JP2573340B2 - 汎用ガソリンエンジンの渦巻バネ式始動装置 - Google Patents

汎用ガソリンエンジンの渦巻バネ式始動装置

Info

Publication number
JP2573340B2
JP2573340B2 JP63294600A JP29460088A JP2573340B2 JP 2573340 B2 JP2573340 B2 JP 2573340B2 JP 63294600 A JP63294600 A JP 63294600A JP 29460088 A JP29460088 A JP 29460088A JP 2573340 B2 JP2573340 B2 JP 2573340B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
energy storage
spiral spring
motor
spring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63294600A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02146260A (ja
Inventor
立二 森島
勝敏 浅井
龍太郎 福元
完次 磯道
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP63294600A priority Critical patent/JP2573340B2/ja
Publication of JPH02146260A publication Critical patent/JPH02146260A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2573340B2 publication Critical patent/JP2573340B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、セルスタータなどの自動始動装置に替るエ
ンジンの渦巻バネ式始動装置に関する。
〔従来の技術〕
小形エンジンのリール式始動装置に替る省人力型始動
装置として、本出願人は渦巻バネをエネルギー蓄力器と
した始動装置を、特願昭63−10860号として出願した。
また、渦巻バネの回転駆動軸に着脱可能に係合する手動
クランクを有する始動装置を実願昭63−87945号として
出願した。
(1)特願昭63−10860号発明の概要を第15図を参照し
て説明する。
第15図に於て、始動装置を構成する部品は、フレーム
A26とフレームB27にまとめられ、フレームA26によりエ
ンジン1に取り付けられる。
フレームB27には、蓄力バネ11の駆動源であるDCモー
タ25、減速用歯車23,21および高減速比の遊星歯車減速
機16、軸18、玉軸受20が組み付けられており、前記遊星
歯車減速機16の構成部品の出力軸16−5に固定されたバ
ネ蓄力箱10を駆動する。
バネ蓄力箱10は、フレームA26と玉軸受9を介して軸1
2および軸12のバネ蓄力箱10側にあって、その回転中心
部に設けた玉軸受13および前記遊星歯車減速機16の支持
系を介して軸支される。
軸12のエンジン側には、軸12と回り止めキー8によっ
て固定された始動ラチエツトホイール5およびスタータ
ラチエツトホイール4が組み付けられ、始動ラチエツト
ホイール5は始動ラチエツト6によって回転を阻止され
る。スタータラチエツトホイール4は、その凸出部35に
より、発電機用回転磁極組立3に設けたスタータ爪3−
4と係合する。
バネ蓄力箱10の回転制御は、ラチエツト組立14の部品
であるラチエツト爪14−1と、バネ蓄力箱10の外周部に
設けた歯部36との係合により行なわれる。
始動ラチエツトホイール5と始動ラチエツト6の係合
状態は、始動ラチエツトホイール5の外周に設けた凹部
37とこれと始動ラチエツト6がかみ合っており、ラチエ
ツト6の係合を解除するとラチエツトホイール5は回転
自在となる。
板状蓄力バネ11の両端は、バネ蓄力箱10の周壁と軸12
に設けた溝により固定される。
今、始動ラチエツトホイール5の回転を始動ラチエツ
ト6によりロツクし、バネ蓄力箱10を時計方向に回転す
れば、板バネ11は軸12に巻き付いて蓄力される。
また蓄力した状態で蓄力箱10のX方向回転力がなくな
った時は、ラチエツト機構により、板バネ11による巻き
戻し力による蓄力箱10の反時計方向の回転は阻止され
る。
この蓄力状態から始動ラチエツト6を押して、始動ラ
チエツトホイール5のロツクを解除すれば、軸12は板バ
ネ11が巻き込まれた方向に回転し、スタータラチエツト
ホイール4の凸出部35とかみ合う発電用回転磁極組立3
のスタータ爪3−4によって、クランク軸2が板バネ11
の巻き込み方向(時計方向)に回転されエンジン1は始
動する。
