JP3189176B2 - 車両懸架装置 - Google Patents

車両懸架装置

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JP3189176B2
JP3189176B2 JP22431093A JP22431093A JP3189176B2 JP 3189176 B2 JP3189176 B2 JP 3189176B2 JP 22431093 A JP22431093 A JP 22431093A JP 22431093 A JP22431093 A JP 22431093A JP 3189176 B2 JP3189176 B2 JP 3189176B2
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哲也 岡村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ショックアブソーバの
減衰特性を最適制御する車両の懸架装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ショックアブソーバの減衰特性制
御を行う車両懸架装置としては、例えば、特表平4−5
02439号公報に記載されたものが知られている。
【0003】この従来の車両懸架装置は、ばね上上下速
度及びばね上・ばね下間の相対速度を検出し、両者の方
向判別符号が一致する時には、その時のショックアブソ
ーバの行程側を相対速度の値に基づいたハードの減衰特
性とすることで、車両の振動抑制力(制振力)を高める
と共に、両者の方向判別符号が不一致である時には、そ
の時のショックアブソーバの行程側の減衰特性をソフト
にすることによってばね上への振動伝達力(加振力)を
弱める、といったスカイフック理論に基づく減衰特性制
御を4輪独立に行なうようにしたものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来装置にあっては、上述のように、各ショックアブソ
ーバの減衰特性を、ばね上・ばね下間相対速度に基づい
て設定するようにしたものであったため、以下に述べる
ような問題点があった。
【0005】即ち、ばね上・ばね下間相対速度成分は、
ばね下共振点付近の高周波成分が大きく、この高周波の
制御信号に基づいてショックアブソーバの減衰特性の切
り換え制御が行なわれることから、高周波路面入力によ
りばね下の挙動が高周波になると、ばね上の挙動が小さ
い時であっても減衰力の切換が高周波で切り換えられる
ため、車両の乗り心地が硬くなる。
【0006】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、あらゆる路面入力に対しても適切な制
御力を発生させることができて、車両の乗り心地と操縦
安定性とを確保することができる車両懸架装置を提供す
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の車両懸架装置は、図1のクレーム対応図
に示すように、車体側と各車輪側の間に介在され、減衰
特性変更手段aにより減衰特性を変更可能なショックア
ブソーバbと、ばね上上下速度を検出するばね上上下速
度検出手段cと、少なくともばね下上下速度成分を含む
信号を検出するばね下上下速度検出手段dと、ばね上上
下速度検出手段cで検出されたばね上上下速度が所定の
しきい値未満である時は、ばね上上下速度信号に基づ
制御出力信号によりショックアブソーバbの減衰特性制
御を行ない、ばね上上下速度検出手段cで検出されたば
ね上上下速度が所定のしきい値以上である時は、ばね上
上下速度検出手段cで検出されたばね上上下速度信号及
びばね下上下速度検出手段dで検出された少なくともば
ね下上下速度成分を含む信号に基づく制御出力信号によ
ショックアブソーバbの減衰特性制御を行なう減衰特
性制御手段eと、を備えている手段とした。
【0008】
【作用】本発明の車両懸架装置では、上述のように構成
されるので、ばね上の挙動が小さい時には、ばね上上下
速度検出手段で検出されたばね上上下速度が所定のしき
い値未満であるため、減衰特性制御手段では、ばね上上
下速度信号に基づく制御出力信号によりショックアブソ
ーバの減衰特性制御が行なわれるもので、これにより、
車両の乗り心地を重視した制御が行なわれる。
【0009】また、ばね上の挙動が高周波になると、ば
