JP2629370B2 - 熱収縮性ポリエステルフィルム - Google Patents

熱収縮性ポリエステルフィルム

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,被覆,結束,外装などに用いられる包装材
として好適な熱収縮性ポリエステルフィルムに関する。
特に,熱収縮させたフィルムが,部分的に白化すること
なく美麗な仕上り外観を与える,ポリエステルフィルム
に関する。
(従来の技術) 熱収縮性フィルムは,瓶(ガラス製およびプラスチッ
ク製のボトルを含む)や缶などの各種容器および長尺物
(パイプ,棒,木材,各種棒状体など)の被覆用,結束
用,または外装用として利用されている。例えば,標
示,保護,結束,商品価値の向上などを目的として,瓶
のキャップ部,肩部,および胴部の一部または全体を被
覆するのに用いられる。さらに,箱,瓶,板,棒,ノー
トなどを複数個ずつ集積して包装する用途や,被包装物
にフィルムを密着させて該フィルムにより包装する(ス
キンパッケージ)用途などにも用いられる。上記用途
は,該フィルムの収縮性および収縮応力を利用してい
る。
上記フィルムの素材としては,ポリ塩化ビニル,ポリ
スチレン,ポリエチレン,塩酸ゴムなどが用いられる。
通常,これらのフィルムをチューブ状に成形し,例えば
瓶にかぶせたりパイプなどを集積した後,熱収縮させる
ことにより包装または結束が行われる。
しかし,前記従来のフィルムは,耐熱性が乏しく,い
ずれも高温でのボイル処理やレトルト処理に耐えること
ができないため,高温での殺菌処理ができない。例えば
レトルト処理を行うと,前記従来のフィルムは,処理中
に破損する。
さらに,従来のフィルム,例えばポリ塩化ビニルフィ
ルムに印刷を施すと,インクとの接着性が悪い。さらに
塩化ビニルは耐熱性に欠けるためフィルム形成時に部分
的にポリマーや添加剤のゲル状物が生成しやすい。この
ゲル状物のため印刷面にピンホールが発生しやすい。
上記従来のフィルムは,製造後に経時的に収縮するた
め,収縮による印刷ピッチの変化を生じ,高精度の印刷
を行うことができない。
これに対し,耐熱性,耐候性および耐溶剤性に優れた
ポリエステルを用いた熱収縮性フィルムが提案されてい
る。このポリエステル熱収縮性フィルムは,これまで所
望の方向への熱収縮率が不充分であったり,該方向と直
交する方向への熱収縮率を小さくすることができないな
どの問題点があった。しかし,このような問題点は,例
えば,特開昭63−156833号などに開示されているよう
に,原料のポリエステル樹脂の共重合組成を最適化する
ことにより解決され得る。しかし,この方法で得られた
フィルムも,例えば熱風で収縮させた時,充分に収縮す
る部分と収縮が不充分な部分が生じ,フィルム表面に斑
状の模様(収縮斑)が発生しやすい。さらに熱収縮した
フィルムの,特に大きく収縮した部分が白化し,製品の
外観を損なうという欠点がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上記従来の問題点を解決するものであり,そ
の目的とするところは,熱収縮率が充分に大きく,かつ
均一に収縮するため部分的に白化することのない,美麗
な仕上り外観を与える熱収縮性ポリエステルフィルムを
提供することである。
(課題を解決するための手段) 本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムは,少なくと
も1種のポリエステルを含有する組成物でなる熱収縮性
ポリエステルフィルムであって,含有されるポリエステ
ル全体の50〜90モル%がエチレンテレフタレートユニッ
トであり,そして2.5〜20モル%がジエチレングリコー
ル部分であり,該ポリエステルフィルムの100℃での熱
収縮率が,該フィルムの所定の一方向において30%以上
であり,そのことにより上記目的が達成される。
本発明の熱可塑性ポリエステルフィルムに用いられる
組成物に含まれるポリエステルを構成するジカルボン酸
成分としてはエチレンテレフタレートユニットを構成す
るテレフタル酸の他,芳香族ジカルボン酸,脂肪族ジカ
ルボン酸および脂環式ジカルボン酸のいずれもが用いら
れ得る。芳香族ジカルボン酸としては,イソフタル酸,
オルトフタル酸,5−tert−ブチルイソフタル酸などのベ
ンゼンジカルボン酸類;2,6−ナフタレンジカルボン酸な
どのナフタレンジカルボン酸;4,4′−ジカルボキシジフ