この時蓄力箱10の板バネ11の弾力駆動力をDCモータ25
により減速歯車23,21および遊星歯車16によって与えれ
ば、エンジン始動のための動力を得ることができる。エ
ンジン1が始動した後は、スタータ爪3−4は遠心力に
よってスタータラチエツトホイール4との接触が解除さ
れる。
(2)実願昭63−87945号考案の概要を第16図について
説明する。
第16図に於て、渦巻バネ式始動装置の全体構成は、第
15図と同じである。
通常のエンジン運転中は、手動クランク102がさし込
んでなく、軸付き歯車101は、空回りする。
しかし、始動に失敗し、渦巻バネ11の再巻込みを行う
時は、減速ギヤとなる軸付き歯車101に手動クランク102
をさし込み、バネ蓄力箱10を回転させ、渦巻バネ11に蓄
力する。
始動時は、始動ラチエツト6の操作により、渦巻バネ
11に蓄力したエネルギーでスタータ軸12を回転させて、
エンジン1をクランキングして始動に至らしめる。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記渦巻バネ式始動装置に於ては、始動に失敗した場
合には蓄力バネに蓄力する動力源として、外部電源又は
人力を要し省人力型始動装置としては必らずしも十分で
はなく、 (1)複数個の始動が行なえること、 (2)再始動迄の待ち時間が極力少ないこと、 (3)始動のための付属装置が電源部の重量を含めて極
めて軽量であること、 等の改善の余地が残されていた。
また従来方式では、ラチエツトレバーでラツチ歯車を
解放して、渦巻バネに蓄力されたエネルギーをエンジン
に放出すると、渦巻バネは無力の状態になり、再びエン
ジンを始動させるためには、モータに通電又は手動で渦
巻バネを巻込む必要があり、エンジン始動時に時間と労
力を要する等の不都合があった。
〔課題を解決するための手段〕
(1)エンジン運転中、エンジンに取付けた発電機を利
用して蓄電池に蓄電する。
特に、ガソリンエンジンなどの火花点火機関は、点火
プラグへ電力を供給する点火電源用発電機を常設してい
るので、この点火電源用発電機を利用して蓄電池に蓄電
する。
(2)蓄電池の電力でDCモータを駆動し、渦巻バネに蓄
力する構成とし蓄電池の電力がある間は連続して渦巻バ
ネに蓄力でき、エンジンのクランキングを可能とする。
(3)蓄電池によりDCモータを駆動し、減速比1/15程度
の減速機を介してエンジンを始動のためクランキングす
るだけでは、従来のセルスタータ方式となり、モータの
電流容量が大きいため、モータの重量バツテリーの重量
も重く可搬性に乏しい。
従って、モータ出力軸から渦巻バネに捩りを与えるバ
ネ蓄力室駆動までの減速比を1/250〜1/300程度の高減速
比とする。
又は、上記(3)の高減速比を極小のスペースで点現
するため、不思議歯車装置 を用いる。
(4)バネ蓄力室を高減速比で駆動することにより、蓄
力のための所要時間はモータのトルク容量によって決ま
る時間を要するが、蓄力バネを瞬時解放させることによ
り高性能の始動性を確保できるから、モータ、バツテリ
ーの小形化により、装置の小形化、軽量化を計る。上記
不思議歯車装置を用いれば、極端な高減速比を最小のス
ペースで実現できる。
(5)渦巻バネの自動巻き上げ制御装置を設け、ラチエ
ツトレバーの接点が渦巻バネの放力時には接地するよう
に構成し、制御回路を作動させ、ラチエツトレバーを元
に戻す時の信号により渦巻バネ巻き上げ用モータを作動
させ、タイマ又はゼンマイの巻き上がりを検知してモー
タへの通電を停止させるようにして、渦巻バネの放力と
同時に渦巻バネ巻き上げ機構が作動するようにする。
〔作用〕
(1)転位歯車を用いることにより、軸同距離同一で歯
数の異なる三つの歯車をかみ合わせることができ、これ
により減速比1/200程度の大減速比を有する減速機が小
スペースで得られる。
(2)減速比を1/250〜1/300とすることにより、モータ
容量、蓄電池容量、がセルスタータ方式に対し、それぞ
れ1/10,1/6以下と小型になり、蓄電池を装備しても実用
性を失わない。
(3)点火電源用発電機によりエンジン運転中は充電さ
れるので、複数回始動のためのエネルギー源を確保でき
ると同時に、点火回路に発生する無黙エネルギーを吸収
することができる。
(4)始動操作と蓄力バネ駆動モータを連動して制御す
るので、一回の始動操作で自動的に蓄力バネの蓄力動作
を自動で行ない、再始動時の待ち時間を少なくする。
〔実施例〕
第1図乃至第10図において、1はエンジン本体、2は
クランクシヤフト、3はマグネツトホイール(又は回転
磁極)組立、4はスタータラチエツトホイール、5は始
動ラチエツトホイール、6は始動ラチエツト、7は軸、
9は玉軸受、10はバネ蓄力室、10−1はバネ蓄力室10の
ラチエツト歯、10−2はバネ蓄力室10の外歯車、11は蓄
力バネ、12はスタータ軸、13は軸受(すべり又は玉)、
20は軸受(すべり又は玉)、14−1はラチエツト爪、14
