JP2577619B2 - 合金鉄鋼帯の脱スケール方法及び装置 - Google Patents

合金鉄鋼帯の脱スケール方法及び装置

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JP2577619B2 JP63218388A JP21838888A JP2577619B2 JP 2577619 B2 JP2577619 B2 JP 2577619B2 JP 63218388 A JP63218388 A JP 63218388A JP 21838888 A JP21838888 A JP 21838888A JP 2577619 B2 JP2577619 B2 JP 2577619B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スケール除去に使用される薬液の管理及び
その廃液処理が簡単であり、スケール除去能力が大きく
てラインスピードを高速化しても追従可能であり、ライ
ンで発生する廃液やスラツジについて環境汚染などの公
害上の問題も無く、そして何よりも最終製品の表面にピ
ツト等を発生させず品質を良好にさせる少なくともニツ
ケル及び/又はクロムを含有する合金鉄鋼帯の脱スケー
ル方法及び装置に関するものである。
〔従来の技術〕
少なくともニツケル及び/又はクロムを含有する合金
鉄鋼帯の代表的なものと言えるJIS G 4306「熱間圧延ス
テンレス鋼帯」に規定される熱間圧延ステンレス鋼帯製
品は、一般に熱間圧延されたステンレス鋼帯を素材とし
てこれを焼鈍などを含む熱処理,酸洗又はこの酸洗に準
じる処理を施すために一連のライン化された焼鈍酸洗工
程を通板されて製造されている。そして、この焼鈍酸洗
工程を経て製造された熱間圧延ステンレス鋼帯を剪断し
てJIS G 4304「熱間圧延ステンレス鋼板」に規定される
熱間圧延ステンレス鋼板製品が製造されている。
また、JIS G 4307「冷間圧延ステンレス鋼帯」に規定
されるNo.2D,No.2B,No.3,No.4,BA等の各種表面仕上の冷
間圧延ステンレス鋼帯製品は、前記焼鈍酸洗工程を経て
製造された熱間圧延ステンレス鋼帯を素材とし、これを
それぞれライン化された冷間圧延工程,焼鈍酸洗工程を
必要に応じて繰り返し通板し、しかもこれらの工程間に
あつて素材表面の残存スケールや地疵を除去するために
必要に応じてライン化された中間研磨工程に通板され、
更に調質圧延工程,剪断や裁断処理等がなされる精整工
程を経て製造されている。そして、このようにして製造
された冷間圧延ステンレス鋼帯を剪断してJIS G 4305
「冷間圧延ステンレス鋼板」に規定される冷間圧延ステ
ンレス鋼板製品が製造されているのである。
以上に述べた如く、ステンレス鋼帯製品及び同鋼板製
品等の合金鉄の製品は、熱間圧延,この熱間圧延後の焼
鈍を含む熱処理及び冷間圧延により加工硬化された素材
の軟化焼鈍等が施されるので、程度の差こそあれその都
度その素材表面に主としてFeやCrなどの酸化物から成る
スケールが生成する。この素材表面に生成したスケール
を完全に除去して各工程を推進しないと良好な表面品質
の最終製品を得ることが出来ないので、その都度脱スケ
ール処理が施されるのである。
しかしながら、合金鉄鋼帯、特にステンレス鋼帯等の
素材表面に生成するスケールは、一般に緻密なために非
常に除去困難である。そこでこの合金鉄鋼帯の素材表面
に生成するスケールの脱スケールに関して、従来から種
々な脱スケール方法が実施されたり提案されたりしてい
る。
先ず、古くから最も基本的で且つ広く実施されてきた
処理方法は、硫酸,硝酸,塩酸,弗酸又はこれらを混合
した混酸薬液で処理して脱スケールを行い、均一で適度
の不動態化処理を施す酸洗処理であつた。しかしなが
ら、この酸洗処理のみによる処理方法では、合金鉄鋼帯
を高速処理して生産性を向上せしめ尚且つ完全な脱スケ
ール処理を行い、最終製品として表面品質の良好なもの
を得るという要求に対応し切れなくなり、この酸洗処理
の前に、機械的,化学的又はこれらを組合せた前処理が
併用されるようになつてきたのである。その機械的前処
理としては、酸洗処理に先立つてシヨツトブラストやス
ケールブレーカーなどによつてスケール層に亀裂を生じ
させて酸洗処理での脱スケールを容易にする処理方法で
あるが、これらの機械的前処理にあつては合金鉄鋼帯の
素地に圧痕を残したり加工硬化を起こさせたりする欠点
を有していた。
また、従来より行われているNa2SO4を電解質とする水
溶液中での電解や溶融苛性アルカリ処理等の化学的前処
理によつて一部の成分を変質させてスケールの組成や素
