JP2598481Y2 - マークホイール利用の色別打点記録計 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はマークホイール利用の色
別打点記録計に関し、とくに多チャンネルからの入力信
号をチャンネル毎に異なる色付マークで記録するマーク
ホイール利用の色別打点記録計に関する。

【０００２】

【従来の技術】プラント等の監視及び自動制御等におい
て、多チャンネルからの入力信号を同一記録紙上に記録
する多チャンネル記録計が広く用いられている。従来の
多チャンネル記録計は、例えば特開平２−２３２５２１
号公報に開示されるカラードット記録計のように、各チ
ャンネル信号を多色インクリボンの各色帯に対応する色
別のドット列として記録すると共に、チャンネル番号等
の文字を添字として印字して多チャンネルの記録を識別
している。

【０００３】前記特開平２−２３２５２１号公報に開示
されるカラードット記録計を、本考案の理解に必要な程
度において図４の平面図、図５の立面図、及び図６の側
面図を用いて説明する。図６に示す記録ヘッド４は、コ
イル10で吸引されるアーマチュア11の先端でドットピン
12を駆動する構成を有し、記録紙送り方向Ｔと直角方向
に送られるキャリッジ２に固定される。キャリッジ２上
の枢支軸５に枢支するブラケット６へ多色インクリボン
８内蔵のインクリボンカセット７を保持させ、リボン送
り装置13（図４）により多色インクリボン８をドットピ
ン12と記録紙30の間へ送る。ブラケット６に固定の受動
歯車24をブラケット回転装置18（図４）のはすば歯車23
と噛合させ、リボン色割出しモータ21による回転軸22及
びはすば歯車23の回転によりブラケット６を枢支軸５の
回りに回転させ、多色インクリボン８の任意の色帯をド
ットピン12の直下へ移動させる。

【０００４】キャリッジ駆動装置25（図５）によりキャ
リッジ２を入力信号に応じた位置へ移動させ、ブラケッ
ト回転装置18による色帯の選択を行い、コイル10を付勢
して記録紙30上へチャンネルに対応したカラードットを
打点し、必要に応じてドットピン12により印字を行う。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかし、従来のカラー
ドットによる多チャンネル記録計は、多色インクリボン
の色帯数以上に色分けして打点することは当然できない
ので、記録するチャンネル数が多色インクリボンの色帯
数以上に増えた場合は、異なるチャンネル信号を同一色
のドット列として記録せざるを得なかった。この場合、
添字等を印字することで多チャンネル記録の識別を行う
ことは可能であるものの、カラードット列の色のみから
チャンネルを識別することは不可能となる。監視対象の
広範化及び制御の複雑化等に応じて記録すべきチャンネ
ル数が増えるのは必然であり、多色インクリボンの色帯
数に限定されることなく複数のチャンネル信号を視覚的
に且つ明瞭に区別して記録する多チャンネル記録計が求
められていた。

【０００６】よって本考案の目的は、カセットインクリ
ボンの色と打点マークとの組合わせにより多チャンネル
信号を識別可能に記録するマークホイール利用の色別打
点記録計を提供するにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】図１及び図２の実施例を
参照するに、本考案のマークホイール利用の色別打点記
録計は、記録紙30の送り方向と直角方向に送られるキャ
リッジ２上の前記送られる方向の軸44に枢支され且つ周
面上に複数の異なる突出マーク43を有する回転マークホ
イール41、回転マークホイール41を回転させて特定の突
出マーク43をキャリッジ２上の打点位置へ割出し且つ回
転マークホイール41を選択的に前記送られる方向と直角
向きに記録紙30へ打ち付けるマーク割出し打点機構40、
記録紙30とキャリッジ２上の打点位置との間へ幅方向に
複数の色帯に染め分けられた多色インクリボン８を送る
リボン送り装置13、及び多色インクリボン８を幅方向へ
揺動させて特定色帯をキャリッジ２上の打点位置の直下
へ割付けるリボンスイング装置50を備えてなるものであ
る。

