JP2569332B2 - 離型油 - Google Patents

離型油

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は製菓、製パン用の離型油に関する。
〔従来の技術〕
従来より、製菓、製パン用に使用されている離型油は
液状、固型状またはO/Wエマルジヨン型等があり、製品
の配合組成および天板や焼型の材質等の特徴に応じて適
宜使用されている。
一般の液状離型油は、例えば特公昭51-16935号公報に
開示されているように、大豆油、ナタネ油、コーン油、
綿実油等の液状油にワツクスを溶解し、さらにこのとき
分散剤として、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル
(モノグリセリン脂肪酸エステル)、グリセリン脂肪酸
エステル(ポリグリセリン脂肪酸エステル)、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、シヨ糖脂肪酸エステル等
を使用している。
また固型状離型油には豚脂、牛脂、パーム油、食用硬
化油等を使用しており、このとき液状離型油に使用した
分散剤等が使用されている。
また、上記の配合系中においてデンプンやガム質等の
固型物粉体を油脂中に分散させ離型力を向上させたもの
も開示されている(特公昭49-21074号公報)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、近年洋菓子が高級化するに伴い糖分や卵の使
用量が多くなり、高い離型性が強く要求されるようにな
り、従来の離型油では十分満足できる性能が得られなく
なつてきた。
例えば油脂中に不溶性のデンプンやガム質のような固
型物粉体を分散させた離型油は、繰り返えしオーブン中
にて焼かれるために上記の固型物粉体が炭化し、製品に
付着して悪い影響を与える。
また工程中のスプレー装置の周囲にはこれらが堆積し
て細菌的な面からも衛生上からも好ましくない。
そこで本発明は、パンはもとより、従来より離型性の
悪い卵や糖分が多く配合された洋菓子類の焼成時にも焼
型への生地の付着がなく、極めて高い離型性が発揮さ
れ、かつ衛生面にも優れた離型油を提供することを目的
とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者は、上記問題点を解決するため鋭意研究を重
ねた結果、食用油脂にレシチンをホスホリパーゼで酵素
処理してなる酵素処理レシチンと、さらに分散剤として
重合度3〜10のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エス
テル及び/またはHLB3〜8のポリグリセリン脂肪酸エス
テルとを配合すれば高い離型性を持つ離型油が得られる
との知見を得て本発明を完成した。
本発明に用いる食用油脂は、常温にて液状の食用油脂
として、例えば大豆油、ナタネ油、コーン油、綿実油、
米ヌカ油、サフラワー油、ヒマワリ油等が挙げられる。
また常温では固形状の食用油脂としては、例えば前述
の液状の食用油脂を常法によつて水素添加して得られる
硬化油、パーム油、豚脂、牛脂等が挙げられる。
また使用に当ってはこれらの液状、あるいは固形状の
食用油脂の1種あるいは2種以上の混合物を用いること
ができる。
本発明に用いる酵素処理レシチンはレシチンをホスホ
リパーゼで酵素処理することによって得られ、ホスホリ
パーゼで酵素処理することによって、レシチンのジアシ
ルグリセロリン脂質のβ位のエステル結合が加水分解さ
れ、α−モノアシルグリセロリン脂質(リゾリン脂質)
が生成する。
生成したリゾリン脂質はもとのリン脂質に比べかなり
親水性が増し性質が変化するため、これを食用油脂及び
前記分散剤と組合せることにより、これらの相乗効果で
高い離型力を発揮できる。
酵素処理レシチンの反応の進行度は、機能面より考え
ると、全リン脂質に対するリゾリン脂質のモル比で40%
以上が望ましい。
これらの酵素処理の方法は、大豆レシチンの15%(W/
W)水分散液100mlに塩化カルシウムを20mMになるように
加えた後、ホスホリパーゼAを300mg(1260U)添加して
pH9.0、55℃で1〜13時間処理する。
本発明において、ホスホリパーゼによる酵素処理レシ
チンの食用油脂への添加量は、1〜20重量%、好ましく
は3〜15重量%である。
1重量%未満では離型効果が充分発揮出来ず、また20
重量%を超えて添加してもさほど効果は向上しない。
さらに、分散剤として、重合度3〜10のポリグリセリ
ン縮合リシノレイン酸エステルまたはHLB3〜8のポリグ
リセリン脂肪酸エステル、またはこれらの混合物を配合
する。
この添加量は、食用油脂に対して1〜10重量%、好ま
しくは1〜8重量%である。
1重量%未満では離型効果が充分発揮出来ず、また10
重量%を超えて添加してもさほど効果は向上しない。
これは酵素処理によつて、レシチン中の脂質が加水分
解されるので、脂質は親水性が高くなり食用油脂に均一
に分散しなくなるためである。
