JPS6222793B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野及び目的 この発明は印字面に直交して配置した印字ワイ
ヤを印字行に沿つて往復動させながら、印字面上
を通過する用紙に印字を行う印字装置に関するも
のであつて、その目的は例えば、各組の印字ワイ
ヤの線径を同一にし、各組の印字ワイヤを選択的
に使用するように構成した場合には、印字動作に
伴う印字ワイヤの摩耗を少なくして耐久性を向上
させることができ、又、各組の印字ワイヤの線径
を異ならせた場合には、必要に応じて線の太さの
異なる文字を印字することができ、しかも、印字
ワイヤの組数を多くしても支持ブロツクの往復動
範囲の増加分を極めて少なくして、装置全体が大
型になることのない印字装置を提供することにあ
る。

実施例 以下この発明を具体化した一実施例を第１，２
図に従つて説明すると、フレーム１上にはプラテ
ン２が支持され、その印字面２ａ上にて印字用紙
３を支持できるようになつている。このプラテン
２の後方にはその両端外周に複数のピン４ａを有
するスプロケツトホイール４が回転可能に支持さ
れ、その回転時には印字用紙３の両側縁に形成さ
れた複数の小孔３ａと前記ピン４ａとの係合に基
づき、フレーム１の開口１ａを介して印字用紙３
がプラテン２の印字面２ａ上に給送される。フレ
ーム１の開口１ａの両側においてフレーム１上に
は一対のリボンスプール５，６がそれぞれ回転可
能に支承され、リボン巻取用スプール５に連結さ
れた作動機構の作用に基づき、リボン供給用スプ
ール６から印字用紙３の前面に供給されるインク
リボン７をリボン巻取用スプール５にて巻取るよ
うになつている。

前記プラテン２の前方において印字用紙３上の
印字行、すなわち、横罫線３ｂと平行な一軸線上
には、一対の軸受８により支持ブロツク９が回転
可能及び左右方向へ移動可能に支承されている。
この支持ブロツク９には断面四角形状の角柱部９
ａと円柱部９ｂとが形成され、円柱部９ｂに固着
された止め輪１１と角柱部９ａの一端面との間に
おいて、前記円柱部８ｂにはカム追従子１２がそ
の円筒状基端部１３にて遊嵌されている。また、
このカム追従子１２の係合部１４の一部が前記フ
レーム１の開口１ａ内に位置している。このカム
追従子１２の前方においてフレーム１上には駆動
モータ１５が支持され、そのモータ軸の先端に固
着された偏心カム１６が前記カム追従子１２の係
合部１４に係合されている。そして、前記駆動モ
ータ１５の作動時には偏心カム１６の作用により
カム追従子１２を介して支持ブロツク９が所定の
ピツチで所定の方向に移動される。また、前記支
持ブロツク９の最大移動量はほぼ10文字分に設定
されている。

前記支持ブロツク９の一側にはパルスモータ１
７等からなる回転機構が設けられ、適宜の伝達手
段を介して支持ブロツク９に連結されている。前
記支持ブロツク９の回転軸線と平行な一平面上に
位置するように、その支持ブロツク９には10文字
分の間隔をおいて４本の第一の印字ワイヤ１８が
移動可能に挿通され、また、前記平面と直交する
一平面上に位置するように、支持ブロツク９には
10文字分の間隔をおいて４本の第二の印字ワイヤ
１９が移動可能に挿通されている。そして、この
第二の印字ワイヤ１９は第一の印字ワイヤ１８を
構成する線材より小さい径を有する線材で構成さ
れ、両ワイヤ１８，１９は支持ブロツク９の移動
方向へ若干ずれた位置に配置されている。

第２図から明らかなように、各印字ワイヤ１
８，１９の基端にはフランジ部２０と頭部２１と
からなるキヤツプ２２が固着され、各印字ワイヤ
１８，１９に対応して支持ブロツク９の側面には
ほぼ有底円筒状をなし、その底部に透孔２３ａを
有するストツパ２３が固着されている。各ストツ
パ２３と支持ブロツク９の側面との間に前記フラ
ンジ部２０が収容され、また、前記透孔２３ａを
介して前記頭部２１が常に突出するようになつて
いる。このフランジ部２０と支持ブロツク９の側
面との間において各印字ワイヤ１８，１９には圧
縮ばね２４が巻装され、常には、その圧縮ばね２
４のばね力により各印字ワイヤ１８，１９の先端
が支持ブロツク９上のワイヤ案内部９ｃ内へ没入
した状態に保持されている。また、前記キヤツプ
２２の頭部２１が殴打された時には、前記圧縮ば
ね２４のばね力に抗して印字ワイヤ１８，１９の
先端が支持ブロツク９のワイヤ案内部９ｃより突
出し、インクリボン７を介して印字用紙３上に所
定の印字が行われる。