ね上上下速度検出手段で検出されたばね上上下速度が所
定のしきい値以上となるため、減衰特性制御手段では、
ばね上上下速度検出手段で検出されたばね上上下速度信
号及びばね下上下速度検出手段で検出された少なくとも
ばね下上下速度成分を含む信号に基づく制御出力信号に
よりショックアブソーバの減衰特性制御が行なわれるも
ので、これにより、制御力を発生させて車両の振動抑制
力(制振力)を適切にし、乗り心地及び操縦安定性を確
保することができる。
【0010】
【実施例】本発明実施例を図面に基づいて説明する。ま
ず、構成について説明する。
【0011】図2は、本発明実施例の車両懸架装置を示
す構成説明図であり、車体と4つの車輪との間に介在さ
れて、4つのショックアブソーバSAが設けられてい
る。そして、各ショックアブソーバSAの近傍位置の車
体には、上下方向の加速度を検出する上下加速度センサ
(以後、上下Gセンサという)1が設けられ、また、各
車輪と車体との間には、ばね上・ばね下間の相対変位を
検出するためのストロークセンサ2が設けられている。
また、運転席の近傍位置には、各上下Gセンサ1及び各
ストロークセンサ2からの信号を入力して、各ショック
アブソーバSAのパルスモータ3に駆動制御信号を出力
するコントロールユニット4が設けられている。
【0012】図3は、上記構成を示すシステムブロック
図であって、コントロールユニット4は、インタフェー
ス回路4a,CPU4b,駆動回路4cを備え、前記イ
ンタフェース回路4aには、上述の各上下Gセンサ1及
び各ストロークセンサ2からの信号が入力される。
【0013】そして、前記インタフェース回路4a内に
は、図14の(イ)に示すように、4つで1組のフィル
タ回路が、各上下Gセンサ1ごとに設けられている。即
ち、図14の(イ)において、LPF1は、上下Gセン
サ1から送られるばね上上下加速度信号Gの中から高周
波域(30Hz以上)のノイズを除去するためのローパスフ
ィルタであり、LPF2は、ローパスフィルタLPF1
で処理された加速度信号Gを積分してばね上上下速度に
変換するためのローパスフィルタであり、HPF1は、
カットオフ周波数1.0Hz のハイパスフィルタであり、L
PF3は、カットオフ周波数1.5Hz のローパスフィルタ
であり、前記両フィルタHPF1,LPF3でばね上共
振周波数を含む低周波のばね上上下速度Vn を得るため
のバンドパスフィルタを構成している。
【0014】また、前記インタフェース回路4a内に
は、図14の(ロ)に示すように、2つで1組のフィル
タ回路が、各ストロークセンサ2ごとに設けられてい
る。即ち、HPF2は、ストロークセンサ2から送られ
るばね上・ばね下間の相対変位を微分してばね上・ばね
下間相対速度信号に変換するハイパスフィルタであり、
HPF3は、ばね上・ばね下間相対速度信号の中からば
ね上共振周波数を含む低周波成分を除去してばね下共振
周波数を含む高周波の相対速度信号VSTを得るためのカ
ットオフ周波数3.0Hz のハイパスフィルタである。
【0015】次に、図4は、ショックアブソーバSAの
構成を示す断面図であって、このショックアブソーバS
Aは、シリンダ30と、シリンダ30を上部室Aと下部
室Bとに画成したピストン31と、シリンダ30の外周
にリザーバ室32を形成した外筒33と、下部室Bとリ
ザーバ室32とを画成したベース34と、ピストン31
に連結されたピストンロッド7の摺動をガイドするガイ
ド部材35と、外筒33と車体との間に介在されたサス
ペンションスプリング36と、バンパラバー37とを備
えている。
【0016】次に、図5は前記ピストン31の部分を示
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する圧側減
衰バルブ20及び伸側減衰バルブ12が設けられてい
る。また、ピストンロッド7の先端に螺合されたバウン
ドストッパ41には、ピストン31を貫通したスタッド
38が螺合して固定されていて、このスタッド38に
は、貫通孔31a,31bをバイパスして上部室Aと下
部室Bとを連通する流路(後述の伸側第2流路E,伸側
第3流路F,バイパス流路G,圧側第2流路J)を形成
するための連通孔39が形成されていて、この連通孔3
9内には前記流路の流路断面積を変更するための調整子
40が回動自在に設けられている。また、スタッド38
の外周部には、流体の流通の方向に応じて前記連通孔3
