JP2006077758A - エンジン始動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】不要な器材を排除するとともに合理的な設計のもとに、究極的なまでの小型化と軽量化が図られた電動式エンジン始動装置を提供する。
【解決手段】バッテリーが装置外に配され、蓄力部(110) がばね(111,211) の一端を支持する回転支持部材(112,212) を有し、同回転支持部材(112,212) には第1歯車(113,213) が形成されている。高減速機構(132) の出力軸(133) には第2歯車(132b)が固設され、前記第1及び第2歯車(113,213;132b)が互いに噛合している。前記蓄力部(110) 及び前記動力伝達部(120) は同一の第1軸線上に配されるとともに、前記小型電動モーター及び前記高減速機構は前記第1軸線上と平行な同一の第2軸線上に配され、前記第1軸線と第2軸線とは同一の平面上に配される。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃エンジンを超小型の直流電動モーターを用いて始動させるためのエンジン始動装置に関し、特に従来のごときリコイル式駆動部を装置から排除するとともに、前記電動モーターを駆動するためのバッテリーを装置外に配することを可能にし、同時に構成機器を最も合理的に配して小型軽量化が実現され、更には各種作業機操作時の疲労を大幅に軽減できる電動式エンジン始動装置に関する。
現在、多用されている刈払機やチェーンソー等の携帯型作業機に搭載された小型空冷式のガソリンエンジンを始動させるエンジン始動装置は、その殆どがリコイル式の駆動部と、エンジンのクランク軸と遠心クラッチ等の断接手段を介して連結された従動部と、前記駆動部と従動部との間に配され、駆動部の駆動力を緩衝するとともに従動部との間で弾性的に蓄力するゼンマイばねなどを有する緩衝・蓄力部とを備えている。前記リコイル式駆動部は、リコイルロープが巻装されたリコイル用リールと、同リコイル用リールとケーシングとの間に配されて、その内外の端部をリコイル用リール及びケーシングにそれぞれ固着されたリコイル用ゼンマイばねとを有し、リコイルロープを引き出すことによりリコイル用リールを一方向に回転させると同時に、前記リコイル用ゼンマイばねを巻締めてバネ力を蓄え、この状態でリコイルロープから手を離すと、リコイル用ゼンマイばねの蓄力が解放されてリコイルロープをリコイル用リールに自動的に巻き戻す。
しかし、前述のリコイル式駆動部は、エンジンを始動させるたびにリコイルロープを引き出すための引き操作を必要とする。このリコイルロープの引き操作は、通常、素早く且つ大きく引き出す必要があるため力の弱い人や老年者には一回の引き操作でエンジンを作動させることができない場合も多い。そこで、リコイルロープの引き操作によるエンジンの始動を容易にしようとする提案も多くなされており、また実用化もされてはいるが、引き操作自体がもつ煩雑性は依然として残される。一方で、近年の小型電動モーターやバッテリーの進展は著しく、極めて小型化されたにも関わらず、大容量をもつようになってきている。最近は、こうした事情も手伝って前述のリコイル式始動装置の煩雑な操作性を避けるべく、スイッチ操作により簡単にエンジンを一発で始動させることができる電動式のエンジン始動装置が見直され、その開発が望まれてきている。
この種の電動式の小型エンジン始動装置は、古くは例えば実開昭63−110672号公報(特許文献1)に開示されたエンジンの始動装置がある。この始動装置によれば、バッテリーにより供電駆動される直流モーター、該モーターの出力軸に固設されたウオームギアによりゼンマイ香箱が駆動されて巻き上げられるゼンマイばねと、ゼンマイばねの内側端部が固定された出力回転軸と、該出力回転軸に1方向クラッチを介して接続されたエンジンの回転軸と、前記出力回転軸の回転を停止し若しくは停止を解除する回動レバーと、同レバーによる出力回転軸の回転停止の解除時にのみ入れ操作される連動電気スイッチと、同電気スイッチの切り操作時にモーターが駆動され、同モーターの回転速度が設定回転速度を越えたときにも回転を持続してゼンマイばねを巻き上げ、ゼンマイばねの巻き上げ終了時に前記設定回転速度より降下したときには供電が絶たれてモーターの回転を停止させる電機子電流制御回路とを備えている。なお、上記ウオームギアとゼンマイ香箱の外周に形成されたギアとの間に減速歯車を介装してもよいとしている。
また、例えば特許2573340号公報(特許文献2)によれば、バッテリーと、該バッテリーの電力により駆動される直流電動モーターと、該モーターの運転停止を制御する制御装置と、前記モーターの動力を伝達する高減速比減速機構と、該高減速比減速機構で駆動されるゼンマイばね式蓄力装置と、該蓄力装置の力をクランク軸に一方的に伝える動力伝達装置とが単一フレーム内に納められたゼンマイばね式始動装置が開示されている。前記高減速比減速機構は、前記クランク軸に平行な他の軸線上に配された、直流電動モーターにより駆動される1段目の遊星歯車式減速装置と、前記蓄力装置のバネ蓄力室の外周に一体的に設けた被動歯車に前記遊星歯車式減速装置の出力軸に設けた駆動歯車を噛合させて2段目の減速装置とから構成されている。
また、例えば実開平2−13171号公報(特許文献3)には、ゼンマイ香箱が、エンジンのクランクシャフト側とは反対側に配された遊星歯車減速機の支持系を介して一方向に回転可能に軸支されている。ゼンマイ香箱の回転制御は、ハウジング内に配された直流電動モーターの出力軸に固定された小歯車と大歯車との減速平歯車対を介して結合された前記遊星歯車減速機によって減速回転される。このときの一方向回転は、ラチェット爪とゼンマイ香箱の外周部に設けた歯部との係合によりなされる。また、ゼンマイ香箱のクランクシャフト側に始動ラチェットホイールと始動ラチェット爪とが配されており、その係合を解除したときにラチェットホイールは回転自在となる。前記始動ラチェットホイールにはスタータラチェットホイールが組み付けられており、このスタータラチェットホイールはクランクシャフトに設けられた遠心クラッチ爪と係合する。
前記ゼンマイ香箱の外周にはラチェットホイールが一体に形成されており、このゼンマイ香箱の上端部に小径のラチェットホイールが噛合している。この小径のラチェットホイールに固定され回転軸は、外部から手動クランクを係脱できるようにしている。通常のエンジン運転中は、手動クランクは差し込まれておらず、小径のラチェットホイールは空回りする。仮に始動に失敗し、ゼンマイばねの再巻込みを行おうとするときは、小径のラチェットホイールの回転軸に手動クランクを差し込み、ゼンマイ香箱を回転させてゼンマイばねに蓄力する。エンジン始動時は、上記始動ラチェットを操作して、ゼンマイばねに蓄力されたエネルギーを解放させて上記スタータラチェットホイールを回転させて、エンジンをクランキングして始動させる。
更に、例えば特開2002−285940号公報(特許文献4)のスタータ装置によれば、駆動部と従動部との間の動力伝達系の途中に、緩衝・蓄力手段を介在したスタータ装置であって、前記駆動部が駆動源としての電動モーターであり、同電動モーターの出力回転軸に連結固定されたウオームと前記ゼンマイ香箱の外周に設けられたウオームホイールとにより減速機構を構成している。以上の構成は、上記特許文献1と実質的に変わるところがない。また、前記駆動側には、前記電動モーターとは別に、リコイル式駆動部が付設され、前記リコイル式駆動部は、リコイルロープが巻装されて該リコイルロープを引っ張ることにより回転せしめられるロープリールと、前記リコイルロープを巻き取るべく前記ロープリールを逆転させるリコイル用ゼンマイばねと、前記ロープリールの回転を前記緩衝・蓄力手段に伝達するためのリコイル用ラチェット機構とを備えている。前記ゼンマイ香箱はワンウェイクラッチにより一方向にのみ回転できるようにしている。これらの構成から、この特許文献4のスタータは、上記特許文献1と公知のリコイル機構とを組み合わせたに過ぎないといえる。
実開昭63−110672号公報 特許2573340号公報 実開平2−13171号公報 特開2002−285940号公報
ところで、上記特許文献1のエンジン始動装置によれば、電動モーターに直結するウオームギアとゼンマイ香箱の外周に形成されたウオームホイールとの噛合させてゼンマイ香箱を一方向に回転させるようにしているため、ゼンマイ香箱が逆転することはないが、このようなウオームギアとウオームホイールとの噛合による動力伝達機構では、電動モーターの出力軸方向とゼンマイ香箱の回転駆動軸とが直交して配されることになり、設計上、効率が悪く(約60%)且つこれを小型化するには自ずと限度がある。また、同特許文献1によるエンジン始動装置では、仮にバッテリーが上がってしまったり、電動モーターが故障したとき、エンジン始動装置自体を作動することができない。
一方、上記特許文献2によれば、電動モーターとゼンマイ香箱との間に高減速比減速機構を配して、セルスタータ方式に対して、モータ容量、バッテリー容量をそれぞれ1/10.1/6以下と小型化し、小型のバッテリーを装備しても実用性を失わないとしている。しかし、前記高減速比減速機構による減速比は1/250〜1/300と極めて大きく設定される。そのため、ゼンマイ香箱を回転させてゼンマイばねに所要の蓄力を得るまでには自ずと長時間を要することになる。そこで、このエンジン始動装置では、渦巻バネの自動巻上げ制御装置を設置し、同制御装置の制御回路により一回の始動操作ごとに自動的に蓄力バネの蓄力動作を行い、タイマ又はゼンマイばねの巻き上がりを検知して、モータへの通電を停止させて、再始動時の待ち時間を少なくしている。その結果、装置全体は複雑化し、必然的にメンテナンスが煩雑化し価格も高くなる。勿論、バッテリーも装置に内蔵しており、それだけ装置全体が大型化する。
他方、上記特許文献3によれば、電動モータが作動しなくなったときなどに、手動クランクを操作して小径のラチェットホイールを介してゼンマイ香箱を回転させ、ゼンマイばねの再巻込みを行ってゼンマイばねに蓄力し、手動クランクを取り外したのち始動ラチェットを操作することにより、ゼンマイばねに蓄力されたエネルギーを解放させて上記スタータラチェットホイールを回転させエンジンを始動させる。しかるに、このエンジン回転中は前記小径のラチェットホイールは空回りすることになる。また、この特許文献3では電動モーター、ゼンマイ香箱、前記小径のラチェットホイール及びラチェット爪の各軸を互いに平行に配しているため、エンジン始動装置の小型化が著しく妨げられる。
また、上記特許文献4では、緊急時の手動によるゼンマイ香箱の駆動がリコイル式駆動機構によりなされるため、装置全体としては従来のリコイル式エンジン始動装置に、更に電動モータとその減速機構を組み込んだことになり、しかもその減速機構がウオームとゼンマイ香箱のウオームホイールとから構成されるため、電動モーター軸とゼンマイ香箱の支軸とが直交され、上記特許文献1と同様に装置全体の小型化は難しい。
本発明は、こうした従来の課題を解消すべくなされたものであり、その具体的な目的は不要な器材を排除するとともに合理的な設計のもとに、究極的なまでの小型化と軽量化が図られ、しかもエンジン始動装置を搭載したときのエンジン全体の左右の重量バランスが均等になり、更には手動でエンジンを始動させることができる電動式の小型エンジン始動装置を提供することにある。
前述の目的は、本発明の基本構成である、バッテリーにより駆動される小型電動モーターと、該小型電動モーターの動力が高減速機構を介して蓄力方向に駆動伝達される蓄力部と、該蓄力部の蓄力をエンジンのクランク軸に伝達する動力伝達部とを備えたエンジン始動装置であって、前記バッテリーが装置外に配され、前記蓄力部が、ばねと同ばねの一端を支持する回転支持部材とを有し、同回転支持部材の外周には第1歯車が形成され、前記高減速機構の出力軸には第2歯車が固設され、前記第1及び第2歯車が互いに噛合されてなり、前記蓄力部及び前記動力伝達部は同一の第1軸線上に配されるとともに、前記小型電動モーター及び前記高減速機構は前記第1軸線上と平行な同一の第2軸線上に配されてなり、前記小型電動モーターが配される第2軸線は、前記第1軸線より下方にあって、エンジン始動装置が搭載されたときのマフラー側やキャブレター側等の周辺機器を含むエンジン全体の重心と前記クランク軸の軸線とを通る直線上に配されてなることを特徴とするエンジン始動装置により効果的に達成される。
ここで、前記ばねとしてはゼンマイばね又はコイルばねが使われる。ゼンマイばねを使う場合には、前記回転支持部材としてゼンマイ香箱が使われる。また、ばねとしてコイルばねを使う場合には、前記回転支持部材として通常の歯車を使うことができる。前記高減速機構として遊星歯車式減速機構を採用することが好ましく、また同遊星歯車と併用して前記第1及び第2歯車に平歯車を採用することが好ましい。
更に好ましい態様によれば、前記高減速機構の出力軸の軸線上にあって、同出力軸の軸端と係脱でき同出力軸を手動にて回転操作可能な回転操作機構を有している。通常は、前記蓄力部又は動力伝達部の蓄力解放方向の回転を許容するが、前記回転操作機構を有している場合には、電動モーターの不作動時に同回転機構から手を離したとしても蓄力部に蓄力されたバネ力が解放されないように、前記蓄力解放方向の回転を阻止する回転阻止手段を前記蓄力部又は動力伝達部に配するようにするとよい。また、前記動力伝達部が上記クランク軸と断接手段を介して連結される起動プーリーを有する場合には、前記回転阻止手段を、前記動力伝達部の構成部材の一部である起動プーリーの外周に形成された複数のラチェット歯と、同ラチェット歯に係脱する係脱部材とから構成することが好ましい。
作用効果
本発明によれば、始動装置に一体化される構成機器を必要最小限に止めるため、リコイル式駆動部を排除するとともにバッテリーを装置外に配し、同時に装置内に収容する構成機器の配置を最も合理的に設計する。また、電動モーターが駆動できなくなる場合も想定して、そうした緊急時における手動によるエンジン始動をも可能にしている。その結果、装置全体が大幅に小型化できると同時に、上記特許文献1〜4がもつ様々な課題をなくすべく、電動モーターや減速機構として超小型化されたものを採用することは当然として、従来では装置内に組み込まれている、例えばバッテリーやリコイル式駆動部などの機器類を排除して軽量化することに加えて、装置全体を小型化すると同時に、このエンジン始動装置を搭載したエンジンに組み込まれる各種作業機の操作時におけるエンジン部の左右の重量バランスがとれる最も合理的な配置設計を採用している。
すなわち、バッテリー及び始動スイッチなどは始動装置に装備せずに、例えばこれらを作業機の操作部であるハンドル上に配するようにし、同時に蓄力部、動力伝達部及びクランク軸の共通する回転軸線である第1軸線と電動モーター及び減速機構の回転軸線である第2軸線とを平行に配しているため、始動装置の軸線方向及び軸線に直交する幅方向の寸法を短くできて、それらの機器の配設空間をも可能な限り小さくすることができる。一方、エンジンには例えばマフラー側やキャブレター側等の補器がエンジン本体の左右に振り分けられて一体に取り付けられている。前記マフラー側やキャブレター側はそれぞれの重心位置が異なるだけでなく、重量もキャブレター側の方がマフラー側よりも高くなっている。一方、エンジン本体は略対称形であってその重心位置は、左右に2分する垂直線上にある。
そのため、エンジン全体の重心位置はクランク軸を中心としてキャブレター側側に僅かにずれて存在するようになる。その結果、クランク軸線上にてエンジンを支持すると、前後方向の重心位置を無視した場合、重心とクランク軸とを結ぶ直線が垂直線となるように、エンジンには常にクランク軸を中心として左右の一方に僅かに傾かせる回転トルクが働く。この回転トルクを零とするには、理想的にはエンジン始動装置を搭載したときの重心位置がエンジン本体を左右に2分する垂直線上にくるようにするとともに、同垂直線上にクランク軸の軸中心がくるようにすればよい。しかしながら、こうした理想的な配置は、例えばエンジン始動装置の設置空間に様々な制約を受けるため実現は極めて難しい。
そこで、本発明では前記小型電動モーターが配される第2軸線を、前記クランク軸の軸線より下方にあって、エンジン始動装置が搭載されたときのマフラー側やキャブレター側等の周辺機器を含むエンジン全体の重心と前記クランク軸の軸線とを通る直線上に配するようにしている。本発明に係る電動式のエンジン始動装置は左右対称形であり、その重心位置もエンジン始動装置を左右に2分する第1及び第2軸線を含む垂直線上にある。従って、前述のように小型電動モーターを配することにより、エンジン始動装置を搭載したときのエンジン全体の重心位置は前記直線側へと移動する。このことは、始動装置を搭載したときのエンジン全体の左右のバランスが向上することで、手に捩じれ方向の力が殆ど作用せず、アンバランスに基づく作業機操作中に生じる疲労感が蓄積されることがなく、安定した作業を長時間続けることができるようになる。勿論、機器点数が少なくなるだけ、更なる小型軽量化が実現される。
前記高減速機構として遊星歯車式減速機構を採用する場合には、その入力部の軸線と出力軸の軸線(第2軸線)とを一致させることができ、これを上記第1軸線と平行に配し、同時に上記第1及び第2歯車を平歯車として蓄力部の第1歯車と減速機構の前記第2歯車とを噛合させるようにすれば、第1及び第2軸線が同一平面上に配されるようになり、機器類の専有空間を最も小さくすることができる。また、同時に緊急時の上記回転操作機構を、例えば上記減速機構の出力軸の軸端部に設けられた脱着部と、その軸線上に出し入れでき前記軸端部の脱着部と係脱する回転操作部材とから構成すれば、殊更に手動クランクにより回転するラチェットホイールやリコイル方式の駆動機構を設ける必要がなく、装置の小型化に大きく貢献する。
前記高減速機構としての遊星歯車式減速機構は小型化が容易であり、またその減速比も本発明の場合、第一歯車を併用することで、上記特許文献2のごとく1/250〜1/300のように大きく取らずに、せいぜい1/50程度とすればエンジンの始動時間、すなわち蓄力部が所要の蓄力に達する時間が短くて済むようになる。
前記回転阻止手段として、上述のように例えば遠心クラッチなどの断接手段を介して連結される起動プーリーの外周に形成された複数のラチェット歯と、同ラチェット歯に係脱する係脱部材との組合わせであれば、回転阻止手段の操作が確実に且つ容易に行えるようになる。また、同じく上記回転操作機構を、上記高減速機構の出力軸の軸端部に設けられた脱着部と、その軸線上に出し入れでき前記軸端部の脱着部と係脱する回転操作部材とから構成すれば、装置の外から前記軸端部の脱着部に向けて同回転操作部材を装置内に差し入れることができるように設計でき、その先端を前記軸端部の脱着部に係着し、回転操作部材を蓄力部の蓄力方向に回転させることによって、高減速機構の出力軸が回転して蓄力部に蓄力する。このとき、電動モーターも同時に回転するが、高減速比とされているため僅かな回転であり且つその回転トルクも小さく、手動によっても高減速機構の出力軸を容易に回転できる。
かかる構成により、通常時のエンジン始動は、電動モーターを始動させることにより、高減速機構及び第2歯車を介して、蓄力部を蓄力方向に回転させ、蓄力がエンジンを始動させるに十分な最大負荷を越えると、自動的にエンジンを始動させる。いま、仮にバッテリーが上がってしまい電動モーターが作動しなくなったようなときは、減速機構の出力軸の軸を回転操作機構を使って手動操作しても、前記蓄力部に蓄力がなされ、その蓄力がエンジンの最大負荷を越えたときエンジンが始動する。このとき、蓄力部又は動力伝達部に、一方向の回転阻止手段を設けておけば、回転操作機構を操作したとき、前記蓄力部又は動力伝達部の蓄力解放方向の回転を阻止しながら高減速機構の出力軸を蓄力部の蓄力方向に回転させて、蓄力部に所要の蓄力がなされるようになる。ここで所要の蓄力がなされたら、前記回転操作機構の連結を外すとともに、前記回転阻止手段を解放側に操作して、蓄力部又は動力伝達部の回転を許容する。この許容と同時に蓄力部の蓄力が解放されてエンジンを始動させる。
以下に添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1を示す電動式のエンジン始動装置と内燃エンジンとの組立時における分解図である。図2〜図5は、同実施例1における前記エンジン始動装置の各構成部材の配置及び構造を示す説明図である。本発明のエンジン始動装置100は、小型空冷式2サイクルガソリンエンジン等に適用され、同始動装置100はその内燃エンジン10のクランク軸11の入力端部に近接して配置される。
このエンジン始動装置100は、蓄力部110と動力伝達部120と電動式駆動部130とからなり、これらの蓄力部110、動力伝達部120及び電動式駆動部130は一体に組み立てられて、単一のケース140に収容される。このケース140は、上半部が蓄力部110と動力伝達部120とを収容する方形状を呈する第1空間Aと、下半部が駆動部130を収容する下端に向けて漸次幅狭となる逆三角形状を呈する第2空間Bとを有し、エンジン側と反エンジン側の第1及び第2ケース体140a,140bの半割り構造とされている。
エンジン側の第1ケース体140aの上半部は略方形の窓部141とされ、下半部の中央部には上記電動式駆動部130の構成部材の一つである後述する高減速機構132を嵌挿支持する減速機構嵌挿孔142が形成されている。前記方形窓部141の四隅内側には第1ケース体140aをエンジン10に固設するためボルト挿通孔143が形成され、また前記方形窓部141の枠部の上二隅と下二隅の下方との4箇所に上記第2ケース体140bと結合するためのネジ孔144が形成されている。一方、反エンジン側の前記第2ケース体140bの第1空間Aを形成する底部内壁面の中央にはエンジン方向に向けて軸部145が突設されており、同軸部145の垂直下方にあって前記第2空間Bを形成する背壁部の前記減速機構嵌挿孔142の中心に対応する部位には内部空間と連通するレンチ挿入孔146が形成されている。また、前記第1ケース体140aのネジ孔144に対応する前記第2ケース体140bの部位にも、それぞれにボルト挿通孔147が形成されている。
上記蓄力部110は、図1及び図2に示すとおり、ゼンマイばね111とゼンマイ香箱112とからなり、ゼンマイ香箱112の外周面の軸方向半部には周方向に連続する平歯車113が形成されている。また、このゼンマイ香箱112の中心には貫通孔112aが形成されるとともに、その貫通孔112aには軸受状のワンウェイクラッチ114の外輪が密嵌され、そのワンウェイクラッチ114の内輪に前記第2ケース体140bの上記軸部145が圧入固定される。更に、同ゼンマイ香箱112のエンジン側には図示せぬゼンマイばね収容空間が形成されており、そのゼンマイばね収容空間の周壁の一部に、前記ゼンマイばね111の外側端部111aを係着固定する図示を省略した外側端固定溝が形成されている。
なお本実施例1では、前述のようにゼンマイ香箱112を軸受型のワンウェイクラッチ114により一方向の回転だけを可能にしているが、このワンウェイクラッチ114に代えて、例えば図6に示すように上記ゼンマイ香箱112の外周面に上記平歯車113とは別のラチェット歯115を形成する一方、第2ケース体140bの一部に前記ラチェット歯115と係合するラチェット爪116を回動自在に支承させても、同様にゼンマイ香箱112に一方向の回転だけを許容させることができる。このとき、前記ラチェット爪116は同じく第2ケース体140bに取り付けられたバネ部材117により、常に前記ラチェット歯115と係合する方向に付勢されている。この場合、ゼンマイ香箱112は通常の平軸受118を介して上記軸部145に回転可能に支承される。
上記動力伝達部120は、図1の一部を拡大して示す図2〜図5に示すように、起動プーリー121と同起動プーリー121に係脱する係脱部材122とから構成される。前記起動プーリー121の中心には上記第2ケース体140bから突出する軸部145が遊挿できる遊挿孔121aが形成され、同起動プーリー121の反エンジン側の中心部には、図2に示すとおり、前記遊挿孔121aを囲むようにしてゼンマイ香箱112に向けて突設するゼンマイばね端固定部121bが形成されている。このゼンマイばね端固定部121bには上記ゼンマイばね111の内側端部111bを係着固定する内側端固定溝121b' が形成されている。前記軸部145の先端部には図示せぬネジ孔が形成されており、組み立てが終了した時点で同ネジ孔に止めネジ148がねじ込まれ、蓄力部110及び起動プーリー121が第2ケース体140bに収容固定される。前記軸部145の軸線が、本発明における第1軸線である。
また、前記起動プーリー121のエンジン側中心部には、図5に示すようにエンジン10のクランク軸11に一体に取り付けられた図示せぬファンに装着された遠心クラッチ機構の一要素である係合爪12と係合する周面にラチェット歯121dを有する係合突部121cが突設されている。この係合突部121cは、ゼンマイ香箱112が回転してゼンマイばね111にバネ力が蓄えられる過程で発生する解放方向のエネルギーを受けながら、エンジンの最大負荷を越えるまでは前記クランク軸11に装着された係合爪12と係合して静止しているが、ゼンマイばね111に蓄えられた蓄力がエンジンの最大負荷を越えると前記係合爪12と係合したまま共回りを始め、エンジンを始動させる。エンジン回転が定常状態に入ると、係合爪12はその遠心力により起動プーリー121の前記係合突部121cとの係合が外れ、エンジン回転は維持される。
更に、前記起動プーリー121の外周には所定の間隔をおいてラチェット歯123が形成されており、起動プーリー121全体がラチェットホイールを構成している。上記係脱部材122は、その一端122bが第1ケース体140aのボス部140a−1に回転自在に支承され、押し釦149によってその先端122aを回動操作させて前記起動プーリー121の外周ラチェット歯123に係脱させ、同起動プーリー121の回転を許容し或いは回転を不能にする。この係脱部材122の前記先端122aは、捻じりバネ150により、通常のエンジン始動時には前記ラチェット歯123から外れる方向に付勢されており、前記一端122bを前記捻じりバネ150の付勢に抗して回転させることにより、初めてその先端122aを前記ラチェット歯123に係合させることができる。ここで、係脱部材122と起動プーリー121のラチェット歯123とが、本発明における回転阻止手段に相当する。
本実施例によれば、前記係脱部材122の先端122aを付勢に抗して回転させるには、図4及び図5に示すように、第1ケース体140aの周壁部の一部に取り付けた押し釦149のピン先端のボール部分149aを係脱部材122の先端122aに嵌着してあり、前記押し釦149を押し込むことにより前記係脱部材122が捻じりバネ150の付勢に抗してラチェット歯123に向けて回動させる。この押込み操作により、押し釦149は図示せぬロック手段によりロックされ、次に押し釦149を手前側に引くとロックが解除されて、係脱部材122はラチェット歯123との係合が外れる方向に回動する。
更に係脱部材122は、捻じりバネ150の付勢によって、第1ケース体140aの
周壁部に固定される。
上記電動式駆動部130は、超小型の直流電動モーター131と、同電動モーター131の出力軸と結合される高減速機構132とからなり、前記電動モーター131の高速回転が前記高減速機構132を介して減速されて上記ゼンマイ香箱112に伝達される。前記高減速機構132は、小型の遊星歯車機構132aと同遊星歯車機構132aの出力軸に固着される平歯車132bとから構成される。前記減速機構132として、遊星歯車機構132aと平歯車132bとを組み合わせて採用しているため、その入力部と出力軸とを本発明の第2軸線となる同一軸線上に配することができ、その軸線を上記第2ケース体140bからエンジン側に向けて突出する上記軸部145と平行に配することを可能にする。このことは、本発明がリコイル機構を完全に排除するとともに、従来は蓄力部110及び動力伝達部120の下方に配されていたバッテリーをケース140外の、例えば作業機の図示せぬ操作ハンドルに配するようにし、その結果、形成される空き空間に上記電動式駆動部130を配することにより、上記ケース140の軸線方向の長さを短尺にできるとともに、ケース140の左右幅をも最小限まで短くすることを可能にしている。
ここで本実施形態では、前記電動式駆動部130の軸線を前記軸部145の垂直下方に配している。厳密に言えば、電動式駆動部130の軸線は前記軸部145の軸線を含む鉛直面上から一方に僅かに偏位した位置に配されている。すなわち、電動式駆動部130の軸線と前記軸部145の軸線とを結んでできる直線L1は垂直線L2上ではなく、図3に示すように前記軸部145を中心として微小角αだけ回動している。具体的には、エンジン10自体に対するエンジン始動装置100の設置姿勢を僅かに傾斜させて、エンジン始動装置100をエンジン10に設置している。しかし、図3では前記微小角αを理解をしやすくするため大きめに示しているが、実際には視覚で認識できないほどの微小な角度である。
ところで、既述したとおり、エンジン10のクランク軸11に装着された遠心クラッチ機構の係合爪12の回転軸線と動力伝達部120の起動プーリー121の回転中心とが第1軸線上にあって一致している。一方、前記電動式駆動部130の軸線(第2軸線)は、空間的余裕があれば前記第1軸線回りの何処にでも配することが可能である。しかし、実際には装置の小型化等を考慮するとき、エンジン始動装置、特にその電動モーターの設置空間は自ずと限られてくる。
一方、エンジン10にはエンジン本体の他に、図1に示すようにクランク軸11を挟んで左右対称に、例えばマフラー15側やキャブレター16側が配されている。しかるに、マフラー15側とキャブレター16側の重心位置が異なることから、エンジン10の全体としての重心位置も、エンジン本体の重心位置からキャブレター16側に僅かに偏位している。この僅かな重心位置の移動は、作業機などを持って作業するときにはエンジンを重心の垂直下方(重力方向)に向けるように回転トルクが発生し、常に操作の手元が捩じられるような力を受ける。作業中は、この力に抗してエンジンの作業姿勢を維持しようとするため、疲労感が大きく、その疲労の蓄積によって長時間の作業が難しくなる。他方、本発明のエンジン始動装置100は、上述のように僅かな違いはあるものの左右対称の形状と構造とを有しているため重心位置はほぼ左右を2分する垂直線上にあると考えてよい。
本実施例によれば、上述のように電動式駆動部130の軸線(第2軸線)を前記軸部145の軸線(第1軸線)の垂直下方に平行に配している。このように小型電動モーター131を配することにより、エンジン始動装置100を搭載したときのエンジン全体の重心位置はクランク軸11の軸中心と電動モーター131の軸中心とを結ぶ直線側へと移動するとともに、エンジン始動装置100を搭載していないときのエンジン1の重心位置よりも下方に移動する。そのため、エンジン始動装置100を搭載したときのエンジン全体の左右のバランスが向上し、作業時に手元が捩じられるような回転トルクの発生が殆どなくなり、アンバランスに基づく作業機操作中に生じる疲労感も少なくすることができるようになる。
本実施例による前記遊星歯車機構132aは、リング状の太陽歯車である第1〜第3の内歯歯車132a−1〜132a−3を備えており、その遊星歯車機構132aが上記電動部収容ケース134に上記電動モーター131と共に収容固定されるようになっている。すなわち、前記第1及び第3の内歯歯車132a−1,132a−3の外周面には回転軸と平行に延びる複数本の突条132a' −1,132a' −3が突設されており、前記電動部収容ケース134の内周面には前記突条132a' −1,132a' −3の対応した位置に軸線に平行に延び、前記突条132a' −1,132a' −3が嵌着する嵌着溝134a−1が同数形成されている。
本実施例では、前記電動部収容ケース134はエンジン側の反対側が開口する有底円筒体からなり、円筒状本体134aと底部134bとに2分割されている。各円筒状本体134a及び底部134bの前記嵌着溝134a−1が形成されている外周面部分には、軸線に平行に延びる突条134c,134dが突設されており、底部134bの突条134dにはネジ孔が形成され、円筒状本体134aの突条134cにはボルト挿通孔が形成されている。かかる構成を備えた電動部収容ケース134の前記嵌着溝134aに、前記遊星歯車機構132aの上記突条132a' −1,132a' −3を嵌着させて、電動モーター131及び遊星歯車機構132aが収容固定される。電動モーター131及び遊星歯車機構132aを収容した電動部収容ケース134は、第1ケース体140aに形成された上記電動部密嵌孔142に密嵌されて支持される。このとき、前記電動部収容ケース134に収容された電動モーター131及び遊星歯車機構132aは、同遊星歯車機構132aの出力軸を外部に露呈して固定フレーム135により、図示せぬボルトとナットを介して締結固定される。こうして電動部収容ケース134に収容固定された前記遊星歯車機構132aの出力軸の先端には上記平歯車132aが固設される。
本実施例によれば、小型電動モーター131とゼンマイ香箱112との間の減速比を1/50に設定している。また、前記遊星歯車機構132aの出力軸に固着される平歯車132bと上記ゼンマイ香箱112の外周に形成される平歯車113との減速比は1/2. 5と設定されている。そのため、前記遊星歯車機構132aの減速比は1 /20に設定される。前記遊星歯車機構132aの出力軸133、すなわち前記平歯車132bの支軸軸端には図示せぬ例えば六角レンチと係合できる係合部133aが形成されており、その軸線上に上記第2ケース体140bの背壁部に形成されたレンチ挿入孔146の中心を位置させている。
さて、以上のように構成された本実施形態による構成部材をケース140に収容して組み立てるには、第2ケース体140aの上記軸部145をワンウェイクラッチ114を密嵌したゼンマイ香箱112の貫通孔112aに圧入固定する。このとき、ゼンマイ香箱112のゼンマイばね収容空間の周壁に形成された図示せぬ外側端固定溝にゼンマイばね111の外側端部が係着固定されている。次いで、上記起動プーリー121の中心部に形成された上記ゼンマイばね端固定部121bの内側端固定溝121b' に前記ゼンマイばね111の内側端部を係着固定する。続いて、同ゼンマイばね端固定部121bを貫通する上記遊挿孔121aに、前記第2ケース体140aの上記軸部145を遊挿したのち、前記軸部145の先端部のネジ孔に留めネジ147をねじ込んで、前記ゼンマイ香箱1と起動プーリー121とを第2ケース体140bに収容組付けが終了する。
一方、上記電動式駆動部130のケース140への組み付けるにあたっては、上記電動モーター131と、減速機構132の遊星歯車機構132a及び平歯車132bとが予め組付けられて組立体とされている。この組立体の前記遊星歯車機構132aの外周面に形成された上記突条132a' −1,132a' −3を、第1ケース体140aに形成された上記減速機構嵌挿孔142の内面嵌着溝142aに嵌着して固定支持させる。このあとで、第1ケース体140aの方形窓部141の四隅に形成された4個のボルト挿通孔143を介してボルト14をもってクランクケース13に締結する。このとき同時に、電動モーター131をクランクケース13の所定の位置に位置決めして固設する。
こうして、第1ケース体140aを電動式駆動部130とともにクランクケース13に固設したのち、第2ケース体140bのネジ挿通孔147を介してボルト14を第1ケース体140aのネジ孔144にねじ込み、上述のように蓄力部110及び動力伝達部120が組付けられた第2ケース体140bを前記第1ケース体140a に固設一体化する。第1ケース体140aに第2ケース体140bを固設するとき、前記係脱部材122の回動他端122cを前記起動プーリー121の外周ラチェット歯123に係着させる。係脱部材122を、ボス部140a−1に枢支させるとき、捩りバネ150によって、同係脱部材122の端部122bを操作しないかぎり、その先端122cが前記ラチェット歯123と係合しない方向に付勢させる。
以上の構成を備えた本実施形態による電動式のエンジン始動装置100は、既述したとおりケース140には、従来のごとくリコイル式駆動部もバッテリーも排除して、蓄力部110のゼンマイばね111を収容したゼンマイ香箱112と動力伝達部120の起動プーリー121とが同一軸部145に支持され、その軸部145の垂直下方にあって同軸部145と、平行な軸線上に電動式駆動部130である電動モーター131と減速機構132を構成する遊星歯車機構132a及び平歯車132bとが配されているに過ぎず、また前記電動モーター131及び遊星歯車機構132aに超小型のものが使われているため、ケース140に極めてコンパクトに納められ、その結果、ケース140自体、すなわち始動装置全体を極めて小型化することができた。
また、バッテリーが充電状態にあるとき、前記始動装置100によりエンジン10を始動させるには、例えばハンドル部に設けられたスイッチを入れると電動モーター131が駆動回転して、遊星歯車機構132a及び平歯車132bをからなる高減速機構132により1/50の減速比でゼンマイ香箱112をゼンマイばね111の蓄力方向に回転させる。このとき、動力伝達部120の起動プーリー121には係脱部材122が係合しておらず、起動プーリー121の係合突部121cにクランク軸11に装着された係合爪12が係合しているに過ぎない。
いま、ゼンマイ香箱112が回転しゼンマイばね111に蓄力がなされる過程で、ゼンマイばね111には蓄力を解放しようとする力が働き、前記係合爪12を介してクランク軸11を回転させエンジン10を圧縮する行程に入るが、前記ゼンマイばね111の蓄力がその圧縮行程における最大負荷を越えるに十分な蓄力がなされない間は、クランク軸11をそれ以上回転させることができない。ゼンマイばね111がエンジン10の圧縮行程における最大負荷を越える蓄力がなされると、ゼンマイばね111の蓄力を解放する方向の力が勝り、起動プーリー121が係合爪12を介してクランク軸11を回転させてエンジン10が点火され運転が開始される。エンジン10の回転が定常に入ると、その遠心力により前記係合爪12が起動プーリー121の係合突部121cとの係合が外れ、エンジンの回転が続けられる。このときのエンジン10の始動に要する時間は、上記減速機構の減速比を1/50と比較的小さく設定されているため、僅かであり自動車などにおける通常のセルスタータによる始動時間と殆ど変わることがない。
以上はエンジン始動装置100が正常にあるときの始動手順を述べたものであるが、本発明によれば、何らかの原因でバッテリーが上がってしまい、或いはモーター自体の故障により、電動モーター131を駆動回転させることができなくなったときには、手動にてエンジン10を始動させることができる。本実施形態によれば、前述のような緊急時には、まず上記押し釦149を押して係脱部材122を付勢に抗して起動プーリー121のラチェット歯123に係合させる。この係合を確認してから、図示せぬ例えば六角レンチをケース140の背面部に形成されたレンチ挿入孔146に差し入れて、上記減速機構132の出力軸133の軸端に形成された係合部133aに係合させる。次いで、六角レンチを回転させることにより、減速機構132の平歯車132bを回転させて、ゼンマイ香箱112を蓄力方向に回転させる。このとき、前記小型電動モーター131も僅かに回転することになる。このときの六角レンチの回転操作は手動で行うが、前記小型電動モーター131とゼンマイ香箱112との間には減速機構132が介装されているため、前記小型電動モーター131の回転トルクは僅かであって操作に支障はない。
このレンチ操作時には、上述のように係脱部材122を起動プーリー121に係合させているため、同起動プーリー121とクランク軸11との間には力が全く伝達されない状態にある。その結果、レンチ操作はゼンマイばね111に十分な蓄力がなされるまで、安心して且つ専念して行うことができる。こうしてゼンマイばね111にエンジンを始動させるに十分な蓄力がなされると、六角レンチを平歯車132bの支軸端との係合を外してケース140の上記レンチ挿入孔146から抜き取り、押し釦149を押して係脱部材122を起動プーリー121のラチェット歯123から外す。このときゼンマイばね111にはエンジン10を始動させるに十分な蓄力がなされているため、前記係合を外した瞬間にエンジンは回転を開始する。
上記蓄力部110は、図1及び図2に示すとおり、ゼンマイばね111とゼンマイ香箱112とからなり、ゼンマイ香箱112の外周面の半部には周方向に連続する平歯車113が形成されている。また、このゼンマイ香箱112の中心には貫通孔112aが形成されるとともに、その貫通孔112aには軸受型のワンウェイクラッチ114の外輪が密嵌され、そのワンウェイクラッチ114の内輪に前記第2ケース体140bの上記軸部145が遊挿固定される。更に、同ゼンマイ香箱112のエンジン側には図示せぬゼンマイばね収容空間が形成されており、そのゼンマイばね収容空間の周壁の一部に、前記ゼンマイばね111の外側端部111aを係着固定する図示せぬ外側端固定溝が形成されている。
なお本実施例1では、前述のようにゼンマイ香箱112を軸受型のワンウェイクラッチ114により一方向の回転だけを可能にしているが、このワンウェイクラッチ114に代えて、例えば図6に示すように上記ゼンマイ香箱112の外周面に上記平歯車113とは別のラチェット歯115を形成する一方、第2ケース体140bの一部に前記ラチェット歯115と係合するラチェット爪116を回動自在に支承させても、同様にゼンマイ香箱112に一方向の回転だけを許容させることができる。このとき、前記ラチェット爪116は同じく第2ケース体140bに取り付けられたバネ部材117により、常に前記ラチェット歯115と係合する方向に付勢されている。この場合、ゼンマイ香箱112は通常の平軸受118を介して上記軸部145に回転可能に支承される。
図7は、本発明の実施例2に係るエンジン始動装置とエンジンの組立時における分解図を示しており、図8は前記エンジン始動装置の主要部を拡大して示す分解図、図9は駆動プーリーに対する係脱手段の係合状態を示す背面図、図10は同係脱手段の非係合状態を示す背面図、図11は前記駆動プーリーを前面から見た斜視図である。この実施例2にあって上記実施例1と異なるところは、図1からも明らかなように蓄力部210と動力伝達部220であり、その他のエンジン10、ケース140及び電動式駆動部130の構成は上記実施例1と変わるところがない。そのため、蓄力部210と動力伝達部220以外の構成部材に関しては同一符号を付しており、その名称も変えていない。
従って、以下の説明では蓄力部210と動力伝達部220とを中心に、図2を参照して具体的に説明することとする。
本実施例2による前記蓄力部210は図7及び図8に示すとおり、コイルばね111とコイルばね端支持歯車212とからなり、コイルばね端支持歯車212の外周面の半部には周方向に連続する平歯車213が形成されている。また、このコイルばね端支持歯車212の中心には貫通孔212aが形成されるとともに、その貫通孔212aには軸受型のワンウェイクラッチ214の外輪が密嵌され、そのワンウェイクラッチ214の内輪に上記第2ケース体140bの上記軸部145が圧入固定される。更に、同コイルばね端支持歯車212のエンジン側の一部に、前記コイルばね211の一端部211aを係着固定する図示せぬ外側端固定孔部が形成されている。
なお、本実施例2にあっても、前述のようにコイルばね端支持歯車212を軸受型のワンウェイクラッチ114を介して一方向の回転だけを許容するようにしているが、上記実施例1と同様に、前記ワンウェイクラッチ214に代えて、例えば図12に示すように上記コイルばね端支持歯車212の外周面に上記平歯車213とは別のラチェット歯215を形成する一方、第2ケース体140bの一部に前記ラチェット歯215と係合するラチェット爪216を設けても、同様にコイルばね端支持歯車212に一方向の回転だけを許容させることができる。このとき、前記ラチェット爪216は同じく第2ケース体140bに取り付けられたバネ部材217により、常に前記ラチェット歯215と係合する方向に付勢されている。この場合も、上記実施例1と同様にコイルばね端支持歯車212は通常の平軸受218を介して上記第2ケース体140bの軸部145に回転可能に支承される。
一方、上記動力伝達部220は、図8〜図11に示すように、起動プーリー221と同起動プーリ221に係脱する係脱部材122とから構成される。前記起動プーリー221の中心部には上記第2ケース体140bから突出する軸部145が遊挿できる遊挿孔221aが形成されるとともに、同起動プーリー221の反エンジン側の中心部には、図2に示すとおり、前記遊挿孔221aを囲むようにしてコイルばね端支持歯車212に向けて突設するゼンマイばね端固定部221bが形成されている。このコイルばね端固定部221bには上記コイルばね211の他端部211bを係着して支持する係着部221b' が形成され、前記他端部211bを係着支持する。本実施例2にあっても前記軸部145の軸線が本発明の第1軸線となる。
また、前記起動プーリー221のエンジン側中心部には、上記実施例1と同様に、図11に示すようにエンジン10のクランク軸11に固設された図示せぬファンに装着された遠心クラッチ機構の一要素である係合爪12と係合する周面にラチェット歯221dを有する係合突部221cが突設されている。この係合突部221cは、コイルばね端支持歯車212が回転してコイルばね211にバネ力が蓄えられる過程で発生する解放方向のエネルギーを受けながら、エンジンの最大負荷を越えるまでは前記クランク軸11に装着された係合爪12と係合して静止しているが、コイルばね211に蓄えられた蓄力がエンジンの最大負荷を越えると前記係合爪12と係合したまま共回りを始め、エンジンを始動させる。エンジン回転が定常状態に入ると、その遠心力により係合爪12は起動プーリー221の前記係合突部221cとの係合が外れ、エンジン回転が続けられる。
更に、前記起動プーリー221の外周には所定の間隔をおいてラチェット歯123が形成されており、起動プーリー221全体がラチェットホイールを構成している。上記係脱部材122は、その一端122bが第1ケース体140aのボス部140a−1に回転自在に支承され、押し釦149によってその先端122aを回動操作させて前記起動プーリー221の外周ラチェット歯223に係脱させ、同起動プーリー221の回転を許容し或いは回転を不能にする。この係脱部材122の前記先端122aは、捻じりバネ150により、通常のエンジン始動時には前記ラチェット歯123から外れる方向に付勢されており、前記一端122bを前記捻じりバネ150の付勢に抗して回転させることにより、初めてその先端122aを前記ラチェット歯123に係合させることができる。ここで、係脱部材122と起動プーリー221のラチェット歯223とが、本発明における回転阻止手段に相当する。この係脱部材122の操作及び動作は上記実施例1と同様であるため、その説明は省略する。
さて、以上のように構成された本実施例2による電動式のエンジン始動装置100も、ケース140からは従来のようなリコイル式駆動部もバッテリーも排除されており、蓄力部210のコイルばね211を収容したコイルばね端支持歯車212と動力伝達部120の起動プーリー221とが同一軸部145に支持され、その軸部145の垂直下方にあって同軸部145と平行な軸線(第2軸線)上に電動式駆動部130である電動モーター131と減速機構132を構成する遊星歯車機構132a及び平歯車132bとを配することができ、また前記電動モーター131及び遊星歯車機構132aに超小型のものが使われるため、ケース140に極めてコンパクトに納められ、その結果、この実施例2にあっても始動装置全体を極めて小型化することができる。
また、前述のような電動モーター131の配置により、上記実施例2と同様に、エンジン始動装置100を搭載したときのエンジン全体の重心位置はクランク軸11の軸中心と電動モーター131の軸中心とを結ぶ直線側へと移動するとともに、エンジン始動装置100を搭載していないときのエンジン1の重心位置よりも下方に移動する。そのため、エンジン始動装置100を搭載したときのエンジン全体の左右のバランスが向上するとともに重心位置が低くなり、作業時に手元が捩じられるような回転トルクの発生が殆どなくなり、アンバランスに基づく作業機操作中に生じる疲労感も少なくなって、安定した作業を長時間続けることができるようになる。
バッテリーが充電状態にあるときの、前記始動装置100によるエンジン10の始動も、例えばハンドル部に設けられたスイッチを入れるだけで簡単にエンジン10を始動指せることができる。しかし、何らかの原因でバッテリーが上がってしまい、或いはモーター自体の故障により、電動モーター131を駆動回転させることができなくなったときには、手動にてエンジン10を始動させることができる。本実施形態によれば、前述のような緊急時には、まず上記押し釦149を押して係脱部材122を付勢に抗して起動プーリー221のラチェット歯223に係合させる。この係合を確認してから、図示せぬ例えば六角レンチをケース140の背面部に形成されたレンチ挿入孔146に差し入れて、上記減速機構132の出力軸133の軸端に形成された係合部133aに係合させる。次いで、六角レンチを回転させることにより、減速機構132の平歯車132bを回転させて、コイルばね端支持歯車212を蓄力方向に回転させる。このとき、前記小型電動モーター131も僅かに回転することになる。このときの六角レンチの回転操作は手動で行うが、前記小型電動モーター131とコイルばね端支持歯車212との間には高減速機構132が介装されているため、前記小型電動モーター131の回転トルクは僅かであって操作に支障はない。
このレンチ操作時には、上述のように係脱部材122を起動プーリー221に係合させているため、同起動プーリー221とクランク軸11との間には力が全く伝達されない状態にある。その結果、レンチ操作はコイルばね211に十分な蓄力がなされるまで、安心して且つ専念して行うことができる。こうしてコイルばね211にエンジンを始動させるに十分な蓄力がなされると、六角レンチを平歯車132bの支軸端との係合を外してケース140の上記レンチ挿入孔146から抜き取り、押し釦149を押して係脱部材122を起動プーリー221のラチェット歯223から外す。このときコイルばね211にはエンジン10を始動させるに十分な蓄力がなされているため、前記係合を外した瞬間にエンジンは回転を開始する。
以上の説明からも明らかなように、本発明の電動式エンジン始動装置によると、バッテリーを装置外に配するとともに従来から公知のリコイル式駆動部を排除し、同時に合理的な作動部材の配置により、装置全体が極めて小型化される上に軽量化が実現でき、しかも従来の電動式エンジン始動装置と同様に、電動モーターが駆動できなくなった場合には、手動操作で手軽に且つ安全にエンジンを始動させることができる。更に、本発明にあってはエンジンにエンジン始動装置を搭載するときの電動モーターの配置を、エンジン始動装置を搭載したときのエンジン全体の重心位置を考慮して決めているため、始動装置付きエンジンの左右のバランスがよくなり、作業機などの操作中に手元が捩じられるような感触がなく、作業中の疲労感が少ない安定した操作が可能となる。
本発明の実施例1である電動式エンジン始動装置とエンジンとの組立時における分解図である。 同電動式エンジン始動装置の蓄力部、動力伝達部及び一部電動式駆動部を拡大して示す分解斜視図である。 係脱手段が前記動力伝達部に係合状態にあるときの背面側から見た正面図である。 係脱手段が前記動力伝達部に非係合状態にあるときの背面側から見た正面図である。 動力伝達部の駆動ホイールを前面側から見た斜視図である。 実施例1における変形例の要部を拡大して示す分解斜視図である。 本発明の実施例2である電動式エンジン始動装置とエンジンとの組立時における分解図である。 同電動式エンジン始動装置の蓄力部、動力伝達部及び一部電動式駆動部を拡大して示す分解斜視図である。 係脱手段が前記動力伝達部に係合状態にあるときの背面側から見た正面図である。 係脱手段が前記動力伝達部に非係合状態にあるときの背面側から見た正面図である。 動力伝達部の駆動ホイールを前面側から見た斜視図である。 実施例2における変形例の要部を拡大して示す分解斜視図である。
符号の説明
10 エンジン
11 クランク軸
12 係合爪
13 クランクケース
14 ボルト
15 マフラー
16 キャブレター
100 エンジン始動装置
110 蓄力部
111 ゼンマイばね
111a 外側端部
111b 内側端部
112 ゼンマイ香箱
112a 貫通孔
113 外周平歯車
114 ワンウェイクラッチ
115 ラチェット歯
116 ラチェット爪
117 ばね
118 平軸受
120 動力伝達部
121 起動プーリー
121a 軸部遊挿孔
121b ゼンマイばね端固定部
121b' 内側端固定溝
121c 係合突部
122 係脱部材
122a 先端
122b 一端
123 ラチェット歯
130 電動起動部
131 超小型電動モーター
132 高減速機構
132a 遊星歯車機構
132b 平歯車
132a−1〜132a−3 第1〜第3の内歯歯車
132a'-1 ,132a'-3 突条
133 出力軸
133a 係合部
134 電動部収容ケース
134a−1 嵌着溝
134a 円筒部本体
134b 底部
134c,134d 突条
135 固定フレーム
140 ケース
140a (エンジン側の)第1ケース体
140b (反エンジン側の)第2ケース体
141 窓部
142 電動部密嵌孔
143,147 ボルト挿通孔
144 ネジ孔
145 軸部
146 レンチ挿通孔
149 押し釦
149a ボール部分
150 捻りバネ
210 蓄力部
211 コイルばね
211a 一端部
211b 他端部
212 コイルばね一端支持歯車
212a 貫通孔
213 外周平歯車
214 ワンウェイクラッチ
215 ラチェット歯
216 ラチェット爪
217 ばね
218 平軸受
220 動力伝達部
221 起動プーリー
221a 軸部遊挿孔
221b コイルばね端固定部
221b' 係着部
222 係脱部材
222a 先端
222b 一端
223 ラチェット歯

Claims (9)

  1. バッテリーにより駆動される小型電動モーターと、該小型電動モーターの動力が高減速機構を介して蓄力方向に駆動伝達される蓄力部と、該蓄力部の蓄力をエンジンのクランク軸に伝達する動力伝達部とを備えたエンジン始動装置であって、
    前記バッテリーが装置外に配され、
    前記蓄力部が、ばねと同ばねの一端を支持する回転支持部材とを有し、同回転支持部材外周には第1歯車が形成され、
    前記高減速機構の出力軸には第2歯車が固設され、
    前記第1及び第2歯車が互いに噛合されてなり、
    前記蓄力部、前記動力伝達部及び前記クランク軸は同一の第1軸線上に配されるとともに、前記小型電動モーター及び前記高減速機構は前記第1軸線上と平行な同一の第2軸線上に配されてなり、
    前記小型電動モーターが配される第2軸線は、前記第1軸線より下方にあって、エンジン始動装置が搭載されたときのマフラー側やキャブレター側等の周辺機器を含むエンジン全体の重心と前記クランク軸の軸線とを通る直線上に配されてなる、
    ことを特徴とするエンジン始動装置。
  2. 前記高減速機構が遊星歯車式減速機構を有してなる請求項1記載のエンジン始動装置。
  3. 前記ばねがゼンマイばねであり、前記回転支持部材がゼンマイ香箱である請求項1又は2に記載のエンジン始動装置。
  4. 前記ばねがコイルばねであり、前記回転支持部材が歯車である請求項1又は2に記載のエンジン始動装置。
  5. 前記回転支持部材が一方向性の回転手段を有してなる請求項1〜4のいずれかに記載のエンジン始動装置。
  6. 前記第1及び第2歯車が平歯車である請求項1又は2に記載のエンジン始動装置。
  7. 前記高減速機構の出力軸側の軸線上にあって、同出力軸の軸端に脱脱でき同出力軸を手動にて回転操作可能な回転操作機構を有してなる請求項1又は2記載のエンジン始動装置。
  8. 前記蓄力部又は動力伝達部に配され、通常は前記蓄力部又は動力伝達部の蓄力解放方向の回転を許容するが、電動モーターの不作動時には前記蓄力解放方向の回転を阻止する回転阻止手段を有してなる請求項1又は7記載のエンジン始動装置。
  9. 前記動力伝達部が上記クランク軸と断接手段を介して連結される起動プーリーを有し、 上記回転阻止手段が、前記起動プーリーの外周に形成された複数のラチェット歯と、同ラチェット歯に係脱する係脱部材とを有してなる請求項8記載のエンジン始動装置。
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