JP2597723B2 - ナビゲーションシステムの表示制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は車両の現在位置及び車両の周辺の地図を表示
する車載型ナビゲーションシステムの表示制御装置に関
し、特に画面表示されている地図や現在位置等の色を、
車両の停車、走行の別、或は低速走行、高速走行等の車
両の走行状態によって変更することを可能にする表示制
御装置に関する。

〈従来の技術〉 従来の車載型ナビゲーションシステムの表示制御装置
は、ロケータにより検出される車両の現在位置、及び地
図メモリに記憶されている現在位置周辺の地図等を画像
メモリに描画し、この描画された図形の各画素データ
（現在位置マーク、道路、バックグラウンド等）を色信
号に変換するための１種類の色組合せテーブルを参照し
て、現在位置、道路、周辺の建造物等を色信号に変換
し、この色信号をカラーディスプレイに表示させるもの
である。

〈発明が解決しようとする課題〉 ところで、ナビゲーションシステムの開発当初におい
ては、路に迷わず走行させたいという観点から、極力詳
細な地図を表示していた。しかし、運転者が詳細な地図
を読み取るためには、画面に表示されている地図を注視
しなければならず、走行中（特に高速走行中）での詳細
な地図は、却って見にくいものとなる。したがって、停
車中ないし低速走行中は詳細な地図を表示し、高速走行
中は走行する上で必要な情報、例えば現在どの当たりを
走行しているか、主要な道路はどれかという程度の情報
を表示して、走行時の視認性を向上させる必要がある。

しかしながら、従来、地図の表示の切り換えは、適当
な位置に配置された選択装置を運転者がスイッチ操作で
行っており（特開昭62−62386号公報）、表示の切り換
えが煩わしく、必ずしも走行状態に適した表示がされて
いないという問題があった。また、地図データは大量で
あり、走行する上で必要な情報と、そうでない情報とを
区別して各画素データを書き直すには時間を要するた
め、停車ないし低速走行から、高速走行に変わっても詳
細な地図から粗い地図に、すぐには切替わらないという
不都合があった。

本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、停車
から走行を開始した場合、或いは、低速走行から高速走
行に変わった場合等に、走行する上で必要な情報を表示
する地図に即座に切替えることができる、視認性に優れ
た表示制御装置を提供することを目的とする。

〈課題を解決するための手段〉 上記目的を達成するためのこの発明は、ロケータによ
り検出される車両の現在位置、及び現在位置周辺の地図
を画像メモリに描画し、この画像メモリに描画された各
画素データを色信号に変換してディスプレイに表示させ
る表示制御装置であって、以下の特徴を有する。

すなわち、現在、車両が停車ないし予め定めた走行速
度未満（低速走行）であるか、予め定めた走行速度以上
（高速走行）であるかを検出する走行状態検出手段と、
上記各画素データ及び背景と、それらをディスプレイに
表示する際の表示色とを対応づけるテーブルであって、
各画素データに対応する表示色は少なくとも背景の表示
色とは異なるように配色された第１の画素データ／色信
号変換テーブルと、上記各画素データ及び背景と、それ
らをディスプレイに表示する際の表示色とを対応づける
テーブルであって、各画素データのうち、走行に必要な
情報以外の情報を示す画素データに対応する表示色が背
景の表示色と同色に配色された第２の画素データ／色信
号変換テーブルと、上記走行状態検出手段が停車ないし
予め定めた走行速度未満（低速走行）であることを示し
ている間は、第１の画素データ／色信号変換テーブルを
選択し、上記走行状態検出手段が予め定めた走行速度以
上（高速走行）であることを示している間は、第２の画
素データ／色信号変換テーブルを選択するテーブル選択
手段と、上記テーブル選択手段により選択された画素デ
ータ／色信号変換テーブルに従って各画素データを色信
号に変換し、ディスプレイに供給する画素データ／色信
号変換手段とを有する。

