JP2836099B2 - デジタル計器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明はデジタル計器に関するものである。

［従来技術］ 従来、デジタル計器として様々なものがあるが、その
１つとして例えばデジタルタコグラフがある。このデジ
タルタコグラフではこれらのデータを順次サンプリング
しながら記録するものである。そして、このデータの記
憶媒体としてデジタルタコグラフ本体に抜き差し可能な
記憶媒体、即ち、メモリカセット、メモリカートリッ
ジ、メモリカード、ICカード等を使用することが考えら
れている。

又、記録する内容も記憶媒体としてメモリカード等の
電子的なものを使用するため車速データにとどまらず運
行管理データも記録でき、従来のタコグラフ機能に加え
て運行記録計の機能も付け加わるようになってきた。そ
して、運行記録計として使用する場合、車両を出庫及び
帰庫する際に運転者が操作スイッチを押下してそのとき
の時刻を運行開始及び運行終了時間としてセットするよ
うになっていた。

［発明が解決しようとする課題］ ところが、運行記録計として使用する場合、運転者が
多忙だったりすると操作スイッチを押し忘れるという問
題があった。

この発明の目的は、デジタル計器を運行記録計として
使用する場合に操作スイッチの操作忘れを防止して確実
に運行データを取得可能なデジタルタコグラフを提供す
ることにある。

［課題を解決するための手段］ 第１の発明は、第１図に示すように、車両に搭載さ
れ、車速検出手段M1からの車速データを所定の時間間隔
でサンプリングして、車速の推移をデジタル値で記憶す
るデジタル計器において、 デジタル計器本体に抜き差し可能な記憶媒体M2と、前
記記憶媒体M2が初期化されているか否かを判定する初期
化判定手段M3と、現在の時刻を検出する時刻検出手段M4
と、前記初期化判定手段M3により前記記憶媒体M2が初期
化されたものと判定されるとともに、前記車速検出手段
M1により車両の停止が検出され、かつ、イグニッション
スイッチM5がオンの時に、前記時刻検出手段M4による現
在の時刻を運行開始時刻として前記記憶媒体M2に記憶す
る制御手段M6とを備えたデジタル計器をその要旨とす
る。

又、第２の発明は、第２図に示すように、車両に搭載
され、車速検出手段からの車速データを所定の時間間隔
でサンプリングして、車速の推移をデジタル値で記憶す
るデジタル計器において、 デジタル計器本体に抜き差し可能な記憶媒体M7と、前
記記憶媒体M7のデジタル計器本体からの脱落を防止する
ロック機構M8と、前記ロック機構M8のロック状態を検出
するロック状態検出手段M9と、現在の時刻を検出する時
刻検出手段M10と、イグニッションスイッチM11がオフ
で、かつ、前記ロック状態検出手段M9により前記ロック
機構M8のロック解除が行なわれたことが検出された時
に、前記時刻検出手段M10による現在の時刻を運行終了
時刻として前記記憶媒体M7に記憶する制御手段M12とを
備えたデジタル計器をその要旨とするものである。

［作用］ 第１の発明は、初期化判定手段M3により記憶媒体M2が
初期化されていると判定されるとともに、車速検出手段
M1により車両の停止が検出され、かつ、イグニッション
スイッチM5がオンの時に、制御手段M6が時刻検出手段M4
による現在の時刻を運行開始時刻として記憶媒体M2に記
憶する。

又、第２の発明は、イグニッションスイッチM11がオ
フで、かつ、ロック状態検出手段M9によりロック機構M8
でロック解除が行なわれたことが検出された時に、制御
手段M12が時刻検出手段M10による現在の時刻を運行終了
時刻として記憶媒体M7に記憶する。

［実施例］ 以下、この発明を具体化した一実施例を図面に従って
説明する。

第４図には本発明のデジタル計器の一実施例として例
のデジタルタコグラフ１を示し、箱型に形成されたデジ
タルタコグラフ本体２の前面にはカード挿入口３が形成
されている。このカード挿入口３にはロック機構として
のロックピン４が回動可能に配置され、このロックピン
４を第４図において一点鎖線で示す水平状態にすること
により記憶媒体としてのメモリカード５を抜き差し可能
な状態にでき、又、ロックピン４を第４図において実線
で示す垂直状態にすることによりメモリカード５が抜き
取られない状態にできる。さらに、ロックピン４の支軸
部分におけるデジタルタコグラフ本体２内にはロック状
態検出手段としてのロックスイッチ６が設けられ、同ス
イッチ６はロックピン４が垂直状態（ロック状態）にセ
ットされているとオン信号を出力する。