−3は軸、14−4はバネ、14−5は軸、14−6は軸、25
はDCモータ、26はフレームA、27はフレームB、28はス
ペーサ、29は発電機コイル、30は発電機、40は高減速比
減速機、40−1は太陽歯車、40−2は遊星歯車、40−3
は可動内歯歯車、40−4は固定内歯歯車、40−5は遊星
歯車固定フレームA、40−6は遊星歯車固定フレーム
B、40−7は遊星歯車軸、40−8は固定ピン、40−9は
可動内歯歯車の内歯車、40−10は可動内歯歯車の外歯、
40−11は固定内歯歯車の内歯、50はスパークプラグ、60
は点火制御装置、70はエンジン停止スイツチ、80はスイ
ツチ、90は蓄電池、100はモータ制御装置、120は充電回
路、130はスイツチ回路、140は制御回路、121,123はダ
イオード、122,136はコンデンサ、131,133,127はトラン
ジスタ、134,135,137は抵抗である。
第1図〜第7図は構造上の主要部の説明図であり、第
8図は制御回路図および第9図〜第10図は動作説明図で
ある。
以下に上記の各図面に基づき本発明の内容を説明す
る。但し従来と同一の機能を果す要素には同一の番号を
付し、原則として説明を省略する。
装置を構成する要素部品はフレームA26、フレームB27
に納められフレームA26と一体的な凸起又はスペーサ28
を介して、エンジン1に取り付けられる。
フレームB27の内部には、減速機40、バネ蓄力室10、
軸12、蓄力バネ11等の蓄力のための主要部が設けられ、
潤滑の為に供給されるグリース等が外部に飛散しない構
成となっている。
フレームA26内には、蓄力バネ11に蓄積した歪みエネ
ルギー(又は機械的エネルギー)をクランク軸2へ伝え
る主要部と、エンジン1の点火用電源である発電機30
と、点火制御装置60と、蓄力室10駆動用モータ25と、モ
ータ25の制御装置100と、蓄電池124を収納する構成とな
っている。
減速機40は、要部断面を第4図(b)に示すように、
モータ25の出力軸に固定される太陽歯車40−1と、円周
上に3分等配置された3個の遊星歯車40−2と、遊星歯
車40−2と内接してかみ合い、歯数差が3である可動内
歯歯車40−3(歯数Z3),固定内歯歯車40−4(歯数
Z4)と、3個の遊星歯車の相対位置を固定するための、
遊星歯車固定フレームA40−5、遊星歯車固定フレームB
40−6、遊星歯車軸40−7、固定ピン40−8より成り、
遊星歯車40−2は遊星歯車軸40−7の回りに回転可能で
あり、固定内歯歯車40−4はフレームB27等の支持枠に
固定されていて回転しない。
今太陽歯車40−1の歯数をZ1、遊星歯車40−2の歯数
をZ2、太陽歯車40−1の回転速度をω、可動内歯歯車40
−3の回転速度をΩ、 減速比=mとすると、 Z4=Z3+3 …(2)′ の関係が得られる。
m≒200としてZ2,Z3,Z4歯車を転位歯車として設計
すれば歯数の異なるZ3,Z4に対して、歯数Z2の歯車をか
み合せることができる。これは不思議歯車と称される高
減速比減速機である。
次に高減速比減速機を第5図のモデルについて説明す
る。
第5図(b)は第4図のモデルであり、第5図(a)
は第5図(b)の一般的な場合を示す。歯車cとeを同
一歯数の歯車にしてそれぞれ歯数の異なる歯車d,fにか
み合わせるようにした特殊な場合が第5図(b)であ
る。
まず第5図(a)の一般的な場合について、歯車bを
回転させた時歯車dの回転角を求める。
まず歯車fが自由に回転し得る場合について考える。
とすると、それぞれの歯車の回転角は表1となる。−符
号は逆転を意味する。
これより、各歯車の回転角をθとし、それぞれサフイク
スを付して示すと次のようになる。
θb=xtd …(3) ここで歯車fを固定すると、 (1)(2)(7)を(3)(5)へ代入して ここで全歯車のモジユールを等しくMとし、 歯車の歯数Zととして、次の様に決める。
歯車b…Z1 歯車c…Z2 歯車d…Z3 歯車e…Z2′ 歯車f…Z4 この時 2rb=MZ1 2rc=MZ2 2rd=MZ3 2re=MZ2′ 2rf=MZ4 となるから そして第5図(b)の如く、Z2=Z2′とすれば を得る。
但しZ3≠Z4としているので、各歯車は転位歯車としなけ
れば一般にはかみ合わない。
更にキヤリヤaの数または遊星歯車cあるいはeの数
をNとすると、Z1,Z3,Z4はNで割切れる必要がある。
そして減速比 1に近い時大きくなるから、N=3とすると Z4=Z3+3 …(11) Z3=3*K,Kは自然数…(12) Z3は3の倍数の意味を
満足する時最大の減速比が得られる。
この時(10)(11)より の関係が得られるから、Z1を仮定すれば(13)を近似的
満足するZ1,Z3が求まる。
但しZ1=3*L,Lは自然数…(14) Z1は3の倍数の意
味 この時Z2は次の関係を満足するように選ぶ Z1,Z2,Z3,Z4が決まれば 各歯車に与える転位係数は転位歯車の理論に従って決め