9で形成される流路側の流通を許容・遮断する伸側チェ
ックバルブ17と圧側チェックバルブ22とが設けられ
ている。なお、この調整子40は、前記パルスモータ3
によりコントロールロッド70を介して回転されるよう
になっている(図4参照)。また、スタッド38には、
上から順に第1ポート21,第2ポート13,第3ポー
ト18,第4ポート14,第5ポート16が形成されて
いる。
【0017】一方、調整子40は、中空部19が形成さ
れると共に、内外を連通する第1横孔24及び第2横孔
25が形成され、さらに、外周部に縦溝23が形成され
ている。
【0018】従って、前記上部室Aと下部室Bとの間に
は、伸行程で流体が流通可能な流路として、貫通孔31
bを通り伸側減衰バルブ12の内側を開弁して下部室B
に至る伸側第1流路Dと、第2ポート13,縦溝23,
第4ポート14を経由して伸側減衰バルブ12の外周側
を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、第2ポー
ト13,縦溝23,第5ポート16を経由して伸側チェ
ックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側第3流路
Fと、第3ポート18,第2横孔25,中空部19を経
由して下部室Bに至るバイパス流路Gの4つの流路があ
る。また、圧行程で流体が流通可能な流路として、貫通
孔31aを通り圧側減衰バルブ20を開弁する圧側第1
流路Hと、中空部19,第1横孔24,第1ポート21
を経由し圧側チェックバルブ22を開弁して上部室Aに
至る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔25,第
3ポート18を経由して上部室Aに至るバイパス流路G
との3つの流路がある。
【0019】すなわち、ショックアブソーバSAは、調
整子40を回動させることにより、伸側・圧側のいずれ
とも図6に示すような特性で減衰特性を多段階に変更可
能に構成されている。つまり、図7に示すように、伸側
・圧側いずれもソフトとした状態(以後、ソフト領域S
Sという)から調整子40を反時計方向に回動させる
と、伸側のみ減衰特性を多段階に変更可能で圧側が低減
衰特性に固定の領域(以後、伸側ハード領域HSとい
う)となり、逆に、調整子40を時計方向に回動させる
と、圧側のみ減衰特性を多段階に変更可能で伸側が低減
衰特性に固定の領域(以後、圧側ハード領域SHとい
う)となる構造となっている。
【0020】ちなみに、図7において、調整子40を
,,のポジションに配置した時の、図5における
K−K断面,L−L断面及びM−M断面,N−N断面
を、それぞれ、図8,図9,図10に示し、また、各ポ
ジションの減衰力特性を図11,12,13に示してい
る。
【0021】次に、コントロールユニット4の制御作動
のうち、減衰特性制御の基礎となる制御信号Vを設定す
る制御作動について、図15のフローチャート及び図1
6のタイムチャートに基づき説明する。尚、この制御
は、各ショックアブソーバSAごとに別個に行う。
【0022】まず、図15のフローチャートにおいて、
ステップ101では、各上下Gセンサ1から得られる上
下加速度をフィルタ処理により各車輪位置のばね上上下
速度Vn を求めると共に、各ストロークセンサ2から得
られるばね上・ばね下間相対変位をフィルタ処理により
各車輪位置のばね上・ばね下間相対速度信号VSTを求め
る。尚、この各ばね上上下速度Vn 、及び、ばね上・ば
ね下間相対速度信号VSTは、方向判別符号として、上方
向の時には正の値で、下方向の時には負の値で与えられ
る。
【0023】ステップ102では、ばね上上下速度Vn
が所定の伸・圧両しきい値δVN〜δVN’の範囲内である
か否かを判定し、YESであればステップ103に進
み、NOであればステップ104に進む。
【0024】ステップ103では、制御信号Vを次式
(1) により求める。 V=G1 ・Vn ・・・・・・・・・・(1) 尚、G1 は、第1速度ゲインである。
【0025】ステップ104では、ばね上上下速度Vn
が伸側のしきい値δVNを越えているか否かを判定し、Y
ESであればステップ105に進み、NOの時は、ばね
上上下速度Vn が圧側のしきい値δVN’未満であるた
め、この場合はステップ109に進む。
【0026】ステップ105では、相対速度信号VST
0と伸側のしきい値VXRの範囲内であるか否かを判定
