JP2632188B2 - コンベアによりずれ重なり流の形で給排される印刷物の巻取り繰出し装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、コンベヤによりずれ重なり流の形で給排さ
れる印刷物、特に新聞や雑誌類を巻き取って巻取物とし
又はそれから繰り出すための装置に関する。

（従来の技術） かかる装置がドイツ特許公開明細書第3123888号によ
り知られている。この周知装置の主要素は転向ローラで
あり、これを介し巻取テープが供給リールから巻取物へ
と、又はその逆へと走行する。周知装置ではこの転向ロ
ーラはその周速がずれ重なり流の搬送速度に等しくなる
よう積極的に駆動され、転向ローラは巻取り時にも繰出
し時にも巻取物の周速、従ってその回転数を決定する。
周知装置において巻取り時、巻心を駆動する巻取歯車装
置は巻取物の周速がずれ重なり流の搬送速度より早くな
るよう巻心を駆動する傾向を有する。これにより巻取テ
ープは転向ローラと巻取物に接触する箇所との間で、僅
かではあるが巻取テープの延びを惹き起こす引張荷重を
受け、この状態で巻き取られることになる。

前述した周知装置の巻取歯車装置を避けるためドイツ
特許公開明細書第3345191号により別の比較しうる装置
が周知である。そこでは巻心が電気サーボモータにより
駆動され、その回転数はずれ重なり流の供給速度と巻取
物の瞬時直径とから算出される。この別の周知装置にお
いて巻取テープはその速度が供給速度に持続的に適合す
るよう（制動により）前にずらされ、加速又は減速段階
の間、巻取テープの荷重が変化することはない。

（発明が解決しようとする課題） この技術水準に対し本発明の目的は、ずれ重なり編成
体の巻取り長さ（又は繰出し長さ）に一致した長さの巻
取テープが巻き取られ（又は繰り出され）、この巻取テ
ープ長を巻取物の（算出した）目標回転数に準拠して決
定するのでなく、その逆に、巻取テープの張力により生
成される巻取物周面の締付に左右されることなく巻取テ
ープの実際の消費量を達成するような回転数で巻取物を
駆動すべく冒頭述べた形式の装置を改良することであ
る。

（課題を解決するための手段） それに応じて本発明の装置は請求項１の特徴部分に記
載した特徴を有する。

（作用） 巻心（22）に一端を固着した巻取テープ（30）が供給
リール（29）から転向ローラ（19）を介し延び、該ロー
ラはコンベヤ（10）の搬送速度の一致した周速で回転す
る。巻心（22）は巻取物（23）の巻取り時駆動され、巻
取物（23）の繰出し時には制動され、同時に供給リール
（29）が制動又は駆動される。駆動装置の概念を簡素化
し又同時に巻取り時にも繰出し時にも本装置の完壁な動
作を確保するため巻心（22）が電気サーボモータ（25）
に、そして供給リール（29）のコアが回転電気機械（3
4）に接続してあり、巻心の両回転方向において、サー
ボモータ（25）の回転数の調整を、目標基準値としての
コンベヤ（10）の搬送速度値と、実測値としての転向ロ
ーラ（19）の周回速度値をそれぞれ検出する検出手段か
らの信号に基づいて、給電回路によって制御する。

また、供給リール（19）の中心軸に対して、駆動手段
（34）は、巻心（22）が巻き取り方向に回転するとき、
制動すべりを与え、巻心（22）が繰り出し方向に回転す
るとき、駆動すべりを与えるように制御され、巻取テー
プ（30）の緊張をほぼ一定に維持する。（第１図参照） （実施例） 本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図に示す装置において、コンベヤベルト11として
図示したコンベヤ10の終端部（又は初端部）が認めら
れ、該コンベヤが新聞、雑誌等の印刷物12をずれ重なり
流13として搬送する。コンベヤベルト11が巻き付けられ
る転向ローラ14はその回転数及び回転方向が概略図示し
た検出手段15、例えば速度計発電機により検出される。