れば良く、装置の大きさはモジユールMを強度面を考慮
してできるだけ小さくすることにより小形化できる。
以上の手順によってm≒200程度の大減速比を有する
減速機が超小形にて得られる。
このような高減速比減速機を使用する場合に必要とな
るエンジン始動用動力を従来のセルスタータと比較する
と、例えば排気量24ccの単気筒エンジンを例にとると、
下記の表2の如くなる。
即ち、装置全体が大巾に小型化される。
次に装置全体の構成を説明する。
フレームA26には蓄力バネ駆動用モータ25が取り付け
られており、その出力軸は高減速比減速機40の太陽歯車
40−1の中心に固定されており、高減速比減速機40の固
定内歯歯車40−4はフレームB27に固定されている。
エンジン1のクランク軸2の軸線上には軸12が設けら
れ、一端はフレームA26の側壁に設けられた軸受9で支
持され、他端は、バネ蓄力室10の側面に設けた軸受13お
よび軸受20を介して、バネ蓄力室10を支持する。
スタータラチエツトホイール4の爪35はエンジン1の
クランク軸2の端部に設けられたマグネツトホイール組
立3の端面に設けられた爪3−4と一方向回転可能に係
合する。
そして始動ラチエツトホイール5の外周には第2図に
示す如く、多数の凸起部が設けられ、始動ラチエツト6
によって任意の位置で回転停止できるように係合してい
る。
始動ラチエツト6はフレームA26に固定された軸7に
よって回転可能に支持されかつ、スプリング6−1によ
って常時ラチエツトホイール5の外縁に当接する力を受
け、外力によってラチエツトレバー6を強制的に操作さ
せた時以外はラチエツトホイール5が回転するのを防止
する。
ラチエツトレバー6が外力により変位して、ラチエツ
トホイール5の回り止めを解除する状態になったこと
は、接点80aを有するスイツチ80によって検出する。
バネ蓄力室10は軸受13によって、軸12に対して可動で
あり軸受20によってフレームB27に対して回転可能であ
る。一方蓄力バネ室10の外周には歯車10−2が設けられ
ており、高減速比減速機40の可動内歯歯車40−3の外周
に設けられた外歯40−10とかみ合って減速歯車系を構成
している。
バネ蓄力室10の内部には軸12を取り巻く状態で蓄力バ
ネ11が設けられ、蓄力バネ11の両端は、第7図に示すよ
うに夫々固定されている。
また蓄力バネ室10には内歯又は外歯のラチエツト歯10
−1が設けられており、フレームB27に設けられたラチ
エツト爪14−1によって一方向回転可能な回り止め機構
となっている。
軸12のフレームA26側には始動ラチエツトホイール5
が固定されており、始動ラチエツトホイール5には第6
図に示す如く、爪35を有するスタータラチエツトホイー
ル4が一体的に設けられている。
モータ25の回転トルクは高減速比減速機40を介して、
バネ蓄力室10を回転させる。
一方軸12はラチエツト6およびラチエツトホイール5
により回転阻止されているので、蓄力バネ11は軸12に巻
き込まれる。所定の巻き込みが行なわれると、モータ25
の回転は停止するが、巻き込み状態(蓄力状態)の保持
はラチエツトホイール10−1およびラチエツト爪14−1
で行なわれる。
この状態から始動ラチエツト6に力を加えて、ラチエ
ツトホイール5の回転を自由にすると、渦巻バネ11に蓄
えられたエネルギーは瞬時に軸12を回転させ、スタータ
ラチエツトホイール4は、マグネツトホイール3を介し
てクランク軸2を回転させエンジン1を始動する。
エンジンが始動するとマグネツトホイール3の爪3−
4はスタータラチエツト4の爪35との係合がはずれ、軸
12の駆動系とは切り離される。
以上が機械的な基本動作である。
第8図にモータ25の電源および制御回路を示す。30は
マグネツトホイール(又は回転磁極)組立3とコイル29
より成る永久磁石回転型発電機であり、60は点火制御装
置、50はスパークプラグ、70はエンジン停止スイツチ、
80は始動ラチエツト6の動作検出のためのスイッチで80
aはその接点,90は蓄電池、100はモータ25駆動のための
制御装置である。29−1は発電機30の固定子コイル29の
一次コイル、29−2は同じく二次コイルであり一次およ
び二次コイルは単巻き変圧器を構成し、共通線はエンジ
ン本体にアースされている。
発電機30および火点制御装置60およびスパークプラグ
50とスイツチ70より構成される部分は従来技術であり説
明を省略する。
モータ制御装置100について説明する。
制御装置100は充電回路120、スイツチ回路130、制御
回路140で構成され、スイツチ80の接点80aを入力信号と
し、モータ25を駆動する。
充電回路120はエンジン1に直結して作動する発電機3
0の電力により充電作用をする。整流用ダイオード121、
平滑コンデンサ122、逆流防止ダイオード123、蓄電池90
で構成される。
スイツチ回路130は、初期状態ではトランジスタ131が
