JP2608477C - - Google Patents

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JP2608477C
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discharge
capacitance
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、オゾンを発生させるための放電体に関するものである。 〔従来の技術〕 オゾンは乾燥空気中で放電を行うことにより得られるもので、強い酸化力を持
ち、脱臭、殺菌、漂白等に使用されている。 このようなオゾンの発生装置としては、たとえば特公昭55−37483号公報に示
されるようにアルミナセラミックスからなる誘電体をはさんで放電を行うように
したものが用いられていた。また、特開昭59−44797号公報などに示されている
ように、セラミックスからなる誘電体の内部に面状の誘導電極を、表面に線状の
放電電極をそれぞれ形成し、これらの電極間に高周波電圧を印加して沿面放電を
発生させるようにしたものも用いられていた。 さらに、上記誘導電極と放電電極を形成してなるオゾン発生用放電体において
、放電電極は放電中に消耗しやすいため、これを覆うようにガラスから成る保護
層を形成することも行われていた(特開昭63−66880号公報参照)。 〔従来技術の課題〕 ところが、上記の如きガラスからなる保護層は放電により浸食されやすく、次
第にオゾン発生量が低下してしまうという問題点があった。 そのため、保護層の材質としてさまざまなセラミックスを用いることが考えら れているが、その場合保護層が薄いと製造が困難であり、ピンホールが発生しや
すく、逆に保護層が厚いと放電特性が悪くなりオゾン発生量が低下するなどの問
題点があった。またセラミックの種類が異なると、最適厚みも異なるため、保護
層の厚み調整が非常に難しいものであった。 〔課題を解決するための手段〕 上記に鑑みて本発明は、オゾン発生用放電体の放電電極を覆うように保護層を
形成するとともに、誘電体層の静電容量C1と保護層の静電容量C2との比を0.286
≦C1/C2≦0.5とすればオゾン発生量を高くできることを見い出したものである。 なお、上記誘電体層の静電容量C1とは誘電体層をはさんで形成された面状誘導
電極と線状放電電極間の静電容量のことであり、一方保護層の静電容量C2とは、
保護層の上に前記面状誘導電極と同じ大きさの電極を置いたときの、この電極と
前記放電電極間の静電容量のことである。 〔実施例〕 以下本発明の実施例を図によって説明する。 第1図(a)(b)に示すオゾン発生用放電体は、未焼成セラミック板1に面
状の誘導電極3を、もう一枚の未焼成セラミック板2に線状の放電電極4を、そ
れぞれタングステン、モリブデンなどのペーストを塗布して形成し、これらのセ
ラミック板1,2を積層した後、上記放電電極4を覆うようにセラミックスからな
る保護層5を印刷、吹き付け、CVD法、PVD法などにより形成して全体を焼成一体
化したものである。このオゾン発生用放電体は、上記セラミック板2が誘電体層
となり、誘導電極3と放電電極4間に電圧を印加すると沿面放電が生じ、オゾン
を発生させることができる。 また、他の例として、第2図(a)(b)(c)に示すオゾン発生用放電体は
、まず、第2図(a)に示すように未焼成セラミック板11の表面にタングステン
、モリブデン等からなる面状の誘導電極13を形成し、これを覆うように誘電体層
としてのセラミック層12を印刷、吹き付け、CVD法、PVD法などにより形成した後
、このセラミック層12の上にタングステン、モリブデン等からなる線状の放電電
極14を形成し、これを覆うようにセラミックスの保護層15を前記と同様の手段 で形成したものである。このオゾン発生用放電体は、コーティングにより形成し
たセラミック層12を誘電体層としていることから、誘電体層を薄くして、放電特
性を向上させることができる。 次に、第2図(a)(b)(c)に示すオゾン発生用放電体において、誘電体
層としてのセラミック層12の材質、厚みT1、及び保護層15の材質、厚みT2を種々
に変化させたものを試作し、それぞれ誘電体層、保護層の静電容量C1,C2を測定
した後、実際のオゾン発生量を調べた。 なお、誘電体層の静電容量C1とは誘導電極13と放電電極14の間の静電容量であ
り、保護層の静電容量C2とは保護層15の上面に誘導電極13と同じ大きさの電極を
置いたときの、この電極と放電電極14間の静電容量のことである。 また、上記誘導電極13は5mm×20mm、放電電極14は1mm×17.5mmの大きさでタン