コンベヤ10に続いた供給用又は排出用コンベヤ16は例
えば小型ベルトコンベヤにより形成してあり、これが横
方向で離間して並走した２本のコンベヤベルト17、18を
有する。コンベヤベルト17、18が巻き付けられる転向ロ
ーラ19、20はフレーム21の末端で回転自在に支承してあ
り、フレーム自身は転向ローラ19の回転軸を中心に旋回
可能に配設してある。なお示すように「転向ローラ19」
は３個一組の同一直径の同軸転向ローラからなり、その
うち外側２個の転向ローラがコンベヤベルト17、18に割
当ててある。

更に第１図に認められる巻心22は図示省略した固定支
承部内で回転自在に支承してあり、これに印刷物12の巻
取物23が巻き取られる。線24で示唆したように巻心22は
サーボモータ25に直接接続してある。歯車比を固定した
歯車モータであってもよいこのサーボモータ25は可逆式
周波数制御非同期機械又は可逆直流機とすることがで
き、いずれにしてもその回転数を無段式に電気制御可能
な可逆電動機である。サーボモータ25の前段に設けられ
た給電回路26は端子27を介し電源に接続可能であり、電
源より入手したエネルギーに、サーボモータの回転数を
規定するパラメータ、例えば電圧、周波数、場合によっ
ては整流を付与する。

第１図からは更にフレーム21が、従って供給用コンベ
ヤ16が、ばね要素28の作用を受けることにより供給用コ
ンベヤ16のキャリア側を巻取物23の周面に押圧するよう
になっている。

供給用コンベヤ16の下方に巻取テープ30の供給リール
29が配設してある。この巻取テープ30はコンベヤベルト
17、18間の中央転向ローラ19に巻き付けられ、そこから
巻取物23の表面へと走行する。巻取テープ30の図示省略
した初端は巻心22に固着してある。従って巻取り時（矢
印31）巻取テープ30はずれ重なり流13とともに巻き取ら
れ、又その逆に繰出し時（矢印32）には、付属の転向ロ
ーラ19を介し再び供給リール29に到達するため巻取テー
プ30は開放される。

線33で示唆したように供給リール29のコア（回転軸）
が回転電気機械（駆動手段）34に直接接続してあり、後
者は望ましくは発電機又はモータとして切換可能な可逆
直流機である。この直流機34に給電する整流給電回路35
は端子36を介し電源に接続可能であり、巻取物23の巻取
り時（矢印31）直流機34を発電機として接続する。供給
リールに加わる直流機の制動トルクは、給電回路35に接
続された検出器37により検出されるリールの瞬時直径に
応じて制御される。

巻取テープ30の転向ローラ19に別の検出器38、例えば
速度計発電機が接続してあり、これが、回転方向及び回
転数を表す信号を給電回路26に供給する。

図示装置の動作は次のとおりである。巻取物23の周速
は巻取テープ30を介し、自由に回転可能な付属の転向ロ
ーラ19に伝達され、転向ローラ19の周回速度を表す信号
が実測値として検出手段38を介して給電回路26に入力す
る。他方で、給電回路26は、検出手段15を介し、コンベ
ヤ10の搬送速度を表す信号を目標基準値として受け取
る。すると給電回路26はサーボモータ25の回転数を、巻
取テープ30に接触する箇所（又はそれから離れていく箇
所）での巻取物23の周速がコンベヤ10の搬送速度と一致
するよう制御する。巻取テープ30に接触する箇所、又は
それから離れていく箇所で巻取物23は、殊に直径が大き
い場合、締付けられる。換言するなら、巻取テープ30の
速度は目標量としてのコンベヤ10の搬送速度に応じて制
御される。このことは巻取物23の巻取りにも繰出しにも
同じく当てはまる。