【０００８】

【作用】本考案のキャリッジ２は、公知技術に属する駆
動手段、例えば図５に示すようなキャリッジ駆動モータ
25及びプーリ27を介してキャリッジ２とキャリッジ駆動
モータ25との間に張設された張糸26からなる装置によっ
て駆動される。記録紙30の送り方向と直角方向のガイド
軸28を設け、キャリッジ２をガイド軸28に沿って走行さ
せ、入力信号に対応した位置へ送る。

【０００９】回転マークホイール41は、キャリッジ２上
の軸44で保持され、その周面上の最下端部が記録紙30と
対向する打点位置にある。図示例では、周面上の異なる
半径方向位置に互いに異なる４個の突出マーク43a〜43d
を設けた円盤形の回転マークホイール41を用い、軸44を
キャリッジ２に枢支された連結板45上にキャリッジ送り
方向と平行に取り付けている（図２(Ｂ)、図１）。但
し、本考案の回転マークホイール41の突出マーク43の形
状及び数並びに軸44の取付け態様は、図示例に限定され
るものではない。

【００１０】図示例のマーク割出し打点機構40は、モー
タ42、回転マークホイール41の中心を支える軸44、及び
モータ42と軸44を接続する連結板45により構成される。
モータ42が矢印Ｍ11方向へ回転するときは、例えば矢印
Ｍ11方向の回転のみを伝える伝動手段（図示せず）によ
り回転マークホイール41を軸44の回りに回転させ、任意
の突出マーク43を記録紙30に対向する打点位置へ割出
す。逆にモータ42を矢印Ｍ12方向へ回転させるときは、
例えば矢印Ｍ12方向の回転のみを伝える伝動手段（図示
せず）により回転軸46においてキャリッジ２へ軸支され
る連結板45を図２(Ａ)の点線で示すように回転させ、連
結板45に固定した軸44上の回転マークホイール41を記録
紙30方向へ駆動し、打点位置へ割出された特定突出マー
ク43を記録紙30上へ打点する。本考案のマーク割出し打
点機構40は、例えば上述の一方向の回転のみを伝える伝
動装置の使用により、回転マークホイール41の回転及び
打点の両機能を１つのモータ42により駆動することがで
きる。但し、一方向の回転のみを伝える伝動装置は本考
案に必須のものではなく、他の公知技術を用いて本考案
のマーク割出し打点機構40を構成することも可能であ
る。

【００１１】キャリッジ２の打点位置と記録紙30との間
に多色インクリボン８が送られ、リボンスイング装置50
が多色インクリボン８の特定色帯を打点位置の直下へ割
付ける。図示例の多色インクリボン８は、記録計枠体
（図示せず）上のキャリッジ２の送り方向と平行な枢支
軸51に係止されるインクリボンカセット７に保持され
る。リボンスイング装置50が、リボンカセット７を枢支
軸51の回りに回転させることにより多色インクリボン８
を幅方向へ揺動させ、任意の色帯を前記打点位置に割出
された特定突出マーク43の直下へ位置付ける。

【００１２】チャンネルからの入力信号に応じた位置へ
キャリッジ２が送られ、回転マークホイール41と記録紙
30との間隙に入力信号に応じた特定突出マーク43及び多
色インクリボン８の特定色帯が割当てられ、モータ42を
駆動して回転マークホイール41上の突出マーク43を記録
紙30上へ打点することにより、例えば図３に示すよう
に、色又はマークの少なくとも一方が互いに異なる複数
の色付マーク列を記録紙30上に打点することができる。
図３を参照するに、本考案は、例えば６種の色帯の多色
インクリボン８と４種の異なる突出マーク43a〜43dを周
面に設けた回転マークホイール41を用いて色及びマーク
を任意に組合わせることにより、24（＝６×４）種類の
互いに異なる色付マーク列を記録することができる。

【００１３】よって、本考案の目的である「カセットイ
ンクリボンの色と打点マークの組合わせにより多チャン
ネル信号を識別可能に記録するマークホイール利用の色
別打点記録計の提供」を達成することができる。

