JP2643826B2 - エアバッグ装置の弾性カバー - Google Patents

エアバッグ装置の弾性カバー

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JP2643826B2 JP6042596A JP4259694A JP2643826B2 JP 2643826 B2 JP2643826 B2 JP 2643826B2 JP 6042596 A JP6042596 A JP 6042596A JP 4259694 A JP4259694 A JP 4259694A JP 2643826 B2 JP2643826 B2 JP 2643826B2
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Air Bags (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、衝突時の緩衝装置、具
体的には、自動車衝突保護用のエアバッグ装置の弾性カ
バーに関する。
【０００２】
【従来の技術】自動車用エアバッグは頭からの衝突事故
の際の被害からドライバーとフロントシート乗車客の両
者を保護するために通常設置される。用語「エアバッ
グ」（ａｉｒｂａｇ）は、本来、バッグが始動器（イグ
ナイター）によって生み出される急激膨張ガスで充満さ
れて膨張したバッグになるるものである点を勘案するな
ら相応しい呼称ではないと言える。このバッグは略１５
ミり秒内で膨張するように設計される。エアバッグは未
膨張の折り畳み状態で、ハウジング内に配置されてい
る。このハウジングは、所定の線に沿って引裂いてエア
バッグを外出させる開口を提供するように設計されたカ
バーを有している。
【０００３】エアバッグは破裂性である観点から、従来
装置の抱える主要問題の１つは、エアバッグ用のカバー
が破裂して個片群に引き裂かれる傾向のあることにあっ
た。これらの個片は搭乗者を攻撃する弾丸になりうる。
【０００４】エアバッグカバーは、慣用的には、幾分弾
性があり、引裂き線を形成する弱化或いは肉薄領域を有
する熱可塑性樹脂等の材料で作られている。この引裂き
線は膨張過程のエアバッグを外出させる１以上のヒンヂ
式ドアを、破裂により形成するように設計されている。
理想的には、引裂き線を破裂させる剪断応力は充分な時
間と距離範囲で消散してドアを開放する一方で、ドアを
カバー上に保留することが出来るヒンヂを形成すべきで
ある。また、膨張過程のエアバッグを完全に収納域から
放出させるようにドアを位置付けるために、ドアを１８
０°を越える円弧に亘って枢動開放されるのが望まし
い。また、インサートやハードウエアエレメントを必要
とせずに１体金型成形されるカバーを採用して、これら
の課題を達成出来るのが望ましい。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】依って、本発明の目的
は上述の諸要望をかなえることができるエアバッグ用の
プラスチック製弾性カバーを実現することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】エアバッグの膨張で第１
引裂き線を破裂させて、第１と第２の概略四角形のヒン
ジ付きドアを形成し、当該ドアを通じて該エアバッグを
更に膨張させるような第１の引裂き線を備えたカバー前
壁を有し、更に未膨張のエアバッグを包囲するために上
記前壁を囲んで後方に延在したカバー側壁を有してい
て、各ドアが上記前壁の外側縁部から内側に離して設け
たドア縁を有している構成のエアバッグ装置の弾性カバ
ーにおいて、第２の引裂き線として、第１の対と第２の
対との二対のアーチ形引裂き線を前記第１の引裂き線か
ら前記前壁の外側縁部まで延在するように前記カバー前
壁に配設し、以て該ドアの完全旋回動作を許容するドア
ヒンジを形成したことを特徴とするエアバッグ装置の弾
性カバーとしたものである。
【０００７】更に、該カバーの前壁外側縁部には、上述
の第２の引裂き線の各対の引裂き線の間でカバー引裂き
が生ずるのを阻止する手段として肉厚の障壁を配設する
のが望ましい。
【０００８】
【作用】上記前壁外縁部はカバーの破裂に際し、第１の
引裂き線に引続いて破裂し、結果的に真直なドアヒンジ
が該前壁外側部に到る前壁領域に形成され、破裂により
形成されたドアがこのヒンジにより１８０°を越える角
度に亘り旋回することが保証され、かつドアを保留す
る。
【０００９】
【実施例】図１と図３において、本発明のエアバッグカ
バーは金型成形された熱可塑性カバーであって、ステア
リングホイール装置に設置するように設計されている。
このカバーは頂側壁１２、左側壁１４、並びに図示して
いない右側壁と底側壁を含む後方延在側壁群によって拘
束された前壁１０を含んで成る。一体成形された構造体
１６，１８はエアバッグ装置にカバーを取付けるために
