JP2651943B2 - 動物細胞膜に蛋白質を挿入する方法 - Google Patents

動物細胞膜に蛋白質を挿入する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は動物細胞に電界パルスを印加することにより
動物細胞に蛋白質を挿入する方法に関する。
(従来技術) 電気穿孔(electroporation)又は電気融合(electro
fusion)はチンマーマン他の「セルフュージョン」プレ
ナムプレス、ニューヨーク、1989の「細胞電気操作の電
気遺伝子物理的及び生物学的観点」の章;並びにグンタ
ー・エイ・ホフマン他、IEEE Eng.in Med.and Bio.M
agazine,1986,No.6の「誘電破壊−融合/電気穿孔」と
題する論文に記載がある。
次ぎの論文には蛋白質の細胞中への自然挿入に関して
記載がある。メドフ他「崩壊促進因子(DAF)の細胞膜
への挿入後の細胞膜表面の補完活性の禁止」J.Exp.Me
d.、160、1558−1578(1984);ザルマン他「突発的血
色素夜尿症における相同抑制因子」J.ofExp.Med.、16
5、572−577(1987);「再構成蛋白質含有小胞中のグ
ロブリンの挿入と非対称配向」、Eur.J.Biochem.86、53
9−546(1978);ザルマン他「目標細胞膜に挿入した相
同制限因子による抵抗依存性リンパ球細胞毒性」、J.Ex
p.Med.,166、947−955(1987);スコット他「膜蛋白質
の再構成」、J.ofBiologicalChem.263、1850−18506、
(1988)。しかしこれらの文献は電気挿入に関するもの
ではなく、細胞膜に蛋白質を挿入する効率的な方法は提
供されていない。
(発明の目的) 本発明は細胞膜に蛋白質を挿入する効率的な方法を提
供することを目的とする。
(発明の概要) 本発明は、細胞膜(例えば動物細胞)に蛋白質を挿入
するに当たり、細胞膜を貫通する長さの疎水性の膜貫通
配列を有する挿入すべき蛋白質の緩衝溶液の存在下に、
細胞を電気挿入媒質(懸濁液)中に懸濁した状態で前記
細胞を電界に曝らし、次いでこの処理された細胞を再封
孔媒質に接触させる、細胞膜への蛋白質挿入方法を提供
する。
(発明の具体的な説明) 本発明は、細胞を電気挿入媒質中に懸濁した状態で前
記細胞に電界、好ましくは1つ以上の電界パルスを印加
し、次いでこの処理された細胞を再封孔媒質に接触させ
る、細胞膜を貫通する長さの疎水性の膜貫通配列を有す
る蛋白質を細胞膜へ挿入する方法を提供する。
本発明の方法は2℃から39℃、特に約37℃で実施する
のが好ましい。
本発明の方法は再封孔まで含めて1時間から4時間、
特に約3時間で実行することが好ましい。本発明の電気
挿入系は液体に懸濁された非導電性膜とその両側の水溶
液よりなる構造としてモデル化出来る。
電界にされされると細胞膜には電気コンデンサの誘導
体層における電荷分離(分極)と同様の電荷分離が膜内
に生じる。これにより膜を通じての電位差が生じる。膜
上の反対電荷が互いに吸収し、膜に圧力を加えて膜を薄
くする。臨界電位差(電界強度)になると膜の局部的な
絶縁破壊が起きて孔が明き媒質や細胞質の流れが可能に
なる。もし電界強度と電界パルス幅が過度でなければ電
界の除去により穴は治癒(閉鎖)される。
本発明は、一般に細胞に適用出来る。なぜなら、本発
明はある種の細胞の考えられる特種な条件の必要性を考
慮に入れて、細胞の樹脂膜を取り扱うからである。本発
明に使用出来る非制限的な例を挙げると、赤血球(赤血
細胞)、リンパ細胞、単細胞、あらゆる種類のほ乳類の
培養細胞、線維芽細胞、内皮細胞、神経細胞(ニューロ
ン)、大食細胞(マクロファージ)等であるが、これら
は数例に過ぎない。本発明はまた、植物細胞と、細菌や
酵母菌などの微生物にも適用出来る。
いかなる細胞も、必要ならば特殊な電気的、化学的及
び(又は)生物学的条件下で、本発明の電気挿入を受け
うる。細胞の例として、ヒトとサルの細胞系統(Hela、
VCI、Verc)、ネズミとハムスターの細胞系統(N1H3T
3、CHO)、昆虫細胞、酵母菌、細菌や植物細胞などがあ
る。
細胞は動物細胞が好ましく、最も好ましいのが温血動
物の細胞である。細胞はヒトや他の温血動物、例えばウ
シ、ネコ、ウサギ、サル、ネズミ、ヤギ、ヒツジ、ウマ
から抽出出来る。細胞は血流から採取するのが好まし
い。赤血球がより好ましい。細胞はヒトのリンパT細胞
か、例えば培養された有核の動物細胞、CEM細胞のよう
な培養細胞でも良い。
疎水性の膜貫通配列を有する任意の蛋白質が本発明で
使用出来る。グリコホン、CD4、CD2、CD3、MHC Class