〈作用〉 以上の構成であれば、車両の走行状態によって自動的
に詳細な地図と粗い地図の表示が切り換えられる。すな
わち、車両が停車ないし低速走行中か、高速走行中かに
よって、テーブル選択手段により２つの画素データ／色
信号変換テーブルのうちから所定の色組合せに係る画素
データ／色信号変換テーブルを選択する。次に、画素デ
ータ／色信号変換手段により、各画素データをテーブル
選択手段により選択された色信号に変換する。そして、
この変化した色信号すなわち映像信号をディスプレイに
供給する。これにより、ディスプレイには、車両の走行
状態に応じた映像を提供することができる。

〈実施例〉 以下、本発明に係るナビゲーションシステムの表示制
御装置を添付図面を参照しながら詳細に説明する。

第１図は本発明に係る表示装置の一実施例を示す機能
ブロック図である。同図において１は表示制御装置であ
り、この表示制御装置１には、ロケータ装置２、地図メ
モリ３、カラーディスプレイ４、及び車速センサ５が接
続されている。

上記ロケータ２は、車両の走行距離データと走行方向
データとに基づいて車両の現在位置を検出するものであ
る。このロケータ２の位置検出方式としては、いわゆる
マップマッチング航法によるものと、推測航法によるも
のとがあるが、何れを採用することも可能である。上記
地図メモリ３は、所定範囲内（例えば日本国内）の道路
地図を複数段階の縮尺で分割して記憶したものであり、
記憶内容としては、道路、及び交差点、有名建造物、鉄
道、川等である。

表示制御装置１は、描画部11、画像メモリ12、画素デ
ータ／色信号変換部13、画素データ／色信号変換テーブ
ル14、テーブル選択部15を有する。描画部11は、ロケー
タ２により検出される現在位置、及び地図メモリ３に記
憶されている現在位置周辺の道路、建造物等の全ての図
形を画像メモリ12に書き込む。この書き込まれた図形を
第２図に示す如く表す。なお、Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄは道路、
Ｅは現在位置マーク、Ｆはバックである。このとき、そ
れぞれの図形に対して、下記表１で定義された画素デー
タ（番号）が与えられる。

画像メモリ12は、描画部11により書き込まれた各図形
を画像データとして蓄積する。画素データ／色信号変換
テーブル14は、停車ないし低速走行（例えば0km/時〜5k
m/時）時と高速走行（5km/時〜）時によって、各画素デ
ータの色組合せを異ならせた２種類のテーブルを持って
いる。この２種類のテーブルの具体例を、下記表２に示
す。すなわち、停車ないし低速走行時はテーブル１にし
たがって、道路Ａを赤で表示し、他の道路を緑に配色し
ている。また、高速走行時は、走行路以外の道路B,C,D
はバックと同じ黒に配色している。

テーブル選択部15は、車速センサ５からの信号を受け
て、停車ないし低速走行用と高速走行用の２種類の色組
合せテーブルのうちから所望の色組合せテーブルを選択
する。

上記車速センサ５としては、駆動輪の回転を検出する
車輪速度センサ等がある。

画素データ／色信号変換部13は、各画素データをテー
ブル選択部15により選択されたテーブルに対応した色信
号に変換し、これをディスプレイに出力する。

カラーディスプレイ４は、色信号すなわち映像信号に
基づいて現在位置、道路、建造物、バック等を表示す
る。

上記実施例のナビゲーションシステムの表示制御装置
であれば、車速センサ５により車両の高速走行を検出す
ると、テーブル選択部15によりテーブル２が選択され
る。そして、画素データ／色信号変換部13が、テーブル
２を参照して、表１の画素データを高速走行時の色信号
に変換する。これにより、走行路以外の道路をバックと
同じ色にすることができ、第２図の図形に色デザインを
施したものを、第３図に示すような、視認性の良好な色
デザインで表示することができる。

