JP2594765Y2 - 車両懸架装置 - Google Patents

車両懸架装置

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JP2594765Y2
JP2594765Y2 JP1992066518U JP6651892U JP2594765Y2 JP 2594765 Y2 JP2594765 Y2 JP 2594765Y2 JP 1992066518 U JP1992066518 U JP 1992066518U JP 6651892 U JP6651892 U JP 6651892U JP 2594765 Y2 JP2594765 Y2 JP 2594765Y2
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光雄 佐々木
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ショックアブソーバの
減衰特性を最適制御する車両の懸架装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ショックアブソーバの減衰特性制
御を行う車両懸架装置としては、例えば、実開昭63−
93203号公報に記載されたものが知られている。こ
の従来の車両懸架装置は、ばね上上下速度及びばね上・
ばね下間の相対速度を検出し、両者が同符号の時には、
減衰特性をハードとし、両者が異符号の時には減衰特性
をソフトにするといったスカイフック理論に基づく減衰
特性制御を、4輪独立に行うものであった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来装置にあっては、以下に述べるような問題点があっ
た。
【0004】上述のようなスカイフック理論に基づく減
衰特性制御に必要なばね上上下速度等のばね上挙動信号
の検出に関し、ゲイン,位相ともに制御に必要な周波数
帯全域において現実の挙動と同一の状態で検出する手段
はないため、現在のところは、フィルタ処理をしたり積
分器等を用いることにより、近似的に求めた信号に基づ
いて制御が行なわれている。ところが、この方法ではゲ
イン,位相等がある特定の狭い範囲(主に低周波側)で
しか一致せず、特に高周波側では現実の挙動とのずれ
(遅れ)が生じることから、高周波路面入力時において
は現実の車両挙動に適応した減衰特性制御を行なうこと
ができなくなり、このため、低周波路面入力時における
制振性を高めるべく全体の制御ゲインを高めに設定して
おくと、高周波路面入力時における車両の乗り心地を悪
化させることになる。
【0005】本考案は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、高周波路面入力時における車両の乗り
心地を悪化させることなく、大きな低周波路面入力時に
おける十分な制振性が得られて車両の操縦安定性を確保
することができる車両懸架装置を提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本考案の車両懸架装置は、図1のクレーム対応図
に示すように、車体側と各車輪側の間に介在され、減衰
特性変更手段aにより減衰特性を変更可能なショックア
ブソーバbと、ばね上の挙動を検出するばね上挙動検出
手段cと、該ばね上挙動検出手段cで検出されたばね上
挙動信号値が所定の大入力しきい値未満である時は、ば
ね上挙動検出手段cからのばね上挙動信号値及び低めの
制御ゲインに基づいてショックアブソーバを最適の減衰
特性に制御すべく減衰特性変更手段に切り換え信号を出
力する基本制御部dを有する制御手段eと、該制御手段
eに設けられ、ばね上挙動検出手段cで検出された信号
値が所定の大入力しきい値以上になると、その後ばね上
挙動信号の方向が逆転した時点からさらにその方向が逆
転するまでの半周期の間は、基本制御部dにおける制御
ゲインを高めに変更する補正制御部fとを備えている手
段とした。
【0007】
【作用】本考案の車両懸架装置では、上述のように構成
されるので、大きな低周波成分のない高周波路面入力の
時は、ばね上挙動の検出値が所定の大入力しきい値未満
で変位するため、基本制御部では、ばね上挙動検出手段
からのばね上挙動信号値及び低めの制御ゲインに基づい
てショックアブソーバを最適の減衰特性に制御すべく減
衰特性制御手段に切り換え信号が出力される。以上のよ
うに、高周波路面入力に対しては低めの制御ゲインによ