I及びII、LDL受容体、インシュリン受容体、他のホ
ルモン受容体、遺伝学的に処理され、膜貫通長さを有す
る疎水性の特定の配列を持つ可溶性の任意の蛋白質も本
発明で使用し得る。挿入に好ましい蛋白質はヒトのCD4
である。
電気挿入は実験式V=C0+1.5REcoθに従って起き
る。Vは得られた膜電位、V0は自然状態の膜電位、Rは
細胞の半径、Eは電界強度、θは膜の与えられた部位と
電界の成す角度である。
イオン担体A23187で赤血球を予め処理することによ
り、膜電位の低下を行なうと、ウサギの細胞中へのグリ
コホリンの挿入効率は85%に減少する。明らかに、外部
電界を与えない状態では、細胞1個あたりの細胞の挿入
効率は最低となる。4つの電界パルスを印加すると、多
量の挿入が為される。第8図は外部電界を与えない場合
と、4つの電界パルスを使用した場合における、ネズミ
の赤血球へのヒトグリコホリンの挿入に対する蛍光強度
を示している。
本発明に使用した電界の最大パルス数は、多数の電界
パルス下での細胞の挙動、及びその過程における生物学
的、化学的な時間制限条件によってのみ制限される。最
大が100パルスであるが、制限されたパルス数で最大の
効率が達成されるかぎりそれほど使用する必要はない。
多数のパルスを使用する目的は、細胞が電界へさらされ
る確率を高めることである。
損なわれない細胞を得るには穿孔の臨界電界以下なら
どんなパルス高も使用出来るが、挿入量ははパルス高の
減少に伴い減少する。臨界電界以上の電界パルスも効率
は良いが、細胞は膨張又は溶解する。同様なことが短い
電界パルス(例えば400μ秒以下)によっても起こり、
有効ではあるが効率は悪い。長いパルスは効率が良いで
あろうが、熱の増大と細胞の損傷を生じる。しかし、電
界強度に依存して数秒までの電界パルスが使用出来る。
一般に、印加される電界強度とパルスの期間は反比例
し、又細胞の型にも依存する。パルスの間隔はマイクロ
秒から分まで可能で、各パルス印加後の電界室の放熱と
細胞の回復が唯一の制限である。
パルスの波形は方形である必要はなく、必要とされる
エネルギー(E、T)が与えられるかぎりいかなるパル
スの形も有効である。指数減衰形、鋸歯形、及び交流パ
ルス波形も使用することが出来る。電界は必ずしもパル
スの形でなくても連続的(直流)であり得る。本発明で
使用する電界パルスの特性で好ましい組合せの1つはパ
ルス間隔が5秒である8つの連続したパルスである。電
界パルスで好ましいのはヒトの赤血球に対しては1.3kV/
cmの高さを持つもの、ウサギの赤血球に対しては1.6kV/
cmの高さを持つもの、及びネズミの赤血球に対しては1.
5〜2.1kV/cmの高さを持つものである。具体例ではパル
スの持続時間は少なくとも400μ秒であるのが好まし
い。別の具体例では電気穿孔にはパルス間隔が15秒であ
る4つの連続した幅1m秒のパルスが好ましい。細胞の電
気穿孔に使用する電界パルスは方形パルスが好ましく、
又臨界電界以下であることが好ましい。
細胞とパルス発生装置の電力に応じて、いかなる等張
媒質も本発明で電気挿入媒質として使用出来る。本発明
の具体例では、マンニトール、ヒスチジンのほか、NaC
l、KCl、Na2HPO4、NaH2PO4、スタチオーゼ(stachyos
e)、イヌリン、テトラサッカライド等のある種の炭化
水素が使用出来る。生理学的pHの使用が好ましいが、使
用する細胞と蛋白質にもよるが任意のpHを使用出来る。
本発明で使用した電気挿入媒質は、ある具体例ではマ
ンニトールとヒスチジンの混合物が好ましい。他の好ま
しい具体例ではPBSをpH8.8で利用する。
本発明で使用する再封孔媒質は1つ以上のKC1、NaC
l、BSA、HSA、MgCl2、及びグルコースのPBS水溶液が好
ましく、pH7.4が好ましい。MgCl2も又使用出来る。赤血
球は生理学的pH(=7.4)が好ましい。
本発明の好ましい具体例では再封孔の後、例えばPBS
又はADSOLのような保存媒質による保温操作(インキュ
ベーション)を20〜39℃、好ましくは37℃で1〜2時
間、好ましくは1時間、又2〜6℃、好ましくは4℃で
6〜12時間実行する。電気挿入は懸濁液のヘマトクリッ
トに依存する。第9図は赤血球ごとの蛋白質分子の連続
付加に対して、ヘマトクリットの増加と共に挿入効率が
高まることを示している。溶液のヘマトクリットは0.00
1%から98%であるのが好ましい。なおヘマトクリット
は総体積に対する赤血球の割合で定義される。
細胞1個あたりに挿入される蛋白質分子の量は付加し
た蛋白質濃度と共に増加する。粉末で添加される場合を
含めて、任意の蛋白質濃度が使用出来る。濃度範囲は0.
