JP2622526B2 - 車輌の運行記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は車輌の走行速度、走行距離、駐停車等の運行
データをカード形に形成した半導体メモリに記録するよ
うにした装置に関する。

＜従来の技術＞ この種装置としては、箱状に形成されたケース内に、
インターフェース部、内部メモリ、演算処理部、時計
部、カード書込読出部を収容配置してなるデータ収集処
理装置と、例えばトランスミッション内の車速測定出力
軸と駆動連結して車輌の走行速度に比例したパルス信号
を出力するようにした車速センサと、エンジンキースイ
ッチのオンオフ信号を検出して出力するようにしたスイ
ッチセンサと、上記カード書込読出部に着脱可能に挿着
接続するようにカード形に形成された半導体メモリ（以
下、メモリカードという）とを備え、上記スイッチセン
サの検出信号と車速センサのパルス信号とにより、イン
ターフェース部を介して、所定の周期でサンプリングし
た車速データとこれを演算処理した走行距離、駐停車時
間データとの運行データをメモリカードに記録するよう
になっている。

そして、上記データ収集処理装置のケース前面には、
メモリカード挿入口、時刻表示部及びキー入力操作部を
配設して、メモリカードの抜差し及びキー入力操作によ
る時刻の設定、修正等を行うようになっている。

＜発明が解決しようとする課題＞ しかし乍ら、上述の構成にあっては、運行データを収
集するに必要な時刻の設定、修正は、ケース前面に設け
た時刻表示部に時計部から読出した現在時刻を表示さ
せ、この表示をもとにキー入力操作して行うようになっ
ているので、運転者が時刻の設定、修正を任意に行っ
て、メモリカードに記録す運行データを容易に変更させ
ることが可能となり、多くの車輌を管理する運行管理者
にとって管理に必要な的確な運行データを得ることがで
きなくなるという問題を有していた。

これを改善するために、キー入力操作を運行管理者に
よってのみ操作可能に封印、キーロック等の手段を設け
ることも考えられるが、ケース前面に時刻表示部、キー
入力操作部、キーロック手段等設けることになって部品
点数を増し、構成を複雑化して小形化を阻害し、コスト
の高いものとなって狭溢なスペースを利用した装備が困
難になるという問題を有していた。

本発明は上述した点にかんがみてなされたもので、そ
の目的とするところは、データ収集処理装置のケース前
面にキー入力操作部を設けることなく、時刻の設定、修
正を簡単に行うことができ、運転者による任意の変更を
防止して小形化コンパクト化を図ることができるように
したものを提供することにある。

＜課題を解決するための手段＞ 本発明は上記目的を達成するため、メモリカードに、
あらかじめ、時刻設定のための時刻設定データあるいは
時刻修正のための時刻補正データを書込み、この書込ん
だメモリカードを、データ収集処理装置のケース前面に
設けたカード挿入口に挿着接続し、上記時刻設定データ
あるいは時刻補正データにより時計部の時刻設定あるい
は時刻修正を行うよう構成したものである。

＜作 用＞ 時刻設定データあるいは時刻補正データを書き込んだ
メモリカードをケース前面に設けたカード挿入口に挿着
接続する。これによりデータ収集処理装置は、カード書
込読出部を介して上記時刻設定データを読出して時計部
にセットして時刻の設定を行う。また時計部から読出し
た現在時刻に時刻補正データを演算処理して時刻の進
み、遅れを修正する。

