JP2606692B2 - 防汚塗料 - Google Patents

防汚塗料

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誠 坪井
信宏 齊藤
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中国塗料 株式会社
東芝シリコーン 株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] 本発明は、水中構築物、漁網、船底等への水棲生物の
付着を阻止するための防汚塗料に関する。
[発明の技術的背景とその問題点] 水中構築物、漁網、船底をはじめ水中で長期間使用す
る物品には、使用中に水棲生物が付着、繁殖して外観を
損ねるばかりでなく、その機能に悪影響を与えることが
ある。
船底の場合においては、水棲生物の付着が船全体の表
面粗度の増加につながり、さらには船速が低下するとと
もに燃費が増大する。またこのため、ドックでの修復期
間が長くなり、運航効率が著しく低下する。このほか、
バクテリア類の繁殖により水中構築物の腐敗、物性の劣
化が起こって著しく寿命が低下する等の莫大な被害を生
ずる。
従来より、このような被害を回避するために使用され
る防汚剤としては、有機塩素系化合物、亜酸化銅、有機
スズ化合物等が知られている。
有機スズ化合物や亜酸化銅のような貴金属を含有する
生理活性物質は、特に優れた防汚効果を有し、漁網や船
底用の塗料に必須の成分と考えられている。例えば米国
特許第3,167,473号明細書には、有機スズ化合物を用い
た防汚処理剤のなかで「ポリマータイプ」といわれてい
るものが記載されている。この防汚処理剤は、共重合体
の側鎖に有機スズ含有基を有し、微アルカリ性の海水中
で加水分解されて有機スズ化合物を放出し、防汚効果を
発揮すると同時に、加水分解された共重合体自身も水溶
化して海水中に溶解してゆくため、樹脂残査層を残すこ
となく、常に活性な表面を保つことができる。また特開
昭60−231771号公報には、含有する有機スズ化合物や亜
酸化銅等の生理活性物質の溶出性を促進させる目的で、
これに併用する有機スズ含有共重合体の単量体の一部と
して、加水分解性のシリル(メタ)アクリレート、例え
ばトリブチルシリルアクリレートやトリフェニルシリル
(メタ)アクリレートを用いる方法が記載されている。
しかしながらこれらの防汚処理剤は、保存安定性が悪
く、特に亜酸化銅を併用した場合には数日の内にゲル化
してしまうという問題があった。しかもこれらの防汚処
理剤は、重金属や加水分解性の有機スズ含有率を含有す
るため、毒性が高く、特に有機スズ化合物は刺激性が強
く、皮膚に触れると炎症を起こす等、安全衛生面で問題
があるのみならず、海水中への流出による海洋汚染、奇
形魚の発生、生態濃縮による人体への蓄積性等重大な問
題を抱えていた。
このため、特表昭60−500452号公報には、有機スズ含
有共重合体を用いることなく、防汚効果を示す船底塗料
が記載されている。この船底塗料は、毒物および自己研
磨型ポリマーより構成されており、該ポリマー単量体と
してはトリス(4−メチル−2−ペントキシ)シリルア
クリレートのような加水分解性のシリル(メタ)アクリ
レートが記載されている。
しかしながらこの船底塗料において、自己研磨型ポリ
マーは、毒物供給系(delivery system)として働くの
みで、これ自身には防汚性能はないため、毒物成分が必
須のものである。この船底塗料においても、毒物によっ
て付着した水棲生物を殺すという防汚を果たす基本的な
原理は、従来の防汚処理剤と変っておらず、重大な環境
問題を回避することはできなかった。しかも毒物として
亜酸化銅を使用した場合には、保全安定性が悪く、数日
の内にゲル化してしまうという問題もあった。さらにこ
こに挙げられているトリス(4−メチル−2−ペントキ
シ)シリルアクリレートは、ケイ素原子とアルコキシ基
の間およびケイ素原子とエステル結合の間の2種類の結
合がいずれも加水分解性をもつので、上水分解による共
重合体への水への溶解度の制御が困難であるうえに、該
当する自己研磨性ポリマーは、紫外線照射のもとでは容
易に解重合を行い、それゆえ直射日光に暴露する環境に
用いる場合、とくに熱帯や夏季のように大量の紫外線を
含む日光を浴びる環境下では、短期間のうちに塗膜が脱
落して、長期の防汚性を得ることが困難であることが見
出された。
また、本発明者らは、先にケイ素含有(メタ)アクリ
レーと有機単量体との共重合体が、その自己研磨性によ