し、YESであればステップ106に進み、NOであれ
ばステップ107に進む。
【0027】ステップ106では、制御信号Vの演算で
用いられる相対速度信号VSTの値を、伸側のしきい値V
XRに設定した後、ステップ107に進む。
【0028】ステップ107では、ばね上上下速度Vn
と相対速度信号VSTの方向判別符号が一致している(V
n ・VST>0)か否かを判定し、YESであればステッ
プ108に進み、NOであればステップ103に進む。
【0029】ステップ108では、制御信号Vを次式
(2) により求める。 V=(G2 ・Vn /G3 ・VST)G4 +δV ・G1 ・・・・・・・・・・(2) 尚、G2 は、第2速度ゲイン、G3 は、相対速度ゲイ
ン、G4 は、制御ゲイン、δV は制御信号Vの嵩上げ値
である。
【0030】ステップ109では、相対速度信号VST
0と圧側のしきい値VXBの範囲内であるか否かを判定
し、YESであればステップ110に進み、NOであれ
ばステップ111に進む。
【0031】ステップ110では、制御信号Vの演算で
用いられる相対速度信号VSTの値を、圧側のしきい値V
XBに設定した後、ステップ111に進む。
【0032】ステップ111では、ばね上上下速度Vn
と相対速度信号VSTの方向判別符号が一致している(V
n ・VST>0)か否かを判定し、YESであればステッ
プ112に進み、NOであればステップ103に進む。
【0033】ステップ112では、制御信号Vを次式
(3) により求める。 V=−(G2 ・Vn /G3 ・VST)G4 −δV ’・G1 ・・・・・・・・・・(3) 以上で一回の制御フローを終了し、以後は後述する図1
7のフローチャートに進む。
【0034】次に、図16のタイムチャートに基づき、
制御信号Vを設定する制御作動について説明する。尚、
この図においては、上から順に、ばね上上下速度Vn ,
相対速度信号VST,制御信号Vをそれぞれ示している。
【0035】このタイムチャートにおいて、領域(イ)
は、ばね上上下速度Vn が所定の伸・圧両しきい値δV
〜δV ’の範囲内にある領域であり、また、領域(ロ)
は、ばね上上下速度Vn が所定の伸・圧両しきい値δV
〜δV ’の範囲を越えているが、相対速度信号VSTの方
向がばね上上下速度Vn の方向と不一致である領域であ
り、この両領域(イ) ,(ロ) では、制御信号Vが前記ステ
ップ103において制御信号Vn に比例した値に設定制
御される。従って、ばね上の挙動が小さい時には、車両
の乗り心地を重視した減衰特性制御が行なわれる。
【0036】また、領域(ハ) は、ばね上上下速度Vn が
所定の伸・圧両しきい値δV 〜δV’の範囲を越えてい
て、しかも、相対速度信号VSTの方向がばね上上下速度
Vnの方向と一致している領域であり、この領域(ハ) で
は、制御信号Vがステップ108または112において
ばね上上下速度Vn を相対速度信号VSTで除した値に比
例した値に設定制御される。従って、制御力を発生させ
て車両の振動抑制力(制振力)を適切にし、これによ
り、乗り心地及び操縦安定性を確保することができる。
【0037】次に、コントロールユニット4における減
衰特性の切換制御の内容を、図17のフローチャート及
び図18のタイムチャートに基づいて説明する。
【0038】まず、図17のフローチャートにおいて、
ステップ201では、制御信号Vが正の値であるか否か
を判定し、YESであればステップ202に進んでショ
ックアブソーバSAを伸側ハード領域HSに制御すべ
く、伸側の目標減衰ポジションPt を次式(4) により求
め、また、NOであればステップ203に進む。 Pt =α1 ×V ・・・・・・・・・・・・・・・・(4) 尚、α1 は伸側の比例定数である。
【0039】ステップ203は、制御信号Vが0である
か否かを判定するステップであり、YESであればステ
ップ204に進んでショックアブソーバSAをソフト領
域SSに制御し、NOであればステップ205に進む。
【0040】ステップ205は、便宜上表示しているス
テップであり、ステップ201及びステップ203でN
Oと判定された場合には、制御信号Vは負の値であり、
この場合はステップ206に進み、ショックアブソーバ
SAを圧側ハード領域SHに制御すべく、圧側の目標減
衰ポジションPc を次式(5) により求める。 Pc =α2 ×V ・・・・・・・・・・・・・・・・(5) 尚、α2 は圧側の比例定数である。
