発分 1.5% 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 12部 −N (CH3 ) 3 + Cl- の極性基を5×10-6eq/g含む 組成比 86:13:1 重合度400 ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 −SO3 Na基 1×10-4eq/g含有 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 1部 オレイン酸銅 1部 メチルエチルケトン 200部 上記塗料について、各成分を連続ニーダで混練したの
ち、サンドミルをもちいて分散させた。得られた分散液
にポリイソシアネートを5部加え、さらにそれぞれに酢
酸ブチル40部を加え、1μmの平均孔径を有するフイ
ルターを用いて濾過し、下層非記録層形成用の塗布液を
調整した。 下層非記録層B 上記非磁性下層液Aの分散後の液にポリイソシアネート
5部に加えて酢酸ブチルを350部を加えて、塗布液を
希釈した。 下層非記録層C、D、E、F 下層非記録層Aの処方のα−Fe2 3 とカーボンブラ
ックの配合割合をそれぞれ8/2からCは9/1、Dは
5/5、Fは4/6へ変更した。Eはカーボンブラック
を添加しなかった。
【0076】下層非記録層G 下層非記録層Aの処方にポリイソシアネートを添加しな
かった。下層非記録層Hは以下のように予めカーボンブ
ラックを分散して処理した。 (1)予め以下の処方でカーボンブラックを分散する。 カーボンブラック 100部 平均一次粒子径 16mμ DBP吸油量 80ml/100g pH 8.0 BET法による比表面積 250m2 /g 揮発分 1.5% 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 100部 −N (CH3 ) 3 + Cl- の極性基を5×10-6eq/g含む 組成比 86:13:1 重合度400 ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 −SO3 Na基 1×10-4eq/g含有 オレイン酸銅 5部 フタロシアニンブルー系分散剤 5部 メチルエチルケトン 200部 この処方で連続ニーダー処理を行った後、サンドグライ
ダーで分散した。
【0077】(2)次に以下の処方で混合分散しサンド
グライダーでさらに分散した。 無機粉末 α−Fe2 3 80部 平均粒子径0.27μ、BETによる比表面積18m2 /g、pH5.5 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 5部 −N (CH3 ) 3 + Cl- の極性基を5×10-6eq/g含む 組成比 86:13:1 重合度400 ポリエステルポリウレタン樹脂 4部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 −SO3 Na基:1×10-4eq/g含有 上記(1)のカーボンブラック分散液 83部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 1部 オレイン酸銅 1部 メチルエチルケトン 200部 分散終了後、ポリイソシアネートを6重量部加えて下層
非記録層Hとした。 上層記録層A 強磁性金属微粉末 組成 Fe/Zn/Ni=92/4/4 100部 Hc 1600 Oe、BET法による比表面積 60m2 /g 結晶サイズ195Å 粒子サイズ(長軸径) 0.20μ、針状比 10 σS :130emu/g 塩化ビニル系共重合体 12部 −SO3 Na含有量:1×10-4eq/g 重合度300 ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 −SO3 Na基 1×10-4eq/g含有 α−アルミナ(粒子サイズ0.3μm) 2部 カーボンブラック(粒子サイズ0.10μm) 0.5部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトン 200部 上層記録層B 六方晶バリウムフエライト 100部 Hc 1250 Oe、比表面積 47m2 /g 粒子サイズ0.05μ、板状比 5 塩化ビニル系共重合体 13部 −SO3 Naの極性基を5×10-6eq/g含む 組成比 塩ビ:酢ビ:ビニルアルコール=86:13:1 重合度400 ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 −SO3 Na基 1×10-4eq/g含有 α−アルミナ(粒子サイズ0.3μm) 2部 カーボンブラック(粒子サイズ80mμ) 0.5部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトン 200部 実施例1−1 上記上層記録層A用磁性塗料について、各成分を連続ニ