【００１４】

【実施例】図１及び図２は、キャリッジ２の送り方向と
平行な枢支軸51に係止される多色インクリボン８内蔵の
インクリボンカセット７を用いた本考案の実施例を示
す。リボン送りモータ14を有するリボン送り装置13がリ
ボンカセット７の駆動ローラ16に図中１点鎖線で示すよ
うに嵌合し、リボン送りモータ14による駆動ローラ16の
回転により多色インクリボン８が記録紙30と回転マーク
ホイール41との間を介してキャリッジ送り方向へ送られ
る。図示例のリボンカセット７とキャリッジ２とは独立
しており、多色インクリボン８はキャリッジ２の移動し
うる範囲、即ち記録紙30の記録幅全体と対向して張設さ
れる。図示例は、リボンカセット７がキャリッジ２と独
立しているので、キャリッジ２の軽量化による高速打点
が可能となる。更に、リボンカセット７の大型化及び収
納リボンの増量化が可能となり、リボンカセット７の交
換周期を長くすることができる。

【００１５】リボン色割出しモータ21を有するリボンス
イング装置50が、リボンカセット７を枢支軸51の回りに
選択的に回転させることにより多色インクリボン８を記
録紙30の送り方向へ揺動させ、例えば光センサ（図示せ
ず）等を用いてリボンカセット７の回転角度を検知及び
監視することにより多色インクリボン８の特定色帯をキ
ャリッジ２上の打点位置にある特定突出マーク43の直下
へ位置付ける。このようなリボンカセット７の回転を制
御する方法は公知技術に属する。図示例の多色インクリ
ボン８は記録装置の前方から見て回転マークホイール２
の打点位置の前後に揺動するので、記録装置の前面から
容易にリボンカセット７を交換することができる。よっ
て、リボンカセット７がキャリッジ２に搭載される場合
のカセット交換時に必要な内器引出し機構は不要とな
り、キャリッジ２の構造の単純化を図ることができる。

【００１６】図１及び図２のキャリッジ２は、キャリッ
ジ２の送り方向における回転マークホイール41の隣接位
置に、ワイヤドットピン内蔵の印字ヘッド4aを併設す
る。印字ヘッド4aは、図６に示す１本のドットピン12を
有する記録ヘッド４と同様の構成とすることができ、回
転マークホイール41と独立して印字を行う。よって、キ
ャリッジ２のスキャン動作中にマーク打点と印字を同時
に行うことができる。本考案の色別打点記録は、打点記
録のみによる多チャンネルの識別を可能とするが、添字
等の印字を併用することにより多チャンネル記録を一層
明確に識別することができる。

【００１７】本考案の回転マークホイール41及びマーク
割出し打点機構40を、図４〜図６に示すドット記録計と
組合せて色別打点装置を構成することも可能である。即
ち、キャリッジ２に、例えば図６に示す記録ヘッド４に
替えて回転マークホイール41を保持させると共にマーク
割出し打点機構40を設け、任意の突出マーク43の打点位
置への割出しを行う。キャリッジ２上の枢支軸５にブラ
ケット６を枢支し、ブラケット６に多色インクリボン８
内蔵のインクリボンカセット７を保持させる。例えば図
６に示すリボン送り装置13により多色インクリボン８を
記録紙30と回転マークホイール41との間を介して記録紙
30の送り方向へ送り、図４に示すブラケット回転装置18
と同様な構成のリボンスイング装置50によりブラケット
６をキャリッジ２上の枢支軸５の回りに選択的に回転さ
せ、多色インクリボン８を幅方向に揺動させて特定色帯
を特定突出マーク43の直下へ割付ける。この場合にも、
回転マークホイール41と共にワイヤドットピン内蔵の印
字ヘッド4aを容易に併設することができる。

【００１８】

【考案の効果】以上詳細に説明したように、本考案の色
別打点記録計は、記録紙送り方向と直角方向に送られる
キャリッジに枢支され且つ周面上に複数の異なる突出マ
ークが形成された回転マークホイール、打点位置への特
定突出マーク割出し及び記録紙への特定突出マーク打点
を選択的に行うマーク割出し打点機構、記録紙とキャリ
ッジの打点位置との間へ幅方向に複数の色帯に染め分け
られた多色インクリボンを送るリボン送り装置、及び多
色インクリボンを幅方向へ揺動させて特定色帯をキャリ
ッジの打点位置直下へ割付けるリボンスイング装置を備
えてなる構成を用いるので、以下に述べる顕著な効果を
奏する。