【0041】次に、図18のタイムチャートについて説
明する。尚、このタイムチャートは、ばね上上下速度V
n に基づく制御信号Vが、サインカーブを描いて変化す
る場合を示している。
【0042】図18のタイムチャートにおいて、領域a
は、制御信号Vが負の値(下向き)から正の値(上向
き)に逆転した状態であるが、この時はまだ相対速度信
号VSTは負の値(ショックアブソーバSAの行程は圧行
程側)となっている領域であるため、この時は、制御信
号Vの方向に基づいてショックアブソーバSAは伸側ハ
ード領域HSに制御されており、従って、この領域では
その時のショックアブソーバSAの行程である圧行程側
がソフト特性となる。
【0043】また、領域bは、制御信号Vが正の値(上
向き)のままで、相対速度信号VSTは負の値から正の値
(ショックアブソーバSAの行程は伸行程側)に切り換
わった領域であるため、この時は、制御信号Vの方向に
基づいてショックアブソーバSAは伸側ハード領域HS
に制御されており、かつ、ショックアブソーバの行程も
伸行程であり、従って、この領域ではその時のショック
アブソーバSAの行程である伸行程側が、制御信号Vの
値に比例したハード特性となる。
【0044】また、領域cは、制御信号Vが正の値(上
向き)から負の値(下向き)に逆転した状態であるが、
この時はまだ相対速度信号VSTは正の値(ショックアブ
ソーバSAの行程は伸行程側)となっている領域である
ため、この時は、制御信号Vの方向に基づいてショック
アブソーバSAは圧側ハード領域SHに制御されてお
り、従って、この領域ではその時のショックアブソーバ
SAの行程である伸行程側がソフト特性となる。
【0045】また、領域dは、制御信号Vが負の値(下
向き)のままで、相対速度信号VSTは正の値から負の値
(ショックアブソーバSAの行程は伸行程側)になる領
域であるため、この時は、制御信号Vの方向に基づいて
ショックアブソーバSAは圧側ハード領域SHに制御さ
れており、かつ、ショックアブソーバSAの行程も圧行
程であり、従って、この領域ではその時のショックアブ
ソーバSAの行程である圧行程側が、制御信号Vの値に
比例したハード特性となる。
【0046】以上のように、この実施例では、ばね上上
下速度Vn に基づく制御信号Vとばね上・ばね下間の相
対速度信号VSTとが同符号の時(領域b,領域d)は、
その時のショックアブソーバSAの行程側をハード特性
に制御し、異符号の時(領域a,領域c)は、その時の
ショックアブソーバSAの行程側をソフト特性に制御す
るという、スカイフック理論に基づいた減衰特性制御と
同一の制御が行なわれることになる。そして、さらに、
この実施例では、領域aから領域b,及び領域cから領
域dへ移行する時には、パルスモータ3を駆動させるこ
となしに減衰特性の切り換えが行なわれることになる。
【0047】以上説明したように、この実施例では、以
下に列挙する効果が得られる。
【0048】 あらゆる路面入力に対しても適切な制
御力を発生させることができて、車両の乗り心地と操縦
安定性とを確保することができるようになる。
【0049】 従来のスカイフック理論に基づいた減
衰特性制御に比べ、減衰特性の切り換え頻度が少なくな
るため、制御応答性を高めることができると共に、パル
スモータ3の耐久性を向上させることができる。
【0050】以上、実施例について説明してきたが具体
的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明
に含まれる。
【0051】例えば、実施例では、伸側が減衰特性可変
で圧側が低減衰特性に固定の伸側ハード領域と、圧側が
減衰特性可変で伸側が低減衰特性に固定の圧側ハード領
域と、伸側・圧側共に低減衰特性のソフト領域との3つ
の領域を有するショックアブソーバを用いたが、伸側及
び圧側の減衰特性が同時に変化する構造のショックアブ
ソーバを用いた制御にも適用することができる。
【0052】また、実施例では、少なくともばね下上下
速度成分を含む信号として、ばね上・ばね下間相対速度
信号を用いる場合を示したが、ばね下上下速度信号を用
いることもできる。
【0053】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の車両懸
架装置は、ばね上上下速度検出手段で検出されたばね上