01mg/mlから200mg/mlが好ましく、134mg/mlが特に好ま
しい。第10図はネズミの赤血球1個あたりに挿入された
グリコホリン分子と86%のヘマトクリットで添加された
グリコホリンと濃度の関係を示している。
赤血球膜と、挿入される蛋白質の疎水性配列との疎水
性相互作用は、電気挿入の基本原理である。ヘマトクリ
ット懸濁液に及ぼす挿入効率が依存しているものは、疎
水性相の増加と考えられよう。更に電気挿入はホスファ
チジルコリンニトロ−ベンゾ−7−オキサ−1,3−ヂア
ゾール(米国アラバマ州ペルハム所在のアバチンチ・ポ
ーラーー・リピッズ社のアクリル標識PCNBD)の赤血球
内への自然挿入を増加する。
第11図は同量のPCNBDに対するネズミ赤血球膜のヘマ
トクリットの関数として蛋白質挿入効率を示している。
PCNBDが自然挿入により低いヘマトクリットに対して高
い挿入性を有するのを除けば、グリコホリンとPCNBDは
同様な反応を示すことが分る。この類似性は電気挿入に
疎水性が関与する他の証拠である。
さらに、L−アルファホスファチジン酸ジパルミトー
ル(米国ミズーリ州セント・ルイス所在のシグマ社)は
挿入を35%向上した。
最後に、疎水性配列を持たないヒトのβミクログロ
ブリン抗体(米国ミズーリ州セント・ルイス所在のシグ
マ社)はウサギの抗ヒトβミクログロブリン(米国ニ
ューヨーク州ウエストガーグ、アッキュレート・ケミカ
ル・アンド・サイエンティフィック社)で検出したとこ
ろ本発明の方法では挿入出来ないことがわかった。
本発明は薬物担体として赤血球、特に後天性免疫不全
症候群(AIDS)に対する赤血球CD4を標的にすることも
含む。がんや感染症における標的成分として、及び細胞
表面受容体を使用する全ての応用に、種々の蛋白質、抗
体又は抗原を担持する赤血球は使用出来る。
本発明の生成物は例えばマラリラを治療するためのワ
クチンとして使用出来る。
細胞あたりの蛋白質分子の比率は電界パルスを受ける
前に全ての細胞によって充分に覆われるような比率が好
ましい。溶液中の蛋白質の状態(単量体か重合体)かに
依存して、細胞あたり約106個の蛋白質分子であるのが
好ましい。低濃度のマグネシウム及びカルシウムイオン
(例えば赤血球に対しては0.5mM以下のカルシウムと0.5
mM以下のマグネシウム)を使用することが好ましい。非
常に低い濃度(例えば0.5mM以下)では細胞膜上の蛋白
質の吸着作用は低下し高い濃度(例えば0.5mM)では細
胞は溶解する。
マグネシウム及びカルシウムは細胞膜上での相互作用
により蛋白質が吸着するのを助ける。一旦そうなると蛋
白質分子は溶液中にあるときよりも膜に近付く。この吸
着はある時間で最適になるので、このとき電界パルスを
印加するのが良い。
本発明は以下の実施例を参照して更に説明するが、発
明を限定するものと解してはならない。
実施例1(ヒトグリコホリンのネズミ及びウサギの赤血
球への電気挿入) パルス発生器は606Coberパルス発生器を使用した。電
気挿入に使用したテフロン室は直径1.2cmの円筒形を成
し、各端は1.2cm×2.5cmのステンレス鋼製の電極で形成
し、電極間隙を0.2cmとした。電界及び電流をNicolet20
9デジタルオッシロスコープで測定した。
実施例1a ネズミの血液から採取したばかりの赤血球を.PBS(燐
酸塩緩衝かん水)pH7.4緩衝液中に0.145MのNaClを溶解
した溶液で3回洗浄し、電気挿入媒体(EM)(0.3Mのマ
ンニトール及び6mMのヒスチジンよりなるpH7.8の媒質)
で2回洗浄した。0.5mMのCaCl2及び0.5mMのKClを添加し
た後、この細胞を氷上で5分間保温し、次いで37℃で5
分間保温した(ヘモクリット90%)。その直後に、0.15
MのKCl1ml中ヒトグリコホリンMM4mgの溶液(4mg/ml)と
所定体積のEMを添加して、蛋白質濃度を1.25μg/106
胞にした。次ぎに懸濁液を37℃で5分間保持した。その
後、懸濁液を遠心分離にかけ、上澄みをヘマトクリット
16%となる様に除去した。この25μの最終的な細胞懸
濁液を4℃でパルス高さ1.5kV/cmの電界パルス(マウス
の赤血球電気挿入の臨界値(2.6kV/cm)より低い)にさ