各印字ワイヤ１８，１９に対応して、前記フレ
ーム１上には支枠２５、コア２６及びコイル２７
等からなる４個のソレノイド２８が支持され、そ
の支枠２５の一端面には各印字ワイヤ１８，１９
のキヤツプ２２の頭部２１に相対し得、かつほぼ
10文字分の巾を有する印字ハンマ２９が回動可能
に支持されている。その印字ハンマ２９の基端と
支枠２５との間には引張ばね３０が掛装され、常
には、この引張ばね３０のばね力により印字ハン
マ２９が印字ワイヤ１８，１９のキヤツプ頭部２
１から離間した状態に保持されている。そして、
ソレノイド２８に通電された時には、印字ハンマ
２９がコア２６に吸引されて前記引張ばね３０の
ばね力に抗し第２図の反時計方向へ回動され、そ
の印字ハンマ２９にていずれか一方の印字ワイヤ
１８，１９のキヤツプ２２の頭部２１を殴打でき
るようになつている。また、前記支持ブロツク９
の最大移動範囲内においてその支持ブロツク９と
ともに印字ワイヤ１８，１９が移動されても、各
印字ハンマ２９が対応するいずれか一方の印字ワ
イヤ１８，１９のキヤツプ２２の頭部２１に常に
相対するようになつている。

次に、上記のように構成された印字装置の作用
を説明する。

例えば、第３図ａに示すように、線の太い一文
字が５×７個のドツトの組合わせにより形成され
る場合において、１〜40の番号３１で示すＥ〜Ｎ
の文字を10文字おきに印字用紙３の横罫線３ｂに
沿つて印字する際、その印字動作の開始前には所
定の制御信号がパルスモータ１７に入力され、そ
のパルスモータ１７により支持ブロツク９がその
軸線の周りに回動されて、各第一の印字ワイヤ１
８の先端及びキヤツプ２２の頭部２１が印字用紙
３及び印字ハンマ２９の左側縁近傍にそれぞれ対
向する待機位置に配置される。

そして、この状態で所定の印字信号が各ソレノ
イド２８及び駆動モータ１５に入力されると、各
第一の印字ワイヤ１８のキヤツプ２２の頭部２１
が対応する印字ハンマ２９により殴打され、ま
た、偏心カム１６とカム追従子１２との協働によ
り支持ブロツク９とともに第一の印字ワイヤ１８
が第１図の右方向へ所定量ずつ移動されて、第３
図ｂに太い実線で示すように、印字用紙３の横罫
線３ｂに沿つて10n＋１（ｎ＝０〜３の整数）番
目の４文字、すなわち、Ｅの第一列がドツトプリ
ントされる。そして、この印字動作の終了後には
支持ブロツク９が右方向へ所定量移動され、10n
＋２番目の４文字、すなわち、Ｆの第一列がドツ
トプリントされる。

このようにして、10n＋１番目から10n＋10番
目の各文字Ｅ〜Ｎの第一列が順次ドツトプリント
された後には、スプロケツトホイール４の回動に
基づき印字用紙３が所定量だけ上方へ移送される
とともに、支持ブロツク９が前記待機位置へ復帰
移動されて、各文字Ｅ〜Ｎの第二列のドツトプリ
ントが行われる。そして、引き続き各文字Ｅ〜Ｎ
の第三列から第七列までのドツトプリントが行わ
れ、最後に10n＋10番目の文字Ｎの第七列のドツ
トプリントが終了すると、印字用紙３上の横罫線
３ｂに沿つて一行分の線の太い文字Ｅ〜Ｎの印字
動作が終了する。

次に、線の細い文字を印字する際には、その印
字動作に先立ち所定の制御信号がパルスモータ１
７に入力され、そのパルスモータ１７により支持
ブロツク９が第１，２図の反時計方向へ回動され
て、各第二の印字ワイヤ１９が前記待機位置に配
置される。そして、前記と同様の手順に従つて第
二の印字ワイヤ１９が駆動されることにより、印
字用紙３の横罫線３ｂに沿つて一行分の線の細い
文字が印字される。