上下速度が所定のしきい値未満である時は、ばね上上下
速度信号に基づく制御出力信号によりショックアブソー
バの減衰特性制御を行ない、ばね上上下速度検出手段で
検出されたばね上上下速度が所定のしきい値以上である
時は、ばね上上下速度検出手段で検出されたばね上上下
速度信号及びばね下上下速度検出手段で検出された少な
くともばね下上下速度成分を含む信号に基づく制御出力
信号によりショックアブソーバの減衰特性制御を行なう
減衰特性制御手段と、を備えた構成としたことで、あら
ゆる路面入力に対しても適切な制御力を発生させること
ができて、車両の乗り心地と操縦安定性とを確保するこ
とができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両懸架装置を示すクレーム概念図で
ある。
【図2】本発明実施例の車両懸架装置を示す構成説明図
である。
【図3】実施例の車両懸架装置を示すシステムブロック
図である。
【図4】実施例装置に適用したショックアブソーバを示
す断面図である。
【図5】前記ショックアブソーバの要部を示す拡大断面
図である。
【図6】前記ショックアブソーバのピストン速度に対応
した減衰力特性図である。
【図7】前記ショックアブソーバのパルスモータのステ
ップ位置に対応した減衰力特性図である。
【図8】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のK
−K断面図である。
【図9】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のL
−L断面及びM−M断面図である。
【図10】前記ショックアブソーバの要部を示す図5の
N−N断面図である。
【図11】前記ショックアブソーバの伸側ハード時の減
衰力特性図である。
【図12】前記ショックアブソーバの伸側・圧側ソフト
状態の減衰力特性図である。
【図13】前記ショックアブソーバの圧側ハード状態の
減衰力特性図である。
【図14】実施例装置における信号処理ブロック図であ
る。
【図15】実施例装置におけるコントロールユニットの
制御作動のうち減衰特性制御の基礎となる制御信号の設
定作動を示すフローチャートである。
【図16】実施例装置におけるコントロールユニットの
制御作動のうち減衰特性制御の基礎となる制御信号の設
定作動を示すタイムチャートである。
【図17】実施例装置におけるコントロールユニットの
制御作動のうち減衰特性の切換制御作動を示すフローチ
ャートである。
【図18】実施例装置におけるコントロールユニットの
制御作動のうち減衰特性の切換制御作動を示すタイムチ
ャートである。
【符号の説明】
a 減衰特性変更手段 b ショックアブソーバ c ばね上上下速度検出手段 d ばね下上下速度検出手段 e 減衰特性制御手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−178044(JP,A) 特開 平5−155222(JP,A) 特開 平4−334614(JP,A) 特開 昭62−20709(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 1/00 - 25/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側と各車輪側の間に介在され、減衰
    特性変更手段により減衰特性を変更可能なショックアブ
    ソーバと、 ばね上上下速度を検出するばね上上下速度検出手段と、 少なくともばね下上下速度成分を含む信号を検出するば
    ね下上下速度検出手段と、 ばね上上下速度検出手段で検出されたばね上上下速度が
    所定のしきい値未満である時は、ばね上上下速度信号に
    基づく制御出力信号によりショックアブソーバの減衰特
    性制御を行ない、ばね上上下速度検出手段で検出された
    ばね上上下速度が所定のしきい値以上である時は、ばね
    上上下速度検出手段で検出されたばね上上下速度信号及
    びばね下上下速度検出手段で検出された少なくともばね
    下上下速度成分を含む信号に基づく制御出力信号により
    ショックアブソーバの減衰特性制御を行なう減衰特性制
    御手段と、 を備えていることを特徴とする車両懸架装置。
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