JP2574679C - - Google Patents

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JP2574679C
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pentaerythritol
reaction
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hydroxypivalaldehyde
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はヒドロキシピバルアルデヒドとペンタエリスリトールとをアセタール
化反応させて粒径が改善されたβ,β,β′,β′−テトラメチル−2,4,8
,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−ジエタノール(以
下、スピログリコールという)を製造する方法に関する。 スピログリコールはウレタン、エステル、チオール、エーテル化合物などの低
分子化合物の合成中間体として、又はポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテ
ルポリオール、エポキシ樹脂などの高分子化合物の中間体として、更に合成潤滑
油、架橋剤、反応性希釈剤、可塑剤、接着剤、改質剤、及び光硬化性、耐薬品性
、 耐熱性、耐摩耗性、耐候性、耐衝撃性樹脂等の原料として有用である。 (従来技術並びに本発明が解決しようとする問題点) 従来スピログリコールはヒドロキシピバルアルデヒドとペンタエリスリトール
とを酸触媒の存在下水溶液中にて一度に混合してアセタール化反応させてなる製
造方法が取られている(米国特許第3,092,640、特開昭59−1487
76)。しかしこの方法では得られるスピログリコールが1〜100ミクロンの
非常に細かな粉末となり粉立ちしやすいため作業上取扱い難い。又、スピログリ
コールは非常に静電気を帯び易いためかかる粒径では粉塵爆発の起こる危険性が
高い等、種々の問題がある。更にスピログリコールの粒径について記載されてい
る既知文献は無い。 従って粒径の大きなスピログリコールを製造する方法の開発が望まれている。 (問題点を解決するための手段) 本発明者等は上記問題点を解決するためにペンタエリスリトールとヒドロキシ
ピバルアルデヒドとのアセタール化反応によるスピログリコールの製法について
種々検討を行った結果、意外にも、ペンタエリスリトール及びヒドロキシピバル
アルデヒドの内の何れか一方に他方を添加しながらアセタール化反応を行えば粒
径の大きなスピログリコールが得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。 即ち本発明は、酸触媒の存在下にペンタエリスリトールとヒドロキシピバルア
ルデヒドとを反応させてスピログリコールを製造するに当たり、ペンタエリスリ
トール及びヒドロキシピバルアルデヒドの内の何れか一方を他方の成分へ添加し
ながら反応させることを特徴とするスピログリコールの製造方法である。 ヒドロキシピバルアルデヒドとペンタエリスリトールとからスピログリコール
を製造する反応は所謂アセタール化反応であり、触媒としては酸触媒が使用され
る。酸触媒には特に制限はないが、一般的には硫酸、燐酸、塩酸、硝酸等の鉱酸
、又はp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸が有用である。酸
触媒の添加量は酸触媒の種類によりそれぞれ異なるが、例えば鉱酸を用いた場合
にはペンタエリスリトールの仕込量に対して5〜40重量%、好ましくは10〜
20重量%である。又、複数の酸触媒を組み合わせて使用しても良い。 反応温度は50〜75℃の範囲が好ましく、更に好ましくは60〜70℃であ
る。50℃以下では反応速度が遅く工業的ではなく、又スピログリコールの収率
、純度共に極端に低下する。75℃以上では副反応生成物の生成量が増加し好ま
しくない。 ペンタエリスリトール及びヒドロキシピバルアルデヒドの内の何れか一方を他
方に添加する方法としては、通常(1)予め反応温度(50〜70℃)と同程度
の温度にしておいたペンタエリスリトールの水溶液中にヒドロキシピバルアルデ
ヒド溶液と酸触媒とを連続的又は断続的に併注する方法、(2)予め反応温度と
同程度の温度にしておいたペンタエリスリトールと酸触媒とを混合した酸性水溶
液中にヒドロキシピバルアルデヒド溶液を連続的又は断続的に添加する方法、(
3)予め反応温度と同程度の温度にしておいたヒドロキシピバルアルデヒド溶液
中にペンタエリスリトール水溶液と酸触媒とを連続的又は断続的に併注する方法
、(4)予め反応温度と同程度の温度にしておいたヒドロキシピバルアルデヒド
溶液中にペンタエリスリトールと酸触媒とを混合した酸性水溶液を連続的又は断
続的に添加する方法の何れかの方法で行なえば良い。 ペンタエリスリトールの仕込み量はヒドロキシピバルアルデヒド1モルに対し
て0.7〜1.0モルが良く、好ましくは0.85〜0.95モルが良い。この
範囲を外れる時は副反応生成物の生成量が増加し好ましくない。 原料及び酸触媒の添加時間は0.5〜5時間が良く、この範囲内であれば特に
添加時間に制限は無い。 反応時間は添加時間も含めて5〜10時間行えば良い。反応時間は添加時間、
使用する酸触媒の種類、反応温度等を考慮して適宜収率及び純度の最も良い時間
を設定すれば良い。 反応圧力には特に制限は無いが、工業的には常圧下で行うのが実際的である。 (発明の効果) 本発明の方法によれば従来方法と比較して粒径の大きなスピログリコールを得
ることが出来、粉立ちがなくなり作業上取扱い易く、静電気による粉塵爆発等の
危険性が激減し、又、簡単な濾過と乾燥のみで製品とすることが出来る。 本発明の方法によれば簡単な方法で粒径が大きいスピログリコールを高収率で 製造することが出来るので、本発明方法は工業的に極めて有用なものである。 以下の実施例において%及び部は特にことわらない限りそれぞれ重量%及び重
量部を意味する。 実施例 1 トリエチルアミンを触媒にしてイソブチルアルデヒドとホルムアルデヒドとを
反応させて得られたアルドール反応生成液(ヒドロキシピバルアルデヒドを58
%含む)306.3部を70℃の温水で保温した均圧二重管式滴下漏斗に入れた
。予めペンタエリスリトール115.6部を水1,000部に加えて、70℃に
加温して均一にしたペンタエリスリトール水溶液にアルドール反応生成液306
.3部と98%硫酸22部をそれぞれ約5時間かけて併注し、反応温度70℃で
併注時間も含めて8時間反応を行った。反応終了後、48%カセイソーダ水溶液
を使用し、反応液のpHが7.5になるまで中和を行った。中和後、反応液を濾
過した後、残った濾過ケーキを80℃の熱水で2回シャワーリング洗浄を行った
。濾過ケーキを取り出し、乾燥後220部のスピログリコールを得た。これは8
5モル%(ペンタエリスリトール基準)の収率に相当する。得られたスピログリ
コールの粒径は0.1〜1.5ミリの大きさであった。 実施例 2 実施例1と同様の方法で得たアルドール反応生成液306.3部と40%p−
トルエンスルホン酸95部をそれぞれ約1時間かけて、予め60℃に保温してお
いた均一なペンタエリスリトール水溶液中に併注し、反応温度60℃で併注時間
も含めて6時間反応を行った。反応後の後処理も実施例1と同様の操作で行った
。乾燥後215部のスピログリコールを得た。これは83モル%(ペンタエリス
リトール基準)の収率に相当する。得られたスピログリコールの粒径は実施例1
と同じく0.1〜1.5ミリであった。 実施例 3 実施例1と同様の方法で得たアルドール反応生成液306.3部を反応器に入
れ予め60℃に保温しておいた。そこへペンタエリスリトール115.6部を水
600部に溶かして均一にした60℃のペンタエリスリトール水溶液と98%硫
酸22部とを約5時間かけて併注し、反応温度60℃で併注時間も含めて10時 間反応を行なった。反応後の後処理も実施例1と同様の操作で行なった。乾燥後
228部のスピログリコールを得た。これは88モル%(ペンタエリスリトール
基準)の収率に相当する。得られたスピログリコールの粒径は0.1〜1.5ミ
リであった。 実施例 4 実施例1と同様の方法で得たアルドール反応生成液306.3部を反応器に入
れ予め60℃に保温しておいた。そこへ水1000部にペンタエリスリトール1
15.6部と98%硫酸22部を混合、溶解した60℃の酸性水溶液を約3時間
かけて添加し、反応温度60℃で滴下時間も含めて6時間反応を行なった。反応
後の後処理も実施例1と同様の操作で行なった。乾燥後220部のスピログリコ
ールを得た。これは85モル%(ペンタエリスリトール基準)の収率に相当する
。得られたスピログリコールの粒径は1.0〜1.5ミリであった。 実施例 5 ペンタエリスリトール115.6部と98%硫酸22部を水500部に溶かし
て均一にした酸性水溶液を予め70℃に保温しておいた。そこへ純度98%のヒ
ドロキシピバルアルデヒド188部を水600部に溶かして均一にした65℃の
ヒドロキシピバルアルデヒド水溶液を約1時間かけて添加し、反応温度70℃で
添加時間も含めて6時間反応を行なった。反応後の後処理は、実施例1と同様の
操作で行なった。乾燥後238部のスピログリコールを得た。これは92モル%
(ペンタエリスリトール基準)の収率に相当する。得られたスピログリコールの
粒径は実施例1と同じく0.1〜1.5ミリであった。 比較例1 実施例1と同様の方法で得たアルドール反応生成液306.3部とペンタエリ
スリトール115.6部を水1000部に溶解した水溶液とを混合し70℃に加
温、攪拌して均一な溶液とした。そこへ98%硫酸22部を一度に加えて70℃
で6時間反応を行なった。反応後の後処理も実施例1と同様の操作で行なった。
乾燥後213部のスピログリコールを得た。これは83モル%(ペンタエリスリ
トール基準)の収率に相当する。得られたスピログリコールの粒径は50ミクロ
ン以下であった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.酸触媒の存在下にペンタエリスリトールとヒドロキシピバルアルデヒドとを
    反応させてβ,β,β′,β′−テトラメチル−2,4,8,10−テトラオキ
    サスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−ジエタノールを製造するに当たり、ペ
    ンタエリスリトール及びヒドロキシピバルアルデヒドの内の何れか一方を他方へ
    添加しながら50〜75℃で反応させることを特徴とするβ,β,β′,β′−
    テトラメチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−
    3,9−ジエタノールの製法。 2.ヒドロキシピバルアルデヒド溶液と酸触媒とをペンタエリスリトール水溶液
    中に併注することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製法。 3.ヒドロキシピバルアルデヒド溶液をペンタエリスリトール酸性水溶液中に添
    加することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製法。 4.ペンタエリスリトール水溶液と酸触媒とをヒドロキシピバルアルデヒド溶液
    中に併注することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製法。 5.ペンタエリスリトール酸性水溶液をヒドロキシピバルアルデヒド溶液中に添
    加することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製法。

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