【００１９】 (１)多色インクリボンの色帯数(Ｎ種)と複数の突出マー
ク(ｎ種)を任意に組合わせることができるので、Ｎ×ｎ
種類の多チャンネルの信号を印字を用いることなく判別
可能に記録することができる。 (２)リボンカセットをキャリッジと独立させることがで
きるので、キャリッジの軽量化による高速打点が可能と
なる。更に、リボンカセットの大型化、収納リボンの増
量化により、リボンカセットの長期間使用が可能とな
る。 (３)リボンカセットの使用により従来のインクパッド式
に比してインク寿命を延ばし、インクパッド交換の省略
等による保守の容易化を図ることができる。 (４)マークホイールに印字ヘッドを併設することがで
き、印字併用により多チャンネル記録の識別を一層明確
にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】は、本考案の一実施例の説明図である。

【図２】は、本考案の打点機構及びマーク割出し機構の
説明図である。

【図３】は、本考案の記録計による記録結果の一例であ
る。

【図４】は、従来のドット記録計の要部平面図である。

【図５】は、従来のドット記録計の要部立面図である。

【図６】は、従来のドット記録計の要部側面図である。

【符号の説明】

２ キャリッジ ４ 記録ヘッド 4a ワイヤドットピン印字ヘッド ５
枢支軸 ６ ブラケット ７ インクリボンカセット ８ 多色インクリボン 10 コイル 11
アーマチュア 12 ドットピン 13 リボン送り装置 14
リボン送りモータ 16 駆動ローラ 18 ブラケット回転装置 21 リボン色割出しモータ 22
回転軸 23 はすば歯車 24 受動歯車 25 キャリッジ駆動モータ 26
張糸 27 プーリ 28 ガイド軸 30
記録紙 40 マーク割出し打点機構 41
回転マークホイール 42 モータ 43,43a,43b,43c,43d 突出マ
ーク 44 軸 45 連結板 46
連結板回転軸 50 リボンスイング装置 51 枢支軸。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G01D 9/32 B41J 35/16 G01D 15/16

Claims (4)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録紙送り方向と直角方向に送られるキ
   ャリッジ上の前記送られる方向の軸に枢支され且つ周面
   上に複数の異なる突出マークを有する回転マークホイー
   ル、前記回転マークホイールを回転させて特定の前記突
   出マークを前記キャリッジ上の打点位置へ割出し且つ前
   記回転マークホイールを選択的に前記送られる方向と直
   角向きに前記記録紙へ打ち付けるマーク割出し打点機
   構、前記記録紙と前記キャリッジ上の打点位置との間へ
   幅方向に複数の色帯に染め分けられた多色インクリボン
   を送るリボン送り装置、及び前記多色インクリボンを幅
   方向へ揺動させて特定色帯を前記キャリッジ上の打点位
   置の直下へ割付けるリボンスイング装置を備えてなる色
   別打点記録計。
2. 【請求項２】 請求項１の色別打点記録計において、前
   記多色インクリボンを前記キャリッジ送り方向と平行な
   記録計枠体上の枢支軸に係止されるインクリボンカセッ
   トに内蔵し、前記リボン送り装置により前記多色インク
   リボンを前記キャリッジ送り方向へ送り、前記リボンス
   イング装置により前記リボンカセットを前記枢支軸の回
   りに選択的に回転させてなる色別打点記録計。
3. 【請求項３】 請求項１の色別打点記録計において、前
   記キャリッジ上の枢支軸にブラケットを枢支し、前記ブ
   ラケットに前記多色インクリボン内蔵のインクリボンカ
   セットを保持させ、前記リボン送り装置により前記多色
   インクリボンを前記記録紙送り方向へ送り、前記リボン
   スイング装置により前記ブラケットを前記キャリッジ上
   の枢支軸の回りに選択的に回転させてなる色別打点記録
   計。
4. 【請求項４】 請求項１、２又は３の色別打点記録計に
   おいて、前記キャリッジに前記回転マークホイールの前
   記キャリッジ送り方向における隣接位置にワイヤドット
   ピン内蔵の印字ヘッドを設けてなる色別打点記録計。