地との結合力を弱める方法も実施されているが、スケー
ル量の比較的少ない冷間圧延材にあつては効果がある
が、スケール量の多い熱間圧延材に対しては効果は少な
かつた。
一方、合金鉄鋼帯、特にステンレス鋼帯の生産性向上
のために圧延,焼鈍と共に、従来より表面品質を尚一層
良好なものにしつつ、脱スケールを高速化して高能率に
実施することが要求され、そのためスケール除去能力の
大きい脱スケール方法の開発が望まれるようになつてき
た。しかしながら、化学的前処理として中性塩であるNa
2SO4の水溶液中で陽極電解を行う場合に、この前処理方
法は冷間圧延材に対しては効果は大きいが、熱間圧延材
に対しては元来それ程大きな効果はなく、またCr+6イオ
ンを溶出させるのでその廃液処理が公害防止止甚だ厄介
であつた。従つてNa2SO4水溶液中での電解による前処理
では熱間圧延材に対しては高速化し難い上、熱間,冷間
いずれの圧延材に対しても高速化した場合はそれだけCr
+6イオン溶出量が増して電解液の老化を早めると共にそ
の処理が一層厄介となる欠点があつた。
また、化学的前処理の他の方法として溶融苛性アルカ
リ処理を行う場合は、溶融苛性アルカリが高粘性である
ことから高速化によつて液持出し量が大きくなり、ワイ
ピング装置によつても速度に追従して液持出し量の増加
を防止することが困難でコスト高となる欠点があつた。
そして上記の如く高速化することが困難である前処理を
弱体化してその弱体化分を強化するために酸濃度及び液
温を上げて酸洗を行う場合には酸洗液の老化が早まる結
果、酸濃度管理,追酸,廃液処理等にかかる労力,費用
が多大のものとなる欠点があつた。また酸洗の代わりに
NaCl等を電解質とする水溶液中で陽極電解を行つてもそ
れが脱スケールの主体となる程に強く行う場合はステン
レス鋼帯にピツトを発生させ易い欠点があつた。このよ
うに丁寧に低速で行つてこそ良い結果を得る脱スケール
とその高速化とは、上記の如く従来両立し難いものであ
つた。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで本発明は、上記従来技術の欠点がなくスケール
除去能力が大きく従つて高速化が可能でしかも廃液処理
の問題が少なく、また合金鉄鋼帯にピツトを発生させる
ことなく、更に表面を品質良好にさせる合金鉄鋼帯の脱
スケール方法及び装置を提供することを課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等はかかる課題を解決すべく鋭意検討の結
果、最終の処理としてはスケール直下の金属素地をも積
極的に除去して表面をきれいにする利点を有する硫弗酸
と硝弗酸とのいずれかによる酸洗処理を採用し、その前
処理として50〜200g/lのNaClを主成分としこれにNaC1
mol/l当りHNO3又はFeCl3を0.4〜1.0mol/l添加した水溶
液から成る電解液中で且つ所定範囲の液温と電流密度の
下で所定時間以上陽極電解処理することにより、この前
処理の段階でCr+6イオンの発生やピツトの発生がなく且
つ大部分のスケールが除去され、その結果最終処理であ
る酸洗処理の負担が軽減されて高速化が可能となると共
にスケール直下の金属素地まで除去されて表面品質の優
れた合金鉄鋼帯が得られることを究明して本発明を完成
したのである。
〔構成の説明〕
本発明において適用できる合金鉄鋼帯は、少なくとも
ニツケル及び/又はクロムを含有する合金鉄鋼帯であ
り、熱間圧延材,冷間圧延材のいずれの合金鉄鋼帯であ
つても良い。
前処理として用いる電解液としては、50〜200g/lのNa
Clを主成分としこれにNaC1mol/l当りHNO3又はFeCl3
0.4〜1.0mol/l添加した水溶液から成る電解液であり、
この電解液のNaClの濃度が50g/l未満であると電解液の
導電性が低下して電流効率が下がると共に第6図に示す
ように処理減量が少なくなるためであり、一方NaClの濃
度は高い程好ましいが最高を200g/lとした理由はNaClの
水への溶解度を考慮したためである。またHNO3又はFeCl
3を添加する理由は合金鉄鋼帯表面のピツト発生を抑制
するためであり、HNO3又はFeCl3の添加量としてはNaCl
の濃度1mol/l当り0.4〜1.0mol/lの範囲とする必要があ
る。すなわち、NaC1mol/l当り0.4mol/lより少ないと
ピツト発生の抑制効果が低下するようになり、NaC1mo
l/l当り1.0mol/lより多くしてもピツト発生の抑制効果
に変化なく不経済となるのである。また、電解液温度は
20℃〜80℃とする必要がある。すなわち、電解液温度は
高い方が脱スケール能力が大となり且つ供給電力が下が