ェニル,2,2,6,6−テトラメチルビフェニル−4,4′−ジ
カルボン酸などのジカルボキシビフェニル類;1,1,3−ト
ルメチル−3−フェニルインデン−4,5−ジカルボン酸
およびその置換体;1,2−ジフェノキシエタン−4,4′−
ジカルボン酸およびその置換体などがある。脂肪族ジカ
ルボン酸としては,シュウ酸,マロン酸、コハク酸,グ
ルタル酸,アジピン酸,アゼライン酸,セバチン酸,ピ
メリン酸,スベリン酸,ウンデカン酸,ドデカンジカル
ボン酸,ブラシリン酸,テトラデカンジカルボン酸,タ
プシン酸,ノナデカンジカルボン酸,ドコサンジカルボ
ン酸,およびこれらの置換体,4,4′−ジカルボキシシク
ロヘキサンおよびその置換体などがある。
上記組成物に含まれるポリエステルのジオール成分と
しては,ポリエチレンテレフタレートユニットを構成す
るエチレングリコールおよびジエチレングリコールがあ
り,この他に脂肪族ジオール,脂環式ジオールおよび芳
香族ジオールのいずれもが用いられ得る。脂肪族ジオー
ルとしては,トリエチレングリコール,プロピレングリ
コール,ブタンジオール,1,6−ヘキサンジオール,1,10
−デカンジオール,ネオペンチルグリコール,2−メチル
−2−エチル−1,3−プロパンジオール,2−ジエチル−
1,3−プロパンジオール,2−エチル−2−n−ブチル−
1,3−プロパンジオールなどがある。脂環式ジオールと
しては,1,3−シクロヘキサンジメタノール,1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールなどがある。芳香族ジカルボン酸
としては,2,2−ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシジ
フェニル)プロパン,ビス(4′−β−ヒドロキシエト
キシフェニル)スルホンなどのビスフェノール系化合物
のエチレンオキサイド付加物;キシリレングリコールな
どがある。
本発明のフィルムに用いられる組成物に含有されるポ
リエステルは,上記の酸成分およびジオール成分とから
形成され得る。上記成分は,後述の組成物中のエチレン
テレフタレートユニットおよびジエチレングリコール部
分の量を満足するように適宜選択されて用いられる。ポ
リエステルを調製するためには,通常,一種以上の酸成
分またはジオール成分を組み合わせて用いることが好ま
しく,そのことによって熱収縮性フィルムとしての特性
が改良され得る。組み合わせて用いられるモノマー成分
の種類および含有量は,所望のフィルム特性,経済性な
どに基づいて適宜決定され得る。
本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムは,上記のよ
うに,少なくとも1種のポリエステルを含有する組成物
でなる熱収縮性ポリエステルフィルムであって,含有さ
れるポリエステル全体の50〜90モル%がエチレンテレフ
タレートユニットである。エチレンテレフタレートユニ
ットが50モル%を下まわるとフィルムの耐熱性が低く,
高温のボイル処理やレトルト処理に耐えることができな
い。さらに,製造コストも高価となる。逆に,90モル%
を越えると一方向収縮性が低下し,かつ、熱処理時の残
留応力の保持時間が短かくなる。従って,例えば,この
ようなフィルムで瓶を被覆し,加熱殺菌処理を行うと肩
部にゆるみを生じる。
本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムに含まれるポ
リエステル全体のジオール成分のうち,2.5〜20モル%,
好ましくは3〜10モル%がジエチレングリコール部分で
ある。ジエチレングリコール部分の含有量が2.5モル%
以下を下まわると,得られたフィルムを熱収縮させたと
きに,収縮の度合が不均一になり,その結果,部分的に
白化し,外観が不良となる。逆に20%を越えるとフィル
ムの安定性,特に耐候性および耐熱性に劣る。そのた
め,高温でのボイル処理やレトルト処理に耐えることが
できない。フィルムが着色されている場合には,収縮後
のフィルムの色が濃くなるという問題もある。
上記ジエチレングリコール部分を所定の割合で含有す
るポリエステルを調製するには,例えば,ジオール成分
として所定量のジエチレングリコールが使用される。し
かし,ジエチレングリコールではなく,エチレングリコ
ールを使用した場合にも,その縮合反応によりジエチレ
ングリコール部分が形成される。例えば,通常,エチレ
ンテレフタレート部分を含むポリエステルは,その製造