逆に、車速センサ５により車両の停車ないし低速走行
を検出すると、テーブル１が選択され、高速走行用の色
デザインから停車ないし低速走行用の色デザインになる
ように色信号を変換する。これにより、詳細な道路地図
を検討して、迂回路の選択等を行うことができる。

なお、この上記実施例は、画素データ／色信号変換テ
ーブルに停車ないし低速走行時と高速走行時の２種類の
テーブルを持たせているが、例えば、車両の速度によっ
て、停車から高速に至るまで、段階的に視認性を良好に
したテーブルを２種類以上持たせることが可能である
等、この発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更
を施すことが可能である。

〈発明の効果〉 以上の本発明によれば、車両の速度、すなわち、車両
が停車ないし低速走行中か、高速走行中かによって、テ
ーブル選択手段により複数の色組合せのうちから所望の
色組合せを選択し、画素データ／色信号変換手段により
各画素データをテーブル選択手段により選択された色信
号に変換することにより、従来の如く、画像メモリの各
画素データを書き直す必要がなくなるので、車速センサ
により車両の速度を検出すると、即座に、走行中の色デ
ザインで地図等を表示することができるという効果が得
られる。

また、走行時に不要な情報を表わす画像は背景色（バ
ック）と同じ配色にする画素データ／色信号変換テーブ
ルを設け、これを高速走行用としておくとともに、現時
点の車両の速度（走行状態）を検出する走行状態検出手
段を設けて、停車ないし低速走行中は、低速用画素デー
タ／色信号変換テーブルを用いることによって詳細な全
ての地図情報をディスプレイに表示し、車両が高速走行
状態に入ったことを検知すると、高速用画素データ／色
信号変換テーブルを介して画像をディスプレイに表示す
ることによって高速走行に必要な情報以外の情報は背景
色に隠されて見かけ上消去されたような画面とすること
ができる。

これにより、運転中に人が表示変更の操作を行うこと
なく、車両の速度に応じて、即座に停車ないし低速走行
では詳細な地図情報を表示して、目的地への正確な道路
案内を行い、高速走行では高速走行時に必要とされる地
図情報のみを表示して視認性を向上させることができる
という特有の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る表示装置の一実施例を示す機能
ブロック図である。 第２図は、画像メモリに書き込まれた図形である。 第３図は、走行時の表示画面である。 １……表示制御装置 ５……車速センサ 11……描画部 12……画像メモリ 13……画素データ／色信号変換部 14……画素データ／色信号変換テーブル 15……テーブル選択部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ロケータにより検出される車両の現在位
   置、及び現在位置周辺の地図を画像メモリに描画し、こ
   の画像メモリに描画された各画素データを色信号に変換
   してディスプレイに表示させるナビゲーションシステム
   の表示制御装置において、 車両が現在停車ないし予め定めた走行速度未満である
   か、予め定めた走行速度以上であるかを検出する走行状
   態検出手段と、 上記各画素データ及び背景と、それらをディスプレイに
   表示する際の表示色とを対応づけるテーブルであって、
   各画素データに対応する表示色は少なくとも背景の表示
   色とは異なるように配色された第１の画素データ／色信
   号変換テーブルと、 上記各画素データ及び背景と、それらをディスプレイに
   表示する際の表示色とを対応づけるテーブルであって、
   各画素データのうち、走行に必要な情報以外の情報を示
   す画素データに対応する表示色が背景の表示色と同色に
   配色された第２の画素データ／色信号変換テーブルと、 上記走行状態検出手段が停車ないし予め定めた走行速度
   未満であることを示している間は、前記第１の画素デー
   タ／色信号変換テーブルを選択し、上記走行状態検出手
   段が予め定めた走行速度以上であることを示している間
   は、前記第２の画素データ／色信号変換テーブルを選択
   するテーブル選択手段と、 前記テーブル選択手段により選択された画素データ／色
   信号変換テーブルに従って各画素データを色信号に変換
   し、ディスプレイに供給する画素データ／色信号変換手
   段を有することを特徴とするナビゲーションシステムの
   表示制御装置。