り、ばね上への振動伝達を抑制して車両の乗り心地を重
視した減衰特性制御が行なわれる。
【0008】また、大きな低周波成分が含まれた路面入
力の時は、ばね上挙動の検出値が所定の大入力しきい値
以上になるため、補正制御部では、その後ばね上挙動信
号の方向が逆転した時点からさらにその方向が逆転する
までの半周期の間は、基本制御部における制御ゲインを
高めに変更する処理が行なわれる。以上のように、大き
な低周波成分が含まれた路面入力に対しては高めの制御
ゲインに切り換えることにより、車両の制振性を高めて
操縦安定性を重視した減衰特性制御が行なわれる。そし
て、制御ゲインの切り換えを、ばね上挙動信号の方向が
逆転した時点から半周期の間に行なうことで、ばね上挙
動が0の時点で高めの制御ゲインから基本制御部による
制御ゲインへの切り換えが行われることになり、これに
より、制御ゲインの切り換えによる減衰特性の急激な変
に基づく乗り心地への悪影響を防止することができ
る。
【0009】
【実施例】本考案実施例を図面に基づいて説明する。ま
ず、構成について説明する。図2は、本考案実施例の車
両懸架装置を示す構成説明図であり、車体と4つの車輪
との間に介在されて、4つのショックアブソーバSA
1 ,SA2 ,SA3 ,SA4 (なお、ショックアブソー
バを説明するにあたり、これら4つをまとめて指す場
合、及びこれらの共通の構成を説明する時にはただ単に
SAと表示する。)が設けられている。そして、各ショ
ックアブソーバSAの近傍位置の車体には、上下方向の
加速度を検出する上下加速度センサ(以後、上下Gセン
サという)1が設けられている。また、運転席の近傍位
置には、各上下Gセンサ1からの信号を入力して、各シ
ョックアブソーバSAのパルスモータ3に駆動制御信号
を出力するコントロールユニット4が設けられている。
【0010】図3は、上記構成を示すシステムブロック
図であって、コントロールユニット4は、インタフェー
ス回路4a,CPU4b,駆動回路4cを備え、前記イ
ンタフェース回路4aには、上述の各上下Gセンサ1か
らの信号が入力される。なお、前記インタフェース回路
4a内には、各上下Gセンサ1から送られる信号の中か
ら高周波域(30Hz以上)のノイズを除去するためのロー
パスフィルタ回路と、該ローパスフィルタ回路を通過し
た加速度を示す信号を積分してばね上上下速度Vn に変
換するためのローパスフィルタ回路とで構成されるフィ
ルタ回路4dが、各上下Gセンサ1毎に設けられてい
る。
【0011】次に、図4は、ショックアブソーバSAの
構成を示す断面図であって、このショックアブソーバS
Aは、シリンダ30と、シリンダ30を上部室Aと下部
室Bとに画成したピストン31と、シリンダ30の外周
にリザーバ室32を形成した外筒33と、下部室Bとリ
ザーバ室32とを画成したベース34と、ピストン31
に連結されたピストンロッド7の摺動をガイドするガイ
ド部材35と、外筒33と車体との間に介在されたサス
ペンションスプリング36と、バンパラバー37とを備
えている。
【0012】次に、図5は前記ピストン31の部分を示
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する圧側減
衰バルブ20及び伸側減衰バルブ12が設けられてい
る。また、ピストンロッド7の先端に螺合されたバウン
ドストッパ41には、ピストン31を貫通したスタッド
38が螺合して固定されていて、このスタッド38に
は、貫通孔31a,31bをバイパスして上部室Aと下
部室Bとを連通する流路(後述の伸側第2流路E,伸側
第3流路F,バイパス流路G,圧側第2流路J)を形成
するための連通孔39が形成されていて、この連通孔3
9内には前記流路の流路断面積を変更するための調整子
40が回動自在に設けられている。また、スタッド38
の外周部には、流体の流通の方向に応じて前記連通孔3
9で形成される流路側の流通を許容・遮断する伸側チェ
ックバルブ17と圧側チェックバルブ22とが設けられ
ている。なお、この調整子40は、前記パルスモータ3
によりコントロールロッド70を介して回転されるよう
になっている(図4参照)。また、スタッド38には、
上から順に第1ポート21,第2ポート13,第3ポー
ト18,第4ポート14,第5ポート16が形成されて
いる。
【0013】一方、調整子40は、中空部19が形成さ
れると共に、内外を連通する第1横孔24及び第2横孔
25が形成され、さらに、外周部に縦溝23が形成され
ている。