り、毒物や重金属を併用しなくても優れた防汚性を示す
ことを見出したが、さらに検討を進めた結果、この共重
合体も紫外線の照射量の多い海面近傍部のような場所で
使用する場合には、紫外線によって分解しやすくなるこ
とが判明した。
[発明の目的] 本発明は、重金属や毒物を含有せず、海洋の生態系に
悪影響を与えることがなく、優れた防汚性があり、しか
もその耐久性の著しい防汚塗料を提供することを目的と
する。
[発明の構成] 本発明者らは、前述のケイ素含有(メタ)アクリレー
トと有機単量体との共重合体の紫外線による分解が、ベ
ンゾフェノン類またはベンゾトリアゾール類によって防
止され、防汚塗料としての耐久性が著しく増すことを見
出して、本発明をなすに至った。
すなわち本発明の防汚塗料は、 (A)(a)一般式 CH2=CR1CO2CiR2R3R4 (式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2、R3
R4はそれぞれ炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキ
ル基、またはフェニル基を示す)で表わされるケイ素含
有(メタ)アクリレートと、(b)(メタ)アクリル系
およびビニル系化合物からなる群より選ばれケイ素原子
を含まない少なくとも1種の有機単量体とからなる、重
合度が50〜190のケイ素含有重合体、および (B)ベンゾフェノン類またはベンゾトリアゾール類 より成ることを特徴としている。
本発明に用いられる(A)成分の共重合体は、ケイ素
原子に結合した有機基を選択することによって適度の加
水分解性を示し、水中で徐々に加水分解して親水性を増
すため、水に対して制御された溶解特性を示す。このよ
うな共重合体は、1種まは2種以上のケイ素含有(メ
タ)アクリレートと、1種または2種以上の有機単量体
とを重合度50〜190の範囲に重合させることによって得
られる。ケイ素含有(メタ)アクリレートと有機単量体
との構成比は特に限定されるものではないが、好ましく
はケイ素含有(メタ)アクリレートの量が10〜95重量
%、さらに好ましくは20〜70重量%の範囲である。ケイ
素含有(メタ)アクリレートの量が10〜95重量%の範囲
において、特に良好な加水分解速度と塗膜物性が得ら
れ、長期間にわたって防汚力を良好に維持することがで
きる。
(A)成分の共重合体の一方の出発原料であるケイ素
含有(メタ)アクリレートにおいて、R1は水素原子また
はメチル基であり、R2、R3、R4はそれぞれ炭素数1〜18
の1価の炭化水素基で、直鎖状または分岐状のアルキル
基、シクロアルキル基およびフェニル基から選ばれるも
のである。このアルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、
デシル基、ドデシル基、ミリスチル基、ステアリル基等
が例示され、、シクロアルキル基としては、シクロペン
チル基、シクロヘキシル基等が例示される。
このようなケイ素含有(メタ)アクリレートとして
は、トリメチルシリルアクリレート、ジメチルブチルシ
リルアクリレート、ジメチルヘキシルシリルアクリレー
ト、ジメチルオクチルシリルアクリレート、ジメチルデ
シルシリルアクリレート、ジメチルドデシルシリルアク
リレート、ジメチルシクロヘキシルシリルアクリレー
ト、ジメチルフェニルシリルアクリレート、メチルジブ
チルシリルアクリレート、エチルジブチルシリルアクリ
レート、ジブチルヘキシルシリルアクリレート、ジブチ
ルフェニルシリルアクリレート、トリブチルシリルアク
リレート、トリフェニルシリルアクリレート等;および
これらに対応するメタクリレートが例示される。これら
のうち、適度な加水分解性を持ち、そのことによって防
汚塗料の水に対する徐溶性を制御するには、R2、R3、R4
のうち少なくとも1個が炭素数4以上のものであること
が好ましい。さらに、加水分解速度が遅く、合成の容易
なことと、造膜性の良いことでは、ジメチルヘキシルシ
リル(メタ)アクリレート、ジメチルデシルシリル(メ
タ)アクリレートのような、R2、R3、R4のうち2個がメ
チル基で残余が炭素数6以上の長鎖アルキル基であるも
のがより優れている。また、水中で制御された加水分解
速度をもち、適度の徐溶性を得るためには、トリブチル
シリル(メタ)アクリレートが好ましい。
(A)成分の共重合体の他方の出発原料である有機単
量体は、(メタ)アクリル系およびビニル系化合物のう
ち分子中にケイ素原子を含まないものの中から選ばれ