採用されている。しかし、これらは本発明の構成部分で
はないので、これ以上の説明は省略する。
【００１０】前壁１０は、１部は審美目的で形成され、
１部は以後に説明される引裂き線を形成している幾分四
角形の溝２０を有している。この溝２０は水平引裂き線
２２によって二等分されている。これらの引裂き線は、
エアバッグの膨張時に破裂するように肉薄の弱化局部で
ある。
【００１１】溝２０が前壁１０の外側縁部２４から内側
に配位されていることに留意すべきである。本発明品に
類似した外観を有した従来のエアバッグカバーの場合、
上記溝２０に対応する溝が、そのままヒンヂとしても機
能するように設計されている。従って、引裂き線が破裂
して両ドアを形成したとき、該両ドアの回転量は対応の
前壁における残留している表面部分によってドア全体で
１８０°の円弧までに制限されてしまう。ところが、本
発明のガバーでは、ドアの描く旋回円弧は、各ドアのヒ
ンジを前壁１０の外側縁部２４まで移すことにより大巾
に増大する。これは前壁１０の内面に形成されて、図１
に示すように溝２０の肉薄引裂き線部分からカバー頂部
の外側縁部２４まで延在しているアーチ状の引裂き線２
６によって達成される。同様のアーチ状の引裂き線２８
がカバー内側、即ち内面に、溝２０の底部からカバー底
部の外側縁部２４まで延在するように形成されている。
【００１２】図２，４，５は本発明の作用する態様を図
示している。これらの図は引裂き線の破裂後にカバーが
上位ドア３０と下位ドア３２を形成する態様を示してい
る。引裂き線２０の破裂はカバー頂部のアーチ形引裂き
線２６とカバー底部の同様の引裂き線２８とに進行す
る。その結果、ドアのヒンジがカバーの外側縁部２４に
有効に移動する。カバー底部の外側縁部２４が実質的に
真線形態であるので、ヒンジ３４は実質的に直線のヒン
ジ軸を有する。他方、カバー頂部の外側縁部２４は図１
に示すように湾曲形態をしている。従って、この頂部領
域におけるドアヒンジには応力が集中する傾向がある。
これはヒンジをその軸に沿って引裂く原因になる。この
難点を克服するために、カバーを図５に示すようにヒン
ジ領域が肉薄で、相対的に弾性の大きな部分になるよう
にモールド成形する。その結果は、エアバッグが展開す
るに従ってヒンジ領域３４が内側に向けて反り返って平
坦になり、図２に示すように直線ヒンジ軸３６を形成す
ることになる。
【００１３】既述のように、カバーのどの部分も車内に
飛び散る弾丸になるのを阻止することが重要である。こ
のため、図５に示すように、肉薄ヒンジ領域（部分）３
４における貫通引裂き（１対の引裂き線２６，２６や２
８，２８の間で引裂き線へ達する水平方向の切れ目）の
発生は、肉厚の安全確保コーナ３８を設けることによっ
て阻止される。この安全確保コーナは４本のアーチ形引
裂き線２６，２６、２８，２８の各々に配設されてい
る。図５に示すように、各安全確保コーナ３８は引裂き
線の内側にあって、肉薄部分３４の反り返りとそれに伴
うヒンジの平坦化を邪魔しないように配位させてある。
各アーチ形引裂き線２６はヒンジに対し実質的に直角
で、ヒンジを通過するような配置で延在している。
【００１４】本発明の実際例では、熱可塑性ポリマーの
カバー材料は、サントプレン（Ｓａｎｔｏｐｒｅｎｅ）
であり、２．５−３mmの肉厚を有している。引裂き線は
０．４−０．７５mm厚である。ヒンジ領域３４は２mm厚
で１０mm幅に形成され、ドアの略全長に亘って延在して
いる。安全確保コーナ３８は３−４mm厚で、３−１０mm
幅のものである。
【００１５】本発明によれば、エアバッグが起動された
とき、カバーのドアが従来品のカバーよりも９０°大き
く旋回する。この回転角の増大によりドアーが搭乗者か
ら離れるように移動する。更に、ヒンジ形成がエアバッ
グ展開過程で従来品の場合の形成時点より遅れて行われ
る。従って、安全確保上の余裕が付加されて、カバー構
成部分が搭乗者を打撃するのを確実に防止することがで
きる。
【００１６】
【発明の効果】本発明のカバーを用いると、カバー破裂
時のカバーのドアが搭乗者から十分に遠ざかる程開成し
てエアバッグを放出させるから搭乗者にドアを当たる危
惧が解消され、しかもカバー構成物が破裂の過程で弾丸
化することが抑制されることから車の衝突時にエアバッ
グ装置の搭乗者に対する安全確保機能が従来より大幅に
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る、ドライバー側の未起動状態のエ
アバッグモジュールのカバーを示す正面図である。
【図２】エアバッグが起動して解放ドアが開いた状態の
カバーを示す正面図である。
【図３】図１の線３−３におけるバッグの拡大断面図で
ある。
【図４】図２の線４−４におけるバッグの拡大断面図で
ある。
【図５】図２の線５−５におけるバッグの拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