ると共に、第9図に示すように導電率(単位:mS/cm=10
3/Ω・cm)が上がるため電解効率が向上する。しか
し、電解液温度が80℃を超えると水の蒸発量が急に増加
することから、電解液濃度が変化(高くなる)して脱ス
ケール能力や電解効率が低下し、また濃度管理も煩雑に
なる。一方、低い方の液温は常温(20℃)でも差し支え
ないが、あまり低いと脱スケール能力が低下するのであ
る。更にまた、電流密度は5A/dm2より小さいと脱スケー
ル効果が小さくなり、一方30A/dm2より大きいと電流密
度不均一による電解模様が発生し易くなることから、5
〜30A/dm2の範囲とする必要がある。また、電解処理時
間は後述する実施例からも明らかなように40秒以上が必
要で、これは40秒未満ではスケールが残ったり、後処理
である酸洗処理変質部を完全に除去できない場合が生じ
るからである。
次に本発明方法において前記前処理の後に行う酸洗処
理に使用する酸としては、スケール層直下の変質層まで
も除去するために硫弗酸と硝弗酸とのいずれかを使用す
るのであり、硝弗酸酸洗液ではHF濃度5〜50g/l,HNO3
度50〜100g/l適当であり、硫弗酸酸洗液ではHF濃度5〜
50g/l,H2SO4濃度150〜250g/lが適当であり、上記範囲中
でもHF濃度が高い方が好ましい。
一般に硝弗酸酸洗液か硫弗酸酸洗液かのいずれか一方
を使用する場合,及びいずれをも使用して2段の酸洗を
行う場合の後段で使用するものとしては、表面の仕上り
状態及び不働態化処理の観点から硝弗酸酸洗液を好まし
くは液温50〜70℃で使用するのが良い。このように前段
に硫弗酸を、後段に硝弗酸を使用する2段の酸洗をSUS
304,SUS 430等に適用する場合、硝弗酸による上記効果
の他に、先に使用する硫弗酸酸洗液の液温を70〜90℃と
して酸洗すれば硫弗酸による脱スケール及びエツチング
効果が加わつて大変良い結果が得られる。第1表は熱間
圧延ステンレス鋼帯(SUS 304,SUS 430)を硝弗酸,硫
酸,硫弗酸各単独使用の酸洗液で処理したときの減量を
調べた結果である。
第1表から硫弗酸酸洗液が前段の酸洗液として特に優
れていることが判る。冷間圧延材についても同様な結果
が得られる。H2SO4単独使用の酸洗液による前段酸洗処
理は、SUS 304の場合は減量が大きいがスマツトを生じ
させることがあるため行わない方が好ましく、SUS 430
の場合は実施しても良い。なお、第1表において、実験
用供試材は全てスケールブレーカーによる機械的前処理
を施したものである。
次に、本発明方法を実施するための装置を図面によつ
て詳細に説明する。
第1図は本発明方法を実施するための装置の1例の概
略図、第2図は第1図の電解液槽の拡大平面図、第3図
は本発明方法を実施するための装置の他の例の概略図、
第4図は第3図の電解液槽の拡大平面図、第5図は本発
明方法を実施するための装置の更に他の例の概略図であ
る。
図面中、第1図及び第2図において、1は焼鈍炉と冷
却装置(図示なし)によつて熱処理を受けた少なくとも
ニツケル及び/又はクロムを含有する合金鉄鋼帯、2は
NaCl水溶液を主成分としこれに所定量のHNO3又はFeCl3
を添加した水溶液から成る電解液、3は電解液2が建浴
されている電解液槽、4は電解液槽3内に設けられた陽
極板、5は同じく電解液槽3内に設けられた陰極板、6
は電解用直流電源、7は硝弗酸と硫弗酸とのいずれかか
ら成る酸洗液8が建浴されている酸洗槽、9は送板ロー
ル、10は浸漬ロール、11はブラツシユロール、12はブラ
ツシユロール11のバツクアツプロール、13は洗浄ノズル
である。また第3図及び第4図において、14は硫酸,硝
酸の如き導電性液15が建浴された導電性液槽、16は導電
性液槽14内に設けられた耐酸性を有する陽極板、17は一
枚の電極板から成る陰極板である。また18は電解用直流
電源6と切替え用スイツチ19を介して、電解液槽3内の
陰極板17と導電性液槽14内の陽極板16(第3図の場合)
又は電解液槽3内の陰極板5と後述する通電ロール21
(第5図の場合)に接続可能に配設されている電解用直
流電源6とは別の小容量の印加電圧用の直流電源であ
り、第4図において20はガス抜き用孔である。更に第5
図において、21は電解液槽3と酸洗槽7との間に設けら
れていて陽極となる通電ロールである。
以上のような構成より成る本発明に係る合金鉄鋼帯の
脱スケール装置は、基本的には次に詳述するように3つ
の装置がある。第1の装置は第1図及び第2図に、第2
の装置は第3図及び第4図に、第3の装置は第5図にそ
れぞれ示してある。
先ず第1の装置は、第1図及び第2図に示すように、
陽極板4と陰極板5とが共に電解液槽3内部に設けられ