ーダで混練したのち、サンドミルを用いて分散させた。
得られた分散液にポリイソシアネートを6部加え、さら
にそれぞれに酢酸ブチル40部を加え、1μmの平均孔
径を有するフイルターを用いて濾過し、上層記録層形成
用の塗布液を調整した。
【0078】得られた上記下層非記録層A用塗布液を、
乾燥後の厚さが3μmになるようにさらにその直後にそ
の上に上層記録層の厚さが0.2μmになるように、厚
さ7μmで中心線表面粗さが0.01μのポリエチレン
テレフタレート支持体上に同時重層塗布をおこない、両
層がまだ湿潤状態にあるうちに3000Gの磁力をもつ
コバルト磁石と1500Gの磁力をもつソレノイドによ
り配向させ乾燥後、金属ロールのみから構成される7段
のカレンダで温度90℃にて処理を行い、8mmの幅に
スリットし、試料#実施例1−1の8mmビデオテープ
を製造した。
【0079】実施例1−2〜1−7、比較例1−1〜1
−7、参考例1−3〜1−4 上記実施例1−1と同様に、上層記録層AまたはB用磁
性塗料を調製し、表1、表2に記載の上層記録層用磁性
塗料、前記下層非記録層B〜H用塗料、上層記録層厚、
下層非記録層厚等の条件で行った以外は実施例1−1と
同様にして各試料を作成した。但し、比較例1−2、1
−7は上層記録層のみの単層である。参考例1−3、1
−4は乾燥後逐次塗布によった。即ち、下層非記録層塗
布液を、実施例1−1と同様の調液方法で調製し、乾燥
後の厚さが、2.7μmになるように塗布を行い、乾燥
後巻取り、カレンダー処理を行った。その後、80℃2
4時間かけて硬化処理を行った後、上層磁性層記録層の
厚さが0.5μmになるように、塗布し実施例1と同様
の配向、乾燥を施した後巻き取った。その後、カレンダ
ー処理を行った。これら試料の性能を下記により評価し
た。その結果を表1、表2に示す。尚、上層記録層用塗
布液のA104 /A10比を併せて記載した。
【0080】評価方法 保存安定性評価方法 試料を60℃90%RH雰囲気に48時間保存し、その
後23℃70%RH雰囲気で富士写真フイルム(株)製
8mmビデオデッキFUJIX8、10台でP6−12
0を10p走行させた。その間、出力低下を測定し、ま
た走行後のデッキ内各部の汚れを評価して、その程度に
より○、△、×の3段階評価を行なった。 電磁変換特性 7MHz出力 富士写真フイルム(株)製FUJIX8、8mmビデオ
デッキを用いて7MHz信号を記録し、この信号を再生
したときの7MHz信号再生出力をオシロスコープで測
定した。 C/N比 富士写真フイルム(株)製FUJIX8、8mmビデオ
デッキを用いて7MHz信号を記録し、この信号を再生
したときの6MHzで発生するノイズをスペクトラムア
ナライザーで測定し、このノイズに対する再生信号の比
を測定した。 ヘッド当り 富士写真フイルム(株)製FUJIX8、8mmビデオ
デッキを用いて7MHz信号を記録し、この信号を再生
したときの復調前のエンベロープ波形をオシロスコープ
で観察し、出力が確保されて波形が平坦であれば○、ど
こかに出力の落込みがある場合に、その程度により△、
×の3段階評価を行なった。 歩留まり 製品の収率であり、P6−120で換算して一つのジャ
ンボロールからできた良品の割合を100分率で表わし
た。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】 表1及び表2の結果より明らかな如く本発明の範囲に入
る実施例1−1乃至実施例1−7の試料はいづれも7M
Hzの出力が高く、C/Nも良好であり、かつ歩留り、
保存安定性、ヘッド当たりの全ての項目にわたって良好
な結果を得た。一方、比較例1−1は上層記録層の厚み
が1μmよりも厚いと7MHz出力及びC/Nが劣化し
た。比較例1−2は単層であるが、この場合も7MHz
の出力、C/Nが低かった。更に下層非記録層を塗布し
た後、乾燥し、カレンダー処理をし、その後硬化処理を
行い、次いで上層記録層を塗布するいわゆる逐次塗布
(Wet on Dry)をした参考例1−3と参考
1−4はいずれもC/Nが低く、かつ保存安定性も不良
であった。また、A104 /A10の範囲をはずれた比
較例1−5と比較例1−6の試料はいずれも歩留りが極
端に低かった