過程で上記エチレングリコールの縮合反応によりジエチ
レングリコール部分が形成される。上記ジエチレングリ
コール部分の含有量は,ポリエステルの製造方法,反応
時の条件および用いられる触媒などにより異なる。一般
に市販されているポリエチレンテレフタレート(エチレ
ンテレフタレートユニットが100%)では,1.0〜2.5モル
%である。特開昭63−150331号の実施例1にはポリエチ
レンテレフタレート製の熱収縮性ポリエステルフィルム
が開示されており,このフィルムは2モル%のジエチレ
ングリコールを含有している。
本発明のフィルムに使用される組成物のポリエステル
は,全体として,一般にPETを製造するときに副生する
ジエチレングリコール部分の量よりも多量のジエチレン
グリコール部分を含有する。従って,本発明において,
上記所定量のジエチレングリコールを含有させるには,
その含有量に応じて,ジオール成分として通常,エチレ
ングリコールの他に,さらに必要量のジエチレングリコ
ールが使用される。あるいは,ポリエステルの製造条件
や触媒を最適化することによってもエチレングリコール
から副生するジエチレングリコールの量を制御すること
も可能である。
上記組成物中に含有されるポリエステルは,いずれも
従来の方法により製造され得る。例えば,ジカルボン酸
とジオールとを直接反応させる直接エステル化法;ジカ
ルボン酸ジメチルエステルとジオールと,を反応させる
エステル交換法などを用いて(共重合)ポリエステルが
調製される。調製は,回分式および連続式のいずれの方
法で行われてもよい。
本発明のフィルムを構成するポリエステル組成物に
は,1種もしくはそれ以上のポリエステルが含有される。
含有されるポリエステルが1種である場合には,それ
は,上記エチレンテレフタレートユニットとジエチレン
グリコール部分との含有割合の条件を満足する共重合ポ
リエステルである。2種以上である場合には,それは,
共重合ポリエステルおよびホモポリエステルの所望の2
種以上の混合物であり,該混合物が上記条件を満足す
る。一般に共重合ポリエステルは融点が低いため,乾燥
時の取扱いが難しいなどの問題があるので,ホモポリエ
ステル(ポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナ
フタレート,ポリ(1,4−シクロヘキセンジメチレンテ
レフタレート)など)と共重合ポリエステルとを混合し
て用いることが好ましい。ガラス転移温度の異なるポリ
エステルを混合して用いることによって,得られるフィ
ルムの熱収縮特性が向上する。特に,ポリエチレンテレ
フタレートと共重合ポリエステルを混合する方法は,ポ
リエチレンテレフタレートが安価に入手できるので経済
的な点で好ましい。
本発明のフィルムを構成するポリエステル組成物に
は,上記ポリエステルの他に必要に応じて各種の添加剤
が含有される。それには,例えば,二酸化チタン,微粒
子状シリカ,カオリン,炭酸カルシウムなどの滑剤;帯
電防止剤;老化防止剤;紫外線防止剤;着色剤(染料
等)がある。
上記ポリエステル,および必要に応じて各種添加剤を
含むポリエステル組成物の各種成分を混合したときの固
有粘度は,好ましくは0.50〜1.3dl/gである。
上記ポリエステル組成物は,既知の方法(例えば,押
出法,カレンダー法)によりフィルム状に成形される。
フィルムの形状は,例えば平面状またはチューブ状であ
り,特に限定されない。得られたフィルムは,例えば,
後述の所定条件下において,所定の一方向(主延伸方
向)へ2.5倍から7.0倍,好ましくは3.0倍から6.0倍の範
囲に延伸される。該方向と直交する方向には1.0倍から
2.0倍,好ましくは1.1倍から1.8倍の範囲で延伸され
る。この延伸の順序はどちらが先であってもよい。主延
伸方向への延伸は,この方向に高い熱収縮率を得るため
に行われる。主延伸方向と直交する方向へ延伸すること
により,得られたフィルムの耐衝撃性が向上し,かつ一
方向に引き裂かれ易いという性質が緩和される。上記直
角方向の延伸率が2倍を超えると,主収縮方向と直交す
る方向への熱収縮性が大きくなり過ぎ,熱収縮を行った
ときの仕上がりが波打ち状態に不均一となる。上記割合
で延伸を行ったフィルムは,通常,主方向の収縮率に対
して,それと直交する方向の収縮率が15%以下,好まし
くは8〜9%以下,さらに好ましくは7%以下である。
このようなフィルムは加熱処理を行ったときに仕上がり
が均一になる。