ており、この電解液槽3の後に酸洗槽7,7が配設されて
いる装置であり、この装置における陽極板4としては白
金,ルテニウム酸化物,鉛酸化物のいずれか1種が適用
され、陰極板5としては白金や、陽極板4に比べてイオ
ン化傾向において卑な金属であるチタン,オーステナイ
ト系ステンレス鋼のいずれか1種が適用される。中でも
陽極板4は白金,陰極板5はチタンが特に好適である。
このような第1の装置において、焼鈍炉,冷却装置(図
示なし)によつて熱処理を受けた合金鉄鋼帯1は、先ず
送板ロール9を経てNaCl水溶液を主成分としこれに所定
量のHNO3又はFeCl3を添加した水溶液から成る電解液2
が建浴された電解液槽3へ送板され、前後の浸漬ロール
10,10にて電解液2中に浸漬された状態で通過され、こ
こでNaCl水溶液を主成分としこれに所定量のHNO3又はFe
Cl3を添加した水溶液から成る電解液による溶解作用及
び陽極電解作用を受けて合金鉄鋼帯1の表面のスケール
の大部分が電解液2中に溶解除去される。そして大部分
のスケールが溶解除去された合金鉄鋼帯1は、電解液槽
3の後に設けられている送板ロール9を経てブラツシユ
ロール11とバツクアツプロール12との間を通過し、この
際に陽極電解によつて金属素地との結合力が弱まつてい
るが未だ付着残存しているスケールの大半が除去され
る。次に、合金鉄鋼帯1は送板ロール9を経て、次の1
槽目の酸洗槽7内に送板され、前後の浸漬ロール10,10
によつて浸漬された状態で通過され、その間に僅かに残
存しているスケールの全部が溶解されると共にスケール
層の直下に存在する金属素地の金属素地まで溶解され
る。更に合金鉄鋼帯1は、2槽目の酸洗槽7を通過する
間に再度スケール層直下の金属素地が溶解されて仕上げ
される。しかる後に合金鉄鋼帯1は、送板ロール9を経
てブラツシユロール11とバツクアツプロール12との間を
通過せしめられ、合金鉄鋼帯1の表面に付着している金
属や結合力が弱い状態で残存している金属素地がきれい
に除去される。
第2の装置は、第3図及び第4図に示すように、陰極
板17とその前後に浸漬ロール10,10とが設けられている
電解液槽3の前に硫酸,硝酸の如き導電性液15が建浴さ
れた導電性液槽14が配設されており、且つこの導電性液
槽14内に耐酸性を有する陽極板16とその前後に浸漬ロー
ル10,10が設けられており、また電解液槽3の後に酸洗
槽7,7が配設されており、更に耐酸性を有する陽極板16
と陰極板17とに切替え用スイツチ19を介して電解用直流
電源6とこの電解用直流電源6とは別の小容量の印加電
圧用の直流電源18とのいずれかが接続可能に配設されて
いる装置である。以上のような第2の装置においては、
通常の状態では切替え用スイツチ19を介して陽極板16と
陰極板17とに電解用直流電源6が接続されているので、
合金鉄鋼帯1は送板ロール9及び前後の浸漬ロール10,1
0によつて導電性液15が建浴された導電性液槽14内の陽
極板16の間を非接触状態で送板される。この際、合金鉄
鋼帯1は陽極板16の作用を受けて陰極に帯電し、この時
に陽極板16からは酸素ガスが発生する。一方、陰極に帯
電した合金鉄鋼帯1からは水素ガスが発生する。そし
て、この水素ガスの作用で一部の結合力の弱いスケール
が除去されるようになる。その結果、次のNaCl水溶液を
主成分としこれに所定量のHNO3又はFeCl3を添加した水
溶液から成る電解液2での陽極電解処理の効果がより大
きくなるのである。
なお、電解液槽3に設けられる陰極板17は、第4図に
示すように一枚の連続した電極電解面積の大きい電極板
を用いると、脱スケール効果が更に向上するようになり
且つ一つの電解液槽3内に陽極と陰極とが混在しないこ
とから電極間での迷走電流がなく、電解電流効率が向上
するようになる。また、それぞれの素材として陽極板16
は白金,陰極板17はチタンが前述した理由と同様に塩素
ガスの発生量が少なく寿命も延長するためより好適であ
るが、比較的安価なステンレス鋼も使用でき、その場合
はコスト面で有利である。
更に、例えば電解用直流電源6の故障や定期修理など
の理由で電解用直流電源6からの給電を停止しなければ
ならない必要性が生じた場合には、陽極板16と陰極板17
との間には陽極板16と陰極板17とを構成する金属の電位
差に基づいて陰極板17→電解液2→合金鉄鋼帯1→導電
性液15→陽極板16という経路で即ち電解用直流電源6よ
り給電している状態とは逆方向に微弱ではあるが電流が
流れて陽極板16が陰極にまた陰極板17が陽極になるた
め、陽極板16がルテニウム酸化物や鉛酸化物の如き酸化
物である場合にはその酸化物が還元溶解されて陽極の寸