【0083】 実施例2−1 下層非記録層 無機粉末 TiO2 (石原産業製 TTO−55A) 100部 平均一次粒子径0.05μ BETによる比表面積 18m2 /g pH7 カーボンブラック 20部 平均一次粒子径 18mμ DBP吸油量 80ml/100g pH 8.0 BET法による比表面積 250m2 /g 揮発分 1.5% 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 12部 −N (CH3 ) 3 + Cl- の極性基を5×10-6eq/g含む 組成比 86:13:1 重合度400 ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 −SO3 Na基 1×10-4eq/g含有 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 200部 上層記録層 強磁性金属微粉末 組成 Fe/Zn/Ni=92/4/4 100部 Hc 1600Oe、BET法による比表面積 60m2 /g 結晶サイズ195Å 粒子サイズ(長軸径) 0.20μ、針状比 10 σS :130emu/g 塩化ビニル系共重合体 12部 −SO3 Na含有量:1×10-4eq/g 重合度300 ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 −SO3 Na基 1×10-4eq/g含有 α−アルミナ(粒子サイズ0.3μm) 2部 カーボンブラック(粒子サイズ0.10μm) 0.5部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトン 200部 上記2つの塗料のそれぞれについて、各成分を連続ニー
ダで混練したのち、サンドミルをもちいて分散させた。
得られた分散液にポリイソシアネートを下層非記録層塗
布液には1部、上層記録層塗布液には3部を加え、さら
にそれぞれに酢酸ブチル40部を加え、1μmの平均孔
径を有するフイルターを用いて濾過し、下層非記録層形
成用および上層記録層用の塗布液をそれぞれ調製した。
尚、表3に下層非記録層用塗布液のA104 /A10比
を示した。
【0084】得られた下層非記録層用塗布液を、乾燥後
の厚さが2μmになるようにさらにその直後にその上に
上層記録層の厚さが0.3μmになるように、厚さ7μ
mで中心線表面粗さが0.01μのポリエチレンテレフ
タレート支持体上に同時重層塗布をおこない、両層がま
だ湿潤状態にあるうちに3000Gの磁力をもつコバル
ト磁石と1500Gの磁力をもつソレノイドにより配向
させ乾燥後、金属ロールのみから構成される7段のカレ
ンダで温度90℃にて処理を行い、8mmの幅にスリッ
トし、8mmビデオテープ(試料#:実施例2−1)を
製造した。
【0085】実施例2−2〜2−5、比較例2−1〜2
−4、参考例2−2 実施例2−1において、無機粉末の種類、その平均一次
粒子径、カーボンブラックを使用した場合、上層記録層
および下層非記録層の各厚さ等を表3に記した条件で行
った以外は実施例2−1と同様にして各試料を作成し
た。参考例2−2は乾燥後逐次重層塗布を行った。即
ち、下層非記録層塗布液を、実施例2と同様の調液方法
で調製し、乾燥後の厚さが、2.0μmになるように塗
布を行い、乾燥後巻取り、カレンダー処理を行った。そ
の後、80℃24時間かけて硬化処理を行った後、上層
磁性層記録層の厚さが0.3μmになるように、塗布し
実施例2−1と同様の配向、乾燥を施した後巻き取っ
た。その後、カレンダー処理を行った 評価方法 走行耐久性測定方法 試料を23℃70%RH雰囲気で富士写真フイルム
(株)製8mmビデオデッキFUJIX8、10台でP
6−120を100p走行させた。その間、出力低下を
測定し、また走行後のデッキ内各部の汚れを評価した。
○、○△、△、△×、×の5段階評価を行なった。 電磁変換特性 7MHz出力 富士写真フイルム(株)製FUJIX8、8mmビデオ
デッキを用いて7MHz信号を記録し、この信号を再生
したときの7MHz信号再生出力をオシロスコープで測
定した。 歩留まり スリット終了後の良品率を示した。通常、97%以上が
必要である。
【0086】
【表3】
【0087】表3の結果より明らかな如く、実施例2−
1乃至実施例2−5の試料は7MHzの出力、走行耐久
性、歩留りの何れもが良好であった。一方、上層記録層
の厚みが1μmより厚い、比較例2−1は7MHzの出
力が低く、又下層非記録層を設けた後乾燥、カレンダ
ー、硬化を行った後、上層記録層を設ける乾燥後逐次塗
布(いわゆるWet on Dry)によった参考例2
−2は歩留りが極めて低かった。また、A104 /A1