る。(メタ)アクリル系化合物としては、メチルアクリ
レート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘ
キシルアクリレート、オクチルアクリレート(以上のア
ルキル基は直鎖状でも分岐状でもよい)、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート、アクリルアミド、アクリロニトリル等;および
これらに対応するメタクリル化合物が例示され、ビニル
系化合物としては、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルメ
チルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピル
エーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルピロリド
ン等が例示される。
重合は、例えば有機溶剤の存在下で、ケイ素含有(メ
タ)アクリレートと有機単量体とを混合し、重合開始剤
を用いて行われる。
有機溶剤は、重合の制御と反応中のゲルの形成防止の
ためのものであり、ベンゼン、トルエン、キシレンのよ
うな単価水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルのような
エステル系溶剤;メタノール、エタノールのようなアル
コール系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンのようなケトン系溶剤;およびジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシドのような非プロトン系極性
溶剤が例示される。
有機溶剤の量は、単量体の合計量100重量部に対して2
0〜1,000重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜500
重量部である。有機溶剤の量を20〜1,000重量部の範囲
とすることによって、特に優れた反応の制御性および防
汚塗料の形成性が得られる。また、重合中および保存中
の加水分解を避けるために、これらの有機溶剤は水分を
除去して用いたほうがよい。
重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、te
rt−ブチルパーベンゾエート、メチルエチルケトンパー
オキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸
化物およびアゾビスイソブチロニリル等のアゾ化合物が
例示される。
重合開始剤の量は、単量体の合計量100重量部に対し
て0.01〜10重量部が一般的であり、好ましくは0.1〜5
重量部である。
重合条件は特に限定されないが、窒素気流中で行なう
ことが好ましく、また一般に重合開始剤が有機過酸化物
の場合には60〜120℃、アゾ化合物の場合には45〜100℃
の温度で行われる。
本発明に用いられる(B)成分は、2,4−ジヒドロキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンゾイロキシベンゾフ
ェノン、フェニルサリチレート、4−tert−ブチルフェ
ニルサリチレート等のベンゾフェノン類;2−(2′−ヒ
ドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール類が挙げられ
る。
(B)成分の配合量はとくに限定されず、また(B)
成分の種類、共重合体の組成、特にR2、R3、R4の種類、
防汚塗料の使用目的や使用条件によっても異なるが、
(A)成分100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲が
好ましく、0.1〜2重量部の範囲がさらに好ましい。
(B)成分の配合量を0.01〜10重量部の範囲とすること
によって、特に安定な(A)成分の分解抑制効果と良好
な塗膜物性を得ることができる。
本発明の防汚塗料は、(A)成分の共重合体と(B)
成分のベンゾフェノン類またはベンゾトリアゾール類
に、さらに必要に応じて顔料、有機溶剤、揺変剤等を配
合することによって得られる。防汚処理の対象が水中構
築物、漁網、船底等と多岐にわたるため、配合割合は特
に限定できないが、共重合体の配合量が1〜60重量%の
範囲が好ましい。共重合体の配合量を1〜60重量%の範
囲とすることによって、特に良好な塗膜形成性と作業性
とが得られる。