法が変化することになり、また陰極板17が陽極電解によ
り溶解されることになる。しかしながら、陽極板16と陰
極板17とに切替え用スイツチ19を介して電解用直流電源
6とこの電解用直流電源6とは別の小容量の印加電圧用
の直流電源18とのいずれかが接続可能に配設されている
と、電解用直流電源6からの給電を停止しなければなら
ない必要性が生じた場合に切替え用スイツチ19を介して
電解用直流電源6とは別の小容量の印加電圧用の直流電
源18を陽極板16と陰極板17とに接続して陽極板16から陰
極板17へ微弱電流を流して陽極板16が陰極となり且つ陰
極板17が陽極となることを防止できるので、陽極板16を
構成する酸化物が還元溶解されて陽極の寸法が変化した
り陰極板17が陽極電解により溶解されたりすることを防
止できると共に、このような微弱電流でも導電性液槽14
内においても或る程度の脱スケールが起るため次の電解
液槽3での脱スケール作用の助長につながるのである。
第3の装置は、第5図に示すように、NaCl水溶液を主
成分としこれに所定量のHNO3又はFeCl3を添加した水溶
液から成る電解液2が建浴されており且つ陰極板5が設
けられている電解液槽3と酸洗槽7,7との間に陽極とな
る通電ロール21が設けられており、この通電ロール21と
陰極板5とに電解用直流電源6が接続されている装置で
ある。尚、この第3の装置においても第2の装置のよう
に陰極板5と通電ロール21とに切替え用スイツチ19を介
して電解用直流電源6とこの電解用直流電源6とは別の
小容量の印加電圧用の直流電源18とのいずれかが接続可
能に配設されていることが、例えば電解用直流電源6の
故障や定期修理などの理由で電解用直流電源6からの給
電を停止しなければならない必要性が生じた場合に、陰
極板5と通電ロール21との間にはをそれぞれ構成する金
属の電位差に基づいて、即ち陰極板5→電解液2→合金
鉄鋼帯1→通電ロール21という経路で即ち電解用直流電
源6より給電している状態とは逆方向に微弱ではあるが
電流が流れて陰極板17が陽極になるため、陰極板17が陽
極電解により溶解されることになる。しかしながら、陰
極板5と通電ロール21とに切替え用スイツチ19を介して
電解用直流電源6とこの電解用直流電源6とは別の小容
量の印加電圧用の直流電源18とのいずれかが接続可能に
配設されていると、電解用直流電源6からの給電を停止
しなければならない必要性が生じた場合に切替え用スイ
ツチ19を介して電解用直流電源6とは別の小容量の印加
電圧用の直流電源18を陰極板5と通電ロール21とに接続
して通電ロール21から陰極板5へ微弱電流を流して陰極
板5が陽極となることを防止できるので、陰極板5が陽
極電解により溶解されたりすることを防止できるのであ
る。以上のような第3の装置においては、通常の状態で
は切替え用スイツチ19を介して通電ロール21と陰極板5
とに電解用直流電源6が接続された状態で、合金鉄鋼帯
1は送板ロール9,浸漬ロール10,10を介して電解液槽3
に送板され、陰極板5の間を非接触状態で送板される。
この時、通電ロール21が陽極となり、これに合金鉄鋼帯
1が接触することによつて合金鉄鋼帯1自体が直接陽極
となる。また電解液槽3中の陰極板5との間に電解用直
流電源6より供電される。そして、この装置において
は、通電ロール21は電解液槽3の後に配設されているこ
とが重要である。すなわち、スケールの導電性が低いた
めに、スケールを有したままの合金鉄鋼帯1に直接通電
するとスパークが発生し易くなる。従つて、NaCl水溶液
を主成分としこれに所定量のHNO3又はFeCl3を添加した
水溶液から成る電解液2中での電解処理によつて、スケ
ールのほとんどを除去した後に直接通電することが重要
となつてくるのである。また、通電ロール21はブライド
ル方式であつて且つロール表面は粗い方がより確実な供
電が可能となる。
以上のように、通電ロール21を用いて直接通電するこ
とは、電解効率が大きく、又脱スケール効果も優れてい
るため最も好ましい装置である。そして、このような好
ましい通電ロール21の採用を可能にしたのは、NaCl水溶
液を主成分としこれに所定量のHNO3又はFeCl3を添加し
た水溶液から成る電解液を用いて電解処理することによ
つて、前処理段階でスケールのほとんどを除去可能にな
つたことによるのである。
〔作用〕
上述のように本発明方法は最終処理である酸洗処理の
前処理において、50〜200g/lのNaCl水溶液を主成分とし
これにHNO3又はFeCl3をNaClの濃度の0.4〜1.0mol/l添加
した水溶液から成る電解液中で合金鉄鋼帯1を陽極電解
処理することによつて、合金鉄鋼帯1のスケールの大部