又、デジタルタコグラフ本体２の前面には各種の操作
スイッチ7a〜7fが配設され、各操作スイッチ7a〜7fの操
作により運行の開始・終了等のデータの入力を行なうこ
とができる。デジタルタコグラフ本体２の前面には表示
装置８が配設され、この表示装置８にて時刻や車速等の
データの表示が行なわれる。デジタルタコグラフ本体２
の前面中央部には緑色LED9と赤色LED10が配設されてい
る。

第５図にはデジタルタコグラフ１の電気的構成を示
す。デジタルタコグラフ本体２には初期化判定手段、時
刻検出手段及び制御手段としてのマイクロコンピュータ
11が内蔵され、このマイクロコンピュータ11にはインタ
ーフェイス12を介して車速検出手段としての車速検出器
13が接続されている。マイクロコンピュータ11は発振回
路14からのパルス信号にて計時動作し、その時刻を表示
装置８に表示させるとともに所定時間毎に前記車速検出
器13からの検出信号をサンプリングし車速を求めるよう
になっている。

マイクロコンピュータ11にはカード書込み読取りバッ
ファ15が接続され、同バッファ15によりメモリカード５
に車速の推移を示すデータ（デジタル値）の書込み及び
その書込まれたデータを読取ることができるようになっ
ている。マイクロコンピュータ11はメモリカード５にデ
ータを書込むとき、緑色LED9を点灯させるとともに、メ
モリカード５の記憶容量が残り少なくなってきたとき、
赤色LED10を点灯させる。

又、マイクロコンピュータ11はインターフェイス16を
介してイグニッションスイッチ17のオンオフ信号を入力
するとともに、11は各操作スイッチ7a〜7fからの信号を
入力する。マイクロコンピュータ11はインターフェイス
18を介して外部の電源装置19から定電圧電源を入力する
ようになっている。さらに、マイクロコンピュータ11に
はロックスイッチ６が接続され、ロックピン４のロック
状態を示す信号を入力する。

次に、このように構成したデジタルタコグラフの作用
を説明する。

まず、運行開始前において、初期化されたメモリカー
ド５を持った運転者が車両に搭乗してロックピン４を水
平状態にしてカード挿入口３からメモリカード５を差込
みロックピン４を垂直状態にしてロックする。そして、
運転者はこの状態からイグニッションスイッチをオンに
してエンジンを始動させ、運行を開始し車庫から出て目
的地へと向かう。

第３図には電源投入スイッチ（図示しない）の操作に
より所定時間毎に行なわれるマイクロコンピュータ11の
処理を示す。

まず、マイクロコンピュータ11はステップ101でイグ
ニッションスイッチ17がオンか否かを判断し、イグニッ
ションスイッチ17がオンならばステップ102でメモリカ
ード５が挿入されているか否かを判断する。そして、マ
イクロコンピュータ11はステップ102においてメモリカ
ード５が挿入されていると、ステップ103でロックスイ
ッチ６がオンしロックピン４がロック状態か否かを判断
しオンしているとステップ104でメモリカード５が初期
化されているか否かを判断する。

マイクロコンピュータ11はステップ104においてメモ
リカード５が初期化されていると、ステップ105で車速
がゼロか判断して車速ゼロならばステップ106でそのと
きの時刻を読取る。そして、マイクロコンピュータ11は
ステップ107でその時刻を運行開始時刻としてメモリカ
ード５に記録する。

その後の走行中において、マイクロコンピュータ11は
走行データを順次サンプリングしながらメモリカード５
に記録する。この走行時のタコグラフの作動中におい
て、ロックピン４が垂直状態にありカード挿入口３を塞
ぎメモリカード５が脱落することがない。