OFFとなっているので制御回路140へは通電されずモータ
25は停止している。
次にラチエツトレバー6を押すと渦巻バネ11が放力
し、エンジン1を始動させると同時に、ラチエツトレバ
ー6はスイツチ80を押し、その接点80aは接地される。
接点80aは逆流防止ダイオード139を介してPNP型トラン
ジスタ131のベースに接続されているので、トランジス
タ131のベース電圧は下り,トランジスタ131はONし,制
御回路140へ通電される。これによりNPN型トランジスタ
133のベースには、抵抗134,135によってON電圧以上に分
圧された電圧が印加され、トランジスタ133がONとな
り、抵抗132を介してトランジスタ131のベース電圧を低
くして、トランジスタ131のON状態を保持するので、ラ
チエツトレバー6を、元に戻して接点80aが開放状態に
なっても、制御回路140は通電状態となる。
制御回路140は、蓄力バネ11巻き上げ用のモータ25の
通電時期を制御するもので、タイマ方式とモータ電流検
知方式の2通りがあり、どちらでも良い。
モータ25への通電開始は、制御回路140へ通電開始一
定時間後、即ちエンジン始動所要時間T1時間経過後、タ
イマT2をONするか、又はラチエツトレバー6の接点の戻
り信号、すなわちスイツチ80の接点80aを開くと,ダイ
オード138を介してLであった信号(イ)がプルアップ
抵抗144を介してHになる立上り信号を利用する。即ち
制御回路140がONすると同時に作動するタイマT1によりT
1時間経過後,又は接点80aの開信号即ち信号(イ)のL
→H信号により,タイマT2を作動させT2時間経過後,ト
ランジスタ127をONし,モータ25に通電する。蓄力バネ1
1の巻き上り時間T2を制御回路140内部のタイマ回路で設
定し、巻き上り時間になるとトランジスタ127をOFFする
と同時に停止信号(ロ)をHからLにする。停止信号
(ロ)はカツプリングコンデンサ136を介してトランジ
スタ133のベースに伝わり、トランジスタ133のベース電
位を下げ、トランジスタ133はOFFとなる。トランジスタ
133がOFFになるとトランジスタ131のベース電位は上
り、OFFとなり、制御回路140は停電状態となる。従って
トランジスタ127もOFFになり、モータ25への通電は、停
止される。
第8図に示したコンデンサ141は、ノイズ防止用であ
り,省略することもできる。
巻き上り検知方式の場合は、モータのスタートは上記
タイマ方式と同様にしてトランジスタ127をONし,モー
タ25へ通電してゼンマイ11を巻き上げ、ゼンマイ11が巻
き上る時期には、モータ電流が増加することを利用して
モータ電流検出手段により停止信号(ロ)を出力し、以
下タイマ方式と同様にしてモータ25を停止させる。
モータ25が動作中であることはモータ25と並列に表示
灯またはブザーを設けて適宜使用者に知らせることがで
きる。
以上述べた制御動作の主要部の動作タイミングを第9
図に示す。
図中始動時のクランク軸回転速度の立上り特性を点線
で示すセルスタータ方式と比較すると、セルスタータの
場合モータ容量低減のためクランキングに必要な最低の
回転速度に対して余裕度が少なく、バネ式の瞬発力効果
があって小形化できる方向が判る。
エンジン運転中に一次コイルに発生する電圧は第10図
に示す通りであり、図示の如く歪んだ波形となる。この
時バツテリー電圧Eを発生電圧の(+)側の電位よりや
ゝ低めに設定すれば、点火に使用しない斜線部のエネル
ギーE1をバツテリー90の充電に利用することができる。
尚万一の場合を考えてバネ蓄力室10のボス部に外部に
通ずる角穴を設けておけば、手動による蓄力も可能であ
る。
次に自動巻き上げ制御装置を第11図乃至第14図につい
て説明する。
自動巻き上げ制御装置210は、充電回路220、スイツチ
回路230、制御回路240により第12図のように構成され、
始動ラチエツト6の接点80aを入力信号とし、モータ25
を駆動する。
充電回路220はエンジン1に直結して作動する発電機2
9から充電する、整流用ダイオード221、平滑コンデンサ
222、逆流防止ダイオード223、蓄電池224で構成され
る。この充電回路220は乾電池又は外部電源、例えば自
動車のバツテリでも代用できる。
スイツチ回路230は、初期状態ではトランジスタ231が
OFFとなっているので制御回路240へは通電されずモータ
25は停止している。
次に始動ラチエツト6を押すと渦巻バネ11が放力し、
エンジン1を始動させると同時に、始動ラチエツト6の
接点80aは逆流防止ダイオード239を介して接地される。
接点80aはPNP型トランジスタ231のベースに接続されて
いるので、トランジスタ231はONし、制御回路240へ通電
される。これによりNPN型トランジスタ233のベース電圧
は抵抗234,235によってON電圧以上に分圧された電圧が