【0014】従って、前記上部室Aと下部室Bとの間に
は、伸行程で流体が流通可能な流路として、貫通孔31
bを通り伸側減衰バルブ12の内側を開弁して下部室B
に至る伸側第1流路Dと、第2ポート13,縦溝23,
第4ポート14を経由して伸側減衰バルブ12の外周側
を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、第2ポー
ト13,縦溝23,第5ポート16を経由して伸側チェ
ックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側第3流路
Fと、第3ポート18,第2横孔25,中空部19を経
由して下部室Bに至るバイパス流路Gの4つの流路があ
る。また、圧行程で流体が流通可能な流路として、貫通
孔31aを通り圧側減衰バルブ20を開弁する圧側第1
流路Hと、中空部19,第1横孔24,第1ポート21
を経由し圧側チェックバルブ22を開弁して上部室Aに
至る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔25,第
3ポート18を経由して上部室Aに至るバイパス流路G
との3つの流路がある。
【0015】すなわち、ショックアブソーバSAは、調
整子40を回動させることにより、伸側・圧側のいずれ
とも図6に示すような特性で減衰特性を多段階に変更可
能に構成されている。つまり、図7に示すように、伸側
・圧側いずれもソフトとした状態(以後、ソフト領域S
Sという)から調整子40を反時計方向に回動させる
と、伸側のみ減衰特性を多段階に変更可能で圧側が低減
衰特性に固定の領域(以後、伸側ハード領域HSとい
う)となり、逆に、調整子40を時計方向に回動させる
と、圧側のみ減衰特性を多段階に変更可能で伸側が低減
衰特性に固定の領域(以後、圧側ハード領域SHとい
う)となる構造となっている。
【0016】ちなみに、図7において、調整子40を
,,のポジションに配置した時の、図5における
K−K断面,L−L断面及びM−M断面,N−N断面
を、それぞれ、図8,図9,図10に示し、また、各ポ
ジションの減衰力特性を図11,12,13に示してい
る。
【0017】次に、パルスモータ3の駆動を制御するコ
ントロールユニット4の全体の作動について、図14の
フローチャート及び図15のタイムチャートに基づき説
明する。尚、この制御は、各ショックアブソーバSA毎
に別個に行う。
【0018】ステップ101は、大入力制御実行フラグ
(FLAG2)がON状態か否かを判定するステップで
あり、YESでステップ108に進み、NOでステップ
102に進む。
【0019】ステップ102は、コントロールユニット
4の基本制御部において通常制御が行なわれるステップ
である。即ち、この通常制御においては、乗り心地を重
視した低めの制御ゲインK1 により、次式に基づいて減
衰特性Cの比例制御が行なわれる。
【0020】C=Vn ×K1 ステップ103は、大入力制御検出フラグ(FLAG
1)がON状態か否かを判定するステップであり、YE
Sでステップ106に進み、NOでステップ104に進
む。
【0021】ステップ104は、ばね上上下速度Vn が
大入力しきい値VTH,V-TH の範囲を越えたか否かを判
定するステップであり、YESでステップ105に進
み、NOでステップ102に戻る。
【0022】ステップ105は、大入力制御検出フラグ
(FLAG1)をONにするステップである。
【0023】ステップ106は、ばね上上下速度Vn
が、0点をクロスしたか否かを判定するステップであ
り、YESでステップ107に進み、NOでステップ1
02に戻る。
【0024】ステップ107は、大入力時補正制御実行
フラグ(FLAG2)をONにするステップである。
【0025】ステップ108は、コントロールユニット
4の補正制御部において補正制御が行なわれるステップ
である。即ち、この補正制御においては、操縦安定性を
重視した高めの制御ゲインK2 により、次式に基づいて
減衰特性Cの比例制御が行なわれる。
【0026】C=Vn ×K2 ステップ109は、ばね上上下速度Vn が、0点をクロ
スしたか否かを判定するステップであり、YESでステ
ップ110に進み、NOでステップ101に戻る。
【0027】ステップ110は、大入力制御検出フラグ
(FLAG1)及び大入力時補正制御実行フラグ(FL
AG2)をOFF状態にするステップであり、このステ
ップで一回の制御フローを終了する。
【0028】次に、コントロールユニット4の全体の制