そして、車両の運行が終了して再び車庫に戻ってきて
車両を停止させる。この際のマイクロコンピュータ11の
処理を第６図に示す。

まず、マイクロコンピュータ11はステップ200でイグ
ニッションスイッチ17がオフされたか否かを判断し、オ
フされるとステップ201でロックスイッチ６がオフされ
たかを判断する。マイクロコンピュータ11はロックスイ
ッチ６がオフされロックピン４のロックが解除される
と、ステップ202でその時の時刻を読込みステップ203で
帰庫時刻としてメモリカード５に記録する。

このように本実施例においては、デジタルタコグラフ
本体２に抜き差し可能なメモリカード５（記憶媒体）を
設け、マイクロコンピュータ11によりメモリカード５が
初期化されているとともに、車両が停止し、かつ、イグ
ニッションスイッチ17がオンの時に、現在の時刻を運行
開始時刻としてメモリカード５に記憶するようにした。
従って、運行開始の際に乗員が運行スイッチを押し忘れ
たとしても確実に運行データを取得できることとなる。

又、ロックピン４によりメモリカード５（記憶媒体）
のデジタルタコグラフ本体２からの脱落を防止できるよ
うにし、ロックスイッチ６によりロックピン４のロック
状態を検出するようにし、マイクロコンピュータ11によ
りイグニッションスイッチ17がオフで、かつ、ロックピ
ン４のロック解除が行なわれた時に、現在の時刻を運行
終了時刻としてメモリカード５に記憶するようにした。
従って、運行終了の際に乗員が運行スイッチを押し忘れ
たとしても確実に運行データを取得できることとなる。

尚、この発明は上記実施例に限定されるものではな
く、例えば、記憶媒体はメモリカードの他にもメモリカ
ートリッジ、メモリカセット、ICカード等であってもよ
い。

［発明の効果］ 以上詳述したようにこの発明によれば、デジタル計器
を運行記録計として使用する場合に操作スイッチの操作
忘れを防止して確実に運行データを取得することができ
る優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図はクレーム対応図、第２図はクレーム対応図、第
３図は本実施例のデジタルタコグラフのフローチャー
ト、第４図はデジタルタコグラフの斜視図、第５図はデ
ジタルタコグラフの電気回路図、第６図はフローチャー
トである。 ２はデジタルタコグラフ本体、４はロック機構としての
ロックピン、６はロック状態検出手段としてのロックス
イッチ、11は初期化判定手段、時刻検出手段及び制御手
段としてのマイクロコンピュータ、13は車速検出手段と
しての車速検出器、５は記憶媒体としてのメモリカー
ド、17はイグニッションスイッチ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 伸一 愛知県刈谷市昭和町１丁目１番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 山田 光彦 愛知県刈谷市昭和町１丁目１番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 野田 雪彦 愛知県刈谷市昭和町１丁目１番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−255663（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−273690（ＪＰ，Ａ) 実開 平１−76659（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−192059（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭58−4390（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G01P 1/16 G07C 5/00 - 5/12

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車両に搭載され、車速検出手段からの車速
   データを所定の時間間隔でサンプリングして、車速の推
   移をデジタル値で記憶するデジタル計器において、 デジタル計器本体に抜き差し可能な記憶媒体と、 前記記憶媒体が初期化されているか否かを判定する初期
   化判定手段と、 現在の時刻を検出する時刻検出手段と、 前記初期化判定手段により前記記憶媒体が初期化された
   ものと判定されるとともに、前記車速検出手段により車
   両の停止が検出され、かつ、イグニッションスイッチが
   オンの時に、前記時刻検出手段による現在の時刻を運行
   開始時刻として前記記憶媒体に記憶する制御手段と を備えたことを特徴とするデジタル計器。
2. 【請求項２】車両に搭載され、車速検出手段からの車速
   データを所定の時間間隔でサンプリングして、車速の推
   移をデジタル値で記憶するデジタル計器において、 デジタル計器本体に抜き差し可能な記憶媒体と、 前記記憶媒体のデジタル計器本体からの脱落を防止する
   ロック機構と、 前記ロック機構のロック状態を検出するロック状態検出
   手段と、 現在の時刻を検出する時刻検出手段と、 イグニッションスイッチがオフで、かつ、前記ロック状
   態検出手段により前記ロック機構のロック解除が行なわ
   れたことが検出された時に、前記時刻検出手段による現
   在の時刻を運行終了時刻として前記記憶媒体に記憶する
   制御手段と を備えたことを特徴とするデジタル計器。