１０…前壁 ２０，２２…第１引裂き線 ３０，３２…ヒンジ付きドア １２，１４…側壁 ２４…前壁外縁部 ２６，２８…第２引裂き線 ３４…ドアヒンジ ３６…ヒンジ線 ３８…肉厚障壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−50053（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−43158（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−251352（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−235738（ＪＰ，Ａ)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 エアバッグの膨張で破裂する第１の引裂
    き線（２０，２２）を備えると共に該第１の引裂き線の
    破裂により第１と第２の概略四角形のヒンジ付きドア
    （３０，３２）を形成するカバー前壁（１０）を有し、
    該ドアを通して該エアバッグを更に膨張させることがで
    き、かつ未膨張状態のエアバッグを包囲するために前記
    カバー前壁（１０）を囲繞しつつ後方に向けて延設され
    たカバー側壁（１２，１４）を有し、また前記第１、第
    ２の各ドア（３０，３２）は、前記前壁（１０）の外側
    縁部（２４，２４）からそれぞれ、内側に離して設けた
    ドア縁を有している構成から成るエアバッグ装置の弾性
    カバーにおいて、 第２の引裂き線として、第１の対と第２の対との二対の
    アーチ形引裂き線（２６，２８）を前記第１の引裂き線
    （２０）から前記前壁の外側縁部（２４）まで延在する
    ように前記カバー前壁（１０）に配設し、以て該ドア
    （３０，３２）の完全旋回動作を許容するドアヒンジ
    （３４，３４）を形成したことを特徴とするエアバッグ
    装置の弾性カバー。
  2. 【請求項２】 前記前壁の外側縁部（２４，２４））に
    おける一方の外側縁部は前記弾性カバーの破裂前には湾
    曲形態にあり、かつ破裂による前記第１、第２のドアの
    開成に伴って前記ドアヒンジ（３４，３４）がそれぞれ
    形成されると該一方の外側縁部（２４）は弾性変形力で
    直線形態になるように構成された請求項１に記載のエア
    バッグ装置の弾性カバー。
  3. 【請求項３】 前記弾性カバーが前記二対のアーチ形引
    裂き線から成る第２引裂き線（２６，２８）の各対のア
    ーチ形引裂き線の間でカバー引裂きが発生するのを止め
    る引裂き阻止手段（３８）を具備している請求項１又は
    ２に記載のエアバッグ装置の弾性カバー。
  4. 【請求項４】 該引裂き阻止手段（３８）は、前記二対
    のアーチ形引裂き線（２６，２６および２８，２８）か
    ら成る第２引裂き線（２６，２８）の各対のアーチ形引
    裂き線の間に形成されたカバー肉厚部分によって形成さ
    れている請求項３に記載のエアバッグ装置の弾性カバ
    ー。
  5. 【請求項５】 前記カバー肉厚部分（３８）が、前記第
    ２引裂き線における各対の引裂き線（２６，２６および
    ２８，２８）に接近して設けられた引裂き障壁を構成し
    ていることを特徴とする請求項４に記載のエアバッグ装
    置の弾性カバー。
  6. 【請求項６】 前記ドアヒンジ（３４，３４）は、肉薄
    カバー領域に形成されることを特徴とする請求項２に記
    載のエアバッグ装置の弾性カバー。
  7. 【請求項７】 前記弾性カバーが熱可塑性樹脂製である
    ことを特徴とする請求項６に記載のエアバッグ装置の弾
    性カバー。
JP6042596A 1993-03-17 1994-03-14 エアバッグ装置の弾性カバー Expired - Lifetime JP2643826B2 (ja)

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US032492 1993-03-17
US32492 1993-03-17
US08/032,492 US5306040A (en) 1993-03-17 1993-03-17 Cover for airbag

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JPH06321044A JPH06321044A (ja) 1994-11-22
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CA (1) CA2114188A1 (ja)
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