分を除去すると共にピツトの発生を抑制し、引き続く硫
弗酸と硝弗酸とのいずれかの酸洗液による酸洗処理にお
いて残存スケールの除去とスケール直下の金属素地を積
極的に除去するものである。
上述の前処理における脱スケールの反応式を合金鉄鋼
帯1の鉄分を代表として示すと次の通りとなる。なお、
NaCl単独とNaClにHNO3又はFeCl3を添加した場合との反
応の差異を明確にするためにNaCl単独の反応式も示し
た。
〈NaCl単独〉 Fe+2NaCl+2H2O→Fe(OH)2↓+2NaCl+H2↑(陰極) 〈NaCl+HNO3〉 Fe+2NaCl+2HNO3+2H2O →Fe(NO3)2+2NaCl+2H2O+H2↑(陰極) 〈NaCl+FeCl3〉 Fe+2NaCl+2FeCl3+2H2O →3FeCl2+2NaCl+2H2↑(陰極)+O2↑(陽極) 以上の反応式よりNaCl単独の場合はスケールの主成分
である鉄は水酸化物となりスラツジ化するが、HNO3又は
FeCl3を添加することにより鉄はイオン化して溶解す
る。また、NaClはいずれの場合にあつても中性塩独特の
自己再生作用を示し、消耗されない。このHNO3,FeCl3
のピツト抑制作用についての詳細は不明であるが、第2
表に示す如くH2SO4,HCl,H3PO4の如き還元性の酸では効
果がないこと、更にH2O2の如き酸化剤でも効果がないこ
と、逆にHNO3,FeCl3の如き酸化作用を有する酸で効果
があることから推定すると、狭い範囲での電気化学的作
用と考えられる。
以上のように本発明においては、処理においてNaCl水
溶液によつて大部分のスケールが除去されると共にHNO3
又はFeCl3の添加によつてピツトの発生が抑制されて次
の酸洗処理では僅かな残存スケールを仕上げ用として除
去するだけで良くなり、従来の種々な脱スケール方法と
違つて酸洗処理における脱スケール負荷が大幅に軽減さ
れて合金鉄鋼帯1の金属素地のエツチング作用が強ま
り、表面品質の優れた製品となるのである。
また、電解液がNaCl水溶液を主成分としこれにNaC1
mol/l当りHNO3又はFeCl3を0.4〜1.0mol/l添加して成る
電解液であるために、Cr+6イオンの発生が無いため電解
液槽3より排出される廃液中のCr+6イオンの処理が不要
となると共にその水溶液中で陽極電解処理すると合金鉄
鋼帯1の金属素地のエツチング作用(脱スケール能力)
が大きいため、ラインスピードが高速化されても追従可
能となるのである。更に酸洗処理時には、酸洗液中のス
ケールの堆積が少なくなるため、酸洗液の寿命も延長さ
れて長時間の高いエツチング作用が維持されると同時
に、酸洗液管理や廃液処理の簡素化が可能となるのであ
る。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明
する。
焼鈍工程を経て走行してくる熱間圧延ステンレス鋼帯
(板厚3.8mmのSUS 304,板厚3.6mmのSUS 430)と板厚4.0
mmの42%Ni合金を一旦コイルに巻き取り、第1図に示す
工程によるり種々な送板速度で、つまり電解時間及び酸
洗時間を種々に変えて脱スケールを行つた(実験例1〜
3,比較例1〜3)。電解液としては、Na2SO4,NaClとHNO
3の水溶液を使用し、電解条件は既存の電解設備最大能
力で行つた。これらの電解液条件及び電解条件を第3表
に示す。引き続く2段の酸洗処理に使用した酸液として
は前段の酸液にはH2SO4濃度が228g/lでHF濃度が10g/lの
硫弗酸酸洗液を液温75℃で使用し、後段の酸液にはHNO3
濃度が70g/lでHF濃度が40g/lの硝弗酸酸洗液を液温60℃
で使用した。この実験に使用した電解槽2,酸洗槽7及び
8における鉄合金帯の浸漬長はいずれも同じであるから
前段,後段の各酸洗処理時間は電解時間と同じであり、
それ以外の酸洗処理の条件は各実験に共通であるから第
3表に示すことは省略した。
上記脱スケールの実験において、陽極電解(処理
1),前段の酸洗(処理2),後段の酸洗(処理3)の
各処理後の減量(mg/dm2)を測定すると共にそれらを合
計し、各処理段階での脱スケール能力及び工程全体の脱
スケール能力を表わした。この減量の測定方法は、各処
理工程前後において、約10cm角のサンプルを採取し、高
精度天秤にてその重量を計測し単位面積当たりの重量差
を以つて減量とした。また、工程終了時に目視によりス
ケール残存の有無を観察した。変質層残存の有無につい
ては前記減量調査時に採取したサンプルを使用して、電
子顕微鏡(倍率2000倍)にて観察した。更にピツト発生
の有無確認も同じく電子顕微鏡にて観察した。なお、電