グステンにより形成し、オゾン発生時の条件は、5℃、湿度30%で1次側電圧3.
5Vを60秒印加させたときのオゾン発生量を調べた。 まず、誘電体層12、保護層15をいずれも、アルミナセラミックスにより形成し
た場合の実験結果を第1表および第3図に示す。なお、このアルミナセラミック
スは、92%のAl2O3と残部がSiO2,MgO,CaOなどからなり、誘電率9.5のものを用い
た。 第1表、およびC1/C2とオゾン発生量の関係を示す第3図より明らかに、誘電
体層と保護層の静電容量の比C1/C2が0.4より大きくなると極端にオゾン発生量が
低下し、特にC1/C2が0.5より大きいとオゾン発生量がほとんど0になることがわ
かる。 次に、誘電体層、保護層の材質として、誘電率6.8のムライトを用いた場合の
実験結果を第2表、第3表に示す。 第2表、第3表の結果も、第1表と同様であり、誘電体層と保護層の静電容量
の比C1/C2が0.4より大きくなると極端にオゾン発生量が低下し、特にC1/C2が0.5
より大きいとオゾン発生量がほとんど0となった。 また、たとえば第1表中のNo.3と第3表中のNo.2を比較してみると、両者は誘
電体層、保護層の厚みはほぼ同じであるが、保護層の材質が異なるため静電容量
の比C1/C2も異なり、オゾン発生量も異なっている。即ち、オゾン発生量は誘電
体層と保護層の厚みの比ではなく、静電容量の比によって決定されることが確認 されている。 さらに、上記実施例ではセラミック材としてアルミナ、ムライトを用いたもの
のみを示したが、この他にフォルステライト、ステアタイト、ジルコン、チタニ
ア系セラミックスなどさまざまなものを用いても同様の結果であった。 したがって、放電電極上にセラミックスの保護層を形成したオゾン発生用放電
体において、オゾン発生量を多くするためには、セラミックスの種類にかかわら
ず、誘電体層の静電容量C1と保護層の静電容量C2の比C1/C2を0.5以下とすれば良
く、特にC1/C2を0.4以下とすればもっとも優れていることがわかった。 ただし、これはオゾン発生量の点のみから見たものであって、放電電極の保護
という観点からは保護層の厚みが大きいほど良いため、実際には、静電容量の比
C1/C2が0.5以下の範囲内で、保護層の厚みを最大にすれば良く、また第1〜第3
表の結果よりC1/C2の下限は0.286とすれば良い。 また誘電体層の静電容量C1と保護層の静電容量C2は、それぞれ理論的に下記の
式によって求められる。 C1=ε0・ε1・S/T1 C2=ε0・ε2・S/T2 これらの2式より C1/C2=ε1・T22・T1 したがって、C1/C2を小さくするためには、保護層の誘電率ε2を大きくするか
厚みT2を小さくすれば良いことがわかる。また、保護層の厚みT2は、15μmより
小さいと製造が困難で、ボイドが発生しやすいなどの問題が生じるが、そのよう
な場合は、誘電率ε2の大きな材質を用いれば厚みT2を大きくすることができ、
上記問題を解消できる。 〔発明の効果〕 叙上のように本発明によれば、オゾン発生用放電体の線状放電電極を覆うよう
に保護層を形成するとともに、誘電体層の静電容量C1と前記保護層の静電容量C2
の比を0.286≦C1/C2≦0.5としたことによって、放電特性およびオゾン発生量を
低下させることなく線状放電電極の浸食を防止し、長期間にわたってオゾン発生
量の変化が少ない、高性能のオゾン発生用放電体を提供できる。
【図面の簡単な説明】 第1図(a)は本発明実施例に係るオゾン発生用放電体を示す分解斜視図、第
1図(b)は同図(a)中のX−X線断面図である。 第2図(a)(b)はそれぞれ本発明の他の実施例に係るオゾン発生用放電体
の製造工程を示す斜視図である。第2図(c)は同図(b)中のY−Y線断面図
である。 第3図は本発明のオゾン発生装置における誘電体層と保護層の静電容量の比C1
/C2とオゾン発生量の関係を示すグラフである。 1,11: セラミック板、2,12: 誘電体層 3,13: 誘導電極、4,14: 放電電極 5,15: 保護層

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 誘電体層をはさむように誘導電極と放電電極を備えてなるオゾン発生用放電体
    において、前記放電電極を覆うように保護層を形成するとともに、前記誘電体層
    の静電容量C1と前記保護層の静電容量C2との比を 0.286≦C1/C2≦0.5 としたことを特徴とするオゾン発生用放電体。

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