顔料としては、べんがら、チタン白、タルク、シリ
カ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムのような海水不活性
顔料や酸化亜鉛、酸化カルシウムのような海水反応性顔
料が例示され、1種でも、また2種以上の併用でも差支
えない。
有機溶剤としては、前述した共重合体を得るための重
合工程で用いたものと同様なものが用いられる。
揺変材としては、ベントナイト、酸化ポリエチレンお
よびアミド化合物が例示される。
[発明の効果] 本発明で得られる防汚塗料は、共重合体の側鎖のトリ
オルガノシリル基が加水分解して親水性を増し、水中で
制御された溶解性、すなわち自己研磨性を示すので、環
境に影響を及ぼす有機スズ化合物や有機スズ含有共重合
体を用いることなく優れた防汚効果を発揮することがで
きる。また、耐久性に優れ、熱帯や夏季のように大量の
紫外線を含む日光に暴露される個所に用いても、防汚性
を長期間にわたって保持する。
本発明の組成物は、水中構築物、漁網、船底等の水棲
生物の付着による汚染を防止するのに有効である。
[実施例] 以下本発明を実施例および比較例によって説明する。
なお、以下の例中の部は重量部を示す。
(共重合体の合成) 合成例1 冷却器、撹拌器および温度計を備えた反応容器にキシ
レン300部を仕込み、これにジメチルヘキシルシリルメ
タクリレート120部、メチルメタクリレート180部、およ
ひアゾビスイソブチロニトリル2部を加え、80℃で8時
間加熱撹拌することによって重合を行った。室温に冷却
後、酢酸エチル66部を追加して淡黄色透明の共重合体溶
液V−1を得た。V−1の25℃における粘度は480cP、
固形分濃度は44.8%であった。
合成例2〜9 重合後の有機溶剤の追加を行わない以外は共重合体溶
液V−1と同様にして、第1表に示す有機溶剤、ケイ素
含有(メタ)アクリレートおよび反応開始剤から、淡黄
色透明の共重合体溶液V−2〜V−7を得た。得られた
共重合体溶液の粘度と固形濃度は第1表に示すとおりで
ある。なお表中の配合量を示す数字は部を表わす(以下
同じ)。
また、本発明との比較として、低重合度の共重合体
(H−1)および高重合度の共重合体(H−2)を以下
のように合成した。まず、冷却器、攪拌器および温度計
を備えた反応容器にキシレン300部を仕込み、これにト
リブチルシリルメタクリレート144部、メチルメタクリ
レート156部、n−オクチルメルカプタン6部およびア
ゾビスイソブチロニトリル6部を加え、95℃で8時間加
熱攪拌することによって重合を行った後、室温に冷却し
て無色透明の低重合度共重合体溶液H−1を得た。H−
1の25℃における粘度は48cP、固形分濃度は47.4%であ
った。
さらに、冷却器、攪拌器および温度計を備えた反応容
器にキシレン300部を仕込み、これにトリブチルシリル
メタクリレート144部、メチルメタクリレート156部およ
びアゾビスイソブチロニトリル0.6部を加え、80℃で8
時間加熱攪拌することによって重合を行った後、室温に
冷却して無色透明の高重合度共重合体溶液H−2を得
た。H−2の25℃における粘度は1760cP、固形分濃度は
49.9%であった。
各単量体の仕込み量と共重合体収量とから実質的に全
量の各単量体が重合していることを確認した。
また、第1表には、上記各共重合体のGPC法(カラ
ム:東洋ソー(株)製,商品名TSK−GEL G4000HXL−G20
00HXL、溶媒:テトラヒドロフラン,ポリスチレン換
算)により求めた数平均分子量(Mn)、およびGPC法に
より求めたMnと共重合体合成時の単量体の仕込み組成か
ら計算した重合度を併せて示す。
実施例1〜5、比較例1 合成例6で得た共重合体溶液V−6に、第2表に示す
配合量で2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノ
ンをそれぞれ添加して、5種類の防汚塗料を調整した。
また、比較例1として2−ヒドロキシ−4−オクトキ
シベンゾフェノンを添加しない防汚塗料を調整した。
これらの塗料をそれぞれ寸法70×150×2mmの硬質ポリ
塩化ビニル板に乾燥膜厚が100μmになるようにアプリ
ケーターで塗布し、海水中に設置した回転ドラムに取付
け、水深1m(水温25〜28℃)のところで周速10ノットで
回転させて2週間後の消耗膜厚を測定した。この結果を
第2表に示す。この結果から明らかなように、ベンゾフ
ェノン類の添加により、共重合体の塗膜が短期間に消耗
することを防ぐことができる。