そこで、重合度3〜10のポリグリセリン縮合リシノレ
イン酸エステル及び/またはHLB3〜8のポリグリセリン
脂肪酸エステルを1〜10重量%配合することによりこれ
が解決される。
また、本発明においては、その他の分散剤として、ワ
ツクス、グリセリン脂肪酸エステル(モノグリセリ
ド)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(前記の分散剤以
外)、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタ
ン脂肪酸エステル等を添加することによって更に離型効
果を高めることが出来る。
これらその他の分散剤の添加量は、前記分散剤の添加
量1〜10重量%の内に含まれる。
本発明に使用するワツクスとは、米ヌカ油、ナタネ油
等に含まれる植物性ワツクス又は蜜ロウ等の動物性ワツ
クスが挙げられる。
本発明の離型油を製造するにあたつては、食用油脂と
酵素処理レシチン、分散剤を配合し、70〜80℃の温度に
加熱し、完全に溶解する。
その後、結晶化する配合の離型油の場合は10〜30℃の
温度に急冷練り合わせを行なつて結晶を微細化すること
により伸展性、つや、分離防止性を賦与することも出来
る。
〔発明の効果〕
本発明の離型油は、酵素処理レシチンと分散剤として
の重合度3〜10のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エ
ステル及び/またはHLB3〜8のポリグリセリン脂肪酸エ
ステル、さらに必要に応じて配合したワツクス等の他の
分散剤の相乗効果が優れた離型性を発揮し、パンはもと
より、従来より離型性の悪い卵や糖分が多く配合された
洋菓子類の焼成時にも焼型への生地の付着がなく、きわ
めて高い離型性が発揮できる。
また焼型への親和性、塗布性も良好であり、スプレー
使用を目的としている液状離型油に利用しても、デンプ
ン等の油脂不溶性の固形物を含んでいないため、繰り返
えしオーブン中にて焼かれても、デンプン等の粉体が炭
化し、製品に付着して悪い影響を与えることがなく、工
程中の周囲も固型物が堆積することなく清潔に保たれ、
衛生面にも優れている。
〔実施例および比較例〕
以下、本発明を実施例および比較例により説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお例中の%は、特記しない限り重量%を示す。
実施例1 第1表に示す配合組成に示すように、食用油脂として
コーン油に、ホスホリパーゼによる酵素処理レシチンと
して、協和発酵工業(株)製、商品名:エルマイザーA
[α−モノアシルグリセロリン脂質(リゾリン脂質)81
モル%]を5重量%、さらに分散剤のポリグリセリン脂
肪酸エステルとして、阪本薬品工業(株)製のヘキサグ
リセリンペンタステアリン酸エステル5重量%を配合
し、60℃に加熱溶解し急冷捏和して離型油を調製した。
次に下記に示す配合のケーキを焼成し離型状態を観察
した。
(ケーキの配合および調製法) 卵 1800g 砂糖 1200g マーガリン 200g 水 100g 砂糖をフルイに通した後、上記のとおり配合したもの
をミキサーボールに入れ、ホイツパーにて高速で7〜8
分間ミキシングし、下記の式で示す生地比重を0.35〜0.
40にした。
その後あらかじめ計量した後フルイを通した薄力粉10
00gとベーキングパウダー20gを加え低速にて30秒、高速
にて30秒間ミキシングし、生地を調製した。
次にこの生地を、前記にて調製した離型油を塗布した
幅5cm、深さ5cm、長さ10cmの楕円型の焼型(スナツクケ
ーキ型と称する)に入れて150〜160℃のオーブンにて7
〜10分間焼成し、その後焼型よりの離型状態を観察し
た。
その結果を第1表に示す。
実施例2〜10、比較例1〜6 実施例1に準じて、第1表及び第2表に示す配合割合
で離型油を調製し、実施例1に準じて離型状態を観察
し、その結果を第1表及び第2表に示す。
なお、実施例10に用いた、酵素処理レシチンは、ホス
ホリパーゼAによる反応の進行度が40%のリゾリン脂質
である。さらに、分散剤としてのポリグリセリン縮合リ
シノレイン酸エステルは、阪本薬品工業(株)製のもの
を使用した。
第1表及び第2表の結果より、本発明の離型油は離型
性が優れていることが明らかである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】食用油脂にレシチンをホスホリパーゼで酵
    素処理してなる酵素処理レシチン1〜20重量%と、さら
    に分散剤として重合度3〜10のポリグリセリン縮合リシ
    ノレイン酸エステル及び/またはHLB3〜8のポリグリセ
    リン脂肪酸エステル1〜10重合%とを配合してなる離型
    油。
  2. 【請求項2】分散剤としてさらにワツクスを配合するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の離型油。
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