御作動を図15のタイムチャートに基づいて説明する。
尚、この図においては、上から順に、ばね上上下速度V
n ,大入力制御検出フラグ(FLAG1)のON・OF
F状態,大入力時補正制御実行フラグ(FLAG2)の
ON・OFF状態をそれぞれ示している。
【0029】まず、大きな低周波成分のない高周波路面
入力の時は、ばね上上下速度Vn が所定の大入力しきい
値VTH,V-TH の範囲内で変位するため、コントロール
ユニットの基本制御部では、ばね上上下速度Vn 及び低
めの制御ゲインK1 に基づいた減衰特性の比例制御が行
なわれる。
【0030】以上のように、高周波路面入力に対しては
低めの制御ゲインK1 による低めの減衰特性によって、
ばね上への振動伝達を抑制することができるため、車両
の乗り心地を確保することができる。
【0031】次に、大きな低周波成分が含まれた路面入
力の時は、ばね上上下速度Vn が所定の大入力しきい値
TH,V-TH の範囲を越えるため、コントロールユニッ
ト4の補正制御部では、その後ばね上上下速度Vn の方
向が逆転した時点からさらにその方向が逆転するまでの
半周期の間(パルスモータの目標ポジションの斜線で示
す範囲の間)は、ばね上上下速度Vn 及び高めの制御ゲ
インK2 に基づいた減衰特性の比例制御が行なわれる。
【0032】以上のように、大きな低周波成分が含まれ
た路面入力に対しては高めの制御ゲインK2 による高め
減衰特性に切り換えることにより、車両の制振性を高め
て操縦安定性を確保することができる。
【0033】そして、この制御ゲインの切り換えを、ば
ね上上下速度Vn の方向が逆転した時点からさらにその
方向が逆転するまでの半周期の間に行なうことで、ばね
上挙動が0の時点で高めの制御ゲインから基本制御部に
よる制御ゲインへの切り換えが行われることになり、こ
れにより、制御ゲインの切り換えによる減衰特性の急激
な変動に基づく乗り心地への悪影響を防止することがで
きる。
【0034】次に、減衰特性の通常制御の内容を、図1
6のフローチャート及び図17のタイムチャートに基づ
いて説明する。
【0035】まず、図16において、ステップ201
は、各上下Gセンサ1,1,1,1から得られる上下加
速度を各フィルタ回路4dで処理して各車輪位置のばね
上上下速度Vn を求める処理を行うステップである。
尚、この各ばね上上下速度Vn は、上方向の時には正の
値で、また、下方向の時には負の値で与えられる。
【0036】ステップ202は、ばね上上下速度Vn が
正の値であるか否かを判定するステップであり、YES
(上方向)でステップ203に進み、NOでステップ2
04に進む。
【0037】ステップ203は、ショックアブソーバS
Aを伸側ハード領域HSに制御するステップであり、こ
のステップで一回の制御フローを終了する。
【0038】ステップ204は、ばね上上下速度Vn が
0であるか否かを判定するステップであり、YESでス
テップ205に進み、NOでステップ206に進む。
【0039】ステップ205は、ショックアブソーバS
Aをソフト領域SSに制御するステップであり、このス
テップで一回の制御フローを終了する。
【0040】ステップ206は、便宜上表示しているス
テップであり、ステップ202及びステップ204でN
Oと判定された場合には、ばね上上下速度Vn は負の値
であり、この場合はステップ207に進む。
【0041】ステップ207は、ショックアブソーバS
Aを圧側ハード領域SHに制御するステップであり、こ
のステップで一回の制御フローを終了する。
【0042】次に、図17のタイムチャートについて説
明する。尚、このタイムチャートはばね上上下速度Vn
が大入力しきい値VTH,V-TH の範囲未満で変化し、通
常制御が行なわれる場合を示している。
【0043】ばね上上下速度Vn がこの図に示すように
変化した場合、ばね上上下速度Vnが0である時には、
ショックアブソーバSAをソフト領域SSに制御する。
【0044】また、ばね上上下速度Vn が正の値になる
と、伸側ハード領域HSに制御して、圧側を低減衰特性
に固定する。
【0045】また、ばね上上下速度Vn が負の値になる
と、圧側ハード領域SHに制御して、伸側を低減衰特性
に固定する。
【0046】また、図17のタイムチャートにおいて、
領域aは、ばね上上下速度Vn が負の値(下向き)から
正の値(上向き)に逆転した状態であるが、この時はま
だ相対速度は負の値(ショックアブソーバSAの行程は