0の値が本発明の範囲外である比較例2−3と比較例2
−4はいずれも歩留りが低く、7MHzの出力も低かっ
た。また参考例2−2と比較例2−4は走行耐久性が顕
著に劣化した。
【0088】実施例3−1〜3−6、比較例3−1〜
2、参考例3−3、比較例3−4、 下層非記録層 コバルト変酸化鉄 0又は100部 Hc 950Oe、比表面積 58m2 /g 結晶サイズ250Å 粒子サイズ(長軸径) 0.20μ、針状比 8 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 13部 −N (CH3 ) 3 + Cl- の極性基を5×10-6eq/g含む ポリエステルポリウレタン樹脂 11部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 −SO3 Na基 1×10-4eq/g含有 α−酸化鉄 針状 表3参照 長軸長 0.3μm、BETによる比表面積 45m2 /g pH3.5 α−アルミナ(粒子サイズ0.3μm) 5部 カーボンブラック 100又は500部 平均一次粒子径 16mμ DBP吸油量 80ml/100g pH 8.0 BET法による比表面積 250m2 /g 揮発分 1.5% ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトン 400部 上層記録層 強磁性金属微粉末 組成 Fe/Zn/Ni=92/4/4 100部 Hc 1600Oe、BET法による比表面積 60m2 /g 結晶サイズ195Å 粒子サイズ(長軸径) 0.20μ、針状比 10 σS :130emu/g 塩化ビニル系共重合体 12部 −SO3 Na含有量:1×10-4eq/g 重合度300 ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 −SO3 Na基 1×10-4eq/g含有 α−アルミナ(粒子サイズ0.3μm) 2部 カーボンブラック(粒子サイズ0.10μm) 0.5部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトン 200部 上記2つの塗料のそれぞれについて、各成分を連続ニー
ダで混練したのち、サンドミルをもちいて分散させた。
得られた分散液にポリイソシアネートを下層非記録層塗
布液には6部、上層記録層塗布液には3部を加え、さら
にそれぞれに酢酸ブチル40部を加え、1μmの平均孔
径を有するフイルターを用いて濾過し、下層非記録層形
成用および上層記録層用の塗布液をそれぞれ調製した。
尚、下層非記録層用塗布液のA104 /A10比を併せ
て示した。
【0089】得られた下層非記録層用塗布液を、乾燥後
の厚さが2μmになるようにさらにその直後にその上に
上層記録層の厚さが0.3μmになるように、厚さ7μ
mで中心線表面粗さが0.01μのポリエチレンテレフ
タレート支持体上に同時重層塗布(尚、参考例3−3
ついては、逐次塗布)をおこない、両層がまだ湿潤状態
にあるうちに3000Gの磁力をもつコバルト磁石と1
500Gの磁力をもつソレノイドにより配向させ乾燥
後、金属ロールのみから構成される7段のカレンダで温
度90℃にて処理を行い、8mmの幅にスリットし、8
mmビデオテープを製造した。参考例3−3は乾燥後逐
次重層塗布を行った。即ち、下層非記録層塗布液を、実
施例3−1と同様の調液方法で調製し、乾燥後の厚さ
が、2.0μmになるように塗布を行い、乾燥後巻取
り、カレンダー処理を行った。その後、80℃24時間
かけて硬化処理を行った後、上層磁性層記録層の厚さが
0.3μmになるように、塗布し実施例3−1と同様の
配向、乾燥を施した後巻き取った。その後、カレンダー
処理を行った。これら試料の性能を下記により評価し
た。その結果を表4、表5に示す。
【0090】実施例3−7 前記実施例において、上層記録層の強磁性粉末を下記C
o変γ−Fe2 3に変えた他は上記と同様に表5記
載の条件で試料を作成し、同様に評価した。
【0091】 Co変γ−Fe2 3 : Hc 1400Oe、BET法による比表面積 45m2 /g 結晶サイズ 290Å 粒子サイズ(長軸径) 0.3μm、針状比 10 σS :75emu/g 評価方法 電磁変換特性 7MHz出力 富士写真フイルム(株)製FUJIX8、8mmビデオ
デッキを用いて7MHz信号を記録し、この信号を再生
したときの7MHz信号再生出力をオシロスコープで測
定した。 歩留まり スリット終了後の良品率を示した。通常、97%以上が
必要である。
【0092】
【表4】
【0093】
【表5】