延伸方法としては通常の方法が採用される。それには
例えば,ロール延伸法,長間隙延伸法,テンター延伸
法,チューブラー延伸法がある。これらの方法のいずれ
においても,延伸は,逐次2軸延伸,同時2軸延伸,1軸
延伸,およびこれらの組み合わせにより行われ得る。上
記2軸延伸では,縦横方向の延伸は同時に行われてもよ
いが,どちらか一方を先に行う逐次2軸延伸が効果的で
あり,その縦横の順序はどちらが先でもよい。
好ましくは,上記延伸は,次のような工程で行われ
る。例えば,まず、上記フィルムを,それを構成する重
合体が有する平均ガラス転移温度(Tg)以上の,例えば
Tg+80℃以下の温度で予熱を行う。主方向延伸(主収縮
方向)時に,上記温度範囲で予熱を行うと,該方向と直
交する方向の熱収縮を抑制することができる。かつ80±
25℃の温度範囲で行うことにより,直交する方向の熱収
縮率がほぼ最小となる。
これら延伸時には,通常,ヒートセットが行われる。
例えば,延伸を行った後に,30℃〜150℃の加熱ゾーンを
約1秒から30秒間通すことが推奨される。ヒートセット
を行うことにより,得られたフィルムの夏期高温下の寸
法変化を防止することができる。フィルムの延伸後であ
って,ヒートセットを行う前もしくは行った後に,所定
の度合で伸長を行ってもよい。その場合には,フィルム
長の70%の長さまでの割合で伸長が行われる。特に主方
向に伸長し,非収縮方向(主収縮方向に対して直交する
方向)には伸長は行われない方が良い。
さらに,上記延伸後,伸長あるいは緊張状態に保って
フィルムにストレスをかけながら冷却する工程,あるい
は,該処理に続いて緊張状態を解除した後も引き続いて
冷却する工程を付加することにより,得られたフィルム
の加熱による収縮特性はより良好かつ安定したものとな
る。
このようにして得たフィルムの面配向係数は100×10
-3以下であることが好ましい。面配向係数が100×10-3
を超えると,強度が低下し,少しの外傷によっても破れ
易くなる。例えば瓶の外表面に巻きつけて補強材として
使用しても補強効果が低い。
複屈折率は15×10-3〜160×10-3であることが好まし
い。複屈折率が15×10-3未満では主収縮方向の収縮率お
よび収縮応力が低くなる。逆に,160×10-3を超えると外
傷によって破れ易くなり,かつ、衝撃強度が低いため,
実用性が低い。得られるフィルムの厚さは6〜250μm
の範囲が好ましい。
このようにして得られた本発明の熱収縮性ポリエステ
ルフィルムは,例えば,40℃で3日間貯蔵後,熱風をあ
てて収縮させてもフィルムに部分的な白化が生じない。
本発明のフィルムは,必要に応じてその表面に印刷がな
される。熱収縮させることにより,被覆,結束,外装な
どの各種用途に用いられる。
(実施例) 以下に本発明を実施例につき説明する。実施例で用い
た測定方法は次の通りである。
(1)熱収縮率 フィルムを幅15mmに切断してサンプルとし,長手方向
200mmの間隔に標線を記す。このサンプルに所定の温度
(100℃)の熱風を1分間あてて加熱し,収縮率を測定
する。
(2)熱収縮残留応力保持時間(50%緩和時) フィルムを幅20mm,長さ150mmの試験片とし,その長手
方向に100mmの間隔に標線を記す。テンシロンの上下一
対のチャックの間隔を50mmに設定し,これらのチャック
に上記フィルムを標線の位置で固定する。これに100℃
の熱風をあて,フィルムを収縮させ,収縮応力が0にな
るまでの時間を求める。
(3)部分白化 フィルムをロールに巻いた状態で,40℃で3日間貯蔵
する。これを230mm幅に裁断し,チューブ状成形装置に
かけ,チューブ状に加工する。該チューブを長さ140mm
に切断し,シングルサービスサイズのガラス瓶にかぶせ
て,5秒間130℃の熱風にあてて,熱収縮させる。該熱収
縮したフィルムを肉眼で観察し,白化部分の有無を判定
する。
実施例1 テレフタル酸,エチレングリコール,およびジエチレ
ングリコールを用いて,3.5モル%のジエチレングリコー
ルを含有するポリエチレンテレフタレートを調製した。
上記ジエチレングリコール含有量は,得られたポリエチ
レンテレフタレートを高温高圧下でメタノール分解した
後,ガスクロマトグラフィー法により測定した。別に,
テレフタル酸85モル%,セバシン酸15モル%,エチレン
グリコール46モル%,ジエチレングリコール4モル%,
ネオペンチルグリコール50モル%の組成の共重合ポリエ
ステルを調製した。上記ポリエチレンテレフタレートと