印加され、トランジスタ233がONとなり、抵抗232を介し
てトランジスタ231のベース電圧を低くして、トランジ
スタ231のON状態を保持するので、始動ラチエツト6を
元に戻して接点80aが開放状態になっても、制御回路240
は通電状態となる。
制御回路240は、渦巻バネ巻き上げ用のモータ25の通
電を制御するもので、第13図のタイマ方式と、第14図の
渦巻バネ巻き上り検知方式の2通りがある。モータ25へ
の通電開始は、制御回路240への通電と同時でもよい
が、本実施例では、最も効率のよい始動ラチエツト6の
接点の戻り信号、すなわち接点80aが閉→開になる信号
(イ)の立上り信号を利用した。
タイマ方式の場合は、上記信号によりトランジスタ22
7をONし、モータ25に通電する。渦巻バネ11の巻き上り
時間をタイマ241で設定し、巻き上り時間になるとトラ
ンジスタ227をOFFすると同時に、停止信号(ロ)をHか
らLにする。停止信号はカツプリングコンデンサ236を
介してトランジスタ233のベースに伝わり、トランジス
タ233のベース電位を下げ、トランジスタ233はOFFとな
る。トランジスタ233がOFFになるとトランジスタ231の
ベース電位は上り、OFFとなり、制御回路240は停電状態
となる。従ってトランジスタ227もOFFになり、モータ25
への通電は停止される。
巻き上り検知方式の場合は、接点80aの閉→開信号で
トランジスタ227をONし、制御回路242及びモータ25へ通
電して渦巻バネ11を巻き上げ、渦巻バネ11が巻き上ると
巻き上り検知装置243の(ハ)からの電流入力に基づき
停止信号(ロ)をH→Lにし、以下タイマ方式と同様に
して、モータ25を停止させる。
このようにして、渦巻バネ11が自動的に巻き上げら
れ、常にスタータ始動の状態になり、渦巻バネ巻上げの
手間が不必要になる。
〔発明の効果〕
本発明は、磁極回転型の発電機と火点時期制御回路を
有する汎用ガソリンエンジンにおいて、点火時期制御回
路と並列に設けた充填回路と、充填回路から供給される
電力を蓄える蓄電池と、蓄電池の電力により駆動される
直流電動機と、直流電動機の運転停止を制御する制御装
置と、前記直流電動機の動力を伝達する高減速比減速機
構と前記減速機構による回転力を受けて機械的エネルギ
ーを蓄える渦巻バネ式蓄力装置と、前記渦巻バネに蓄え
たエネルギーをクランク軸に伝える一方向型の動力伝達
要素とを具えたことにより、次の効果を生ずる。
(1)エンジン運転中、従来利用していなかった点火電
源用発電機の+側電力を充電エネルギーに利用する蓄電
池を有するため、渦巻バネへの蓄力が複数回可能とな
る。
従って、冬季などの始動性が低下する時でも、人力を
使用せずに、渦巻バネの復元力を利用したエンジンのク
ランキングを複数回行なうことにより、始動不能の心配
がない。
(2)減速機に不思議歯車を利用することにより、全減
速比を1/250〜1/300程度の高減速比とすることが容易で
ある。
従って、蓄力に供するモータの容量を1/10程度(50W
→5W)、バツテリ容量を(1200mAH→180mAH)と1/6以下
にすることが出来、極軽量化が行なえる。
(3)エンジン始動動作後直ちに、蓄力バネの自動巻き
込みを行う様モータ制御を行うので、仮に始動に失敗し
た場合でも待ち時間が少なくてすみ、次回の始動にはラ
チェットレバーを引くだけでよい。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の実施例の要部断面図、第2図は第1図
のA〜A断面図、第3図は第1図のB〜B断面図、第4
図(a),(b)は高減速比減速機の要部断面図を示
し、(a)は正面図、(b)は側面図である。第5図
(a),(b)は高減速比減速機のモデル図、第6図は
第1図のC〜C断面図、第7図は第1図のD〜D断面
図、第8図は電源および制御回路、第9図は動作タイミ
ング図、第10図は発電機の一次コイルに発生する電圧波
形、第11図はモータ式渦巻バネスタータの構成図、第12
図は本発明による制御装置の構成図、第13図はタイマ方
式の制御装置のモータ制御部の構成図、第14図は巻き上
り検知装置付のモータ制御部の構成図、第15図は従来装
置の要部断面図、第16図は他の従来装置の要部断面図で
ある。 1……エンジン本体 4……スタータラチエツトホイール 5……始動ラチエツトホイール 6……始動ラチエツト、10……バネ蓄力室 11……蓄力バネ、12……スタータ軸 25……DCモータ、26……フレームA 27……フレームB、30……発電機 40……高減速比減速機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯道 完次 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番 地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内 (56)参考文献 実開 昭63−110672(JP,U) 実開 昭56−65172(JP,U) 実開 昭54−93627(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蓄電池と、該蓄電池の電力により駆動され