らした。電気挿入は、細胞懸濁液25μを5秒間隔で相
次ぐ8個の方形電界パルスにさらすことにより行なっ
た。パルス高さは細胞の大きさに依存するが、その値は
電気挿入の臨界値より小さい。パルス幅は400μ秒であ
った。
次ぎに、細胞を37℃で1時間再封孔し、更に再封孔媒
質(RM)(1.211gのKCl,0.9gのグルコース、0.5gのBS
A、1.02gのNaCl、及び燐酸塩で緩衝したかん水(PBS)5
mM,pH7.4、250mlまで)中に更に1時間再封孔し、最後
にRMで1回洗浄し、0.45mのNaCl−PBS7.4緩衝液で2回
洗浄した。
実施例1b 採取したばかりの血液から得た赤血球を、PBSpH8.8緩
衝液中に0.14MのNaClを溶解したもので5回洗浄した。1
0PBSpH8.8緩衝液に懸濁又は親液化した細胞を赤血球ペ
レット(ヘマトクリット90%)に添加した。氷上で20分
間保温した後37℃で15分間保温し、次いで37℃で15分間
隔で4個の電界パルスを印加した。各パルスは幅1m秒、
高さ1.3kV/cm(ヒトの赤血球に対し)、1.6kV/cm(ウサ
ギの赤血球に対し)、及び2.1kV/cm(ネズミの赤血球に
対し)であった。最後に赤血球を血清で1回洗浄し、5P
BMpH7.4緩衝液で2回洗浄した。ヘモクリット50%のも
のを5PBSMpH7.4緩衝液中、又は保存液(ADSOL・・・100
ml中2.2gのデキストローゼ、900mgの塩化ナトリウム、7
50mgのマンニトール、27mgのアデナイン(米国イリノイ
州ディーアフィールド所在のFenwal Laboratories
社))中37℃で保温すれば、赤血球膜に挿入された蛋白
質の寿命を伸ばすことが出来る。
実施例2 CD4受容体を実施例1bに記載した条件を同じ条件下に
赤血球膜(ヒト、ウサギ、ネズミ)に挿入した。gp120
表現HIV感染H9細胞と反応したとき凝集密度に達した。
実施例3(免疫蛍光分析) グリコホリンを赤血球膜に挿入した後、洗浄した細胞
を2μの0.17mg/ml10F7抗グリコホリンモノクロナル
抗体(カルフォルニア大学リヴァーモア・ナショナル・
ラボラトリー、バイオケミカル・ディヴィジョン)と共
に30分間室温に保温し、次ぎに0.145MのNaClPBSpH7.4緩
衝液で3回洗浄した。細胞を次ぎにフィコエリトリン複
合アフィニピュアF(ab′)2断片ヤギ−マウスIgG
(米国ペンシルバニア州ウエスト・グローヴ所在のジャ
クソン・イミュノ・リサーチ・ラボラトリー)又は蛍光
複合アフィニピュアF(ab′)2断片ウサギ−マウスIg
G(米国ニューヨーク州ウエストバーグ所在のアキュレ
ート・ケミカル社)と共に保温した。処理した細胞を最
後に0.145MのNaClPBS7.4緩衝液で3回洗浄した。
実施例3a 電気挿入をしない他は実施例1aに従って処理したネズ
ミ赤血球(RBC)を対照試料とする。
青色励起による実施例試料及び対照試料の蛍光の観察
により、電気挿入処理を受けていない対照試料は細胞膜
上にFITC蛍光による蛍光性緑色点を有することが分かっ
た。電気挿入をした試料は凝集した高度に蛍光性の細胞
を有した。凝集は挿入したグリコホリンを有する細胞の
間を結合する10F7抗グリコホリンによる。この凝集は細
胞の凝集を起こすことが出来るには105個の桁の細胞に
結合されたグリコホリンが必要であるとの考え方を導く
(第1図)。擬似ELISAはこの挿入桁の桁を確認し、1
個の細胞あたり4.2×105個のグリコホリンが挿入された
ことを示す(実施例6を参照)。
上記のことはCa++とMg++が低イオン濃度の媒質に低濃
度(0.5mM)で存在するとグリコホリンの赤血球の細胞
膜への固定を助け、その結果既に細胞膜に充分近接して
いるグリコホリンは電界パルスの印加期間に結合するこ
とを示している。
CoulterEPICSプロフィル計による細胞蛍光分析を使用
したのでは、細胞の凝集があるので蛋白質結合割合の正
確な評価が困難である(第1a図)。ある単独細胞に対し
ては蛍光は1個の細胞あたり平均2.5×105蛍光性分子
(FITC)に相当する測定値を示した。この数値は凝集を
起こすに必要なグリコホリン挿入の評価割合に一致する