圧行程側)となっている領域であるため、この時は、ば
ね上上下速度Vn の方向に基づいてショックアブソーバ
SAは伸側ハード領域HSに制御されており、従って、
この領域ではその時のショックアブソーバSAの行程で
ある圧行程側がソフト特性となる。
【0047】また、領域bは、ばね上上下速度Vn が正
の値(上向き)のままで、相対速度は負の値から正の値
(ショックアブソーバSAの行程は伸行程側)に切り換
わった領域であるため、この時は、ばね上上下速度Vn
の方向に基づいてショックアブソーバSAは伸側ハード
領域HSに制御されており、かつ、ショックアブソーバ
の行程も伸行程であり、従って、この領域ではその時の
ショックアブソーバSAの行程である伸行程側が、ばね
上上下速度Vn の値に比例したハード特性となる。
【0048】また、領域cは、ばね上上下速度Vn が正
の値(上向き)から負の値(下向き)に逆転した状態で
あるが、この時はまだ相対速度は正の値(ショックアブ
ソーバSAの行程は伸行程側)となっている領域である
ため、この時は、ばね上上下速度Vn の方向に基づいて
ショックアブソーバSAは圧側ハード領域SHに制御さ
れており、従って、この領域ではその時のショックアブ
ソーバSAの行程である伸行程側がソフト特性となる。
【0049】また、領域dは、ばね上上下速度Vn が負
の値(下向き)のままで、相対速度は正の値から負の値
(ショックアブソーバSAの行程は圧行程側)になる領
域であるため、この時は、ばね上上下速度Vn の方向に
基づいてショックアブソーバSAは圧側ハード領域SH
に制御されており、かつ、ショックアブソーバの行程も
圧行程であり、従って、この領域ではその時のショック
アブソーバSAの行程である圧行程側が、ばね上上下速
度Vn の値に比例したハード特性となる。
【0050】以上のように、この実施例では、ばね上上
下速度Vn とばね上・ばね下間の相対速度とが同符号の
時(領域b,領域d)は、その時のショックアブソーバ
SAの行程側をハード特性に制御し、異符号の時(領域
a,領域c)は、その時のショックアブソーバSAの行
程側をソフト特性に制御するという、スカイフック理論
に基づいた減衰特性制御と同一の制御が、ばね上・ばね
下間相対速度を検出することなしに行なわれることにな
る。そして、さらに、この実施例では、領域aから領域
b,及び領域cから領域dへ移行する時には、パルスモ
ータ3を駆動させることなしに減衰特性の切り換えが行
なわれることになる。
【0051】以上説明したように、この実施例では、以
下に列挙する効果が得られる。 大入力時にだけ補正
制御を行なうようにしたことで、小入力時には通常制御
部による低めの減衰特性によって車両の乗り心地を確保
することができると共に、大きな路面入力に対しては補
正制御部による高めの減衰特性により十分な制振性が得
られて操縦安定性を向上させることができる。
【0052】 従来のスカイフック理論に基づいた減
衰特性制御に比べ、減衰特性の切り換え頻度が少なくな
るため、制御応答性を高めることができると共に、パル
スモータ3の耐久性を向上させることができる。
【0053】以上、実施例について説明してきたが具体
的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本考案
の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本考案
に含まれる。
【0054】例えば、実施例では、伸側が減衰特性可変
で圧側が低減衰特性に固定の伸側ハード領域と、圧側が
減衰特性可変で伸側が低減衰特性に固定の圧側ハード領
域と、伸側・圧側共に低減衰特性のソフト領域との3つ
の領域を有するショックアブソーバを用いたが、伸側及
び圧側の減衰特性が同時に変化する構造のショックアブ
ソーバを用いることができる。
【0055】また、実施例では、ばね上挙動としてばね
上上下速度を用いる場合を示したが、ショックアブソー
バのストローク速度や、ばね上・ばね下間相対速度等の
その他のばね上挙動に基づいた制御を行なうことができ
る。
【0056】
【考案の効果】以上説明してきたように本考案の車両懸
架装置は、ばね上挙動検出手段で検出されたばね上挙動
信号値が所定の大入力しきい値未満である時は、ばね上
挙動検出手段からのばね上挙動信号値及び低めの制御ゲ
インに基づいてショックアブソーバを最適の減衰特性に
制御すべく減衰特性制御手段に切り換え信号を出力する
基本制御部と、ばね上挙動検出手段で検出された信号値