＜実施例＞ 本発明の実施例を第１図乃至第３図によって説明す
る。第１図において、１は運行データを記録するメモリ
カードで、第２図に示すように、ランダム・アクセス・
メモリからなるメモリ部1aと、メモリ制御部1bと、バッ
クアップ電源1cと、該カードの挿着を検出するカード検
出部1dと、図示しないデータ、アドレス、制御、リード
／ライトの各バス接続用端子及びカード検出部1dの接続
用端子等を具備してカード形に形成されている。２は車
輌の走行速度に比例したパルス信号を出力する車速セン
サである。これは例えばトランスミッション内の車速測
定用出力軸とスピードメータに連結したフレキシブルワ
イヤとの間に介挿されて共動する回転体の外周に、走行
速度検出用の着磁リングを取付け、これにホール素子等
の磁気センサを近接させて、上記着磁リングの磁化数を
カウントさせることより、上記出力軸の回転数に比例し
たパルス信号を発生させて走行速度を検出するようにな
っている。３はバッテリ５に接続されたエンジンキース
イッチ４のオンオフ信号を検出して出力するスイッチセ
ンサである。これは、エンジンキースイッチ４のオンに
より例えば定電圧電源に接続されたトランジスタを導通
させ、このトランジスタのコレクタ出力を、ノット回路
を介して検出信号として送出するようになっている。６
は上記車速センサ２、スイッチセンサ３から接続され
て、車輌の運行データを収集処理し、着脱可能に挿着接
続される上記メモリカード１に記録するようにしたデー
タ収集処理装置である。これは、上記車速センサ２のパ
ルス信号を瞬間的な所定のサンプリング周期（例えば0.
2秒周期）毎にカウントした値を車速データとして、ま
た、スイッチセンサ３の検出信号を駐停車判別信号とし
て、出力するインターフェース部７と、これの出力を演
算処理する演算処理部８と、シリアルI/Oカレンダ時計
用LSIとバックアップ電源等を有して、年月日、時分秒
データを出力する時計部９と、運行データを収集処理す
るためのプログラムを格納したリード・オンリー・メモ
リ（以下ROMという）10と、このROM10から読出したプロ
グラムにより演算処理されたデータをストアするランダ
ム・アクセス・メモリ（以下内部メモリという）11と、
上記メモリカード１を着脱可能に挿着接続して、該カー
ド１に上記運行データを書込むと共に、該カード１の挿
着によって上記カード検出部1dからの“L"レベルの出力
信号をカード挿着の検出信号として取込むようにしたカ
ード書込読出部12とを具備して、車速センサ２及びスイ
ッチセンサ３の入力信号により、走行開始の年月日、時
分秒、走行速度、走行距離、駐停車時間等の運行データ
のデータ収集処理を行うようになっている。また、この
データ収集処理装置６は、第３図に示すように、箱状に
形成されたケース6aの前面パネル6bには、メモリカード
１をカード書込読出部12と図示しないホルダを介して着
脱可能に挿着接続するようにしたカード挿入口6cと、ボ
タンの押動操作によって挿着したメモリカード１を押出
すようにしたカード取出しボタン6dと、メモリカード１
の挿着によって点灯表示するようにしたカード挿着ラン
プ6eと、エンジンキースイッチ４のオンオフ操作によっ
て点灯表示するようにしたう走行ランプ6fが配設された
構成となっている。

そして、このように構成された運行記録装置Ａが車輌
に装置される。

次に。上記データ収集処理装置６の時計部９に対する
時刻の設定、修正処理動作を第４図及び第５図と共に説
明する。

Ａ、時刻の設定 先ずメモリカード１に時刻設定データを記録する。こ
れは、例えば９時00分00秒に時計部９に対する時刻を設
定するとすれば、メモリカード１を図示しない外部電算
処理機に挿着して、該カード１のメモリ部1aの指定され
たアドレスの先頭に時刻設定要求のフラグを付して年月
日、時分秒の時刻設定データを順次書込む。書込み後、
メモリカード１を、外部電算処理機から抜取って、この
メモリカード１を書込んだ時刻になったとき、当該車輌
に装備されたデータ収集処理装置６のケース6aの前面パ
ネル6bに開口したカード挿入口6cに挿入して、カード書
込読出部12と図示しないホルダーを介して挿着接続す
る。この挿着接続をカード検出部1dが検出して出力信号
を送出することにより前面パネル6bのカード挿着ランプ
6eが点灯する。

そして、第４図に示すように、先ず演算処理部８によ
りカード書込読出部12を介して、時刻の設定要求ありか
が判断され（100）、要求があれば、メモリカード１か
ら時刻設定データを読出し（101）、次いで時計部９の
モードを時刻設定モードに切替え（102）、上記時刻設
定データを時計部９にセットする（103）。次に時計部
９のモードを時刻カウンタモードに切替えて、現在時刻
（即ち、設定した時刻）を読出し（104）、この読出し
た現在時刻が時刻設定データと一致するかを判断し（10
5）、一致しておれば、メモリカード１の設定要求をク
リアして（106）、時刻設定の動作が終了する。

そして、時刻設定後は、挿着接続したメモリカード１
はそのまま保持して走行開始に伴う運行データを記録す
る。

この際、上記ステップ105において、時刻設定データ
通りにセットされなかったときは、メモリカード１に設
定エラーを記録する（107）。

これはデータ収集処理装置の６の時計部９、演算処理
部８の異常発生を意味し、運行管理者が各運転者からメ
モリカード１を提出させ、これによりデータ解析する際
に、発見することになり、当該車輌のデータ収集処理装
置６を点検することになる。