それに対し直流機34は巻取物の巻取り時前述の如く、
つまり制動すべりで動作し、巻取物23の繰出し時（矢印
32）にはモータとして接続され駆動すべりで動作する。

第２図と第３図では機能の点で第１図のものに相当す
る部品には同じ符号が付けてあるが、ずらして重ね合せ
て示唆した回路図ではこれらの符号に省略符（’）が付
記してある。第２図、第３図の中空巻心22はこの場合巻
心22の内面に作用する３個の支持ローラ（支承部）40,4
1,42で支持してあり、支持ローラ40はサーボモータ25に
直接接続され、チェーン駆動装置43を介し支持ローラ41
をも駆動する。支持ローラ42は自由に回転可能であり、
巻心22を、それを駆動する支持ローラ40,41に密接保持
する働きをするにすぎない。

支持ローラ40,41,42はキャリジ44から横に張り出し、
その反対側にサーボモータ25がフランジ接合してある。
キャリジ44は案内ローラ45を介し２本の鉛直案内棒46で
摺動可能に案内してある。キャリジ44に設けたナット部
材47に軸方向に摺動不可能なねじスピンドル48がねじ込
んである。ねじスピンドル48が接続してある可逆モータ
49については後述することになる。

このスピンドルとモータとは、昇降駆動装置を構成す
る。

コンベヤベルト11に続いた２本のコンベヤベルト17,1
8は転向ローラ20と転向ローラ50に巻き付けられる。供
給リール29からくる巻取テープ30は下側で転向ローラ20
に掛け、コンベヤベルト17,18間にある転向ローラ19に
のみ巻き付けられる。コンベヤベルト17,18は比較的ゆ
るく、ばね要素28より派生する押圧力により巻取物23の
周面の一部に巻き付けられる。これによりコンベヤベル
ト17,18は巻取物の周面により駆動され、ここでは図示
省略したフレーム21内で回転自在に支承された転向ロー
ラ20,50を回転させる。それに対し転向ローラ19は巻取
テープ30により駆動され、従って巻取テープ30に接続す
る箇所又はそれから離れる箇所での巻取物23と同じ周速
である。

２個のセンサ51と52、例えば光電バリヤ又は近接スイ
ッチが、転向ローラ19,20,50を支える旋回可能なフレー
ムの瞬時位置を検出する。このフレームの瞬時位置は巻
取物23の下端位置に依存する。センサ51と52に接続して
あるON−OFF切換器53はモータ49を駆動し、従ってキャ
リジ44の高さ位置を、又それに伴って各巻心22を巻取物
23のその都度の直径に適合し、コンベヤベルト17,18は
巻取物23周面の常に下端部分に巻き付く。モータ49は、
手動操作可能なスイッチを介してON,OFFすることがで
き、巻心を巻取物とともに支持ローラから取り去ること
ができるよう、又は新しい空の巻心を支持ローラに装着
できるようキャリジの高さを調整することができる。

第２図、第３図に示す実施例は外観構造が第１図のも
のと本質的に相違しているのではあるが、駆動装置の概
念及び動作様式は第１図に関連して述べたものと正確に
同じである。

（発明の効果） 本発明は、巻取テープが、供給リールと巻心との間に
緊張状態で延在して転向ローラを通過するように巻回さ
れているので、巻取物の周速と一致する巻取テープの送
り速度をコンベヤの搬送速度に合わせることができ、巻
取テープの緊張をほぼ一定に維持することができる。ま
た、巻取物の締付けを巻取テープに接続された巻心の駆
動回転数により適宜高めることで補償することも可能で
ある。

本発明は、２つの検出手段によって、巻取テープが前
記搬送速度に一致した巻き取りまたは繰り出される速度
となるように、サーボモータの回転速度を、コンベヤの
搬送速度の目標基準値と転向ローラによる巻取テープの
送り速度の実測値に基づいて、給電回路がサーボモータ
の回転速度を制御することができる。

したがって、本発明はずれ重なり編成体の巻取り長さ
（又は繰り出し長さ）に一致した長さの巻取テープが巻
き取りもしくは繰り出され、しかも巻取テープの張力に
よる生成される巻取物周面の締付けに左右されることな
く巻取テープの実際の消費量を達成するような回転数で
巻取物を駆動することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の装置に係る実施例の側面概要図、第２
図は本発明の他の実施例を示し、電気回路図をずらして
重ね合せて図示した側面概要図、第３図は第２図の装置
を矢印II方向に沿って見た正面概要図である。 10…コンベヤ、12…印刷物、13…ずれ重なり流、19…転
向ローラ、22…巻心、23…巻取物、25…サーボモータ、
29…供給リール、30…巻取テープ、34…回転電気機械。