が所定の大入力しきい値以上になると、その後ばね上挙
動信号の方向が逆転した時点からさらにその方向が逆転
するまでの半周期の間は、基本制御部における制御ゲイ
ンを高めに変更する補正制御部とを備えている手段とし
たことで、高周波路面入力時における車両の乗り心地を
悪化させることなく、大きな低周波路面入力時における
十分な制振性が得られて車両の操縦安定性を確保するこ
とができるようになるという効果が得られる。また、制
御ゲインの切り換えを、ばね上挙動信号の方向が逆転し
た時点から半周期の間に行なうことで、ばね上挙動が0
の時点で高めの制御ゲインから基本制御部による制御ゲ
インへの切り換えが行われることになり、これにより、
制御ゲインの切り換えによる減衰特性の急激な変動に基
づく乗り心地への悪影響を防止することができるように
なるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の車両懸架装置を示すクレーム概念図で
ある。
【図2】本考案実施例の車両懸架装置を示す構成説明図
である。
【図3】実施例の車両懸架装置を示すシステムブロック
図である。
【図4】実施例装置に適用したショックアブソーバを示
す断面図である。
【図5】前記ショックアブソーバの要部を示す拡大断面
図である。
【図6】前記ショックアブソーバのピストン速度に対応
した減衰力特性図である。
【図7】前記ショックアブソーバのパルスモータのステ
ップ位置に対応した減衰力特性図である。
【図8】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のK
−K断面図である。
【図9】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のL
−L断面及びM−M断面図である。
【図10】前記ショックアブソーバの要部を示す図5の
N−N断面図である。
【図11】前記ショックアブソーバの伸側ハード時の減
衰力特性図である。
【図12】前記ショックアブソーバの伸側・圧側ソフト
状態の減衰力特性図である。
【図13】前記ショックアブソーバの圧側ハード状態の
減衰力特性図である。
【図14】実施例装置におけるコントロールユニットの
全体の制御作動を示すフローチャートである。
【図15】実施例装置におけるコントロールユニットの
全体の制御作動を示すタイムチャートである。
【図16】実施例装置における通常制御時の作動を示す
フローチャートである。
【図17】実施例装置における通常制御時の作動を示す
タイムチャートである。
【符号の説明】
a 減衰特性変更手段 b ショックアブソーバ c ばね上挙動検出手段 d 基本制御部 e 制御手段 f 補正制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−334613(JP,A) 特開 昭63−115209(JP,A) 特開 昭63−151509(JP,A) 特開 平4−169316(JP,A) 特開 平4−15113(JP,A) 実開 昭63−24005(JP,U) 実開 昭64−49407(JP,U) 特表 平5−500491(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60G 17/00 - 23/00

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側と各車輪側の間に介在され、減衰
    特性変更手段により減衰特性を変更可能なショックアブ
    ソーバと、 ばね上の挙動を検出するばね上挙動検出手段と、 該ばね上挙動検出手段で検出されたばね上挙動信号値が
    所定の大入力しきい値未満である時は、ばね上挙動検出
    手段からのばね上挙動信号値及び低めの制御ゲインに基
    づいてショックアブソーバを最適の減衰特性に制御すべ
    く減衰特性変更手段に切り換え信号を出力する基本制御
    部を有する制御手段と、 該制御手段に設けられ、ばね上挙動検出手段で検出され
    た信号値が所定の大入力しきい値以上になると、その後
    ばね上挙動信号の方向が逆転した時点からさらにその方
    向が逆転するまでの半周期の間は、基本制御部における
    制御ゲインを高めに変更する補正制御部と、 を備えていることを特徴とする車両懸架装置。
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