(第2図) 実施例3b 挿入したCD4はOKT4A、OKT4C、及びOKT4Dを含む異なっ
た抗CD4モノクロナル抗体(米国ニュージャージ州ラリ
タン所在のオルト・ダイアグノースティック・システム
社)、BL4/10T4(米国メイン州ウエストブルック所在の
アマック社)、CYT029(米国ニューヨーク州プリンスト
ン所在、サイトゲン社)、及びLeu3A(HIVウイルスのgp
120被覆蛋白質を有する活性エピトープ)(米国カリフ
ォルニア州マウンテン・ビュー所在のベクトン−ディキ
ンソン・イミュノサイトメトリー・システム社)で検出
し、ついでフィコエリトリン複合F(ab′)2断片ヤギ
抗マウスIgG又はフルオレセイン複合アフィンピュアF
(ab′)は2断片ウサギ抗マウスIgGで検出した。
対照試料は対応する実施例資料に対する対照として用
いた。ここに対照資料は実施例1bの全工程を行なった
が、グリコホリン又はCD4の代わりにウシ血清アルブミ
ンを使用した。
蛍光顕微鏡下で、挿入蛋白質を有する赤血球はウサギ
赤血球への挿入グリコホリンのキャッピングに特有の明
るい蛍光点を示した(第4図)。第5図はヒト赤血球の
細胞膜への電気挿入CD4で蛍光的に染色したモノクロナ
ル抗体の検出を示す。
フロー細胞測定ををCoulerEPICSプロフィル計で行な
った。フィコエリトリンは575nm帯域透過放射フィルタ
ーで、又蛍光は525nm帯域透過放射フィルターで測定し
た。測定器の整列は5個のマイクロメータ直径免疫検査
(Immunocheck)ビーズで行なった。光電倍増管の高電
圧を、種々の蛍光強度を有する免疫発光(Immunobrigh
t)ビーズを使用して、これらの蛍光標準のチャンネル
での特性蛍光ピークを得るようにセットした。分析のた
めに次のヒストグラムを集めた。1)90度側面散乱に対
する前面散乱。2)対数緑色又は赤色蛍光に対する細胞
数。
蛍光強度と細胞数のフロー細胞分析により、全数の細
胞の強度が対照試料に対してシフトしたことが分かっ
た。これは赤血球の全体がゼノプロテインの電気挿入を
受けたことを示す。蛍光強度の平均ピークチャンネルは
1個の細胞あたりに挿入された蛋白質の数を評価するの
に使用した。第6図はウサギの赤血球にグリコホリンを
挿入した場合を示し、第7図はウサギの赤血球にCD4を
挿入した場合を示す。
標準蛍光ビーズ(Coulter)を使用し赤血球1個あた
りの挿入分平均数が200であることが分かった。挿入効
率は(細胞あたりの添加分子数あたりの挿入分子数の割
合)は1/1000であった。この効率は過小に評価されてい
る。なぜなら、活性エピトープ(抗原決定基)のみが検
出され且つ添加分子数が活性エピトープを有する蛋白質
分子数を正確に表わさない重量から推測されるような免
疫蛍光によって、挿入分子の測定が行なわれたからであ
る。
実施例4 ビオチニル化ヒトグリコホリンのヒト赤血球への電気挿
入 電気挿入の他の応用はビオチニル化ヒトグリコホリン
のヒト赤血球への挿入である。使用した装置及び媒質は
今までに述べたものと同じものである。電界パルスの高
さはヒト赤血球への挿入に対する臨界電界高さ2.2kV/cm
よりも低い1.3kV/cmであった。
実施例5 ヒトグリコホリンのビオチニル化 ヒトグリコホリンMN(米国ミズーリ州セントルイス所
在のシグマ・ケミカル社)を0.5mg/mlの0.1Mの重炭酸ソ
ーダに溶解した。4℃で撹拌しながら同量の1mg/mlのス
クシニミジルD−ビオチン(分子プローブ)をジメチル
ホルムアルデヒドに滴下した。溶液を撹拌しながら4℃
に維持した。0.15MのKClで4回透析し、0.3Mのマンニト
ールで1回透析して電気挿入に使用するグリコホリン−
ビオチンのマンニトール溶液を得た。
実施例6 擬似ELISA 赤血球1個あたりのグリコホリン挿入分子数の定量的
な評価を行なうために、擬似的ELISA試験を行なった。
この試験ではグリコホリン−ビオチン分子をアルカリ性
フォスホターゼアビジン複合体(ICN)により標識し
た。EKISA板(米国マサツセッツ州ケンブリッジ所在コ
スタ社)を使用し、色強度を41mnフィルター付きDYNATE
CHMr700で読み取った。