Ｂ、時刻の修正 次に、経時変化によりメモリカード１に記録された運
行データの時刻の進み、遅れが著しくなったとき、時刻
の修正を行う。

先ず、上述した時刻の設定と同様、メモリカード１の
指定されたアドレスの先頭に時刻の修正要求のフラグを
付して時刻補正データ（例えば５分）を進み修正あるい
は遅れ修正に応じたフラグビットに続いて書込む。

時刻補正データを書込んだメモリカード１を上述同
様、当該車輌のデータ収集処理装置６のケース6aのカー
ド挿入口6cに挿入してカード書込読出部12と挿着接続す
る。これにより、第５図に示すように、時刻の修正要求
の有無の判断され（200）、要求があれば、時計部９か
ら現在時刻を読出し（201）、メモリカード１からは上
記時刻補正データ（例えば５分）を読出し（202）、時
刻の修正が遅れ修正か進み修正かを判断し（203）、遅
れ修正であれば（即ち時刻が遅れていれば）上記読出し
た現在時刻に時刻補正データを加算して遅れを修正する
（204）。次に修正した時刻を設定する（206）。これは
上述した時刻の設定動作と同様、先ず、時計部９のモー
ドを時刻設定モードに切替えて上記修正した時刻データ
を時計部９にセットした後、時計部９のモードを時刻カ
ウントモードに切替えて現在時刻（即ち修正時刻）を読
出し、これが修正した時刻と一致するか否かを判断し、
一致していればメモリカード１の修正要求をクリアして
（207）時刻の修正動作を終了する。また、上記ステッ
プ203において進み修正であれば（即ち、時刻が進んで
いれば）、上記読出した現在時刻から時刻補正データを
減算して（205）、上記ステップ206、207が実行され
る。

上記補正した時刻を、時計部９にセットした後、読出
した現在時刻が修正した時刻と一致しなかったときは、
上述したステップ107と同様、メモリカード１に修正エ
ラーを記録する。

このように、時刻の設定、修正はメモリカード１によ
り行うことができるので、データ収集処理装置６の前面
パネル6bは、部品の配置も簡略化されて幅寸法Ｗと高さ
寸法Ｈを縮小することができ、データ収集処理装置６の
小形、コンパクト化を図ることができ、オプション車載
機器として狭溢な空間を利用した装備も可能となる。

＜発明の効果＞ 本発明によれば、運行データを記録するメモリカード
によって、時刻の設定、修正を行うことができるので、
車輌に装備されるデータ収集処理装置はケースの前面に
キー入力操作部、時刻表示部を設けることなく、構成す
ることができ、部品点数を低減して、小形、コンパクト
化を図って安価なものとすることができる。また、時刻
の設定、修正は運行管理者によりあらかじめ時刻設定デ
ータあるいは時刻補正データを書込んだメモリカードを
運転者が挿着接続するだけで可能となるので、運転者に
よる任意の変更を防止して容易に行うことができる。し
かもメモリカードの挿着接続した状態で引続いて走行開
始して運行データを記録せしめることができるので、業
務遂行を阻害することなく、操作性を向上したものとす
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示すブロック図、第２図は第
１図のメモリカードのブロック図。第３図は第１図のデ
ータ収集処理装置の概略外形図、第４図は時刻の設定動
作を説明するフローチャート図、第５図は時刻の修正動
作を説明するフローチャート図である。 1:メモリカード、2:車速センサ、 3:スイッチセンサ、6:データ収集処理装置 6a:ケース、6b:前面パネル 6c:カード挿入口、8:演算処理部 9:時計部、12:カード書込読出部

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車輛の走行速度に比例したパルス信号を出
   力する車速センサと、エンジンキースイッチのオンオフ
   を検出するスイッチセンサと、この両センサから接続さ
   れ、インターフェース部、内部メモリ、演算処理部、時
   計部、カード書込読出部を有してなるデータ収集処理装
   置と、上記カード書込読出部に着脱可能に挿着接続する
   ようにしたメモリカードとを備え、上記スイッチセンサ
   の検出信号と車速センサのパルス信号により、インター
   フェース部を介して、瞬間的なサンプリング周期で取込
   んだ車速データとこれを演算処理した走行距離、駐停車
   時間との運行データを、カード書込読出部を介してメモ
   リカードに記録するようにした車輛の運行記録装置にお
   いて、上記メモリカードにあらかじめ書込んだ時刻設定
   データにより上記時計部の時刻を設定するようにしたこ
   とを特徴とする車輛の運行記録装置。
2. 【請求項２】上記メモリカードにあらかじめ書込んだ時
   刻設定データにより上記時計部の時刻を修正するように
   したことを特徴とする請求項１記載の車輛の運行記録装
   置。