実施例6〜15、比較例2〜13、参考例1〜4 合成例1〜7で得た共重合体溶液V−1〜V−7を用
いて第3表に示す配合により、ベンゾフェノン類または
ベンゾトリアゾール類を添加した防汚塗料をそれぞれ調
整した。
また、比較例2〜11として同様の共重合体溶液を用い
て第4表に示す配合により、ベンゾフェノン類またはベ
ンゾトリアゾール類を用いない防汚塗料をそれぞれ調整
した。さらに、比較例12および13として、共重合体溶液
H−1、H−2を用いて第3表に示す配合により、ベン
ゾフェノン類またはベンゾトリアゾール類を用いた防汚
塗料をそれぞれ調整した。またこれとは別に、参考例1
〜4として第5表に示すトリブチルスズメタクリレート
−メチルメタクリレート共重合体(ワニスA、B)およ
び従来型のビヒクルを用いて、第6表に示す配合によ
り、それぞれ防汚塗料を調整した。
以上のように調整した各防汚塗料を用いて、下記の要
領で塗膜の消耗度と水棲生物の付着性の試験を行った。
(塗膜の消耗度) 実施例6〜15、比較例2〜11、比較例12〜13、および
参考例1〜4の各防汚塗料をそれぞれ70×150×2mmの硬
質塩化ビニル板に、乾燥膜厚が200μmになるようにア
プリケーターで塗布し、実施例1で用いたものと同様の
回転ドラムに取付け、高圧水銀灯照射のもとに、水深1m
の海水中でこれを周速10ノットで回転させて、1カ月間
の消耗膜厚を測定した。その結果、第7表に示すよう
に、各実施例の防汚塗料による塗膜は、各比較例の防汚
塗料によるそれと比べて耐久性に優れ、有機スズ含有基
等を含む各参考例の防汚塗料と同等の耐久性を示した。
ただし、参考例による防汚塗料は、毒性が高く、安全衛
生面や環境面等に対して悪影響を及ぼすという欠点を有
している。
(水棲生物の付着性) 実施例6〜15、比較例2〜11、比較例12〜13、および
参考例1〜4の各防汚塗料を、それぞれ寸法100×300×
3mmの鋼板に、乾燥膜厚が100μmになるようにアプリケ
ーターで塗布して試料を作成した。これらの試料と無処
理の鋼板とを、それぞれ広島湾宮島沖の海中の水深50cm
のところに垂直に沈め、6カ月ごとに水棲生物の付着し
た面積比を調べた。その結果、第8表に示すようよう
に、各実施例による防汚塗料は、各比較例による防汚塗
料と比べて防汚効果に優れ、有機スズ含有基を含む参考
例1、2の防汚塗料と同等の防汚効果を示した。
各試験結果が示すように、本発明の防汚塗料は、長期
間において安定した防汚性を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪井 誠 広島市中区吉島東1丁目15番2号 中国 塗料株式会社内 (72)発明者 齊藤 信宏 太田市西新町133番地 東芝シリコーン 株式会社内 (56)参考文献 特表 昭60−500452(JP,A) 「塗料物性入門」植木憲二著、昭和47 年1月10日 株式会社理工出版発行、第 4頁、第125頁、第125〜126頁 第169頁 〜第170頁

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(a)一般式 CH2=CR1CO2SiR2R3R4 (式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2、R3
    R4はそれぞれ炭素数1〜18のアルキル基、、シクロアル
    キル基、またはフェニル基を示す。)で表わされるケイ
    素含有(メタ)アクリレートと、(b)(メタ)アクリ
    ル系およびビニル系化合物からなる群より選ばれケイ素
    原子を含まない少なくとも1種の有機単量体とからな
    る、重合度が50〜190のケイ素含有共重合体、および (B)ベンゾフェノン類またはベンゾトリアゾール類 より成ることを特徴とする防汚塗料。
  2. 【請求項2】R2、R3、R4のうち少なくとも1個が炭素数
    4以上のアルキル基、シクロアルキル基またはフェニル
    基である特許請求の範囲第1項記載の防汚塗料。
  3. 【請求項3】R2、R3、R4のうち2個がメチル基で残余の
    1個が炭素数6以上のアルキル基である特許請求の範囲
    第2項記載の防汚塗料。
  4. 【請求項4】共重合体の単量体のうちケイ素含有(メ
    タ)アクリレートの量が10〜95重量%である特許請求の
    範囲第1項ないし第3項のいずれか1項記載の防汚塗
    料。
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