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ずれ重なり流の形で給排される印刷物（1
   2）、特に新聞や雑誌類を巻き取って巻取物（23）と
   し、またはそれから繰り出すための装置であって、 印刷物（12）用の巻心（22）と、 印刷物（12）を前記巻心（22）に対して給排するための
   搬送速度を有するコンベヤ（10）と、 一端が前記巻心（22）に連結される巻取テープ（30）用
   の供給リール（29）と、 回転自在の転向ローラ（19）と、 前記巻心（22）に接続されて、この巻心を巻き取り及び
   繰り出し方向に回転駆動するための電気サーボモータ
   （25）と、 前記巻心の両回転方向において、目標基準値としての前
   記コンベヤ（10）の搬送速度値を検出する手段（15）
   と、 前記巻心（22）の両回転方向において、実測値としての
   前記転向ローラ（19）の実際の周回速度値を検出する手
   段（38）とを備えており、 前記巻取テープ（30）は、前記供給リール（29）と巻心
   （22）との間に延在して、前記転向ローラ（19）を通過
   するように巻回され、また、前記２つの検出手段（15,3
   8）は、巻取テープ（30）が前記搬送速度に一致した巻
   き取りまたは繰り出される速度となるように、前記モー
   タ（25）の回転速度を前記目標基準値と前記実測値に基
   づいて制御する給電回路（26）に接続され、前記供給リ
   ール（29）は駆動手段（34）に連結される回転軸を有し
   ており、 前記駆動手段（34）は、前記回転軸に対して、巻心（2
   2）が巻き取り方向に回転するとき、制動すべりを与
   え、巻心（22）が繰り出し方向に回転するとき、駆動す
   べりを与えるように制御され、前記巻取テープ（30）の
   緊張をほぼ一定に維持することを特徴とする装置。
2. 【請求項２】サーボモータ（25）は、可逆式周波数制御
   の非同期機械であり、かつ給電回路（26）に接続され、
   この給電回路が前記２つの検出手段（15,38）に連結さ
   れていることを特徴とする請求項１記載の装置。
3. 【請求項３】サーボモータ（25）は、可逆直流機であ
   り、かつ給電回路（26）に接続され、この給電回路が２
   つの前記検出手段（15,38）に連結されていることを特
   徴とする請求項１記載の装置。
4. 【請求項４】供給リール（29）に連結された駆動手段
   （34）は、モータまたは発電機としての動作モードに切
   換え可能な直流サーボ装置であり、少なくとも発電機モ
   ードのとき、供給リール（29）の直径寸法の変化に応じ
   てトルク制御されることを特徴とする請求項１〜３のい
   ずれかに記載の装置。
5. 【請求項５】回転自在に支承された転向ローラ（19）
   が、巻取テープ（30）によって回転可能に置かれ、かつ
   ２本の循環自在に配置された供給ベルト（17,18）間に
   設けられ、該ベルトが巻心（22）またはこの巻心上の巻
   取物（23）に一部巻き付くことを特徴とする請求項１な
   いし４のいずれかに記載の装置。
6. 【請求項６】供給ベルト（17,18）は、転向ローラ（20,
   50）を介して走行し、該ローラはばね力により巻心（2
   2）またはこの巻心上の巻取物（23）の外周面に押圧さ
   れるフレーム（21）内に支承されていることを特徴とす
   る請求項５記載の装置。
7. 【請求項７】巻心（22）の支承部（40,41,42）が、鉛直
   摺動可能に案内されて昇降駆動装置（48,49）に接続し
   てあり、該駆動装置が、フレーム（21）の位置に応じて
   一方向又は他方向に切換え移動可能であることを特徴と
   する請求項６の装置。