JP2609260B2 - 内燃機関のアイドル回転数制御装置 - Google Patents

内燃機関のアイドル回転数制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、内燃機関のアイドル回転数を所望の値
に、安定かつ遅滞なく制御する内燃機関のアイドル回転
数制御装置に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、自動車には、種々の要望から様々な補機装置が
装着されるようになり、それらの装置の中には、エンジ
ン回転によって駆動されるものがあり、その動作により
エンジン回転速度、特にアイドリング時のそれを変動さ
せる大きな負荷が多くある。
例えば、エアーコンディショナあるいはパワーステア
リング、さらには大量に電流を消費する装置(デフオガ
ーなど)は、その作動により発電機(オルタネータ)の
負荷トルクの増大などがあり、エンジンストップを発生
させる欠点を有していた。
これに関連する従来例について図面により説明する。
第4図は従来のエンジン回転数制御装置のブロック図を
示している。
同図において、1は所望の目標回転数に応じた電圧の
設定信号を出力する設定回路であり、この設定信号と回
転数検出回路5から出力される実際のエンジン回転数に
応じた電圧で与えられる検出信号とが減算機11に加えら
れるようになっている。
減算機11は設定信号と検出信号との差をとり、比例積
分制御器2に出力するようにしている。この比例積分制
御器2は偏差信号を増幅する回路と、この偏差信号を積
分する回路の並列接続からなるものである。
この比例積分制御器2の電圧による出力に応じて、ア
クチュエータ3はエンジン4の点火時期または吸入空気
量を調整するようにしている。
なお、この第4図において、アクチュエータ3の入力
端からエンジン4、回転数検出回路5の出力端までの伝
達関数を「345」としてまとめて一つの伝達関数とし
て、回転数制御系を表示すると、第5図のようになる。
次に、第4図により従来のエンジン回転数制御系の動
作について説明する。まず、設定回路1がある目標回転
数{一般に、エンジンの動作点によって変化するが、ア
イドルでエアコンディショナ(以下、エアコンという)
が入った場合では、800〜900rpmである)に応じた目標
電圧信号を出力したとする。
次に、この目標電圧信号は、回転数検出回路5から出
力される実際のエンジン回転数に応じた電圧信号との差
が減算器11でとられ、偏差信号となる。
次に、この偏差信号を比例積分制御器2で比例増幅お
よび積分増幅し、この電圧信号を操作量として、アクチ
ュエータ3に送る。
アクチュエータ3はこの電圧信号に応じて、エンジン
4の点火時期または吸入空気流量を制御する。エンジン
4はアクチュエータ3で指令される点火時期または吸入
空気流量に見合う実際回転数を発生し、回転数検出回路
5はこの実際回転数に応じた電圧信号を発生する。そし
て、この実際回転数に応じた電圧信号は減算器11側に帰
還される。
このようなフィードバック制御器系が、定常状態では
偏差信号が零になるところで落着くのは云うまでもな
い。
このとき、目標回転数に応じた電圧信号と実際回転数
に応じた電圧信号とが等しくなり、エンジン回転数は目
標回転数に等しくなる。つまり、定常状態では、エンジ
ン回転数が常に目標回転数に等しくなるように制御され
る。
次に、過渡状態での動作を説明する。過渡状態での代
表的な場合として、アイドル時に負荷(例えば、エアコ
ン)が急に加えられた場合を例にとり説明する。
いま、第4図で代表される制御系がある定常状態にあ
ったところに、急に負荷がエンジン4に加わり、エンジ
ン回転数が低下したとする。
このとき、回転数検出回路5が出力する電圧信号が低
下するので、偏差信号は正の電圧信号となり、比例積分
制御器2、アクチュエータ3を通して、制御系はエンジ
ン4の回転数を上昇させるように動作し、エンジン回転
数はもとの目標回転数に回復していく。
この過程の中で、できるだけ速くもとの目標回転数に
エンジン回転数を戻すためには、偏差信号を受ける比例
積分制御器2における比例ゲインや積分ゲインを大きく