なお、この発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、例えば、第一の印字ワイヤ１８と第二
の印字ワイヤ１９との線径を同一にして、それら
の印字ワイヤ１８，１９を一行分の印字動作ごと
に使用するように構成したり、あるいは支持ブロ
ツク９上の角柱部９ａを断面六角形状の多角形状
とし、それらの対向する二面間に線径の異なる複
数本の印字ワイヤをそれぞれ支持して、各印字ワ
イヤを選択的に使用できるように構成したりする
ことも可能であり、また、各平面内に含まれる印
字ワイヤ間の間隔やその本数を適宜に変更するこ
とも可能である。

効 果 以上詳述したようにこの発明は、印字行と平行
な軸線の周りに回転可能に、かつ印字行に沿つて
往復動可能に支持された支持ブロツクを設け、印
字ワイヤは、前記支持ブロツクの回転軸線と平行
に延び、かつ互いに交わる複数の平面内におい
て、前記回転軸線の方向に間隔をおいて支持ブロ
ツクに移動可能に支持されるとともに、各平面毎
に組を構成しており、各印字ワイヤを支持ブロツ
ク内の没入位置へ向かつて付勢するばねを有する
とともに、各印字ワイヤの基端と支持ブロツクと
の間に配設され、常には前記ばねの付勢力に基づ
いて前記各印字ワイヤを没入位置に保持する保持
部材を設け、複数組の印字ワイヤの内、一組の印
字ワイヤの先端を前記印字面に対向配置するた
め、前記支持ブロツクを回転させる回転機構と、
前記印字面に対向配置された一組の印字ワイヤの
基端をそれぞれ殴打し、前記各印字ワイヤを前記
ばねの付勢力に抗して支持ブロツクから突出させ
る複数の印字ハンマとを設けたので、例えば、各
組の印字ワイヤの線径を同一にし、各組の印字ワ
イヤを選択的に使用するように構成した場合に
は、印字動作に伴う印字ワイヤの摩耗を少なくし
て耐久性を向上させることができ、又、各組の印
字ワイヤの線径を異ならせた場合には、必要に応
じて線の太さの異なる文字を印字することがで
き、しかも、印字ワイヤの組数を多くしても各保
持部材が邪魔になることはないとともに、印字ハ
ンマが印字ワイヤを殴打する際に異なる組の印字
ワイヤと干渉し合うことがなく、各組の印字ワイ
ヤ数を多くでき、それにより、支持ブロツクの往
復動範囲の増加分を極めて少なくして高速印字が
実現でき、また装置全体が大型になることがない
という優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を具体化した印字装置の要部
を示す斜視図、第２図は同じく要部拡大断面図、
第３図ａ，ｂはこの印字装置により印字される文
字の印字順序の説明図である。 印字面……２ａ、印字用紙……３、支持ブロツ
ク……９、パルスモータ……１７（この１７等に
より回転機構が構成されている）、第一の印字ワ
イヤ……１８、第二の印字ワイヤ……１９、フラ
ンジ部……２０、ストツパ……２３、ばね……２
４（前記２０，２３，２４により保持部材が構成
されている）、印字ハンマ……２９。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 印字面２ａに直交して配置した印字ワイヤ１
   ８，１９を印字行に沿つて往復動させながら、印
   字面２ａ上を通過する用紙３に印字を行う印字装
   置において、 前記印字行と平行な軸線の周りに回転可能に、
   かつ印字行に沿つて往復動可能に支持された支持
   ブロツク９と、 前記印字ワイヤ１８，１９は、前記支持ブロツ
   ク９の回転軸線と平行に延び、かつ互いに交わる
   複数の平面内において、前記回転軸線の方向に間
   隔をおいて支持ブロツク９に移動可能に支持され
   るとともに、各平面毎に組を構成していること
   と、 各印字ワイヤ１８，１９を支持ブロツク９内の
   没入位置へ向かつて付勢するばね２４を有すると
   ともに、各印字ワイヤ１８，１９の基端と支持ブ
   ロツク９との間に配設され、常には前記ばね２４
   の付勢力に基づいて前記各印字ワイヤ１８，１９
   を没入位置に保持する保持部材２０，２３，２４
   と、 複数組の印字ワイヤ１８，１９の内、一組の印
   字ワイヤ１８，１９の先端を前記印字面２ａに対
   向配置するため、前記支持ブロツク９を回転させ
   る回転機構１７等と、 前記印字面２ａに対向配置された一組の印字ワ
   イヤ１８，１９の基端をそれぞれ殴打し、前記各
   印字ワイヤ１８，１９を前記ばね２４の付勢力に
   抗して支持ブロツク９から突出させる複数の印字
   ハンマ２９と を設けてなる印字装置。 ２ 各組の印字ワイヤ１８，１９の線径を互いに
   異ならせたことを特徴とする特許請求の範囲第１
   項に記載の印字装置。