この共重合ポリエステルとを80:20の重量比で均一にブ
レンドし,300℃で溶融押出し,厚さ180μmの未延伸フ
ィルムを得た。このフィルムを縦方向に1.2倍延伸し,
次いで横方向に4.1倍延伸した。次いでさらに横方向に
約20%伸長させた状態で冷却し,厚さ40μmの延伸フィ
ルムを得た。得られた延伸フィルムの特性を,後述の実
施例2〜10,比較例1〜5の結果とともに表1に示す。
比較例1 ジエチレングリコール含量が2.0モル%のポリエチレ
ンテレフタレートを用いたこと;そして,共重合ポリエ
ステルのジオール成分の組成を,エチレングリコール48
モル%,ジエチレングリコール2モル%およびネオペン
チルグリコール50モル%としたこと以外は,実施例1と
同様にして延伸フィルムを調製した。
得られたフィルムの特性を表1に示す。ここで得られ
たフィルムの部分白化試験を行うと,フィルムの収縮率
の高い瓶の肩部において部分的な白化が見られた。
比較例2 ポリエチレンテレフタレートを用いなかったこと以外
は,実施例1と同様にして延伸フィルムを調製した。得
られたフィルムの特性を表1に示す。ここで得られたフ
ィルムは,熱処理した時の残留応力保持時間が短く,熱
処理によってゆるみを生じ易い。
比較例3 共重合ポリエステルを用いなかったこと以外は,実施
例1と同様にして延伸フィルムを得た。得られたフィル
ムの特性を表1に示す。ここで得られたフィルムは,横
方向への収縮率に比べ,比較的縦方向への収縮率が大き
い。つまり一方向収縮性に劣る。さらに,部分白化が認
められ,残留応力保持時間も短く,低品質であった。
実施例2〜10 表1に示す組成物を用い,実施例1と同様にして延伸
フィルムを調製した。得られたフィルムの特性を表1に
示す。
比較例4 ポリエチレンテレフタレートを用いなかったこと以外
は,実施例4と同様である。表1から得られたフィルム
は熱処理時の残留応力保持時間が短く耐熱性が低いこと
が明らかである。
比較例5 表1に示す様に,ジエチレングリコールの含有量が2.
0のポリエチレンテレフタレートを用いたこと以外,実
施例5と同様である。得られたフィルムは,熱収縮によ
って部分白化が生じた。
表1から,本発明の熱収縮性フィルムは,主収縮方向
に58%以上の熱収縮率を有し,それに直交する方向への
熱収縮率は2.5%以下であるという優れた熱収縮特性を
有する。熱処理時の残留応力保持時間も充分に長く,例
えば瓶に被覆した場合,殺菌のための熱処理時に肩部に
ゆるみを生じることがない。さらに収縮したフィルムが
部分的に白化することがなく,美麗な外観を有する。
(発明の効果) 本発明によれば,このように,所定の方向に対する熱
収縮性が充分であり,かつ均一に収縮する熱収縮性ポリ
エステルフィルムが得られる。このフィルムを利用する
と,被覆包装や結束包装において,強固な包装状態を与
えることができる。さらに,収縮したフィルムが部分的
に白化することがなく,美麗な外観の包装が可能であ
る。従って,本発明のフィルムは、広範な分野で好適に
利用され得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 C08L 67:00 (72)発明者 山下 敏弘 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東洋紡績株式会社犬山工場内 (56)参考文献 特開 昭48−30747(JP,A) 特開 昭50−56466(JP,A) 特開 平2−289627(JP,A) 特開 平3−45631(JP,A) 特開 平3−68634(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1種のポリエステルを含有する
    組成物でなる熱収縮性ポリエステルフィルムであって,
    含有されるポリエステル全体の50〜90モル%がエチレン
    テレフタレートユニットであり,そして2.5〜20モル%
    がジエチレングリコール部分であり, 該ポリエステルフィルムの100℃での熱収縮率が,該フ
    ィルムの所定の一方向において30%以上であり,主収縮
    方向と直交する方向の収縮率が15%以下であり,そして
    50%緩和時の熱収縮残留応力保持時間が4分以上であ
    る, 熱収縮性ポリエステルフィルム。
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