解液中でのCr+6イオンの発生有無の確認はビーカーテス
トで確認済みのため本実験では行わなかつた。
また、冷間圧延材に対しても同様な実験を行つた(実
験例4〜6,比較例4〜6)。実験材は板厚1.0mmのSUS 3
04,板厚1.0mmのSUS 430,板厚1.0mmの42%Ni合金を使用
した。但し、冷間圧延材にあつては脱スケールは熱間圧
延材に比較すれば容易であることから前記前段の酸洗は
省略し、後段の酸洗は肌荒れを防ぐため熱間圧延材の場
合よりその条件を緩和し、HNO3濃度が70g/l,HF濃度が5g
/lの硝弗酸酸洗液を液温60℃で使用した。また、42%Ni
合金の冷間圧延材は通常焼鈍酸洗ラインを通板せずに光
輝焼鈍ラインを通板することから酸洗処理は行わず、本
発明の前処理効果の確認のみに留めた。
この第3表より、比較例として示したルツナー法(Na
2SO4を電解質とする水溶液中での電解処理法)に比べて
本発明方法に基づく前処理がその能力面からも優れてい
ることが判る(実験例中におけるスケール残及び変質部
が共に無のものが本発明方法に該当する)。なお、冷間
圧延材にあつては、表面変質部残存の確認を行つていな
いのは、冷間圧延材にあつては、変質部の存在か熱間圧
延材の如く明瞭でないためである。
〔発明の効果〕 以上詳述した如き本発明に係る合金鉄鋼帯の脱スケー
ル方法及び装置は、以下に列挙するような種々の利点を
有しており、その工業的価値は非常に大きなものがあ
る。
1.前処理によつて大部分のスケールが短時間で除去され
ることから、酸洗槽における脱スケール負荷が軽減され
ることになり、酸洗液の寿命も延び脱スケール能力が安
定した。従つて、酸洗液の濃度管理及び追酸に要する労
力,費用も軽減されると同時に脱スケールの高速化が可
能となつた。
2.熱間圧延材,冷間圧延材のいずれであつても同じライ
ンを兼用して充分な脱スケール能力が得られるようにな
つたことから、生産能力の向上が図られた。
3.前処理として、50〜200g/lのNaCl水溶液を主成分と
し、これに一定量のHNO3又はFeCl3を添加した電解液を
使用した陽極電解を採用したことで、電解槽より排出さ
れる廃液中のCr+6イオンの処理費用が軽減され、また合
金鉄鋼帯の表面にピツトの発生がなくその表面品質が向
上した。
4.前処理が充分な脱スケール能力を有ししかも溶融塩の
如く粘性が高くないために、液持出しが少ないことから
コスト的にも優れている。
5.前処理にて大部分のスケール除去が可能となつたこと
から、酸洗処理においては残存するスケールの除去が確
実に実施されると同時に、スケール直下の金属素地をも
溶解することになるので、脱スケールが不充分であるこ
とに起因する合金鉄鋼帯の表面欠陥である肌荒れや光沢
むらが減少できて、最終製品の表面品質が大幅に向上す
る。
6.本発明方法を実施するときの設備面に関しては、電解
槽及び酸洗槽のいずれも従来のものをそのまま使用する
ことができるから、殆んど設備改造を要せず、しかも脱
スケール能力の向上が図れた。
7.本発明装置に関しては、陰極板が設けられている電解
液槽の前に陽極板が設けられている導電性液槽を配設し
た構成とした場合には、導電性液槽において合金鉄鋼帯
に予備的な脱スケール作用を生じせしめるため、次の電
解液槽における脱スケールをより増大せしめる効果を奏
するようになつた。
8.電解液槽の後に陽極と成る通電ロールを設けて合金鉄
鋼帯に直接給電する構成とした場合には、電解効率及び
脱スケールをより向上せしめることが可能となつた。
9.切替え用スイツチを介してメインの電解用直流電源と
この電解用直流電源とは別の小容量の印加電圧用の直流
電源とのいずれかが接続可能に配設されている構成とし
た場合には、メインの電解用直流電源から給電できない
場合でも電極が保護されるようになつて電極の寿命が延
長されるようになつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を実施するための装置の1例の工程
図、第2図は第1図の電解液槽の拡大平面図、第3図は
本発明方法を実施するための装置の他の例の工程図、第
4図は第3図の電解液槽の拡大平面図、第5図は本発明
方法を実施するための装置の更に他の例の工程図、第6
図〜第8図は各要因における脱スケール能力を合金鉄鋼
帯の減量で表したグラフであり、第6図はNaCl濃度,第
7図はHNO3濃度,第8図は電解電流密度と合金鉄鋼帯の
減量との関係をそれぞれ示すグラフである。また第9図
は本発明における電解液の濃度と導電率との関係を液温
別に示したグラフ、第10図〜第12図は本発明によらない
電解液の濃度と導電率との関係を液温別に示したグラフ