先ず光学強度対ビオチニル化グリコホリンの標準曲線
を描き、ビオチニル化グリコホリンの背景に対して補正
した。グリコホリン−ビチオンを担持した懸濁細胞の血
清溶液を作製した。37℃で90分間乾燥した後、細胞を洗
浄緩衝液(PBS7.4、1%BSA、0.5%TWEEN20)で3回洗
浄した。板を所定量の洗浄緩衝液を添加でブロックし、
ついで37℃で1時間保温した。洗浄緩衝液で3回洗浄し
た後、アルカリ性フォスターゼアジビン希薄液(1:1000
0)を添加し、37℃で1時間保温した。洗浄緩衝液で3
かい洗浄したのち、蒸留水で3回洗浄し、基質緩衝液
(リン酸パラニトロフェノールのヂエチレンアミン(DE
A)緩衝液pH9.8中0.4mg/ml溶液)を添加し、室温で1時
間保温した。最後に、2.5NのNaOHを加えて反応を停止し
た。板の読みは410nmであった。
細胞の係数をCoulter計数器により行なった。
上記のものに類似の擬似ELISA試験を行なってマウス
赤血球に挿入されたヒトグリコホリンを定量したが、ア
ルカリ性フォスホターゼアビジンの代わりに10F7抗グリ
コホリンとアルカリ性フォスホターゼアジビンF(a
b′)断片ヤギ抗マウスIgGを使用した。
実施例7 グリコホリン−ビオチンのヒト赤血球の細胞膜への電気
挿入 ヒトの採取したばかりの赤血球をPBS7.4の緩衝液に0.
145NaClを溶解したもので3回洗浄し次いでEMで2回洗
浄した。0.5mMのCaCl2及び105mMのMgCl2を添加した後、
氷上で5分間、37℃で5分間保温した(ヘマトクリット
90%)。その後直ちに106個の細胞あたりに1.25μgの
グリコホリンとなる所定量のグリコホリン−ビチオン溶
液を添加し、ついで37℃で分間保温した。得られた懸濁
液を遠心分離し、上澄みを除いてヘマトクリット16%に
した。25μの最終懸濁液を4℃で電界パルスにさらし
た。
パルス印加した後直ちに細胞を37℃で1時間RMの存在
下に保温した。ついで、細胞をRM(実施例1a参照)で1
回洗浄し、更に0.145MのNaClのPBSpH7.4で2回洗浄し
た。試料の半分をアジビン−FITC(分子プローブ)で標
識し、他の半分をELSA試験に使用した。
電界パルスを使用しないで上の方法を全面的に実施し
て得た試料を対照試料とした。
更に他の対照試験とし、アジビン−FITCの非特異的結
合を検査するために次の試験を行なったグリコホリン−
ビチオンを使用しないでRBCに対して上記と全面的に同
じ方法で電気挿入処理を行なった。蛍光は全然観察され
なかった。
擬似ELISA試験はヒト赤血球1個あたり3.5×105個ま
での挿入が起きたことを示した。この挿入割合は、第3a
図及び第3b図に示したように、アジビンによる細胞間結
合によるビオチニル化グリコホリン担持赤血球の凝集と
一致する。この場合及び抗グリコホリン抗体の場合の凝
集の共通な現象は、操作条件によるものではなく、高度
の挿入によるものであることの証拠である。アジビン及
び抗グリコホリン抗体を電界パルス処理を受けた細胞に
添加した対照試料では何らの凝集も起きなかった。これ
は本発明の方法が赤血球中へのCD4の挿入その他薬剤標
的に役立つ他の分子の挿入に極めて強力な手段として適
用出来ることを示す。
実施例8 ウサギ赤血球に挿入した125I−CD4、及び125I−グリコ
ホリン寿命 精製したrCD4及びヒトグリコホリンを、(125I)−ボ
ルトン−ハンター試薬(125I−BHR)(米国マサチュセ
ッツ州ボストンのニュー.リサーチ.プロダクツ社製)
を使用して指示に従って125I標識した。
雄のウサギ(ニュージーランド産2.5〜3kgの白色)の
耳たぶ動脈からの4mlの血液を、ヘパリン処理した管に
採取した。蛋白質を実施例1bの方法に従って700μの
充填赤血球に挿入した。挿入後に赤血球をCr51(Na51Cr
O4)キット(米国ミズーリ州セントルイスのマリンクロ
ット社製)を使用して指示に従って51Cr標識した。赤血
球−CD4+(グリコホリン)懸濁液を同じウサギの耳た
ぶに静脈注射した。
血液試料(1.5ml)を自動γ線計数器(米国イリノイ
州エルク.グローブ.ビレッジのテイー.エム.アナリ