    る直流電動機と、該直流電動機の運転停止を制御する制
    御装置と、前記直流電動機の動力を伝達する高減速比減
    速機構と、該高減速比減速機構で駆動される渦巻バネ式
    蓄力装置と、蓄力装置の力をクランク軸に一方的に伝え
    る動力伝達装置とから成る渦巻バネ式始動装置におい
    て、前記クランク軸に平行な他の軸線上に、1段目の遊
    星歯車式減速装置とこれを駆動する直流電動機を設ける
    と共に、前記遊星歯車式減速装置の出力軸に設けた駆動
    歯車と、前記蓄力装置のバネ蓄力室の外周に一体的に設
    けた被動歯車とで2段目の減速装置を構成して、前記蓄
    電池を動力源泉とする直流電動機で、前記渦巻バネ式蓄
    力装置を駆動可能としたことを特徴とする汎用ガソリン
    エンジンの渦巻バネ式始動装置。
  2. 【請求項2】前記遊星歯車式減速装置は、太陽歯車と同
    時に噛合う2つの内歯車の一方を固定して、他方の内歯
    車に外周に駆動可能な歯車を設けたことを特徴とする請
    求項1記載の汎用ガソリンエンジンの渦巻バネ式始動装
    置。
  3. 【請求項3】前記渦巻バネ式蓄力装置は機関本体のクラ
    ンク軸駆動側に設けたケースとクランク軸と同軸上に設
    けられ、一方をケースに軸受けを介して支持された駆動
    軸と、ケースを外側から囲いクランク軸の軸線位置に軸
    受を具備するケースと、該ケースの軸受けでバネ蓄力室
    の側板に設けた軸部を介してバネ蓄力室を支持すると共
    に、該バネ蓄力室の側板に設けた穴部の軸受けで駆動軸
    の他方を回転支持し、バネ蓄力室の側板外方に歯車を設
    けて前記遊星歯車式減速装置で駆動可能にしたことを特
    徴とする請求項2記載の汎用ガソリンエンジンの渦巻バ
    ネ式始動装置。
JP63294600A 1988-11-24 1988-11-24 汎用ガソリンエンジンの渦巻バネ式始動装置 Expired - Fee Related JP2573340B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63294600A JP2573340B2 (ja) 1988-11-24 1988-11-24 汎用ガソリンエンジンの渦巻バネ式始動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63294600A JP2573340B2 (ja) 1988-11-24 1988-11-24 汎用ガソリンエンジンの渦巻バネ式始動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02146260A JPH02146260A (ja) 1990-06-05
JP2573340B2 true JP2573340B2 (ja) 1997-01-22

Family

ID=17809858

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63294600A Expired - Fee Related JP2573340B2 (ja) 1988-11-24 1988-11-24 汎用ガソリンエンジンの渦巻バネ式始動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2573340B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006077758A (ja) * 2004-08-09 2006-03-23 Komatsu Zenoah Co エンジン始動装置
WO2006085473A1 (ja) 2005-02-08 2006-08-17 Zenoah Co., Ltd. エンジン始動装置とエンジンとの間の動力伝達機構
US7525287B2 (en) 2004-10-08 2009-04-28 Husqvarna Zenoah Co., Ltd. Battery pack for driving electric motor of compact engine starting device, engine starting device driven by the battery pack, and manual working machine having the engine starting device
