JP2565475Y2 - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JP2565475Y2
JP2565475Y2 JP1991092604U JP9260491U JP2565475Y2 JP 2565475 Y2 JP2565475 Y2 JP 2565475Y2 JP 1991092604 U JP1991092604 U JP 1991092604U JP 9260491 U JP9260491 U JP 9260491U JP 2565475 Y2 JP2565475 Y2 JP 2565475Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、インバータ装置に係
り、特に、パルストランスにより昇圧したPWM信号に
よってブリッジ型インバータ回路をスイッチング制御す
るインバータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯用の交流電源装置には、出力
周波数を安定化させるためにインバータ装置を使用する
ことが多くなってきており、例えばエンジンで駆動され
る交流発電機によって商用周波数の交流電力を出力する
携帯用電源装置においては、エンジンを回転数の高い領
域にて運転させて発電機から高出力の交流電流を得、こ
の交流電流を一旦直流に変換した後、インバータ装置に
より商用周波数の交流に変換して出力するようにした装
置が、実開昭59−132398号公報等によって知ら
れている。
【0003】ところで、このような交流電源装置におい
て、その使用用途によっては出力波形をできるだけ正弦
波に近似したものにしたいという要請があり、この要請
に応えるべく上記インバータ装置にパルス幅変調(PW
M)方式を採用した交流電源装置も検討され始めている
(特開昭60−82098号公報)。
【0004】このような交流電源装置においてFETか
ら成るブリッジ回路等でインバータ装置を構成する場合
は、各FETのソース電位が同一でなくなるため、ゲー
ト・ソース間電圧であるゲート信号を付加するに際し、
パルストランス等を利用してゲート信号を電源電圧から
絶縁した形で伝達することが行われている。
【0005】このようなパルストランスでは、PWM変
調した信号を昇圧して伝達するためには、一次側巻線の
巻数よりも二次側巻線の巻数を多くしなければならな
い。また、このときの一次側巻線の径と二次側巻線の径
とを設定するにあたっては、このパルストランスの機能
としては単なる信号伝達で十分であるため、一次側巻線
の径と二次側巻線の径とは略同一でよい。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、パルス
トランスの一次側巻線と二次側巻線を同一径(例えば、
直径0.26mm)として、図3に示すように、ボビン
T1の外周に、二次側巻線T2,一次側巻線T3,二次
側巻線T4の順に、絶縁テープT5を各巻線間に挟みな
がら、重ねて巻装した場合は、昇圧のために一次側巻線
の巻数(例えば、15回)よりも二次側巻線の巻数(例
えば、往復50回)を多くしなければならず、同図に示
すように、一次側巻線T3はボビンT1の中程で必用巻
数を終了してしまう。このため、一次側巻線部に空隙が
生じ、このため二次側巻線T2,T4に一次側巻線T3
に支配されない磁路が生じてしまう。したがって、一次
側と二次側との結合インピーダンスが増大し、信号の伝
達に波形の歪等の不都合が生じる。
【0007】また、図4のように、ボビンT1を絶縁テ
ープT5により縦方向に分割し、二次側巻線T2,T4
で一次側巻線T3を縦方向に挟み込むような構成にして
も、一次側と二次側の結合インピーダンスは大きく、外
乱の影響も受け易い。
【0008】本考案は、従来のインバータ装置のこのよ
うな不都合な点を解消するためになされたものであり、
一次側と二次側の結合インピーダンスが小さく、波形歪
等がなく安定した信号伝達のできるように工夫したイン
バータ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本考案のインバータ装置
は、上述した課題を解決するために、直流電源回路と、
該直流電源回路の出力をスイッチング制御するブリッジ
型インバータ回路と、所定周波数の正弦波基準信号をパ
ルス幅変調してPWM信号を出力するパルス幅変調回路
と、該パルス幅変調回路から出力されるPWM信号を前
記ブリッジ型インバータ回路の前記スイッチング動作の
制御信号として昇圧して伝達するパルストランスとを備
えたインバータ装置において、前記パルストランスは、
前記パルス幅変調回路側を一次側、前記ブリッジ型イン
バータ回路側を二次側とし、一次側巻線の線径を二次側
巻線の線径より太くしてボビンの外周への巻幅を大きく
することによって、前記ボビンの外周に、二次側、一次
側、二次側の順にそれぞれの層が均一にかつ巻幅が略等
しくなるように重ねて巻装して成ることを特徴とする。
【0010】
【作用】本考案のインバータ装置においては、パルスト
ランスの一次側巻線の線径を二次側巻線の線径より太く
してボビンの外周への巻幅を大きくすることによって、
二次側、一次側、二次側の順にそれぞれの層が均一にか
つ巻幅が略等しくなるように重ねてボビンの外周に巻装
したので、一次側巻線と二次側巻線の接触面積が大き
く、二次側巻線に一次側巻線に支配されない磁路が存在
しない。このことにより、一次側と二次側の結合インピ
ーダンスは小さくなり、その結果波形歪等の発生しない
安定した信号伝達が可能となる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照しながら本考案の一実施例
を説明する。
【0012】図1は、本考案のインバータ装置の一実施
例に用いられるパルストランスの半分を示す断面図であ
り、図2は、図1のパルストランスのコイルの接続関係
を示す図である。
【0013】図1において、このパルストランスは、ボ
ビンT1の外周に二次側巻線T2、一次側巻線T3、二
次側巻線T4の順にコイルが重ねて巻装されている。一
次側巻線T3の線径は直径0.5mm、二次側巻線T
2,T4の線径は直径0.26mmである。また、一次
側巻線T3はボビンの周囲に15回巻回されており、二
次側巻線T2,T4は、それぞれ往復して50回巻回さ
れている。このように巻回する事により一次側巻線T3
と二次側巻線T2,T4の巻装後のボビンT1の高さ方
向の巻幅が略等しくなっている。さらに、図2に示すよ
うに、二次側巻線T2,T4はそれぞれ独立した閉回路
を形成する。
【0014】図5及び図6は、本実施例のインバータ装
置を使用した携帯用交流電源装置のの全体的構成を示す
回路図である。
【0015】図5において、1,2はそれぞれ交流発電
機の固定子に独立して巻装された出力巻線であり、1は
三相出力巻線、2は単相出力巻線である。また、回転子
(図示せず)には多極の永久磁石の磁極が形成されてお
り、エンジン(図示せず)によって回転駆動されるよう
に構成されている。三相出力巻線1の出力端は3つのサ
イリスタと3つのダイオードとで構成されるブリッジ整
流回路3に接続され、ブリッジ整流回路3の出力端は平
滑回路4に接続される。そしてこのブリッジ整流回路3
と平滑回路4とで直流電源回路が構成されている。
【0016】単相補助巻線2の出力端は、正負両極出力
端子E,Fを有する定電圧供給装置5に接続される。定
電圧供給装置5は2組の整流回路、平滑回路、定電圧回
路5aから成り、単相補助巻線2からの一の方向の電流
に対しては一方の組の各回路が働き、反対の方向の電流
に対しては他方の組の各回路が働き、これによって出力
端子E,Fにそれぞれ正負の定電圧が出力される。
【0017】6はサイリスタ制御回路であり、電源入力
側の一端が定電圧供給装置5の正極出力端子Eに接続さ
れ、他端が平滑回路4の正極側端子とともに接地され
る。サイリスタ制御回路6の信号入力端は平滑回路4の
負極側端子に、信号出力端はブリッジ整流回路3の各サ
イリスタのゲート入力回路に接続される。
【0018】したがって、三相出力巻線1から出力され
た三相交流電力はブリッジ整流回路3で整流され、続く
平滑回路4で平滑されて直流電力に変換されると共に、
平滑回路4での直流電圧の変動がサイリスタ制御回路6
で検出され、その検出信号に基づいてブリッジ整流回路
3の各サイリスタの導通を制御することにより平滑回路
4の出力電圧が安定に維持されるようなフィードバック
制御が行われている。
【0019】以上のサイリスタ制御回路による制御動作
に関する詳細な説明は、本出願人による特願平1−23
0908号及び実願平1−85360号に開示されてい
るのでここでは省略する。
【0020】次にインバータ装置について説明する。
【0021】平滑回路4の出力端はインバータ7に接続
される。インバータ7は、スイッチング装置である4つ
のFET(電界効果トランジスタ)Q1〜Q4から成る
ブリッジ回路で構成される。FETQ1〜Q4の各ゲー
ト端子に接続される駆動信号回路に関しては後述する。
【0022】インバータ7の出力端(FETQ1,Q4
の接続点及びFETQ2,Q3の接続点)は出力回路で
あるローパスフィルタ8を介して負荷(図示せず)が接
続される出力端子9,9’に接続される。ローパスフィ
ルタ8は、負荷に対してコイルL1,L2が直列になる
ように、コンデンサC1が並列になるように接続され、
インバータ7の出力のうちの低周波分(本実施例では商
用周波数)の交流電流を通過させることにより、出力端
子9,9’から負荷へ商用周波数の電力を供給するよう
に構成されている。
【0023】ローパスフィルタ8のコンデンサC1の両
端Gは、それぞれ図6に示した抵抗R1,R2の直列回
路及び抵抗R3,R4の直列回路の各一端に接続され
る。一方これら抵抗直列回路の各他端は定電圧供給装置
5の正極出力端子Eに接続される。抵抗R1,R2の接
続点及び抵抗R3,R4の接続点はそれぞれ抵抗R1
0,R11を介して差動アンプ101のプラス側入力端
子及びマイナス側入力端子に接続されるとともに、上記
2つの接続点間には高周波成分カット用のコンデンサC
2が接続される。差動アンプ101を構成するオペアン
プのプラス側入力端子は高周波成分カット用のコンデン
サC3を介して接地される。
【0024】102は商用周波数、例えば50Hzまた
は60Hzの正弦波を発生する正弦波発振器である。こ
の正弦波発振器102の出力及び差動アンプ101の出
力はそれぞれ差動アンプ103のマイナス側入力端子及
びプラス側入力端子に接続される。
【0025】104は矩形波発振器であり、この矩形波
発振器104で発振される矩形波の周期は、後述のイン
バータバッファ106の応答時間、約50nsecより
大きい値に設定する。この値は従来のコンパレータの応
答時間、約1μsecに比べ格段に速いものであり、し
たがって当該矩形波の周波数は従来のPWM搬送波(三
角波)の周波数よりも格段に高く設定することができ
る。
【0026】矩形波発振器104の出力端は積分回路1
05に接続される。積分回路105の出力端と差動アン
プ103の出力端とは互いに接続されて重畳信号形成回
路を構成し、インバータバッファ106に接続される。
インバータバッファ106は所定のしきい値(スレッシ
ュホルドレベル)を有し、当該しきい値を超えたレベル
の信号が入力したときは低レベルの信号を出力し、一方
当該しきい値以下のレベルの信号が入力したときは高レ
ベルの信号を出力するものであり、ゲート端子からの入
力信号に対し固定されたしきい値を有する、例えばC−
MOSゲートのスレッシュホルドレベルを有するバッフ
ァ用のICで構成する。
【0027】インバータバッファ106の出力端子はN
AND回路107の一方の入力端に接続される。
【0028】矩形波発振器104の出力端は、さらにイ
ンバータバッファ108を介して微分回路110に、及
び2連のインバータバッファ109を介して微分回路1
11にそれぞれ接続される。微分回路110は、入力端
と出力端との間に設けたカップリング用のコンデンサC
4と、このコンデンサC4の出力端と定電圧供給装置5
の負極出力端子Fとの間に設けた、ダイオードD1(ア
ノードを負極出力端子F側に向けた)と抵抗R5との並
列回路から構成される。なお、微分回路111も微分回
路110とまったく同様に配置されたカップリング用の
コンデンサC5、ダイオードD2、抵抗R6とから構成
されている。
【0029】微分回路110の出力端はインバータバッ
ファ112を経てNAND回路107の他方の入力端に
接続される。NAND回路107の出力端はNAND回
路114の一方の入力端に接続される。微分回路111
の出力端はインバータバッファ113を経てNAND回
路114の他方の入力端に接続される。
【0030】NAND回路114の出力端は2連のイン
バータバッファ115を経て、トランジスタQ5,Q6
から成るプッシュプル増幅器116に接続される。プッ
シュプル増幅器116のトランジスタQ5のコレクタは
定電圧供給装置5の正極出力端子Eに、トランジスタQ
6のコレクタは定電圧供給装置5の負極出力端子Fに接
続される。
【0031】プッシュプル増幅器116の出力端(トラ
ンジスタQ5,Q6のエミッタどうしの接続点)はダイ
オードD3のアノードとダイオードD4のカソードとの
接続点に接続される。ダイオードD3のカソードは定電
圧供給装置5の正極出力端子Eに、ダイオードD4のア
ノードは定電圧供給装置5の負極出力端子Fに接続され
る。ダイオードD3,D4は、図1,2でその構成につ
いて述べた、パルストランスAで発生するサージを吸収
するためのものである。
【0032】ダイオードD3のアノードとダイオードD
4のカソードとの接続点は、低周波成分カット用のコン
デンサC6を介してパルストランスAの一次側コイルL
3の一端に接続される。この一次側コイルL3の他端は
定電圧供給装置5の負極出力端子Fに接続される。コン
デンサC6は、周波数の高いPWM搬送周波数信号のみ
を通し、低周波成分は通さないような定数値に設定され
る。
【0033】またNAND回路114の出力端は、イン
バータバッファ117を経た後、上記同様、トランジス
タQ7,Q8から成るプッシュプル増幅器118に接続
され、プッシュプル増幅器118の出力端はダイオード
D5のアノードとダイオードD6のカソードとの接続点
に接続される。この接続点は、上述のコンデンサC6と
同様にPWM搬送周波数信号のみを通し、低周波成分は
通さないような定数値に設定されたコンデンサC7を介
してパルストランスBの一次側コイルL4の一端に接続
される。
【0034】図5に戻り、FETQ1〜Q4の各ゲート
端子に接続される駆動信号回路について説明する。パル
ストランスAの二次側のコイルL5の一端は、抵抗R
7、復調用のコンデンサC8、抵抗R8とダイオードD
7との並列回路を経てFETQ1のゲート端子に接続さ
れる、一方パルストランスAの二次側のコイルL5の他
端はFETQ1のソース端子に接続される。コンデンサ
C8と、抵抗R8,ダイオードD7から成る並列回路と
の接続点は、ツェナーダイオードD8,D9を介してパ
ルストランスAの二次側のコイルL5の前記他端に接続
される。ダイオードD7はアノードがFETQ1のゲー
ト端子側になるように、またツェナーダイオードD8,
D9は互いのアノードどうしが向き合うように接続され
る。
【0035】パルストランスAのもう一つの二次側コイ
ルL6及びパルストランスBの二次側コイルL7,L8
と、対応する各FETQ3,Q2,Q4のゲート端子と
の間にも、パルストランスAの二次側コイルL5とFE
TQ1のゲート端子との間に設けられた回路とまったく
同様な回路が設けられる。
【0036】以上のように構成されたインバータ装置
(インバータ7、ローパスフィルタ8及び図6の回路装
置)の作動を図7に示す信号波形を参照しながら以下に
説明する。
【0037】インバータ7のFETQ1,Q3及びFE
TQ2,Q4のゲート端子には後述するパルス幅変調
(PWM)信号が入力され、このPWM信号に応じてF
ETQ1,Q3及びFETQ2,Q4を交互に導通させ
ることにより平滑回路4の出力をスイッチング制御して
ローパスフィルタ8へ出力する。ローパスフィルタ8は
高周波成分をカットして商用周波数の交流電力を出力端
子9,9’から負荷に供給する。
【0038】出力端子9に現れる出力電圧の波形と出力
端子9’に現れる出力電圧の波形は、それぞれが電圧分
割抵抗R1,R2及びR3,R4を経た後、差動アンプ
101にて比較され、その差、すなわち出力電圧の波形
の歪みあるいはオフセット成分を検出し、この検出信号
を増幅して差動アンプ103に出力する。出力端子9,
9’に現れる出力電圧の波形どうしを比較するため、出
力電圧の波形の歪みが精度よく検出できる。なお、コン
デンサC2,C3により当該差信号から高周波成分が除
かれるとともに、コンデンサC3は差動アンプ103に
加わる外乱をも除去する。
【0039】差動アンプ103は正弦波発振器102か
ら入力される商用周波数の正弦波信号と差動アンプ10
1から入力される直流分のフィードバック信号によって
振幅基準レベルを補正された商用周波数の正弦波信号
(図7b”)を出力する。この補正された正弦波信号に
基づき後述のようにPWM信号をつくるため、インバー
タバッファ106のしきい値のバラツキ等に起因して発
生する前記出力電圧の波形の歪み及びオフセット成分を
減少させることが可能となる。
【0040】矩形波発振器104から出力された矩形波
信号は積分回路105で積分されて三角波信号(図7
b’)が形成される。この三角波信号b’と差動アンプ
103からの補正された正弦波信号b”とが重畳されて
重畳信号(図7b)が形成され、インバータバッファ1
06に入力される。インバータバッファ106では、し
きい値(図7bに示す破線)を超えるレベルの信号が入
力したときには低レベルの信号を出力し、一方しきい値
以下のレベルの信号が入力したときには高レベルの信号
を出力する(図7c)。この出力パルス列信号cは、三
角波信号b’を搬送波とし、正弦波信号b”によりパル
ス幅変調されたパルス幅変調(PWM)信号となる。
【0041】次に、このパルス幅変調信号cからNAN
D回路114の出力信号iにいたるまでの説明をする。
【0042】矩形波発振器104から出力された矩形波
信号aは、インバータバッファ108で反転された後、
微分回路110で微分処理され、微分信号dとなる。す
なわち、矩形波信号aの立ち下がり時には抵抗R5を経
てコンデンサC4が充電され、正の立ち上がりの微分出
力が現れ、矩形波信号aの立ち上がり時にはダイオード
D1を経てコンデンサC4が放電されて負側の微分出力
が現れる。
【0043】微分回路110からの出力信号はインバー
タバッファ112で、しきい値を基準に反転増幅され
て、正の微分出力が前記しきい値より大きい間だけ低レ
ベルの矩形波信号eとなる。このときインバータバッフ
ァ112の出力信号eとインバータバッファ106の出
力信号cとがNAND回路107に入力され、NAND
回路107は入力される両信号が高レベルの間だけ低レ
ベルの矩形波信号hを出力する。
【0044】さらに、矩形波発振器104から出力され
た矩形波信号aは、2連のインバータバッファ109を
経た後、微分回路111で微分処理され、矩形波信号a
の立ち上がりで正の微分出力が現れ、立ち下がりで負の
微分出力が現れる微分信号fとなる。この微分信号fは
インバータバッファ113でしきい値を基準に反転増幅
され、正の微分出力部分で低レベルの矩形波信号gとな
る。微分回路111及びインバータバッファ113での
信号処理動作は前述の微分回路110及びインバータバ
ッファ112での動作と同様である。
【0045】NAND回路114へは、NAND回路1
07の出力信号hとインバータバッファ113の出力信
号gとが入力し、NAND回路114は、両入力信号が
高レベルのとき低レベルの矩形波信号(PWM信号)i
を出力する。
【0046】このNAND回路114から出力されたP
WM信号iは、2連のインバータバッファ115を経た
後、プッシュプル増幅器116でプッシュプル増幅さ
れ、その後低周波成分カット用のコンデンサC6へ供給
される。このコンデンサC6を通過する直前の信号は、
基準レベルに対し振幅一定のPWM信号であるがこの信
号の平均電圧(積分値)は、正弦波発振器102からの
正弦波と同一の周期で変化しており、したがってこのP
WM信号は当該正弦波と同一の周波数(商用周波数)成
分を含んでいる。
【0047】コンデンサC6は低周波信号、すなわち本
実施例における商用周波数信号を通さず、高周波信号で
あるPWM搬送周波数信号のみを通すので、PWM信号
がコンデンサC6を通過後は、図7jに示すように、商
用周波数成分とは逆相にパルス列全体が上下して平均電
圧が常時零であるパルス信号列がパルストランスAの一
次側コイルL3に供給される。したがって、パルストラ
ンスAを構成するトランスコアには、商用周波数成分に
よる磁気飽和の悪影響がほとんどなくなり、PWM搬送
周波数で磁気飽和しない程度の小形サイズのもので構成
することが可能となる。
【0048】また、上述したように、パルストランスA
は、一次側コイルL3と二次側コイルL5,L6のボビ
ンへの巻装後の巻幅が略等しく巻かれているので、結合
インピーダンスが小さく、良好な信号伝達が可能とな
り、波形歪み等が生じない。
【0049】かくして、良好に信号伝達され、パルスト
ランスAの二次側コイルL5から出力したパルス信号
(図7jに示す信号とほぼ同じ)は、双方向電圧規制回
路であるツェナーダイオードD8,D9の各降伏電圧と
比較され、当該出力パルス信号が正極方向または負極方
向においてこれら各降伏電圧を超えたときにツェナーダ
イオードD8またはD9が導通して出力パルス信号の電
圧規制を行うとともに、コンデンサC8が充放電され、
コンデンサC8の両端には、出力パルス信号が正極方向
または負極方向において各降伏電圧を超えた分による平
均電圧(これは商用周波数を有する)が現れる。したが
って、FETQ1のゲート・ソース間には、商用周波数
を有するコンデンサC8の両端電圧と、パルストランス
Aの二次側コイルL5から出力したパルス信号とが重畳
した信号、すなわちコンデンサC6を通過前のPWM信
号(図7c)が復調される。FETQ1は、PWM信号
の正極パルス信号がゲート端子に入力されている間に対
応して導通する。
【0050】なお、コンデンサC8の定数はFETQ1
のゲート容量に対し十分大きな値、抵抗R7の定数は、
パルストランスAの二次側コイルL5とコンデンサC8
とが共振しないQに抑えることのできる値を選定する。
抵抗R8はFETQ1のスイッチング速度を調整するも
のであり、またダイオードD7は、FETQ1のゲート
端子に加えられていた電圧が低下されたときにそれまで
にFETQ1のゲート容量に蓄えられた電荷を急速に放
電させてFETQ1を即座に非導通にするためのもので
ある。また、ツェナーダイオードD9は、特にパルスト
ランスAの二次側コイルL5からのキックバック電圧に
よって発生するFETQ1の基準電位の上昇を阻止する
機能を有している。
【0051】パルストランスAの二次側コイルL6から
出力したパルス信号も上述の二次側コイルL5から出力
したパルス信号とまったく同様に処理され、FETQ3
のスイッチングはFETQ1と同じタイミングで行われ
ることになる。したがってPWM信号の正極パルス入力
時にFETQ1及びQ3が導通して平滑回路4から直流
電流がローパスフィルタ8へ供給される。
【0052】次に、NAND回路114から出力された
PWM信号は、インバータバッファ117を経た後、上
記プッシュプル増幅器116からFETQ1,Q3まで
の信号処理回路と同様の信号処理が行われ、FETQ
2,Q4はこのPWM信号に応じてスイッチング制御さ
れる。但し、インバータバッファ117を経るためPW
M信号は、上記プッシュプル増幅器116からFETQ
1,Q3までの回路に加わるPWM信号とは位相が反転
された信号となっており、したがってFETQ1,Q3
が導通しているときにはFETQ2,Q4が非導通とな
り、FETQ1,Q3が非導通となっているときにはF
ETQ2,Q4が導通するようにスイッチング制御され
る。
【0053】以上のように、商用周波数の正弦波を高周
波の三角波信号で変調したPWM信号に基づきインバー
タ7のスイッチング制御が行われ、その後インバータ7
のスイッチング出力に含まれる搬送周波数成分がローパ
スフィルタ8で除かれ、ほぼ正弦波に近似した商用周波
数の交流電流が出力端子9,9’から負荷に供給され
る。そして、パルス幅変調回路から出力されるPWM信
号をブリッジ型インバータ回路へ昇圧伝達するパルスト
ランスA,Bの一次側コイルL3,L4と二次側コイル
L5,L6及びL7,L8のボビンへの巻装後の巻幅が
略等しくされているので、一次側コイルL3,L4と二
次側コイルL5,L6及びL7,L8の結合インピーダ
ンスが小さく良好な信号伝達がなされる。
【0054】
【考案の効果】本考案のインバータ装置においては、以
上説明したように、パルストランスを、パルス幅変調回
路側を一次側、ブリッジ型インバータ回路側を二次側と
し、一次側巻線の線径を二次側巻線の線径より太くして
ボビンの外周への巻幅を大きくすることによって、前記
ボビンの外周に、二次側、一次側、二次側の順にそれぞ
れの層が均一にかつ巻幅が略等しくなるように重ねて巻
装したので、一次側巻線部に空隙が生ぜず、二次側巻線
には一次側巻線に支配されない磁路が生じない。これに
より、パルストランスの一次側と二次側の結合インピー
ダンスが小さく、波形歪等が生ぜず、安定した信号伝達
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のインバータ装置に用いるパルストラン
スの一実施例の半分を示す断面図である。
【図2】図1のパルストランスの巻線の接続関係を示す
図である。
【図3】従来のインバータ装置に用いるパルストランス
の一例の半分を示す断面図である。
【図4】従来のインバータ装置に用いるパルストランス
の他の例の半分を示す断面図である。
【図5】本考案のインバータ装置の一実施例の回路構成
の一部を示す回路図である。
【図6】本考案のインバータ装置の一実施例の回路構成
の他の部分を示す回路図である。
【図7】本考案のインバータ装置の一実施例の回路の各
部の波形を示す波形図である。
【符号の説明】
T1 ボビン T2,T4,L5,L6,L7,L8 二次側コイル T3,L3,L4 一次側コイル 5 定電圧供給装置 6 サイリスタ制御回路 7 インバータ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源回路と、該直流電源回路の出力
    をスイッチング制御するブリッジ型インバータ回路と、
    所定周波数の正弦波基準信号をパルス幅変調してPWM
    信号を出力するパルス幅変調回路と、該パルス幅変調回
    路から出力されるPWM信号を前記ブリッジ型インバー
    タ回路の前記スイッチング動作の制御信号として昇圧し
    て伝達するパルストランスとを備えたインバータ装置に
    おいて、前記パルストランスは、前記パルス幅変調回路
    側を一次側、前記ブリッジ型インバータ回路側を二次側
    とし、一次側巻線の線径を二次側巻線の線径より太くし
    てボビンの外周への巻幅を大きくすることによって、前
    ボビンの外周に、二次側、一次側、二次側の順にそれ
    ぞれの層が均一にかつ巻幅が略等しくなるように重ねて
    巻装して成ることを特徴とするインバータ装置。
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