チック社製のTMアナリチック1911ガンマ.トラック)を
使用して計数した。第12図は電気挿入処理をした赤血球
及び挿入した蛋白質の寿命を示す。色分析の結果は電気
挿入は生体内での赤血球の寿命に影響を与えないことを
示し、半減期は17日であった。挿入した蛋白質の寿命は
それより短かった(7日)。
免疫反応は挿入したCD4にもグリコホリンにも検出さ
れなかった。従って、電気挿入は循環中に免疫活性を保
持する完全な長さのCD4に対する長寿命の担体を提供す
る。
同一源からの血漿又はヘマトクリット50%の生理液に
再分散したCD4+はエイズ患者の血液流に注入して循環し
ている遊離HIVウイルス、循環しているgp120、及びgp12
0分子を表面に有する感染細胞の除去剤として使用出来
る。後者の場合、RBC(赤血球)−CD4+は網状内皮系に
より認識され食菌される凝集物を形成する。
CD4+赤血球は又感染した食細胞に差し向けるためのHI
V感染に対して効果的な特定の抗ウイルス剤(例えばAZ
T)と共に負荷することが出来る。
本発明の電気挿入法は、特定の表面抗原又は受容体を
含む病気(例えばB型肝炎ウイルス及びマラリア)の治
療、又は電気挿入された膜蛋白を有する赤血球による標
識剤の運搬が望まれる場合に、他の膜蛋白質を赤血球膜
に挿入するのにも使用出来る。
本発明は又赤血球膜に適当な抗体を電気挿入し、次い
でこれを患者に投与することにより自己免疫症を治療す
るのにも使用出来る。
実施例9 グリコホリンのCEM細胞膜への電気挿入 ヒトグリコホリンのヒトリンパT細胞(CEM)膜への
挿入を、赤血球について上に述べた方法と同様にして実
施した。CEM細胞あたり約1000グリコホリンが検出され
た。この結果は真核細胞にも本発明の電気挿入法が実施
出来ることを示している。
実施例10 グリコホリン及びCD4のネズミ、ウサギ、及びヒトの赤
血球膜への自然挿入 採取したばかりの赤血球を、PBSpH8.8の緩衝液に0.14
NaClを溶解したもので5回洗浄した。10PBSpH8.8緩衝液
に懸濁させた又はそれで親液化した膜蛋白質(グリコホ
リン又はCD4)を赤血球ペレット(ヘマククリット90
%)に加えた。氷上で20分間保温し、更に37℃で3時間
保温した赤血球を血漿で1回洗浄し、5PBS pH7.4緩衝
液で2回洗浄した。添加蛋白質の濃度に依存して、フロ
ー細胞計分析を使用した免疫蛍光分析により4500エピト
ープまでの決定がなされた。
以上により本発明を説明したが、本発明の範囲内で多
くの変形例が可能であることは当業者には明らかであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1a図はヒトグリコホリンを担持したネズミ赤血球の粒
子構造を示す蛍光顕微鏡写真、第1b図はヒトグリコホリ
ンを担持したネズミ赤血球の粒子構造を示す他の蛍光顕
微鏡写真、第2a図は細胞蛍光計(EPICS PROFILE)によ
り得た細胞と蛍光強度の関係を示す蛍光ヒストグラム
で、電界パルスを印加しない対照試料に対するもので計
数した1213細胞上に高い蛍光性の細胞がないことを示
し、第2b図は細胞蛍光計により得た細胞と蛍光強度の関
係を示す蛍光ヒストグラムで、電界パルスを印加した場
合を示し、1742ネズミ赤血球の10.4%がグリコホリン挿
入に対応して約2.5×105のFITCを含有することを示し、
第3a図はビオチニル化グリコホリンを担持したヒト赤血
球の凝集を示す白色光顕微鏡写真のスケッチ図、第3b図
はビオチニル化グリコホリンを担持したヒト赤血球の粒
子構造を示す蛍光顕微鏡写真、第4a図は10F7抗ヒトグリ
コホリン抗体及び二次的蛍光抗体(ヤギ抗ネズミフィコ
エリトリン)と反応させた後の電気挿入グリコホリン抗
体を担持したウサギ赤血球の蛍光顕微鏡写真のスケッチ
図、第4b図は第4a図のウサギ赤血球の白色光顕微鏡写真
のスケッチ図、第5a図はOKT4C及びLeu3aモノクロナル抗
体及びヤギ抗マウスフィコエリトリン抗体と反応させた
後の電気挿入CD4担持ヒト赤血球の蛍光顕微鏡写真のス
ケッチ図で、輝点はモノクロナル抗体と反応させるさい
の挿入蛋白質のキャッピング特性を示すものであり、第