US7594490B2 (en) 2004-08-09 2009-09-29 Zendah Co., Ltd. Engine starter

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007088608A1 (ja) * 2006-02-01 2007-08-09 Husqvarna Zenoah Co., Ltd. 小型電動モーター付きの手作業機用エンジン始動装置と同始動装置を搭載した手作業機
CN102465810B (zh) * 2010-11-10 2013-09-04 李景刚 磁力起动机

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63110672U (ja) * 1987-01-12 1988-07-15

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006077758A (ja) * 2004-08-09 2006-03-23 Komatsu Zenoah Co エンジン始動装置
US7594490B2 (en) 2004-08-09 2009-09-29 Zendah Co., Ltd. Engine starter
JP4619215B2 (ja) * 2004-08-09 2011-01-26 ハスクバーナ・ゼノア株式会社 エンジン始動装置
US7525287B2 (en) 2004-10-08 2009-04-28 Husqvarna Zenoah Co., Ltd. Battery pack for driving electric motor of compact engine starting device, engine starting device driven by the battery pack, and manual working machine having the engine starting device
WO2006085473A1 (ja) 2005-02-08 2006-08-17 Zenoah Co., Ltd. エンジン始動装置とエンジンとの間の動力伝達機構

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02146260A (ja) 1990-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5163392A (en) Spiral spring type starter apparatus for an internal combustion engine
EP1626174B1 (en) Engine starter
JP4549258B2 (ja) 小型エンジン始動装置の電動モーター駆動用バッテリーパック、同パックにより駆動されるエンジン始動装置及び同始動装置を搭載した手作業機
JPWO2007088608A1 (ja) 小型電動モーター付きの手作業機用エンジン始動装置と同始動装置を搭載した手作業機
JP2573340B2 (ja) 汎用ガソリンエンジンの渦巻バネ式始動装置
US1936554A (en) Spring starter
EP0811120B1 (en) Mechanical starter motor
US5307701A (en) Starting system for model engines
JP4619215B2 (ja) エンジン始動装置
US4354448A (en) Manually driven generating mechanism for doorbells
JP2521096B2 (ja) 始動装置
JPH02264151A (ja) 内燃機関の渦巻バネ式始動装置
JPH01190965A (ja) 内燃機関の渦巻バネ式始動装置
JPH0721892Y2 (ja) 内燃機関始動装置
JP2001050145A (ja) エンジン始動装置
FR2453283A3 (fr) Perfectionnements aux dispositifs auxiliaires de demarrage automatique de petits moteurs a explosion
JPS58170852A (ja) エンジン始動装置
JPH03524Y2 (ja)
JPH02252969A (ja) エンジン手動スタート装置
US1391880A (en) Electrical system for motor-vehicles
JPS5993963A (ja) 機関始動装置
JPS645972Y2 (ja)
JPS5929828B2 (ja) 携帯用発電装置
JPH051657Y2 (ja)
SU1576712A1 (ru) Стартер-генератор

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees