JP2572600B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2572600B2
JP2572600B2 JP62136994A JP13699487A JP2572600B2 JP 2572600 B2 JP2572600 B2 JP 2572600B2 JP 62136994 A JP62136994 A JP 62136994A JP 13699487 A JP13699487 A JP 13699487A JP 2572600 B2 JP2572600 B2 JP 2572600B2
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    • G03G5/082Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic and not being incorporated in a bonding material, e.g. vacuum deposited
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は光導電性アモルファスシリコンカーバイド層
から成る電子写真感光体に関し、特に普通紙複写機搭載
用に適した電子写真感光体に関するものである。
〔従来の技術及びその問題点〕
近年、電子写真感光体の進歩は目覚ましく、感光体を
搭載する複写機やプリンタ等の開発に伴って感光体自体
にも種々の特性が要求されている。この要求に対してア
モルファスシリコン層が耐熱性、耐摩耗性、無公害性並
びに光感度特性等に優れているという理由から注目され
ている。
しかしながら、アモルファスシリコン(以下、a−Si
と略す)層は、それに何ら不純物元素をドーピングしな
いと約10-9(Ω・cm)-1の暗導電率しか得られず、これ
を電子写真感光体に用いる場合には10-12(Ω・cm)-1
以下の暗導電率にして電荷保持能力を高める必要があ
り、そのために酸素や窒素などの元素を微少量ドーピン
グして高抵抗化にし得るが、その反面、光導電性が低下
するという問題がある。また、ホウ素などを添加しても
高抵抗化が期待できるが、十分に満足し得るような暗導
電率が得られず、約10-11(Ω・cm)-1程度にすぎな
い。
一方、上記の如きドーピング剤の開発と共に、a−Si
光導電層に別の非光導電層を積層して成る積層型感光体
が提案されている。
例えば第2図はこの積層型感光体であり、基板(1)
の上にキャリア注入阻止層(2)、a−Si光導電層
(3)及び表面保護層(4)が順次積層されている。
この積層型感光体によれば、キャリア注入阻止層
(2)は基板(1)からのキャリアの注入を阻止するも
のであり、表面保護層(4)はa−Si光導電層(3)を
保護して耐湿性等を向上させるものであるが、両者の層
(2)及び(4)ともに感光体の暗導電率を小さくして
帯電能を高めることが目的であり、そのためにこれらの
層を光導電性にする必要はない。
このように従来周知のa−Si感光体は光キャリア発生
層をa−Si光導電層により形成させた点に大きな特徴が
あり、これによって耐熱性、耐久性並びに光感度特性な
どに優れた長所を有している反面、暗導電率が不十分で
あるためにドーピング剤を用いたり或いは積層型感光体
にすることで暗導電率を小さくしている。即ち、積層型
感光体に形成されるキャリア注入阻止層(2)及び表面
保護層(4)はa−Si光導電層自体が有する欠点を補完
するものであり、a−Si光導電層(3)と実質上区別し
得る層と言える。
また、上記積層型感光体においては長波長側の光感度
が高くなっており、そのためこの感光体をハロゲンラン
プ等の白色光を光源として用いた普通紙複写機(以下、
PCと略す)に搭載した場合、赤色付近の波長帯に対して
再現性に劣るという問題がある。そこで、このような問
題を解決するためにフィルタを用いて赤色波長光をカッ
トするようにしているが、これに伴って感光層に入射す
る光の強度が低下し、その結果感光対自体の光感度が見
かけ上低下する。
〔発明の目的〕
本発明者等は上記事情に鑑み、鋭意研究の結果、アモ
ルファスシリコンカーバイド(以下、a−SiCと略す)
から成る光導電層であれば容易に10-13(Ω・cm)-1
下の暗導電率に設定することができ、更に周期律表第II
I a族元素のドーピング分布を特定することによって光
感度を高め、PPC用の電子写真感光体と成り得ることを
見い出した。
従って本発明は上記知見に基づいて完成されたもので
あり、その目的は小さな暗導電率を有する光導電性a−
SiC層から成る電子写真感光体を提供することにある。
本発明の他の目的は短波長側の可視光に対する光感度
を高め、PPC用に適した電子写真感光体を提供すること
にある。
本発明の更に他の目的は光導電性a−SiC層の内部に
電荷保持機能をもたせ、これによって帯電能を高め且つ
残留電位を小さくした電子写真感光体を提供することに
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明によれば、基板上に光導電性a−SiC層を形成
した電子写真感光体にあって、前記a−SiC層は少なく
とも第1の層領域及び第2の層領域を具備し、第1の層
領域は第2の層領域より基板側に配置され、第2の層領
域は周期律表第III a族元素を1乃至500ppmの範囲内で
含有すると共に第1の層領域に比べて多く含み且つその
厚みが0.1乃至10μmの範囲内に設定されていることを
特徴とする電子写真感光体が提供される。
以下、本発明の詳細に説明する。
本発明の電子写真感光体によれば、薄膜生成手段によ
って基板上に光導電性a−SiC層が形成されており、こ
れによって10-13(Ω・cm)-1以下の暗導電率に設定で
き、更に周期律表第III a族元素(以下、III a族元素と
略す)を上述のようにドーピング分布すれば光感度が顕
著に高められることを特徴としており、第1図はその電
子写真感光体の層構成を示す。
即ち、第1図においては導電性基板(1)上に、例え
ばグロー放電分解法によって光導電性a−SiC層(5)
を形成しており、この層(5)の内部にはIII a族元素
の含有量によって基板側より順次第1の層領域(6)及
び第2の層領域(7)が形成される。
この光導電性a−SiC層(5)はカーボンとIII a族元
素を含有させることによって10-13(Ω・cm)-1以下の
暗導電率が得られ、その暗導電率は光導電率に比べて1/
1000以下と成り得る。
このa−SiC層が光導電性を有するようになった点に
ついては、アモルファス化したケイ素とカーボンを不可
欠な構成元素とし、更にそのダングリングボンドを終端
させるべく水素元素(H)やハロゲン元素を所要の範囲
内で含有させることによって光導電性が生じるものと考
えられる。本発明者等がカーボンの含有比率を幾通りに
も変えて光導電性の有無を確かめる実験を行ったとこ
ろ、Si元素に対するC元素の比率、即ちa−Si1-XCX
x値が0.01乃至0.5、好適には0.05乃至0.3になるように
カーボンを含有させるとよく、この範囲内に設定された
a−SiC層(5)であれば、暗導電率が小さくなると共
に光感度を高めることができる。
また、H元素やハロゲン元素などのダングリングボン
ド終端用元素の含有量は5乃至50原子%、好適には5乃
至40原子%、最適には10乃至30原子%がよく、通常H元
素が用いられる。このH元素はダングリングボンドの終
端部に取込まれ易いのでバンドキャップ中の局在準位密
度を低減化させ、これにより、優れた半導体特性が得ら
れる。
更に、このH元素の一部をハロゲン元素に置換しても
よく、これにより、a−SiC層の局在準位密度を下げて
光導電性及び耐熱性(温度特性)を高めることができ
る。その置換比率はダングリングボンド終端用全元素中
0.01乃至50原子%、好適には1乃至30原子%がよい。ま
た、このハロゲン元素にはF,C1,Br,I,At等があるが、就
中、Fを用いるとその大きな電気陰性度によって原子間
の結合が大きくなり、これによって熱的安定性に優れる
という点で望ましい。
また、III a族元素を含むa−SiC層を具備した感光体
を正極性又は負極性に帯電させて両者の帯電性能を比較
した場合、正極性で有利に帯電能を高めることができ
る。この点については、a−SiC層が正電荷を保持する
のに十分に高い抵抗率をもち、そして、基板からの負電
荷の注入を防ぐ効果にも優れ、更に正電荷に対する電荷
移動度が優れている等によると考えられる。
また、本発明者等が繰り返し行った実験によれば、光
導電性a−SiC層(5)にIII a族元素を含有させると、
その含有量が1ppmである場合に導電率が最も小さくなる
ことを見い出した。即ち、1ppm未満の微量ドーピングに
おいてはその含有量が増大するに伴って暗導電率が小さ
くなり、一方、1ppmを越えるドーピングにおいてはその
含有量が増大するに伴って暗導電率が大きくなるが、そ
の反面、光導電率も大きくなり、光感度も増大すること
を確認した。
更に本発明者等の実験において、上記光導電性a−Si
C層(5)は長波長光に対して導電率が低下傾向にあ
り、これに対して短波長光に対しては導電率が増大傾向
にあることを確認した。
本発明者等は上記知見に基づき第2の層領域(7)に
おいてそのIII a族元素含有量を所定の範囲内に設定す
れば600nm以下の短波長光に対して著しく大きな光感度
特性が得られることを見い出した。
このIII a族元素含有量はその層領域全体の平均値で
1乃至500ppm、好適には5乃至200ppm、最適には10乃至
100ppmの範囲内に設定するとよく、これが1ppm未満であ
れば600nm以下の短波長光の光感度を高めることが難し
くなり、500ppmを越えると暗導電率が大きくなり過ぎ、
そのために電荷保持ができなくなってコピー画像が不鮮
明になる。そして、第2の層領域(7)の内部における
III a族元素最大含有値は1000ppm以下、好適には400ppm
以下、最適には200ppm以下に設定するのがよい。
また第2の層領域(7)の厚みは0.1乃至10μm、好
適には0.5乃至5μmの範囲内に設定するのがよい。即
ち、この厚みが0.10μm未満の場合にはこの層領域にお
ける光吸収量が少なくなって短波長光の光感度が低下
し、これによって画像にカブリが生じ易くなり、一方、
10μmを越える場合には600nm以上の長波長光の吸収が
大きくなり、赤色光に対する感度が高くなり、その結
果、赤色系の原稿に対して忠実にコピーができなくなっ
て再現性に劣る。
このように第2の層領域(7)においては主として60
0nm以下の短波長光が吸収され、その光に対する光感度
を高めることができるが、この層領域(7)を透過した
主として600nm以上の長波長光は第1の層領域(6)に
より吸収される。即ち、第1の層領域(6)のIII a族
元素含有量は第2の層領域(7)に比べて少なくなって
おり、そのために長波長光に対する光感度を低下させる
ことができる。
また、第1の層領域(6)のIII a族元素含有量が比
較的少なくなると、その領域の暗導電率を小さくするこ
とができる。
このように第1の層領域(6)においては、長波長光
に対する光感度が低下傾向となり、更に暗導電率を小さ
くして帯電能を改善させると共に赤色再現性が向上し、
その結果、PPC用に適した感光体となる。このIII a族元
素含有量はその層領域全体の平均値で0乃至100ppm、好
適には0.1乃至10ppmの範囲内に設定するとよく、そし
て、第1の層領域(6)の内部におけるIII a族元素最
大含有値は200ppm以下、好適には20ppm以下に設定する
とよい。
以上のように本発明の電子写真感光体によれば、III
a族元素のドーピング分布によって光感度及び帯電能を
高め、残留電位を小さくすることができる。
また、各々の層領域にIII a族元素をドーピングする
に当たっては、そのドーピング分布は層厚方向に亘って
均一又は不均一のいずれでもよく、例えば第3図乃至第
8図に示すように種々のドーピング分布がある。
これらの図においては、横軸はa−SiC層(5)の層
厚方向であり、図中に表示した(6)及び(7)はそれ
ぞれ第1の層領域及び第2の層領域の層厚を表わしてお
り、また、aはa−SiC層(5)の基板(1)との界面
を示し、bはその層(5)の表面側の界面を示し、そし
て、縦軸はIII a族元素含有量を表わす。
これらのドーピング分布において、第5図乃至第7図
に示すように層厚方向に亘って含有量が変化する場合に
は、キャリアがトラップされないので残留電位を低減化
させることができる。そして、第7図及び第8図におい
ては基板側に高濃度に含有されており、これによって表
面電位を高めることができる。
上記III a族元素にはB,Al,Ga,In等があるが、就中、
Bが共有給合性に優れて半導体特性を敏感に変え得る点
で、その上、優れた帯電能及び光感度を有するという点
で望ましい。
本発明において、前記光導電性a−SiC層(5)の厚
みは5乃至100μm、好適には10乃至50μmの範囲内に
設定するのがよく、5μm未満であれば200V以上の表面
電位を得るのが難しくなり、一方、100μmを越えた場
合には画像分解能が劣り、画像流れが生じ易くなる。
また、第1の層領域(6)の厚みは3乃至50μm、好
適には5乃至30μmの範囲内に設定するのがよく、この
範囲内に設定された場合、その層領域の電荷保持能が高
まり、残留電位が小さくなるという点で、更にコロナ帯
電における放電によって膜自体が破壊されないという点
で望ましい。
更に第1の層領域(6)の厚みは第2の層領域(7)
の厚みに比べて大きくするのが望ましく、これにより、
第1の層領域(6)において電荷保持能が向上し、その
結果、表面電位が大きくなる。
また本発明においては、第1の層領域(6)のカーボ
ン含有量を第2の層領域(7)に比べて多くするのがよ
く、これにり、第1の層領域(6)の暗導電率を比較的
小さくすることができ、その結果、表面電位を高めるこ
とができる。その場合、第1の層領域(6)のカーボン
含有量はa−Si1-XCXにて表わすと0.05<X<0.5、好適
には0.05<x<0.3の範囲内に設定するのがよく、これ
に対し、第2の層領域(7)のカーボン含有量はa−Si
1-XCXにて表わすと0.01<X0.3、好適には0.01<x<0.2
の範囲内に設定するのが望ましい。
このようにカーボンをドーピングする場合、そのドー
ピング分布には、例えば第9図乃至第12図に示す通りで
ある。尚、図中、(a)(b)と(6)(7)は第3図
乃至第8図に示した符号と対応する。
これらのドーピング分布のなかで第10図乃至第12図に
示すようにカーボン含有量を層厚方向に亘って漸次変え
ると光キャリアがトラップされなくなり、その結果、表
面電位及び光感度を一層高め且つ残留電位が小さくな
る。
また、第1の層領域(6)には酸素や窒素の少なくと
も一種を含有させてもよく、これによってa−SiC層
(5)の基板(1)に対する密着性が向上する。
本発明においては、第13図乃至第15図に示すように2
層領域から成る光導電性a−SiC層に従来周知の表面保
護層(8)やキャリア注入阻止層(9)を積層してもよ
い。
この表面保護層(8)にはそれ自体高絶縁性、高耐蝕
性及び高硬度特性を有するものであるならば、種々の材
料を用いることができ、例えばポリイミド樹脂などの有
機材料、a−SiC,SiO2,SiO,Al2O3,SiC,Si3N4,a−Si,a−
Si:H,a−Si:F,a−SiC:H,a−SiC:Fなどの無機材料を用い
ることができる。
またキャリア注入阻止層(9)は上記表面保護層
(8)と同じ材料を用いることができ、これにより、基
板(1)からのキャリアの注入を阻止することができ、
その結果、表面電位を高めることができる。
次に本発明に係る電子写真感光体の製法を述べる。
a−SiC層を形成する方法にはグロー放電分解法、イ
オンプレーティング法、反応性スパッタリング法、真空
蒸着法、CVD法等の薄膜生成技術がある。
グロー放電分解法を用いてa−SiC層を形成する場合
にはケイ素(Si)含有ガスと炭素(C)含有ガスを組合
せ、その混合ガスをグロー放電分解する。
このSi含有ガスにはSiH4,Si2H6,Si3H8,SiF4,SiCl4,Si
HCl3等々があり、就中、SiH4やSi2H6はそれ自体Si元素
はH元素が結合しているために膜中にH元素が取り込ま
れ易く、これにより、膜中のダングリングボンドが低減
して光導電性を向上させる点で望ましい。
またC含有ガスにはCH4,C2H4,C2H2,C3H8等々があり、
就中、C2H2は高速成膜性が得られる点で望ましい。
本発明者等が行った実験によれば、SiH4ガスとC2H2
スを組合わせて成る成膜用ガスをグロー放電分解した場
合、5乃板20μm/時の成膜速度が得られた。因にSiH4
スとCH4ガスを用いてa−SiC膜を生成した場合、その成
膜速度は約0.3乃至1μm/時である。
更に本発明に係る製法によれば、C2H2ガスとSi含有ガ
スをグロー放電分解領域に導入するに当たって、このガ
ス組成比を0.01:1乃至3:1の範囲内に、好適には0.05:1
乃至1:1、最適には0.05:1乃至0.3:1の範囲内に設定すれ
ばよく、0.01:1の比率から外れた場合には暗導電率が10
-11(Ω・cm)-1以上となって電荷保持力が十分でな
く、大きな帯電電位を得ることが出来なくなり、3:1の
比率から外れた場合には膜中にダングリングボンドが増
加して暗導電率が10-11(Ω・cm)-1以上となる。
本発明に係る製造によれば、上述したようにa−SiC
層を生成するに当たって、グロー放電用の高周波電力、
反応室内部のガス圧並びに基板温度を次の通りに設定す
るのがよい。
即ち、高周波電力は0.05乃至0.5W/cm2の範囲内に設定
すればよく、0.05W/cm2未満であると成膜速度が小さく
なり、0.5W/cm2を越えるとプラズマダメージによって膜
質が低下してキャリア移動度が小さくなる。また、ガス
圧は0.1乃至2.0Torrの範囲内に設定すればよく、0.1Tor
r未満であると成膜速度が小さくなり、2.0Torrを越える
と放電が不安定となる。更に基板温度はa−Si膜の成膜
形成に比べて30乃板80℃位高くするのがよく、望ましく
は200乃至400℃の範囲内がよく、この基板温度が200℃
未満であればSi元素とC元素のネットワーク化が阻害さ
れ、400℃を越えるとH元素の脱離が著しくなって暗導
電率が大きくなる。
次に本発明の実施例に用いられる容量結合型グロー放
電分解装置を第16図により説明する。
図中、第1,第2,第3,第4,第5タンク(10)(11)(1
2)(13)(14)には、それぞれSiH4,C2H2,B2H6(H2
ス希釈で0.2%含有)、B2H6(H2ガス希釈で20ppm含
有)、H2ガスが密封されており、H2はキャリアガスとし
ても用いられる。これらのガスはそれに対応する第1,第
2,第3,第4,第5調整弁(15)(16)(17)(18)(19)
を開放することにより放出され、その流量がマスフロー
コントローラ(20)(21)(22)(23)(24)によりコ
ントロールされ、それぞれのタンクからの放出ガスは主
管(25)へ送られる。尚、(26)は止め弁であり。主管
(25)を通じて流れるガスは反応管(27)へと送り込ま
れるが、この反応管(27)の内部には容量結合型放電用
電極板(28)が設置されており、それに印加される高周
波電力は50W乃至3kWが、また周波数は1MHz乃至MHzが適
当である。反応管(27)の内部には、アルミニウムから
成る筒状の成膜基板(29)が試料保持台(30)の上に載
置されており、この保持台(30)はモーター(31)によ
り回転駆動されるようになっており、そして、基板(3
0)は適当な加熱手段により約200乃至400℃、好適には
約200乃至350℃の温度に均一加熱される。更に反応管
(30)の内部は成膜中高真空状態(放電時のガス圧0.1
乃至2.0Torr)を必要とし、そのために真空引き用の回
転ポンプ(32)と拡散ポンプ(33)が接続されている。
以上のように構成されたグロー放電分解装置におい
て、例えばB元素を含むa−SiC膜を基板(29)の上に
形成する場合、第1,第2,第3,第5調整弁(15)(16)
(17)(19)を開いて、それぞれよりSiH4,C2H2,B2H6,H
2ガスを放出し、その放出に当たって放出量はマスフロ
ーコントローラ(20)(21)(22)(24)によりコント
ロールされ、これらのガスは混合され、主管(25)を介
して反応管(27)へと流し込まれる。そして、反応管
(27)の内部が0.1乃至2.0Torr程度の真空状態、基板温
度が200乃至400℃、放電用電極板(28)の印加電力が50
W乃至3kW、その周波数が1MHz乃至50MHzに設定され、グ
ロー放電によってガスが分解されるとa−SiC膜が基板
上に高速で形成される。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を詳細に説明する。
(例1) 第16図にグロー放電分解装置において、SiH4ガスを30
0sccmの流量で、C2H2ガスを15sccmの流量で、H2ガスを4
50sccmの流量で反応室へ導入し、更にB2H6ガスを所要な
流量で放出し、そして、ガス圧を0.45Torrに、高周波電
力を250Wに設定し、グロー放電によってa−SiC膜(膜
厚約1μm)を形成した。
このa−SiC膜のカーボン量をESCA分析により求めた
ところ、a−Si1-XCXのx値表示にてx=0.09となっ
た。
そして、このa−SiC膜の光導電率及び暗導電率を測
定したところ、第17図に示す通りの結果が得られた。
図中、横軸は膜中のホウ素(B)ドーピング量であ
り、縦軸は導電率を表わし、◎印は発光波長550nmに対
する光導電率のプロット、○印は発光波長750nmに対す
る光導電率のプロットであり、●印は暗導電率のプロッ
トであり、また、c,d及びeはそれぞれの特性曲線であ
る。
第17図より明らかな通り、B元素含有量が1ppmである
場合に導電率が最も小さくなることが判る。
(例2) 本例においては、(例1)のなかでSiH4ガスを300scc
mの流量で、C2H2ガスを30sccmの流量で、H2ガスを450sc
cmの流量で反応室へ導入し、それ以外の成膜条件を(例
1)と同じに設定し、これにより、カーボン量を多く含
有したa−SiC膜(膜厚約1μm)を製作し、その導電
率を求めたところ、第18図に示す通りの結果が得られ
た。尚、このa−SiC膜のカーボン量はa−Si1-XCXのx
値表示にてx=0.20であった。
図中、横軸は膜中のBドーピング量であり、縦軸は導
電率を表わし、◎印は発光波長550nmに対する光導電率
のプロット、○印は発光波長750nmに対する光導電率の
プロットであり、●印は暗導電率のプロットであり、ま
たf,g及びhはそれぞれの特性曲線である。
第18図より明らかな通り、(例1)と同様な傾向を示
す結果が得られた。また、(例1)に比べて光導電率及
び暗導電率が減少しており、このことは光感度が低下し
ていることを表わす。
(例3) 次に本例においては、第16図のグロー放電分解装置を
用いて第1表に示す製作条件により第1の層領域及び第
2の層領域を順次形成し、第1図に示すような積層型感
光体ドラムを製作した。
この感光体ドラムにおける各層領域のカーボン量をES
CA分析により、そのB含有量を二次イオン質量分析計に
より求められたところ、第2表に示す通りの結果が得ら
れた。
このような感光体ドラムの電子写真特性を測定したと
ころ、下記の通りの結果が得られた。これらの値はハロ
ゲンランプを投光源として用い、赤色カットフィルタを
用いないで測定しており、更にコロナチャージャで+5.
6kVの電圧を印加して正帯電させた場合の値である。
表面電位・・・+600V 感光度(記録露光量)・・・0.681ux.Sec 残留電位(露光開始5秒後の値)・・・25V また、この感光体ドラムを高速PPCに搭載し、黒と赤
の着色部をもつ原稿を50枚/分の速度にて複写したとこ
ろ、その黒色部及び赤色部共に忠実なる再現性が得られ
るのを確認した。
(例4) 本例においては、(例3)にて得た感光体ドラムのな
かで第2の領域のB含有量及び厚みを第3表に示す通り
に変え、それ以外の製作条件を同じにし、これによって
感光体A乃至Mを製作した。
これらの感光体ドラムを高速PPCに搭載し、その画像
コピーを画像のカブリ、画像流れ及び赤色再現性にてそ
れぞれの評価を行ったところ、第3表に示す通りの結果
が得られた。
第3表中の画像評価はそれぞれ◎印、○印及び×印の
3通りに区別した。
画像のカブリのついては、◎印は原稿白地部分をコピ
ーしてもガブリが全くなく、優れた画質が得られた場合
であり、○印はその白地部分に対してカブリが若千認め
られたが、それが実用上何等支障がない場合であり、×
印はカブリが顕著となり、複写機の光量を最大レベルに
まで高くしてもそれがなくならず、実用不可である場合
を示す。
画像流れについては、◎印は露光量を適正値より2倍
にまで高めてもテストチャートの指定文字に全く画像流
れが生じなかった場合であり、○印は適正露光量であれ
ばテストチャートの指定文字に画像流れが生じなかった
が、露光量をその2倍に設定すると指定文字に画像流れ
が生じた場合であり、×印は適正露光量によって指定文
字に画像流れが生じた場合を示す。
赤色再現性については、◎印はカラーチャートの赤色
部を複写するとその部分の濃度が画像濃度計にて1.2を
越える場合であり、○印は上記濃度が0.5乃至1.2であ
り、その濃度が若千低いが読み取り可能である場合を示
し、×印は上記濃度が0.5未満となり、赤色部の読み取
りが十分でなくて実用上支障がある場合を示す。
第3表より明らかな通り、本発明の感光体B乃至G並
びに感光体J乃至Lは画像カブリ及び画像流れがなく、
赤色再現性に優れていることが判る。
然るに感光体A及びHにおいてはB含有量が本発明の
範囲外であるために、そして、感光体I及びMは厚みが
本発明の範囲外であるために良質な画像が得られなかっ
た。
また本実施例においては、上記積層型感光体以外に第
13図乃至第15図に示すような積層型感光体であっても同
様な結果が得られることを確認した。
〔発明の効果〕
以上の通り、本発明の電子写真感光体によれば、短波
長光の光感度を高めることができ、それによって赤色再
現性に優れると共に画像カブリ及び画像流れが改善され
た高性能な電子写真感光体が提供できる。
更に本発明によれば、PPC用搭載型に適した電子写真
感光体が提供できる。
また本発明の電子写真感光体によれば、全層に亘って
光導電性を有するa−SiCが低い暗導電率となり、且光
感度特性にも優れており、これにより、実質上表面保護
層及びキャリア注入阻止層を不要とすることができ、そ
の結果、光導電性a−SiC層から成る電子写真感光体が
提供できる。
更に本発明の電子写真感光体によれば、層厚方向に亘
ってカーボン及びIII a族元素の含有量を変えることに
よって表面電位を高め且つ光感度を向上させることがで
き、更に残留電位を小さくすることができる。特にカー
ボン含有量を層厚方向に亘って変えると所要通りの抵抗
率に設定することができ、その結果、一層高性能な電子
写真感光体が提供できる。
また本発明によれば、正極性に有利に帯電させること
ができる正極性用電子写真感光体が提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明電子写真感光体の層構成を示す説明図、
第2図は従来の電子写真感光体の層構成を示す説明図,
第3図、第4図、第5図、第6図、第7図及び第8図は
各層領域における周期律表第III a族元素含有分布を示
す線図、第9図、第10図、第11図及び第12図は各層領域
におけるカーボン含有分布を示す線図、第13図、第14図
及び第15図は本発明電子写真感光体の他の層構成を示す
説明図、第16図はグロー放電分解装置の説明図、第17図
及び第18図は光導電性アモルファスシリコンカーバイド
層の導電率を示す線図である。 1……導電性基板 5……光導電性アモルファスシリコンカーバイド層 6……第1の層領域 7……第2の層領域 4、8……表面保護層 2、9……キャリア注入阻止層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 浩 八日市市蛇溝町長谷野1166番地の6 京 セラ株式会社滋賀八日市工場内 (72)発明者 竹村 仁志 八日市市蛇溝町長谷野1166番地の6 京 セラ株式会社滋賀八日市工場内 (72)発明者 石櫃 鴻吉 八日市市蛇溝町長谷野1166番地の6 京 セラ株式会社滋賀八日市工場内 (56)参考文献 特開 昭61−100759(JP,A) 特開 昭59−184358(JP,A) 特開 昭58−21256(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に光導電性アモルファスシリコンカ
    ーバイド層を形成した電子写真感光体であって、前記ア
    モルファスシリコンカーバイド層は少なくとも第1の層
    領域及び第2の層領域を具備し、第1の層領域は第2の
    層領域より基板側に配置され、第2の層領域は周期律表
    第III a族元素を1乃至500ppmの範囲内で含有すると共
    に第1の層領域に比べて多く含み且つその厚みが0.1乃
    至10μmの範囲内に設定されていることを特徴とする電
    子写真感光体。
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