5b図は第4a図で観察されたヒト赤血球の白色光顕微鏡の
スケッチ図であり、細胞は処理によってとくに影響を受
けていない様子を示し、第6図はウサギ赤血球−グリコ
ホリンのフロー細胞計分析(点線)を対照細胞の分析
(実線)に対比して蛍光強度シフトを示したグラフで強
度レベルは4000グリコホリン数/細胞に相当し、第7図
はウサギ赤血球CD4のフロー細胞計分析(点線)を対照
細胞の分析(実線)に対比して蛍光強度シフトを示した
グラフで強度レベルは2000CD4分子数/細胞に相当し、
第8図はネズミRBC細胞−グリコホイリン細胞について
細胞あたりの挿入された蛋白質分子数の蛍光相対強度
(フォロー細胞分析計で測定)の印加電界パルス数に対
する依存性を示すグラフ、第9図はネズミ赤血球の挿入
効率(Iは細胞あたりの挿入蛋白質分子数/細胞あたり
に添加した蛋白質)の蛋白質濃度依存性を示すグラフ、
第10図はネズミ赤血球−グリコホリンの細胞あたりの蛋
白質挿入数の蛋白質濃度依存性を示すグラフ、第11図は
ネズミ赤血球のPCNBD挿入効率(相対蛍光強度で表示)
のヘマトクリット依存性を示すグラフ、及び第12図は
125I−CD4及び125I−グリコホリンの挿入を行なったウ
サギ赤血球(51Crで標識)の生存期間を示すグラフであ
る。

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】疎水性の膜貫通配列を有する挿入すべき蛋
    白質の緩衝溶液の存在下に細胞を電気挿入媒質中に懸濁
    した状態で前記細胞に電界を印加し、次いでこの処理さ
    れた細胞を再封孔媒質に接触させる、細胞膜への蛋白質
    挿入方法。
  2. 【請求項2】細胞が血液中の動物細胞である前記第1項
    記載の挿入方法。
  3. 【請求項3】細胞が赤血球である前記第2項記載の挿入
    方法。
  4. 【請求項4】電界が電界パルスである前記第1項記載の
    挿入方法。
  5. 【請求項5】電界パルスの高さが電気穿孔電界以下の高
    さである前記第4項記載の挿入方法。
  6. 【請求項6】電界パルスが方形波である前記第4項記載
    の挿入方法。
  7. 【請求項7】電界パルスが15分間隔で印加される4個以
    下の電界パルスである前記第4項記載の挿入方法。
  8. 【請求項8】電界パルス高さが1.3〜2.1kv/cmである前
    記第4項記載の挿入方法。
  9. 【請求項9】電気挿入媒質がpH7.8以下のマンニトール
    又はヒスチジンである前記第1項記載の挿入方法。
  10. 【請求項10】再封孔が等張液中で行なわれる前記第1
    項記載の挿入方法。
  11. 【請求項11】再封孔媒質がPBS中のKCl、NaCl、BSA、H
    SA、MgCl2、グルコースより選択される一種以上の水性
    混合物である前記第10項記載の挿入方法。
  12. 【請求項12】蛋白質がヒトグロブリンである前記第1
    項記載の挿入方法。
  13. 【請求項13】蛋白質がCD4受容体である前記第1項記
    載の挿入方法。
  14. 【請求項14】蛋白質の細胞に対する分子割合は、各細
    胞が電界印加に先だって蛋白質で完全に覆われる程度で
    ある前記第1項記載の挿入方法。
  15. 【請求項15】蛋白質は細胞一個当たり約106個である
    前記第14項記載の挿入方法。
  16. 【請求項16】電気挿入媒質はpH8.8以下のPBSである前
    記第1項記載の挿入方法。
  17. 【請求項17】再封孔後に更に20〜39℃で1〜2時間保
    存媒質と共に保温する工程を付加した前記第1項記載の
    挿入方法。
  18. 【請求項18】再封孔後に更に2〜6℃で6〜12時間保
    存媒質と共に保温する工程を付加した前記第1項記載の
    挿入方法。
  19. 【請求項19】細胞が培地中の有核動物細胞である前記
    第1項記載の挿入方法。
  20. 【請求項20】細胞がCEMである前記第19項記載の挿入
    方法。
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