し、同一偏差信号に対して大きな電圧信号をアクチュエ
ータ3に与えるのが望ましいことは明らかである。
すなわち、制御系の感度を上げることによって、低下
したエンジン回転数を速く元の目標回転数に戻すことが
できる。
このように、一般に、フィードバック制御系におい
て、比例積分制御器2の比例ゲインや積分ゲインを大き
くして、制御系の感度を上げることは、 (1)外乱の影響を速やかに除去する点、 (2)制御対象の特性変化やバラツキに無関係に所定の
制御成績を得る点、 などで極めて重要なこととなっている。
しかし、実際のエンジン回転数制御系においては、制
御系の感度を上げることは通常非常に難しいこととなっ
ている。
この理由は、一般に、エンジンの場合に、例えば、ア
クチュエータ3が吸入空気量を操作する場合を例にとる
と、吸入空気流量からエンジン回転数までの間の伝達特
性に、 (1)位相が180度遅れる2次遅れ要素がある点、 (2)行程遅れによる無駄時間要素などがある点、 などにより、制御系の感度を上げる(高ゲインにする)
と、制御系自体が不安定になり、ハンチング現象が発生
するからである。
この点に関して、第5図を例にとり、式を用いて詳し
く説明する。この第5図において、比例積分制御器2お
よび伝達関数345の伝達関数をそれぞれGc(S),G
345(S)e-SLとし、設定回路1の電圧信号をr、伝達
関数345の出力(電圧信号)をyとすると、電圧信号r
から出力yへの閉ループ伝達関数y/rは次の(1)式で
与えられる。
したがって、制御系の安定性を支配する特性方程式は
次の2次で与えられる。
1+Gc(S)G345(S)e-SL=0 ……(2) ここで、Gc(S)は比例積分制御器2の伝達関数であ
る。
よく知られているように、上記(2)式を用いた安定
性解析はナイキスト線図を書くことによって実行でき
る。以下に、実際にナイキスト線図を書いて、制御系の
安定性を解析してある。
まず、Gc(S)は比例積分だから、比例ゲインをK、
積分ゲイン(積分時間)をTiとすれば、 で与えられる。
一方、アクチュエータ3からエンジンまでの伝達関数
G345(S)は、 なる2次遅れで精度よく近似できる。
ここに、Tは時定数で、エンジン回転数、フライホイ
ール慣性モーメント、サージタンクの容積などに依存す
るが、エンジン平衡回転数No=750rpmで、0.3秒程度で
ある。
また、無駄時間Lは4行程分とすると、エンジン平衡
回転数No=750rpmで、4×60/(2×No)=0.16秒とす
る。S=jωを(3)式,(4)式に代入して、 ωKTi=ωT×(KTi/T), ωTi=ωT×(Ti/T), ωL=ωT×(L/T), のように変形し、K,Tiをパラメータにとり、ナイキスト
線図を書くと、例えば、第6図が得られる。
この第6図はK=0,Ti/T=1のときのものである。こ
の第6図から明らかなように、周波数f=0.37Hzで位相
が180度、絶対値は0.96であり、制御系は非常に不安定
であることがわかる。
同様に、K,Tiをパラメータにとった各ナイキスト線図
から制御系が不安定になる周波数を求めると、0.37Hz〜
0.7Hzの範囲にある。
一方、実験によると、アイドル回転数制御系が不安定
になり、ハンチングするときの実際の周波数はほとんど
0.3〜0.7Hzの間にあり、上記の解析は実験と極めてよく
一致していることがわかる。
この解析から、制御系が安定になるK,Tiの範囲を求め
ると、K=1〜2、Ti/Tは1以上となる。この結果も実
験と一致している。これらのことから、 (1)アイドル回転数制御系の比例ゲインKはせいぜい
2次下で、積分時間Tiは0.3秒より大きく(したがっ
て、積分ゲインは小さく)しないと、制御系は不安定に
なること、 (2)したがって、制御系の感度を上げる(高ゲインに
する)ことができず、外乱に対する応答(追従性)が悪
くなり、大きな負荷が急に加わると、エンジンストップ
を生じること、 がわかる。
このような現状を少しでも、改善するため、種々の工
夫が考えられている。例えば、空気調和機(以下、空調
という)などのスイッチ信号をコンピュータに取り込
み、実際に空調機の負荷が機関に印加される前に、空調
機が稼動するということをコンピュータが知り、アクチ
ュエータ3を駆動する方法がしばしば採用されている。
しかしながら、この方法では、スイッチ信号と実際に
空調機の負荷が機関に印加される時期に大幅なずれがあ
るときには、一旦、回転数が吹き上がった後、下がるこ
とがあり、運転者に不愉快な印象を与えることが多かっ
た。
改善のもう一つの例として、特公昭61−43535号公報
によれば、第7図に示すフィードバック制御系が提案さ
れている。
すなわち、第7図において、符号1〜5,11で示す部分
は第4図と同様であり、6と12で示す部分が第4図の構
成に追加されており、6は回転数検出回路5で検出され
て出力するエンジン回転数の現象に応じた電圧の検出信
号を出力する検出回路である。
この検出回路6から出力される検出信号と回転数検出
回路5から出力される検出信号は加算機12で加算され、
その加算結果は減算器11に出力するようにしている。
次に、この第7図の動作について説明する。第4図と
同様に、この第6図の制御系がある定常状態にあるとき
に、急激に負荷外乱が加わり、エンジン回転数が急速に
減少したとする。
この場合、設定回路1から回転数検出回路5までは、
第4図と全く同様に動作するが、第7図では、回転数の
減速度に比例した電圧による出力信号を出力する検出回
路6によって回転数の減速度に比例した電圧が余分にフ
ィードバックされ、第4図の動作に比べて偏差信号は大
きくなり、第4図に比較して、より速く元の目標回転数
に復帰する。
このような一種のフィードフォワードによって、確か
にエンジン回転数は第4図の場合に比べて速く元の目標
回転数に復帰するが、このようなフィードフォワード補
償が初期の目的を達成するのは、一般に極めて限られた
場合(例えば、制御対象の特性変化が非常に小さい場
合)が多く、したがって、一般的に効果が常に得られる
とは必ずしも限らないという欠点を有していた。
例えば、目標回転数が600rpmのときは、問題なく動作
するが、1000rpmになると、かえって害になるというこ
ともしばしばある。
また、特公昭61−53544号公報によれば、第4図のア
クチュエータ3によって点火時期を制御することが提案
されている。
一般に、エンジン回転数を制御する際、吸入空気流量
と点火時期のどちらかを制御することが考えられるが、
点火時期の方が応答が速いため、点火時期を制御するこ
とによって、外乱による回転数の低下の影響をある程度
速く取り除くことができる。
しかし、点火時期によって制御できる回転数の幅は限
られており、この幅を越えるような負荷が加わった場合
には、あまり効果がない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上説明した第4図および第7図の各従来のエンジン
回転数制御装置は、エンジンに加わった負荷外乱の影響
をある程度速く取り除き、元の目標回転数に復帰する効
果をもつが、本質的に比例積分制御器2の比例ゲインや
積分ゲインを大きくして、制御系の感度を上げたもので
ないため、その効果は限られるものであった。
この発明は、かかる問題点を解決するためになされた
もので、制御系の感度を上げるとともに、負荷外乱の影
響を速やかに取り除き、元の目標回転数を速やかに復帰
できる内燃機関のアイドル回転数制御装置を得ることを
目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明に係る内燃機関のアイドル回転数制御装置
は、比例積分制御器の出力端に吸気圧力またはそれを代
表とする機関の状態量に関する局所フィードバック補正
を行うフィードバック系を設けるか、または比例積分制
御器の出力端に吸気圧力または1次進み補償に回転数の
ような運転パラメータの1次および2次微分を組み合わ
せた補償を行う制御系を設けたものである。
〔作 用〕
この発明における比例積分制御器の出力端にエンジン
からのフィードバック系を通して吸気圧力またはそれを
代表とする機関の状態量に関する局所フィードバック伝
達関数を加えて局所フィードバック補償を行うか、また
は補償系を通して回転数フィードバック補償の伝達関数
を加えて、1次進み補償に回転数の1次および2次微分
を組み合わせた補償により、エンジンの2次遅れ特性を
1次遅れ特性になるような補償を行い、比例、積分ゲイ
ンを大きくできるようにして、制御系の感度を増大させ
る。
〔実施例〕
以下、この発明の内燃機関のアイドル回転数制御装置
の実施例について図面に基づき説明する。第1図はその
一実施例のブロック図である。この第1図において、第
4図および第7図と同一部分には同一部分を付すのみに
とどめ、その重複説明を避ける。
この第1図の実施例は比例積分制御器2の出力端に加
算器13が設けられており、この加算器13の一方の入力端
にこの比例積分制御器2の出力電圧が加えられるように
なっており、他方の入力端には、エンジン4からのフィ
ードバック系101を介して吸気圧力に関する局所フィー
ドバックの伝達関数100が加えられるようになってい
る。この加算器13の加算結果はアクチュエータ3に加え
るようにしている。
前記フィードバック系101はエンジン4の吸気圧力ΔP
b/Pboから局所フィードバックの伝達関数100を加算器13
に加えるようにしている。
アクチュエータ3から得らえる吸入空気量Δa/ao
は減算器14の一方の入力端に加えるようにしている。こ
の減算器14の他方の入力端にエンジン4から回転数の2
次微分値(1+STη)が加えられるようになっている。
ここで、Sはjω、τηは時定数である。この減算器14
の出力ΔE/Eoをエンジン4に加えるようにしている。
なお、減算器14の物理的実体は吸気マニホールド内で
の質量保存則を示している。
エンジン4内のGN(S),Gc(S),Gb(S)は伝達特
性、Gλ(S)は燃料搬送特性、ΔN/Noは回転数、ΔTb
はエンジントルク。
次に動作について説明する。まず、比例積分制御器2
の出力端に吸気圧力に関する局所(サブ)フィードバッ
ク補償を行う場合について説明する。すなわち、状態量
として吸気圧力をとった場合について説明する。
第1図で破線で示した部分は第4図の従来のエンジン
4機能(吸入空気流量の変化Δaから吸気管圧力の変
化ΔPbを経て回転数の変化ΔNに変換する機能)をブロ
ック図化して示しているものであり、この発明の本質
は、図中吸気圧力ΔPb/Pboから吸入空気流量Δa/ao
側、すなわち、加算器13の一方の入力端側にフィードバ
ック系101を通して局所フィードバック伝達関数Sτ
(Sはjω、τは時定数で時定数τηより大)を加え
て、前述の無駄時間を除いたエンジンの伝達特性を表わ
す上記(4)式を、実効的に1次遅れで与えられるよう
にしているものである。
したがって、この部分を中心に式を用いて詳細に説明
する。第1図の吸入空気量ΔE/Eoから吸気圧力ΔPo/Pbo
への伝達特性GN(S)は次の式の(5)式の1次遅れで
与えられる。
なお、ここで、簡単のために、第1図のτη=0とし
て考える。
この(5)式において、τは時定数で次の(6)式
で与えられる。
この(6)式において、ηv0は平衡時の体積効率、No
は平衡時のエンジン回転数、Vmはスロットル弁から吸気
弁までの吸気マニホールド容積、Vhはエンジンの排気容
積で、普通No=750rpm、ηV0=0.6、Vm=Vh程度とする
と、τ=0.27sec程度の値をもつ。
上記伝達特性GN(S)の前の回転数フィードバック
(減算器14で示される)は機械的にかかるもので、アイ
ドルで回転数が下がると、吸気圧力が上昇するか、また
はその逆の効果を表わしたものである。
また、伝達特性Gc(S)は燃料制御の空気計量方式に
依存する伝達特性で、吸気圧力ΔPb/Pboに比例して燃料
を噴射する場合(Speed−Density,D−jetro)は行程遅
れと考えなければ1で、エアーフローメータで吸入空気
量を計測して単位回転数当りの空気量に比例して燃料を
噴射する場合(L−jetro)は(1+Sτ)で与えら
れる。ここでは、説明を簡単にするため、伝達特性Gc
(S)=1とする。
燃料搬送特性Gλ(S)は燃料噴射弁(図示せず)を
駆動する噴射パルス幅ΔPW/PWoと空気比Δλ/λoとを
関連づける、いわゆる吸気管内の燃料搬送特性を表して
いる。
ここでは、これについても説明を簡略にするため、1
に等しいものとする。
さらに、伝達特性Gb(S)はエンジントルクTbと回転
数ΔN/No、吸気圧力ΔPb/Pbo、空気比Δλ/λoとを関
係づける伝達特性であり、次の(7)式で与えられる。
この(7)式て、Kn,Kp,Kλは定数であり、平衡動作
点(No,Pbo,λo)において、実験的に決定される。
これらの定数の物理的意味やそれらの測定法について
は、たとえば、SAE Paper 860411に示されているので、
ここでは簡単な説明をしておく。
すなわち、定数Knは回転数ΔN/Noによってもたらされ
る正味トルクの変化を表し、定数Kpは吸気圧ΔPb/Pboに
よってもたらされる正味トルクの変化を表し、定数Kλ
は空気比Δλ/λoによってもたらされる正味トルクの
変化を表している。
エンジントルクΔTbは、よく知られたオイラ運動方程
式で表されるように、再び回転数ΔN/Noに変換される。
すなわち、 この(8)式においては、Jはフライホィールの慣性
モーメントである。
最後に、吸入空気流量Δa/aoとΔE/Eo、回転数Δ
N/Noの関係は、吸気マニホールド内の質量保存則、状態
方程式および体積効率を定義式より、次の(9)式とな
る。
上記(5)式〜(9)式を連立して、吸入空気流量
aと回転数ΔNの関係を求めると、次の(10)式が得ら
れる。ただし、この(10)式では、行程遅れによる無駄
時間を除いている。
ここで、 アクチュエータ3の伝達特性を1とすれば(非常に応
答の早いアクチュエータならば、この仮定は正しく成立
する)、上記(10)式は2次遅れ(Sの2次式)で与え
られる現状の伝達特性((4)式)を正しく表している
ことがわかる。
このようなアイドル系に第1図に示した吸気圧力ΔPb
/Pboから吸入空気流量Δa/ao側に局所フィードバッ
クの伝達関数100(Sτ)を介した状態量の局所フィ
ードバック系101を設けると、2次遅れ(Sの2次)で
与えられる従来の伝達特性((4)式)を、実効的に1
次遅れの特性にすることができ、それによって、比例積
分制御器2の比例、積分ゲインを大きくし、制御系の感
度を高くすることによって、制御系の過渡特性を大幅に
改善できることを発明者は見出した。
以下に、これに関して式を用いてさらに詳しく説明す
る。第1図に示した吸気圧力ΔPb/Pboから吸入空気流量
Δa/ao側に伝達関数100(Sτ)を介した状態量
を介した局所フィードバック、すなわち、フィードバッ
ク系101を設けると、 と表される空気流量が流れる。
この(13)式で右辺第1項はスロットルバルブをバイ
パスする第1の通路を流れる空気流量とし、右辺第2項
をスロットルバルブをバイパスする第2の通路を流れる
空気流量とすれば(現実には、このような区別をする必
要がなく、第1の通路を流れる空気流量に右辺第2項で
表される空気流量を上乗せして流せばよい)、上記(1
3)式を(9)式に代入することにより、次の(14)式
が得られる。
上記(10)式を導いたときと同様に、(9)式の代わ
りに上記(14)式を用い、(5)式〜(8)式から(1
0)式に対応するΔaからΔNへの伝達特性を求める
と、次の(15)式が得られる。
ここで、 である。
すなわち、(10)式と(15)式を比較すれば明らかな
ように、ΔapからΔNへの伝達特性は2次遅れから1
次遅れとなる。
したがって、同一周波数に対する位相遅れが減少し、
比例、積分ゲインを増大させても、制御系は安定に動作
されるようになり、トルク外乱に対する応答を速くする
ことができる。
次に、これによって、どの程度制御成績が改善される
かを検討する。そのため、アクチュエータ3からエンジ
ン4の伝達特性G345(S)を1次遅れとして、前と同様
にナイキスト線図を書くことにする。すなわち、 として、 となる。
この(18)式を用いて、(2)式のナイキスト線図
(比較のため、正規化無駄時間Ln=L/T=0.5、正規化積
分時間Tn=Ti/T=1、1次遅れ時定数T=0.3sec、比例
ゲインK=1とした)を書くと、第2図が得られる。
この第2図と第6図と比較すると、以下のことがわか
る。すなわち、第2図において、実線と交差する周波数
1.7Hzで、そのときの絶対値は0.3(ゲイン余裕は20dB)
で、第6図の基準状態(ゲイン余裕は0.4dB)に比べる
と、安定性は極めてよくなり、応答性は4倍も速くな
る。
このように、状態量である吸気圧ΔPbを伝達関数100
(Sτ)を介して局所フィードバックすることによ
り、安定性と速応性を同時によくすることが可能とな
る。
この効果を物理的に説明すれば、次のようになる。先
に述べたように、ある定常状態に負荷が急に印加された
とすると、当然回転数は低下する(ΔN≦0)が、この
とき、たとえ、吸気圧ΔPbの局所フィードバックがなく
ても、一般に機械的にかかるフィードバックになり、吸
気圧は増大する方向に機関は動作する((9)式でΔ
a=0のとき、ΔN≦0ならば、ΔPb≧0となる)。
しかし、この動作が緩慢であるため、安定性と応答性
が悪いわけである。この発明が主張する吸気圧ΔPbの局
所フィードバックは、この機械的にかかるフィードバッ
クを補強する働きをする。
すなわち、(9)式で、ΔN≦0で、ΔPb≧0となっ
たとき、状態である吸気圧ΔPbの局所フィードバックは
吸気圧ΔPbの微分に比例した空気流量Δaを余分に流
すように動作するので、それに見合う量だけ速く吸気圧
を立ち上げるわけである。
換言すれば、吸気圧ΔPbの局所フィードバックは自然
に機械的にかかるフィードバックを補強していることに
なる。
よく知られているように、吸気圧は機関の発生するト
ルクに対応する状態量である。したがって、吸気圧の代
わりに、トルクT、図示平均有効圧Pi次式で定義される
サイクル当たりの発熱量Qの微分に比例する局所フィー
ドバックを実施しても同様の効果が得られるのは明らか
である。
ここで、κは比熱比、P(θ)はクランク角θにおけ
るシリンダ内圧力、V(θ)クランク角θにおけるシリ
ンダ内圧力、V(θ)はクランク角θにおける筒内容積
で、クランク角θは圧縮および燃焼、膨張行程の期間を
示す。
状態量である吸気圧の微分に比例する局所フィードバ
ックを実施するときの比例係数τは(6)式からわか
るように、体積効率と期間回転数に逆比例し、マニホー
ルド容積Vmと期間排気容積Vhとの比に比例するので、こ
れらの値に応じて比例係数の値を変えれば、機関の種々
の動作点においても、上記の効果が得られる。
以上述べた構成では、吸気圧やそれに代わる状態量が
計測できない場合には、上記の局所フィードバックは不
可能になる。
しかし、次のようにすれば、上記の局所フィードバッ
クと同様の効果を得ることができる。すなわち、上記
(14)式を(13)式に代入すると となる。第1図の説明で簡単のために無視したτηを考
えれば、厳密な式として、 が導かれる。
第3図はこの(20)式を適用するこの発明の他の実施
例のブロック図である。式の導出過程から明らかなよう
に、状態量である吸気圧を微分に比例する局所フィード
バックと同様の効果を奏する。
これは吸気圧の微分に比例する局所フィードバックを
実施すると、吸気圧は(14)式で与えられるからであ
る。
ここで、上記(20)式による実施例の第3図について
説明する。この第3図では、比例積分制御器2の出力を
1次進み補償伝達関数200(1+Sτ)を減算器15の
一方の入力端に加え、この減算器15の他方の入力端に、
回転数検出回路5の出力を回転数フィードバック補償伝
達関数300{Sτ(1+STη)}を補償系301を介して
加えるようにしており、この減算器15の出力はアクチュ
エータ3に加えるようにしている。
すなわち、この第3図において、比例積分制御器2の
出力を1次進み補償伝達関数200(1+Sτ)が(2
0)式の右辺第1項に対応し、これと回転数検出回路5
の出力を回転数フィードバック補償伝達関数300を通し
て減算器15にて減算を行い、(20)式の右辺第2項の回
転数の1次、2次微分に比例するSτ(1+STη)Δ
N/Noをアクチュエータ3の入口にフィードバックする。
このように、吸気圧またはそれに代わる状態量が検出
できない場合は、空気流量の1次進み補償に1次、2次
微分に比例した回転数フィードバックをかけることによ
り、局所吸気圧フィードバックをかけたのと同様の効果
を発揮させることができる。
この場合も、各微分にかかる係数τaηは機関動作
点に依存するから、前述のように、機関動作点に応じて
係数を変えることにより、すべての動作において、この
発明の特徴に対応する効果を得ることができる。
〔発明の効果〕
この発明は以上説明したとおり、吸入空気流量に状態
量である吸気圧の微分に応じた局所フィードバックをか
けるか、あるいは1次進み補償に回転数のような運転パ
ラメータの1次および2次微分を組み合わせて補償を行
うように構成したので、2次遅れと無駄時間で表される
エンジン特性を実効的に1次遅れと無駄時間で与えら
れ、制御系の位相遅れを著しく低減でき、比例積分制御
器の比例、積分ゲインを増大させるとともに、制御系の
感度を上げることができ、負荷外乱による回転数変動を
速やかに整定させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例による内燃機関のアイドル
回転数制御装置のブロック図、第2図はこの発明におけ
る制御系を支配する特性方程式を用いた安定性解析を実
行するためのナイキスト線図、第3図はこの発明の他の
実施例のブロック図、第4図は従来のエンジン回転数制
御装置のブロック図、第5図は第4図のエンジン回転数
制御装置の動作を示す簡略化ブロック図、第6図は第4
図のエンジン回転数制御装置における制御系を支配する
特性方程式を用いた安定解析を実行するためのナイキス
ト線図、第7図は従来のエンジン回転数制御装置の別の
例を示すブロック図である。 1……設定回路、2……比例積分制御器、3……アクチ
ュエータ、4……エンジン、5……回転数検出回路、1
1,14,15……減算器、13……加算器、100……局所フィー
ドバックの伝達関数、101……局所フィードバック制御
系、300……回転数フィードバック補償伝達関数、301…
…補償系。 なお、図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンのアイドル回転数を検出する回転
    数検出回路と、上記エンジンの所定の目標回転数に応じ
    た設定信号を出力する設定回路と、上記回転数検出回路
    の検出信号と上記設定信号との偏差を増幅および積分す
    る比例積分制御器の出力に応じてスロットルバルブをバ
    イパスする吸気通路を制御する比例積分フィードバック
    制御系とを備えた内燃機関のアイドル回転数制御装置に
    おいて、上記スロットルバルブをバイパスする吸気通路
    を流れる空気流量に対して、吸気圧力Pb、エンジントル
    クT、図示平均有効圧Pi、サイクル当たりの発熱量Qな
    どの上記エンジンの状態量のうちの少なくとも一つの状
    態量の変化の一次微分に応じた次の式で表される局所的
    な状態フィードバック (Δは吸入空気流量の変化、a0はスロットルバル
    ブと上記吸気通路を流れる全体の平衡時の空気流量、S
    はjω、τは時定数)をかけるフィードバック制御系
    と、上記吸気通路を流れる空気流量を、空気流量および
    エンジン回転数などのエンジンの運転パラメータの変化
    の1次微分または2次微分あるいはその和もしくは差に
    応じて、次の式 (τ=120Vm/(ηv0N0Vm),Vmはスロットルバルブか
    ら吸気管壁および吸気バルブまで占められる体積、VS
    排気容量、ηV0は平衡吸気圧力Pb0で平衡回転数N0での
    体積効率、Nは回転数、添字は平衡時での各値、a0
    はスロットルバルブとバイパス空気通路を流れる全体の
    平衡時の空気流量、Sはjωである)で示される制御系
    とを上記比例積分制御器に併設したことを特徴とする内
    燃機関のアイドル回転数制御装置。
  2. 【請求項2】上記局所的な状態量フィードバックにおい
    て上記状態の変化の1次微分にかける係数K0と上記運転
    パラメータの変化の1次微分または2次微分にかける係
    数K1,K2は上記エンジンの運転パラメータの変化に応じ
    て変化することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の内燃機関のアイドル回転数制御装置。
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