【0094】表4および表5の結果より明らかな如く本
発明の実施例3−1乃至実施例3−は7MHzの出力
及び歩留りが共に改良され、本発明の範囲をはずれた比
較例3−1乃至比較例3−3は歩留りが十分な結果が得
られなかった。また参考例3−4は7MHzの出力が著
しく劣った。
【0095】
【発明の効果】本発明は、下層非記録層用塗布液および
上層記録層用塗布液の各チキソトロピー性を特に下層非
記録層用塗布液の、非磁性または磁性粉末の物性、組成
等を規定することにより調整して同時重層又は逐次湿潤
塗布法により磁性層を薄膜化し得る歩留りの優れた、か
つ耐久性、電磁変換特性の優れた磁気記録媒体を容易に
提供できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−325915(JP,A) 特開 平5−12650(JP,A) 特開 平5−182173(JP,A) 特開 平5−182177(JP,A) 特開 平5−182178(JP,A) 特開 平5−197946(JP,A) 特開 平5−217149(JP,A) 特開 平5−298653(JP,A) 特開 平7−311932(JP,A) 特開 平7−326037(JP,A) 特開 平7−326038(JP,A) 特開 平8−50718(JP,A) 特開 平4−238111(JP,A) 特開 平4−283416(JP,A) 特開 平4−321924(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末と結合剤を含む下層非記録層形成用
    塗布液と、強磁性粉末と結合剤を含む上層記録層用磁性
    塗布液をそれぞれ調製し、非磁性支持体上に前記下層非
    記録層形成用塗布液と前記上層記録層用磁性塗布液を塗
    布することによる磁気記録媒体の製造方法において、前
    記下層非記録層形成用塗布液はチキソトロピー性を持
    ち、剪断速度10 4 sec -1 での剪断応力A10 4 と剪
    断速度10sec -1 での剪断応力A10との比A10 4
    /A10が100≧A10 4 /A10≧3であり、かつ
    前記非磁性支持体上に前記下層非記録層形成用塗布液を
    塗布し、得られた下層非記録層が湿潤状態のうちに、前
    記下層非記録層形成用塗布液の塗布と同時又は逐次に、
    前記上層記録層の乾燥厚みが1.0μm以下に前記上層
    記録層用磁性塗布液を塗布することを特徴とする磁気記
    録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記上層記録層用の磁性塗布液が剪断速
    度10 4 sec -1 での剪断応力A10 4 と剪断速度10
    sec -1 での剪断応力A10との比A10 4 /A10が
    100≧A10 4 /A10≧3に調整した塗布液である
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記下層非記録層形成用の塗布液の粉末
    が少なくともカーボンブラックと前記下層非記録層の乾
    燥厚みより小さい平均一次粒子径の無機粉末を含みかつ
    前記下層非記録層形成用塗布液と前記上層記録層用磁性
    塗布液に熱硬化系ポリイソシアネートを結合剤中に10
    〜70重量%含むことを特徴とする請求項1に記載の磁
    気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記下層非記録層形成用塗布液の粉末が
    平均一次粒子径0.08μm以下である非磁性無機粉末
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記下層非記録層の飽和最大磁束密度B
    mが500ガウス以下であることを特徴とする請求項1
    に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記下層非記録層形成用塗布液が磁気記
    録が不可能な磁性粉末を含むことをを特徴とする請求項
    1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記下層非記録層形成用塗布液が磁性体
    100重量部に 対して非磁性物100重量部以上を含む
    ことをを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製
    造方法。
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