であり、第10図はNa2SO4濃度,第11図はNaCl濃度,第12
図はHNO3濃度における導電率をそれぞれ示すグラフであ
る。 図面中 1……合金鉄鋼帯 2……電解液 3……電解液槽 4……陽極板 5……陰極板 6……電解用直流電源 7……酸洗液 8……酸洗槽 9……送板ロール 10……浸漬ロール 11……ブラツシユロール 12……バツクアツプロール 13……洗浄ノズル 14……導電性液 15……導電性液槽 16……耐酸性を有する陽極板 17……耐酸性を有する陰極板 18……印加電圧用の直流電源 19……切替え用スイツチ 20……ガス抜き用孔 21……通電ロール
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−60900(JP,A) 特開 昭63−161194(JP,A) 特開 昭49−67836(JP,A) 特開 昭63−216999(JP,A) 特開 平2−54787(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともニツケル及び/又はクロムを含
    有する合金鉄鋼帯を50〜200g/lのNaClを主成分としこれ
    にNaC1mol/l当りHNO3又はFeCl3を0.4〜1.0mol/l添加
    した水溶液から成る電解液中で液温を20〜80℃、電流密
    度を5〜30A/dm2の条件下で合金鉄鋼帯を陽極として40
    秒以上電解処理を行い、しかる後に硫弗酸と硝弗酸との
    いずれかにより酸洗処理してスケール直下の金属素地ま
    で除去することを特徴とする合金鉄鋼帯の脱スケール方
    法。
  2. 【請求項2】硫弗酸としてH2SO4の濃度が150〜250g/lで
    HF濃度が5〜50g/lのものを液温70〜90℃で使用する請
    求項1に記載の合金鉄鋼帯の脱スケール方法。
  3. 【請求項3】硝弗酸としてHNO3の濃度が50〜100g/lでHF
    濃度が5〜50g/lのものを液温50〜70℃で使用する請求
    項1に記載の合金鉄鋼帯の脱スケール方法。
  4. 【請求項4】白金,ルテニウム酸化物,鉛酸化物のいず
    れか1種から成る陽極板と白金,チタン,オーステナイ
    ト系ステンレス鋼のいずれか1種から成る陰極板とが共
    に50〜200g/lのNaClを主成分としこれにNaC1mol/l当
    りHNO3又はFeCl3を0.4〜1.0mol/l添加した水溶液から成
    る電解液が建浴されている電解液槽内部に設けられてお
    り、該電解液槽の後に硫弗酸と硝弗酸とのいずれかが建
    浴されている酸洗処理槽が配設されていること特徴とす
    る合金鉄鋼帯の脱スケール装置。
  5. 【請求項5】50〜200g/lのNaClを主成分としこれにNaC
    1mol/l当りHNO3又はFeCl3を0.4〜1.0mol/l添加した水
    溶液から成る電解液が建浴されており陰極板が設けられ
    ている電解液槽の前に導電性液が建浴されており陽極板
    が設けられている導電性液槽が配設されており、また電
    解液槽の後に硫弗酸と硝弗酸とのいずれかが建浴されて
    いる酸洗処理槽が配設されており、前記陰極板と陽極板
    とに電解用直流電源が接続されていることを特徴とする
    合金鉄鋼帯の脱スケール装置。
  6. 【請求項6】電解液槽内の陰極板と導電性液槽内の陽極
    板とに、切替え用スイツチを介して電解用直流電源と該
    電解用直流電源とは別の小容量の印加電圧用の直流電源
    とのいずれかが接続可能に配設されている請求項5に記
    載の合金鉄鋼帯の脱スケール装置。
  7. 【請求項7】50〜200g/lのNaClを主成分としこれにNaC
    1mol/l当りHNO3又はFeCl3を0.4〜1.0mol/l添加した水
    溶液から成る電解液が建浴されており陰極板が配設され
    た電解液槽と硫弗酸と硝弗酸とのいずれかが建浴されて
    いる酸洗処理槽との間に陽極となる通電ロールが設けら
    れており、該通電ロールと前記陰極板とに電解用直流電
    源が接続されていることを特徴とする合金鉄鋼帯の脱ス
    ケール装置。
  8. 【請求項8】通電ロールと陰極板とに、切替え用スイツ
    チを介して電解用直流電源と該電解用直流電源とは別の
    小容量の印加電圧用の直流電源とのいずれかが接続可能
    に配設されている請求項7に記載の合金鉄鋼帯の脱スケ
    ール装置。
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